日本国内で売れ続けている4K HDRゲーミングモニター「INNOCN 32M2V」のまっとうな対抗馬がついに登場しました。
その名も「TITAN ARMY P32A6V-PRO」です。
実はカタログスペックの差が少ないから一瞬買うか迷ったものの、いざ発売日が来たら1台買ってました。32M2Vなどと比較しながら、測定機材も使って詳しくレビューします。
(公開:2024/12/3 | 更新:2024/12/3)
「P32A6V-PRO」はどんなゲーミングモニター?
- 4K(3840×2160)で「最大160 Hz」
- 「量子ドットIPS」パネル採用
- Mini LED(2304ゾーン分割)搭載
- Display HDR 1000対応
- PS5で120 Hz(VRR)に対応
「P32A6V-PRO」をざっくり要約するなら、とんでもなく明るくパワフルな色彩表現が可能な「QD-IPS + Mini LED(量子ドット)」パネルを使った4K 160 Hzゲーミングモニターです。
OLED以上の明るさとOLED並の黒さ、どちらも両立するために2304ゾーンに細かく分割したMini LEDバックライトを搭載します。
TITAN ARMY P32A6V-PRO | |
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パネルタイプ | 4K(3840×2160)で最大160 Hz QD-IPSパネル(32インチ) (量子ドットIPSパネル) |
応答速度 | 0.5 ms (G2G) |
主な機能 ゲーマー向け |
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調整機能 エルゴノミクス |
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VRR機能 | VESA Adaptive Sync ※G-SYNC互換モード対応 |
参考価格 ※2024/11時点 | |
Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |
TITAN ARMY P32A6V-PRO | |
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画面サイズ | 32インチ |
解像度 | 3840 x 2160 |
パネル | QD-IPS + Mini LED (量子ドットIPSパネル) |
コントラスト比 | 1000 : 1(SDR時) 1000000:1(HDRピーク時) |
リフレッシュレート | 160 Hz (3840 x 2160) HDMI 2.1 : ~160 Hz DP 1.4 : ~160 Hz |
応答速度 | 0.5 ms (G2G) |
光沢 | ノングレア |
VESAマウント | 100 x 100 mm |
エルゴノミクス |
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主な機能 |
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HDR対応 |
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同期技術 | VESA Adaptive Sync ※G-SYNC互換モード対応 |
スピーカー | ステレオ(5W x2) イヤホン(3.5 mm)端子あり |
主な付属品 |
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寸法 | 726.8 x 553.3 x 473.3 mm |
重量(実測) |
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保証 | 1年保証 |
「P32A6V-PRO」は、液晶パネルで最高峰の色を出せる量子ドット + Fast IPSパネルを搭載。
加えてコントラスト比を大幅に改善するため、LEDバックライトを細かく2304個に分割した「Mini LED」も合体。液晶パネルで最高の色と、最高のコントラスト比の両立を狙う設計です。
量子ドットとMini LEDの組み合わせにより、P32A6V-PROはVESA Display HDR 1000認証に合格しています。コンシューマ向けで最高のHDRグレード規格です。
並のOLED(有機EL)パネルをはるかに上回る、明るいHDRに没頭できる真の4K HDRゲーミングモニターを目指します。
今のところ「INNOCN 32M2V」が、首席4K HDRゲーミングモニターの座を約2年も独占し続けていますが、おそらく今作「P32A6V-PRO」が首位の座を奪う予定です。
1年間の正規代理店保証がつくツクモ(Yahoo店)で購入
今回レビューで使うP32A6V-PROは、TITAN ARMYの正規代理店品を取り扱う「ツクモ(Yahooショッピング店)」にて購入しました。
筆者やかもちが購入したときで約11万円でしたが、レビュー時点だと約10.3万円で買えるみたいです。ライバルの32M2Vとわずか3000円の差額まで詰めていて、価格競争力も申し分ないです。
中国の有名なPCモニターメーカー「Joint Innovation(※INNOCNで知られる)」社が、PCゲーマー向けに展開しているサブブランドが「TITAN ARMY(タイタンアーミー)」です。
つまり、INNOCN製品とまったく同じ製造元で、単にブランド名が違うだけ。ただし、日本国内への流通ルートが少し違います。
- INNOCN:メーカーが直接Amazonで販売
- TITAN ARMY:国内代理店を経由して各ショップで販売
INNOCNはメーカー自らAmazonで販売しています。一方、TITAN ARMYは株式会社リンクスインターナショナルが代理店をやっていて、Amazonや楽天市場など主要なショップで販売しています。
【量子ドット】だから色がとんでもなく鮮やか
Youtubeにあるデモ映像で鮮やかさを体験
「量子ドット」は、表示できる色を飛躍的に拡張する素材です。
TITAN ARMY P32A6V-PROの場合、Fast IPSパネルに量子ドットフィルターを組み込み、とんでもなく鮮やかな色彩表現が可能になっています。
しかも、初期設定の時点でいい具合に調整済みでした。
何も設定せずとも、そのままの状態で問題なく使える画質です。
あえて指摘するならわずかに「青っぽい」ので、モニターのOSD設定から色温度と明るさを好みに合わせて調整するくらいで十分でしょう。
キャリブレーターで測定しながら、モニター側の設定(OSD)を手動で調整しました。
- モード:標準
- 明るさ:67
- コントラスト:50
- 色温度:ユーザー1
- 赤:50
- 緑:48
- 青:45~46
以上の設定で、ニュートラルな色温度(白色)である6500Kにおおむね調整できます。
画面の明るさは好みに合わせて調整してください。明るさ67%だとかなり明るいです(個人的な好みで350 cd/m²に合わせているだけ)。
手動で調整後、ニュートラルなグレーに仕上がります。
(三角形の面積が広い = 色域が広い)
- TITAN ARMY P32A6V-PRO(量子ドットIPS)
- DELL AW3225QF(QD-OLED)
- LDQ271JAB(量子ドットIPS)
- LG 32GS95UE(有機EL)
- Xiaomi A24i(普通のIPSパネル)
5台のゲーミングモニターを実測して比較しました。
普通の白色IPSパネル(灰色ライン)をはるかに上回る広い面積です。並のOLEDパネルすら超えて、QD-OLED(量子ドット有機EL)パネル以上の広さに達しています。
意外かもしれませんが、現時点でもっとも鮮やかな色を出せる技術が今回の「量子ドットIPSパネル」です。まだまだ液晶も負けてません。
もっと厳密にキャリブレーション(校正)したいガチな方は、筆者が作成した3D LUTプロファイル(.cube)を試してみてください。
フリーソフト「dwm_lut」を使って3D LUT(.cube)を適用したら、ゲーミングモニターのOSD設定を以下の内容に変更します。
- モード:標準
- 明るさ:67
- コントラスト:50
- 色温度:ユーザー1
- 赤:50
- 緑:48
- 青:45
3D LUTの効果を確かめます。
シンプルに約800ポイント測定でプロファイルを作ってみました。ざっくりガンマ2.2に校正されています。
常用グレースケールで色温度もほぼ6500K前後に一致します。
色の鮮やかさを損なわないように、できるだけ色域を変えないように作ってます。鮮やかさをそのままに、ガンマと色温度を規格どおりに調整する3D LUTプロファイルです。
「量子ドットAHVA(IPS)」の画質をじっくり見てみる
本物のFast IPSである「AHVA(IPS)」パネルに「量子ドット」を組み合わせた、いわゆる量子ドットFast IPSパネルです。
並のIPSパネルや画質の悪いTNパネルから乗り換えた人なら、すぐに色の鮮やかさを体感できるはずです。
筆者はほぼ同じパネルを搭載する従来機「INNOCN 32M2V」ですでに体験しているから驚かないですが、量子ドットを初めて見る人なら量子ドット特有の鮮やかさに気づくと思います。
なお、量子ドットはあくまでも色に関係する技術で、黒色の深さと無関係です。だからコントラスト感は普通のIPSパネルと同等です(実測1130:1程度)。
(sRGB:ΔE = 6.06 / 色温度:6303K / 輝度:357 cd/m²)
Youtubeやアニメ、FPSゲーム(タルコフやOverwatch 2)、RPGゲーム(原神や崩壊スターレイル)をTITAN ARMY P32A6V-PROで表示した例です。
・・・明るくて、色が、鮮やか!
