グラフィックボードの性能が年々進化しています。数年前は難しかった「240 Hz(平均240 fps)」を安定して出せる時代が到来しました。
というわけで、240 Hzを活かせる「240 Hzゲーミングモニター」の意味(= メリットや優位性)と、2022年時点のおすすめモニターを解説します。
(公開:2020/10/9 | 更新:2022/10/24)
「240 Hz」にメリットはある?

結論から「240 Hzにメリットはあります」。
格闘ゲームの著名プロゲーマー「ウメハラ」氏は、60 Hzから240 Hzモニターに乗り換えた結果、「1フレーム得してる感じ。間に合わないと思った入力が間に合ってる※」とコメント。
海外の有名ストリーマー「Shroud」氏は、240 Hzモニターが「(60 Hzと比較して)エイムトラッキングや索敵に有利」とコメントしています。
※【ウメハラ】ついに自宅に240Hzモニター導入!使用感はどうなのか?より

240 Hzモニターを解説したほとんど記事で、240 Hzによるヌルヌル映像が有利と説明されていますが、ウメハラ氏の語った1フレーム分のお得は割りと無視されています。
まずは「1フレームのお得」から見ていきましょう。
見落としがちですが「入力遅延」が有利

普通の60 Hzモニターは、画面を1秒に60回更新します。1秒を60で割り算すると「0.0167秒(= 約16.7ミリ秒)」です。
つまり60 Hzモニターだと、最後の画面を見てから次の画面が表示されるまで「16.7ミリ秒」のタイムラグがあります。
次の画面が表示されるまでの間に、何かが起こっても必ず16.7ミリ秒待つしかないです。60 Hzモニターは強制的に16.7ミリ秒の待ち時間を必要とします。


240 Hzモニターなら、画面の更新回数が60回から240回に増えます。1秒間に240回、1秒を240で割り算すると「0.00416秒(= 約4.2ミリ秒)」です。

60 Hzの待ち時間16.7ミリ秒から4.2ミリ秒を引くと、240 Hzモニターは60 Hzモニターより12.5ミリ秒も速く、次の画面を表示できます。
分かりやすく言うと「12.5ミリ秒の未来視」です。60 Hzモニターより12.5ミリ秒も速く次の画面を表示できるため、実質的に未来を見ている状態といって間違いありません。
12.5ミリ秒は1フレーム(16.7ミリ秒)にかなり近い数値で、ウメハラ氏が「1フレーム得している感じ」とコメントするのも理屈にあっています。
ゲームが60 fpsでも240 Hzが効く理由

たとえゲーム側が60 fpsに制限されていても、グラフィックボードが1フレームの描画を完了した時点で、画面に表示を行います(非常に見落としがちな描写ラグ)。

分かりやすく解説イラストを作ってみました。
まず、ゲーム側は16.7ミリ秒ごと(= 60 fps)に次のフレームを作ってくださいと、グラフィックボードへ命令を送ります。
ここからが肝心なポイントで、最近のグラフィックボードは性能がいいです。フレームを作ってほしいと命令を受けたグラフィックボードは、速いときだとわずか数ミリ秒でフレームを描画します。
RTX 3080クラスのハイエンドグラボでは、スト5なら平均5~6ミリ秒で描画を終え、もっと動作の軽いゲームだと平均3~4ミリ秒の高速描画が可能です※。
※MinecraftやVALORANTなら、平均1~2ミリ秒(500~1000 fps以上)の超高速描写も可能です。
仮に4ミリ秒でフレームを完成させると、240 Hzの更新タイミング(4.2ミリ秒)に間に合ってしまい、結果的に60 Hzモニターより12.5ミリ秒も速く次のフレームが表示されてしまうのです。
12.5ミリ秒も速く次のフレームが表示されているから、ウメハラ氏が「1フレーム得してる感じ。間に合わないと思った入力が間に合ってる」とコメントするわけです。

逆に60 Hzモニターでは律儀に16.7ミリ秒(60 Hz)待つ必要があるため、どれだけグラフィックボードが描画を速く終えても240 Hzモニターより12.5ミリ秒遅れます。
240 Hzのヌルヌル描写はエイムに有利
240 Hzだと映像がヌルヌルに表示されるから、エイム(特にトラッキングやフリック)で有利になれる話は有名です。

240 Hzは60 Hzの4倍の情報量です。たとえば「的あてゲーム(フリック)」だと、そもそもの「的」が表示されるまでの時間が違います。
的がうっすらと表示されるまでにかかる時間は、60 Hzなら最低でも16.7ミリ秒が必要ですが、240 Hzでは最低4.2ミリ秒で見えます。12.5ミリ秒も表示される時間に差があれば、当然240 Hzが有利です。

