「ガレリアRV5」は、数あるドスパラのゲーミングPCの中ではイマイチ存在感が薄いかもしれません。しかし、存在感の薄さとは裏腹に、価格とスペックのバランスは非常に良いです。おそらく15万円以下のガレリアでは最高クラスの可能性すら…というわけで、実際にRV5を詳しく検証レビューしてみました。
本記事の「ガレリアRV5」は2020年7月に販売を終了しました。
現在はリニューアルモデルの新ガレリア(Rシリーズ)にラインナップが統合されているので、最新のガレリアレビューは↑こちらの記事を見てください。
GALLERIA RV5のスペックと概要
GALLERIA RV5 | ||
---|---|---|
スペック | 標準仕様 | 推奨カスタマイズ |
CPU | Ryzen 5 3600X※通常は「Ryzen 5 3600」を搭載 | – |
冷却 | AMD静音CPUファン※92 mmの小型空冷ファン | – |
グリス | ノーマルグリス | – |
グラボ | RTX 2060 Super 8GB ※2スロット占有の内排気モデル | – |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2(合計16GB) | – |
マザーボード | AMD B450搭載(MicroATX規格) | – |
SSD | 256 GB(NVMe SSD)※Phison製 | Samsung 500 GB SSD※高耐久なSamsung 860 EVOを推奨します |
HDD | 1 TB | – |
ドライブ | – | – |
電源 | 650W 静音電源メーカー不明 / 80+ Bronze認証 | 700W 静音電源オウルテック(AS-700) / 80+ Gold認証 |
OS | Windows 10 Home 64bit | – |
保証 | 1年間 / 持込修理保証 | – |
参考価格 | 129980円(税抜き)最新価格をチェックする |
「ガレリアRV5」は、CPUに第3世代のAMD Ryzenを、グラフィックボードに「RTX 2060 Super 8GB」を搭載するミドルハイクラスのゲーミングPC。CPUのRyzen 5 3600XはCore i5と同じクラスですが、性能はCore i7に匹敵するためコスパが非常に高いです。
グラフィックボードの「RTX 2060 Super 8GB」は、ほとんどの最新ゲームをスムーズに動かせる、そこそこパワフルな性能があります。税込15万円を下回るゲーミングPCとしては、割と何でもできる性能です。
ただし、標準仕様のSSDは容量が物足りません。256 GBはゲーミングPCにしては少ないため、カスタマイズで500 GB以上のSSDに変更するのを忘れずに。では実際にガレリアRV5を詳しくレビューしていきます。
※メーカーに用意していただいた貸出機でガレリアRV5の検証レビューを進めていきます。
GALLERIA RV5を実機レビュー
外観とデザイン
GALLERIA RV5はガレリア専用(MicroATXサイズ対応)のPCケース「KTMケース」を採用。ミニタワー型のコンパクトなPCケースで、省スペース性はやや高めです。塗装はマットブラックで統一され、いい意味でも悪い意味でも人を選ばないデザインです。
サイドパネル(側面)にはメッシュ(通気口)が設けられており、最大120 mmのケースファンを取付可能。ただしカスタマイズからは選べないので、取り付けたい場合は自分で行う必要があります。
反対側はこの通り、何もないフラットなデザインになっています。
背面はおおむねマットブラック塗装で、スタイリッシュな印象です。ただしインターフェイスパネルは塗装されていません。
インターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。
- PS/2
- USB 2.0 x2
- DVI-D
- D-Sub
- HDMI
- USB 3.1 Gen1 x2
- USB 3.1 Gen1 x2
- LANポート
- オーディオ入出力
端子 | 解説 |
---|---|
WiFiアンテナ | WiFiモジュールを取付可能 |
USB 3.1 Gen1 | 約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeA | 約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeC | TypeAと違って、左右対称・小型なポート |
LANポート | ここにLANケーブルを挿すとネットにつながる |
オーディオ入出力 | 緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」 |
PS/2 | 超古いキーボードやマウスを使うための端子 |
HDMI | 最近のモニターなら大抵はついてる端子 |
Display Port | 値段が高めのモニターについてる端子 |
