「予算10万円で自作PCを組む」という前提で、PCパーツの選び方、予算配分の考え方について解説します。カチッと決まった1つのプランだけを紹介するのは、ちょっとつまらないので、いくつか候補を出して用途・予算に合わせてプランを練ってもらえれば幸いです。
予算10万円の自作PCにおける「パーツ構成」
Windows 10で約1.5~1.8万円は持っていかれるので、パーツに掛けられる予算は実質8万円ちょっとです。
8万円はかなり限られた予算ですので、パソコンの性能に影響が大きいパーツに予算を多めに振って、性能が目に見えにくい部分はコストを減らします。
予算10万円のコスト配分 | ||
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性能への影響が大きい | ![]() |
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性能への影響が見えにくい | ||
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重視するべきPCパーツは「CPU」「グラフィックボード」の性能、メモリは性能よりも容量を優先し、SSDはメーカー純正品で容量多めを選びます。
それら以外のPCパーツは、残りの予算に合わせてバランスよく選びます。たとえばCPUクーラーは、ファンの動作音を気にしない人なら付属品で問題ないです。

【CPU】Core i5やRyzen 3がコスパ優秀
予算10万円でおすすめな「CPU」 | ||
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Ryzen 3 3300X |
| 約1.5万円 |
Core i5 9400F |
| 約1.7万円 |
Core i5 10400F |
| 約2.1万円 |
コストパフォーマンス的には「Ryzen 3 3300X(4コア8スレッド)」がものすごく優秀ですが、残念ながら製造方法にかなりムリがあるCPUでして、供給は不安定で在庫はめったに入りません。
6月に注文したのに納期が9月になった人もいるくらいです。定価の約1.5~1.6万円で買えるならベストです。1.7万円を超えるなら、6コア6スレッドのCore i5 9400Fや、あと3000円足してCore i5 10400Fも良いでしょう。
約2.1万円のCore i5 10400Fは、6コア12スレッド(4.3 GHz)で性能は2世代前のCore i7 8700に匹敵します。クリエイティブタスクをそつなく処理でき、ゲーミング性能もCore i7クラスでとても優秀です。
なお、同じ価格帯のRyzen 5 3500やRyzen 3 3100は、強くおすすめできるほど良い内容ではありません。クリエイティブ用途ならRyzen 5 3500は悪くないものの、性能は3300Xに劣っていて正直イマイチなCPUです。
ベンチマークレビューは↑こちらからどうぞ。
最近はもっぱらRyzenが大人気。でも、実際に比較すると第10世代インテルのCore i5やCore i7は、意外とコストパフォーマンスの良い性能をしています。
周囲の評判ではなく、「性能」で選ぶなら・・・インテルCPUは検討の余地アリ。もちろん、Ryzen 3 3300Xがいつでも定価で買えるなら話は変わりますが、今のところ低予算CPUはインテルが有利です。
【CPUクーラー】コスパはやはり「虎徹」が強い
予算10万円でおすすめな「CPUクーラー」 | ||
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AMD付属クーラー |
| 無料 |
Intel付属クーラー |
| 無料 |
虎徹Mark II |
| 約3400円 |
限界まで予算を切り詰めるなら、付属クーラーで構いません。ただし、インテル / AMDどちらも高負荷時にファンの動作音がうるさいです。
特にAMD付属クーラーはRyzen 3 3300Xを冷やすには、けっこうギリギリの冷却性能です。動作音もかなり大きいため、3300Xを使う予定なら「虎徹Mark II」を推しておきます。
