MOBIUZ EX3210Uレビュー:量子ドット採用の超高画質4K 144 Hzゲーミングモニター

BenQからようやく「4K 144 Hz」対応の超ハイエンドゲーミングモニター「MOBIUZ EX3210U」が登場。今までで一番、最強に近いゲーミングモニターです。

有機ELの48インチはデカくて買えない・・・というコアゲーマーのベストな選択肢になりうるかどうか、徹底した測定テストで検証します。

やかもち
BenQ Japan様のレンタル品ですが、レビュー方法はいつもどおり「測定」を用いた客観的なテストです。

(公開:2022/3/4 | 更新:2022/3/15

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「MOBIUZ EX3210U」の仕様とスペック

BenQ / サイズ : 32インチ / 解像度 : 3840 x 2160 / リフレッシュレート : 144 Hz / パネル : IPS / HDR : Display HDR 600 / 同期技術 : FreeSync Premium Pro / スピーカー : 2.1 ch(2W x2 + 5W) / 保証 : 3年
BenQMOBIUZ EX3210U
画面サイズ31.5インチ
解像度3840 x 2160
パネルIPS
コントラスト比1000 : 1
リフレッシュレート144 HzHDMI 2.1 : ~120 Hz / DP 1.4 : ~144 Hz
応答速度2 ms(G2G)
1 ms(MPRT)
光沢ノングレア
VESAマウント100 x 100 mm
エルゴノミクス
  • 高さ調整:100 mm
  • 前後チルト:+15° ~ -5°
  • 左右スイベル:15°
主な機能
  • Light Tuner
  • Black eQualizer
  • Color Vibrance
  • ブレ削減
  • B.I.+(ブライトネスインテリジェンスプラス)
  • HDRi
同期技術AMD FreeSync Premium ProG-SYNC互換モード対応
スピーカー2.1 ch(treVoloシステム)イヤホン(3.5 mm)端子あり
主な付属品
  • リモコン
  • DP 1.4ケーブル
  • HDMI 2.1ケーブル
  • USB 3.0ケーブル
  • 電源ケーブル
  • 説明書
寸法487.4~587.4 x 726.7 x 269.9 mm
重量9.5 kg
保証3年
参考価格13.8~15.4万円

ついにBenQから、4K 144 Hzに対応した超ハイエンドゲーミングモニター「MOBIUZ EX3210U」がリリース。

応答速度2ミリ秒の高速IPSパネル、PS5やXSXで4K 120 Hz出力に使える「HDMI 2.1」、高音質な2.1 ch内蔵スピーカー(treVoloシステム)、Display HDR 600認証を取得したマトモなHDR性能など。

2022年のハイエンドモニターに求められるスペックをほぼすべて備えた、死角の少ない4Kゲーミングモニターです。

量子ドット技術の採用により、表示できる色の広さはDCI P3で98%、Adobe RGBで99%をアピール。ゲーミングだけでなくクリエイティブな用途も対応できます。

BenQ / サイズ : 32インチ / 解像度 : 3840 x 2160 / リフレッシュレート : 144 Hz / パネル : IPS / HDR : Display HDR 600 / 同期技術 : FreeSync Premium Pro / スピーカー : 2.1 ch(2W x2 + 5W) / 保証 : 3年
やかもち
レビュー時の価格は約13.8~15.4万円です。なかなかいい値段してます。

MOBIUZ EX3210Uを開封レビュー

開封と付属品のチェック

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(開封)

EX3210Uは横幅が102 cmもある大きなパッケージで届きました。重量は10 kg近いので、開封するときにうっかり落として壊さないように注意しましょう。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(開封)

開封しやすい見開き式の梱包です。中に2段式の硬い発泡スチロール梱包がぎっしり詰まってます。1段目に付属品、2段目にパネル本体とモニターアームが入ってます。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(付属品)

付属品は普通の内容です。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(付属品)
  • HDMI 2.1ケーブル(長さ:1.8 m)
  • Display Port 1.4ケーブル(長さ1.8 m)
  • USB 3.0ケーブル

4K出力に使える映像出力ケーブルが2本付属します。HDMI 2.1で最大4K 120 Hzまで、DP 1.4で最大4K 144 Hzまで表示可能です。

USB 3.0ケーブルはEX3210UのUSBポート(4個)を使うために必要です。パソコンとつなぐと、4個あるUSBポートが使えるようになります。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(付属品)

電源アダプター(最大180 W)と電源ケーブルです。アダプターの電源穴はミッキー型です。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(付属品)

白いプラスチック板はEX3210Uのインターフェイスに取り付ける「ケーブルカバー(ケーブル隠し)」です。

EX3210Uに付属するリモコン

BenQ MOBIUZシリーズで定番の「リモコン」も付属します。

ほとんどのゲーミングモニターメーカーはリモコンは家電向けで、ゲーム機やPC向けには不要と考えているようですが、一度リモコンのあるモニターを使ってしまえば圧倒的な快適さに気づくはずです。

モニターに手を伸ばす必要なし。リモコンからポチポチとボタンを押すだけで、音量や画面の明るさ、映像モードや色のカスタマイズまで。すべての設定がリモコン1台で完結します。

モニター裏面の5方向ボタンを忙しくカチャカチャと操作する必要がなくなります。

やかもち
MOBIUZシリーズが人気の理由って、たぶん3割くらいは「リモコン」のおかげです(※イメージ)。

インターフェイス類とモニター本体

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(インターフェイス)

モニター本体の裏側から、各種インターフェイスにアクセスできます。インターフェイスは全部で7個。

  1. HDMI 2.1(120 Hz)
  2. HDMI 2.1(120 Hz)
  3. Display Port 1.4(144 Hz)
  4. ヘッドホン端子(3.5 mm)
  5. USB 3.0 アップストリーム
  6. USB 3.0 x3(充電可:0.9 A)
  7. USB 3.0 x1(充電可:1.5 A)

