ドスパラの20万円以下のゲーミングPCで人気No.1は、やはり「XF」です。しかし性能的に最強なのは、実は「ガレリアAXF」だったりします。本記事ではガレリアAXFを使って、使われているパーツから実際の性能まで、徹底的に検証レビューしました。
本記事の「ガレリアAXZ」は2020年7月に販売を終了しました。
現在はリニューアルモデルの新ガレリアにラインナップが統合されているので、最新のガレリアレビューは↑こちらの記事を見てください。
GALLERIA AXFのスペックと概要
GALLERIA AXF | ||
---|---|---|
スペック | 標準仕様 | 推奨カスタマイズ |
CPU | Ryzen 7 3700X | – |
冷却 | AMD静音CPUファン※92 mmの小型空冷ファン | – |
グリス | ノーマルグリス | – |
グラボ | RTX 2070 Super 8GB ※2スロット占有の外排気モデル | – |
メモリ | DDR4-3200 8GB x2(合計16GB) | – |
マザーボード | AMD X570搭載(ATX規格) | – |
SSD | 512 GB(NVMe SSD)※メーカー不明 | Samsung 500 GB SSD※高耐久なSamsung 860 EVOを推奨します |
HDD | 2 TB | – |
ドライブ | – | – |
電源 | 650W 静音電源メーカー不明 / 80+ Bronze認証 | 750W 静音電源Seasonic(SSR-750FX) / 80+ Gold認証 |
OS | Windows 10 Home 64bit | – |
保証 | 1年間 / 持込修理保証 | – |
参考価格 | 165980円(税抜き)最新価格をチェックする |
ドスパラの人気No.1ゲーミングPC「ガレリアXF」のAMD Ryzen版が「ガレリアAXF」です。基本的なスペックはXFと同じで、CPUをコスパに優れた第3世代Ryzenに変更したのが大きな違いになります。
AXFに採用されているRyzen 7はCore i7とおおむね同じ価格のCPUですが、処理性能はCore i7を超えてCore i9クラスに並ぶほどです。インテルCPUと比較してコストパフォーマンスが高いのは、言うまでもありません。
ゲーミングに重要なパーツ、グラフィックボードは「RTX 2070 Super 8GB」を搭載。RTX 2070 Superは、ほとんどのゲームを最高設定でも快適にプレイできるほど、パワフルな性能をもったグラフィックボードです。
ゲーミングモニターを使った高フレームレートなゲームプレイから、ゲーム録画配信や動画編集などの重たいクリエイティブタスクまで。20万円以下のPCとしては極めて高い性能を提供してくれるゲーミングPCになっています。
※メーカーに用意していただいた貸出機でガレリアAXFの検証レビューを進めていきます。
GALLERIA AXFを実機レビュー
外観とデザイン
GALLERIA AXFはガレリア専用(ATXサイズ対応)のPCケース「KTケース」を採用。マットブラック塗装の無骨なデザインに、剛性と耐衝撃性に優れた頑丈なPCケースです。
サイドパネル(側面)には大きめのメッシュ(通気口)が設けられており、最大140 mmのケースファンを取付可能。ただしカスタマイズからは選べないので、取り付けたい場合は自分で行う必要があります。
反対側には小さめのスリット(通気口)が設けられています。ドスパラいわく、マザーボードの熱を少しでも効率よくPCケース外に排出しようと工夫した結果、設けられたスリットとのこと。
背面はおおむねマットブラック塗装で、スタイリッシュな印象です。ただしインターフェイスパネルは塗装されていません。
インターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。
- USB 3.1 Gen1 x2
- PS/2
- Display Port
- HDMI
- USB 3.1 Gen1 x2
- USB 3.1 Gen2 Type-A x2
- WiFiアンテナ取付口
- USB 3.1 Gen1 x2
- LANポート
- オーディオ入出力
端子 | 解説 |
---|---|
WiFiアンテナ | WiFiモジュールを取付可能 |
USB 3.1 Gen1 | 約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeA | 約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeC | TypeAと違って、左右対称・小型なポート |