Core i5 9400FとCore i5 10400Fは、意外と温度が大人しいので付属クーラー(Intel PCG 2015C)で適切に冷やせます。クーラー込みの価格を考慮すると、Core i5は悪くないですね。
【マザーボード】予算重視で拡張性は控えめに
予算10万円でおすすめな「マザーボード」 | ||
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Ryzen 3~5ならTUF B450-PRO GAMING ASUS |
| 約1.1万円 |
Core i5 9400FならB365 Pro4 ASRock |
| 約1万円 |
Core i5 10400FならB460M Pro4 ASRock |
| 約1.1万円 |
Ryzen 3 3300X(第3世代)、Core i5 9400F(第9世代)、Core i5 10400F(第10世代)は、それぞれ対応しているチップセットとソケットが別々です。
なので、それぞれのCPUを使うのに適していて、かつ予算的にちょうど良いコストパフォーマンスに優れたマザーボードを3つ紹介します。
AMD Ryzenを使うのにオススメな低予算マザーボードは、ASUS製「TUF B450-PRO GAMING」です。B450 Steel Legendに対抗するために、後から出てきた製品なので「優秀なのは当たり前。」とはいえ、ハード的な完成度は素直にすごい。
16コアCPUを搭載しても余裕で耐えられるVRMフェーズ回路、1万円台とは思えない高音質なオンボードサウンド、高クロックなメモリも安定しやすいメモリ互換性の高さなど。とにかくハードとしての完成度は「お値段以上」です。
格安なB450マザーボードで悩んだら、とりあえずTUF B450-PRO GAMINGを選んでおけば間違いなし。ただし、M.2ヒートシンクが1つも付属しないので、温度の高いNVMe SSDを使うなら別売りのM.2ヒートシンクは必要ですね。
Core i5 9400Fにおすすめなマザーボードは、ASRock製「B365 Pro4」です。Core i5を定格で運用するのに十分なVRMフェーズ回路、M.2ヒートシンクが1つ付属、バックパネルのUSBポートは8個もあるなど。
コストパフォーマンスの良いマザーボードです。
Core i5 10400Fなら、ASRock製「B460M Pro4」がイチオシです。
第10世代のCore i5(6コア12スレッド)を定格運用するのに十分事足りる、9フェーズVRM電源を搭載しています。VRMヒートシンクは鍛造アルミニウム合金を採用し、エアフローによって効率よく電源部を冷却できます。
オーディオチップは1万円では割と豪華な「Realtek ALC1200」を搭載。M.2スロットは2つあり、上の段はヒートシンクが付属します。バックパネルのUSBポートは7個です。
1万円ちょっとのB460マザーボードでは、際立って性能と価格のバランスに優れたマザーボードです。インテルCPUで低予算ゲーミングPCを自作するなら、B460M Pro4で良し。
【メモリ】Micronのネイティブメモリが安定
予算10万円でおすすめな「メモリ」 | ||
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ド安定の定格メモリW4U2666CM-8G Crucial by Micron |
| 約7300円 |
デザインも良い定格メモリElite Plus DDR4-2666 Team Group |
| 約7300円 |
定格でDDR4-3200W4U3200CM-8G Crucial by Micron |
| 約8000円 |
Core i5は定格でDDR4-2666まで対応しているので、組み合わせるメモリは「W4U2666CM-8G」でOKです。アメリカのMicronが製造した純正品チップを搭載しており、互換性がものすごく高いです。
メモリでトラブル沼にハマりたくない人は、とりあえず「W4U2666CM-8G」を選んでおきましょう。価格も安いし、チップの製造元も信頼性が高く、コストパフォーマンスは抜群です。

