【レビュー】GTX 1650は残念ながらコスパ的には惜しいグラボです。

NVIDIAの最新世代「Turing」のローエンドモデルとして投入された「GTX 1650」は、先代の大ヒットモデル「GTX 1050 Ti」の後継を目指すグラボです。その実力を、実際にRX 570やGTX 1050 Tiと性能比較しながらレビューします。

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「GTX 1650」のスペックと概要

GeForce GTX 1650

Turing世代のローエンドGPU「GTX 1650」のスペックについて、まずはザックリと解説していきます。

GPUGTX 1650GTX 1050 TiGTX 1060 6GBRX 570
ダイGTX 1650のチップダイ画像
世代TuringPascalPascalPolaris 20
プロセス12nm製造 : TSMC14nm製造 : TSMC16nm製造 : TSMC14nm製造 : GlobalFoundries
トランジスタ数47億33億44億57億
ダイサイズ200 mm2132 mm2200 mm2232 mm2
CUDAコア数CPUのコア数に相当89676812802048
TMU数Texture Mapping Unitのこと564880128
ROP数Render Output Unitのこと32324832
演算ユニット数1461032
Tensorコア数機械学習向けの特化コア
RTコア数レイトレ用の特化コア
クロック周波数1485 MHz1291 MHz1569 MHz1168 MHz
ブーストクロック1665 MHz1392 MHz1784 MHz1244 MHz
VRAM容量4 GB4 GB6 GB4 GB
VRAM規格GDDR5GDDR5GDDR5GDDR5
VRAMバス128 bit128 bit192 bit256 bit
VRAM帯域幅128.0 GB/s112.1 GB/s192.2 GB/s224.0 GB/s
理論性能(FP32)2.984 TFLOPS2.138 TFLOPS4.567 TFLOPS5.095 TFLOPS
TDP75 W75 W120 W120 W
補助電源6 pin6 pin
MSRP$ 149$ 139$ 299$ 169
参考価格最安Top5の平均価格18540 円16560 円24710 円15480 円

GTX 1650の製品位置づけは、先代Pascal世代のローエンドグラボだった「GTX 1050 Ti」の後継モデルです。全体的にスペック自体はパワーアップしたが、希望小売価格もわずかに上昇してしまった。

Turing世代は基本的に価格設定が1段階高くなっているので仕方がない部分もあるが、少しの価格差が大きな差に見えやすいローエンド帯にまで似たような価格設定を適用したのはナンセンスですね。

更に向上したクロック周波数で性能アップ

  • GTX 1650:1665 MHz
  • GTX 1050 Ti:1392 MHz

 プロセスルール(チップ製造の細かさ)が14 nmから12 nmへ微細化したことで、Turing世代はおおむね先代を超えるクロック周波数で動作できるように進化しています。

従来のGTX 1050 Tiでは、ブーストクロックが1392 MHzだったのに対して、GTX 1650では1665 MHzにまで伸びた。増加率にして約19.6%になるので、単純に性能は1.2倍になる計算です。

それだけでなく、GTX 1650に搭載されているCUDAコア数は768個から896個(+16.7%)に増えているため、スペック上の性能はおおよそ1.4倍に達することになります。

理論性能は約40%の向上を実現

  • GTX 1650:2.984 TFLOPS
  • GTX 1050 Ti:2.138 TFLOPS

グラフィックボードの理論上の性能(というより計算速度)は、GTX 1050 Tiと比較してほぼ40%の性能アップ。スペックから推定される伸び幅と一致する性能の伸び幅になっています。

なお、理論性能はゲーミング性能よりレンダリング性能に現れやすいため、グラボを使ったCGレンダリングの処理時間はGTX 1050 Ti比で7割くらいに短縮されるはずです。

TDPは変わらずに75 Wを維持する

  • GTX 1650:75 W
  • GTX 1050 Ti:75 W

消費電力が改善されていないのはイマイチな印象を与えるが、スペック上の性能は約1.4倍になっているにも関わらず、同じ消費電力を維持しているので一応「改善した。」とは言える。

ただし、75 Wを維持しているにも関わらず一部のGTX 1650搭載グラボは「補助電源コネクタ」を必要とする場合があるので、よく製品の画像などを見て注意する必要があります。