LANポート | ここにLANケーブルを挿すとネットにつながる |
オーディオ入出力 | 緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」 |
PS/2 | 超古いキーボードやマウスを使うための端子 |
HDMI | 最近のモニターなら大抵はついてる端子 |
Display Port | 値段が高めのモニターについてる端子 |
DVI-D | 安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた) |
D-Sub | 安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた) |
USBポートは全部で8個もあり、しかも8個すべてがUSB 3.1 Gen1以上(内2つがGen2)です。ポータブルSSDなど高速な外付けストレージも不便することなく使えます。
- Display Port
- Display Port
- HDMI
- Display Port
グラフィックボード側のコネクタは、最近のモニターでもっぱら主流になりつつある「HDMI」や「Display Port」を4つ備えます。一方で、DVI-DやD-Subといった少しレガシーな端子はありません。
使っているモニターにHDMIやDisplay Portがない場合は、変換コネクタなどが必要です。ただ、せっかく高性能なゲーミングPCを使うのなら、ゲーミングモニターを揃えてしまうのも良いと思います。
フロント側をチェック。「ガレリアらしい」ビシッとした直線的で無骨なデザイン。左右の斜めに入ったカットデザインは「日本刀」をイメージしたものらしいです。
フロントパネル側のインタフェースパネル(フロントパネル)は必要十分な内容です。電源ボタンの下に位置するGALLERIAロゴがカッコイイですね。
- USB 3.0
- USB 3.0
- SDカードスロット
- イヤホン入出力
- 再起動ボタン
- 電源ボタン
USBは合計2ポート。USB接続のヘッドセットやポータブルストレージを使う分には、問題なく足りるポート数です。SDカードスロットがあるのが地味に親切。
天面は完全な平面デザインになっていて、幅140 mmのメッシュ(通気口)が2つ用意されています。標準カスタマイズの時点で、すでに140 mmケースファンが1つ取り付け済みです。
天面が平面になっているおかげで収納スペースとして活用できます。ただし、エアフローがこもらないように、ケースファンを取り付けている側の通気口を遮らないよう注意が必要です。
底面をチェック。ケースの四隅に取り付けてある足は「インシュレーター」です。インシュレーターはケース自体の滑り止めとして機能し、更に振動を吸収して耐久性を高める効果もあります。
なお、底面のフロント側にあるスリットは外気を取り込むために用意されています。
取り込んだ外気は背面のケースファンから排出されます。ガレリアAXFのエアフローは標準構成のままでも、しっかりと一方通行になっているので特にファンを追加する必要はなさそうです。
中身とパーツをチェック
両側のサイドパネル(フタ)を開けて、ガレリアAXFの内部コンポーネントをレビューしていく。
配線は必要十分な範囲でまとめてあります。可動パーツに当たらないように配線してあり、ガチガチな裏配線や過剰な固定はされていません。
メンテナンス性を考慮すると、これくらい緩めの配線で問題ありません。「ガレリア」は初心者にも使いやすいPCを目指しているので、こういった配慮は嬉しいです。
反対側のサイドパネルを開くと、3.5インチベイ(HDDなどを格納する場所)にアクセスできるようになります。
HDDやSSDをセットする3.5インチベイと、サイドパネルの隙間は十分に余裕がありました。ストレージ類のコネクタに不要なストレスが掛かる心配はほとんど無いです。
マウントベイの空き状況は良好です。DVDドライブなどをセットする「5.25インチベイ」は3スロット。HDDやSSDを増設する「3.5インチベイ」は4スロットの空きがあります。
3.5インチベイはツールレス機構を採用しているので、プラスドライバなどの工具がなくても素手で取り出しが可能です。
フロントパネルは強めの力で引っ張るとカンタンに取り外し可能です。こちらから5.25インチベイにDVDドライブを挿し込んだり、120 mmケースファンを交換したりできます。
CPUクーラーはAMD純正の「Wraith Prism with RGB」を搭載。ファンの大きさは92 mmと小型ですが、最大105 Wの熱を処理できる冷却性能があります。