カナダのハードウェアメディアLinus Tech Tipsが、5名のゲーマー(カジュアルゲーマー2名とプロゲーマー3名)で行った実験※では、一貫して60 Hzより240 Hzの方がエイムのヒット数が多いです。
カジュアルゲーマー2名の結果は学習効果の影響を否定できないものの、ほか3名のプロゲーマーの結果でも60 Hzより240 Hzの方がヒット数が増加しています。
60 Hz時のヒット数は平均7.23、144 Hzで平均14.7、240 Hzでは平均15.6とリフレッシュレートが高いほど成績が良いです。
※Does High FPS make you a better gamer? Ft. Shroud – FINAL ANSWER(32:10-) より
240 Hzは「ホールドボケ(残像)」が少ない

現代の液晶パネルを使ったモニターは連続してフレームを表示する仕様により、「ホールドボケ」と呼ばれる残像が大きなデメリットとなっています。
ホールドボケはフレームの連続表示が原因であり、応答速度をどれだけ高速化しても根本的に取り除くのは不可能です。
ちなみに、液晶パネルより前の時代で使われていたCRT(ブラウン管)方式では、フレームを一瞬しか表示しない仕様だったためにホールドボケがほとんど発生しなかったです。

応答速度が「ゼロ秒」に近いOLEDでも残像を防げない
↑こちらはLG CX OLED(48インチ)の残像を撮影した写真です。応答速度が限りなくゼロ秒に近いOLED(有機ELパネル)ですら、ホールドボケが原因の残像感がガッツリ見えます。
では、どうすればホールドボケを軽減できるのでしょうか。答えの一つが「高リフレッシュレート化」です。フレームをホールドしている時間を減らせば解消できるため、リフレッシュレートを増やすほどホールドボケを軽減できます。
もう一度、さきほど掲載した写真を見てみてましょう。

リフレッシュレートが増えるとホールドボケが減る
60 Hzと120 Hzで、残像の大きさがだいぶ違うのが分かるはず。応答速度はどちらも同じ(OLEDパネルは常に応答速度が同じ)なのに、リフレッシュレートが増えただけで残像が減っているのです。

240 Hz対応のゲーミングモニター「Zowie XL2546K」で、残像を撮影すると・・・予想通りホールドボケ(残像)の大部分を除去できます。応答速度は平均1.3ミリ秒で、OLEDより遅いのに残像ははるかに少ないです。
よってホールドボケが原因の残像を少しでも減らすなら、高いリフレッシュレートが極めて有効です。
応答速度がもとから高速なTNパネルとOLEDパネルでは、240 Hzで十分すぎるほどホールドボケを除去できます。IPSパネルでは240 Hz以上、理想は360~500 Hzが必要でしょう。
なお、240 Hzによる残像感の少なさがゲームで有利になるかどうかは別問題です。残像の少ない現実世界に近い映像を目指すうえで、240 Hz以上の高リフレッシュレートが役に立ちます。

「240 Hzゲーミングモニター」を買う前に注意点
240 Hzゲーミングモニターのメリットの解説は以上です。
ここからはデメリットや注意点について解説するので、本当に240 Hzモニターが必要かどうかの参考にしてください。もしかすると144 Hzモニターで十分かもしれないです。
そもそもゲーム機だと意味がない

2022年現在、240 Hzに対応したゲーム機(コンソール)がまだありません。
最新ゲーム機のPS5(またはXbox Series X)は最大120 Hzまで対応しており、240 Hzは表示できません。最新ゲーム機で使うなら120 Hz表示に対応した144 Hzモニターで大丈夫です。
当然ながら、最大60 Hzにしか対応していない旧世代のゲーム機(PS4 ProやXbox One Xなど)だと144 Hzモニターですらほぼ無意味です。ゲーム機は基本的にモニター側のリフレッシュレートを変更できません。
高性能なゲーミングPCが必要

240 Hzゲーミングモニターの性能を100%活かすためには、高性能なグラフィックボードを搭載したゲーミングPCが必須です。
内蔵GPUしか入っていないような低価格ビジネスパソコンや、2014年より古い化石系ローエンドグラボでは、ゲームで240 fpsを出すのが難しいどころか…そもそも240 Hzに設定できない場合も※。
※フルHDで240 Hzを表示するには「HDMI 2.0」や「Display Port 1.2a」以上が必要です。

240 Hzゲーミングモニターに必要なグラフィックボードはプレイするゲームに左右されますが、大人気FPSタイトル「Apex Legends」だと平均200 fpsにRTX 3070以上が、平均240 fpsだとRTX 3080からRTX 3080 Ti以上の性能が必要です。