と思った人は、Team Group(台湾のメモリブランド)の「Elite Plus DDR4-2666」でどうぞ。対応クロックは定格でDDR4-2666で、そこそこデザインの良いヒートシンクを装備しています。
Ryzen環境にて、メモリクロックをDDR4-3200で安定動作させたいなら「W4U3200CM-8G」が無難にオススメ。ただし、DDR4-3200の定格動作をするには、B550以上のマザーボードと第3世代Ryzenが必要なので注意です。
B450マザーボードだと、DDR4-2933で定格動作します。
ややこしい話は抜きにしてメモリの定格動作を説明すると、何も設定せずに自動的に適用されるメモリクロックのことです。
たとえば、DDR4-3200対応のメモリ「W4U3200CM-8G」を、B550マザーボードと第3世代Ryzenの組み合わせで使用すると自動的にDDR4-3200で起動します。
メモリクロックを自分で調整する行為は、トラブルのもとになりやすいです。だから自作PC初心者さんは、「定格動作」狙いで無難なメモリを選んだほうが良いでしょう。
なお、定格動作に対応したメモリは「JEDEC準拠メモリ」や「ネイティブ対応メモリ」と呼ばれています。
【グラボ】GTX 1660 Superがコスパ優秀
予算10万円でおすすめな「グラボ」 | ||
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フルHDゲーミングで定番GTX 1660 Super ZOTAC GAMING |
| 約2.6万円 |
軽いゲームは余裕で動くGTX 1650 GDDR6 ZOTAC GAMING |
| 約1.6万円 |
予算10万円で選べるグラフィックボードは「GTX 1660 Super」、または「GTX 1650(GDDR6)」です。
ゲーム目的なら、GTX 1660 Superがバランスの良い性能でコストパフォーマンスも良好。ほとんどのゲームを平均60 fps以上でプレイでき、設定を調整すれば平均100 fps以上も十分に狙えます。
VALORANTやCS:GOなど、グラフィックが軽いゲームならGTX 1650(GDDR6)がちょうど良いです。重たいゲームはちょっとキツイですが、設定を落としてしまえば60 fpsはなんとか行ける性能があります。

1.5万と2.5万円の中間だと「GTX 1650 Super」で良いかと。Radeon RX 570やRX 580より少し上の性能で、価格はほぼ2万円です。消費電力もRadeon系より30~50%少なく、省エネ性も優れてます。
【SSD】容量500 GB以上を確保
予算10万円でおすすめな「SSD」 | ||
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容量500GB / NVMeWD Blue SN550 |
| 約8900円 |
容量500GB / SATACrucial MX500 |
| 約7300円 |
容量500GB / SATASamsung 860 EVO |
| 約7900円 |
予算10万円だと、高価なハイエンドNVMe SSDは選べません。無難に有名メーカーのSATA SSDか、低価格NVMe SSDをおすすめします。
低価格NVMe SSDで今ホットなのは、Western Digital製「WD Blue SN550」です。SATA SSDと同じ価格帯なのに、性能はSATA SSDの約5倍に相当する2400 MB/s(最大)を叩き出します。性能で選ぶならWD Blue SN550でほぼ決まりですね。
普通にSATA SSDなら「Crucial MX500」「Samsung 860 EVO」がコスパ優秀。値段が安いなら「WD Blue 3D SATA SSD」もアリです。性能が一番良いのは860 EVOですが、正直どんぐりの背比べ状態なので・・・こだわりないなら値段で選んでしまってOKです。
SSDの選び方で重要なのが、自社でSSDの部品を製造できるメーカーの純正モデルを選ぶこと。2020年時点で有名なメーカーは、
- Samsung
- Micron
- Western Digital(SanDisk)
- KIOXIA(東芝メモリ)
- Intel
- SK Hynix
以上の6社です。
もっとも信頼性が高いのは、自社ですべての部品を製造できるSamsungです。
SSDは、SSDコントローラ、DRAMキャッシュ、NANDフラッシュメモリで構成されています。Samsungは3つとも自社だけで開発製造できるので、サムスンのSSDは下から上までどれを買っても「完全自社製」です。
次に信頼性が高いのはMicronとWestern Digital(SanDisk)あたり。KIOXIA(東芝メモリ)は国産アピールしていますが、おそらく部品を組み立てるのが日本で、部品そのものは普通に中国や韓国製なので真に受けない方が良いです。
インテルはコンシューマ向けは完全に手抜きでまったくやる気を感じられないボッタクリ商品で溢れているので、よほどインテルが好きでも無い限りオススメしません。業務向けのIntel Optane SSDは、新次元のSSDで本当にスゴイ製品ですけど・・・価格がぶっ飛んでて選択肢に入らないでしょう。
SK Hynixは日本で売ってないので何とも言えません。
【HDD】必要なら2~4 TBを入れます
予算10万円でおすすめな「HDD」 | ||
---|---|---|
容量2TB / CMR方式DT01ACA200 |
| 約5800円 |
容量2TB / CMR方式WD Purple |
| 約7400円 |
容量2TB / CMR方式Seagate Ironwolf |
| 約8100円 |
HDDを入れると予算オーバーする可能性が高いので、どうしても理由があって必要なら入れてください。パソコンを組んで使いはじめて、やっぱり必要性を感じてから増設でも良いでしょう。
HDDを入れる場合は、記録方式に「CMR」を採用しているHDDがおすすめ。安価で大容量なHDDはほとんど「SMR」方式を採用していて、使い方によって性能が極端に低下したり、故障したりします。
一方「CMR」方式は容量単価はSMRほど安くないものの、連続した書き込みに対しても性能が圧倒的に落ちづらく、SMR方式より様々な用途に対応できます。
比較的コストパフォーマンスの良い、CMR方式採用のHDDは「東芝DT01ACA」シリーズ、「WD Purple」「Seagate Ironwolf」の3つです。通販で買うなら後者の2つでほぼ決まりです。
実際に店舗まで足を運んで購入できるなら、東芝のDT01ACAシリーズでOKです。東芝のHDDはバルク品でしか流通していないため、通販で買うと梱包状況がまちまちなのがデメリット。
近くにPCショップが無いけれどDT01ACAを通販で買いたい人は、ツクモで延長保証をつけて買いましょう。バルク保証1年に550円を足すだけで5年に延長できます。サーバーグレードHDD並の保証期間です。


