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ガレリアZTを実機レビュー:軽い配信もOKな満足度の高いマシン

ドスパラの人気No.2モデル「ガレリアXT」の上位モデルに位置づけられるのが「ガレリアZT」です。8コアの最新Core i7と標準で16 GBのメモリを搭載するのが魅力な、満足度の高い構成が特徴。

本記事では「ガレリアZT」の中身と性能を詳しくレビューします。

【追記】ガレリアはリニューアルしました !!

本記事の「ガレリアZT」は2020年7月に販売を終了しました。

現在はリニューアルモデルの新ガレリアにラインナップが統合されているので、最新のガレリアレビューは↑こちらの記事を見てください。

GALLERIA ZTのスペックと概要

「GALLERIA ZT」レビューまとめ
GALLERIA ZT
スペック標準仕様推奨カスタマイズ
CPUCore i7 9700K
冷却静音パックまんぞくコースグリス:Thermal Grizzly製グリス
※120mm中型空冷ファン
グラボGTX 1660 Ti 6GB※2スロット占有の内排気 / OCモデル採用
メモリDDR4-2666 8GB x2(合計16GB)
マザーボードIntel Z390搭載 ATX規格
SSD500GB
HDD2TB
ドライブ
電源650W 静音電源??? / 80+ Bronze認証
OSWindows 10 Home 64bit
保証1年間 / 持込修理保証
参考価格169980円(税抜き)最新価格をチェックする
スペック表は2019/03時点の製品ページに基いてまとめたので、最新のスペックは公式サイトで確認するようにしてください。

「ガレリアZT」は基本的にガレリアXTの上位モデルであり、価格設定がやや高くなっている分だけ最初から標準スペックが充実しています。

CPUにインテル第9世代のCore i7 9700K(8コア)を搭載して配信などの重たいタスクに対応し、メモリも8 GBではなく16 GB搭載。電源も500Wから650Wに強化など。

全体的に「余裕」のあるスペック構成に仕上がっています。ではスペック解説はこれくらいにして、実際にガレリアZTのレビューと検証を行っていく。

以下より「ガレリアZT」を徹底的にレビューしていくので、内部パーツはどうなっているか、実際の性能はどんなものなのか。全部見ていっていいし、気になるところだけつまみ食いしてもOKです。

GALLERIA ZTを実機レビュー

開封 & 付属品をチェック

ガレリアZTを開封レビュー

いつも通り、ガレリアの梱包はしっかりしている。PC本体は厚さ10cmを超える分厚い梱包材でハンバーグ状態にされていて、隙間には付属品ボックスを挟んで梱包材としての機能を増やしている。

ガレリアZTを開封レビュー

内容物はがっつり梱包された「ガレリアZT」本体と、付属品ボックスの2つ。

ガレリアZTの付属品

付属品ボックスを開封。

ガレリアZTの付属品

付属品を取り出すと、ザックリと4種類ありました。

  1. 電源ケーブル
  2. GALLERIA専用キーボード
  3. 各種ドライバディスク
  4. GALLERIA専用マウス

ただし、通常はキーボードとマウスは付属せず※、説明書やLFS池袋のチケットなどが付属します。

※本機はドスパラからお借りしたサンプル版なのでキーボードとマウスが付属していますが、通常のガレリアZTには付属しません。

  • セットアップガイド(説明書)

規定枚数がなくなり次第終了ですが、ガレリアZTにはeSports施設「LFS池袋」を24時間無料で体験できるペアチケットが付属するとのこと。15000円相当のチケットなので、お得感はありますね。

付属するセットアップガイド(説明書)は初心者にも分かりやすく書いてあるので、どのケーブルをどこに挿し込めば良いのか、Windowsの初期設定はどうすれば良いのか?

などの基本的なことで迷う心配は無し。もっと踏み込んだ設定を知りたい方は、筆者の「ゲーミングPCを買ったら最初にするべき初期設定まとめ」をどうぞ。

外観とデザイン

ガレリアZTの外観レビュー

外観とデザインをチェックしていきます。ガレリアのマットブラックで無骨なデザインなケースは「KTケース」というモノ。剛性と耐衝撃性がとても高い頑丈なケースです。

サイドパネルの大きいメッシュ(通気口)は、最大140mmのケースファンを2個取り付け可能。上側はCPUファンと干渉しそうなので下部に取付けることをおすすめします。