映像出力端子はHDMI 2.1(最大4K 120 Hz)が2つ、Display Port 1.4(最大4K 144 Hz)が1つです。USB 3.0ポートは合計4つあり、どのポートを使ってもUSB充電ができます。

PS5のコントローラの充電や、スマートフォンの充電に使えます。ただし、出力は安定していない(瞬停しやすい)ので、ポータブルストレージやHDMIスプリッターなど。

常時給電が必要なデバイスは使わない方がいいです。あくまでも、周辺機器の充電目的に抑えるべき。

PCで144 HzまでPS5で120 Hzまで
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(リフレッシュレートの対応状況)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(リフレッシュレートの対応状況)

リフレッシュレートの対応状況を実機で確認。パソコンはDisplay Portで4K 144 Hzまで映ります。「PS5」は4K 120 Hzまで表示可能です※。

※PS5のHDMI 2.1端子は帯域幅が32 Gbpsに制限されているため、4K 120 Hz出力時のサブサンプリング方式は「YUV422」が上限です。Xbox Series Xなら「YUV444(圧縮なし)」で出力できます。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(外観デザイン)

画面下側にボタンが配置されています。

  1. ミュート(マイク入力)
  2. 入力切替
  3. OSDを操作する5方向ボタン
  4. 電源ボタン

です。

5方向ボタンは操作が直感的でラクですが、リモコンが便利なのでほぼ出番なし。ミュートボタンはEX3210Uに内蔵されているマイク入力をミュートにできます。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(外観デザイン)

画面右側にあるボタンはHDRモードを切り替えるボタンです。リモコンがあるので出番ないです。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(外観デザイン)

付属のモニタースタンドには、ケーブルホールが空いています。ごちゃごちゃしやすい配線類をまとめやすいです。

付属品のケーブルカバーで、モニター裏面のパカッと開いてる部分も隠せます。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(外観デザイン)

別売りのモニターアームを固定するのに使う「VESAマウント」は、スタンダードな100 x 100 mm規格です。

スタンドを含まない重量は約6.6 kgですので、エルゴトロンOEMのAmazonベーシックモニターアームで軽々と持ち上げられます。

Amazonベーシック / 形式 : シングル画面用 / 耐荷重 : 11.3 kg / 機構 : スプリング式 / 備考 : OEMはエルゴトロン製
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(外観デザイン)

パネルの表面加工は、目が疲れにくい「ノングレア」を採用。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(外観デザイン)

ベゼル幅は9 mmと31.5インチにしてはまぁまぁの薄さ。マルチディスプレイ環境を作る場合、ギリギリ気にならないベゼル幅です。

組み立てはシンプル

MOBIUZ EX3210Uの組み立ては他のゲーミングモニターと同じく、シンプルで簡単なドッキング方式です。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(組み立て)

モニター本体にスタンドを挿し込み、

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(組み立て)

スタンドを取り付けて土台のネジを固定します。ネジに指で回せるフックが付いているので、プラスドライバーは不要です。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(組み立て)

MOBIUZ EX3210Uの組み立て完了。ツールレス(道具不要)なデザインのおかげで、組み立ては3分くらいで終わります。いつもどおり簡単です。

BenQ MOBIUZ EX3210UとPS5

PS5本体と並べてみた。LG CX OLEDの48インチと比較すれば・・・、EX3210Uの31.5インチは日本の住宅事情でも余裕に置けるサイズです。

エルゴノミクスをチェック

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(組み立て)

リフト(昇降機能)は10 cmです。下の方までグイグイと下げられるので、目がラクな見下ろす角度に調整できます。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(組み立て)

左右スイベル(首振り)は15°対応で、左右あわせて30°の首振りが可能です。

約15万円の値段だともう少し柔軟度があってもいいと思いますが、実用上の問題はほぼありません。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(組み立て)

前後チルト(角度調整)は、上方向へ15°、下方向へ-5°まで対応。

  • チルト(前後):+15 ~ -5°
  • リフト(昇降):100 mm
  • スイベル(首振り):左右15°
  • ピボット(垂直):なし

おおむね充実のエルゴノミクスです。

内蔵スピーカー「treVolo」の音質

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(スピーカー)

EX3210Uの内蔵スピーカーは「2.1 ch」システムを搭載。太いベゼルの中に出力2 Wのフルレンジドライバを2台(※下方向ではなくこちらに向かって搭載)と、

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(スピーカー)

モニター裏側に出力5 Wのサブウーファーを搭載します。

ゲーミングモニターの内蔵スピーカーとしては良い音質です。5000円台のUSBスピーカー並の音量と、量感のある音が出てくるので、あまり音にこだわってない人からすると十分な音質に感じやすいです。

  • FPS
  • RCG
  • SPG
  • シネマ
  • ライブ / ポップ

設定から5つのサウンドプロファイルを選べます。デフォルト設定の「ライブ / ポップ」は低音やや少なめで、高音から中音域のバランスを意識したチューニングです。

「FPS」や「RCG」などゲーム系のプロファイルは、中低音を重視して、低音と高音を弱く出力するので若干スカスカな音質傾向です。

「シネマ」はゲーム音質で意図的に抜いている高音と低音をちゃんと強調して、全体的にバランスの良い音質にチューニングされています。ただ、ちょっと低音が強すぎる気がします。

やかもち
サブウーファーで低音を補うので、意外といい音します。5000円くらいのUSBスピーカー並の音質です。

デザインと外観(写真を追加しました)

クリックすると拡大します

MOBIUZシリーズ初の「白色」ベースのデザインがとても特徴的です。

MOBIUZ EX3210Uの性能を検証

X-rite / 分光測色計 : i1 Pro 2 / 説明 : プロ仕様のカラーマネージメントツールコレクション

X-riteのプロ向けキャリブレーションツールに付属する分光測色計「i1 Pro 2」を使って、MOBIUZ EX3210Uのパネル品質や液晶モニターとしての性能を検証します。