価格は今のところ「微妙」なライン

139ドルから149ドルへ値上げしたことに加えて、ライバルのAMD社が販売しているグラボ「Radeon RX」シリーズが激しい値下げを行っている状況もあり、価格競争力はそれほど良くない。

GTX 1650の参考価格(2019/05時点)

  • RX 580
    20690 円
  • GTX 1060 6GB
    24720 円
  • RX 570
    15490 円
  • GTX 1650
    18540 円
  • GTX 1050 Ti
    16560 円

特に「RX 570」や「RX 580」が非常に強力なライバルです。GTX 1650としてRX 580は約2000円しか差がないため、たとえGTX 1650の性能が優秀だったとしても厳しい戦いになるのは間違いない。

まとめ:GTX 1650はRX 570に苦戦を強いられる

  • 12nmプロセスで製造
  • クロック周波数の大幅な向上
  • 性能アップなのに消費電力は維持する
  • Radeon RXに対して価格競争力が弱い
  • GTX 1050 Tiから少し値上げした

GTX 1650はスペック的には「GTX 1050 Tiの後継モデル」として全く問題のない良い出来栄えですが、現時点で相手が悪すぎるとしか言えない。

価格は約1割の値下げで、性能は4割ほど伸びている計算になるのでコストパフォーマンスはほぼ間違いなく改善しているはず。ただ、本当にそうだったとしても1.5万円台の「RX 570」を相手にするのはあまりに分が悪い

初心者もち
こんなに値下げしてAMDは大丈夫なの?
自作歴24台のやかもち
採算度外視らしいので、売れても利益はほとんど残らない状況だそうです…

「GTX 1650」の性能を検証

テスト環境と用意したグラボ

テスト環境と用意したグラボ
テスト環境パーツ備考 / 詳細
CPUCore i9 9900K出荷設定のまま
冷却NZXT X62280 mmラジエーターの簡易水冷
グラボGTX 1650と他4種後述
メモリDDR4-2666 8GB x2G.Skill Sniper X
マザーボードIntel Z390ASRock Z390 Extreme4
SSDSATA 250GBSamsung 860 EVO M.2
SATA 2TBMicron 1100 2TB
電源ユニット1200W(80+ Platinum)Toughpower iRGB PLUS 1200W
OSWindows 10 Pro 64bitVer 1809
ドライバNVIDIA 430.86 WQHLGTX 1650対応ドライバー
ディスプレイ1920 x 1080 @240HzBenQ XL2546

GTX 1650の検証は「ちもろぐ専用ベンチ機」を使って行います。CPUにはゲーミング最強のCore i9 9900Kを使っているので、ボトルネックが発生することはほぼ無い。

メモリはごく標準的なDDR4-2666の8 GBを2枚。WindowsやゲームはSSDにインストール。ボトルネックになりそうな要因はだいたい排除しているので、GTX 1650の性能を正しく検証できる。

Palit製のGTX 1650を検証に使う

GeForce GTX1650 STORMX OC 4GB

Palit / ブーストクロック : 1725 MHz / ファン : シングル内排気 / 厚み : 2スロット / TDP : 75 W

ローエンドグラボは「安いことが正義。」ですから、検証に使うGTX 1650はドスパラ専売の「Palit GTX 1650 StormX OC」です。価格は約16900円で、もっとも安価なGTX 1650になります。

GTX 1650とその他4種のグラボ

GTX 1650だけを検証してもどれくらい性能が良いのかが分かりづらいので、価格的に競合しているRX 570やRX 580に加え、先代のGTX 1050 TiやGTX 1060 6GBも検証する。

GeForce GTX1050Ti 4GB STORMX

Palit / ブーストクロック : 1392 MHz / ファン : シングル内排気 / 厚み : 2スロット / TDP : 75 W

ゲーミング性能:GTX 1650の性能は悪くはないが。

3DMark FireStrike

3DMark FireStrike Graphics Score3DMark FireStrike
1920 x 1080 / Graphics Score
  • RX 580
    15698
  • GTX 1060 6GB
    13645
  • RX 570
    13722
  • GTX 1650
    8510
  • GTX 1050 Ti
    7808