Seagate公式サイトより画像を引用
SMR(別名:瓦方式)は大容量を低コストで実現するための技術です。プラッタ(ディスク)にデータを書き込む時、SMR方式は隣接するトラックに少しだけ重なるようにデータを記録します。少ない面積にたくさん記録するため、低コストで大容量化が可能というわけ。
問題はデータの書き換えです。重なってしまった部分を再び書き換える処理は、ものすごく遅くなってしまいます。たとえばRAIDを組んだNASでリビルドを実行したり、複数のテレビ番組を同時に録画するような使い方をすると、極端に性能が落ち込みます。
つまり、読み書きを繰り返したり書き換えを頻繁に繰り返す使い方と、相性が非常に悪いです。

と断言できるなら、安価な「SMR」方式を選んでも構いません。実際ぼくもSeagateの「ST2000」や「ST4000」シリーズを(ガチで)データ倉庫として使っています。
データを入れて後は放置、しかも可能な限り電源を入れっぱで運用しているため、2万時間を超えても安定稼働中です(※動画編集用には、サーバーグレードHDD「HGST Ultrastar」を使用中)。
「2~4 TB」と書いた理由は、いざ壊れたときの損失の大きさを考慮してるからです。
- 8 TB(単体):8 TBすべて失う確率が高い
- 2 TB(4台):8 TBすべて失う確率は、8 TB単体と比較して故障率^4
ものすごくアバウトな計算ですが、HDDが4台いきなり壊れる確率と、HDDが1台壊れる確率。どちらが低いかと言えば、間違いなく4台いきなり壊れる方です。
4 TBを超える大容量データを末永く維持するなら、大容量HDDを単体で運用するのはオススメしません。NASを買ってきて、自動バックアップを利用するか、4台以上のHDDでRAID 5やRAID 6を組んでください。
【光学ドライブ】必要なら・・・やっぱ不要かも
Windows 10(パッケージ版)のインストールメディアは、DVDから「USBメモリ」に置き換わっています。Windowsのインストールすら、光学ドライブは不要な時代です。
今、パソコンで光学ドライブを使っている人は、どちらかと言えば少数派で使い方もかなりニッチでしょう。たとえばCDのリッピングが挙げられますが、ストリーミングが流行っている現状では、CDのリッピングもかなり稀な使い方だと思います。
- 「WindowsのISOをDVDに焼いておきたい※から、光学ドライブは必要。」
とハッキリした理由があるなら、光学ドライブを入れてください。流行りのゲーミングPCでは、まったく出番がありません。
※USBメモリの方がデータの信頼性が高く、焼くスピードも速いので個人的にはビミョーな使い方。
CDのリッピングやパソコンでDVDを再生する用途なら、2000円台のDVDドライブで十分です。
ブルーレイディスクを使うなら、パイオニア製のBDドライブが無難におすすめ。ただし、パソコンでブルーレイディスクを再生するのは様々なハード的要件を乗り越える必要があり、めちゃくちゃ難易度が高いのが難点。
普通にブルーレイレコーダーや据え置きゲーム機(PS4やPS5)を買ったほうが良いです。