比較的動作が軽いフォートナイトですら、平均200 fps以上はRTX 3070が必要で、平均240 fpsとなるとRTX 3080やRX 6800 XTクラスの高性能グラフィックボード必要になります。
なお、ストリートファイター5のようにゲーム側が60 fpsに制限されていても、グラフィックボードの性能は若干多めにしたほうが良いです。
グラボの性能が高いほど、ゲームから命令を受け取ったグラボが1フレームを描写する時間を少なく抑えられ、結果的に60 Hzより早いタイミングで映像を表示できます(→ ゲームが60 fpsでも240 Hzが効く理由)。

設定しないと240 Hzにならない

こちらの記事で詳しく解説していますが、ゲーミングモニターはきちんと設定をしないとリフレッシュレートが「60 Hz」のままです。
せっかく240 Hzゲーミングモニターを買ったのに「60 Hzと違いが分からない」場合は、ほぼ設定ミスが原因です。必ずWindowsのディスプレイ設定から「240 Hz」になっているか確認しましょう。
コスパを重視するなら144 Hzでいい
ここまでの解説を注意深く読んでいれば、実は144 Hzゲーミングモニターで十分なのでは・・・と、うすうす気づいているかもしれません。
240 Hzのヌルヌル感や残像感の少ないキレのある映像はすごいものの、海外で行われた実験の結果を見る限り、FPSゲームで勝つためにゲーミングモニターを買うなら意外と144 Hzで十分です。
「60 Hz時のヒット数は平均7.23、144 Hzで平均14.7、240 Hzでは平均15.6とリフレッシュレートが高いほど成績が良いです。」
60 Hzとの性能差は2倍以上に対して、144 Hzと240 Hzのヒット数の差はわずか0.9しかありません。割合にして約6%の性能差を多いと見るか、価格に見合わないと見るかは人それぞれでしょう。

240 Hzゲーミングモニターを適切に使うには、モニター本体だけでなく、少なくとも平均200 fps以上を安定して出せる高性能なゲーミングPCも必要です。
144 Hzゲーミングモニターと比較して、ワンセットを揃えるのにかかる費用は軽く2倍以上も高くつきます。

【2022年】おすすめな240 Hzゲーミングモニター
- BenQ ZOWIE XL2546K
- TUF Gaming VG259QM
- Pixio PX279 Prime
- ROG Swift PG259QN
- AOPEN 25XV2QFbmiiprx
- GIGABYTE M27Q X
- OMEN 27c QHD Curved
- DELL Alienware AW2721D
- Samsung Odyssey Neo G8
2022年時点で、おすすめな240 Hz対応のゲーミングモニターを今回は「9台」ピックアップ。
筆者やかもちが実際に使ってよかった(レビューした)ゲーミングモニターに加えて、「こんな240 Hzモニターもあるよ」と紹介の意味を込めてまだ使っていないゲーミングモニターもチョイスしました。
BenQ ZOWIE XL2546K
【FPSガチ勢におすすめ】FPSゲームに特化した240 Hzモニター

BenQ Zowie XL2546K | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 |
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価格 |
- 最大240 Hzに対応
- TNパネルで最速の応答速度
- 便利なゲーマー向け機能
- 残像を消す「DyAc+」機能
- プロのOSD設定を共有できる
(XL Setting to Share機能) - OSDコントローラーが便利
- プロゲーマーの採用実績が多い
- 3年保証
- 映像美はイマイチ(TNパネル)
- 価格はやや高め
Zowie XL2546Kは、ZETA DIVISIONに在籍するスタヌ(StylishNoob)氏など、著名なプロゲーマーやストリーマーから高い支持を得ているFPSゲーマー向けの定番モデルです。
最近のゲーミングモニターはもっぱらIPSパネルが主流ですが、XL2546KはあえてTNパネルを使っています。TNパネルはIPSパネルと比較して画質が白っぽく劣っているのがデメリット。
そのかわり、TNパネルはFPSゲーマーが必要とする「応答速度」で圧倒的に有利です。超高速な応答速度により、XL2546KはIPSパネルにはなかなか真似できないキッレキレでクッキリとした映像を表示できます。
しかし、XL2546Kがプロゲーマーから高い支持を得ている理由はTNパネルだけではありません。BenQがFPSゲーマーのニーズを研究して開発した、強力なゲーマー機能も人気の理由です。
暗い部分を明るく見やすく補正する「Black eQualizer(ブラックイコライザー)」
色のある部分だけを鮮やかに補正する「Color Vibrance(カラーヴィブランス)」