「FireStrike」はDirectX11をベースにしたベンチマークです。Turing世代のグラボだとなぜか伸びにくい傾向で、GTX 1050 Tiと比較してたったの9%しか伸びなかった。

3DMark TimeSpy

3DMark TimeSpy Graphics Score3DMark TimeSpy1920 x 1080 / Graphics Score
  • RX 580
    4439
  • GTX 1060 6GB
    4343
  • RX 570
    3883
  • GTX 1650
    3761
  • GTX 1050 Ti
    2387

DirectX12をベースにしたベンチマーク「TimeSpy」だと、一気にスコアを伸ばしてRX 570に迫る勢いです。Turing世代のグラボはDX12だと驚くほど性能を発揮しやすい性質があります。

FF14 : 紅蓮のリベレーター

FF14:紅蓮のリベレーター1920 x 1080 / 最高品質
  • RX 580
    85.0 fps
  • GTX 1060 6GB
    95.2 fps
  • RX 570
    75.5 fps
  • GTX 1650
    65.3 fps
  • GTX 1050 Ti
    59.1 fps

国内の定番ベンチマーク「FF14」の最高品質で性能を検証。性能は約10%しか伸びず、ようやく平均60 fps台に乗ったレベルで終了。

FINAL FANTASY 15

FINAL FANTASY 15 : BenchmarkFINAL FANTASY XV : Benchmark1920 x 1080 / 高品質
  • RX 580
    42.9 fps
  • GTX 1060 6GB
    51.6 fps
  • RX 570
    38.4 fps
  • GTX 1650
    38.6 fps
  • GTX 1050 Ti
    28.3 fps

更に負荷が重たく、NVIDIAに最適化されている傾向がある「FF15」のベンチマークでは、3割ほど性能が伸びてRX 570に並ぶほどになっています。ただ、RadeonはFF15に弱い傾向があります。

Apex Legends

Apex LegendsApex Legends1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    76.5 fps
  • GTX 1060 6GB
    65.0 fps
  • RX 570
    48.9 fps
  • GTX 1650
    63.8 fps
  • GTX 1050 Ti
    42.1 fps

Apex LegendはTuring世代と非常に相性の良いゲームで、GTX 1650は性能をほぼ1.5倍に伸ばして平均60 fpsに到達。RX 570すら上回る性能を発揮してみせた。

CS:GO

「CS:GO」の推奨スペックを徹底検証:最新のグラボ別fpsCounter Strike : Global Offensive1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    266.5 fps
  • GTX 1060 6GB
    259.5 fps
  • RX 570
    248.5 fps
  • GTX 1650
    181.4 fps
  • GTX 1050 Ti
    181.5 fps

CSGOはほとんど性能に変化がない。DX9ベースの古いゲームだと、最新のグラボは性能を発揮しにくいのかもしれない。

Call of Duty : Black Ops IV

Call of Duty : Black Ops IVCall of Duty : Black Ops IV1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    106.9 fps
  • GTX 1060 6GB
    88.6 fps
  • RX 570
    72.2 fps
  • GTX 1650
    72.7 fps
  • GTX 1050 Ti
    51.4 fps

Call of Duty : Black Ops IVは、4割の性能アップ。RX 570と同じ水準の性能になっています。

Rainbow Six Siege

Rainbow Six Siege
1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    110.1 fps
  • GTX 1060 6GB
    95.1 fps
  • RX 570
    97.7 fps
  • GTX 1650
    82.2 fps
  • GTX 1050 Ti
    58.3 fps

レインボーシックスシージも性能が4割上昇して、平均60 fpsは簡単に突破できるようになった。

Overwatch

Overwatch
1920 x 1080 / エピック設定(100%)
  • RX 580
    108.3 fps
  • GTX 1060 6GB
    123.3 fps
  • RX 570
    95.4 fps
  • GTX 1650
    81.7 fps
  • GTX 1050 Ti
    72.3 fps

オーバーウォッチは今ひとつ性能が伸びず、約13%の性能アップにとどまった。

PUBG

PUBG1920 x 1080 / ウルトラ設定
  • RX 580
    88.8 fps
  • GTX 1060 6GB
    88.4 fps
  • RX 570
    78.3 fps
  • GTX 1650
    65.3 fps
  • GTX 1050 Ti
    51.5 fps