【電源ユニット】容量より品質を重視しよう
予算10万円でおすすめな「電源」 | ||
---|---|---|
550W / CWT製Corsair CX550M |
| 約6300円 |
550W / Seasonic製Antec NE550G |
| 約8900円 |
低予算だとついつい電源をケチってしまう人を見かけますが、いざ壊れた時のダメージを考えるとやみくもに安いだけの電源を選ぶのは、やめておいた方が良いです。かと言って予算10万円では、名だたるハイエンド電源は当然選べません。
そこで、低予算でも比較的に品質がマトモな電源ユニットを2つ紹介しておきます。
1つ目は「Corsair CX550M」です。アメリカのCWT(Channel Well Technology)社が製造を行っている電源で、低価格ながら日本メーカー製の105℃コンデンサや、そこそこ静かで寿命も長いライフルベアリング軸のファンを搭載しています。
将来的にパーツをアップグレードするなど、拡張性を意識するならあと1000円足して650 Wモデルを選んでもOKです。
2つ目は「Antec NeoECO Gold」シリーズ。台湾の老舗電源メーカーSeasonic社が製造している電源が、1万円以下で購入できるコスパに優れた電源です。コンデンサはほぼ日本メーカー品(105℃)を採用、90%近い高効率と安定した出力が大きなメリットです。

【PCケース】好きなデザインで選んでよし

PCケースは気に入ったデザインで選んでしまって構いませんが、注意点が2つあります。
- マザーボードの規格が合っているか?
- 拡張性は足りているか?
コンパクトなPCケースは、MicroATXまでが上限だったりします。さらに小型なケースでは、Mini-ITXまでしか入らない場合もあるので、使う予定のマザーボードがケースに入るかどうかをチェックしましょう。
拡張性は使う予定のパーツ、特にストレージや光学ドライブに対応しているかを確認します。DVDドライブを使うなら5.25インチベイの有無を、HDDは3.5インチベイ、SSDは2.5インチベイの数が足りているかをチェックしてください。
最近は光学ドライブを使うために必要な5.25インチベイを搭載しないケースが増えているので、光学ドライブを使う派は要注意(※USBタイプのポータブルドライブを使うのも選択肢です)。
では、以下より低予算で買えて比較的バランスの良いPCケースをいくつか紹介します。
「Versa H26」はわずか4000円台の格安PCケースです。材質はペラペラ感が強くてネジも舐めやすく、価格相応のPCケースですが意外と普通に使えるので、コストパフォーマンスはかなり優秀。低予算ゲーミングPCの強い味方です。
パーツの数が少ない(= 総重量が軽い)構成なら、Versa H26でそれほど問題ないでしょう。
「P7 Silent」はサイドパネルに吸音材を貼り付け、遮音性能を高めたPCケースです。実用性に優れたデザイン、必要十分な拡張性(5.25ベイもあります)を備えつつ、価格は約6000円台で驚くほどリーズナブル。
PCケース内部が見えなくていい、質実剛健な雰囲気なパソコンを組みたいなら、P7 Silentがとても魅力的です。
「MasterBox MS600」は強化ガラスをサイドパネル一面に採用した、スタイリッシュなデザインが魅力のPCケース。天面とフロントパネルはつなぎ目のない1枚のアルミ合金で成形されており、ケース全体の強度や剛性に優れています。
5.25ベイは無いですが、ぶっちゃけ光学ドライブの出番はほとんど無いので、「顔の良いゲーミングPC」を組むならMS600がオススメです。価格は約8000円で少々お高いですが、相応の価値はあります。
【ケースファン】適切なエアフローを供給する

