業務機クラスの性能をもつ、最新世代の量子ドットFast IPS(AHVA)パネルを搭載した4K HDRゲーミングモニターが「TITAN ARMY M27E6V-PRO」です。
5088ゾーン分割のMini LEDを組み込み、VESA Display HDR 1400(最高グレード)認証を取得済み。液晶パネル史上、最高の画質に期待が持てるゲーミングモニターを、実際に1台買って詳しくレビューします。
(公開:2024/12/11 | 更新:2024/12/11)
「M27E6V-PRO」はどんなゲーミングモニター?
- 4K(3840×2160)で「最大160 Hz」
- 「量子ドットIPS」パネル採用
- Mini LED(5088ゾーン分割)搭載
- Display HDR 1400対応
- PS5で120 Hz(VRR)に対応
「M27E6V-PRO」をざっくり要約するなら、コンシューマ向けの液晶パネルとして過去最高スペックの4K HDRゲーミングモニターです。
5088ゾーン分割のMini LEDなんて過去に例がありません※。従来モデルに近い27M2Vから、なんと約5倍のゾーン数に増えていてコントラスト比の改善を見込めます。
※中国市場なら例があるけど、日本国内で発売されたのはM27E6V-PROが初です。
TITAN ARMY M27E6V-PRO | |
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パネルタイプ | 4K(3840×2160)で最大160 Hz QD-IPSパネル(27インチ) (量子ドットIPSパネル) |
応答速度 | 1 ms (G2G) |
主な機能 ゲーマー向け |
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調整機能 エルゴノミクス |
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VRR機能 | VESA Adaptive Sync ※G-SYNC互換モード対応 |
参考価格 ※2024/11時点 | |
Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |
TITAN ARMY M27E6V-PRO | |
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画面サイズ | 27インチ |
解像度 | 3840 x 2160 |
パネル | QD-IPS + Mini LED (量子ドットIPSパネル) |
コントラスト比 | 1000 : 1(SDR時) 1000000:1(HDRピーク時) |
リフレッシュレート | 160 Hz (3840 x 2160) HDMI 2.1 : ~160 Hz DP 1.4 : ~160 Hz |
応答速度 | 1 ms (G2G) |
光沢 | ノングレア |
VESAマウント | 100 x 100 mm |
エルゴノミクス |
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主な機能 |
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HDR対応 |
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同期技術 | VESA Adaptive Sync ※G-SYNC互換モード対応 |
スピーカー | 2.1 chシステム(5W x2 + 12W x1) イヤホン(3.5 mm)端子あり |
主な付属品 |
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寸法 | 613.3 x 565.3 x 306.7 mm |
重量(実測) |
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保証 | 1年保証 |
「M27E6V-PRO」は、液晶パネルで最高峰の色を出せる量子ドット + Fast IPSパネルを搭載。
加えてコントラスト比を大幅に改善するため、LEDバックライトを過去最高レベルまで細かく5088個に分割した「Mini LED」も合体。液晶パネル史上、かつてない色と最高のコントラスト比の両立を狙う野心的な設計です。
Mini LEDの分割数が増え、細かい制御が可能になったおかげでピーク輝度が大幅に改善。その証拠に、M27E6V-PROはVESA Display HDR 1400認証に合格しています。
コンシューマ向けで最高のHDRグレード規格とされるHDR 1000を一つ超える、いわゆる業務向けHDRグレードです。単にHDRコンテンツを見るだけでなく、作る側に回っても耐えられる性能を目指します。
27インチの4K HDRモニターは今まで「INNOCN 27M2V」が首位の座を好きにして来ましたが、かなりの確率で今作「M27E6V-PRO」が更新する予定です。
1年間の正規代理店保証がつくJoshin(楽天店)で購入
今回レビューで使うM27E6V-PROは、TITAN ARMYの正規代理店品を取り扱う「Joshin(楽天市場店)」にて購入しました。
14万円超えの定価で足踏みしたものの、実質11万円台なら文句なし。
中国の有名なPCモニターメーカー「Joint Innovation(※INNOCNで知られる)」社が、PCゲーマー向けに展開しているサブブランドが「TITAN ARMY(タイタンアーミー)」です。
つまり、INNOCN製品とまったく同じ製造元で、単にブランド名が違うだけ。ただし、日本国内への流通ルートが少し違います。
- INNOCN:メーカーが直接Amazonで販売
- TITAN ARMY:国内代理店を経由して各ショップで販売
INNOCNはメーカー自らAmazonで販売しています。一方、TITAN ARMYは株式会社リンクスインターナショナルが代理店をやっていて、Amazonや楽天市場など主要なショップで販売しています。
【5088分割】IPSパネルなのに黒がよく締まる
ゲームや映像なら違和感なく使えます
初期設定で、5088ゾーンのMini LED(OSD > Game+機能 > 画像補正 > ローカルディミング)が有効化されています。黒いエリアでMini LEDを消灯して、コントラスト比を大幅に向上します。
実効コントラスト比は約1800~10500:1まで跳ね上がり、黒色が多いシーンになればなるほど、圧巻のコントラスト比を体感可能です。
ただし、オフィスワークとの相性が依然として微妙です。コントラスト比を重視するチューニングが原因で、小さなオブジェクトが実際よりも暗く表示されます。
たとえば、ウィンドウの四隅やマウスカーソルが分かりやすい例です。5088ゾーンまで細かく分割しても、やはりゲームや映像に特化したモードに変わりない印象を受けます。
初期設定の画質はとても優秀ですが、コントラスト感を強調するために、黒いエリアを実際よりも黒くする傾向がわずかにあります(軽度のS字型ガンマカーブ)。
好みの範疇に収まっているから、そのままの状態で問題なく使える画質です。
あと、色温度がほんの少しだけ「青っぽい」ので、モニターのOSD設定から色温度と明るさを好みに合わせて調整するくらいで十分でしょう。
キャリブレーターで測定しながら、モニター側の設定(OSD)を手動で調整しました。
- モード:標準
- 明るさ:68
- コントラスト:50
- 色温度:ユーザー1
- 赤:48
- 緑:48
- 青:47
以上の設定で、ニュートラルな色温度(白色)である6500Kにおおむね調整できます。
画面の明るさは好みに合わせて調整してください。明るさ68%だとかなり明るいです(個人的な好みで350 cd/m²に合わせているだけ)。
手動で調整後、ニュートラルなグレーに仕上がります。
(三角形の面積が広い = 色域が広い)
- TITAN ARMY M27E6V-PRO(量子ドットIPS)
- EX-GDQ271JA(AHVA IPS)
- DELL AW3225QF(QD-OLED)
- LDQ271JAB(量子ドットIPS)
- Xiaomi A24i(普通のIPSパネル)