CPUクーラーの熱をすばやく運び出すために、CPUクーラーを取り囲むようにケースファンが設置されています。トップ側に140 mm、背面に120 mmのケースファンが最初から取り付け済みです。
ちなみに、AMD純正のCPUクーラーは何気にLEDライティング対応。周期的にレインボーカラーに点灯しています。
グラフィックボードは「RTX 2070 Super 8GB」です。今回のAXFに搭載されているのは「Palit Microsystems」製の外排気ファンモデルでした。
冷却性能そのものは、いわゆるファンが2つ付いているタイプのものより劣りますが、外排気ファンはPCケース内部に熱をほとんど残さないというメリットがあります。
ただ欲を言えば、ファンが2つ付いているデュアルファンモデルを搭載してほしいところです。
マザーボードは「ASRock X570 Phantom Gaming 4」が採用されていました。CPUの安定性にかかわるVRMフェーズを合計で10個備えているので、Ryzen 7 3700XくらいのCPUなら全く問題なく動作できます。
- PCI Express x16(グラボで使用済み)
- PCI Express x1
- PCI Express x16
- PCI Express x1
- M.2スロット(使用済み)
- M.2スロット
- SATA 3.0(空き5本)
- SATA 3.0(空き2本)
拡張性は十分にあります。M.2 SSDはあと1枚、HDDやSSDは最大であと7個まで増設が可能です。その他、USB拡張カードやサウンドカードを追加する余裕もあり、よほどのことがない限り不足しません。
スロット | 解説 |
---|---|
PCI Express x16 | グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x8 | ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x4 | LANカードやサウンドカードを増設できる |
PCI Express x1 | 主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う |
PCI スロット | ものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石) |
M.2 ソケット | M.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる |
SATA 3.0 | 主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う |
一番上のM.2スロットには、M.2 SSDが取り付け済み。パッと見た感じではKingston(チップは東芝)製のSSDですが、詳しい製品名などは不明です。
性能的には問題ないSSDではありますが、製品名が不明なSSDはやや不安です。個人的にはカスタマイズからわずか3400円で選べる「Samsung 860 EVO 500GB」や「Intel 545s 512GB」に変更することをオススメします。
搭載されている電源ユニットはSilverStone製(SST-ET650-B)でした。容量650 Wで、効率は80 Plus Bronzeを取得しています。レポートによれば最大87%の変換効率で、BronzeとSilverの中間くらいの性能です。
今回のガレリアAXFは100%の負荷を掛けたとしても、消費電力は350 Wをやや超える程度です。電源容量の650 Wに対して54%の負荷率なので、十分に余裕が確保されています。よって必要十分な電源ユニットです。
あえてカスタマイズする場合は、オウルテックの「AS-700」か、Seasonicの「SSR-750FX」をオススメします。
AS-700はFSP製の電源ユニットで、品質はそこそこに高い。電源容量が700 Wあり、効率も最大で91%に達するなど、全体的によくまとまっています。ガレリアAXFにとって非常に余裕のある電源です。
コスト度外視で更に信頼性を追求したい人には、SSR-750FXがベスト。Seasonic製の電源ユニットは品質のバラツキが少なく、経年劣化による性能低下が少ないという性質があります。予算に余裕があるなら、選んで損はしません。
ゲーミング性能を徹底検証
パーツチェックの次は、ガレリアAXFがゲーミングPCとしてどこまで優れた性能を発揮できるのか。詳しい動作検証を行います。
- 定番ベンチマークだけでなく
- 実際のゲームプレイで実測検証もする
直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチスコアよりも平均fpsの方がずっと重要です。
定番ベンチマーク