DVI-D | 安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた) |
D-Sub | 安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた) |
コンパクトな代わりにインターフェイスはやや控えめ。それでもUSBポートは全部で6個あり、そのうちの4個はUSB 3.1 Gen1になっているので、周辺機器とポータブルSSDを使う分には足りる内容です。
- DVI-D
- HDMI
- Display Port
グラフィックボード側のコネクタは、最近のモニターでもっぱら主流になりつつある「HDMI」や「Display Port」を備えつつ、ややレガシーな端子である「DVI-D」も残っています。ほとんどのモニターで使うことが可能です。
なお、ガレリアRV5はゲーミングモニターも十分に使えるPCなので、使っているモニターが古い場合はついでに買い替えてもいいでしょう(古いモニターをそのまま残して、デュアルモニター環境にしてしまうのも手)。
フロント側をチェック。「ガレリアらしい」ビシッとした直線的で無骨なデザイン。左右の斜めに入ったカットデザインは「日本刀」をイメージしたものらしいです。
フロントパネル側のインタフェースパネル(フロントパネル)は必要十分な内容。キラリと照り返すGALLERIAロゴがスタイリッシュな印象です。
- USB 3.0
- USB 3.0
- SDカードスロット
- イヤホン入出力
- 再起動ボタン
- 電源ボタン
USBは合計2ポート。USB接続のヘッドセットやポータブルストレージを使う分には、問題なく足りるポート数です。SDカードスロットがあるのが地味に親切。
天面は完全な平面デザインになっています。メッシュ(通気口)などは一切ありません。
通気口などが一切ない完全に平面な天板になっているおかげで、このように収納スペースとして活用できます。
底面をチェック。ケースの四隅に取り付けてある足は「インシュレーター」です。インシュレーターはケース自体の滑り止めとして機能し、更に振動を吸収して耐久性を高める効果もあります。
なお、底面のフロント側にあるスリットは外気を取り込むために用意されています。
取り込んだ外気は背面のケースファンから排出されます。ガレリアRV5のエアフローは標準構成のままでも、きちんと一方通行になっているので特にファンを追加する必要はないです。
中身とパーツをチェック
両側のサイドパネル(フタ)を開けて、ガレリアRV5の内部コンポーネントをレビューしていきます。
アッサリとした中身です。配線はガチガチに裏配線をせずに、ケース内で可動パーツに当たらないようにゆるく結束バンドで固定してあるだけです。
メンテナンス性を考えると、ゆるい配線はまったく問題ありません。そもそも「ガレリア」は初心者にも使いやすいPCを目指しているため、配線をガチガチにしないのは自然な設計です。
反対側のサイドパネルを開きました。3.5インチベイ(HDDなどを格納する場所)の後ろ側の空きスペースに、USBケーブルなどの配線が収められています。
コンパクトなケースの割に、マウントベイの空き状況は意外と良好。DVDドライブなどをセットする「5.25インチベイ」は2スロット。HDDやSSDを増設する「3.5インチベイ」は2スロットの空きがあります。
なお、3.5インチベイはツールレス機構ではなく、よくある「ネジ固定式」です。HDDなどを取り付ける際は、プラスドライバーを使ってネジを外したり固定する必要があります。
フロントパネルは強めの力で引っ張るとカンタンに取り外し可能です。こちらから5.25インチベイにDVDドライブを挿し込んだり、120 mmケースファンを交換したりできます。
CPUクーラーはAMD純正の「Wraith Stealth」を搭載。ファンの大きさは92 mmと小型ですが、最大65 Wの熱を処理できる冷却性能があります。
CPUクーラーの熱をすばやく運び出すために、CPUクーラーのすぐそばにケースファンが設置されています。トップ側は120 mm(電源ユニットのファン)、背面に120 mmのケースファンが取り付け済みです。
グラフィックボードは「RTX 2060 Super 8GB」です。今回のRV5に搭載されているのは「Palit Microsystems」製のデュアルファンモデルでした。
マザーボードは「ASRock B450M-HDV」が採用されていました。CPUの安定性にかかわるVRMフェーズは合計で7個実装されています。Ryzen 5 3600のように、消費電力の少ないCPUに対して十分です。
- PCI Express x1
- PCI Express x16(グラボで使用済み)
- M.2スロット(使用済み)
- SATA 3.0(空き3本)
MicroATX規格のコンパクトなマザーボードなので、拡張性は当然控えめになります。今回のガレリアRV5では、サウンドカードやUSB拡張カードはあと1枚。HDDやSSDはあと3個まで増設が可能です。