ゲーミングモニターのレビューでは「目で見て色がキレイ。」など、とにかく主観的な感想が目立つので、ちもろぐでは実際に計測を行い客観的な評価を行います(※色の見え方は個人差あるので計測あるのみです)

EX3210U Specifications – BenQ Global

MOBIUZ EX3210Uは、32インチのIPSパネルを使っています。日本語ページだとなぜか31.5インチと紹介されていますが、グローバルページでは32インチ表記です。

仮に31.5インチの場合、AU OptronicsのAMVA(アドバンスド・マルチドメイン・VA)パネルがスペック的に近いのですが、AMVAは「VAパネル」です。EX3210Uは「IPSパネル」ですので、AMVAだとパネルの種類が合致しません。

・・・やはり日本語ページの31.5インチ表記が誤りの可能性があります。

グローバルページを信じて32インチとするなら、台湾AU Optronics製の「AHVA(IPS)」パネルがヒットします。型番は「M320QAN02.3」です。

パネル主な仕様
AU Optronics (AUO)M320QAN02.3
  • 4K(3840 x 2160)
  • コントラスト比:1000
  • 輝度:400~600 cd/m2
  • 色深度:10億7000万色
  • 色域:AdobeRGB 99%
  • バックライト:QD + LED
    QD = 量子ドット(Quantum Dot)
  • リフレッシュレート:144 Hz
  • ローカル調光:16ゾーン分割
  • 製造開始日:2021/03ごろ

量子ドット(Quantum Dot)採用で広色域(DCI P3で約98%カバー)を実現した、映像美に優れたパネルです。ただし、パネルメーカーによる応答速度の公称値は不明です。

上記パネルデータはあくまでも公開されている情報から分かる内容のみ掲載しており、必ずしも正確性を100%保証するものではありません。

色の正確さとコントラスト比

モニターの性能でかなりの人が気にしているのが「パネルの発色」です。発色の良さは正しくは「色の正確さ」と呼ばれ、規格どおりの色が出ているかどうかを「色差(ΔE)」という単位で表現します。

ΔEが平均値で2.0以下なら「正確」です。

色の正確さ(発色の良さ)※クリックで画像拡大します
グレースケールカラー
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(色の正確さをチェック)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(色の正確さをチェック)
  • 初期設定:ΔE = 2.35(やや正確)
  • sRGB:ΔE = 0.80(正確)
  • 初期設定:ΔE = 5.40(ズレ)
  • sRGB:ΔE = 0.88(正確)
コントラスト比
  • 初期設定: 936 : 1(普通)
  • sRGB:1010.3 : 1(普通)

MOBIUZシリーズの色合いは正確さよりも、パッと見てきれいに見えるかどうかが重視されます。だから正確さは(いつもどおり)低いです。カラーは全体的に鮮やかめに出力され、グレースケールは黒が濃い目に出ます。

「sRGB」モードだと色差がちゃんと2.0未満に抑えられるので、どうしても正確さを重視するならsRGBモードを使ってください。キャリブレーションをしなくても正確です。

やかもち
「sRGB」モードが正確でびっくりです。いきなりΔE < 2.0はクリエイターモニター並の精度です。
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ) BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ) BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ)

画面の明るさ(輝度)

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(画面の明るさ・輝度)

「RPG(初期設定)」モードでOSDからモニターの明るさを10%ずつズラしながら、画面の明るさ(輝度)を計測しました。

一番暗い状態(0%設定)で「54.3 cd/m2、最大設定(100%設定)で「277.7 cd/m2、カタログスペックの最大300 cd/m2より1割ほど少ないです。

設定値29%で目にちょうど良いとされる「120 cd/m2です。残像を減らすブレ削減モードを使うと明るさが30~45 cd/m2(0~100%)ほど下がります。

色域カバー率

色域カバー率※クリックで拡大します
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(色域をチェック)
sRGBもっとも一般的な色域100%
DCI P3シネマ向けの色域95.3%
Adobe RGBクリエイター向けの色域100%

表示できる色の広さを「色域カバー率」と呼び、モニターの品質をあらわす指標として使われています。

MOBIUZ EX3210Uの色域カバー率は、もっとも一般的な規格「sRGB」で100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」では95.3%をカバーします。

あれ・・・?、BenQのメーカー公称値だと98%をアピールしていたはずです。原因を探った結果、どうやらメーカー側がカバー率の計算に使用している規格に違いがありそうだと判明。

ちもろぐで使っているCIE1931規格では95.3%でしたが、CIE1976規格で再計算するとDCI P3カバー率は98%になりました。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(色のスペクトラム分析)

「量子ドット採用かどうか?」も確認しましょう。分光測色計でスペクトラムを分析した結果、RGBそれぞれのピークがハッキリと出ているのが分かります。

BenQは量子ドットについて、公式サイトで一言も言及していませんが・・・安心してください(※問い合わせが多かったらしく、現在は追記されています)。他の競合する4K 144 Hzモニターと同じく、EX3210Uも量子ドット採用のIPSパネルです。

RGB(赤・青・緑)それぞれのピークがハッキリと出て、隣接する色と混じらないスペクトラム特性こそ「量子ドット」の特徴です。ちなみに有機ELパネルだと隣接するRGBが混じります。

やかもち
はじめて「IPS + Quantum Dot」パネルを見た筆者ですけど、体感で美しいと感じられたのは久々の体験。後述するHDR映像もさすがです。

パネルの均一性

「均一性」は要するに同じ色を表示したときの「色ムラ」の程度です。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(パネルの均一性)

グレー(5%)の均一性は問題なし。ごくわずかにパネルの四隅が明るいですが、実際の使用シーンでまったく目立たないです。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(パネルの均一性)

