LG 27GX790B-B:レビューまとめ

(公開:2026/6/18 | 更新:2026/6/18)
「LG 27GX790B-B」の微妙なとこ
- 明るいHDRには輝度が不足
- 物足りないゲーマー向け機能
- 価格の割にUSB Type-Cなし
- 内蔵スピーカーなし
- 低fps時にVRRフリッカーあり
- sRGBモードが不正確
- 初期設定の色温度がズレてる
(かんたんに修正できます) - 黒に近い色で「DSE」あり
(経年で少しずつ修正されます) - OLEDは焼き付くリスクあり
「LG 27GX790B-B」の良いところ
- 27インチでWQHD(ちょうどいい)
- 最大720 Hzに対応
- 24.5インチモード対応
- PS5で120 Hz(VRR)対応
- 常に無限のコントラスト比
- 歴代No.1の応答速度(0.06ミリ秒)
- 入力遅延が非常に少ない
- パネルの均一性が高い
- BGBR発光層で色域が広い
(DCI P3:ほぼ100%) - テキストフリンジが目立たない
- Display HDR TB 500認証
- 扱いやすいOSD設定画面
- OSDソフトウェア対応
- ハードウェア校正に対応
- フル装備のエルゴノミクス機能
- 驚異のメーカー保証4年
(2026/6時点:製品登録で+2年) - コストパフォーマンスが高い
「LG 27GX790B-B」は第4世代OLED(タンデムOLED)パネルを搭載する540 Hz(最大720 Hz)ゲーミングモニターとして、コストパフォーマンスがもっとも高いです。
価格が7~8万円も高いライバルモデルと同じく、LG Displayが製造する最新のタンデムOLEDパネルを搭載します。実際の性能もほとんど同等どころか、むしろLG 27GX790B-Bが競合を上回っています。
わずかに高性能、でも価格は大幅に安い、コスパに優れたハイエンドモデルです。
もちろん美味しい話だけで終わるはずがなく、価格が大幅に安い分だけ、機能性はかなりコストカットされています。
近接センサーによるOLED保護機能、透明度が凄まじいTrueBlack Glossy加工、デュアルモードでも使える画角エミュレーション機能など。ボリューミーな機能が削られ、よりベーシックな仕上がりです。

(画質だけなら両者ともに互角)
お金が余っていて使い道に困るようなら「ASUS PG27AQWP-W」を、現実的な予算感で最強クラスの性能をコスパ良く・・・なら「LG 27GX790B-B」を推します。
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「LG 27GX790B-B」の用途別【評価】
| 使い方 | 評価※ |
|---|---|
| FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大720 Hz対応かつ、レビュー史上最速の応答速度をまた更新します(0.06ミリ秒)。入力遅延が増え、目に負担もかかる黒フレーム挿入機能を使わず、そのままの状態で残像感を極限まで抑えます。 | |
| ソロプレイゲーム(RPGなど) 無限のコントラスト比と色鮮やかな映像で、ソロプレイゲームに没入できます。 | |
| 一般的なオフィスワーク OLEDパネルの割に文字がキレイに見え、テキストフリンジを抑制する制御も標準搭載。優れた低反射パネル、かつ映り込みの少ない高品質なマットコーティングも素晴らしいです。煩わしいABL挙動を大幅に解消できる「輝度レベル : 均一」モードや、実質フリッカーフリーも対応。ただし、「sRGB」モードが合ってません。 | |
| プロの写真編集・動画編集 プロの写真編集や動画編集に耐えうる広大な色域と輝度を備えますが、「DCI-P3」のみ対応で「AdobeRGB」モードは非対応。しかも色精度があまり合っていないので、別途キャリブレーションが必要です。 | |
| HDRコンテンツの再現性 Display HDR True Black 500認証に合格できる性能です。OLEDモニターとして過去もっとも明るく、輝度の安定性も優れます。HDRモード時の明るさ(PQ EOTF)精度は及第点です。HDR 600クラスの明るさと、無限のコントラスト比が両立し、明暗差の大きいHDRを楽しめます。なお、ピーク輝度と精度はまだまだ改善の余地あり。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
「LG 27GX790B-B」レビューは以上です。
もっと詳しく測定データや比較データを見れば、他の代替案にするか、このままLG 27GX790B-Bで即決する かヒントになるかもしれません。

LG 27GX790B-B:画質レビュー

初期設定の画質とおすすめ設定
左側が箱から出してばかりの初期設定です。
出荷時にキャリブレーションされているから数値はとても正確です。しかし、LG製OLEDパネルの場合、そのままキャリブレーションしても少し緑がかって見えます。
いつもどおり6504Kに合わせたモニターを見ながら、キャリブレーター(測定機材)も使って調整した画質が右側です。緑っぽさを抑え、気持ちちょっとだけ寒色に寄せました。
- モード:Gamer 1
- 明るさ:100
- 輝度レベル:均一
- ガンマ:Mode 4
- 色温度:ユーザー
- 赤:49
- 緑:48
- 青:49
※画面の明るさは好みに合わせて調整してください。明るさ100%で約350 cd/m²に達し、筆者の好みな明るさです。眩しいと感じたら下げてください。
手動調整後のガンマカーブとグレースケール(色温度)グラフです。
コントラスト比を維持したまま、明るすぎるガンマカーブを修正しました。色温度(グレースケール)はぴったり一致しなかったので、少しだけクール寄り(寒色)に妥協しています。
基本的な「画質」を測定して比較