5台のゲーミングモニターを実測して比較しました。
普通の白色IPSパネル(灰色ライン)をはるかに上回る広い面積です。色の鮮やかさで知られるQD-OLED(量子ドット有機EL)パネルすら超えています。
意外かもしれませんが、現時点でもっとも鮮やかな色を出せる技術が今回の「量子ドットIPSパネル」です。まだまだ液晶も負けてません。
もっと厳密にキャリブレーション(校正)したいガチな方は、筆者が作成した3D LUTプロファイル(.cube)を試してみてください。
フリーソフト「dwm_lut」を使って3D LUT(.cube)を適用したら、ゲーミングモニターのOSD設定を以下の内容に変更します。
- モード:標準
- 明るさ:68
- コントラスト:50
- 色温度:ユーザー1
- 赤:48
- 緑:48
- 青:47
3D LUTの効果を確かめます。
シンプルに約800ポイント測定でプロファイルを作ってみました。ざっくりガンマ2.2に校正されています。
常用グレースケールで色温度もほぼ6500K前後に一致します。
色の鮮やかさを損なわないように、できるだけ色域を変えないように作ってます。鮮やかさをそのままに、ガンマと色温度を規格どおりに調整する3D LUTプロファイルです。
「量子ドットAHVA(IPS)」の画質をじっくり見てみる
本物のFast IPSである「AHVA(IPS)」パネルに「量子ドット」を組み合わせた、いわゆる量子ドットFast IPSパネルです。
並のIPSパネルや画質の悪いTNパネルから乗り換えた人なら、すぐに色の鮮やかさを体感できるはずです。
筆者はほぼ同じパネルを搭載する従来機「INNOCN 27M2V」ですでに体験しているから驚かないですが、量子ドットを初めて見る人なら量子ドット特有の鮮やかさに気づくと思います。
なお、量子ドットはあくまでも色に関係する技術で、黒色の深さと無関係です。だからコントラスト感は普通のIPSパネルと同等です(実測960:1程度)。
(sRGB:ΔE = 5.62 / 色温度:6567K / 輝度:346 cd/m²)
Youtubeやアニメ、FPSゲーム(タルコフやOverwatch 2)、RPGゲーム(原神や崩壊スターレイル)をTITAN ARMY M27E6V-PROで表示した例です。
基本的につい先日レビューしてばかりの「P32A6V-PRO」と同じく、こちらも明るくて色が鮮やかです。
1行で終わりです。本当に1行で説明できるのか疑問に思われるかもしれないですが、量子ドット + 液晶パネルの感想は本当に上記たった1行で終わりです。
安物の色あせたADS(IPS)パネルから、無限のコントラスト比を持つOLEDパネル、そこそこ定評のあるNano IPSやRapid IPSパネルまで。市販されているほぼすべてのパネルを見てきた経験上。
とにかく色が明るくて鮮やかに見えます。画面が明るいとかえって鮮やかに見えやすい人間の感覚※も相まって、余計に高画質に見えやすいです。
※Hunt effect(MD Fairchild 1998)と呼ばれているらしい。
カラフルな色彩を使ったイラスト画像(原神の★5恒常キャラ「刻晴」より)で比較。
もっぱら好みの問題ですが、人間の視覚は明るい色をカラフルに感じやすい性質があるらしく・・・ 少なくとも筆者やかもちはM27E6V-PRO(左側)が好みに感じます。
なら、QD-OLEDの方をもっと明るくすればいいわけですが、残念ながらOLEDパネル最大の弱点が明るさです。わざと暗くしたわけではなく、これ以上明るくできなかっただけです。
カルト的な人気を誇るオープンワールド型FPS「Escape from Tarkov(タルコフ)」のワンシーンで比較。
OLEDパネルのモニターは黒色を強く見せようとするあまり、暗部階調のディテール崩れが気になります。
もちろん、液晶パネルも製品によって暗部階調が潰れていたりします。TITAN ARMY M27E6V-PROは初期設定の時点で少し暗部階調を実際よりも暗く見せる傾向がありますが、画面が明るいからそこまで目立たないです。
もっと比較写真を見たい方は↑こちらからどうぞ。
TITAN ARMY M27E6V-PROに施されたパネル表面加工は、PC用モニターで定番の「ノングレア加工(アンチグレア)」です。
ぼんやりと背景がしっかり拡散され、周囲が明るくても映り込みをかなり防いでいます。
部屋を暗くすると、映り込みがさらに軽減されます。
以前レビューした「P32A6V-PRO(INNOCN製)」と同じく、表面粒子がやや細かめです。映り込みをうまく防ぎながら光を反射しすぎない、ちょうどいい塩梅に調整されています。
量子ドットFast IPS(AHVA)パネルは基本的にIPSパネルと同じなので、並のIPSパネルと同程度に視野角が広いです。
斜め方向から見ても、画面が白くなったり黄ばんだりする傾向が少なめ(参考:液晶パネルの違いを解説するよ)。なお、OLEDパネルには到底勝てません(→ 参考写真)。
文字のドット感(見やすさ)は鮮明かつクリアです。
- ドットがRGB配列:テキスト表示に有利
ピクセル配列の拡大写真 - 画素密度が163 ppi前後:高いドット密度
テキスト表示に有利なRGB配列のIPSパネルに、100 ppiをはるかに超える163 ppiもの高い画素密度を備えます。
普通の距離感(50~60 cm)で見る分には、ドット感がほとんど目立たない鮮明なテキストです。
一方で、100%スケーリングモードだとデスクトップ上のアイコンやテキストが小さすぎて見づらい可能性あり。オフィスワーク用途なら125~150%スケーリングを検討した方が良さそう。
全部で「13個」あるプリセットを比較
- 標準(初期設定)
- RTS / RPG
- FPS
- MOBA
- ムービー
- リーディング
- ナイト
- アイケアー
- Mac View
- E-Book
- sRGB
- AdobeRGB
- DCI-P3
TITAN ARMY M27E6V-PROは、なんと全部で13個もの「プリセットモード」が用意されています。
それぞれテーマ性や個性があって十分に使えるプリセットですが、良い意味で初期設定「標準モード」が完成されているから、あえて他のモードを使う必要性が少ないです。
ただし、クリエイターの方は「sRGB」「Adobe RGB」「DCI-P3」モードに有用性あり。どれも正確に色域が制限されるうえ、色の精度も高い(ΔE < 1.0)です。
一般人やPCゲーマーなら「標準モード」を好みに合わせて調整して、クリエイターは必要とする色域に合わせて3つある制限モードを使い分けるといいでしょう。
モードごとの詳しいデータは ↓以下の測定レポートをどうぞ。
目標の基準値:sRGB(Gamma 2.2)
モード | 色域 (sRGB) | 色域 (DCI-P3) | 明るさ | グレーの正確さ | 色の正確さ | ガンマ | 色温度 | コントラスト比 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
標準 | 99.8% | 98.6% | 375.0 cd/m² | ΔE = 1.17 | ΔE = 5.54 | 2.23 | 7194K | 27196:1 |
標準 (LD無効) | 99.8% | 98.6% | 374.7 cd/m² | ΔE = 1.30 | ΔE = 5.34 | 2.30 | 7387K | 961:1 |
RTS/RPG | 99.8% | 98.6% | 461.7 cd/m² | ΔE = 2.10 | ΔE = 6.06 | 2.22 | 7216K | 26147:1 |
FPS | 99.8% | 98.6% | 484.1 cd/m² | ΔE = 2.10 | ΔE = 5.91 | 2.23 | 7267K | 25409:1 |
MOBA | 99.8% | 98.2% | 499.7 cd/m² | ΔE = 5.79 | ΔE = 7.46 | 1.70 | 6843K | 226:1 |
ムービー | 99.8% | 98.2% | 486.2 cd/m² | ΔE = 1.91 | ΔE = 6.91 | 1.93 | 7367K | 680:1 |