フルHD向けのベンチマークはオールクリアです。画面の大きさをWQHD(2560 x 1440)に引き上げてベンチマークを試してみても、問題なく快適な動作してしまいます。
というわけで基本的に「RTX 2070 Super 8GB」はパワフルです。次はベンチマークではなく、実際にゲームをプレイした場合の性能も見てみましょう。
フルHDゲーミングのfpsを実測
ゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。
GALLERIA AXFフルHD(1920 x 1080) / 最高設定 |
平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満
もっとも一般的なモニターの大きさである「フルHD(1920 x 1080)」では、軽めのゲームで平均144 fpsを大幅に超え200 fpsに迫るゲームも。重たいゲームでも平均60 fpsは余裕OKです。
フルHDのゲーミングモニター(144~240 Hz)を使用する予定なら、ガレリアAXFの性能があればまったく問題ありません。
GALLERIA AXFWQHD(2560 x 1440) / 最高設定 |
フルHDより一回り大きいWQHD(2560 x 1440)に引き上げてみても、FPSゲームは基本的に平均100 fpsオーバーで余裕です。重たいゲームはゲームによっては平均60 fpsに届きませんが、だいたい平均60 fpsをクリアします。
横長なワイドモニターでゲームする予定でも、ガレリアAXFなら十分にプレイできる性能です。
CPU性能とコンテンツ作成能力
ガレリアAXFに搭載されているCPUは「Ryzen 7 3700X」です。最大4.4 GHzで動作する8コア16スレッドのCPUなので、ゲーミング用途はもちろんこと、負荷の重たいクリエイティブタスクまで何にでも使えるパワフルな性能を期待できます。
まずは定番のCPUベンチマークから順番に検証してみましょう。
定番ベンチマーク
さすがに最新Ryzenの8コア16スレッド。性能は圧倒的で、価格がRyzen 7 3700Xより1ランク高いCore i9 9900Kと比較しても、おおむね遜色ないスコアを示しました。
動画エンコードの処理速度(x264)
過去ちもろぐでレビューを行ってきたゲーミングPCと、動画エンコード速度の比較をまとめてみると、価格が20万円を超える「ZZ」や「ZG」に追いつきそうな性能でした。
コストパフォーマンスは文句なしに優秀です。
レンダリング時間「Blender」
無料で使える有名なレンダリングソフト「Blender」にて、BMWプリセットを読み込んでレンダリングを行い、処理が終わるまでの時間を計測してみた。
Blenderの処理速度を比較
計測結果は2分56秒(176秒)で、ここ最近レビューしたゲーミングPCの中ではトップクラスの処理速度です。
画像編集「Photoshop CC」
クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。
マシン | GALLERIA AXF | GALLERIA XF |
---|---|---|
CPU | Ryzen 7 3700X | Core i7 8700 |
グラボ | RTX 2070 Super 8GB | RTX 2070 8GB |
メモリ | 16GB | 16GB |
総合スコア | 995.4 /1000 | 856.0 /1000 |
一般処理のスコア | 94.8 | 81.3 |
フィルタ系のスコア | 102.7 | 87.8 |
Photomergeのスコア | 102.7 | 89.8 |
GPUスコア | 105.2 | 93.0 |
同クラスのガレリアXFと比較してみると、AXFの方がPhotoshopの動作スピードはすべての処理において速いです。総合スコアはほぼ満点で、Photoshopを軽快に動かすことができます。
マシン | GALLERIA AXF | GALLERIA XF |
---|---|---|
CPU | Ryzen 7 3700X | Core i7 8700 |
GPU | RTX 2070 Super | RTX 2070 |
RAM | 16GB | 16GB |
総合スコア | 995.4 | 856 |
一般処理のスコア | 94.8 | 81.3 |
フィルタ系のスコア | 102.7 | 87.8 |
Photomergeのスコア | 102.7 | 89.8 |
GPUスコア | 105.2 | 93 |
テストの詳細結果 | ||
RAW画像の展開 | 3.38 | 4.17 |