もっと明るいグレー(50%)の均一性は、いつもどおりIPSパネル特有の「IPSグロー」が発生します。

パネルの四隅に行くほど輝度がわずかに下がる傾向に加えて、全体的に若干ムラがあります。実際の使用シーンでほとんど気にならないですが、単一色を表示すると分かりやすいくらいの輝度ムラです。

海外に出回っている他のサンプルや、同じパネルを採用した他社の製品でもまったく同じ傾向が見られるため、おそらくパネル自体の特性だと推測しています。

やかもち
均一性をガチで対策しだすと価格が2倍3倍と跳ね上がるからコスト的に厳しいです。

IPSパネルで視野角は広い

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(視野角)

IPSパネルは視野角が広いです。角度がズレても色はあまり変化しません。(参考:液晶パネルの違いを解説するよ)。

入力遅延をチェック

「Input Lag Tester」を使って、MOBIUZ EX3210Uの入力遅延をテスト。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(入力遅延)

60 Hz時の入力遅延はわずか8.3 ミリ秒。目標の16 ミリ秒を余裕で下回ります。120 ~ 144 Hz時の入力遅延はさらに短くなるので、体感できるほどのラグは存在しません。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(入力遅延)

他のゲーミングモニターと比較します。ほとんどのゲーミングモニターと同じような入力遅延です。

BenQ / サイズ : 32インチ / 解像度 : 3840 x 2160 / リフレッシュレート : 144 Hz / パネル : IPS / HDR : Display HDR 600 / 同期技術 : FreeSync Premium Pro / スピーカー : 2.1 ch(2W x2 + 5W) / 保証 : 3年

フリッカーフリーの動作検証

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(フリッカーフリー)

画面の明るさを25%ずつ変更しながら、オシロスコープを使ってフリッカーの有無を測定した結果です。常にグラフは横に一直線で、フリッカーはまったく検出されません。EX3210Uは「完全にフリッカーフリー」です。

MOBIUZ EX3210Uの応答速度を検証

こちらの記事で詳しく解説している通り、光の明るさをμs(マイクロ秒 = 1000分の1 ミリ秒)単位の細かさで検出する「光ディテクター」と、ミリ秒単位の計測には間に合う「USBオシロスコープ」を使ってモニターの応答速度を実測します。

PicoScope / 接続 : USB / 帯域幅 : 60 MHz / ch数 : 2 / メモリ長 : 1280000 / 垂直分解能 : 8~16 bit / サンプリングレート : 最大1 GS秒 / 保証 : 4年 / 備考 : ちもろぐでは型落ちの「5242A」を使用

個人差によってかんたんに左右されてしまう主観的な評価を徹底的に排除し、客観的な測定を行うことで、ゲーミングモニターの一貫した性能評価とレビューが可能です。

144 / 120 Hzの動作チェック

応答速度の前に、リフレッシュレートがちゃんと出ているかどうか「UFO Test」を撮影してチェック。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(120~144 Hz動作をチェック)

スライダーショット(追尾撮影)で残像を撮影します。リフレッシュレートが上がるにつれてUFOのりんかくがハッキリと映り、残像が減っているのが分かります。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(120~144 Hz動作をチェック)

定点撮影も問題なし。リフレッシュレートが高いほど、UFOの数が増えています。

やかもち
144 Hzと120 Hzどちらも動作チェックOKです。次は応答速度の測定です。

120 Hz時の応答速度

EX3210Uは次世代ゲーム機「PS5」向けにラインナップされたモニターですので、当然120 Hz時の応答速度をテストします。

リフレッシュレートを120 Hz、オーバードライブ「AMA : 1(初期設定)」に設定して、応答速度を計測します。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(120 Hz時の応答速度)
MOBIUZ EX3210Uの応答速度120 Hz / オーバードライブ:1
平均値6.48 ms
最速値4.47 ms
最遅値10.61 ms
明るく6.79 ms
暗く6.17 ms
応答速度050100150200255
04.47 ms6.83 ms10.61 ms7.07 ms8.35 ms
504.97 ms5.92 ms7.25 ms6.68 ms8.01 ms
1005.67 ms5.13 ms5.84 ms5.86 ms7.45 ms
1505.53 ms6.35 ms5.87 ms4.59 ms6.87 ms
2005.81 ms6.37 ms7.11 ms5.69 ms6.08 ms
2556.21 ms6.87 ms7.55 ms7.47 ms6.01 ms

120 Hz(オーバードライブ:1)の応答速度は、平均「6.48 ミリ秒」です。遅いとも、速いともいえない、最近のIPSパネルとして普通な応答速度です。

144 Hz時の応答速度

リフレッシュレートを144 Hz、オーバードライブ「AMA:1」で応答速度を計測します。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(144 Hz時の応答速度)
MOBIUZ EX3210Uの応答速度144 Hz / オーバードライブ:1
平均値6.89 ms
最速値3.52 ms
最遅値11.70 ms
明るく7.60 ms
暗く6.18 ms
応答速度050100150200255
04.70 ms10.87 ms11.70 ms9.50 ms8.41 ms
503.52 ms5.77 ms10.17 ms8.44 ms8.12 ms
1005.51 ms5.35 ms5.57 ms5.81 ms7.49 ms
1505.75 ms6.32 ms5.86 ms4.46 ms6.79 ms
2005.81 ms6.33 ms7.27 ms5.77 ms6.13 ms
2556.19 ms6.88 ms8.02 ms8.08 ms6.06 ms

144 Hz(オーバードライブ:1)の応答速度は、平均「6.89 ミリ秒」です。

念のため、さらに追加で5回測定した結果「約6.8~7.0 ミリ秒」でした。・・・次は、オーバードライブを使ってどこまで応答速度が改善されるかチェックします。

オーバードライブのおすすめ設定

OD機能の効果144 Hz / 3段階をテストした結果
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(オーバードライブ別の残像)
平均値6.89 ms5.70 ms4.67 ms
最速値3.52 ms3.30 ms2.47 ms
最遅値11.70 ms9.54 ms7.10 ms
明るく7.60 ms5.76 ms4.39 ms
暗く6.18 ms5.65 ms4.95 ms
平均エラー率0.2 %4.5 %11.9 %