リーディング | 99.8% | 97.2% | 223.9 cd/m² | ΔE = 2.09 | ΔE = 6.07 | 2.01 | 6432K | 345:1 |
ナイト | 99.8% | 98.6% | 175.3 cd/m² | ΔE = 1.42 | ΔE = 5.65 | 2.25 | 7644K | 24982:1 |
アイケアー | 99.8% | 98.6% | 173.7 cd/m² | ΔE = 1.42 | ΔE = 5.44 | 2.28 | 5550K | 25408:1 |
Mac View | 99.8% | 98.6% | 351.1 cd/m² | ΔE = 1.75 | ΔE = 5.99 | 2.24 | 7601K | 23979:1 |
E-Book | 0.0% | 0.0% | 308.0 cd/m² | ΔE = 1.85 | ΔE = 28.01 | 1.97 | 7368K | 540:1 |
sRGB (ガンマ2.2) | 97.8% | 78.8% | 382.8 cd/m² | ΔE = 0.67 | ΔE = 0.84 | 2.28 | 6874K | 988:1 |
AdobeRGB (ガンマ2.2) | 98.9% | 86.5% | 381.9 cd/m² | ΔE = 0.58 | ΔE = 0.84 | 2.24 | 6925K | 985:1 |
DCI-P3 (ガンマ2.2) | 99.7% | 96.9% | 381.4 cd/m² | ΔE = 0.55 | ΔE = 0.90 | 2.24 | 6951K | 982:1 |
ほぼすべてのモードで「ローカルディミング」が入ってます。コントラスト比が異常に高いのはローカルディミングが原因です。
基本的にローカルディミングはHDRモード用の設定だから、普通にSDR(非HDR)コンテンツで使うなら、OSD設定からローカルディミング:オフを推奨します。
なお、Amazonに書き込まれた口コミいわく「ローカルディミングを有効化すると色域が狭くなる」らしいです。しかし、測定データを見ての通り、まったく再現しなかったです。
「TITAN ARMY M27E6V-PRO」の測定レポートはこちら↓をクリックして確認できます。
なるべくシンプルな言い回しに置き換える努力をしていますが、やはり専門用語が多く難解に思われるかもしれないです。あまり興味がなければ飛ばしてもらって構いません。
モニターの色を測定する機材「X-rite i1 Pro2(分光測色計)」と「ColorChecker Display Plus(比色計)」を使って、「TITAN ARMY M27E6V-PRO」の画質をチェックします。
初期設定のグレースケールはほんのわずかに寒色(青色気味)に偏っていますが、日本人の好みに合いそうな画質だからそのままで大丈夫です。
日本に限らず中国でも青白いスッキリした白が好まれてるらしく、中国メーカーのINNOCN(TITAN ARMY)が自国市場の好みに合わせて出荷している可能性が考えられます。
色の正確さは・・・量子ドットの影響で色域が大幅に広くなりすぎて当然ズレます。普通にゲームやエンタメ用途で使うなら、色域が広い → 色が鮮やかに見えるので問題ないです。
- 今日は疲れてるから地味な色合いで見たい
- 「sRGB」色域じゃないと不具合が出るソフト
(※ペイントツールSAIが割と有名)
など、sRGB色域が必要であれば「sRGB」モードを使います。
TITAN ARMY M27E6V-PROのsRGBモードは、ガンマ(コントラスト感)、色の正確さが高い精度で調整されていますが、色温度がやや青緑に偏っていて惜しいです。
比較グラフはsRGBに対する正確さを求めているので、表示できる色が広いパネルほど不利です。
当然ながら量子ドットを採用するTITAN ARMY M27E6V-PROはトップクラスに不利だし、高画質なRapid IPSパネルやOLEDパネルも不利になります。
「色の正確さ」が優れているからといって、エンタメ用途に楽しい画質かどうかは判断できません。sRGBの色精度が高い ≠ 主観的に見た高画質です。
コントラスト比を比較 ※クリックすると画像拡大 |
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TITAN ARMY M27E6V-PROのネイティブコントラスト比は961:1です。平均的なIPSパネルと大差なし。
画面の明るさ ※クリックすると画像拡大 |
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画面の明るさを測定したグラフです。
100%時で514 cd/m²に達し、SDRコンテンツを見るのに十分すぎる明るさです。0%時だと31 cd/m²まで下げられます。夜間に暗い画面を好む人にとって、あともう一歩暗さが欲しいです。
目にやさしいらしい120 cd/m²前後は設定値17%でほぼ一致します。
色域カバー率(CIE1976) | ||
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規格 | CIE1931 | CIE1976 |
sRGBもっとも一般的な色域 | 100.0% | 99.8% |
DCI P3シネマ向けの色域 | 97.6% | 98.6% |
Adobe RGBクリエイター向けの色域 | 98.0% | 97.9% |
Rec.20204K HDR向けの色域 | 81.1% | 84.1% |
TITAN ARMY M27E6V-PROで表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。
もっとも一般的な規格「sRGB」で100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」では約99%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は98%です。
エンタメ用途で重要なDCI P3とRec.2020カバー率の比較は上記リンクから確認してみてください。
量子ドット液晶パネルは、市場に出回っているほぼすべての液晶パネルやOLEDパネルよりも色域が広いです。
傾向的に、量子ドット液晶 > QD-OLED > 広色域な液晶 = OLED > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並びます。
色ムラの程度を測定。
一般的な液晶パネルと同じく、パネルの左右に近いほど明るさがやや落ち込みます。IPSパネルによくある「IPSグロー」と呼ばれる症状で、程度の差はあれど共通の症状です。
TITAN ARMY M27E6V-PROの色ムラは平均値で5.2%で、過去にレビューしてきた液晶パネルとして平均的な色ムラです。
ほとんどのシーンで色ムラに気づく可能性が低く、画面全体に同じ色を表示させたときだけ色ムラの存在に気づくレベル。
マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。
AHVAパネルでよく見られる「くの字型」画素ドットを確認できます。画素レイアウトはシンプルな「RGB」配列で、赤・緑・青の順に並んでいます。
細い直線やテキストの表示と相性がいい、PCモニター向けの画素レイアウトです。
表面加工はノングレアに見えますが、透過率がやや高いのか、画素ドットが割とクッキリと映ります。
光を分析する「分光測色計」を使って、画面から出ている三原色の鋭さ(波長)を調べました。専門用語でスペクトラム分析と呼ぶそうです。
グラフを見て分かるとおり、緑色と赤色がピンッと鋭く突き立っています。凹みがまったく見られない鋭い波長パターンから、「量子ドット(Quantum Dots)」と判別できます。
量子ドットの効果で抜群に色の分離が良く、高純度の赤色と緑色を取り出せます。結果的に表示できる色域が飛躍的に向上します。
ついでにブルーライト含有量を調べたところ約30.1%でした。
モニターの設定から「アイケアー」モードを入れると、TÜV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成できます。
TITAN ARMY M27E6V-PROのゲーム性能は?