スロット | 解説 |
---|---|
PCI Express x16 | グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x8 | ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x4 | LANカードやサウンドカードを増設できる |
PCI Express x1 | 主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う |
PCI スロット | ものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石) |
M.2 ソケット | M.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる |
SATA 3.0 | 主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う |
M.2スロットには、M.2 SSDが取り付け済み。標準SSDはPhison製「PS5012-E12 256G」ですね。性能はゲーム用には十分すぎるほど速いですが、信頼性という観点ではSamsung純正などに劣っています。
なので、個人的にはカスタマイズから7400円で選べる「Samsung 860 EVO 500GB」や「Intel 545s 512GB」に変更することをオススメします。
搭載されている電源ユニットはSilverStone製(SST-ET650-B)でした。容量650 Wで、効率は80 Plus Bronzeを取得しています。レポートによれば最大87%の変換効率で、BronzeとSilverの中間くらいの性能です。
今回のガレリアRV5は100%の負荷を掛けたとしても、消費電力は260 Wをやや超える程度です。電源容量の650 Wに対して40%の負荷率なので、十分すぎるほどの余裕があります。よって必要十分な電源ユニットです。
あえてカスタマイズする場合は、オウルテックの「AS-700」か、Seasonicの「SSR-750FX」をオススメします。
AS-700はFSP製の電源ユニットで、品質はそこそこに高い。電源容量が700 Wあり、効率も最大で91%に達するなど、全体的によくまとまっています。ガレリアAXFにとって非常に余裕のある電源です。
コスト度外視で更に信頼性を追求したい人には、SSR-750FXがベスト。Seasonic製の電源ユニットは品質のバラツキが少なく、経年劣化による性能低下が少ないという性質があります。予算に余裕があるなら、選んで損はしません。
ゲーミング性能を徹底検証
パーツチェックの次は、ガレリアRV5がゲーミングPCとしてどこまで優れた性能を発揮できるのか。詳しい動作検証を行います。
- 定番ベンチマークだけでなく
- 実際のゲームプレイで実測検証もする
直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチスコアよりも平均fpsの方がずっと重要です。
定番ベンチマーク
フルHD向けのベンチマークはもちろんオールクリア。画面の大きさをWQHD(2560 x 1440)に引き上げてベンチマークを試してみても、意外とスムーズに動いてくれます。「RTX 2060 Super 8GB」はおおむね高性能です。
次はベンチマークではなく、実際にゲームをプレイした場合の性能も見てみましょう。
フルHDゲーミングのfpsを実測
ゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。
GALLERIA RV5フルHD(1920 x 1080) / 最高設定 |
平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満
もっとも一般的なモニターの大きさである「フルHD(1920 x 1080)」では、軽めのゲームなら平均100 fpsを余裕でオーバー。設定を少し落とせば平均144 fps超えも狙えます。
重たいゲームでは平均100 fpsはやや厳しいですが、平均60 fpsはクリアしています。おおむねガレリアRV5は、フルHDのゲーミングモニター(144 Hz)を使用するのに十分な性能と言っていいです。
GALLERIA RV5WQHD(2560 x 1440) / 最高設定 |
フルHDより一回り大きいWQHD(2560 x 1440)に引き上げると、一部のゲームは動作がかなり重たいです。ただ、FPSゲームは基本的に平均60 fpsを超えて、100 fps近いです。
若干物足りなさはあるものの、横長なワイドモニター(アスペクト比が21:9あるようなモニター)でゲームができる性能はあります。15万以下のゲーミングPCとしては、かなり頑張っている性能です。
CPU性能とコンテンツ作成能力