残像感を軽減してさらにクッキリさせる「DyAc+(ダイナミックアキュラシープラス)」
とにかく、FPSゲームにおいて重要な敵プレイヤーの視認性を高める機能がもりだくさんです。
OSD設定をシェアできる「XL Setting to Share」を使えば、プロゲーマーがXL2546Kで実際に使っている設定を自分の環境で使えます。たとえばZETA DIVISIONの設定はこちらからダウンロードできます。
- FPSゲームで勝つためにプレイしているガチ勢
- 映像美を多少犠牲にしてでもゲームを有利にしたい
FPSゲームで勝つためのゲーミングモニター、それが「Zowie XL2546K」です。
逆に言えば、FPSだけでなく他ジャンルのゲームも幅広くプレイする方には合わないかも。TNパネルはどうしても画面が若干白っぽく見えてしまい、映像美を出すのに不向きです。
TUF Gaming VG259QM
【万人向けおすすめ】Fast IPSで映像美な240 Hzモニター

ASUS TUF Gaming VG259QM | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- 最大280 Hzに対応
- 応答速度の速いIPSパネルを採用
- 便利なゲーマー向け機能
- 残像を消す「ELMB Sync」
- Display HDR 400
- 3年保証
- コストパフォーマンスが高い
- TNパネルほど応答速度が速くない
- 「ELMB Sync」は画面が暗い
ASUS TUF Gaming VG259QMは、万人向けの240 Hz(最大280 Hz)ゲーミングモニターです。
視野角が広く、色鮮やかな映像美に優れ、高速な応答速度も両立する「Fast IPS」パネルを採用。TNパネルほど速くはないですが、平均3ミリ秒台とIPSパネルでトップクラスの応答速度を叩き出します。
ゲームに便利な各種機能もちゃんと搭載済み。
暗い部分を明るく見やすく補正する「Dynamic Shadow Boost」

残像感を軽減してクッキリさせる「ELMB Sync」
暗い部分を明るく見やすく補正する「Dynamic Shadow Boost」や、残像感をクリアに除去する「ELMB Sync(Extreme Low Motion Blur)」も使えます。
なお、ELMB SyncはAMD FreeSync(またはG-SYNC互換モード)と併用可能です。主要なゲーマー機能に対応しているものの、鮮やかさを補正するColor Vibrance的な機能はありません。
- 映像美と高速な応答速度を両立したい
- FPSゲーム以外のゲームも楽しみたい
最初に紹介した「XL2546K」がFPSガチゲーマー向けで、こちらの「VG259QM」はいわゆる万人向けにおすすめな240 Hz(280 Hz)ゲーミングモニターです。
Display HDR 400対応で、一応そこそこのHDRゲーミングもできます。約4.4万円の安さながら、ほとんどのニーズに応える万能型に仕上がっています。コストパフォーマンスが高いです。
Pixio PX279 Prime
【コスパ重視】Fast IPSの240 Hzが4万円以下で

Pixio PX279 Prime | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- 最大240 Hzに対応
- 応答速度の速いIPSパネルを採用
- 暗所補正「Black Equalizer」に対応
- 3年保証
- 価格がかなり安い
- TNパネルほど応答速度は速くない
- 残像を軽減する「MPRT」は画面が暗い
- パネルの保証は2年のみ
- フルHDで27インチはドットが粗い
Pixio PX279 Primeは、Amazon限定販売でおよそ3.9万円から買える、低価格なFast IPSパネル搭載の240 Hzゲーミングモニターです。
ASUSのVG279QMとほぼ同じIPSパネルを採用し、速い応答速度とIPSパネルならでの色鮮やかな映像美を両立します。スペックの割に価格が安く、よく売れていますが注意点もいくつかあります。
まず、解像度はフルHD(1920 x 1080)なのに、画面サイズが27インチもあります。フルHDで27インチはかなり大きくて、ドット感がはっきりと見えるレベルで粗いです。
FPSメインでプレイする場合、27インチだと視線移動が忙しくゲームプレイに不利に感じやすい可能性もあります。ゲーマー向け機能はBlack Equalizerと残像低減「Pixio MPRT」の2つに対応。鮮やか補正はなし。
Pixio MPRTはDyAc+やELMB Syncより効果がやや少ない割に、画面の明るさが著しく下がってしまうため実用性はイマイチ。Pixioの残像低減はおまけ程度に考えたほうが良い(過度な期待は禁物)です。
- 映像美と高速な応答速度を両立したい
- 価格をなるべく安く抑えたい
PX279 Primeのメリットは価格の安さです。とにかく本体価格こそ安く済むものの、価格が安いなりにいろいろと弱点を抱えているゲーミングモニターです。
その割にけっこう売れているように見えるので、やはり値段の安さが一番大事と考える価格派(= コスパ派ではない)にとってはアリなゲーミングモニターでしょう。
ROG Swift PG259QN
【超ヌルヌル映像】Fast IPSで360 Hzゲーミングモニター