ちもろぐでは、2種類の測定機材を使って今回レビューする「LG 27GX790B-B」の画質を深堀りします。
- 分光測色計:X-rite i1 Pro2
(Spectrophotometer) - 比色計:Calibrite Display Plus HL
(Colorimeter)
分光測色計は、数値が書いてある正確な定規だとイメージしてください。単品でモニターの色や明るさを正確に測定できます。しかし、黒色の測定が不正確だったり、暗い色の測定がすごく遅いです。
だから比色計もセットで使います。比色計は単品だと誤差が大きく使いづらいですが、分光測色計を使って誤差を修正可能です。
Matrix補正と呼ばれる誤差修正を掛けたあとの比色計なら、分光測色計と大差ない精度を得つつ、もっと深い黒色の測定と暗い色の高速測光が可能です。
| 色域カバー率(CIE1976) | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 規格 | CIE1931 | CIE1976 |
| sRGBもっとも一般的な色域 | 100.0% | 99.9% |
| DCI P3シネマ向けの色域 | 99.9% | 99.8% |
| Adobe RGBクリエイター向けの色域 | 91.8% | 95.1% |
| Rec.20204K HDR向けの色域 | 79.0% | 84.4% |
LG 27GX790B-Bで表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。
もっとも一般的な規格「sRGB」で約100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」は約100%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は約95%です。
過去の傾向からして、色の広さは量子ドット液晶 > タンデムOLED > 量子ドットVA = QD-OLED > 広色域な液晶 = OLED > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並びます。
「色域」は色の鮮やかさに深く関係する性能で、多くの一般人が「画質」だと感じ取っている重要なスペックです。
LG 27GX790B-Bは最新世代パネル(第4世代Tandem WOLEDパネル)を搭載し、従来パネル(第3世代MLA WOLEDパネル)より色域が大幅に広がります。
OLEDパネルのゲーミングモニターとして平均を上回る色域を示し、DCI P3色域をほぼ完璧にカバー、AdobeRGB色域をおおむね(約95%)カバーします。

(クリックで画像拡大します)
赤色は以前にも増して純度が高まり、長年のライバルだったSamsung製QD-OLEDパネルに勝ります。量子ドットを使うハイエンド液晶パネルに匹敵する鮮やかさを体感できます。

青色と緑色の純度もググッと増え、従来比でビビット感が向上します。
SDRコンテンツはもちろん、HDRゲーミングまで。幅広いジャンルのコンテンツを不自由なく堪能できる広大な色域です。なにせQD-OLEDを超えて量子ドット液晶に匹敵する性能です。
ほとんどのコンテンツに対してまったく過不足ない色域に改善されています。

数年ぶりの買い替えは当然として、やや旧世代の液晶パネル(よくあるFast IPSなど)から乗り換えでも、最新世代パネル(第4世代Tandem WOLEDパネル)の画質を体感できます。
コントラスト比(実測)は∞:1(Inf)です。
OLEDパネルは1ドット1ドットを独立して消灯できる自発光型パネルなので、表示するコンテンツに関係なく、常に無限のコントラスト比を維持できます。
Mini LED液晶ですら苦戦する「白浮き」を見事に克服します。どこから見ても黒がいつも完璧な黒、白っぽさもなく、透き通った画質です。

(クリックで画像拡大します)
完璧な黒色です。
しかもLG製OLEDパネルは偏光板を導入しているため、部屋が多少明るくても、実効コントラスト比への悪影響が少ないのも意外と見落としがちなメリットです。

色が均一の静止画コンテンツを見ている時間が長いオフィスワークで、気にする人が多い「色ムラ」をチェック。
色ムラ(輝度ムラ)の測定結果は平均値でわずか3.0%です。
比較データ全体で見ると上位の結果ですが、OLEDパネルとしては平均以下。LG製OLEDパネルは省エネのために “輝度補償アルゴリズム” が導入されていて、同色で画面を埋めると四隅がわずかに暗くなります。
実際のコンテンツなら明るさはほぼ均一化され、液晶パネルと比較してはるかにムラの少ない表示が可能です。

暗部階調(1~5%グレー)に出現するザラザラとした粒子状のノイズは未だ健在。従来モデルより「DSE(Dirty Screen Effect)」現象が目立ちやすく、タンデムOLEDパネルの特性かもしれません。

色温度の分布は文句なし。平均たった0.5%で、画面全体に渡って安定した色温度です。

(クリックで画像拡大します)
色温度の不均一性が目立ちやすい、同系色を大量に使う映像パターンを表示しました。まったく違和感なく再現性の高い表示性能です。
従来世代のLG製OLEDパネルから、大幅に明るさが向上しました。
従来モデルでせいぜい250~260 cd/m²だった明るさが、タンデムOLEDで約340~350 cd/m²まで跳ね上がります。色温度を調整しなければ約360 cd/m²超です。
SDRコンテンツを見るのに十分な明るさで、筆者が好んでいる350 cd/m²台もおおむね突破できました。
最低輝度(0%設定)は約54 cd/m²までしか下げられず、平均的なモニター(約40 cd/m²)ほど暗くできないです。モニターのOSD設定でブルーライトカットを入れたり、色温度から青色を減らすと30 cd/m²台まで下げられます。
眼精疲労などが理由で、夜間に暗い画面を好む人にとって嬉しい仕様です。目にやさしいらしい120 cd/m²前後は設定値23%でほぼ一致します。


SDRモード時の明るさ変動は「輝度レベル」で抑えられます。
- 輝度レベル : 均一
- 輝度レベル : 低
- 輝度レベル : 高
画面に動きが少ないオフィスワーク時なら、輝度レベル:均一がおすすめです。ウィンドウサイズに影響されず、明るさを一定に保ちます。
それでもまだ明るさの変動が気になる場合、VRR(FreeSyncやG-SYNC)の無効化を要チェック。OLEDパネルはリフレッシュレートが低いほど、画面が明るくズレます。
リフレッシュレートを変動させるVRRを入れていると、明るさも合わせてチカチカと変わってしまいます。