1行で終わりです。本当に1行で説明できるのか疑問に思われるかもしれないですが、量子ドット + 液晶パネルの感想は本当に上記たった1行で終わりです。
安物の色あせたADS(IPS)パネルから、無限のコントラスト比を持つOLEDパネル、そこそこ定評のあるNano IPSやRapid IPSパネルまで。市販されているほぼすべてのパネルを見てきた経験上。
「量子ドットはとにかく鮮やか」で十分に説明できます。
カラフルな色彩を使ったイラスト画像(原神の★5恒常キャラ「刻晴」より)で比較。
もっぱら好みの問題ですが、人間の視覚は明るい色をカラフルに感じやすい性質があるらしく・・・ 少なくとも筆者やかもちはP32A6V-PRO(左側)が好みに感じます。
なら、QD-OLEDの方をもっと明るくすればいいわけですが、残念ながらOLEDパネル最大の弱点が明るさです。わざと暗くしたわけではなく、これ以上明るくできなかっただけです。
カルト的な人気を誇るオープンワールド型FPS「Escape from Tarkov(タルコフ)」のワンシーンで比較。
OLEDパネルのモニターは黒色を強く見せようとするあまり、暗部階調のディテール崩れが気になります。
液晶パネルも製品によって暗部階調が潰れていたりしますが、少なくともTITAN ARMY P32A6V-PROは初期設定の時点でグレースケールがかなり正確で、階調つぶれが目立たないです。
もっと比較写真を見たい方は↑こちらからどうぞ。
TITAN ARMY P32A6V-PROに施されたパネル表面加工は、PC用モニターで定番の「ノングレア加工(アンチグレア)」です。
ぼんやりと背景がしっかり拡散され、周囲が明るくても映り込みをかなり防いでいます。
部屋を暗くすると、映り込みがさらに軽減されます。
以前レビューした「EX-LDQ271JAB(INNOCN製)」と同じく、表面粒子がやや細かめです。映り込みをうまく防ぎながら光を反射しすぎない、ちょうどいい塩梅に調整されています。
量子ドットFast IPS(AHVA)パネルは基本的にIPSパネルと同じなので、並のIPSパネルと同程度に視野角が広いです。
斜め方向から見ても、画面が白くなったり黄ばんだりする傾向が少なめ(参考:液晶パネルの違いを解説するよ)。なお、OLEDパネルには到底勝てません(→ 参考写真)。
文字のドット感(見やすさ)はとても鮮明かつクリアです。
- ドットがRGB配列:テキスト表示に有利
ピクセル配列の拡大写真 - 画素密度が143 ppi前後:やや高いドット密度
テキスト表示に有利なRGB配列のIPSパネルに、100 ppiを大幅に超える143 ppiもの高い画素密度を備えます。
普通の距離感(50~60 cm)で見る分には、ドット感がほとんど目立たない鮮明なテキストです。
全部で「13個」あるプリセットを比較
- 標準(初期設定)
- RTS / RPG
- FPS
- MOBA
- ムービー
- リーディング
- ナイト
- アイケアー
- Mac View
- E-Book
- sRGB
- AdobeRGB
- DCI-P3
TITAN ARMY P32A6V-PROは、なんと全部で13個もの「プリセットモード」が用意されています。
それぞれテーマ性や個性があって十分に使えるプリセットですが、良い意味で初期設定「標準モード」が完成されているから、あえて他のモードを使う必要性が少ないです。
ただし、クリエイターの方は「sRGB」「Adobe RGB」「DCI-P3」モードに有用性あり。どれも正確に色域が制限されるうえ、色の精度も高い(ΔE < 1.0)です。
一般人やPCゲーマーなら「標準モード」を好みに合わせて調整して、クリエイターは必要とする色域に合わせて3つある制限モードを使い分けるといいでしょう。
モードごとの詳しいデータは ↓以下の測定レポートをどうぞ。
目標の基準値:sRGB(Gamma 2.2)
モード | 色域 (sRGB) | 色域 (DCI-P3) | 明るさ | グレーの正確さ | 色の正確さ | ガンマ | 色温度 | コントラスト比 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
標準 | 99.9% | 99.0% | 321.5 cd/m² | ΔE = 1.12 | ΔE = 6.04 | 2.19 | 6294K | 1128:1 |
RTS/RPG | 99.9% | 99.0% | 309.1 cd/m² | ΔE = 3.43 | ΔE = 6.35 | 2.51 | 6466K | 24136:1 |
FPS | 99.9% | 99.0% | 315.0 cd/m² | ΔE = 3.22 | ΔE = 6.22 | 2.48 | 6441K | 17363:1 |
MOBA | 99.8% | 98.3% | 332.7 cd/m² | ΔE = 5.09 | ΔE = 6.85 | 1.86 | 7276K | 255:1 |
ムービー | 99.9% | 99.0% | 331.2 cd/m² | ΔE = 4.67 | ΔE = 6.29 | 2.36 | 7178K | 17827:1 |
リーディング | 99.9% | 98.2% | 319.3 cd/m² | ΔE = 2.62 | ΔE = 6.15 | 2.45 | 5965K | 17710:1 |
ナイト | 99.9% | 99.0% | 323.3 cd/m² | ΔE = 2.65 | ΔE = 5.67 | 2.44 | 7062K | 17913:1 |
アイケアー | 99.9% | 99.0% | 314.8 cd/m² | ΔE = 2.72 | ΔE = 5.59 | 2.44 | 5329K | 17570:1 |
Mac View | 99.9% | 99.0% | 322.3 cd/m² | ΔE = 2.98 | ΔE = 5.78 | 2.45 | 7108K | 18010:1 |
E-Book | 99.9% | 99.0% | 309.1 cd/m² | ΔE = 2.95 | ΔE = 29.74 | 2.46 | 6729K | 20259:1 |
sRGB | 97.3% | 78.2% | 317.0 cd/m² | ΔE = 0.45 | ΔE = 0.52 | 2.24 | 6724K | 1088:1 |
AdobeRGB | 99.3% | 86.7% | 315.5 cd/m² | ΔE = 0.40 | ΔE = 0.47 | 2.20 | 6821K | 1075:1 |
DCI-P3 | 99.8% | 97.3% | 315.2 cd/m² | ΔE = 3.82 | ΔE = 3.06 | 2.20 | 6831K | 1073:1 |