PUBGは良い感じです。GTX 1050 Tiでは平均60 fpsを出せなかったが、GTX 1650でようやく平均60 fps台に。

DOOM

DOOM1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    100.4 fps
  • GTX 1060 6GB
    112.8 fps
  • RX 570
    96.1 fps
  • GTX 1650
    109.6 fps
  • GTX 1050 Ti
    81.0 fps

DOOMは4割くらい性能アップ。RX 570やRX 580を抑え、GTX 1060クラスの性能を発揮しています。

Grand Theft Auto V

Grand Theft Auto V1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    61.6 fps
  • GTX 1060 6GB
    76.1 fps
  • RX 570
    56.7 fps
  • GTX 1650
    52.3 fps
  • GTX 1050 Ti
    48.3 fps

Grand Theft Auto Vではそれほど性能が伸びず、平均60 fpsにすら届かない残念な結果になった。

NieR : Automata

NieR : AutomataNieR : Automata
1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    46.9 fps
  • GTX 1060 6GB
    50.9 fps
  • RX 570
    39.3 fps
  • GTX 1650
    40.9 fps
  • GTX 1050 Ti
    30.3 fps

激重として知られるニーアオートマタは、4割近い性能アップを実現してRX 570と並べることに。

Rise of the Tomb Raider

Rise of the Tomb Raider
1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    68.3 fps
  • GTX 1060 6GB
    67.8 fps
  • RX 570
    59.7 fps
  • GTX 1650
    48.7 fps
  • GTX 1050 Ti
    35.4 fps

トゥームレイダーではかなりの性能アップを実現したが、残念ながらRX 570に大きく引き離されている。

Witcher 3

Witcher 3
1920 x 1080 / 最高設定 + HairWorks
  • RX 580
    52.3 fps
  • GTX 1060 6GB
    50.1 fps
  • RX 570
    45.1 fps
  • GTX 1650
    39.5 fps
  • GTX 1050 Ti
    30.2 fps

平均60 fpsを維持するのも難しいThe Witcher 3では、およそ3割の性能アップを達成したものの、やはり平均60 fpsにはほど遠い。RX 570にも引き離されており、微妙な結果です。

バイオハザードRE:2

Resident Evil 21920 x 1080 / カスタム設定(VRAM : 7.38 GB消費)
  • RX 580
    99.4 fps
  • GTX 1060 6GB
    81.7 fps
  • RX 570
    104.6 fps
  • GTX 1650
    71.3 fps
  • GTX 1050 Ti
    70.6 fps

バイオハザードRE:2は驚くほど性能に変化がなく、GTX 1050 Tiとほとんど同じ性能という結果になってしまった。

モンスターハンターワールド

Monster Hunter World1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    51.4 fps
  • GTX 1060 6GB
    46.1 fps
  • RX 570
    42.1 fps
  • GTX 1650
    36.4 fps
  • GTX 1050 Ti
    26.1 fps

モンスターハンターワールドでは約39%の性能アップでした。悪くはない結果ですが、まだまだ平均60 fpsは遠いです。

黒い砂漠

黒い砂漠黒い砂漠
1920 x 1080 / リマスター品質
  • RX 580
    50.3 fps
  • GTX 1060 6GB
    60.0 fps
  • RX 570
    43.1 fps
  • GTX 1650
    47.4 fps
  • GTX 1050 Ti
    33.9 fps

無料MMORPG「黒い砂漠」をリマスター品質で検証。GTX 1050 Tiと比較してピッタリ40%の性能アップを果たし、RX 570を超える性能を見せつけた。だが60 fpsは遠い。

GPUレンダリング

Blender : BMW1920 x 1080 / 最高設定
  • RX 580
    241.8 秒
  • GTX 1060 6GB
    166.0 秒
  • RX 570
    205.6 秒
  • GTX 1650
    183.4 秒
  • GTX 1050 Ti
    257.2 秒

Blenderを使って「GPUレンダリング」の性能を検証する。NVIDIAの場合は「CUDA」、Radeonの場合は「Open CL」という方法でレンダリングをしてくれます。