HDRモード時の画質を詳しく測定

モニターの色と明るさを超高速かつ正確に測定できる機材「CR-100」を使って、「LG 27GX790B-B」のHDR性能をテストします。

全画面(100%)持続の明るさが約360 cd/m²に達します。かつて「暗い」と言われたOLEDパネルの面影はもうなく、ようやく普通の液晶パネル並の明るさです。
| HDRコントラスト比Colorimetry Research CR-100で測定した結果 | |
|---|---|
| 全画面 | Inf : 1 |
| 10%枠 | Inf : 1 |
| 3×3パッチ | Inf : 1 |
| 5×5パッチ | Inf : 1 |
| 7×7パッチ | Inf : 1 |
| 9×9パッチ | Inf : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースでInf : 1でした。
さすが自発光型パネル。すべての画素ドットを1個単位で消灯できるから、表示するコンテンツの内容に関係なく、常に一貫して無限のコントラスト比を維持できます。
HDRモード時の明るさが正しいか、PQ EOTF追跡グラフで測定します。
log(対数)グラフだと細部が分かりづらいので、100%正規化グラフに変換してから階調ごとに分解しました。
残念ながらLG 27GX790B-BのHDRモードはちょっとクセが強いです。中間階調がターゲットより大幅に明るく飛んでいるため、OLEDなのに白っぽく見えるかもしれません。
でも大丈夫です。HDRモードを有効化した状態でも、OSD設定を使って画質を調整できます。
- HDRモード:Gamer 1
- 輝度レベル:低
- ブラックスタビライザー:55
- 色温度:ウォーム(暖色)
以上の設定で、中間階調をターゲットに落ち着かせつつ、潰れ気味だった暗部階調をやや持ち上げます。
| HDRモード比較※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| Gamer 1(調整) | ![]() |
| Gamer 2 | ![]() |
| 最大輝度 | ![]() |
手動で調整したGamer 1モードがもっとも自然なHDR表現です。
Gamer 2モードはPQ EOTFこそ正確ですが、彩度ポイントを外側に広げる仕様で台無しに。色が不自然に鮮やかすぎて、ペンキで一色に塗り潰した表現に見えます。
最大輝度モードはとにかく明るさを重視する挙動ですが、PQ EOTFが著しく明るく飛びすぎてしまい、全体的に白っぽい見え方です。

HDRの持続性能はDisplay HDR True Black 500認証ラインを突破します。小さな面積(ピークハイライト)で700 cd/m²超、コンテンツが占める面積が増えてくると360~400 cd/m²程度の明るさを維持します。
プレイするゲーム側のHDR実装にも大きく左右されますが、面積50%以上で400 cd/m²前後を出せるなら、とりあえず大丈夫なはずです。
| HDRのグレースケール精度 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| D65 (グレースケール) | RGBバランス (グレースケール) |
![]() | ![]() |
| HDRの色精度 ※クリックすると画像拡大 | |
| Rec.2020 (彩度ポイント) | dE2000 (ポイント別精度) |
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
グレースケールから確認します。ターゲット(D65)より少し高めにズレていて、クール(寒色)な色合いですが、日本人も含むアジア人にとって大した問題になりません。
むしろターゲット(D65)にぴったり合わせすぎると、かえって黄ばみを感じ取るケースが微妙にあります。
次に彩度と色の精度を見ます。
Rec.2020色域に対する彩度(明るさ)の精度が最大ΔE = 7.4、平均ΔE = 3.19です。96箇所の色精度ポイントは最大ΔE = 8.6、平均ΔE = 3.13です。
既定値(ΔE < 2.0)を上回る結果になりますが、全体的にクール寄りのズレなので問題なく美しいHDRコンテンツを楽しめます。
| 明るいシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (LG UltraGear 27GX790B-B) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
| 比較:HDR 1000 (Titan Army P275MV-A) | 比較:HDR 1400 (TCL 32R84) |
HDRゲームの代表例「FF16」で、明るいHDRシーンを比較しました。
フェニックスが光り輝く当該シーンにて、LG 27GX790B-Bはフェニックスの姿をうまく捉えるのに失敗します。高輝度な階調表現を必要とするフェニックスを表示するのに、約400 cd/m²の明るさは不足です。
りんかく周辺が一緒くたに混ざって描写されてしまいます(= 白飛び)。
HDRゲーム時の明るさを測定しました。
恐ろしく明るいフェニックス戦(FF16)でピーク時に約460 cd/m²前後を記録、1000 cd/m²超の明るさを雑に使ってくるFF16を楽しむには明るさが不足します。
優れたHDR効果で知られるGhost of Yōteiでは、ピーク時に約650 cd/m²ほど。やや大きめのハイライト(太陽など)に対して、およそ600 cd/m²前後が限界です。
約1600 cd/m²近い輝度を要求されるシーンを正確に再現こそできないですが、従来型OLEDモニターより眩しい太陽です。以前レビューした「PG27AQWP-W」と比較しても100 cd/m²くらい明るいです。
羊蹄平の太陽が、ようやく「太陽らしい明るさ」に見えてきます。
| 暗いシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (LG UltraGear 27GX790B-B) | 比較:OLED (ASUS XG32UCWMG) |
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
| 比較:IPS + Mini LED (Titan Army P275MV-A) | 比較:IPS + Edge LED (KTC H27P6) |
LG 27GX790B-Bは明るいピークハイライトと、完全に漆黒な黒色を両立します。
WQHD解像度(約369万画素)すべてが1ドットずつ独立して消灯するOLEDパネルだからできる芸当です。Mini LED液晶に見られるハロー(光点周囲の光漏れ)とも無縁です。
| VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
|---|---|---|
| 比較 | テスト対象 LG 27GX790B-B | ターゲット規格 Display HDR True Black 500 |
| 画面の明るさ |
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| 黒色輝度 |
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| コントラスト比 |
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| 色域 |
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| 色深度 |
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| ローカル調光 |
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最後に、VESA Display HDR認証を満たしているか測定チェック。
LGがアピールするDisplay HDR True Black 500認証に対して、LG 27GX790B-Bはすべての項目で合格です。
色精度の項目も問題なし。そもそもDisplay HDRの要件は「ΔTP < 8.0」程度しかなく、ゆるゆる過ぎるので合格できて当然です。しかも相対値に対して計算します。
パネルの反射加工と文字の見やすさ
LG製OLEDパネルのあまり知られていないメリットが「低反射率」です。
第4世代パネル(第4世代Tandem WOLEDパネル)だと表面の反射率がわずか1.1%しかなく、高級なハイエンド光沢液晶(1.8%)と比較してほぼ半分の反射率に抑えられます。
もともと低反射なパネルの上から、「ノングレア(マットコーティング)」と呼ばれる表面加工を施し、周囲の映り込みをぼんやりと拡散するように加工しています。
| 反射を比較(明るい部屋) ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| LG 27GX790B-B (LG Matte) | ![]() |
| INNOCN (1.8% AR + ATW) | ![]() |
| ASUS (TrueBlack Glossy) | ![]() |
| MSI (Semi Glossy) | ![]() |
他社のコーティング処理と並べて比較してみます。
TrueBlack Glossyほどの透明感がない代わりに、反射光量をさらに少なく抑えられている様子です。映り込みの少なさも本当に見事でびっくりします。
反射光量と変色を確認します。わずかに暗いシーン(グレー5%)を表示した状態で、パネルの表面に光を当てています。
LG製OLEDパネルは特に目立った変色がなく、パネル全体の発光現象も皆無です。一方でSamsung製QD-OLEDパネルだと少しだけ暖色を帯び、パネル全体がなぜか発光します。
パネルの発光現象が原因で実効コントラストが著しく悪化するため、多様なデスク環境に対する適合性はLG製OLEDパネルが明らかに優位です。
もちろん、電気を消して部屋を暗くすれば済む話です。ただ・・・筆者は部屋が暗い状態で何時間もパソコンを触ると目がしょぼしょぼ疲労する体質があり、部屋を明るく保っています。
具体的にデスク地点で30 nits程度の明るさですが、この程度の明るさですらSamsungパネルは目で見て分かるレベルまでコントラスト比が悪化します。
筆者が今まで何台かOLEDゲーミングモニターを買ってきて、LG製を年単位で手元に残し、Samsung製を早期に手放してしまう最大の理由です。Samsungはこの問題を認識し、外光拡散(発光現象)を抑制する偏光板を導入するべきです。