ほぼすべてのモードで「ローカルディミング」が入ってます。コントラスト比が異常に高いのはローカルディミングが原因です。
基本的にローカルディミングはHDRモード用の設定だから、普通にSDR(非HDR)コンテンツで使うなら、OSD設定からローカルディミング:オフを推奨します。
「TITAN ARMY P32A6V-PRO」の測定レポートはこちら↓をクリックして確認できます。
なるべくシンプルな言い回しに置き換える努力をしていますが、やはり専門用語が多く難解に思われるかもしれないです。あまり興味がなければ飛ばしてもらって構いません。
モニターの色を測定する機材「X-rite i1 Pro2(分光測色計)」と「ColorChecker Display Plus(比色計)」を使って、「TITAN ARMY P32A6V-PRO」の画質をチェックします。
初期設定のグレースケールはほんのわずかに寒色(青色気味)に偏っていますが、日本人の好みに合いそうな画質だからそのままで大丈夫です。
日本に限らず中国でも青白いスッキリした白が好まれてるらしく、中国メーカーのINNOCN(TITAN ARMY)が自国市場の好みに合わせて出荷している可能性が考えられます。
色の正確さは・・・量子ドットの影響で色域が大幅に広くなりすぎて当然ズレます。普通にゲームやエンタメ用途で使うなら、色域が広い → 色が鮮やかに見えるので問題ないです。
- 今日は疲れてるから地味な色合いで見たい
- 「sRGB」色域じゃないと不具合が出るソフト
(※ペイントツールSAIが割と有名)
など、sRGB色域が必要であれば「sRGB」モードを使います。
TITAN ARMY P32A6V-PROのsRGBモードは、ガンマ(コントラスト感)、色の正確さが高い精度で調整されていますが、色温度がやや青緑に偏っていて惜しいです。
比較グラフはsRGBに対する正確さを求めているので、表示できる色が広いパネルほど不利です。
当然ながら量子ドットを採用するTITAN ARMY P32A6V-PROはトップクラスに不利だし、高画質なRapid IPSパネルやOLEDパネルも不利になります。
「色の正確さ」が優れているからといって、エンタメ用途に楽しい画質かどうかは判断できません。sRGBの色精度が高い ≠ 主観的に見た高画質です。
コントラスト比を比較 ※クリックすると画像拡大 |
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TITAN ARMY P32A6V-PROのネイティブコントラスト比は1128:1です。平均的なIPSパネルより、ほんの少し高い程度。
画面の明るさ ※クリックすると画像拡大 |
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画面の明るさを測定したグラフです。
100%時で540 cd/m²に達し、SDRコンテンツを見るのに十分すぎる明るさです。0%時だと47 cd/m²まで下げられます。夜間に暗い画面を好む人にとって、もう少し暗さが欲しいです。
目にやさしいらしい120 cd/m²前後は設定値17%でほぼ一致します。
色域カバー率(CIE1976) | ||
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規格 | CIE1931 | CIE1976 |
sRGBもっとも一般的な色域 | 100.0% | 99.9% |
DCI P3シネマ向けの色域 | 97.9% | 99.0% |
Adobe RGBクリエイター向けの色域 | 99.1% | 98.7% |
Rec.20204K HDR向けの色域 | 82.1% | 85.1% |
TITAN ARMY P32A6V-PROで表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。
もっとも一般的な規格「sRGB」で100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」では99%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は99.1%です。
エンタメ用途で重要なDCI P3とRec.2020カバー率の比較は上記リンクから確認してみてください。
量子ドット液晶パネルは、市場に出回っているほぼすべての液晶パネルやOLEDパネルよりも色域が広いです。
傾向的に、量子ドット液晶 > QD-OLED > 広色域な液晶 = OLED > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並びます。
色ムラの程度を測定。
一般的な液晶パネルと同じく、パネルの左右に近いほど明るさがやや落ち込みます。IPSパネルによくある「IPSグロー」と呼ばれる症状で、程度の差はあれど共通の症状です。
ただし、TITAN ARMY P32A6V-PROの色ムラは平均値でわずか2.9%しかなく、過去にレビューしてきた液晶パネルとしてもっとも色ムラが少ないクラスです。
ほとんどのシーンで色ムラに気づく可能性が非常に低く、画面全体に同じ色を表示させたときだけ色ムラの存在に気づくレベル。
クリエイター向けをアピールする数万円のモニターでも、これほど色ムラを抑えられている製品はほとんどないでしょう。
マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。
AHVAパネルでよく見られる「くの字型」画素ドットを確認できます。画素レイアウトはシンプルな「RGB」配列で、赤・緑・青の順に並んでいます。
細い直線やテキストの表示と相性がいい、PCモニター向けの画素レイアウトです。
表面加工はノングレアに見えますが、透過率がやや高いのか、画素ドットが割とクッキリと映ります。
光を分析する「分光測色計」を使って、画面から出ている三原色の鋭さ(波長)を調べました。専門用語でスペクトラム分析と呼ぶそうです。
グラフを見て分かるとおり、緑色と赤色がピンッと鋭く突き立っています。凹みがまったく見られない鋭い波長パターンから、「量子ドット(Quantum Dots)」と判別できます。
量子ドットの効果で抜群に色の分離が良く、高純度の赤色と緑色を取り出せます。結果的に表示できる色域が飛躍的に向上します。
ついでにブルーライト含有量を調べたところ約29.2%でした。
モニターの設定から「アイケアー」モードを入れると、TÜV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成できます。
TITAN ARMY P32A6V-PROのゲーム性能は?