結果は3分3秒で、GTX 1050 Tiより30%少ない時間でBMWレンダリングを完了した。理論性能にほぼ一致した結果になっており、GTX 1650の計算速度は4割ほど伸びていることが分かった。

平均パフォーマンス

GTX 1650のゲーミング性能GeForce GTX 16501920 x 1080 / 平均パフォーマンス
  • RX 580
    88.5 fps
  • GTX 1060 6GB
    88.3 fps
  • RX 570
    77.6 fps
  • GTX 1650
    68.6 fps
  • GTX 1050 Ti
    57.8 fps

ここまでの検証結果をまとめて「平均パフォーマンス」を求めると、GTX 1650はGTX 1050 Tiと比較して約19%の性能アップという、やや地味な結果に落ち着きました。

後継モデルとしては決して悪い内容ではないが、RX 570に追いつけるほどの性能ではないため、かなり微妙なポジションを取ったと言わざるを得ない状況です。

GTX 1650の熱と消費電力

グラボの温度をチェック

GTX 1650のGPU温度
  • RX 580
    75.0 ℃
  • GTX 1060 6GB
    64.0 ℃
  • RX 570
    67.0 ℃
  • GTX 1650
    69.0 ℃
  • GTX 1050 Ti
    63.0 ℃

グラフィックボードの温度は、基本的に消費電力に比例して大きくなりますが、グラフィックボードのファンの大きさやヒートシンクに面積によっても左右されるので「参考値」として見てください。

GPU温度を計測した結果、GTX 1650は最大69℃に達し、GTX 1050 Tiの63℃よりも高い温度を出している。同じ消費電力のはずなのに実際の発熱がここまで違うのは、単にグラボが小型化したからです。

グラボの消費電力を実測でチェック

GTX 1650の消費電力
  • RX 580
    193.3 W
  • GTX 1060 6GB
    119.0 W
  • RX 570
    141.1 W
  • GTX 1650
    74.7 W
  • GTX 1050 Ti
    71.7 W

消費電力は電源ユニットの電力ロガー機能を使って実測しました。グラボやCPUに電力を供給している「+12Vレール」の実測値から、CPUの消費電力(Package Power)を差し引いた値を、グラボの消費電力として扱います。

結果はわずかにGTX 1050 Tiより増えた。TDPの75 Wにおおむね一致する消費電力なので、特に問題はないですね。GTX 1050 Tiと同じ消費電力で性能アップを実現できたことになる。

ワットパフォーマンスはやや改善

1 Wあたりの平均フレームレート

  • RX 580
    0.46 fps
  • GTX 1060 6GB
    0.74 fps
  • RX 570
    0.55 fps
  • GTX 1650
    0.92 fps
  • GTX 1050 Ti
    0.81 fps

消費電力1 Wで得られるフレームレートを求めると「ワットパフォーマンス」が分かります。

GTX 1650はGTX 1050 Tiとほぼ同じ消費電力で約19%の性能アップを実現したので、当然ながらワットパフォーマンスは改善した。RX 570やRX 580と比較すると2倍近い電力効率です。

まとめ:ワッパが良いがコスパは今ひとつ

「GTX 1650」のデメリットと弱点

  • RX 570に及ばない性能
  • GTX 1050 Tiより価格が高い
  • コストパフォーマンスは今ひとつ

もしRX 570が大幅な値下げを行っていなければ、GTX 1650は「GTX 1050 Tiの後継モデル」として非常に完成度の高いグラボになったはず。

しかし現実にはRX 570が1.5万円台から入手できるため、それよりも価格が高いGTX 1650の価格競争力はそれほど優秀なものとは言えません。

1 fpsあたりのコスト

  • RX 580
    233.9 円
  • GTX 1060 6GB
    280.1 円
  • RX 570
    199.6 円
  • GTX 1650
    270.4 円
  • GTX 1050 Ti
    286.7 円

コストパフォーマンスを計算すると、GTX 1650のコスパはGTX 1050 Tiよりわずかに改善しましたが、RX 570と比較するとGTX 1650は35%も割高グラフィックボードになります。