ROG Swift PG259QN | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- 最大360 Hzに対応
- 応答速度の速いIPSパネルを採用
- TNパネル並みに応答速度が速い
- 便利なゲーマー向け機能
- 残像を消す「ULMB」
- G-SYNCモジュール搭載
- 3年保証
- 「ULMB」は画面が暗い
- 価格はやや高い
ROG Swift PG259QNは、世界初の360 Hz対応ゲーミングモニターです。選別された高性能なFast IPSパネルを採用し、平均で2ミリ秒を下回るIPS最速の性能を誇ります。
へたなTNパネルよりも応答速度が速く、IPSパネルならではの映像美とTNパネル級のキレキレでクリアな映像を両立します。しかも240 Hzではなく、最大360 Hzに対応。
60 Hzと比較して、フレーム更新時間は約10ミリ秒も速く、最短2.8ミリ秒で次のフレームを表示できます。高性能なグラフィックボード(RTX 3080以上)と組み合わせれば、ほぼ確実に1フレーム有利です。

ASUSはNVIDIAと協力して、画面のテアリングを防ぐ「G-SYNC」に完全対応。残像をクリアにする「ULMB(Ultra Low Motion Blur)」機能とG-SYNCを同時に使えます。
暗い部分を明るく見やすく補正する「Shadow Boost」
暗い部分だけを明るく見やすく補正する「Shadow Boost」機能も対応。
最大360 Hzの高リフレッシュレート、平均2ミリ秒未満の超高速応答、出荷時に調整済みの高画質なIPSパネル。さらにG-SYNCモジュール、ULMB、Shadow Boostとゲーマー向け機能も充実です。
価格はZowie XL2546Kより少し高いですが、PG259QNの方が万人向けの仕様です。TNパネル並みのキレッキレな映像と、IPSパネルの映像美、どちらも欲しい妥協できないゲーマーにおすすめ。
ただし、残像を低減する「ULMB」を使うと画面が暗くなります。画面がほとんど暗くならない残像低減を必要とする方は「DyAc+」に対応したZowie XL2546Kの方が良いでしょう。
- TNパネル並の応答速度が欲しい
- でもIPSパネルの映像美も欲しい
- 360 Hzの世界を見てみたい
AOPEN 25XV2QFbmiiprx
【IPSで最速級】驚異の390 Hzゲーミングモニター

AOPEN 25XV2Q F | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- 最大390 Hzに対応
- 応答速度の速いIPSパネルを採用
- TNパネル並みに応答速度が速い
- 便利なゲーマー向け機能
- 残像を軽減する「TVR」
- 3年保証
- 「TVR(Extreme)」は画面が暗い
- 価格はやや高い
- パネルの保証は1年のみ
AOPEN 25XV2QFは世界で2台目の390 Hzゲーミングモニターです。ROG Swift PG259QNで使われている360 HzのIPSパネルに、メーカーが独自のオーバークロック処理をかけて最大390 Hzを可能に。
TNパネル並みに速い応答速度と390 Hz駆動により、残像感が非常に少ない表示ができます。残像感の低減には、速い応答速度だけでなく高いリフレッシュレートも必要です。
なぜなら人間の目は意外と処理性能が低く、前に写ったフレームと今見えているフレームの中間を平均化して見てしまうため。リフレッシュレートの遅さが原因で見えてしまう残像感を「ホールドボケ」といいます。
最大390 Hzあれば、144~240 Hzと比較してかなりホールドボケを軽減できる効果※があります。加えて、25XV2QFは残像を軽減する「TVR(Turbo Visual Response)」機能を搭載。
ASUSの「ELMB Sync」と同じく、黒フレーム挿入で残像感を軽減できます。ただし、AMD FreeSync Premium(G-SYNC互換モード)と併用はできません。
※ホールドボケを見えなくするために必要なリフレッシュレートはおよそ900~1000 Hzです。
- TNパネル並の応答速度が欲しい
- でもIPSパネルの映像美も欲しい
- 360 Hz超え(390 Hz)の世界を見てみたい
どうせ買うなら360 Hzといわず、一番数字の大きい390 Hzを買ってしまいたいと考える、高リフレッシュレート愛好家におすすめの1台です。
ちなみに「AOPEN」は、世界有数のモニターメーカー「Acer」のグループ子会社です。あやしい中華業者ではなく、普通にまともなモニターメーカーが販売しています。
GIGABYTE M27Q X
【すばらしいコスパ】WQHDで高精細な240 Hzモニター