TITAN ARMY M27E6V-PROのゲーム性能をレビューします。
- 応答速度
- 入力遅延
- ゲーム向け機能
おもに「応答速度」「入力遅延」「ゲーム向け機能」の3つです。測定機材を使って調べてみます。
TITAN ARMY M27E6V-PROの応答速度と入力遅延
↑こちらの記事で紹介している方法で、TITAN ARMY M27E6V-PROの「応答速度」を測定します。
60 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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ニンテンドースイッチやPS4など、最大60 Hz対応のゲーム機で使う場合、60 Hz時の応答速度を気にします。
30パターン測定で、平均6.02ミリ秒を記録します。60 Hzに十分な応答速度です。
120 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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PS5やXbox Series Xで重要な120 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均5.63ミリ秒でした。
モニターのオーバードライブ機能を「レベル2」に切り替えると、平均4.3ミリ秒前後まで改善できます。「レベル3」以上から、少し「にじみ」が出てしまうからレベル2までが実用値です。
144 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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144 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均5.49ミリ秒でした。
オーバードライブ機能を「レベル2」で平均4.2ミリ秒まで改善できます。
160 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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160 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均5.60ミリ秒でした。
モニターのオーバードライブ機能を使って、さらに応答速度を改善できないかチェックします。
OD機能の効果 160 Hz / 4段階をテストした結果 | ||||
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平均値 | 4.90 ms | 4.21 ms | 3.71 ms | 3.49 ms |
最速値 | 3.21 ms | 2.94 ms | 2.63 ms | 2.28 ms |
最遅値 | 7.78 ms | 5.89 ms | 4.46 ms | 4.25 ms |
平均エラー率 | 0.2 % | 0.7 % | 4.2 % | 6.9 % |
「レベル1」「レベル2」「レベル3」「トップスピード」の4段階です。
最大設定の「トップスピード」モードで平均3.49ミリ秒まで応答速度が改善され、UFOのりんかく線がものすごくクッキリ明瞭に見えます。
しかし、平均エラー率が約7%まで増えてしまい、目に見えるレベルで「逆残像」や「にじみ」が生じて実用に足らなかったです。
「レベル3」モードならエラーをそこそこ抑えつつ、平均3.71ミリ秒まで応答速度を向上できます。
結論、TITAN ARMY M27E6V-PROのおすすめオーバードライブ設定は「レベル3」モードで決まりです。
他のゲーミングモニター(120 Hz以上)と比較します。
AHVAパネルとして見ると、平均的な性能です。32インチ版の「P32A6V-PRO」よりも遅く、値段を考えるともう少し頑張って欲しかった感。
参考までに、60 Hzモード時の応答速度も掲載します。
入力遅延(Input Lag)はどれくらいある?
2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。
- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
左クリックしてから画面に反映されるまでにかかった時間を測定し、左クリック100回分の平均値を求めます。
TITAN ARMY M27E6V-PROの入力遅延はまったく問題なし。
160 Hz時(G-SYNC互換モード)で平均3.4ミリ秒、120 Hz時(G-SYNC互換モード)で平均4.4ミリ秒の入力遅延です。
どちらも16ミリ秒を大幅に下回っていて、ほとんどすべての人が入力遅延を体感できません。
そこそこ充実しているゲーム向け機能
TITAN ARMY M27E6V-PROは4つある主要なゲーマー向け機能のうち、3つ対応します。
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能 - カクツキ防止
可変リフレッシュレート機能
順番にチェックします。
暗所補正「シャドウバランス」モード
暗い部分を明るく補正できる「シャドウバランス(Shadow Balance)」モードです。
- オフ
- 1 ~ 100(刻み:1ずつ)
全100段階、かなり細やかに調整できます。
しかし70以上から画面全体が白飛び気味、40以下から黒つぶれ気味だから、実用上は41~69(約30段階)相当です。それでも30段階、割と十分な設定値です。
補正の掛かり方はやや大雑把な傾向があり、やはりBenQの本家「Black eQualizer」には届いてません。
eSports系タイトルだとそこそこ、画面全体がうっすら暗いホラーゲームなら使える機能です。
暗所補正「ナイトビジョン」モード
もうひとつの暗所補正機能が「ナイトビジョン(Night Vision)」モードです。
- オフ
- レベル1
- レベル2
- レベル1(AI補正)
- レベル2(AI補正)
4段階の強度で補正をかけます。
気持ち程度ながら、ピンポイントに暗いエリアが浮き上がっている印象です。「シャドウバランス」と同じで、暗いゲームを明るく補正するのに便利です。
鮮やかさ補正「色彩強調」モード
色彩強調(色の濃さ)モードです。
- オフ
- 1~10段階
10段階の強度で補正をかけられます。
パッと見ただけだと色彩強調の効果が分かりづらいですが、色の濃い部分に注目してみると、色がより濃く補正されているのがなんとなく分かります。
色がついている部分をより鮮やかに、色が薄い部分はそのままに抑えておく、色の濃い部分を強調表示できる機能です。
4Kで160 Hz(PS5で120 Hz)に対応
TITAN ARMY M27E6V-PROは最大160 Hzまで、PS5で最大120 Hzに対応します。実際にPS5とゲーミングPCにモニターをつないでみて、リフレッシュレートの対応状況を確認しましょう。
PS5の対応状況 ※クリックすると画像拡大 | ||
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設定 | 60 Hz | 120 Hz |
フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応 PS5 VRR:対応 |
WQHD2560 x 1440 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
4K3840 x 2160 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
PS5でフルHD~4K(最大120 Hz)に対応します。もちろん、HDMI 2.1 VRR搭載だから「PS5 VRR」も対応。
実際にゲームが120 Hzで動くかどうかは、ゲームによって対応状況が違うので注意です。
たとえばフォートナイトなら120 fpsかつ120 Hz動作ですが、ストリートファイター6は60 fpsで120 Hz動作になるなど、ゲームによって挙動が違います。
対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 |
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TITAN ARMY M27E6V-PROがパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。
HDMI 2.1で最大160 Hzまで、DisplayPortは最大160 Hzに対応します。
VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
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フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はHDMIとDisplay Portどちらでも使用可能です。動作範囲は48~160 Hzです。
LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。ちなみにPS5はLFC非対応だから48 Hzまでです。
TITAN ARMY M27E6V-PROの機能性を調査
10万円台のパネル性能てんこ盛りゲーミングモニターの割に、なぜか意外と機能が充実しています。これぞINNOCNクオリティ。
- エルゴノミクス
高さや角度を調整する機能 - インターフェイス
映像入力端子やUSBポートについて - ヘッドホン端子
付いてるだけの平凡な3.5 mmアナログ端子 - フリッカーフリー
眼精疲労持ちなら重要かもしれない - ブルーライトカット
エビデンスは無いけれど気にする人はどうぞ - OSD
On Screen Display(設定画面)
順番にチェックします。
自由に位置を調整できる「エルゴノミクス」機能
TITAN ARMY M27E6V-PROはフル装備のエルゴノミクス機能を備えます。
高さ調整が最初だけ妙に硬くて、いきなりガクンッと動く感じです。何度か使っているうちに馴染んできてスルスルと動きます。
前後チルトと左右スイベルは最初からそこそこスムーズに動かせます。軸の混ざりもほとんどなく、動かしたい方向や角度だけに動いてくれます。
ピボットが途中で引っかかって45°から動かしにくいのが気になるくらいで、全体的に値段相応のクオリティです。
VESAマウント ※クリックすると画像拡大 |
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別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。
パネル本体の重量は約5.13 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。
そのままの状態では、段差がジャマでモニターアームと干渉します。付属品の「M4スペーサー(4本)」を先に取り付けましょう。
100 mm用のネジ穴に、付属品のM4スペーサー(4本)を取り付け。
無事エルゴトロンLXアームを取り付けられました。
「ヘッドホン端子」の音質をテスト
非常に優れたオーディオ特性を持つ「RME ADI-2 Pro」を用いて、TITAN ARMY M27E6V-PROのオーディオ性能をテストします。
SN比を比較 ※クリックすると画像拡大 |
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他のゲーミングモニターを少し下回るオーディオ特性です。当然ながらポータブルタイプの専用DAC機材に勝てません。
サウンドモードごとに、周波数特性が大きく変わる謎の作り込みよう・・・。
比較的鳴らしにくい「Sennheiser HD650」をつないで聴いてみた。モードの感想は以下のとおり。
ヘッドホンモード | |
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オリジナル | 素直な音質(加工なし)だけど、少しこもってる。 |
ゲーム | 中音域が強調されて音がクッキリしたように聴こえるのに、解像度は良くない。 |
ジャズ | 耳の空気圧を調整した瞬間に感じる「スーッ」としたすっきり感のある音質。 |
古典的な | 離れた距離からライブ会場の音楽を聴いているような音。 |
ポピュラー | 耳栓をして高音域をカットしたような、低音域だけよく聴こえる音。 |
イヤホンタイプ | |
Ear-Bads | こもった聴こえ方。 |
On-Ear | ややクリアな聴こえ方。 |
Over-Ear | そこそこクリアな聴こえ方。 |
音量自体は普通に聴けるレベルの音量(≠音質)ですが、どのサウンドモードを使ってもそれほど高音質に聴こえませんでした。妙にこもった傾向です。
他の平均的なゲーミングモニターと同じく、音の解像度がそれほど良くなく低音域の鳴り方も弱いです。必要最低限のイヤホン端子ですが、安物のヘッドホンやイヤホンなら案外十分な性能かもしれません。
音にこだわる方、音質に不満を覚えてしまった沼の素質がある人は、素直に別売りのポータブルDACを買ってください。
対応するインターフェイスをチェック
全部で4つの映像端子があり、DisplayPort 1.4で最大160 Hz(3840×2160)、HDMI 2.1も最大160 Hz(3840×2160)に対応します。
- 15 W(5.0 V x 3.0 A)
- 27 W(9.0 V x 3.0 A)
- 36 W(12.0 V x 3.0 A)
- 45 W(15.0 V x 3.0 A)
- 90 W(20.0 V x 4.5 A)
USB Type-Cポートで最大90 WのUSB給電(USB PD)に対応します。
対応するUSB Type-Cケーブル1本で、ノートパソコン(ASUS Vivobook 15)を充電しながら、外部ディスプレイ(最大4K 144 Hzまで認識)として使えました。
「フリッカーフリー」対応ですか?