500MBへのリサイズ | 1.4 | 1.39 |
回転 | 1.16 | 1.19 |
自動選択 | 10.29 | 12.73 |
マスク | 3.23 | 3.82 |
バケツ | 1.44 | 1.93 |
グラデーション | 0.37 | 0.38 |
塗りつぶし | 12.6 | 11.42 |
PSD保存 | 4.98 | 9.29 |
PSD展開 | 2.71 | 3.33 |
Camera Raw フィルタ | 5.71 | 6.17 |
レンズ補正フィルター | 16.33 | 16.61 |
ノイズ除去 | 16.31 | 21.39 |
スマートシャーペン | 16.38 | 23.62 |
フィールドぼかし | 14.98 | 15.62 |
チルトシフトぼかし | 13.96 | 15.08 |
虹彩絞りぼかし | 15.05 | 17.17 |
広角補正フィルター | 17.1 | 19.16 |
ゆがみツール(Liquify) | 8.55 | 11.31 |
Photomerge(2200万画素) | 78.77 | 87.64 |
Photomerge(4500万画素) | 101.75 | 119.4 |
※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。
ゲーム配信「OBS」
ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、ガレリアAXFの配信性能を検証します。
検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)の序盤1分を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。
検証は2パターン行います。CPUで録画配信をした場合(設定は4つ)と、グラボで録画配信をした場合(設定は2つ)の2パターンで、合計6つの設定です。
なお、ゲームプレイ時のフレームレートは144 fpsを上限に設定して、快適なゲームプレイと配信の両立ができるかどうかをチェックします。
OBSで録画と配信(144 fps制限) | ||||
---|---|---|---|---|
設定 | レンダリングラグ | エンコードラグ | 平均fps | |
CPUで | superfast | 5.5% | 0.0% | 121.9 fps |
veryfast | 2.9% | 0.0% | 116.4 fps | |
faster | 2.1% | 0.8% | 101.8 fps | |
fast | 8.3% | 0.0% | 121.7 fps | |
グラボで | Performance | 25.6% | 59.6% | 132.1 fps |
Quality | 29.1% | 72.1% | 132.7 fps |
CPUを使った録画配信は問題ないです。まれにカクつくシーンもありますが、おおむねスムーズな配信が出来ました。
ストレージ性能と詳細
ガレリアAXFの標準ストレージは「500GB SSD + 2TB HDD」です。搭載されているSSD / HDDの詳しい情報や、その性能を検証します。
SSDの製品名などは不明ですが、性能は非常に優秀です。読み込みは3472 MB/s、書き込みは2096 MB/sもあり、普通のSATA SSDより4~7倍も高速。案外カスタマイズせずにこのままでも良いとは思います。
ただ、個人的には製品の詳細が分からないSSDは信頼性に疑問があるので、予算に余裕があるなら「Samsung SSD 500GB」など。名の知れたメーカーのSSDをおすすめしておきます。
HDDはWestern Digitalの「WD Blue(WD20EZAZ)」が入っていました。読み込みは211 MB/s、書き込みが197 MB/sでした。それなりに速いですが、WD Blueはデータ保存用(倉庫)のHDDなので酷使はしないでください※。
※使用頻度の低いデータを入れて放置するような使い方に向いているアーカイブ用途のHDDなので、動画編集やゲーミングなど、頻繁にアクセスするような用途には向かないHDDです。
ドスパラさんに聞いたところ、今回のガレリアAXFに搭載されていた標準SSDはPhison製「PS5012-E12 512G」とのことです。内容としてはCFD販売の「CSSD-M2B05GPG2VN」とよく似たSSDで、いわゆる廉価シリーズに位置づけられるSSDになります。