典型的なエアフローの実例(写真はLegion T550iより)
写真↑のように、吸気ファンを2つ、排気ファンを1つで一方通行のエアフローを作るのが典型例です。PCケース内部に適切なエアフローを作ると、ケース内部の温度が上昇しにくくなり、マザーボードや各種パーツの寿命を延ばせる効果があります。
ケース付属のファンが2つ(吸気1つ、排気1つ)あれば、最低限のエアフローは供給可能なので、あえてケースファンを追加する必要はないです。しかし、低予算なケースに付属するファンは、動作音がそれほど静かではない場合が多いです。
もし、静音性にこだわるなら付属ケースファンを交換したり、ファンの数を増やして少ない回転数で送風量を稼げるようにします。
「KAZE FLEX 120 PWM」は、低予算でそこそこオススメなケースファンです。1個あたり1000円で、それなりの送風量とそこそこの静音性がメリット。見た目もシックで人を選ばず、無難なケースファンです。
流行りのLEDで光るゲーミングPCを組みたい人は、「Sirius Loop ASL120」がコスパ良し。3個セットが約4000円で単価は1300円ほど。LEDの光り方をコントロールする「RGBコントローラ」も付属するので、コスパは優秀。
少ない回転数で高性能なファンなら、Noctua製のReduxシリーズをどうぞ。ただし1個2500円もするので、予算10万円に組み込むのはやや厳しいです。

【Windows 10】パッケージとDSPどっちがいい?

将来、自作パソコンを刷新したり組み替えたりするつもりなら、パッケージ版の方がメリットは多いです。
パッケージ版は自分のマイクロソフトアカウントと連携しておくと、同時使用1台に限りライセンスを流用できます(※回数制限なし)。一方で、DSP版はライセンスの流用ができません。

パッケージ版は「USBメモリ」が付属します
迷ったらパッケージ版にしましょう。USBタイプのインストールメディアも付属し、自分でインストールメディアを作る手間を省けます。DSP版との差額は2000円弱ですし、パッケージ版の方がコスパ高いです。
「Pro」版はWindows Updateを任意に停止できる機能があるので、最新のアップデートをいきなり適用せず、致命的なバグや不具合がないかどうかを待ってからアップデートできます。
ならPro版の方が良さそう。に思えますが、フリーソフトの「Stop Updates 10」を使えばHome版でもWindows Updateを停止できます。コスパが良いのは圧倒的にHome版です。
まとめ:予算10万円でそこそこ高性能が組める時代

一昔前はCore i7クラスだった4~6コアCPUがたった1.5~2万円で買えるようになり、メモリやストレージも大容量化と低価格化が進んだおかげで、予算10万円でも割と満足度の高いパソコンを自作できるようになりました。
グラフィックボードは「GTX 1660 Super」の登場で、性能のいいゲーミングPCを低予算で組めます。GTX 1060より5000円安い価格で、性能はGTX 1070や1070 Tiに匹敵するため、コストパフォーマンスはめちゃくちゃ良いです。