メーカー公式サイトに「フリッカーフリー」の記載はありません。
フリッカーフリーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
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実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%まで約6757 HzのPWMフリッカーが検出されます。
Mini LEDバックライトを採用する多くのゲーミングモニターで定番の「PWM調光」方式です。
フリッカーの基準 | 結果 |
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一般的な基準 0 Hz または 300 Hz以上 | 問題なし (> 300 Hz) |
TÜV Rheinland認証 0 Hz または 3000 Hz以上 | 問題なし (> 3000 Hz) |
1秒あたり6757回の明滅なら、TÜV Rheinland認証で要求される3000 Hz以上の基準を一応満たしていて、実質的にフリッカーフリーと扱えます。
ただし、中国市場ではPWM調光をフリッカーとみなす風潮があり、TITAN ARMYはPWM調光の本機でフリッカーフリーの記載を見送った様子です。
VRRフリッカーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
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VRR(G-SYNC互換モードなど)有効時の「VRRフリッカー」も検出されずでした(※上記グラフはPWMフィルタリング後のデータ)。
「ブルーライトカット」機能をチェック
- オフ
- 強度25
- 強度50
- 強度75
- 強度100
OSD設定 → ピクチャー設定 → 「ローブルーモード(Low Blue Mode)」でブルーライトカット効果を適用できます。
オフの時点で青色の含有量が30%でそこそこ低く、ローブルーモード:強度25以上でブルーライト含有量が25%(TÜV Rheinland基準)を切ります。
モニターの設定画面(OSD)
モニター本体の右側底面にある「5方向ボタン」を使って、OSD設定をスムーズに操作できます。
項目ごとに分かりやすく整理されたフォルダ階層型のOSDレイアウトを採用。レスポンスも良好でかなり快適。
項目の数がかなり多いですが、5方向ボタンのおかげでストレスなく操作できます。右に倒して決定・進む、左に倒して戻る・キャンセル、上下で項目の調整ができます。
ただし、一部の項目で設定値を確定するためにボタンを上に押す必要があるのがスムーズな操作性を損なっています。右に倒して決定に集約してほしいです。
- ショートカットボタン(2個)
- プリセットごとに調整(設定値の保存も可能)
最短2回の操作で任意の項目を開けるショートカットボタンを最大2個まで登録できます。「輝度」や「入力切り替え」、「シャドウバランス」や「色彩強調」など、7割くらいの項目を登録可能です。
プリセットごとに好みの設定値を保存して、用途に使い分ける運用も一応できます(※標準モードやsRGBモードは非対応)。
DDC/CI機能に対応しているため、フリーソフト「ControlMyMonitor」などでOSDにアクセス可能です。
固有値 | 番号 | 内容 |
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E0 | 0 | 標準 |
1 | RTS/RPG | |
2 | FPS | |
3 | MOBA | |
4 | ムービー | |
5 | リーディング | |
6 | ナイト | |
7 | アイケアー | |
8 | Mac View | |
9 | E-Book | |
10 | sRGB | |
11 | AdobeRGB | |
12 | DCI-P3 | |
E1 | 0 | ローブルーモード:オフ |
1 | ローブルーモード:25 | |
2 | ローブルーモード:50 | |
3 | ローブルーモード:75 | |
4 | ローブルーモード:100 |
メーカー固有値「E0」がプリセットモード、「E1」がローブルーモードに割り当てられています。
そのほかのモードはうまく特定できませんでした。
TITAN ARMY M27E6V-PROに限らず、コンシューマ向けのPCモニターは基本的に「色域変換モード」を使うと、OSD設定が固定化されて自由に調整できません。
しかし、以下の手順を踏むと「色温度」を任意に設定可能です。
- コード14:Select Color PresetのValueを「11」に変更
- 色域変換モードに切り替える(コードE0を10でsRGB)
- 色温度(赤 / 緑 / 青)を好きに調整可能
「sRGB」「AdobeRGB」「DCI-P3」モードで有用なテクニックです。
5方向ボタンを動かすたびに、PS1時代のゲームソフト(バイオハザード2)のような、古めかしいピコピコとした効果音が鳴ります。
オーディオ設定 > OSD交流音量 > オンオフ音量 > オフで、OSDの効果音をミュート可能です。
TITAN ARMY M27E6V-PROのHDR性能をテスト
TITAN ARMY M27E6V-PROは、「Display HDR 1400」認証をとったモニターです。
Display HDR 1000認証は全部で5つあるHDRグレードで最上位にあたります。コンシューマー向けHDRグレードを超える、業務向けのランクです。
Youtubeで公開されている「Morocco 8K HDR」や、HDR対応ゲームを使って検証します。
(HDR映像を収めた写真はSDRです。掲載した写真は参考程度に見てください。)
率直な感想は、思ったほどP32A6V-PROと比較して大きな性能差を感じられなかったです。
あとで測定値を紹介しますが、たしかに性能が大幅に向上しています。HDR 1000とHDR 1400の差が数値にちゃんと表れています。
しかし実際のHDRゲームやコンテンツで見る限り、意外と差を感じづらいです。
OLEDが得意なシーンでピーク輝度が向上しているから、暗いシーンの多いHDRは性能差を体感しやすい一方で、全体的に明るいシーンだとP32A6V-PROとそこまで変わらない印象。
おそらく、世の中に出回っている多くのHDRコンテンツが、Display HDR 1400規格を前提に制作されていない可能性が考えられます。
HDR 1000どころかHDR 600モニターすら普及率で見れば全体の1%も無いでしょうし、HDRコンテンツを作る側にHDR 1400を前提とした制作をする旨味が無いのかも?