TITAN ARMY P32A6V-PROのゲーム性能をレビューします。
- 応答速度
- 入力遅延
- ゲーム向け機能
おもに「応答速度」「入力遅延」「ゲーム向け機能」の3つです。測定機材を使って調べてみます。
TITAN ARMY P32A6V-PROの応答速度と入力遅延
↑こちらの記事で紹介している方法で、TITAN ARMY P32A6V-PROの「応答速度」を測定します。
60 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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ニンテンドースイッチやPS4など、最大60 Hz対応のゲーム機で使う場合、60 Hz時の応答速度を気にします。
30パターン測定で、平均5.10ミリ秒を記録します。60 Hzに十分な応答速度です。
120 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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PS5やXbox Series Xで重要な120 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均5.05ミリ秒でした。
モニターのオーバードライブ機能を「レベル2」に切り替えると、平均3.7ミリ秒前後まで改善できます。「レベル3」以上から、少し「にじみ」が出てしまうからレベル2までが実用値です。
144 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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144 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均5.0ミリ秒でした。
オーバードライブ機能を「レベル2」で平均3.7ミリ秒まで改善できます。
160 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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160 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均5.00ミリ秒でした。
モニターのオーバードライブ機能を使って、さらに応答速度を改善できないかチェックします。
OD機能の効果 160 Hz / 4段階をテストした結果 | ||||
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平均値 | 4.39 ms | 3.78 ms | 3.40 ms | 3.12 ms |
最速値 | 2.94 ms | 2.08 ms | 2.03 ms | 1.48 ms |
最遅値 | 6.46 ms | 5.13 ms | 4.19 ms | 3.78 ms |
平均エラー率 | 0.0 % | 0.6 % | 4.1 % | 6.5 % |
「レベル1」「レベル2」「レベル3」「トップスピード」の4段階です。
最大設定の「トップスピード」モードで平均3.12ミリ秒まで応答速度が改善され、UFOのりんかく線がものすごくクッキリ明瞭に見えます。
平均エラー率は約6%でちょっとギリギリなラインですが、人間の目で見る分には問題なく使えます。
心配なら「レベル3」モードを検討してみてください。これでも平均3.40ミリ秒を出せて、32インチ4Kモニターでトップクラスの応答速度です。
結論、TITAN ARMY P32A6V-PROのおすすめオーバードライブ設定は「レベル3」または「トップスピード」モードで決まりです。
他のゲーミングモニター(120 Hz以上)と比較します。
感無量です。
2023年版の量子ドットAHVAパネルだと、なんと平均7ミリ秒台と恐ろしく遅かったのに、最新版で見事に挽回して魅せました。
平均3ミリ秒台は過去レビューしてきた32インチ4Kゲーミングモニターで文句なしの最速クラス。さらに上位は「MOBIUZ EX321UX」ですが、値段が2倍以上も違うから比較しないように。
参考までに、60 Hzモード時の応答速度も大幅な改善です。
入力遅延(Input Lag)はどれくらいある?
2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。
- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
左クリックしてから画面に反映されるまでにかかった時間を測定し、左クリック100回分の平均値を求めます。
TITAN ARMY P32A6V-PROの入力遅延はまったく問題なし。
160 Hz時(G-SYNC互換モード)で平均3.3ミリ秒、120 Hz時(G-SYNC互換モード)で平均4.4ミリ秒の入力遅延です。
どちらも16ミリ秒を大幅に下回っていて、ほとんどすべての人が入力遅延を体感できません。
そこそこ充実しているゲーム向け機能
TITAN ARMY P32A6V-PROは4つある主要なゲーマー向け機能のうち、3つ対応します。
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能 - カクツキ防止
可変リフレッシュレート機能
順番にチェックします。
暗所補正「シャドウバランス」モード
暗い部分を明るく補正できる「シャドウバランス(Shadow Balance)」モードです。
- オフ
- 1 ~ 100(刻み:1ずつ)
全100段階、かなり細やかに調整できます。
しかし70以上から画面全体が白飛び気味、40以下から黒つぶれ気味だから、実用上は41~69(約30段階)相当です。それでも30段階、割と十分な設定値です。
補正の掛かり方はやや大雑把な傾向があり、やはりBenQの本家「Black eQualizer」には届いてません。
eSports系タイトルだとそこそこ、画面全体がうっすら暗いホラーゲームなら使える機能です。
暗所補正「ナイトビジョン」モード
もうひとつの暗所補正機能が「ナイトビジョン(Night Vision)」モードです。
- オフ
- レベル1
- レベル2
- レベル1(AI補正)
- レベル2(AI補正)
4段階の強度で補正をかけます。
気持ち程度ながら、ピンポイントに暗いエリアが浮き上がっている印象です。「シャドウバランス」と同じで、暗いゲームを明るく補正するのに便利です。
鮮やかさ補正「色彩強調」モード
色彩強調(色の濃さ)モードです。
- オフ
- 1~10段階
10段階の強度で補正をかけられます。
パッと見ただけだと色彩強調の効果が分かりづらいですが、色の濃い部分に注目してみると、色がより濃く補正されているのがなんとなく分かります。
色がついている部分をより鮮やかに、色が薄い部分はそのままに抑えておく、色の濃い部分を強調表示できる機能です。
4Kで160 Hz(PS5で120 Hz)に対応
TITAN ARMY P32A6V-PROは最大160 Hzまで、PS5で最大120 Hzに対応します。実際にPS5とゲーミングPCにモニターをつないでみて、リフレッシュレートの対応状況を確認しましょう。
PS5の対応状況 ※クリックすると画像拡大 | ||
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設定 | 60 Hz | 120 Hz |
フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応 PS5 VRR:対応 |
WQHD2560 x 1440 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
4K3840 x 2160 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
PS5でフルHD~4K(最大120 Hz)に対応します。もちろん、HDMI 2.1 VRR搭載だから「PS5 VRR」も対応。
実際にゲームが120 Hzで動くかどうかは、ゲームによって対応状況が違うので注意です。
たとえばフォートナイトなら120 fpsかつ120 Hz動作ですが、ストリートファイター6は60 fpsで120 Hz動作になるなど、ゲームによって挙動が違います。
対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 |
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TITAN ARMY P32A6V-PROがパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。
HDMI 2.1で最大160 Hzまで、DisplayPortは最大160 Hzに対応します。
VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
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フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はHDMIとDisplay Portどちらでも使用可能です。動作範囲は48~144 Hzです。
LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。ちなみにPS5はLFC非対応だから48 Hzまでです。
TITAN ARMY P32A6V-PROの機能性を調査
10万円台のパネル性能てんこ盛りゲーミングモニターの割に、なぜか意外と機能が充実しています。これぞINNOCNクオリティ。
- エルゴノミクス
高さや角度を調整する機能 - インターフェイス
映像入力端子やUSBポートについて - ヘッドホン端子
付いてるだけの平凡な3.5 mmアナログ端子 - フリッカーフリー
眼精疲労持ちなら重要かもしれない - ブルーライトカット
エビデンスは無いけれど気にする人はどうぞ - 自動調光
周囲の明るさに合わせて画面を調整 - OSD
On Screen Display(設定画面)
順番にチェックします。
自由に位置を調整できる「エルゴノミクス」機能
TITAN ARMY P32A6V-PROはかなり充実したエルゴノミクス機能を備えます。ピボット機能(横回転)だけ無かったです。
高さ調整が最初だけ妙に硬くて、いきなりガクンッと動く感じです。何度か使っているうちに馴染んできてスルスルと動きます。
前後チルトと左右スイベルは最初からそこそこスムーズに動かせます。軸の混ざりもほとんどなく、動かしたい方向や角度だけに動いてくれます。
あえて難癖をつけるなら、付属スタンドの首が柔らかいせいで、パネル本体を水平にするのがちょっと難しいです。
VESAマウント ※クリックすると画像拡大 |
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別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。
パネル本体の重量は約6.19 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。
そのままの状態では、段差がジャマでモニターアームと干渉します。付属品の「M4スペーサー(4本)」を先に取り付けましょう。
最初から付いている小ネジ(4本)を外して、付属品のM4スペーサー(4本)に交換。
無事エルゴトロンLXアームを取り付けられました。
「ヘッドホン端子」の音質をテスト
非常に優れたオーディオ特性を持つ「RME ADI-2 Pro」を用いて、TITAN ARMY P32A6V-PROのオーディオ性能をテストします。
SN比を比較 ※クリックすると画像拡大 |
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他のゲーミングモニターを少し下回るオーディオ特性です。一応、従来機の32M2Vより格段に改善されていますが、当然ながらポータブルタイプの専用DAC機材に勝てません。
周波数特性は一直線にほぼフラットな形状です。
比較的鳴らしにくい「Sennheiser HD650」をつないで聴いてみた。普通に聴けるレベルの音量(≠音質)を取れます。
他の平均的なゲーミングモニターと同じく、音の解像度はそれほど良くなく低音域もあまり鳴らないです。必要最低限のイヤホン端子ですが、安物のヘッドホンやイヤホンなら案外十分な性能かもしれません。
音にこだわる方、音質に不満を覚えてしまった沼の素質がある人は、素直に別売りのポータブルDACを買ってください。
対応するインターフェイスをチェック
全部で4つの映像端子があり、DisplayPort 1.4で最大160 Hz(3840×2160)、HDMI 2.1も最大160 Hz(3840×2160)に対応します。
- 15 W(5.0 V x 3.0 A)
- 27 W(9.0 V x 3.0 A)
- 36 W(12.0 V x 3.0 A)
- 45 W(15.0 V x 3.0 A)
- 65 W(20.0 V x 3.25 A)
USB Type-Cポートで最大65 WのUSB給電(USB PD)に対応します。
対応するUSB Type-Cケーブル1本で、ノートパソコン(ASUS Vivobook 15)を充電しながら、外部ディスプレイ(最大4K 144 Hzまで認識)として使えました。
「フリッカーフリー」対応ですか?