書き込み耐性は公称値で800 TBW(512 GBモデルの場合)もあります。普通の使い方ではそう簡単に使い切れない寿命ですし、ゲーミング用途ならなおさら問題はないでしょう。こだわりが無ければカスタマイズせず、そのままでも良いです。(※個人的にはSamsungやIntel、WD(SanDisk東芝連合)といったSSDを作っているメーカーの製品をオススメしますが)。
エアフロー
サーモグラフィーカメラを使って「ガレリアAXF」の内部温度を撮影しました。フロントパネル側に吸気ファン、背面に排気ファンがあって、一方通行のエアフローが生成されています。
内部コンポーネントの温度
マザーボードのVRMフェーズ回路まわりの表面温度は、ゲーミング時で42~44℃でした。CPUクーラーがマザーボードに向かって風を吹き付けるため、特に冷えやすいです。これならパソコンが熱暴走を起こして不調をきたす可能性はほぼ0%と言えます。
電源ユニットの内部温度は、45~50℃前後です。やや暖かいですね。そう簡単には壊れないとは思いますが、予算に余裕があればカスタマイズからもう少し余裕のある電源ユニットに変えても構いません。
カスタマイズから約8000円追加で選べる「AS-700(FSP製)」にするだけで、内部温度はかなり変わります。ガレリアAXFは決して安いPCではないので、電源ユニットにお金を掛けて後悔することはないでしょう。
電源ユニットの中堅メーカーFSPが製造している「AURUM S」シリーズの700 Wモデルが「AS-700」です。独自のカスタムICチップを使うことでシンプルな設計で仕上げ、日本メーカー製の個体コンデンサや、長寿命なFDB(流体軸受)ファンを採用することで、信頼性と耐久性を高めています。
80 PLUS GOLD認証を取得していて、効率は最大91%です。ガレリアAXFが相手ならちょうど良い電源ユニットです。カスタマイズ代に見合った価値は間違いなくあります。
ゲーミング時の動作温度をチェック
ゲームにしてはCPUへの負荷が大きい「FINAL FANTASY XV」を実行している時に、CPUの温度を計測してみました。
Ryzen 7 3700Xの温度は最大68℃(平均56℃)でした。余裕です。
ちなみにゲーム配信や動画エンコードでは、80~82℃をうろうろとします。Ryzen 7 3700Xは温度が上がりすぎないように、自動的にクロック周波数を調整するため、思ったより温度が上昇しにくいです。
グラフィックボード(RTX 2070 Super 8GB)は、最大75℃(平均71℃)でした。余裕で冷えていて、動作に支障はありません。
静音性能を騒音計で検証
校正済みのデジタル騒音メーターを使って、ガレリアAXFの動作音(騒音レベル)を計測します。ケースパネルを閉じて、50 cmくらい距離をとって計測を行いました。
- PC起動前:31.4 dBA(極めて静か)
- アイドル時:34.6 dBA(静か)
- ゲーミング:40.5 dBA(普通)
それぞれの中央値(平均ではなく、真ん中に位置する数値)をまとめました。傾向として、ガレリアブランドは静音性には優れていないことが多いです※。コスパ重視で構成されるため、性能に関係ないパーツは安く済ませてあります。
しかし、今回のガレリアAXFはゲーム中もうるさいということはなく、割と「普通」な動作音です。扇風機を弱モードでつけた程度の音なので、特に問題ありません。ヘッドセットをつけてゲームをするなら、なおさら問題ないでしょう。
※過去のレビューに基づいた傾向です。稀にものすごく静かなガレリアもありましたが、個体差だと思われます。基本的には普通な動作音が多いです。
「GALLERIA AXF」レビューまとめ
- ゲーミングモニターは余裕でOK
- 横長なワイドモニターも行けます
- CPUとグラボともに冷却性能に問題なし
- とても余裕のある拡張性
- なめらかなゲーム配信と録画
- コストパフォーマンス優秀
- 「翌日出荷」に対応
- 動作音は普通
- 詳細が分からない標準SSD
ドスパラの人気No.1モデル「ガレリアXF」のAMD Ryzen版である「ガレリアAXF」は、コストパフォーマンスでXFを圧倒しています。ゲーム性能はわずかにXFより劣る場合もあるものの、それを補ってあまりある圧倒的なCPU性能が魅力的です。
ゲーミングモニターを使ったハイフレームレートなゲーミングから、フルHDの動画編集や高画質なゲーム配信まで、コスパ良く両立したいパワーユーザーに「ガレリアAXF」はピッタリ適任なゲーミングPCです。
もちろん、コストパフォーマンス重視で選ぶ人にもオススメです。ガレリアAXFの総合的な性能は、税込20万円以下のガレリアとしては最高の水準に達します。予算20万円でゲーミングPCを選ぶなら、AXFは少なくとも最高の選択肢のひとつです。
以上「ガレリアAXFをレビュー:20万円未満で最強のGALLERIA」でした。
他におすすめなガレリアは?