文字のドット感(見やすさ)はそこそこ鮮明です。
従来のOLEDから改良された「直列RGWB」配列パネルを採用し、文字のりんかくが不自然に光る「テキストフリンジ(文字ぼやけ)」を軽減します。
画素密度が111 ppi程度しか無いため、27インチ4K版と比較してフリンジを見つけやすいものの、従来世代より確かな改善です。
「黄色」に隣接する部分など特定のパターンにて、テキストフリンジを見つけやすいです。一般的な白い背景に濃い黒色のテキストなら、ほとんど目立たないです。
なお、LG 27GX790B-Bはデフォルト設定の時点でクリアピクセルエッジモードが有効化されています。シャープさをやや犠牲に、テキストフリンジを抑制します。
マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。
LG製OLEDパネルの特徴を示す、「白色」ドットが混じった「RGWBストライプ配列」の画素レイアウトです。
RGB配列にWが混ざっているため、Windows(ClearType)環境だとテキストフリンジが発生するパターンが出てきます。
次にスペクトラム波長分析※を実施し、パネル技術のおおまかな推定をします。
三原色のうち、鋭い青色スペクトルから青色LEDバックライトの存在が浮かびます。緑色スペクトルもかなり鋭く、赤色スペクトルもやや鋭いです。
赤色と緑色の分離がまだ甘いものの、従来比で大幅に改善された波長パターンから「BGBR発光層(Tandem OLED)」でほぼ確定です。