GIGABYTE M27Q X | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- WQHD(2560 x 1440)
- 240 Hzに対応
- 応答速度の速いIPSパネルを採用
- 便利なゲーマー向け機能
- 残像を軽減「Aim Stabilizer Sync」
- Display HDR 400
- 専用ソフトでOSD設定が可能
- 3年保証
- 非常にコストパフォーマンスが高い
- 「Aim Stabilizer Sync」は画面が暗い
GIGABYTE M27Q Xは知る人ぞ知る、コストパフォーマンスが非常に高いWQHD(2560 x 1440)対応の240 Hzゲーミングモニターです。
27インチのWQHDで240 Hzだと6万円台が現在の相場ですが、M27Q XはAmazonにて4万円台から購入できます。スペックの割にあまりにも価格が安くて怪しく感じますが、海外ならド定番の高性能モニターです。
Display HDR 400対応の色鮮やかで明るいSS IPSパネルを採用し、平均で3ミリ秒台の応答速度を実現しつつ、DCI P3で93%超えのとても鮮やかな映像美を両立しています。
さらにゲーマー向け機能もそこそこ充実。
暗い部分を明るく補正する「Black Equalizer」、残像を見えづらく軽減する「Aim Stabilizer Sync」に対応。

Aim Stabilizer SyncはAMD FreeSync Premium(またはG-SYNC互換モード)と併用でき、テアリングを防ぎつつ残像感も見えづらく補正できます。
もちろん、メーカーの保証はしっかり3年です。
- コストパフォーマンス重視
- 高精細なWQHDで240 Hzが欲しい
スペック、性能、価格設定が全体的に優秀です。これほどのスペックが4万円台で買えていいはずがないのですが、悲しいかなGIGABYTEの知名度とブランド力は日本国内だと弱いです。
実際問題、メーカーがASUSだったら6~7万円の価格でも売れそうなスペックをしています。

OMEN 27c QHD Curved
【湾曲型で没入感】WQHD(1000R)で240 Hzモニター

OMEN 27c QHD Curved | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- WQHD(2560 x 1440)
- 湾曲型(1000R)で没入感あり
- 240 Hzに対応
- コントラスト比の高いVAパネル
- 便利なゲーマー向け機能
- 残像を軽減「OMEN MPRT」
- Display HDR 400
- 3年保証
- コストパフォーマンスが高い
- 応答速度は平均的(5ミリ秒台)
- 「OMEN MPRT」は画面が暗い
- 湾曲型でやや人を選ぶ
ヒューレット・パッカードの直販限定モデル、OMEN 27c QHDは湾曲型のWQHDゲーミングモニターです。深みのある黒色を得意とするVAパネルを採用し、最大240 Hzに対応します。
パネル本体が湾曲しているため、没入感を重視するジャンルのゲームに適しています。たとえばForza Horizon(レーシングゲーム)や、MSFS 2020(フライトシミュ)です。
Display HDR 400に対応しているため、HDR対応ゲームでさらに没入感のあるゲーム体験ができます。VAパネルゆえに応答速度はやや遅い(平均5ミリ秒台)ですが、想定されるゲームジャンルなら特に問題はありません。
逆に言うと、OMEN 27c QHDは用途を選びます。湾曲したVAパネルで得られる没入感はたしかに普通のTN / IPSパネルでは実現が難しい表現です。
でも湾曲したVAパネルとマッチする用途があまり多くないです(慣れればどうにかなるレベル)。
FPSゲームなら「Zowie XL2546K」が強く、IPSパネルなら「VG259QM」が有利、WQHDの万人向けは「GIGABYTE M27Q X」がコスパ最強・・・。
特化型ではないけれど、幅広いゲームと用途に対応できる優等生ゲーミングモニターが数多くラインナップされています。
- レーシングゲームやフライトシミュがメイン
- 深みのある没入感を重視したい
少々ニッチなニーズを満たせるWQHDゲーミングモニターです。VAパネルの湾曲型で240 Hzがピンポイントで欲しい方に適しています。
MOBIUZ EX270QM
【つよつよスペック】HDR 600で240 Hzモニター