ガレリアRV5に搭載されているCPUは「Ryzen 5 3600」(本レビュー機では3600X)です。最大4.4 GHzで動作する6コア12スレッドのCPUなので、ゲーム用途だけでなく、クリエイティブなタスクでも高パフォーマンスを期待できます。
まずは定番のCPUベンチマークから順番に検証してみましょう。
定番ベンチマーク
なかなか速いです。スコア的にはCore i7 8700とCore i7 9700Kの中間くらいの性能を示しました。値段はCore i7より1ランク安いので、コストパフォーマンスの高さはさすがと言ったところです。
動画エンコードの処理速度(x264)
過去ちもろぐでレビューを行ってきたゲーミングPCと、動画エンコード速度の比較をまとめてみると、価格が1~2万円も高い「XV」や「ZT」の真ん中に食い込んでいます。
ガレリアRV5のコストパフォーマンスはとても良いです。
レンダリング時間「Blender」
無料で使える有名なレンダリングソフト「Blender」にて、BMWプリセットを読み込んでレンダリングを行い、処理が終わるまでの時間を計測してみた。
Blenderの処理速度を比較
計測結果は3分58秒(238秒)でした。Core i7並に速いです。
画像編集「Photoshop CC」
クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。
マシン | GALLERIA RV5 | GALLERIA ZT |
---|---|---|
CPU | Ryzen 5 3600X | Core i7 9700K |
グラボ | RTX 2060 Super 8GB | GTX 1660 Ti |
メモリ | 16GB | 16GB |
総合スコア | 926.8 /1000 | 937.4 /1000 |
一般処理のスコア | 86.6 | 83.8 |
フィルタ系のスコア | 94.7 | 98.6 |
Photomergeのスコア | 100.8 | 103.9 |
GPUスコア | 95.2 | 98.2 |
価格が1.5万円ほど高い上位モデル「ガレリアZT」と比較してみると、ガレリアRV5のPhotoshop性能はほぼ同じくらいに追い詰めてます。間違いなくコスパが良いのはガレリアRV5ですね。
マシン | GALLERIA RV5 | GALLERIA ZT |
---|---|---|
CPU | Ryzen 5 3600X | Core i7 9700K |
GPU | RTX 2060 Super | GTX 1660 Ti |
RAM | 16GB | 16GB |
総合スコア | 926.8 | 937.4 |
一般処理のスコア | 86.6 | 83.8 |
フィルタ系のスコア | 94.7 | 98.6 |
Photomergeのスコア | 100.8 | 103.9 |
GPUスコア | 95.2 | 98.2 |
テストの詳細結果 | ||
RAW画像の展開 | 3.7 | 4.14 |
500MBへのリサイズ | 1.42 | 1.58 |
回転 | 1.3 | 0.92 |
自動選択 | 10.28 | 11.87 |
マスク | 3.36 | 3.58 |
バケツ | 1.55 | 1.91 |
グラデーション | 0.41 | 0.37 |
塗りつぶし | 13.74 | 15.8 |
PSD保存 | 7.87 | 9.5 |
PSD展開 | 2.9 | 2.54 |
Camera Raw フィルタ | 6.01 | 5.53 |
レンズ補正フィルター | 16.53 | 15.29 |
ノイズ除去 | 17.26 | 18.01 |
スマートシャーペン | 20.09 | 18.98 |
フィールドぼかし | 16.27 | 15.12 |
チルトシフトぼかし | 15.26 | 14.33 |
虹彩絞りぼかし | 16.62 | 15.54 |
広角補正フィルター | 18.43 | 18.77 |
ゆがみツール(Liquify) | 8.99 | 8.86 |
Photomerge(2200万画素) | 80.02 | 76.19 |
Photomerge(4500万画素) | 103.91 | 102.63 |
※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。
ゲーム配信「OBS」
ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、ガレリアRV5の配信性能を検証します。
検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)の序盤1分を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。
検証は2パターン行います。CPUで録画配信をした場合(設定は4つ)と、グラボで録画配信をした場合(設定は2つ)の2パターンで、合計6つの設定です。