BGBR = Blue(青)+ Green(緑)+ Blue(青)+ Red(赤)、計4層も使った豪華な発光層です。
従来世代(MLA OLED以前)は、BYB = Blue(青)+ Yellow(黄)+ Blue(青)の3層構造で、そもそも赤色と緑色をネイティブに出力できない色の純度を損なう構造でした。
BGBR発光層により、赤色と緑色をネイティブ実装し、量子ドット級に鋭い三原色スペクトルを得られます。
現時点でもっとも色域が広いOLED技術です。
ついでにブルーライト含有量を調べたところ、約26%でした。色温度:ユーザーモードで青色をちょっと減らすだけで、TUV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成できます。
※ 分光測色計「X-rite i1 Pro 2」を使って、3.3 nm単位で波長を分析します。
パネルの視野角(見える範囲)チェック
OLEDパネルの視野角は非常に広いです。急な角度でわずかに青みが強くなる程度。
湾曲型QD-OLEDパネルには一歩及ばないものの、液晶(IPSパネル)と比較して雲泥の差。
隣の席から覗き込んだり、リクライニングで傾けても、まったく気にならない色褪せ具合です。
LG 27GX790B-B:ゲーミング性能
ゲーム性能(応答速度)の測定と比較
↑こちらの記事で紹介している方法で、LG 27GX790B-Bの「応答速度」を測定します。
60 Hz時の応答速度は平均0.59ミリ秒を記録します。
60 Hzに必要十分な応答速度を満たしますが、ホールドボケ現象(= 60 Hzそのもの)が原因で、残像感がそれほど減らないです。
| 120 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 残像感 (UFO追尾ショット) | 30パターン測定 (10~90%範囲を測定) |
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120 Hz時の応答速度は平均0.30ミリ秒を記録します。120 Hzに必要十分な応答速度(< 8.33 ms)をかんたんに達成します。
尾を引く残像感がほとんど見られません。
| 540 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 残像感 (UFO追尾ショット) | 30パターン測定 (10~90%範囲を測定) |
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LG 27GX790B-Bで設定できる、最大リフレッシュレート540 Hz(WQHD)時の応答速度は平均0.08ミリ秒です。
540 Hzに必要十分な応答速度(< 1.85 ms)を完璧にカバーし、残像感の少なさも見事です。
| 720 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 残像感 (UFO追尾ショット) | 30パターン測定 (10~90%範囲を測定) |
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| |
LG 27GX790B-Bでデュアルモード有効時に設定できる、最大リフレッシュレート720 Hz(HD)時の応答速度は平均0.06ミリ秒(= 61マイクロ秒)です。
最速値は0.021ミリ秒(= 21マイクロ秒)を記録しています。最新世代のハイエンドOLEDパネルの競争はすでにミリ秒世界を終えて、マイクロ秒単位の世界に突入します。
当たり前ですが、720 Hzに必要な応答速度(< 1.39 ms)を完璧に満たします。
| 残像感を比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (LG 27GX790B-B) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
| 比較:Fast IPS (P275MS+) | 比較:Fast HVA (TCL 32R84) |
液晶パネルと比較しても虚しくなるだけです。あまりにも明瞭感(モーション性能)が違いすぎます。
720 Hzもの非常に高いリフレッシュレートのおかげでホールドボケを大幅に削減でき、OLEDパネル同士の比較でも残像感の軽減は明らかです。
ほぼ静止画に近い残像感を実現します。
| ゲーム映像で比較※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| Apex | ![]() |
| VALORANT | ![]() |
ゲームプレイ録画から抽出したスクリーンショットを、毎秒1280ピクセルで動かして追尾カメラで撮影した比較写真です。
応答速度はほとんど同じなのに、リフレッシュレートが上がっただけで映像の明瞭感(残像感の少なさ)が著しく改善します。
VALORANT、フォートナイト、オーバーウォッチ2など。競技性が強いeSportsタイトルに最高の性能です。
- 実績平均値:3.81ミリ秒
- レビュー機:0.30ミリ秒
ちもろぐに記録した過去129件のデータから、LG 27GX790B-Bの応答速度(120 Hz)はトップティア(Tier S)の性能です。
- 実績平均値:3.13ミリ秒
(OLED込み:2.04ミリ秒) - レビュー機:0.06ミリ秒
720 Hz時の応答速度も文句なしでトップティア入りです。Sony INZONE M10SやASUS PG27AQWP-Wを超え、歴代No.1記録を更新します。

※ちもろぐの応答速度テスターは最大2,400,000 Hz対応(= 0.04マイクロ秒)です。
ゲーム性能(入力遅延)の測定と比較
LG 27GX790B-Bで、左クリック100回分の入力遅延を測定しました。
リフレッシュレート60 ~ 720 Hzまで、安定して目標の16ミリ秒を下回る良好な入力遅延です。ほとんどの人が入力遅延を体感できません。
VRR(G-SYNC互換モード)の影響もなかったです。

2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。

- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
フリッカーフリー(画面のちらつき)を測定
実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%までフリッカーが一切検出されません。
「0 Hz」だから一般的な基準とTUV Rheinland基準どちらも合格できます(※TUV認証は不明、UL認証は番号A196009にて認可あり)。

| VRRフリッカーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
|
VRR(G-SYNC互換モードなど)有効時に発生する「VRRフリッカー」もテストします。
LG 27GX790B-Bは、フレームレートが急激に下がったときに、目視で見えるほどの「ちらつき」が発生します。
| フレームレートと明るさ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 540 Hz | ![]() |
| 240 Hz | ![]() |
| 40 Hz | ![]() |
フレームレートが低くなるほど、暗部階調の明るさが上昇(ガンマが低下)する症状があり、おそらくVRRフリッカーの原因です。
- フレームレート上昇:暗くなる
- フレームレート下落:明るくなる
上記の流れを短時間に繰り返せば、画面が明滅しているように見える仕組みです。
(頭上の数字がリフレッシュレート)
フレームレートが一気に下がり、LFC(< 48 Hz)を繰り返し跨ぐと・・・ VRRフリッカーが派手に発生します。
LG 27GX790B-BはアンチOLEDフリッカーに類する機能も標準搭載済みですが、フレームレートと連動するガンマシフト(明るさ変動)由来のちらつきに対して、ほとんど無力です。
OLEDパネルのVRRフリッカーを解消する方法は主に2つです。
- PCスペックの改善
(またはゲームの画質設定を妥協) - VRRを無効化
フレームレートが常に安定できるように、PCスペックの強化、もしくはゲーム側のグラフィック設定を妥協します。
お金をかけずに解決するなら、VRR(G-SYNCやFreeSync)の無効化もおすすめです。
ちなみに筆者はDLSS MFG(マルチフレーム生成)を使ってフレームレートを大幅に水増しして、ティアリングが起こっても気にならない状態にしています。