メーカー公式サイトに掲載されている画像に「フリッカーフリー」と記載があります。
フリッカーフリーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
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実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%まで約6000 HzのPWMフリッカーが検出されます。
Mini LEDバックライトを採用する多くのゲーミングモニターで定番の「PWM調光」方式です。1秒あたり6000回なら、人間の目でまったく捉えられない実質フリッカーフリーとして扱います。
TÜV Rheinland認証でも、1秒あたり3000回以上の変動なら問題ないとされています。
VRRフリッカーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
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VRR(G-SYNC互換モードなど)有効時のフリッカーもまったく同じです。
「ブルーライトカット」機能をチェック
- オフ
- 強度25
- 強度50
- 強度75
- 強度100
OSD設定 → ピクチャー設定 → 「ローブルーモード(Low Blue Mode)」でブルーライトカット効果を適用できます。
オフの時点で青色の含有量が29%でそこそこ低く、ローブルーモード:強度25以上でブルーライト含有量が25%(TÜV Rheinland基準)を切ります。
「自動調光」機能をチェック
モニター本体の右上に「照度センサー」が内蔵されています。天井から入ってくる明るさを検知して、画面の明るさを自動的に調整する機能です。
OSD設定 → ピクチャー設定 → 「光センサー:オン」で、照度センサーを使った自動調光が有効化されます。
周りの明るさに応じて、自動的に画面の明るさが調整されているのが分かるはずです。
しかし、BenQアイケアの「Brightness Intelligence(B.I. Gen2)」と比較して、中程度の明るさまでの応答性が鈍い傾向あり。BenQと違い、P32A6V-PROでは明るさだけ調整されて、グレースケール(色温度)はそのまま維持されます。
価格なりの自動調光機能です。
モニターの設定画面(OSD)
・・・モニター本体の右側底面にある「物理ボタン(5個)」を使って、OSD設定をちまちまと操作できます。
項目ごとに分かりやすく整理されたフォルダ階層型のOSDレイアウトを採用。レスポンスも良好でかなり快適。
しかし、項目の数がとても多くて、5つのボタンをポチポチ押しながら設定するのがシンプルに面倒くさいです。
OSDの機能自体は素晴らしい出来栄えなのに、使いづらいボタン方式で台無しに。
- ショートカットボタン(2個)
- プリセットごとに調整(設定値の保存も可能)
最短2回の操作で任意の項目を開けるショートカットボタンを最大2個まで登録できます。「輝度」や「入力切り替え」、「シャドウバランス」や「色彩強調」など、7割くらいの項目を登録可能です。
プリセットごとに好みの設定値を保存して、用途に使い分ける運用も一応できます(※標準モードやsRGBモードは非対応)。
幸いDDC/CI機能に対応しているため、フリーソフト「ControlMyMonitor」などでOSDにアクセス可能です。
固有値 | 番号 | 内容 |
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E0 | 0 | 標準 |
1 | RTS/RPG | |
2 | FPS | |
3 | MOBA | |
4 | ムービー | |
5 | リーディング | |
6 | ナイト | |
7 | アイケアー | |
8 | Mac View | |
9 | E-Book | |
10 | sRGB | |
11 | AdobeRGB | |
12 | DCI-P3 | |
E1 | 0 | ローブルーモード:オフ |
1 | ローブルーモード:25 | |
2 | ローブルーモード:50 | |
3 | ローブルーモード:75 | |
4 | ローブルーモード:100 |
メーカー固有値「E0」がプリセットモード、「E1」がローブルーモードに割り当てられています。
そのほかのモードはうまく特定できませんでした。
TITAN ARMY P32A6V-PROに限らず、コンシューマ向けのPCモニターは基本的に「色域変換モード」を使うと、OSD設定が固定化されて自由に調整できません。
しかし、以下の手順を踏むと「色温度」を任意に設定可能です。
- コード14:Select Color PresetのValueを「11」に変更
- 色域変換モードに切り替える(コードE0を10でsRGB)
- 色温度(赤 / 緑 / 青)を好きに調整可能
「sRGB」「AdobeRGB」「DCI-P3」モードで有用なテクニックです。
TITAN ARMY P32A6V-PROのHDR性能をテスト
TITAN ARMY P32A6V-PROは、「Display HDR 1000」認証をとったモニターです。
Display HDR 1000認証は全部で5つあるHDRグレードで、上から数えて2番目にあたります。コンシューマー向けHDRグレードとしては現時点で最高峰のランクです。
Youtubeで公開されている「Morocco 8K HDR」や、HDR対応ゲームを使って検証します。
(HDR映像を収めた写真はSDRです。掲載した写真は参考程度に見てください。)
HDRモードが全部で3つあって、その中の「HDRムービーモード」が素晴らしい出来です。
今まで見てきたDisplay HDR認証モニターで最高のHDRモードが実装されています。レビューを書いている途中なのに、2時間くらいYoutubeで4K HDRコンテンツを見たり、HDR化した「原神」をプレイしたりなかなかの没入ぶりでした。
やはり明るいHDRが(個人的に)好みに合っています。
従来機のINNOCN 32M2Vと比較してそこまで大きな差はないものの、P32A6V-PROは最初から高精度に整っているのがメリット。わざわざキャリブレーションする必要はほとんどないでしょう。
HDRモード「自動」と「ムービー」を比較した写真です。自動モードだと全体的に暗めにズレていてイマイチ冴えないものの、ムービーモードだと規格どおり追従します。
HDRを楽しむなら、OSD設定 > Game+機能設定 > HDR > HDRムービー に変更を忘れずに。
きちんと明るく制作されている4K UHD盤「デューン Part 2」で動作チェック。アラキスの乾いた砂漠の再現度が高いです。本当に砂漠が目の前にあるみたい。
妙なちらつき、ローカル調光エラーは皆無でした。
それほど明るくはないけれど、ジェット機のブースト噴射や日中の空戦シーンはかなりの明るさが収録されている4K UHD盤「マーヴェリック」も動作チェック。
明るさはまったく不足なし。序盤の作戦会議シーンにおける、ちらつきやローカル調光エラーも難なくクリアします。ちなみにSony INZONE M9(定価15万円)はパスできないテストです。
(※クリックでスクリーンショット拡大)
HDR対応ゲームの代表例「サイバーパンク2077」で動作チェック。グラフィック設定から適切な最大輝度(ピーク輝度)を割り当てると、ピカピカと明るいHDRゲーム映像の出来上がり。