EX3210Uのオーバードライブ設定は3段階(1~3)です。オーバードライブを効かせると残像がたしかに改善されますが、最大設定にするとエラーが発生し、暗いシーンで逆残像が目立ちます。

おすすめのオーバードライブ設定は「AMA:2」です。平均エラー率は5%未満で実用上はOKで、応答速度はおよそ1.1 ミリ秒も短縮できます。

参考例として、平均エラー率25%のUFO画像を掲載します。画像を見ての通り、UFOのりんかくが「滲む」ように見えます。このにじみが「逆残像(英語ではCorona、artifactsなど)」と呼ばれる現象です。

本来、残像感を軽減するためのオーバードライブ機能なのに、エラーが発生すると逆に残像が発生します。パネル本体の品質、メーカーのパネル制御技術の実力差など。エラーが発生する原因はいろいろとあります。

応答速度の比較

ちもろぐで検証した他のゲーミングモニターとの比較をまとめます。比較できるデータはかなり増えていて、MOBIUZ EX3210Uの応答速度がどれくらいの位置づけなのかが、客観的に分かりやすいです。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(応答速度を比較する)

120 ~ 165 Hzのゲーミングモニターで比較しました。

最近のIPSゲーミングモニターと比較すると平凡な応答速度です。ただ、3ミリ秒台のIPSパネルはすべてフルHDとWQHDで、4K解像度で安定して3ミリ秒を実現できるパネルはまだ存在しません

参考までに、筆者が使っているAcer製の4Kモニターが平均8 ミリ秒(60 Hz)なので、EX3210Uの5.7 ミリ秒は従来の4Kモニターと比較して確実に速くなっているのは事実です。

やかもち
同じパネルの「PG32UQ」より安定して速くてホッとしました※。やはり自社向けに選別したパネルを使ってる可能性がありそうです。

英国のTFT Centralによると、PG32UQはOD:4で6.6 ミリ秒(エラーなし)、OD:5で4.3 ミリ秒(エラー15%超)です。

MOBIUZ EX3210Uの機能性をチェック

OSD(On Screen Display)の内容

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(付属品)

リモコンを使って、モニターの設定(On Screen Display)を変更できます。順番に紹介します。

MOBIUZ EX3210Uの「OSD」設定画面
※画像はクリックで拡大
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(OSD設定画面)

リモコンだけで設定がすべて完結します。便利です。

クイックメニューに表示される項目は設定から自由にカスタマイズ可能です(下3つのみ)。

たとえば初期設定では3番目にあまり出番のない「AMA」が表示されていますが、設定から「Black eQualizer」や「色の鮮明さ(Color Vibrance)」に変更できます。

暗いところを明るくする「Black eQualizer」

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)

BenQモニターで特に有名な機能が「Black eQualizer」です。白潰れや黒潰れを抑えつつ、暗い部分だけをいい具合に明るくできます。

やかもち
BenQの優れた暗所補正「Black eQualizer」は競技性のあるゲームで役立ちます。

RPG向けの暗所補正「Light Tuner」

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Black eQualizerの効果)

「Light Tuner」はMOBIUZシリーズで使える暗所補正機能です。Black eQualizerより細かい20段階の調整ができます。

効果はBlack eQauliezrと同じく、かなり実用的。暗いシーンの多いDead by Daylightで使ってみると、確かに効果てきめんです。

EX3210Uでは、「RPG」「レーシング」「ゲームHDRi」「シネマHDRi」の4つのモードで使用可能です。

色を強調する「Color Vibrance」

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)

「Color Vibrance」は、色の鮮やかさを強調する機能です。彩度の調整とは少し違った機能で、ReShadeで有名な「HDR」や「Technicolor 2」と似たような画像処理を、モニター側のハードウェア機能でこなしてくれます。

チート対策ソフトの影響でReShadeが使えないゲームでも、Color Vibranceがあれば、好みに合わせて見やすい色の鮮やかさにできます。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(Color Vibranceの効果)

Dead by Daylightのように画面が暗くて色数が少ないゲームだと、うまく機能しやすいです。サバイバーの赤い姿、キラーが通った後に残るエンティティの爪痕など、目印になるオブジェクトの視認性が改善します。

9個ある「プリセットモード」をチェック

【9個】プリセットモードを比較※画像はクリックで拡大
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(モード別の画像)

「プリセットモード」はモニター側に最初から保存されているプロファイルです。MOBIUZ EX3210Uには、全9種類のプリセットモードが用意されています。

9種類あるプリセットモード
FPSFPSゲーム向け / やや寒色で白っぽい設定
RPGRPG向けの最適化された鮮やかな設定
レーシングレースゲーム向け / FPSモードより鮮やか
sRGBsRGB規格に準拠した設定
M-BookMacBookと接続する用の設定
ePaper電子書籍向け(ブルーライト少ない)
ゲームHDRi高コントラストなHDR + 画面の明るさと色温度をリアルタイムに調整
シネマHDRiHDR + 画面の明るさと色温度をリアルタイムに調整
Display HDRDisplay HDRに準拠した設定(明るさと色温度の自動調整なし)

好みに合わせて「RPG」「FPS」「レーシング」あとは「HDR」を使い分けます。好みに合う設定がない場合は、プリセットモードをカスタムに切り替えて自分好みに設定してください。

参考までに、色温度が6500K(= 赤すぎず青すぎないちょうど良い白色)に最初から合っているモードは「RPG(デフォルト設定)」です。画面の輝度を上げ下げしても、おおむね6500K前後を維持します。

「ブレ削減」の効果を検証

残像を少なく見せる機能はBenQの「DyAc」が有名です。EX3210UはDyAc非対応モデルですが、実は「ブレ削減」という名前の残像低減機能がひっそり実装されてます。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(ブレ削減の効果)