同じ予算でなるべく高い性能を求めているなら、GTX 1650は(今のところ)選択肢には残れない残念なグラボです。

「GTX 1650」のメリットと強み

  • GTX 1050 Tiより2割高い性能
  • 省スペース性に優れた小型ボード
  • 更に改善したワットパフォーマンス
  • 基本的に「補助電源」は不要

GTX 1650はゲーミング性能だけに着目するとイマイチな出来栄えです。一方で、RX 570やRX 580に対して大きく優位なのが「電力効率(ワットパフォーマンス)」の高さにあります。

少ない電力で高いゲーミング性能を発揮できるため、補助電源コネクタを省き、冷却に必要なファンやヒートシンクも少なく済むので省スペース性に優れた小型ボードも用意されている。

よって、古いオフィスPCのリノベーションや、コンパクトなゲーミングPCを組む時にGTX 1650は重宝するグラフィックボードです。単純な性能こそイマイチだが、用途によっては十分に出番のあるグラボでしょう。

GTX 1650のレビューまとめ

結論としてGTX 1650の個人的なレビュー評価は「B+」ランクで決まりです。

小型PCなら、リノベーションPCなら。という条件ならアリですけど、低予算ゲーミングPCを自作したいという目的なら「RX 570」の方がおすすめなのでGTX 1650は「B+」と評価しました。

自作歴25台のやかもち
1.2~1.3万円なら本当に強かった。でも1.7~1.8万円はちょっと厳しいです。

以上「【レビュー】GTX 1650は残念ながらコスパ的には惜しいグラボです。」でした。


GTX 1650を入手する

GTX 1650

GeForce GTX1650 STORMX OC 4GB

Palit / ブーストクロック : 1725 MHz / ファン : シングル内排気 / 厚み : 2スロット / TDP : 75 W

GTX 1650搭載ボードは1.6~2.1万円まで幅広くラインナップが展開されている。とはいえGTX 1650は低価格なのが重要ですから、あえて高いモデルを購入する意味は少ない。

だから筆者のおすすめは、もっとも価格が安いPalit製のGTX 1650です。補助電源コネクタは不要で、ボードの全長はわずか145 mmしか無い、コンパクトモデルなのでアップグレード用途にも強い。

玄人志向 / ブーストクロック : 1680 MHz / ファン : デュアル内排気 / 厚み : 2スロット / TDP : 75 W

玄人志向のGTX 1650もおすすめ。デュアルファン仕様で高い冷却性能と静音性に期待できる。ボード全長は181 mmでそこそこコンパクト。大抵のパソコンに問題なく増設できます。

GTX 1650を搭載するBTO

まだGTX 1650を採用するBTOモデルは少ないですが、いくつかあったので絞り込んで1つだけ紹介しておく。

GALLERIA SH

ドスパラ / CPU : Core i5 9400F / メモリ : DDR4-2666 4GB x2 / グラボ : GTX 1650 / SSD : 240GB

「ガレリアSH」は見ての通り、非常にコンパクトなケースのゲーミングPC。CPUに6コアのCore i5 9400F、メモリは8 GB、そしてSSD搭載で必要最低限のスペックはきちんと揃っている。

そこそこのコスパ、優れた省スペース性、設定を妥協するならだいたいのゲームは動くゲーミング性能を手に入れるなら十分に魅力的なゲーミングPCです。

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24 件のコメント

  • 1050 Tiの後継だけあって良いものだけど、いかんせ時期と相手が悪すぎる……
    ご祝儀が抜けて1.5万切り出してからが本番かな~
    まあその前にAMD側が何かぶん投げてきそうな気がするけど。

  • オフラインゲーで最高設定はわかるけど
    対人FPSで最高設定にしてる人なんていないやろ
    参考にならんわ
    pubg ow r6s
    プロたちが使ってる設定で見て欲しい

    • 頭悪すぎ
      どの設定にするか、基準は人それぞれなのに
      >対人FPSで最高設定にしてる人なんていないやろ

      ってのがもうあほっぽい。

  • そんなガチガチの設定でやってる人間こそ一部だしそういう人間はもっといいグラボ使ってるだろ

    • < 対人系のゲームは最低設定も載せてほしい

      確かに…、検討します。

      < Fortniteのベンチもほしい

      実はフォートナイトの検証は驚くほど難しいので、掲載するかは悩んでいるところ。検証しやすいマップやゲームモードが増えてくれれば嬉しいのですが。

  • 他のパーツを最高級品で揃えてる時点で、あくまで競合品とのスペック比較リストとして割り切るべきでは?と感じます
    せっかく最低FPSを測って頂いても(特にミドルロー帯のパーツを組合せるパソコンは)実効的な数値がもっと下がってしまうので参考にしにくいです