VRRフリッカー(VRR Flicker)は、画面が暗いシーンでフレームレートが激しく変動すると発生する確率が大幅に跳ね上がります。
ちもろぐでは、アクションRPG「鳴潮」にてフレームレートを10 fpsからモニター側の最大fpsまで動かします。
モニターの至近距離に設置された光学センサーを経由して、オシロスコープが明るさの変化をマイクロ秒(10万分の1秒)単位で記録する仕組みです。
記録されたグラフが乱高下していれば「VRRフリッカー」の検出に成功です。逆に、何もなく平坦で一直線なグラフが記録されればフリッカーは皆無と判断できます。
ゲーム機の対応状況(PS5とSwitch 2)
| PS5の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
| WQHD2560 x 1440 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
| 4K3840 x 2160 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
PS5でフルHD~4K(最大120 Hz)に対応します。
HDMI 2.1端子にHDMI VRR機能が搭載されているため、「PS5 VRR」もすべて対応可能です。
4K解像度のみ、EDIDが多めに収録されていて24 / 25 / 30 / 50 Hzに対応できます。
| Switch 2の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応HDR:対応 | 対応HDR:対応 |
| WQHD2560 x 1440 | 対応HDR:対応 | 対応HDR:対応 |
| 4K3840 x 2160 | 対応HDR:対応 | Switch 2は非対応 |
有料ソフト「Nintendo Switch 2 のひみつ展」で実際に120 Hz + HDR(10 bit)信号を出力させて、モニターが暗転せずにゲーム画面を表示できるかをチェックします。
暗転しなければ問題なし、暗転して解像度が下がってしまったら互換性なし、と判断します。
Nintendo Switch 2(ドックモード)で、フルHD~WQHD(最大120 Hz)または4K(最大60 Hz)に対応します。
HDR(10 bit)出力も問題なし。
さすがフル帯域(48 Gbps)のHDMI 2.1ポートです。Switch 2の互換性を難なくクリアできます。
PS5 / PS5 Pro / Nintendo Switch 2など。120 Hz対応ゲーム機で、実際にゲーム側が120 Hz(120 fps)で動くかどうかは、もっぱらゲーム次第です。
ゲーム側が120 Hzをサポートしていなかったら意味がありません。プレイする予定のゲームが120 Hzに対応しているか、事前によく調べてください。
ゲーミングPCで使えるリフレッシュレート

ゲーミングPCの映像端子(HDMIやDisplay Port)にLG 27GX790B-Bを接続して、ディスプレイの詳細設定から使えるリフレッシュレート一覧をチェックします。
LG 27GX790B-Bがパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。
HDMI 2.1で最大720 Hzまで、Display Port 2.1(GPU要件:UHBR13.5)も最大720 Hzに対応します。
レトロなゲーム機で役に立ちそうな23.98 ~ 24 Hz範囲は非対応ですが、ゲーム機にHDMI 2.1で接続すると24~30 Hzをなぜか選べる仕様(4K解像度のみ)です。
LG 27GX790B-Bは、圧縮転送モード「DSC(Display Stream Compression)」を明示的に切り替えできません。
| DSC無効時 対応リフレッシュレート | ||
|---|---|---|
| 端子 | SDR (8 bit @ RGB) | HDR (10 bit @ RGB) |
| HDMI 2.1 | – | – |
| DP 2.1 | – | – |
CRU(Custom Resolution Utility)によるカスタム解像度や、NVIDIA DSR(DLDSR)を使いたいマニア志向のユーザーにとって不便な仕様です。
| VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
|
フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はHDMIとDisplay Portどちらも使用可能です。動作範囲は48~720 Hzです。
LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。
競技ゲーマー向け機能をチェック
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能
LG 27GX790B-Bは、3つある主要な競技ゲーマー向け機能のうち1つだけ対応します。そのほか、クロスヘア(十字線)やフレームレートを表示する機能もあります。
「ブラックスタビライザー」モードは、暗い部分を見やすく視認性を向上するモードです。
0~100の範囲で5ずつ調整でき、数値を高くするほど暗部ガンマカーブを引き下げ、白に近いガンマカーブをなるべく維持します。
最大値100でも画像全体が白っぽく破綻せず、かなり使いやすいです。
eSports専業メーカー(Zowie)や、ASUS Shadow Boost AIには及ばないですが、十分に使えるレベルに達しています。
1台2役な「デュアルモード」機能を検証
| 【デュアルモード検証】 基本スペック ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| ホットキーで切替 (ポチッと押すだけ) | 最大720 Hz対応 (1280 x 720) |
![]() | ![]() |
| |
OSDボタンをポチッと押すだけで、デュアルモード(LG Dual Mode)に切り替えられます。
- ネイティブ → デュアルモード:約3.9秒
- デュアルモード → ネイティブ:約4.3秒
画面がわずか4秒ほど暗転したあとデュアルモードに切り替わります。

27インチ画角いっぱいにHD(1280 x 720)を表示するから、だいぶドットが粗く見えます。画素密度に換算して55.5 ppi相当しかなく、疑似ドットバイドット表示でも粗く見えて当然です。
| 画角エミュレーション※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 27インチ(2560×1440) | ![]() |
| 24.5インチ (2368×1332) | ![]() |
画角エミュレーションモードが実装されているものの、どうやらWQHDでしか使えないです。HD(1280 x 720)状態で使うと、WQHD(2560 x 1440)に戻されます。
仮に動いたとしても、疑似ドットバイドットで55.5 ppi程度の画素密度に変わりなく、ドットの粗さはそのままです。

疑似ドットバイドットの仕組みは、2×2ドットで1ドット相当を表示するピクセル処理です。LGに限らず、ASUSやIODATAなど多くのゲーミングモニターで採用されてます。
にじみが少なく、そこそこクッキリ見えますが、1ドットに4ドットを詰め込むせいで角ばった印象を受けます。何より55.5 ppi相当ですから、そもそもドットが粗いです。