ブレ軽減を使うとUFOのりんかくがクッキリ映ります。ただし、BenQの独自機能「DyAc(Dynamic Accuracy)」ほどキレのある感じはしません。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(ブレ削減の効果)
モニターフレーム更新時間黒挿入時間比率
DyAc+BenQ XL2546K4.17 ミリ秒3.47 ミリ秒83.3%
DyAcBenQ XL2411K6.94 ミリ秒5.76 ミリ秒82.9%
DyAc+BenQ XL2746S4.17 ミリ秒3.44 ミリ秒82.6%
ELMBASUS VG258QR6.06 ミリ秒4.62 ミリ秒76.2%
ULMBASUS PG259QN4.17 ミリ秒3.08 ミリ秒73.9%
ブレ削減BenQ EX2510S6.06 ミリ秒4.24 ミリ秒70.0%
ブレ軽減BenQ EX25106.94 ミリ秒4.86 ミリ秒70.0%
ブレ削減BenQ EX3210U6.94 ミリ秒4.80 ミリ秒70.0%
ブレ軽減BenQ EX2710R6.06 ミリ秒4.23 ミリ秒69.8%
ELMB SyncASUS VG279QM4.17 ミリ秒2.54 ミリ秒61.0%
MPRTPixio PX2476.94 ミリ秒2.50 ミリ秒36.0%

残像が見えなくなる機能は基本的に「黒挿入」と呼ばれる技術を使っています。フレームを更新するたびに、真っ黒なフレームを1枚挟んで脳を錯覚させ、残像を見えづらくする仕組みです。

効果の大きさは黒挿入の時間でだいたい決まります。EX3210Uのブレ削減モードだと、1フレームあたり約70%が黒挿入の時間でした。DyAcの80%台より低いので効果がやや控えめです。

MOBIUZ EX3210Uの「HDR」性能

MOBIUZ EX3210Uのローカル調光について

MOBIUZ EX3210Uは「Display HDR 600」認証を取得済みのHDRモニターです。

テストパターンを使ってローカル調光の挙動をテストした結果、LEDバックライトはエッジライト方式(16分割)でした。

エッジライト方式は決してベストではないですが、最大600 cd/m2のピーク輝度と引き締まった黒を両立してHDR 600認証に合格するだけなら、必要十分なローカル調光です。

実際にHDR性能を測定した結果がこちら↓

MOBIUZ EX3210UのHDR性能i1 Pro 2で測定した結果
全画面輝度559.8 cd/m2
ピーク輝度562.4 cd/m2
黒色輝度0.03 cd/m2
コントラスト比18660 : 1
DCI P3色域98.0 %
色深度10 bit(144 Hz)Display Port 1.4使用時

「優れたHDR性能」を初心者さんに分かりやすく説明すると

  • 明るさ:明るいほど良い(超ハイエンド機なら1000 cd/m2超)
  • 黒色:無点灯に近いほど良い(0.1 cd/m2以下なら実用上は十分)
  • コントラスト比:高いほど良い(5000 : 1以上で実用上は十分)
  • 広色域:DCI P3が広いほど良い(DCI P3なら90%以上は欲しい)

めちゃくちゃ明るくて、暗い部分はちゃんと真っ暗。さらに表示できる色も広い。これらの条件を満たしているなら「高性能なHDR」で、高性能なHDR性能を持つモニターは基本的にDisplay HDR規格を取得しています。

HDR 600以上なら、まずハズレなし。HDR 1000やHDR 1400を取得しているモニターは超ハイエンド機です。

なお、有機ELパネルは特性上、HDR性能を伸ばせないので注意してください(※有機ELは画面を明るくするほどパネルの故障率が上昇するため、画面が明るくなりすぎないように制御されています)

さすが「Display HDR 600」認証機です。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDR輝度とコントラストを比較する)

ピーク輝度がどうやっても600 cd/m2に達しないのは不可解ですが、全画面輝度で約560 cd/m2とかなり明るい画面で、黒い部分はわずか0.03 cd/m2でほぼ無点灯に近いです。

BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDR輝度とコントラストを比較する)

HDR時のコントラスト比は18660:1に達します※。HDRコンテンツで重要なDCI P3色域カバー率は98%で問題なし(HDR 600規格は90%以上を必要とする)。

※ローカル調光が16ゾーンしか無いので、暗い部分の比率が多いシーンだとうっすら明るい黒になります。コントラスト比18660はあくまでも理論値です。より実態にあったコントラスト比の測り方は現在調査中です。

MOBIUZシリーズのウリのひとつとなっている「HDRi」モードですが、HDRコンテンツを適切に楽しむ分にはかえって逆効果になるので、一応かんたんに注意点を掲載します。

「ゲームHDRi」と「シネマHDRi」は、通常のHDRモードに加えて「B.I.+(ブライトネスインテリジェンスプラス)」モードが有効化されます。

B.I.+モードは、部屋の明るさと色温度に合わせて、リニアに画面の輝度と色温度を自動的に変更するモードです。

色を変更できるRGB LEDライトを使って実験した結果、部屋の状況に対して正相関するように変動します。部屋が暗いなら画面を暗く、部屋の照明が青いなら画面を青くなります。

HDRコンテンツは極端な話「明るさ」がすべてです。画面の輝度が高ければ高いほど、HDRコンテンツを正しく表示できます。

しかしB.I.+モードが有効化されると画面の輝度が大幅に下がってしまい、HDRコンテンツの再現性能が損なわれてしまいます。正しいHDRコンテンツを表示させるなら「Display HDR」モードを使いましょう。

B.I.+モードとセットになっている「ゲームHDRi」と「シネマHDRi」は、適切なHDRコンテンツの視聴と非常に相性が悪いと言わざるをえないです。


HDR対応コンテンツ「Morocco 8K HDR」

4K HDR対応のメディア「天気の子 4K Ultra Blu-ray」
新海誠 / 形式 : 4K Ultra HD Blu-ray / HDR : あり / ディスク : 5枚 / 備考 : 映像美すごすぎ