おすすめの最大輝度は「1000 ~ 1250 nits」です。自分の好みに合わせて、1000 ~ 1250の範囲で設定します。1300を大幅に超えると階調エラー(白飛び)の原因になります。
HDR非対応のゲームでは「NVIDIA RTX HDR」を使います。手順は以下のとおり。
- ディスプレイの設定 > HDRを使用する:オン
- NVIDIAコントロールパネル > ビデオの設定 > ハイダイナミックレンジ:オン
- NVIDIA App > グラフィックス > グローバル設定 > RTX HDR:オン
- HDR化したいゲームを選択 > RTX HDR:オン > カスタマイズ
RTX HDRのカスタマイズはスクリーンショットの内容をそのままコピペしてもいいですが、好みに合わなかったら自分で好きに設定してください。
- 最大の明るさ:ピーク輝度(モニターがWindowsに伝えた最大値が上限)
- 中間の暗さ:グレー50%時の明るさ
- コントラスト:画面の明るさ精度(+25% = ガンマ+0.2相当)
- 彩度:色域クリッピング(-25% = sRGB相当)
TITAN ARMY P32A6V-PROの場合、最大の明るさは最大値、中間の暗さは50%前後です。
コントラストと彩度は好みに合わせて自由に設定してください。コントラスト25%あたり、ガンマが0.2動きます。彩度は色の広さを変更するパラメータで、個人的に+20~30%が好みです。
ゲーム起動後、HDR化されたゲーム画面が始まります。「Alt + Z」キーでNVIDIA Appオーバーレイ画面を呼び出して、HDR化されたゲーム画面のスクリーンショットや録画が可能です。
HDR非対応の「原神」もNVIDIA RTX HDR(NvTrueHDR)でHDR化できます。スメール砂漠のように明るいエリアなら実測でピーク時1000 nits超えです。
スメール砂漠はピーク時1000 cd/m²超
光り輝く太陽、もくもくとした積乱雲、背後に広がるうっすら白い青空。それぞれ別々の輝度が割り当てられ明るい階調表現に変換され、本当にスメール砂漠に足を踏み入れたような感覚を味わえます。
OLEDモニターと比較※画像はクリックで拡大 | |
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TITAN ARMY P32A6V-PRODisplay HDR 1000 (CTS 1.1) | DELL AW3225QFDisplay HDR True Black 400 (CTS 1.1) |
参考程度に、Display HDR True Black 400対応ゲーミングモニターと比較した写真です。
写真ですら分かるレベルの性能差が出るシーンもあれば、ほとんど違いが分からないシーンもあります。画面全体が明るいHDRならMini LEDが、ごく一部が明るいHDRならOLEDが得意な傾向です。
「2304ゾーン分割Mini LED」で見え方はどう変わる?
液晶パネルは、自発的に光らない素材です。だから液晶パネルのすぐ裏側に、光らせるための部品「LEDバックライト」を使います。
一般的なゲーミングモニターなら、LEDバックライトは1枚だけです。画面全体を一律で光らせてしまい、コントラスト比はそのまま液晶パネルに依存する形式です。
一方でTITAN ARMY P32A6V-PROは、2304ゾーンに分割した「Mini LEDバックライト」を使います。
光っている部分だけバックライトを点灯させ、暗い部分はバックライトを暗くしたり消灯して、液晶パネルの問題だったコントラスト比を大幅に改善する技術です。
目分量で2304ゾーンをざっくりイメージ化した写真です。
「2304個」と聞くと大きな数字でさぞ凄そうな印象を受けてしまいますが、「横に64個 x 縦に36個」に言い換えると、それほど大きくない数字に感じられます。
実際のところ、2304個でもまだまだです。2304ゾーン分割で不足する事例を紹介します。
(マウスカーソルに注目)
黒い背景に白いウィンドウやマウスカーソルが、未だMini LEDが苦手とする表示パターンです。
ウィンドウの四隅がMini LEDバックライトの消灯に巻き込まれてうっすら暗く見えたり、マウスカーソルが暗くなって見失いやすくなる傾向があります。
白い背景に黒ウィンドウは大幅にマシです。黒い背景で白いテキストがつられて暗くなる症状もほとんど見られません。
Mini LEDバックライトの「ハロー現象(光漏れ)」を写真でチェック。分かりやすいように斜め(45°)から撮影し、光漏れがまったくないOLEDパネルとの比較も掲載します。
思っているより2304ゾーン分割の効果が出ているようで、正直びっくりしました。一方で、光源がぽつぽつと粉々に分布しているパターン(4枚目)は相変わらず不得意なままです。
OLEDモニターと比較※画像はクリックで拡大 | |
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TITAN ARMY P32A6V-PRODisplay HDR 1000 (CTS 1.1) | DELL AW3225QFDisplay HDR True Black 400 (CTS 1.1) |
と・・・言ったものの、得意なパターンと不利なパターンはどちらもそれぞれ。
2304ゾーン分割のおかげで実効コントラスト比が約1700~8000:1程度まで向上するため、コンテンツ次第でOLEDと遜色ない黒さを出しつつ、OLED以上の明るさを両立できる場合もあります。
ちなみに、576ゾーン分割だと実効コントラスト比は約1400~6700:1程度でした。ゾーン数が4倍に増えても約20%しか向上しません。
素のコントラスト比が低いIPSパネルでコントラスト比を稼ぐのはけっこう無理な話に思えてならないから、OLEDの黒さに比肩するにはVAパネルとの組み合わせが必然です。
モニター測定機材でHDR性能を評価
モニターの色や明るさを測定できる機材を使って、「TITAN ARMY P32A6V-PRO」のHDR性能をテストします。
測定結果(レポート)はこちら↓からどうぞ。専門用語が多いので・・・、興味がなければ読まなくていいです。
VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
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比較 | テスト対象 TITAN ARMY P32A6V-PRO | VESA Display HDR 1000 |
画面の明るさ |
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黒色輝度 |
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コントラスト比 |
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色域 |
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色深度 |
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ローカル調光 |
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Display HDR 1000認証で要求されるすべての項目で合格です。明るさ、黒色、バックライト方式まで。見事にオールクリアなHDR 1000対応です。
HDRモードで画面全体に白色を表示したときの明るさを、他のモニターと比較したグラフです。