LG 27GX790B-B:クリエイター適性
LG 27GX790B-Bは初期設定の時点で、色もグレーも精度が合ってません。

幸い、色の精度を必要とするクリエイター用に、「sRGB」「DCI P3」モードが実装済み。
どれくらい色精度が高いか実際に測定します。
「sRGB」モードと色精度(dE2000)
「DCI P3」と「AdobeRGB」は・・・?
LG 27GX790B-B:本体デザインと機能
パッケージ開封と組み立て工程
とても定価12~13万円に見えない、簡素な段ボール風パッケージです。サイズは82 x 53 x 18 cm(160サイズ)です。
開封マークを天井に向けてから開封して、梱包材まるごと全部引っ張り出します。
厚みのある高密度発泡スチロールでできた梱包材で、がっちり梱包されています。上の段に付属品、下の段にゲーミングモニター本体が収まってます。
ゲーミングモニターで定番のドッキング方式です。プラスドライバーが不要なツールレス設計でかんたんに組み立てられます。
画面右上の展示ラベルは慎重に剥がしてください。うっかり指先の爪でパネルの表面加工をガリッと削らないように注意します。
付属品をざっくり紹介
| 付属品 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 一覧 | ACアダプター |
![]() | ![]() |
|
|
付属品として珍しく、HDMIライセンスを取得したHDMI 2.1ケーブルが同封されています。Display Port 2.1(UHBR13.5)ケーブルも付属します。
外観デザインを写真でチェック
LG 32GS95UEとよく似た4方向ベゼルレスデザインです。
見た目こそスタイリッシュ、背面に設けられたLG UltraGearロゴはLEDライティング搭載、ですがシャーシ自体はプラスチック製であまり高級感はありません。
表面の模様も工夫がなく、下位モデル「LG 27GX700A-B」が逆に上位版に見えてくるデザインです。

エルゴノミクス機能とVESAマウント
LG 27GX790B-Bはフル装備のエルゴノミクス機能を備えます。
滑らかに動かせるスムーズなエルゴノミクス設計ですが、可動域がやや不自由です。前後チルトは下向き(マイナス)方向にほとんど動かないし、ピボットは途中(15°)で止まります。
高さ調整だけ可動域が広く、デスクから距離60 mm前後まで下げられます。画面の水平も取りやすいです。
しかし、eSportsゲーマーの要求には応えられないでしょう。もっと自由な可動域が必要なら、別売りのモニタースタンドが必要です。
別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。
パネル本体の重量は約4.30 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。VESAマウントに備え付けのネジ(4本)を使って、そのままエルゴトロンLXを正常に取り付けられます。
対応インターフェイスをチェック
映像端子は全部で4つあり、どれを使っても最大540 Hz(2560×1440)または最大720 Hz(1280×720)に対応します。
USB Type-Cポートを接続して、2個あるUSB 5 GbpsポートをUSBハブとして利用可能です。
HDMI 2.1はFRL方式(最大48 Gbps)で、HDMI VRR機能も備えた「本物のHDMI 2.1」です。
Display Port 2.1はUHBR13.5規格(最大54 Gbps)対応、いわゆる「準DP 2.1」です。UHBR13.5規格で済むから「RX 9000」または「RTX 5000」以降のグラフィックボードで対応可能です。
USB Type-Cの仕様チェック
本体裏面にあるUSB Type-Cポートは、USB PD(USB Power Delivery)対応です。5 W(5.0 V x 1.0 A)まで対応。
映像出力モード(DP Alt Mode)も備え、対応するノートパソコンやタブレットを接続すれば、Type-Cケーブル1本で急速充電とマルチディスプレイ化が可能です。
ASUS Vivobook OLED 15で試した感じ、充電しながら最大WQHD 240 Hz(10 bit)まで確認できました。
モニターの設定画面(OSD)

モニター本体中央にある「5方向ボタン」を使って、OSD設定をサクサク快適に操作できます。
ゲーミングな雰囲気のUIデザインです。
典型的なフォルダ階層型のOSDレイアウトを採用しつつ、必要最低限の項目数に抑え、テーマごとに設定を適切に振り分けています。
OSD画面のレスポンスは良好ですが、5方向ボタンが少し硬くて使いづらいです。
設定を確定するためにボタンを押し込むアクションも多く、操作性を損ないます。ASUSやBenQのように、そのまま右に倒して確定(決定)が良かったです。
- ショートカットボタン(最大2個まで)
- プリセットごとに調整(設定値の保存も可能)
最短2回の操作で任意の項目を開けるショートカットボタンを最大2個まで登録できます。
ただし、「入力切替」「ゲームモード」「OLEDクリーニング」「音質」「クロスヘア」「ブラックスタビライザー」「FPS表示」「Hexagon Lighting」の8項目しか登録できないです。
プリセットと入力端子ごとに最後の設定値を保存されるため、各プリセットを用途ごとに使い分ける運用も可能です。
特に、入力端子(HDMIやDP)ごとに設定を覚えている仕様は意外と便利かも。パソコン用、PS5用といった具合に使い分けられます。

OSDソフト「LG Switch」
LGモニター専用OSDソフトが新しくなりました。従来の「On Screen Control」が使えなくなり、代わりに「LG Switch」にリニューアル。
OSDソフトから、プリセットの切り替え、画面の明るさ変更、画面分割(PIP)の設定のほか。起動するアプリに応じて自動でカラープリセットを割り当てる機能もあります。
ファームウェアの更新もできます。
ゲーミングモニター本体とパソコンを、付属品のUSB Type-B to Aケーブルで接続してから、OSDソフトウェアから「ファームウェア・アップデートの実行」を行うと更新できます。
基本的に無いよりあった方が便利ですが、相変わらず対応メニューが少ないです。ブラックスタビライザーや最大輝度モードなど、ソフトからアクセスできない項目が半分くらいあります。

校正ソフト「LG Calibration Studio」

LG 27GX790B-Bは、LGが無料で公開している校正ソフト「LG Calibration Studio」によるハードウェアキャリブレーションに対応します。
別売りのキャリブレーター(最低でもDisplay Pro Plus以上)が必要なため、ほとんどの人は使わない機能です。
具体的な解説は以下に折りたたみます。興味のある方だけどうぞ。