「Morocco 8K HDR」と、4K HDR対応の「天気の子(4K Ultra BD)」にて、ざっくりとMOBIUZ EX3210UのHDR映像をテストします。

HDRコンテンツ※画像はクリックで拡大
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)
BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)BenQ MOBIUZ EX3210Uをレビュー(HDRを試して比較写真)

HDR 400とHDR 600は別次元との定評があります。この定評は本当です。

今回のEX3210Uはただ明るいだけでなく、量子ドット採用による超広色域ときっちり分離したRGBカラーの影響で、久々にワンランク上の映像美を堪能できました。

いろいろなメーカーのIPSパネル(Nano IPSやInnolux AASなど)を実際に見てきましたが、映像面でハッキリと性能の違いを感じられるのは本当に久々です。

もう映像美はどのメーカーも頭打ちで、高リフレッシュレートや高速応答など、他のスペックでしか勝負できないのかな・・・?と思っていましたが「IPS + Quantum Dot」は映像美で進化してます。

しかし懸念もあります。肝心の4K HDR対応コンテンツがまったく足りてないです。

特にアニメは致命的。4K盤がリリースされればまだいい方で、さらにHDR対応となると天然記念物です。あれだけ売れに売れた鬼滅の刃ですら、未だに4K HDR Ultra BDは発売されていません。

モニターの性能についていけるだけの高品質なコンテンツが足りていないのが残念です。再生プレイヤー側でかんたんにHDR化(ピーク輝度などを指定して)できる技術が登場しないと厳しいかも。

やかもち
HDRコンテンツを見る場合、有機ELパネルを完全に打ち負かします。HDR 600クラスはすごい・・・

まとめ:明るくて高画質な4K 144 Hzモニター

EX3210Uレビューマトマ

「MOBIUZ EX3210U」の微妙なとこ

  • パネルの均一性はやや悪い
  • 「B.I.+」機能は好みが分かれる
  • やや派手な色づくり(ΔEは3以上)
  • 応答速度は平凡
  • 「ブレ軽減」はDyAc+のゆるい版
  • ローカル調光はエッジライト方式
  • 価格は安くない(13~15万円)

「MOBIUZ EX3210U」の良いところ

  • 31.5インチで4K(万人向け)
  • 最大「144 Hz」に対応
  • PS5で「120 Hz」行けます
  • 超広色域(DCI P3で98%)
  • 正確なsRGBモード(ΔE < 2.0)
  • 入力遅延が少ない
  • 実用的なゲーマー向け機能
  • 平均以上の内蔵スピーカー
  • 優れたHDR性能(HDR 600)
  • 必要十分なエルゴノミクス
  • 便利な「リモコン」が付属
  • 3年保証

「EX3210U」は、高性能なHDR対応ゲーミングモニターです。

HDRモード時の輝度は非常に明るく、ほぼ無点灯に近い締まった黒色を両立できます。HDRコンテンツやHDRゲーミングを4K 144 Hzで楽しむなら、EX3210Uを検討するべきです。

量子ドット技術による広色域と優れた色再現性能により、いわゆる「画質」も一般的なIPSモニターと比較して頭1つ抜けた性能です。普通のSDRモードでも高画質の恩恵を受けられます。

映像美を重視するゲーマーにとって、EX3210Uは非常に魅力的なゲーミングモニターのひとつです。

EX3210UでELDEN RINGをプレイ中

RTX 3080を搭載したハイエンドなゲーミングPCや、次世代ゲーム機のPS5またはXbox Series Xを持っているコアなゲーマーなら、買って失敗しづらいゲーミングモニターでしょう。

逆に、4K 144 Hzにふさわしいハードを持っていない方は注意が必要です。4K 60 Hzですら要求ハードは非常に高く、144 Hzとなると最低でもRTX 3080でなければ活かせません。

BenQ / サイズ : 32インチ / 解像度 : 3840 x 2160 / リフレッシュレート : 144 Hz / パネル : IPS / HDR : Display HDR 600 / 同期技術 : FreeSync Premium Pro / スピーカー : 2.1 ch(2W x2 + 5W) / 保証 : 3年
  • 4K 144 Hzかつ高画質がほしい
  • いろいろなゲームをプレイする
  • 用途をあまり選ばない万能型
  • 次世代ゲーム機「PS5」で使いたい

4K解像度(3840 x 2160)と高リフレッシュレート(最大144 Hz)による、没入感あるゲーミング体験をするならオススメの1台です。

4Kの高リフレッシュレートといえば「LG CX OLED」も筆者の推しモニターですが、48インチはどうやら大きすぎるようで人を選びます。

今回レビューした「EX3210U」は31.5インチです。日本の狭い住宅事情でも31.5インチなら普通に設置できるサイズ感ですし、デスクの奥行きも60 cmあれば足ります。

以上「MOBIUZ EX3210Uレビュー:量子ドット採用の超高画質4K 144 Hzゲーミングモニター」でした。

他にもある「144 Hz」でおすすめなゲーミングモニター

おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】

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16 件のコメント

  • せっかく最高な記事なのにPS5も含めデスクや壁面とモニタの背面の色がかぶってしまいイマイチ製品の輪郭(立体感 現実感)や印象がぼやけてしまいわかりずらいです
    スタイリッシュなスタジオ感は伝わりますが今後は少し配慮していただけるとありがたい

  • EW3280Uを現在使っていますが、ここからさらにワンランク上の映像が見られるとなると欲しくなりますね。

  • 31インチの大画面が目の前にあったら満足感高そうとは思うけど、パソコンとして使うときには微妙に不便なサイズ感なんだよな

    • ちょっと個人的な見解多めですが、一応かんたんに返信します。

      まず、31.5~32インチの4Kモニターは、少なくとも27インチよりは使いやすいと思います。
      裸眼視力とデスクの奥行き、使用目的によってベストな画素ピッチ感は人それぞれまったく違いますが、一般的に90~110 ppiがパソコン用モニターにちょうどいいです。