【例1】予算10万でクリエイター向け自作PC
10万円で「クリエイター向け自作PC」 | ||
---|---|---|
パーツ | 詳細 / スペック | 参考価格 |
![]() | Core i5 10400F6コア / 12スレッド / 4.30 GHz / LGA1151 | 20500 円 |
![]() | CPU付属品「PCG 2015C」92mmファン / 対応TDP : 65W | 0 円 |
![]() | ASRock B460M Pro4ATX / Intel B365 / LGA1151 | 10970 円 |
![]() | W4U2666CM-16GDDR4-2666 / 16GB 2枚組 / 永久保証 | 15400 円 |
![]() | GTX 1650 GDDR6ZOTAC製 / シングルファン / ブースト : 1620 Mhz | 14960 円 |
![]() | WD Blue SN550 500GBNVMe SSD / 300 TBW / 5年保証 | 8900 円 |
![]() | DT01ACA200CMR方式 / 1年保証 | 5800 円 |
![]() | なし | 0 円 |
![]() | Corsair CX550M80+ Bronze認証 / セミプラグイン式 / 5年保証 | 6200 円 |
![]() | P7 SilentATX対応 / 120mm x2付属 | 6380 円 |
![]() | ケース付属品前面に1個(120mm) / 背面に1個(120mm) | 0 円 |
![]() | Windows 10 Home 64bitAmazon.co.jp限定(パッケージ版) | 17900 円 |
![]() | 107310 円 |
Photoshop、クリスタ、AviutlやPremiere ProによるフルHD動画編集を前提とした「クリエイター向けPC」です。CPUとメモリに予算を多めにあてて、グラフィックボードはGTX 1650に落としています。
Adobeソフトはグラフィックボードの性能よりも、CPU性能とメモリの容量が重要なので、グラボのグレードを下げた分だけCPUとメモリ容量に重点を置いてます。
編集用のデータ置き場は「DT01ACA200(2 TB)」を搭載。記録方式は書き込みに強い「CMR」で、動画編集の素材置きなら特に問題なく使えます。
予算10万円を少し超えてしまったため、10万円以内にどうしても抑えたい人は、メモリの容量を妥協してください。32 GB → 16 GBに減らせば、10.2万円くらいです。
【例2】予算10万で自作ゲーミングPC
10万円で「ゲーミング自作PC」 | ||
---|---|---|
パーツ | 詳細 / スペック | 参考価格 |
![]() | Core i5 10400F6コア / 12スレッド / 4.30 GHz / LGA1151 | 20500 円 |
![]() | CPU付属品「PCG 2015C」92mmファン / 対応TDP : 65W | 0 円 |
![]() | ASRock B460M Pro4ATX / Intel B365 / LGA1151 | 10970 円 |
![]() | W4U2666CM-8GDDR4-2666 / 8GB 2枚組 / 永久保証 | 7700 円 |
![]() | GTX 1660 Super 6GBZOTAC製 / デュアルファン / ブースト : 1785 Mhz | 25960 円 |
![]() | WD Blue SN550 500GBNVMe SSD / 300 TBW / 5年保証 | 8900 円 |
![]() | なし | 0 円 |
![]() | なし | 0 円 |
![]() | Corsair CX550M80+ Bronze認証 / セミプラグイン式 / 5年保証 | 6200 円 |
![]() | Versa H26 WhiteATX対応 / 120mm x2付属 | 4380 円 |
![]() | ケース付属品前面に1個(120mm) / 背面に1個(120mm) | 0 円 |
![]() | Windows 10 Home 64bitAmazon.co.jp限定(パッケージ版) | 17900 円 |
![]() | 102510 円 |
本当は「Ryzen 3 3300X」を使って組みたいです。しかし、3300Xはいつまで経っても品薄の状況が一向に解消せず、たまに在庫が復活したと思ったら1.7~2.9万円で転売価格が横行している状況。
転売価格のRyzen 3 3300Xに2万円も出すなら、「Core i5 10400F」を選んだほうが良いのは明らかでしょう。予算が厳しい場合はCore i5 9400Fもアリですが、3000円の差でスレッド数が2倍なので、コスパはi5 10400Fが優れています。
あとは記事で紹介したパーツを適当に組み合わせて、予算10万円のゲーミングPCプランが完成。i5 10400Fは、スクエニ系を含むあらゆるゲームで、安定したゲーミング性能を発揮できるのがメリット。
依然として、ゲーミングならインテルCPUが強いです。AMD Ryzenも悪くはないものの、2万円以下だと途端にイマイチなRyzenが多いのが問題でしょう(※3300Xだけが別格)。