記事を書いた時点で、20万円以下では今回レビューした「ガレリアAXF」が最高スペック & 高コスパです。よって他におすすめなのは、20万を超えるさらなるハイエンドマシンか、予算を抑えたミドルクラスになります。
もっと予算を抑えてゲーミングモニターで快適にプレイしたい人向けは「ガレリアRV5」です。AXFと比較して、グラボとCPUがそれぞれ1ランク下になりますが、性能は価格に対して十分満足できるレベル。
大画面の4Kモニターで快適なゲームプレイを予定しているなら、RTX 2080 Ti搭載の「ガレリアZZ(9900KF)」がベスト。なお、ZZのRyzen版にあたる「AZ」は、スペックがまだ未成熟なのでオススメしません。
ベンチマークのFireStrikeとTimeSpyの画像が逆です。
PS5が発売された暁には同程度のスペックのPCだとどんなパーツでいくらくらいになるのかという記事も見てみたいです!
こんばんは、夜分遅くに失礼いたします。
WD Blueは動画編集に向かない、とありますが…
構成変更で変えられる中でどれが動画編集向きのHDDになりますでしょうか…
容量多めな物があるにはあるのですが…迷っておりまして…
そうですね~ガレリアの場合は、自分で後から買ってきて増設した方が確実です。動画編集で使うなら、WD Ultrastar HC310(自分はこれを使ってます)や、WD Goldあたりが安心です。
WD Blue、Redや、Seagate Barracuda、Ironwolfは…酷使するには不安なHDDですね。
なるほど…!
ありがとうございます!
はじめまして。初心者なので変な質問をしてしまったら申し訳ないのですが、
OBSによる録画と配信をグラボで行った場合、ガリレアXFに比べてレンダリングラグやエンコードラグが大きくなるのはなぜでしょうか?
RyzenのCPUとOBSの相性が良くないことも原因の一つなのでしょうか?
動画編集などをするためRyzen7 3700xは魅力的ですが、配信もするのでこの点が気になりました。
お返事いただけましたら幸いです。
多分、検証を行った時のNVIDIAドライバーのバージョンや、OBS側のバージョンが違った可能性があります(※レビューは時間差ありますので…)。
なるほど!だとすると、CPUによる影響だとは考えにくいということでしょうか?
グラボが外排気モデルじゃなかったら最高なのになぁ…本当に惜しい。
エアフロー的に外排気じゃないとダメだったんでしょうかね…?
時期によってはPalitの内排気モデルが入ってたりするので、なんとかしてほしいところですね…。以前はハイエンドモデル限定で、カスタマイズから選べた頃もあったのですが、最近は選択肢があったり無かったりです。
ゲーミングPC購入を考えている初心者ですが、データやコメントが豊富で大変参考にさせていただいております
カスタマイズについてですが、以前に書かれているXFの推奨カスタマイズをそのまま当てはめて考えても問題ないでしょうか?
また、やかもちさんの書いたAXFとXFに的を絞ったガチ比較記事を読んでみたいので、自分以外にも需要がありそうでしたら、是非ご検討いただけると幸甚です
ガレリアAVはグラフィックが2060superになってマザーがb450になったモデルですが、メモリ16Gカスタムで16万円ほどでした。
今後のアップグレードを視野にこちらを検討しているのですが、注意点などありますでしょうか?
アップグレードを視野に入れると、X570マザーボードの方が安心感はあります。
ですが、B450でもグラフィックボードの交換や、各種インターフェースカード(例:USBポート増設やサウンドカードなど)の追加に対応できるので、よほど大規模なアップグレードをしない限りは大丈夫です。
ありがとうございます。
グラボが外排気である点だけが気になるのですが、筆者さんがレビューした限りで「やっぱり内排気の方がいいなあ」と感じた点などはありますか?
今まで内排気のグラボしか使ったことがないため、外排気に対しよく言われる騒音や冷却性能に対して不安があります。
そこまで心配する必要ないですかね?