他のDisplay HDR 1000対応モデルと互角に並びます。
と言っても実際のHDRコンテンツで1000 cd/m²以上を全画面(100%面積)で使うシーンはとても少数だから、600 cd/m²を超えていれば実用上は十分だと思います。
HDR時のコントラスト比(理論値)は、Infinity:1(∞)です。
HDRコントラスト比i1 Display Pro Plusで測定した結果 | |
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全画面 | Inf : 1 |
10%枠 | 8154.9 : 1 |
3×3パッチ | 6171.8 : 1 |
5×5パッチ | 3110.6 : 1 |
7×7パッチ | 2084.4 : 1 |
9×9パッチ | 1704.5 : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースで1705 : 1です。
HDR規格どおりの明るさを表示できるかチェックする「PQ EOTF」グラフです。
- HDRムービーモード
(※モード以外は何も設定できません)
「HDRムービーモード」を初期設定のまま測定しました。
グラフを見て分かるとおり、上から下までPQ EOTF規格にキレイに追従する傾向が非常に強く、精度の高いHDRモードです。
OLEDモニターにありがちな黒つぶれも一切なく、よく調整されています。キャリブレーションができないゲーム機(PS5)でも問題なく使える性能です。
面積(APL)別のPQ EOTFもチェック。面積(APL)に関係なく一貫した追従性能です。
面積比による明るさの変動はやや大きいです。
小さいハイライトで500~900 cd/m²程度、面積比10~50%まで1200 cd/m²超の強烈な明るさを叩き出し、75%以上は600~900 cd/m²にとどまります。
HDR 400モニターをはるかに超える明るさで、OLEDパネルも当然まったく届かない明るさです。
HDRモード時の持続輝度をチェック。
すべての面積比でおおむね安定した持続輝度です。75%以上は約10秒で輝度が下がりますが、実用上、全白フラッシュは10秒も維持できれば十分でしょう。
HDR時の色精度(Rec.2020)は最大ΔE = 7.0、平均Δ = 3.89でした。初期設定としては精度が高いです。
HDRモード時の色温度は測定値でおおむね6650~6700K前後、少しスッキリめな寒色に寄った色合いに見えます。
試験的に導入を始めたICtCp規格による「カラーボリューム(Gamut Volume)」の評価です。
白い枠線がターゲット色域で、内側のカラフルな枠線が実際に表示できた色の広さです。白い枠線が埋まっているほどHDR表示に理想的と考えられます。
ボリューム率はOLEDパネルが有利な傾向ですが、Mini LEDは高輝度側でしっかり色を稼げるため、割とどちらも互角の水準です。
TITAN ARMY P32A6V-PROの開封と組み立て
本体のレンダリング画像が大きく印刷された、ツルツル塗装のパッケージで到着。サイズは98 x 52 x 19 cm(180サイズ)です。
「FRONT」と書いてある面を床に向けてから開封して、梱包材まるごと全部引っ張り出します。
分厚い発泡スチロール製の梱包材でがっちり挟まれています。上の段に付属品、下の段にゲーミングモニター本体が収まってます。
付属品 (写真の左から順番に) |
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Display Portケーブルが付属します。
ACアダプターは最大180 W(19.5 V x 9.23 A)対応。株式会社リンクスインターナショナル名義でPSE認証マークも取得済み。
従来モデルのACアダプター(24.0 V x 10.0 A)より省電力化した様子。コイル鳴きを抑制するフェライトコアは従来モデルと同じです。
ゲーミングモニターで定番のドッキング方式です。プラスドライバーが不要なツールレス設計でかんたんに組み立てられます。
外観デザインを写真でチェック
ライムグリーン色のTITAN ARMYロゴがでかでかと目立っていますが、どこからどう見ても「INNOCN」製です。本当にありがとうございました。
従来モデル「32M2V」とほぼ同じデザインで、プラスチック筐体にシルバー色の塗装もまったく変わりなし。黄色の差し色が絶妙にダサくて、オリジナル(32M2V)の方がまだ良かったような・・・。
予算に余裕があればモニターアームをおすすめします。
コンセントに仕込んだ電力ロガーを使って消費電力を1秒ずつ記録したグラフです。数~数十時間のゲーミングモニター検証中に記録しています。
消費電力 TITAN ARMY P32A6V-PRO | |
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中央値 | 56.1 W |
ピーク値 | 173.5 W |
上位25% | 73.8 W |
下位25% | 31.7 W |
おおむね56 W前後です。最大の明るさで瞬間的に175 W前後、最小の明るさで27 W前後です。
SDRゲーミング時で40 W前後、HDRゲーミング時に60 W前後をイメージすると近いです。
OLEDパネルより省電力性(= 同じ明るさを出すために必要な消費電力)に優れている傾向です。
まとめ:32インチ4K HDRモニターの決定版(仮)
「TITAN ARMY P32A6V-PRO」の微妙なとこ
- 平凡なコントラスト比
- ボタン式のOSD設定が面倒くさい
- 初期設定の色温度がズレてる
(かんたんに修正できます) - VESAマウントの出っ張りがジャマ
(付属品のスペーサーで対応可) - メーカー1年保証
「TITAN ARMY P32A6V-PRO」の良いところ
- 32インチで4K(ちょうどいい)
- 最大160 Hzに対応
- PS5で120 Hz(VRR)対応
- 応答速度が速い(IPSパネルとして)
- 入力遅延が非常に少ない
- 量子ドットで色域が広い(DCI P3:99%)
- パネルの均一性が高い
- とても正確なsRGBモード(ΔE < 1.0)
- Display HDR 1000認証
- ゲーマー向け機能に対応
- 扱いやすいOSD設定画面
- 十分なエルゴノミクス機能
- スペックの割に価格が安い
- 抜群のコストパフォーマンス
「TITAN ARMY P32A6V-PRO」は高コスパな4K HDRゲーミングモニターです。
従来モデル「INNOCN 32M2V」の問題点を数多く改善した、ほぼ上位互換モデルに相当します。Mini LEDゾーン数が1152 → 2304分割に2倍増、応答速度が平均7ミリ → 3ミリ秒で2倍速など。
同じ価格のまま見事に性能を改善し、より万人受けする4K HDRゲーミングモニターの完成です。
ただし、従来モデルと同じくボタンを使ったOSD操作がとても面倒。パソコンならDDC/CI機能を使うフリーソフトである程度アクセスできますが、ゲーム機だと少々だるいかも。
と言っても最近のゲーム機はデフォルトでHDRモードが勝手に入るから、モニター側でなにか設定する機会はほとんど無いです。P32A6V-PROのHDRモードは最初から完成されているし、そもそも調整も不要です。
「TITAN ARMY P32A6V-PRO」の用途別【評価】
使い方 | 評価※ |
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FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大160 Hz対応で、応答速度もそこそこ速いです。 | |