以上「【2020年版】予算10万円で組む自作PCのパーツ選びを解説」でした。
アマゾンのwin10は何か偽物?が多いって聞くんですが見分ける方法みたいなの無いんですかね…
Ryzen 3 3100とRyzen 5 3500で妥協しようと思うのですが買うとしたらどちらがいいですか?
Ryzen 3 3300XはRyzen 5 3600X とそう変わらない価格でビックリしました。
内蔵の光学ドライブはもう言及しなくていいんじゃないですかね。
未だに付けたいという人は”解ってる人”ですから。
CPUクーラーは虎徹と比べて相当貧弱な1000~2000円のサイドフローでもリテールとは静かさがダンチなのでできればつけたい
例2もストレージが500GBだけというのは結構つらい
企画の否定になっちゃうけど10万って数値内に収めようとすると微妙にコスパのスイートスポットを逃してしまう感じがしてもったいない
あるいはOSの値段は抜きってことにするとか…
UbuntuでもSteamゲー結構できるし
自分の検証により、いくつの重要なマザボがNative DDR4-3200をサポート出来ないことを判明した。
まずはASRock X299E-ITX(CPUは7800Xと9820Xで、109xxは未確認)。このマザボは唯一のITXサイズのX299マザボであり、もしこいつがサポートしないなら救済が無いと言われる。残念ながらNative DDR4-3200だけで構成すると、起動不能になった。
AsRockのテクニカルサポートと交渉して、ベータ版BIOSも強引におねだりしたが、結局ベータ版BIOSで起動が可能になったが動作が不安定になる為諦めた。
このコメントはこちらのタイトルに合わない為無視を推奨します。
すみませんでした。
3300xの入手しづらい状況はほんと酷い。生産量少ないんじゃなくて、そもそも新規に作ってないんじゃないかと思ってしまう・・・
Blue rayは4K(UHD)でなければそこまで難易度は高くないような気がします。
...PCで再生する必要があるかは何とも言えないところですが
#写真を配るのに必要な場合がまだあるんですよね
そもそも条件が揃えてもPCでのUHD再生画質があまり良くないので、組み立てない人は早めにプレイヤーに移行する方がいいだと思う。
PowerDVD以外の再生ソフトなら画質問題がなくなるけど、現状PowerDVD以外のUHD再生は全て違法再生だから、いくら画質が良くなっても話にならないからな。
初めまして、いつも拝見させていただいてます。
メモリですが、今回取り上げられてるW4U2666CM-8Gと、以前おすすめのDDR4メモリー7選で取り上げられてたCT2K8G4DFS8266の違いが判りません。
どちらもCrucialのDDR4-2666、8GB2枚のメモリですが何が違うのか教えていただけませんでしょうか?
販売がCrucialかCFDかの違いだけ
ありがとうございます!
【CPU】i5-10400F 20500円
【CPUクーラー】リテール 0円
【マザーボード】B460M Pro4 11000円
【メモリ】Crucial2666 8GB×2枚 8000円
【グラボ】GTX 1660 Super 25000円
【SSD】P1 CT1000P1SSD8JP 13000円
【電源ユニット】NeoECO Gold NE650G 9500円
【PCケース】Versa H18 3500円
【Windows 10】パッケージ版 16000円
【ケースファン】不要
【光学ドライブ】不要
【HDD】不要
合計106500円 - 店舗の各種セット割り(笑) = 約10万円
これで2030年までコメットおじさんでいけるなw(※異論は認めます…)
Corei5-10400FがLGA1151になってますが、1200では。
マザーから変わってきますね。
B460M pro4 はLGA1200に対応しているので問題ないと思います
やかもちさん初めまして。
1080pの解像度で60fps出せる設定でこれから5年遊べるゲーミングPCを作るならどんな構成になるでしょうか?
わかる範囲で教えていただけると幸いです
b450マザーでも第3世代ryzenと対応biosで定格3200Mhzのメモリ動作しますよ。