MOBIUZ EX270QM | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- WQHD(2560 x 1440)
- 240 Hzに対応
- 応答速度の速いIPSパネルを採用
- 超広色域(DCI P3:98%)
- Display HDR 600(700 cd/m²超)
- 残像を低減「ブレ削減」
- 充実のゲーマー向け機能
- リモコンが便利すぎる
- 2.1 ch内蔵スピーカー
- 3年保証
- TNパネルほど応答速度が速くない
- ブレ削減はやや画面が暗い
- 価格はかなり高い
スペックもりもりの最強WQHDゲーミングモニターが、BenQ MOBIUZ EX270QMです。
WQHDで最大240 Hz、かつDisplay HDR 600認証を取得済み。実測でピーク輝度はなんと700 cd/m²超え、DCI P3で約98%をカバーする非常に広い色域、ローカル調光による20000:1超えのコントラスト比を叩き出します。
まっとうなHDR映像を表示可能な、数少ないWQHDゲーミングモニターです。しかもEX270QMは「HDMI 2.1」を搭載しており、PS5で120 Hz表示や、PS5 VRRもサポートします。
こえら優れたハードウェアに加えて、BenQ独自のゲーマー向け機能もほぼすべて対応。
暗い部分を明るく補正する「Light Tuner」
色のある部分だけを鮮やかに補正する「Color Vibrance」
FPS向けの暗所補正「Black eQualizer」、RPGやオフゲー向けの暗所補正「Light Tuner」、色のある部分を見やすく補正する「Color Vibrance」など。実用的な補正機能に対応します。

残像感を軽減する「ブレ削減」も対応。DyAcほどの効果ではないですが、他社の似たような機能(ELMB SyncやLG MBR)より強力です。画面の明るさは3割ほど下がりますが、100%時で300 cd/m²も維持されています。
普通にFPSゲームをプレイする分には、300 cd/m²あれば十分です。
- ワンランク上の映像美を求めたい
- 高画質なHDRゲーミングと240 Hzを両立したい
- PCゲームとPS5どちらでも使いたい
240 HzのWQHDで最高の画質を追求したいコアなゲーマーにおすすめなゲーミングモニター、それが「EX270QM」です。決して安いとはいえないですが、価格に見合うプレミアム性能がついてきます。
Samsung Odyssey Neo G8
【日本で売ってない】4K解像度で240 Hzモニター

Samsung Odyssey Neo G8 | |
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基本スペック |
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ゲーマー機能 |
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主な使用者 | – |
価格 |
- 32インチで4K(3840 x 2160)
- 240 Hzに対応
- コントラスト比の高いVAパネル
- TNパネル並みに速い応答速度
- 便利なゲーマー向け機能
- 残像を軽減「Extreme MBR」
- 1196分割のLEDバックライトを搭載
- 3年保証
- 「HDR 2000」は詐欺的な表現
- 「Extreme MBR」は画面が暗い
- 価格はかなり高い
- 日本国内で入手不可
Samsung Odyssey Neo G8は、世界初の4Kで240 Hzに対応した最強スペックのゲーミングモニターです。
240 Hzに対応している中で一番スペックが高いので一応紹介だけしますが、1500ドルの値段の割に問題が多く、本気で購入を考えている方は要注意です。
まず、サムスンがアピールする「Quantum HDR 2000」ですが、そんな名前の規格は世界のどこにも存在しません※。サムスンが勝手に言っているだけで、実態はHDR 2000から程遠いクオリティにとどまります。
HDR 2000と聞くと、画面の明るさがピーク時に2000 cd/m²を超えそうです。実際はせいぜい1000 cd/m²で、画面全体が明るいシーンだとたった400 cd/m²台しか維持できません。
Quantumと聞くと、Q-Dot(量子ドット)を連想させますが、表示できる色の広さはDCI P3で約90%です。量子ドットなら98%以上を表示できて当たり前なのに、たった90%では量子ドットの可能性は皆無です。
素晴らしいのは1196分割されたフルアレイローカル調光(FALD)だけ。明るい部分だけLEDを点灯し、黒色は無点灯に、FALD有効時にコントラスト比は20000:1を超えます。
しかし、1500ドル(約21万円)に値札に見合う価値を提供しているかを言われると、かなり疑問が残ります。「4Kで240 Hz」がどうしても欲しい方ならアリですが、基本的におすすめしづらい製品です。
※HDR規格を策定したVESAが「HDR 2000なんて規格は存在しないよ。注意してね。」と公式サイトで注意喚起を掲載しているほど問題です。いわゆる誇大広告です。
240 Hzゲーミングモニター解説まとめ
240 Hzゲーミングモニター【解説まとめ】 | |
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メリット | 弱点 |
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今回の記事で、240 Hzゲーミングモニターのメリット(利点)からデメリット(弱点)まで解説しました。
240 Hz以上のゲーミングモニターで一番のメリットは「残像感」の少なさです。リフレッシュレートが高いほど、ホールドボケが原因の残像を大幅に軽減でき、クッキリ明瞭な映像を表示できます。
クッキリ明瞭でヌルヌルな映像は、敵プレイヤーを追いかけるトラッキングエイムで有利ですし、240 Hzによる入力遅延の短さはとっさのアクションに対する反応も良好です。
基本的に60 Hzと比較して圧倒的に有利な立場になれると考えて間違いありません。しかし、実験データなどを見る限り、FPSゲームにおける優位性は144 Hzと大きな差がないのも事実です。
コストパフォーマンスを重視して選ぶなら、240 Hzより144 Hzの方がおすすめ。ゲーミングPCの要求スペックも下がり、240 Hzと比較してかかる費用は半額くらいまで減らせます。