ソロプレイゲーム(RPGなど) 色鮮やかな映像でソロプレイゲームに没入できます。 | |
一般的なオフィスワーク 作業性に優れる大画面32インチ4Kで文字がクッキリと見え、目にやさしい自動調光や実質フリッカーフリーに対応します。精度の高い「sRGB」モードも対応。透過性の高いノングレア加工も評価点。 | |
プロの写真編集・動画編集 プロの写真編集や動画編集に耐えうる広大な色域と輝度を備え、「DCI-P3」と「Adobe RGB」モードが出荷時校正(ΔE < 1.0)されています。「BT2020」のみ自分でキャリブレーションが必要です。 | |
HDRコンテンツの再現性 Display HDR 1000認証を軽々と合格できる強力なHDR性能です。Mini LEDモニターとしても非常に明るく、輝度の安定性に優れます。「HDRムービー」モード時の明るさ(PQ EOTF)も精度がとても高く、全体的にHDRコンテンツの再現性が高いです。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
さすが量子ドット + Mini LEDパネルです。SDRコンテンツやHDRゲーミングはもちろん、動画や写真編集などクリエイター向け用途まで。優れた基本性能に支えられ、たいていのタスクをそつなく処理できます。
参考価格 ※2024/11時点 | |
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Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |
2024年11月時点、TITAN ARMYP32A6V-PROの実売価格は約11万円です。
Yahooショッピングなど、ポイント還元が大きいショップなら実質10.3~10.4万円から買えます。従来モデルの32M2Vより4000~5000円高いだけで申し分ないコスパです。
2304ゾーン分割のHDR 1000機が10万円で買える時代に・・・
以上「TITAN ARMY P32A6V-PROレビュー:32M2Vに取って代わる超コスパな4K HDRゲーミングモニター」でした。
TITAN ARMY P32A6V-PROの変な挙動
使っているうちに不思議な症状に遭遇したので、トラブルシューティングを紹介します。
モニター本体を再起動すると(まれに)LEDバックライトが点滅する
ACアダプターの抜き差し、またはボタン付きの延長ケーブルを入れて、ボタンをオン・オフするだけで復帰します。
HDRモード時に「ローカルディミング」が有効化されない
設定からリフレッシュレートを変更してみてください。
筆者の個体だと60 Hzから120 Hzに変更すると、ローカルディミングが有効化されました。それ以降、再発していません。
HDRモード時に画面が色あせて暗く見える
仕様です。
Windowsパソコンやゲーム機の場合、HDRモードを有効化すると、SDR(非HDR)エリアはsRGB規格に準じた表示に切り替わります。
- SDRエリア:sRGB規格(色あせた暗い規格)
- HDRエリア:Rec.2020規格(色彩豊かでパンチの効いた明るい規格)
「えっ・・・でもHDRモードを入れなかったら、SDRコンテンツも鮮やかに見えるけど?」
その通り、HDRモードを有効にしない限り、WindowsパソコンはSDRコンテンツをsRGB規格に制限しません。パネルの性能そのまま出し切れる明るさと色をすべて出す仕様です。
厳密にいえば、HDRモード有効時に表示される、色のあせた暗い画質が本来のSDRコンテンツです。ふだんの鮮やかなSDRは規格を無視して表示しているからこそ発生します。
TITAN ARMY P32A6V-PROの代替案(他の選択肢)
同じ価格帯でP32A6Vに対抗できるゲーミングモニターは「32M2V」くらいです。他社の同等スペック品は価格が2~3倍に跳ね上がってしまい、代替案になりえません。
よりゲーミング性能に特化した4Kモニターなら「LG 32GS95UE-B」を挙げられますが、価格が2倍近いです。
4Kでおすすめなゲーミングモニター
最新のおすすめ4Kゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。
4KでおすすめなゲーミングPC【解説】
予算に余裕があれば「RTX 4090」や「RTX 4080」を搭載したゲーミングPCがおすすめです。
コスパ重視なら「RTX 4070 Ti SUPER」がおすすめ。グラフィック設定の妥協と、DLSS 3(フレーム生成)と合わせて4K 144 fps超を目指せます。
おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】
購入するか迷ってたのでありがたいです
TCLのモニターの検証予定はありますか?
「TCL 27R83U」をレビュー予定ですが、運が良くて年内、たぶん来年1月になりそう。
待ってました!
ところで、27M2V や 32M2V のレビューには、OSD で手動で設定(切り替え)しないと HDR が正しく有効化されないので相当に面倒くさい、という内容の記述がありました。この P32A6V-PRO のレビューにはその記述はなく、「P32A6V-PROのHDRモードは最初から完成されているし、そもそも調整も不要です。」とあるので、改善されたということでしょうか?
27M2Vや32M2V、今回のP32A6V-PROも、HDRモード有効化で自動的にローカルディミングがオンになるから使い勝手は大丈夫です。
ただ、たまにローカルディミングが入らないときがあるので、遭遇したらリフレッシュレートを変更してみてください。
いつも詳細なレビューありがとうございます
先日Amazonで注文しましたが、お届けはクリスマス頃になるようです。
このレビューを読みながら楽しみに待っています。
届いたらまた設定値の調整など参考にさせていただきます。
初期ロットなのか不具合が気になりますが、すばらしい性能ですね!
設定を記憶できるとのことですが、入力端子ごとに記憶されますか?
それとも調整保存したプリセットモードは全入力端子共通で、入力切替してから手動で該当のプリセットモードに切り替える必要があるのでしょうか?
P27A6Sのレビュー待ってます
ショップの売値からして終売の雰囲気ただよってますが
27m2vもしれっと2304ゾーン版が出てたね
M27E6V-PROもいつかレビューしてほしい
楽天市場で買ったM27E6Vがさっき届いたから、近いうちにレビュー出せる(かも)
macOSでのHDRオン時とオフ時で画面輝度を100%にしたときの見え方(明るさ)を比較してほしいです。
持続輝度600nit以上、120Hz以上、32インチ、4Kのモニターが欲しくてこのモニターを検討してます。
でもこれ色深度が10bitや12bitでなく、8bitFRCなんですよね
https://www.titanarmy.com/japanese/goods/details/index/id/306/cid/26.html
私の購入した個体はコイル鳴きが結構気になったのですが、そちらはどうでしょうか?
いつも詳細なレビューありがとうございます!
WQHDの新作miniLEDモニターについてもなにとぞ…なにとぞ…(TCLの27R73Qなど)
こんばんは。いつも詳細なレビューとても助かります。
記事内で出ている「ド定番4K HDRモニターのあともう1台の候補」
ってのはブラックフライデーの記事でも出ていたDELLのAW2725QFの事ですかね・・・?