  • 過去記事のためご返答をいただけないようなので、こちらで質問させていただきます。
    ①https://chimolog.co/bto-gpu-extension-fan/
    ②https://chimolog.co/bto-gpu-fan-types/
    ①の記事で、”内排気グラボは吸気”と記載があるにもかかわらず、
    ②の記事では、内排気グラボは排気として図で描かれております。

    どちらが正なのでしょうか。
    あるいはどのように解釈すればよろしいのでしょうか。

    • どちらかの記事にコメントで返信を入れたはずですが、内容を修正する予定になっています。
      誤っているのは②の方で、図解が間違っています。デカイ矢印の方向が反対なんですよね…

      • ご返答ありがとうございます。
        ②の記事にて5/26付でのコメントがありますね..
        以前の記憶のままコメントしておりました。
        大変失礼いたしました。。

        ちなみに、現在msiのGAMINGX 1080TI(11GB)を使用しているのですが、
        こちらファン箇所に手をかざしたところ、ファン部から排気された空気が手に流れてきました。。
        これは不良品なのでしょうか…

        • ある程度、空気が漏れ出てくるのは仕方ないですね…手持ちのMSI Gaming X Trioもぬるい空気がホワンホワンと周囲に撒き散らしてます。

          「不良品かどうか?」は、ゲーム時(FF15ベンチなど)のGPU温度で判断すると良いです。MSI Gaming Xの冷却性能は非常に優秀なので、90~100℃に達するようなら不良を疑うべきですね。

  • 連投失礼いたします。
    念のためティッシュを当てて確認をしたところ、
    吸気になっておりました。

    ※なお、テッシュが奥底に絡まってしまったため、
    そのうち分解してケース用ファンを取り付ける予定…

  • このページのGPU比較表につきまして

    [GTX 1050 Ti] のVRAMバスが256bitとなっておりますが、
    このGPU のVRAMバスは128bitですよ。

  • 補助電源無しのグラボと有りのグラボの性能比較をすると、必ずといっていいほど「用途が違うのだから比較するな!」といった物言いがつくのですが、やかもちさんはどう思われますか?

    小型ケースやメーカーPCのアップグレードに使うのだから用途が違うということらしく。
    個人的には大容量の電源が必要になる消費電力の大きいグラボの方が注意を要すると思っています。

  • この価格帯で買う人は設定妥協する人多いから、コスパが〜とか残念ながら〜とかじゃなくて、この設定ならここまで出来るから凄い!とかそういうほうが良いです。最近の記事が批判ばっかりで悲しいです。

    • < 最近の記事が批判ばっかりで悲しいです。

      それは気のせいかも。少なくとも5月以降の記事で「微妙だなぁ。」と評したのは、GTX 1650くらいですよ。それに補助電源なしでこれだけの性能ですから、小型PCやアップグレード用途にはホント強いと思います。

  • GTX 1650はvr行けるでしょうか?
    Windowsmrのヘッドセット買ってsteamのvrゲームしたいのですが予算の関係で電源交換が厳しいです
    VRMarkやSteamVR Perfomance TestではVR Readyの基準を満たしてるみたいですし

    • ご指摘ありがとうございます。

      あらためて精算済みのカゴについて確認したところ、間違いなく”精算済みのカゴ”でした。完全にこちらの不手際です。大変申し訳ありません。

      ご指摘のカゴについては後日返却させていただき、掲載した画像も差し替えます。

  • RX570と比較して、これぐらいの性能差なら体感的にほぼ同等とみていいでしょうね。
    価格は3000円ほどの差がありますが、消費電力の大きな違いがあるので、年間の電気代は2000~3000円ぐらいは違ってくるはず。
    ランニングコストを含めて考えると1・2年で同等、数年使えばかえってお得になりますね。
    決してコスパ悪いことは無いと思いますよ。

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