HDRモード「自動」と「ムービー」を比較した写真です。自動モードだと、暗部階調を意図的に潰してコントラスト感を重視したチューニングに仕上がっています。
ムービーモードはきちんと規格どおり追従します。HDRを楽しむなら、OSD設定 > Game+機能設定 > HDR > HDRムービー に変更を忘れずに。
きちんと明るく制作されている4K UHD盤「デューン Part 2」で動作チェック。アラキスの乾いた砂漠の再現度が高いです。本当に砂漠が目の前にあるみたい。
妙なちらつき、ローカル調光エラーは皆無でした。
それほど明るくはないけれど、ジェット機のブースト噴射や日中の空戦シーンはかなりの明るさが収録されている4K UHD盤「マーヴェリック」も動作チェック。
明るさはまったく不足なし。序盤の作戦会議シーンにおける、ちらつきやローカル調光エラーも難なくクリアします。ちなみにSony INZONE M9(定価15万円)はパスできないテストです。
(※クリックでスクリーンショット拡大)
HDR対応ゲームの代表例「サイバーパンク2077」で動作チェック。グラフィック設定から適切な最大輝度(ピーク輝度)を割り当てると、ピカピカと明るいHDRゲーム映像の出来上がり。
おすすめの最大輝度は「1000 ~ 1600 nits」です。自分の好みに合わせて、1000 ~ 1600の範囲で設定します。1650を大幅に超えると階調エラー(白飛び)の原因になります。
HDR非対応のゲームでは「NVIDIA RTX HDR」を使います。手順は以下のとおり。
- ディスプレイの設定 > HDRを使用する:オン
- NVIDIAコントロールパネル > ビデオの設定 > ハイダイナミックレンジ:オン
- NVIDIA App > グラフィックス > グローバル設定 > RTX HDR:オン
- HDR化したいゲームを選択 > RTX HDR:オン > カスタマイズ
RTX HDRのカスタマイズはスクリーンショットの内容をそのままコピペしてもいいですが、好みに合わなかったら自分で好きに設定してください。
- 最大の明るさ:ピーク輝度(モニターがWindowsに伝えた最大値が上限)
- 中間の暗さ:グレー50%時の明るさ
- コントラスト:画面の明るさ精度(+25% = ガンマ+0.2相当)
- 彩度:色域クリッピング(-25% = sRGB相当)
TITAN ARMY M27E6V-PROの場合、最大の明るさは最大値、中間の暗さは50%前後です。
コントラストと彩度は好みに合わせて自由に設定してください。コントラスト25%あたり、ガンマが0.2動きます。彩度は色の広さを変更するパラメータで、個人的に+20~30%が好みです。
ゲーム起動後、HDR化されたゲーム画面が始まります。「Alt + Z」キーでNVIDIA Appオーバーレイ画面を呼び出して、HDR化されたゲーム画面のスクリーンショットや録画が可能です。
HDR非対応の「原神」もNVIDIA RTX HDR(NvTrueHDR)でHDR化できます。
スメール砂漠はピーク時800 cd/m²超
しかし、なぜか実効輝度でP32A6V-PROを超えられない謎の現象が。何度テストしても大きな上振れなく、同じような傾向が返ってくるだけでした。
「全体的に明るいシーンで性能差を感じづらい」の原因がこのあたりの挙動にありそう?
幸い、OLEDパネルと比較すればはるかに明るく、OLEDがいつも苦戦する明るい空の階調表現を白潰れなく再現できています。実在感を十分に再現でき、スメール砂漠に足を踏み入れたような感覚を味わえます。
OLEDモニターと比較※画像はクリックで拡大 | |
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TITAN ARMY M27E6V-PRODisplay HDR 1000 (CTS 1.1) | DELL AW3225QFDisplay HDR True Black 400 (CTS 1.1) |
参考程度に、Display HDR True Black 400対応ゲーミングモニターと比較した写真です。
写真ですら分かるレベルの性能差が出るシーンもあれば、ほとんど違いが分からないシーンもあります。画面全体が明るいHDRならMini LEDが、ごく一部が明るいHDRならOLEDが得意な傾向です。
「5088ゾーン分割Mini LED」で見え方はどう変わる?
液晶パネルは、自発的に光らない素材です。だから液晶パネルのすぐ裏側に、光らせるための部品「LEDバックライト」を使います。
一般的なゲーミングモニターなら、LEDバックライトは1枚だけです。画面全体を一律で光らせてしまい、コントラスト比はそのまま液晶パネルに依存する形式です。
一方でTITAN ARMY M27E6V-PROは、5088ゾーンに分割した「Mini LEDバックライト」を使います。
光っている部分だけバックライトを点灯させ、暗い部分はバックライトを暗くしたり消灯して、液晶パネルの問題だったコントラスト比を大幅に改善する技術です。
目分量で5088ゾーンをざっくりイメージ化した写真です。
コンシューマ向けモニターで過去最高のゾーン分割数で、「横に106個 x 縦に48個」もMini LEDを敷き詰めています。1ゾーンあたり約5.6 x 7.0 mmに相当します。
ざっくりマウスカーソル4個分の面積です。マウスカーソルよりも大きい・・・要するに、いわゆるオフィスワーク用途だと5088ゾーンでも不足するシーンが普通に出てきます。
(マウスカーソルに注目)
黒い背景に白いウィンドウやマウスカーソルが、未だMini LEDが苦手とする表示パターンです。
ウィンドウの四隅がMini LEDバックライトの消灯に巻き込まれてうっすら暗く見えたり、マウスカーソルが暗くなって見失いやすくなる傾向があります。
特にウィンドウの四隅が暗くなる症状は2304ゾーン分割のP32A6V-PROよりも悪化しており、細かく制御できる分、明暗差が強調されてしまう挙動です。
白い背景に黒ウィンドウは大幅にマシですが、黒ウィンドウの境界線がうっすら暗く引っ張られています。
黒い背景で白いテキストがつられて暗くなる症状はほとんど出なかったです。
主観的な感想ですが、VAパネル(500ゾーン前後)>>> IPSパネル(1000~2000ゾーン前後) > IPSパネル(数千ゾーン前後)の順に、SDRモードでMini LEDを使いやすい感じ。
Mini LEDバックライトの「ハロー現象(光漏れ)」を写真でチェック。分かりやすいように斜め(45°)から撮影し、光漏れがまったくないOLEDパネルとの比較も掲載します。
5088ゾーン分割の効果がかなり出ています。1152~2304ゾーン分割より光漏れが抑えられ、OLEDに近い映像を表示可能です。
しかし、相変わらず光源がぽつぽつと粉々に分布しているパターン(4枚目)は不得意なままでした。5088ゾーン分割でもまだ足りない様子。
せっかくなので、2304ゾーン分割の「P32A6V-PRO」も比較に掲載。
1枚目は分かりやすく5088ゾーンが猛威を振るっています。グラスの境界線に漏れ出る光が減っています。
2枚目のパターンでも5088ゾーンがやや効いているようで、赤い背景がうっすらと白浮きする傾向が少しだけ抑えられる傾向です。
OLEDモニターと比較※画像はクリックで拡大 | |
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TITAN ARMY M27E6V-PRODisplay HDR 1400 (CTS 1.1) | DELL AW3225QFDisplay HDR True Black 400 (CTS 1.1) |
5088ゾーン分割のおかげで実効コントラスト比が約1800~10500:1程度まで向上するため、コンテンツ次第でOLEDと遜色ない黒さを出しつつ、OLED以上の明るさを両立できる場合もあります。
参考までに、576ゾーン分割の実効コントラスト比は約1400~6700:1程度、2304ゾーン分割の実効コントラスト比は約1700~8000:1程度です。
2304 → 5088ゾーンで約2.2倍の分割数ですが、実効コントラスト比はたった約6%伸びただけです。IPSパネルの性質上、少しでもバックライトが光っていれば簡単に光が漏れ出すので、どうしても限界があります。
ネイティブコントラスト比が高い「IPS Black」や「VA」パネルと組み合わせたほうが、ずっと効率よくコントラスト比を稼げます。
モニター測定機材でHDR性能を評価
モニターの色や明るさを測定できる機材を使って、「TITAN ARMY M27E6V-PRO」のHDR性能をテストします。
測定結果(レポート)はこちら↓からどうぞ。専門用語が多いので・・・、興味がなければ読まなくていいです。
VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
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比較 | テスト対象 TITAN ARMY M27E6V-PRO | VESA Display HDR 1400 |
画面の明るさ |
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黒色輝度 |
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コントラスト比 |
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色域 |
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色深度 |
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ローカル調光 |
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Display HDR 1400認証で要求されるすべての項目で合格です。明るさ、黒色、バックライト方式まで。見事にオールクリアなHDR 1400対応です。
HDRモードで画面全体に白色を表示したときの明るさを、他のモニターと比較したグラフです。
INNOCN 27M2Vより約1.5倍くらい明るいです。
HDR時のコントラスト比(理論値)は、Infinity:1(∞)です。
HDRコントラスト比i1 Display Pro Plusで測定した結果 | |
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全画面 | Inf : 1 |
10%枠 | 10475.3 : 1 |
3×3パッチ | 7970.5 : 1 |
5×5パッチ | 3426.9 : 1 |
7×7パッチ | 2239.6 : 1 |
9×9パッチ | 1771.0 : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースで1771 : 1です。
HDR規格どおりの明るさを表示できるかチェックする「PQ EOTF」グラフです。
- HDRムービーモード
(※モード以外は何も設定できません)
「HDRムービーモード」を初期設定のまま測定しました。
グラフを見て分かるとおり、上から下までPQ EOTF規格にキレイに追従する傾向が非常に強く、精度の高いHDRモードです。
OLEDモニターにありがちな黒つぶれも一切なく、よく調整されています。キャリブレーションができないゲーム機(PS5)でも問題なく使える性能です。
面積(APL)別のPQ EOTFもチェック。面積(APL)に関係なく一貫した追従性能です。
面積比による明るさの変動はやや大きいです。
小さいハイライトで900~1400 cd/m²程度、面積比10~50%まで1600 cd/m²前後のとんでもない明るさを維持しつづけ、75%以上は1200~900 cd/m²にとどまります。
HDRモード時の持続輝度をチェック。
すべての面積比でおおむね安定した持続輝度です。75%以上は約10秒で輝度が下がりますが、実用上、全白フラッシュは10秒も維持できれば十分でしょう。
HDR時の色精度(Rec.2020)は最大ΔE = 7.1、平均Δ = 3.5でした。初期設定としては精度が高いです。
HDRモード時の色温度は測定値でおおむね6900~7000K前後、少しスッキリめな寒色に寄った色合いに見えます。
試験的に導入を始めたICtCp規格による「カラーボリューム(Gamut Volume)」の評価です。
白い枠線がターゲット色域で、内側のカラフルな枠線が実際に表示できた色の広さです。白い枠線が埋まっているほどHDR表示に理想的と考えられます。
ボリューム率はOLEDパネルが有利な傾向ですが、Mini LEDは高輝度側でしっかり色を稼げるため、割とどちらも互角の水準です。
TITAN ARMY M27E6V-PROの開封と組み立て
本体のレンダリング画像が大きく印刷された、ツルツル塗装のパッケージで到着。サイズは89 x 50 x 19 cm(160サイズ)です。
「FRONT」と書いてある面を床に向けてから開封して、梱包材まるごと全部引っ張り出します。
分厚い発泡スチロール製の梱包材でがっちり挟まれています。上の段に付属品、下の段にゲーミングモニター本体が収まってます。
付属品 (写真の左から順番に) |
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Display Portケーブルが付属します。
ACアダプターは最大240 W(24.0 V x 10.0 A)対応。株式会社リンクスインターナショナル名義でPSE認証マークも取得済み。
コイル鳴きを抑制するフェライトコアが付いています。
ゲーミングモニターで定番のドッキング方式です。プラスドライバーが不要なツールレス設計でかんたんに組み立てられます。
外観デザインを写真でチェック
他のTITAN ARMY(INNOCN)モニターと雰囲気がガラッと変わりました。
白色で塗装された硬いプラスチック製の外装に、クリムゾンレッドの金属でできたヘッドホンスタンドとケーブルホールが備え付けられています。
高さ5 cmもある分厚いベゼル下部に、2.1 chスピーカー(5W x2 + 12W x1)とマイクを内蔵。ここまでは良かったのですが、ベゼルの中央にライムグリーン色のTITAN ARMYロゴがでかでかと入れる主張の強さは相変わらずです。
DELLのクリエイター向けモニター「Uシリーズ」のような、シンプルでスッキリしたベゼルレスデザインを採用して欲しかった感。
コンセントに仕込んだ電力ロガーを使って消費電力を1秒ずつ記録したグラフです。数~数十時間のゲーミングモニター検証中に記録しています。
消費電力 TITAN ARMY M27E6V-PRO | |
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中央値 | 54.6 W |
ピーク値 | 161.5 W |
上位25% | 65.1 W |
下位25% | 36.9 W |
おおむね55 W前後です。最大の明るさで瞬間的に162 W前後、最小の明るさで33 W前後です。
SDRゲーミング時で40 W前後、HDRゲーミング時に60 W前後をイメージすると近いです。
OLEDパネルより省電力性(= 同じ明るさを出すために必要な消費電力)に優れている傾向です。
まとめ:10万円台で買える唯一のHDR 1400モニター
「TITAN ARMY M27E6V-PRO」の微妙なとこ
- 平凡なコントラスト比
- パネルの均一性は普通
- 大きい割に音が微妙なスピーカー
- 初期設定の色温度がズレてる
(かんたんに修正できます) - VESAマウントの出っ張りがジャマ
(付属品のスペーサーで対応可) - メーカー1年保証
「TITAN ARMY M27E6V-PRO」の良いところ
- 27インチで4K(ドット感が目立たない)
- 最大160 Hzに対応
- PS5で120 Hz(VRR)対応
- 応答速度が速い(IPSパネルとして)
- 入力遅延が非常に少ない
- 量子ドットで色域が広い(DCI P3:99%)
- とても正確なsRGBモード(ΔE < 1.0)
- Display HDR 1400認証
- ゲーマー向け機能に対応
- 扱いやすいOSD設定画面
- USB Type-C(最大90 W)
- フル装備のエルゴノミクス機能
- スペックの割に価格が安い
- 抜群のコストパフォーマンス
「TITAN ARMY M27E6V-PRO」は、10万円台で買える唯一のDisplay HDR 1400対応モニターです。
今まで30万円くらい払わないと買えなかったHDR 1400モニターが、半額以下の11~12万円から買えます。しかも、Mini LEDゾーン数が約1000から5000へ5倍も増えています。
技術的な観点でコストパフォーマンスが著しく改善したと評価でき、HDR向けクリエイターモニターの敷居が一気に下がります。性能だけなら業務機クラスです。
しかし、一般PCゲーマー目線なら先日レビューした「P32A6V-PRO」で十分に思えます。32インチ4Kで使いやすいサイズ感に、3ミリ秒前半の応答速度、何より価格がさらに安いです。
「TITAN ARMY M27E6V-PRO」の用途別【評価】
使い方 | 評価※ |
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FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大160 Hz対応で、応答速度もそこそこ速いです。 | |