      3840 x 2160と画素ピッチ
      ・27″:163 ppi(←21.5″フルHDより高密度)
      ・31.5″:140 ppi(←21.5″WQHDより高密度)
      ・42″:105 ppi(←21.5″フルHDに相当)
      ・48″:92 ppi(←24″フルHDに相当)

      27インチの4Kだとピッチが詰まりすぎてて、買ってからWindowsのスケーリング機能(125%)を使っちゃう人をたまに見かけます。
      32インチの4Kは、まだ最適なピッチよりは詰まっていますが、27インチよりは使いやすいはずです。

      ただ、24インチくらいでFPSをプレイしているゲーマーが、いきなり30インチ台に移行すると視線移動の忙しさに慣れずに24インチに戻るリスクはあります・・・。FPSガチ勢は24インチ台の支持率が非常に高いです。

      視線移動がそれほど忙しくないRPGゲーム、FF14、ELDEN RING、CP2077、Forza Horizon 5、原神あたりのゲームが目的なら、割とすぐに慣れて移行できると思いますし、なにより大画面によって得られる没入感に夢中になるはず。

      マルチタスクにおいては、31.5~32インチは特に問題ないと思われますが、個人的には42インチの4Kモニターの方がマルチタスク(仕事向け)だと思いました。
      (※筆者自身が学生のころ、21.5インチのフルHDモニターを4枚並べたマルチディスプレイ環境で作業していたクセが残っているせいで、どうしても4Kだと42インチがピッタリに感じてしまいます。)

      参考になるかは分かりませんが、やかもちの今の見解は↑こんな感じです。

  • ざっくりとした話で恐縮ですが

    家電量販店でみると48インチ位の4Kがちょうどよさそうに見えるので、32インチだと3Kとは言わないんだろうけどWQHD?位がちょうどいいのかな?って、勝手に思ってます
    そうやって価格サイトとかみると、性能と価格がこなれた感じの良い製品が出ているのかなと思って、この辺も今物色中です

    4Kがゲーム用途で沢山聞かれるようになったのはPS5が出たからかな?と思いますが、ゲームの解像度を任意に設定できるFPS系じゃないPCゲーマーが出来れば30インチ位を・・とすると
    ・まだ割高だけど4K高性能パネルにするか?
    ・お値頃感のあるWQHDの144でVAみたいな感じのモニターにするか?
    というところだろうと思いますが
    まさにコレで現在(楽しく)悩んでます

    なのでこのサイトの情報はとても有用で、見やすくて、キレイでいつも楽しみにしてます、楽しいサイトをありがとうございます
    またチェックしにきますね

    • 4Kゲーミングモニターが増えてきたのは、やっぱりPS5需要が大きいですね。PS5が発売されたころから、4Kモニターの売上が実際増えてます(フルHDも同時に増えていますが)。

      「FPS系じゃないPCゲーマーが出来れば30インチ位を・・とすると」
      ↑FPS系じゃないPCゲーマーが30インチくらいを選ぶ場合、画素ピッチの関係で4K解像度を選んだほうがハズレにくいかも。
      WQHDで31.5~32インチはけっこう「ドットが粗く」見えるリスクがつきまとうので、4Kのほうが良いと思います。もちろん、モニターとの距離感で感じ方がかわるので一概には言えないのですが。

      27インチならWQHDがちょうど良い感じになるので、27インチくらいで選ぶ場合はDELL S2721DGF(Nano IPSパネル)や、BenQ EX2710R(AMVAパネル)、MAG274QRF-QF(量子ドット + IPS)あたりが価格性能比が良いかと思います。

      あとは・・・WQHDや4KではなくUWQHDですが、「DELL AW3423DW」も今後の期待作かもしれません。サムスンが2022年から製造を開始したQD-OLED(量子ドット + 有機ELパネル)を使った3440 x 1400 / 175Hzモニターで、LGの有機ELが苦手とする超広色域と輝度の低さを改善したとアピールされています。

      • 丁寧なアドバイス、ありがとうございます
        まさか、返信がいただけるとは思ってなかったので、大変嬉しいです

        さて今、ご紹介いただいた製品を中心に、一つ一つ調べてみています
        やはり自分1人で考えている時よりも、視野が広がった感じです

        色々気付きがありました
        重ねて、ありがとうございました

  • Dellが凄まじいの出しましたね
    あの価格で同等に近いスペックと考えると品質が心配ですが

    • あの激安4K144Hzモニター、あまりにも安すぎて反射的にポチってしまいました。
      ついでにQD-OLEDパネル搭載のAW3423DWも買ったので、検証するのが楽しみです。

  • ΔEは見本をsRGBとして計算してませんか?P3対応の広色域ディスプレイなら比較するのもP3じゃないといけないような気がします。

  • 初めてコメントさせて頂きます。

    全くの無知なので伺いたいのですが、hdmi2.1に対応したモニターはVRR機能が備わったモニターだと認識しているのですが、このモニターにもその機能は搭載されているのでしょうか?

    それから、現在ps5にてBenQの32型、EW3280U 4Kを使用してますが、このモニターから買い替えるほど、MOBIUZ EX3210Uとの違いはあるのでしょうか?。EW3280U 4Kのレビューもされておりましたので、もし比較してお分かりのことがあれば、教えて頂ければと思います。

  • こちらのモニターの購入を検討しており、実測値に基づいたレビューが大変参考になりました。
    機能面やデザインは大変気に入ったのですが、輝度が思ったより出ないというのが気になりますね…
    素人感覚ではHDR600認定を受けている以上は最大輝度はその600前後を安定して出さないといけないのではと感じるのですが、そういうものでもないのでしょうかね。

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