なお、ゲームプレイ時のフレームレートは144 fpsを上限に設定して、快適なゲームプレイと配信の両立ができるかどうかをチェックします。
OBSで録画と配信(144 fps制限) | ||||
---|---|---|---|---|
設定 | レンダリングラグ | エンコードラグ | 平均fps | |
CPUで | superfast | 17.3% | 1.0% | 108.6 fps |
veryfast | 7.1% | 0.1% | 100.5 fps | |
faster | 0.3% | 30.4% | 83.8 fps | |
fast | 0.5% | 62.8% | 90.3 fps | |
グラボで | Performance | 40.7% | 74.9% | 123.7 fps |
Quality | 39.0% | 78.6% | 123.4 fps |
6コアCPUだと、やや画質が粗い「veryfast」品質での配信が精一杯です。
やはりリアルタイムでのゲーム配信には、最低でも8コアCPUが欲しいところです。よって余裕ある配信環境を求めている人は、上位モデルの「ガレリアAXF」や「ガレリアZZ」を検討する必要があります。
ストレージ性能と詳細
ガレリアRV5の標準ストレージは「256GB SSD + 1TB HDD」です。搭載されているSSD / HDDの詳しい情報や、その性能を検証します。
SSDは製品名などが表示されないですが、中身をチェックした際にPhison製と分かっています。読み込みは3096 MB/s、書き込みは1047 MB/sあり、普通のSATA SSDより2~6倍ほど速いです。割とそのままでも使える性能です。
ただ、個人的には信頼性の観点からSSDを作っているメーカーの純正品を推奨しています。予算に余裕があるなら、カスタマイズから「Samsung SSD 500GB」や「Intel 545s 512GB」などを選ぶと安心です。
HDDは東芝の「DT01ACA100」が入っていました。東芝DTシリーズは信頼性が高いことで知られるHGSTが製造しているので、安価なデータ保存用HDDの中では比較的信頼できます。性能は読み込みが209 MB/s、書き込みが208 MB/sでそこそこ速いです。
ただ、信頼性が高いとはいえ東芝DTシリーズの用途はあくまでデータ保存向け。動画編集やゲーミングなど、頻繁にアクセスするような使い方は避けた方が無難です。
エアフロー
サーモグラフィーカメラを使って「ガレリアRV5」の内部温度を撮影しました。フロントパネル側に吸気ファン、背面に排気ファンがあるため、基本的なエアフローは問題なく生成されています。
内部コンポーネントの温度
マザーボードのVRMフェーズ回路まわりの表面温度は、ゲーミング時で46~47℃でした。CPUクーラーがマザーボードに向かって風を吹き付けるため、熱処理は良好。動作不良を起こす可能性は極めて低い状態です。
電源ユニットの内部温度は、40~42℃前後です。ガレリアRV5の消費電力はせいぜい250~260 Wがいいところなので、容量650 Wに対して余裕です。
もちろん、予算的にもう少し行けるなら、カスタマイズから約8000円で選べる「AS-700(FSP製)」も選択肢。FSP製の電源ユニットは平均以上の品質ですし、AS-700は変換効率が最大91%に達する効率の良い電源です。
容量が700 Wあるため、将来のパーツ増設やまるごと組み換えなどに備えることができます。そのまま使うなら標準の電源ユニットで特に問題はないですが、将来性や信頼性を取るならAS-700を選んで後悔はしないです。
ゲーミング時の動作温度をチェック
ゲームにしてはCPUへの負荷が大きい「FINAL FANTASY XV」を実行している時に、CPUの温度を計測してみました。
Ryzen 5 3600Xの温度は最大73℃(平均62℃)でした。特に問題ないです。
ゲーム配信や動画エンコードでは、75~78℃をうろうろとします。Ryzen 5 3600Xは温度が上がりすぎないように、自動的にクロック周波数を調整するため割と温度は上がりにくいです(80℃前後で止まりやすい)。
グラフィックボード(RTX 2060 Super 8GB)は、最大80℃(平均77℃)でした。動作に問題ない範囲で冷えていますが、デュアルファンの割には冷えが悪い印象があります。
静音性能を騒音計で検証
校正済みのデジタル騒音メーターを使って、ガレリアRV5の動作音(騒音レベル)を計測します。ケースパネルを閉じて、50 cmくらい距離をとって計測を行いました。
- PC起動前:31.6 dBA(極めて静か)
- アイドル時:41.1 dBA(普通)
- ゲーミング:44.8 dBA(ちょっと騒音)
それぞれの中央値(平均ではなく、真ん中に位置する数値)をまとめました。傾向として、ガレリアブランドは静音性には優れていないことが多いです※。コスパ重視で構成されるため、性能に関係ないパーツは安く済ませてあります。