PCケースが小さいなら外排気の方がかえって冷える場合はありますが、ガレリアAXFのようなミドルタワーケースなら、内排気の方がいいなあと感じます。やっぱり、冷却性能そのものは内排気の方が(理論上は)優秀ですので。
ただ、今回レビューしたガレリアAXFは意外にもノイズがとても少なく、過去のガレリアで計測してきた騒音値の平均値を下回る結果でした。温度も75~80℃に抑えられているし、実用上は特に問題がないです。
オーバークロックするなら話は変わってきますが、定格クロックで使うなら、そこまで心配する必要ないかと。
ふと気になったのですが、内排気グラボと外排気グラボで寿命に差があったりはしますか?機構や冷却性能の違いによって差が生じそうな気もしますが…。
返信ありがとうございます。
個体差もあるとは思いますが、OCはする予定ないので大丈夫そうですですね。
それと一応CPUファンは虎徹MarkⅡにしておきました。
(まあ外排気グラボはケース内に熱を出さないみたいなのでどれだけ意味があるか分かりませんが…。)
質問失礼します。私はこちらのGALLERIA AXFの購入を検討しているのですが、構成内容の変更に頭を抱えている状態です。色々自分で調べてはみたのですが、結局どうすればよいのかわかりませんでした。丸投げ状態で申し訳ないのですが、よろしければ構成内容についてやかもちさんのご意見を頂けないでしょうか。初心者の自分の意見としては、SSDは1TBあった方がよいのではないかと思っています。そこも含め、やかもちさんのご意見を頂ければ幸いです。PCの主な用途としてはApex LegendsやCSGO、その他ゲームをしています。お忙しいとは思いますが、何卒宜しくお願い致します。
SSDは1TBほしいですね。最近のゲームは、ゲーム1本で100 GBも使う場合があります。
2つ質問させてください。
・AXFの商品ページへ行ったところ在庫切れとなっていたのですが、別の商品がほぼ同じ構成、むしろHDDがなくAXFより割高になっているのですが(https://www.dospara.co.jp/5sp/shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=30&mc=9407&sn=4219)、何か事情などあったりするのでしょうか?パーツの流通事情等は詳しくないので、ただ値上がりしてHDDも外されたものを買わされているのでは、と思ってしまい質問させていただきました。
・上記の通りAXFが在庫切れの今、同程度の価格・スペックを求める場合、こちら(https://www.dospara.co.jp/5sp/shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=30&ft=&mc=9373&sn=0)がベストでしょうか?ryzen第4世代が近いとも聞きますし、待つのも択のうちでしょうか
長くなってすみません。
こちらですかね?
ドスパラさん、最近は方針転換というか、利益率改善のために色々と施策をやっているみたいですね。
残念ながら価格が上がったのは、新型PCケースのコスト増を吸収するためでしょう・・・。個人的にも、今のドスパラの方針転換にはガッカリしてます。
というわけで、同スペック比較だと今はフロンティアの方がコスパ強い状況です。
もちろん、時間に余裕があるなら、次の第4世代Ryzenを待ってもいいし、7月中に出る予定のRenoir世代(Zen2ベースのAPU)を見てからでも遅くはないかと。
回答ありがとうございます
ケースですか、、、自分としてはそんな所にお金かけた結果値上げされたらたまったもんじゃないって感じです、、、
フロンティア、いいですね!検討してみます。ありがとうございました┏●
コメント失礼致します。いつも楽しくサイトを拝見させて頂いております。
やかもち様に1点ご質問があるのですがお手すきの時に、お返事を頂けたらと存じます。ゲーミングPC購入の検討をしているのですが、アドバイスやオススメ等頂けないでしょうか?m(_ _)m
Overwatch を乱戦時でも常時FPS300(設定は全て「低」「OFF」「レンダースケール75%」の最パフォーマンスの設定)を維持出来るレベルのハイエンドPCを購入したいのですが、やかもち様オススメのガレリアXFやAXFのレビューを拝見させて頂いた所、最高設定でも平均フレームレートが200を超えていたのでこのPCなら間違いないと思って購入しようと思ったのですが売り切れてしまい非常に残念です。
https://www.frontier-direct.jp/sp/sale/index.html
今ですと上記のURLでフロンティアがセール等を行っており上記ガレリアモデルと非常に似た構成となっていますので、「こいつなら買っておいて間違いないよ!」という様なシリーズがあったら是非教えて頂けないでしょうか><;?