とはいえ、240 Hz以上だからこそ可能なホールドボケの少なさは値段に見合う価値があります。応答速度が0ミリ秒に近くても、リフレッシュレートが低いとホールドボケは必ず発生します。
240 Hz以上を使えば、たとえ120 HzのOLED(有機EL)が相手でも残像感でかんたんに勝てます。残像感の少ない、より現実世界に近い映像をモニターに表示させるなら、240 Hz以上のゲーミングモニターを導入する意味が大きいです。
240 HzにおすすめなゲーミングPC

240 Hzゲーミングモニターとセットで使うなら、グラフィックボードに「RTX 3070」や「RTX 3080」を搭載したゲーミングPCを強く推奨します。
RTX 3060やRTX 3060 Ti程度では残念ながら200 fpsすら厳しいです。最低でもRTX 3070から、できればRTX 3080以上のハイエンドグラフィックボードを導入してください。
コスパの良いハイエンドゲーミングPCは「STORM(ストーム)」がおすすめです。まるで自作PCのようなパーツ選びなのに、なぜか値段が大手BTOと比較して割安な設定。迷ったらSTORMでいいでしょう。
RTX 3090搭載の超ハイエンドモデルなら「HP OMEN 45L」がコスパよし。同じ値段で同じスペックのゲーミングPCは今のところ存在しません。
おすすめなゲーミングモニター解説
この記事を逆に解釈すれば「FPSは機材に金が かかるジャンル、他ゲームは高FPSいらないから安い投資でイケる。」と言えます。
重いゲームと有名なarkもモンハンワールドも144Fps必要な場面は全くありません。
RPGやSLGは言わずもがな。
競技性が高いFPSさえしなかったらゲーミングPCの敷居は下がります。
Fpsでもfarcryシリーズは競技性ゼロなので低スペックでイケます。
どれくらいのPCがFPS以外のゲーム必要かと言えば中古で2万しないNECMateにGTX1650LP差せば現在の98%のゲームはFHD60fps動きます。
24インチIPSだとpixioのhayabusa2がいいんじゃないかと思いました
HAYABUSA 2も気になります!
24インチ台のお勧めのXL2546Kは群を抜いて高いので、
4万前半までで(可能なら4まん切り)お勧めあれば知りたいです。
パネルはTNでもIPSでもどちらでもOK
hayabusa2無いとかエアプだろ
他記事引用してるだけで内容薄いし
w80rs0
自分は人間のスペックが劣化してきたので240hz→165hzにかえても
違いがさっぱりわからなかったです。
人間スペックは人によって違うのでなんともいえませんが。
DyACはオンにするとフリッカーを増やすことになるので人によっては眼精疲労がひどくなります。長時間使用には向いてませんし、目を消耗することになります。
質問です。
動画閲覧用途でも高リフレッシュレートの恩恵はありますか?
いつも楽しく拝読させていただいております。
4Kはハードの性能的にちょっと厳しいし高Hzはもっと無理…
なのでWQHD!
という人がPS5のWQHD対応もあって増えてる感じがしまして、自分もその一人なのですが、どうせなら27インチではなく32インチがいいなーと。
WQHDの32インチでのおすすめについての記事がいつか出ることを期待しています!
正直、240hz以上が必要なくらいFPSをやり込んでるなら、XL2546kか360hzのXL2566kの2択だよ‼︎
TNの応答速度もさることながら、DyAc +の恩恵がデカすぎる。
ちなみに144→240hzは、60→144hzの時ほど、視覚的な変化は感じられな
い。しかし、144hz使用時より、240hzの方がAim LabやKovaaK’sのスコア、K/D/Aは ”明らか “ に上がるから試しほしい。
PS:IPS買う奴は甘え。
Samsung Odyssey Neo G8の記載について確認させてください。
現状4K 240hzに対応しているケーブル規格はDisplay Port 2.0になりますが、Samsung Odyssey Neo G8の公式サイトを見るとDisplay Port 1.4になっています。
Display Port1.4は120hzが上限のため、どう頑張っても4K 240hzは出せないように思いますが、何かそこら辺の情報を持ってたりしませんか?
いつも参考にさせてもらってます。
黒挿入全然いらないと思ってる人間なのでxl2540kのレビューもあると嬉しいなぁなどと…