今回検証したガレリアRV5も例外ではなく、静音性はイマイチでした。ゲーム時には45 dBA前後になっていて、例えるなら扇風機の「中」モードくらいに相当する動作音です。
ゲームをする時はヘッドセットをおすすめしたいですね。
※過去のレビューに基づいた傾向です。稀にものすごく静かなガレリアもありましたが、個体差だと思われます。基本的には普通な動作音が多いです。
「GALLERIA RV5」レビューまとめ
- ゲーミングモニターOKです
- 横長なワイドモニターも行けそう
- 一回りコンパクトなPCケース
- 軽いゲーム配信ができるCPU性能
- コストパフォーマンス凄い
- 「翌日出荷」に対応
- かなり普通な動作音
- コンパクトケースゆえ拡張性は控えめ
- 高画質な配信はキツイ
イマイチ存在感の薄い「ガレリアRV5」は、お値段以上のパワフルなゲーミング性能とクリエイティブ性能を提供してくれる、コストパフォーマンス特化型ゲーミングPCです。価格が1~2万円も高いガレリアZTやXVに対して互角かそれ以上の性能なので、コスパ派にとって非常に心強い味方なのは間違いありません。
一方で、コスパに特化しただけあって弱点もあります。1つはグラフィックボードはかなり価格を削ったモデルを使っているため、動作音が大きいこと。もう1つはCore i7並の性能とはいえ、高画質なゲーム配信には性能不足なこと。
要するにガレリアRV5は性能に対するコスパを最大化させたゲーミングPCなので、ゲーム性能に直結しない部分はしっかりとコストカットされています。静音性や配信性能を求めるなら、上位モデルを選ぶほかありません。
税込15万円以下で最高のパフォーマンスが欲しい人には、ガレリアRV5は非常に魅力的です。ゲーミングモニターを使えるほどゲームはヌルヌルと動作し、PhotoshopなどのクリエイティブタスクはCore i7並にサクサク動きます。
予算15万で選ぶなら、今のところ最高のゲーミングPCかもしれません。
以上「ガレリアRV5をレビュー:コスパ100%特化型なゲーミングPC」でした。
他におすすめなガレリアは?
税込みで15万円を下回るガレリアとして、RV5はトップクラスに優秀です。よって他におすすめとなると、もっと上位のガレリアか、一部パーツのランクを下げて更に下位のモデルを選ぶことになります。
ゲーミングモニターを使わないなら、グラフィックボードをGTX 1660 Superにランクダウンさせた「ガレリアRT5」がちょうど良いです。平均60 fpsは難なく動く性能で、CPUはCore i7並に動くRyzen 5 3500を搭載。価格は3万下がってコスパが更に凄いです。
ゲーム実況配信をもっとサクサクしたい、一般向けではトップクラスなCPU性能が欲しい。という人には、Ryzen 7 3700XとRTX 2070 Super 8GBを搭載する「ガレリアAXF」がイチオシです。こちら、20万円以下で最強のガレリアになります(記事執筆時点で)。
レビューお疲れ様です
3600から3600Xに無償アップグレードが来てるのはいいですね、3600でも割と行けますがゲームに使うならやっぱりクロックが伸びる方がシングル性能が伸びてありがたいですし
マザーボード、B450になってたんですね…(公式通販の製品仕様だとB350表記になってるので)
physonコントローラと東芝nandのnvmessdって多いですがやかもちさん的には信頼できないんですかね
なんだかんだスピードは速いので十分に使えるとは思いますが、やっぱり人にオススメするならSamusungやIntelなど純正品の方が安心感があります。
physonのコントローラと東芝のnandのnvmessdってよくありますがナシなんですかね
レビューお疲れ様です
Ryzen2の中でもいまいち影が薄かった、3600Xと3800X
どこも余っている感じですね
ツクモなんかも今は、3600XとB450を購入すると7000円引き
値段次第では3600よりも光るかもしれませんね
Cinebench R15 シングルコア199cbでも「やや早い」なんだ….
時代の進化を感じますね….第1世代のRyzen5はシングル150cbくらいだったのに….
200 cb超えたら「速い」ってことにしてます。上位のCore i7やRyzen 7だと210 cb前後は行くので。
+7600円で3600Xに変更できますが、したほうがいいでしょうか?
フルHDゲーミングモニター、配信はしないけど録画と動画編集はしたいと思っています。
無料ならアップグレードしても良いですが、+7600円だとしない方がいいかと…。3600と3600Xでは、コストに見合った性能差がないので。
値段よりも、消費電力と、あまりこのサイトではおすすめされていない点が気になりました。
Ryzen5 3500に変更されて、値段も一万円ほど安くなってますね。
というかガレリアから3600が消えた…
構成で3600にできますね、失礼しました。
3500のレビューお待ちしています。