別売りのキャリブレーター(比色計)や分校測色計を使って、モニターをハードウェア校正する機能です。
たとえば、表示する色域をsRGBやDCI P3に制限して、色温度とガンマを規定どおりに一致させたいときに便利です。

「LG Calibration Studio」で作成した校正プロファイルは、プリセット「キャリブレーション設定」に保存されます。全部で2スロットの空きがあります。

校正先のターゲットとなる「色域」を選べます。自分で作成したICCプロファイルを選んで、オリジナルの色域へ校正も可能です。
輝度、色温度、ガンマもスライダーを動かして自由に選択可能。

定期的なキャリブレーションに便利なスケジュール機能に対応。
校正プロファイルのファイル形式も選べます(特に理由がなければICC Version 4 Matrix形式で大丈夫)。キャリブレーション時のカラーパッチ数も選べます。
基本モードは合計45パッチ、ISO 12646基準は合計144パッチです。測定の精度を上げたい場合はISO基準を使ってみてください。

一応、チュートリアル機能も用意されています。画面の指示通りに進めれば、素人でもある程度のキャリブレーションが可能です。
LG Calibration Studioで作成したプロファイルはゲーミングモニター側に格納されるため、出力ハードウェアを選ばない点が強いです。
たとえば、過去にブログで配布していた校正用3D LUTプロファイルは、フリーソフト「dwm_lut」を使わないとロードできません。Windowsでしか動作しないソフトだから、校正の効果を発揮できるハードはWindowsに限られます。
一方、ゲーミングモニター側にLUTプロファイルをロードできる場合、WindowsだろうとPS5だろうとXbox Series Xだろうとお構いなく校正の効果が出ます。
校正プロファイルはあくまでもモニター側に保存されていて、出力ハードウェア側でロードする必要性が無いです。
- ソフトウェア校正:出力ハードウェア先で校正を展開
- ハードウェア校正:ゲーミングモニター側で校正を展開
複数の異種なハードウェアをまたいでクリエイティブな作業をしているなら、ハードウェア校正に軍配が上がります。
OLEDパネルの「焼き付き防止」機能

| 保護機能 | 内容 | 無効化 |
|---|---|---|
| OLED画面の移動 (ピクセルシフト) |
| 不可 |
| OLEDスクリーンセーバー |
| できます |
| OLED画像のクリーニング |
| できます |
電源をオフにすると自動でクリーニング(約6分)が始まります。連続で4~8時間以上使うと、電源オフ時にクリーニングが始まるようです。
ピクセルシフト機能はOSD設定から項目が消えていて、任意の設定ができません。オフィスワークならピクッと動いた瞬間に気づく程度で、ゲームプレイ中に気づくのは難しいです。
OSD保護メニューに記載はないですが、画面に動きがない状態が一定時間つづくと、画面の明るさを自動で下げる機能も導入されてます。

「SMART ENERGY SAVING」は、かつて「Convex Power Control(LG CPC)」と呼ばれていた節電機能です。
パネルの四隅が異様に暗くなり、液晶のグロー症状に酷似した見た目になるせいで苦情が相次いだのか、デフォルト設定で無効化されてます。
表面温度(サーモグラフィー)は、鳴潮(HDRモード)を約1時間ほど掛け続けてから撮影しました。
ASUS PG27AQWP-Wと比較して、パネルの中央にやや熱がこもりやすい傾向です。シャーシ天板から熱気を放出しているので、おそらく放熱自体は大丈夫です。
LG 27GX790B-B:価格設定と代替案
| 参考価格 ※2026/6時点 | ![]() |
|---|---|
| Amazon(Amazon.co.jp限定) |
2026年6月時点、LG 27GX790B-Bの実売価格は約12.9万円(ポイント値引きで9.7万円)です。
同じパネルを使っているASUS PG27AQWP-Wより約7~8万円も安く、最大540 Hz対応のタンデムOLEDモデルとして見ても現時点で最安値です。

圧巻のコントラスト感と
量子ドット級の鮮やかさ

高速モーションなゲームも当然
余裕でこなします

コントラストの高いコンテンツが捗る

おすすめ代替案(他の選択肢)を紹介
一応の代替案が「PG27AQWP-W」ですが、価格が約7~8万円も跳ね上がります。
- TrueBlack Glossy(グレア処理)
- 動体検知(ToF)センサー対応
- 柔軟に設定できるOLED保護機能
- より強力なゲーマー向け機能
- DP 2.1(UHBR20)規格
- 独自ヒートシンク設計
などなど、価格が高いだけあって機能も豊富です。
それでも約7~8万円の差額に見合うかどうかと言われると、割高感は否めないです。予算を気にせず最高のクオリティを求める方におすすめします。普通なら27GX790B-Bで十分でしょう。
他の代替案も挙げておきます。
Sonyがプロゲーマーチーム(Fnatic)と協力して開発した、意欲的なeSports特化型OLEDモニターが「INZONE M10S」です。
第3世代MLA OLEDパネルなので明るさは型落ちですが、今もなお競争力の高いゲーマー向け機能を搭載します。発売から時間がたち、価格も落ちついています。
WQHDでおすすめなゲーミングモニター
最新のおすすめWQHDゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。
WQHD(500 Hz+)でおすすめなゲーミングPC【解説】
主要な競技ゲーミングをハイフレームレートで動かすなら、「RTX 5070 Ti」以上かつ「Ryzen 7 9800X3D」を搭載したゲーミングPCがおすすめです。
メーカー指名でおすすめなBTOマシンは「ツクモG-GEAR」です。
筆者と同じくオタク気質なパーツ選定がおもな魅力で、他社BTOよりちょっと高い価格も納得できます。他人に安心しておすすめしやすいマシンです。
Ryzen CPU搭載モデルにASUS製マザーボード(+ カスタムBIOS)を使っている点も、意外と知られていない大きな利点です。
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