ソロプレイゲーム(RPGなど) 色鮮やかな映像でソロプレイゲームに没入できます。 | |
一般的なオフィスワーク 4K解像度で作業性に優れ、高い画素ピッチで文字がクッキリ見えます。実質フリッカーフリーや、正確な「sRGB」モードも対応。透過性の高いノングレア加工も評価点。 | |
プロの写真編集・動画編集 プロの写真編集や動画編集に耐えうる広大な色域と輝度を備え、「DCI-P3」と「Adobe RGB」モードが出荷時校正(ΔE < 1.0)されています。「BT2020」のみ自分でキャリブレーションが必要です。 | |
HDRコンテンツの再現性 Display HDR 1400認証を突破できる超強力なHDR性能です。Mini LEDモニターとしても非常に明るく、輝度の安定性に優れます。「HDRムービー」モード時の明るさ(PQ EOTF)も精度がとても高く、全体的にHDRコンテンツの再現性が高いです。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
さすが量子ドット + Mini LEDパネルです。SDRコンテンツやHDRゲーミングはもちろん、動画や写真編集などクリエイター向け用途まで。優れた基本性能に支えられ、たいていのタスクをそつなく処理できます。
参考価格 ※2024/12時点 | |
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Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |
2024年12月時点、TITAN ARMY M27E6V-PROの実売価格は約12.5万円(定価14.5万円)です。
Yahooショッピングや楽天市場など、ポイント還元が大きいショップなら実質11万円~から買えます。Display HDR 1400認証モデルとしては過去に例がない異例の安さです。
HDR 1400認証機が11万円から買える時代が到来
以上「TITAN ARMY M27E6V-PROレビュー:今買える至高の4K HDRゲーミングモニター【5088分割Mini LED】」でした。
TITAN ARMY M27E6V-PROの代替案(他の選択肢)
同じ価格帯の魅力的な代替案が「TITAN ARMY P32A6V」です。
量子ドット + Mini LED(2304ゾーン分割)で、オフィスワークでも扱いやすい4K(32インチ)モデル。初期設定の時点でSDRとHDRどちらも色やグレーがきちんと合っていて、調整せずにそのまま使えます。
応答速度と入力遅延もM27E6Vよりわずかに高速で、全体的に万人受けしやすい性能です。しかも、セール時の価格が1万円以上も安くてコスパ抜群。
同じ27インチの代替案なら「INNOCN 27M2V」がやはり代表例。
もともと1152ゾーン分割のMini LEDでしたが、2024年後期から2304分割に倍増し、実効コントラスト比が約10%向上しています。
クーポン込みで9万円台から買えるから、コスパ重視なら今も強力な4K HDRゲーミングモニターです。
4Kでおすすめなゲーミングモニター
最新のおすすめ4Kゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。
4KでおすすめなゲーミングPC【解説】
予算に余裕があれば「RTX 4090」や「RTX 4080」を搭載したゲーミングPCがおすすめです。
コスパ重視なら「RTX 4070 Ti SUPER」がおすすめ。グラフィック設定の妥協と、DLSS 3(フレーム生成)と合わせて4K 144 fps超を目指せます。
おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】
気になる不具合は、特になかったです。
・バックライトの異常な明滅
・コイル鳴き
・ローカルディミングを使うと色域が狭い(Amazonの口コミより)
上記のどれも発生せず、まったく不具合なく安定動作しました。
なお、新型27M2Vと同様にアクティブ冷却ファンが入っているかどうかは分かりません。HDRモード時でも、(50~60 cmの距離で)本体からまったく動作音が聴こえなかったです。
やはり性能が圧倒的…
ですがこの記事にも言及されているVA-mini LEDの27R83Uとも比較してみてほしいですね
分割数では1152分割で劣っていますがVAで勝てるのか、視野角はどうなのか等気になります
TCL 27R83Uは買う予定なので、たぶん来年にはレビューを出せるかもしれません。
今使っている400ゾーンのVA Mini LED(Aquos XLED 43″)が、2000ゾーンのIPSパネルよりもハローが少なく体感で分かるレベルでコントラスト感が高いから、27インチの1100+ゾーン VAはかなり期待しています。
5000分割でもハローが目立つとなると、個人的にはVAパネルのminiLEDモニターがとても気になりますね。
TCLの27R83U、27R73Qのレビューもぜひお待ちしております!(なお、27R83UはPWM調光、27R73QはDC調光のようです)
自分は1台目は中でなんかカタカタ動いていた為、交換対応で2台目は一切問題なしの製品でした
自分のもファンの音が聞こえませんね
5088ゾーンは効果あるけど追従が追い付いていないですよね
テスト動画とかじゃ無ければ気にならないレベルですが
音に関して拘らない方が良かったんじゃないかなぁって印象ですね
Adaptive-SyncオンだとPIPPBP、Dual Modeが使えなかったです
PIPPBPもモニター側で圧縮する仕様じゃなくてちゃんとシステム側に解像度変わった事伝えてるので字も読めます
> 5088ゾーンは効果あるけど追従が追い付いていない
今まで見てきたMini LEDで、テストパターンを使った検証で残像なくシームレスに追従できるモニターは1台もなかったですね。定価20万円するシャープのVA Mini LEDテレビ(Aquos XLED)もテストパターンに調光が追いつけないです。
だいたいこちらの認識と一致したレビューです
唯一個体差らしいところとしては高輝度高負荷駆動を開始する前に暖機温めいたファンノイズが聞こえるぐらい
ただこれもその日の最初の該当タイミングだけ聞こえてそれ以降は気にならないので問題にはならず(耳が慣れたのかと思って録音検証してみたが実際に最初だけ鳴っている)
凄いけど使いきれる気がしない
やっぱりLDQ271JABかなぁ
LDQ271JABは本当にコスパ最高のHDRモニターですね。3年保証 + ドット抜け保証(初期1ヶ月)が無料で付属して嬉しい。
TITAN ARMYの場合は、Tsukumoで買うと延長保証(3~5年)をつけられるけど無料じゃなかった。
この製品と関係ありませんがミニledのバックライト数とゾーン数が違うことがありますがなにか利点があるんですか?
ゾーン数を増やすと調光の制御が倍々ゲームで複雑化するから、あえてゾーン数を減らせば制御用SoCのコスト削減になり、価格を下げられる可能性があります。
27M2Vを13万で買ったワイ、圧倒的敗北
ROGのPG32UQXと比べると画面サイズ以外は全て上位互換ですか?
PG32UQXが上回っている性能
・G-Syncモジュール搭載による「G-sync Ultimate」認証モデル
くらいですね。
そのほかPG32UQXには、HDMI 2.1 VRRがなく、応答速度がかなり遅いなど、発売年(2021)に相応する性能の遅れがあります。
27m2vみたいにヤフショで7万くらいで買えるようになったら欲しいな
取り扱いが国内代理店だから大安売りは期待できなさそう。あるとしても在庫処分で、売ったあと再入荷しない可能性が・・・(儲からないなら取り扱い停止)。
下側のベゼルがダサすぎる…!!!
それさえなければ即買い判断してたのに…
使い始めはベゼル(顎)が太すぎてだいぶ違和感ありました。使っているうちに慣れますが、「ダサい」「目障り」と言われれば否定できないですね。
正直2.1 chスピーカーなんていらないから省略して、その分価格を安くしてほしかった。
「PSE認証マークも取得」
https://www.chubu.meti.go.jp/c23product_safety/electrical_products/faq/faq200114.pdf
より
「よく誤解されることですが、PSEマークは国が許可をしたり、国から認証を取得するものではありません。電気用品安全法に定められる義務を果たした証として、届出事業者が自らの責任で電気用品に表示を行うものです。」
240Hz以上でひとしきりゲーム機能揃ったいい感じのIPSとかADSパネルの応答速度早そうなモニター4万以下で無いですかね