ただし、ガレリアは標準カスタマイズでも必要十分なエアフローを確保してあるため、あえてカスタマイズでファンを追加する必要はない。必要性を感じたらセルフ増設で良い。

ガレリアZTの外観レビュー

反対側も見てみましょう。

特にケースファンの取付口はなく、CPUの真裏に位置する部分にスリット(通気口)が用意されているのみ。わずかにCPU周辺が冷えやすくなります。

ガレリアZTの外観レビュー

背面は全体的にマットブラックな塗装を施してあります。

ガレリアZTの外観レビュー

背面のインターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。

  1. WiFiアンテナ取付口
  2. USB 3.1 Gen1 x2
  3. PS/2
  4. DVI-D
  5. D-Sub
  6. HDMI
  7. USB 3.1 Gen2(TypeC) x1
  8. USB 3.1 Gen2(TypeA) x1
  9. USB 2.0 x2
  10. LANポート
  11. オーディオ入出力
端子解説
WiFiアンテナWiFiモジュールを取付可能
USB 3.1 Gen1約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート
USB 3.1 Gen2 TypeA約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート
USB 3.1 Gen2 TypeCTypeAと違って、左右対称・小型なポート
LANポートここにLANケーブルを挿すとネットにつながる
オーディオ入出力緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」
PS/2超古いキーボードやマウスを使うための端子
HDMI最近のモニターなら大抵はついてる端子
Display Port値段が高めのモニターについてる端子
DVI-D安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた)
D-Sub安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた)

USBポートは全部で6個。USB 3.1以上のポートは4個あるので、ポータブルSSDなどの高速ストレージを不便なく使いこなせます。有線LANポートはIntel製で高い安定性を実現する。

ガレリアZTの外観レビュー
  1. DVI-D
  2. HDMI
  3. Display Port

グラフィックボードの端子は最近のグラボでは珍しく感じる「DVI-D」に、「HDMI」「Display Port」で合計3つあります。最大で3画面なので、それほど不便はしないはず。

ガレリアZTの外観レビュー

フロント側はビシッとしたデザインに仕上がっています。マットブラック塗装で、左右の斜めになったエッジ形状は「日本刀」をイメージしたモノらしいです。

ガレリアZTの外観レビュー

フロントパネル側のインタフェースパネル(フロントパネル)をチェック。必要十分な内容だと思います。電源ボタンの下に位置するGALLERIAロゴがカッコイイ。

  1. USB 3.1 Gen1 x2
  2. SDカードスロット
  3. イヤホン入出力
  4. 再起動ボタン
  5. 電源ボタン

USBは合計2ポート。USB接続のヘッドセットやポータブルストレージを使う分には、問題なく足りるポート数です。SDカードスロットがあるのが地味に親切。

ガレリアZTの外観レビュー

なお、フロントパネルは下にあるスリットから引っ張り上げると簡単に取り外し可能です。ここから5.25インチのマウントベイにアクセスできます。

それと見ての通り、120mmのケースファンも取り付け済みでした。

ガレリアZTの外観レビュー

完全に平面なので「収納スペース」になります

天面には140mmのケースファンを取付可能なスリットが2個あります。ガレリアZTは標準カスタマイズではファンが取り付けられていないため、収納スペースとして利用可能。

ガレリアZTの外観レビュー

底面もチェック。ケースの四隅に取り付けてある足は「インシュレーター」で、ケース自体の滑り止めとして機能し、更に振動を吸収して耐久性を高める効果もあります。

ガレリアZTの外観レビュー

ガレリアZTのエアフローは標準のままでも十分です。フロントパネルの底から外気を取り込み、背面のケースファンで排気するという一方通行の流れになっています。

中身とパーツをチェック

両側のサイドパネル(フタ)を開けて、ガレリアZTの内部コンポーネントをレビューしていく。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

配線は必要十分な範囲でまとめてあります。可動パーツに当たらないように配線してあり、ガチガチな裏配線や過剰な固定はされていません。

これはメンテナンス性を考慮してのこと。あまりガチガチに配線されると後から面倒だったりするので、初心者でも使いやすいを目指す「ガレリア」なりの配慮ですね。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

反対側のサイドパネルからは、ストレージの配線にアクセス可能です。裏配線のスペースは狭いですが、マウントベイ周辺は余裕あり。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

ストレージの配線はここから。スペースは十分に確保されていて、無理なくストレージとの配線が可能です。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

各種マウントベイは空きがたくさんあります。DVDドライブなどをセットする「5.25インチベイ」は4スロット

ガレリアZTの内部パーツをチェック

SSDやHDDをセットする「3.5インチベイ」も同じく4スロット。拡張性はとても高いです。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

3.5インチベイは引き出し式で、指でつまんで引っ張るだけで取り出し可能。ツールフリーのHDD・SSD増設ができるため、メンテナンス性が非常に優秀。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

CPUクーラーはドスパラが「静音パックまんぞくコース」と名付けている、DeepCool製の120mm空冷ファンを搭載。ゲーム用途としては十分な冷却性能があります。

その背後に位置するのは120mmケースファンで、CPUクーラーの排熱を素早くケースの外側へ排出する構造です。必要最低限のエアフローが揃ってます。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

グラフィックボードはドスパラ御用達のGPUベンダー「Palit Microsystems」が製造している「GTX 1660 Ti STORMX OC」を搭載します。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

長さ168mmで超コンパクト

120mm径の内排気ファンを1つだけ装備するショート基板モデルで、とにかくコンパクト。しかし小さいからと言って性能をほとんど妥協していないのが大きな強み。

GTX 1660 Tiは定格だと1770 MHzで、ガレリアZTに搭載されているGTX 1660 Tiは1815 MHz(+45 MHz)にオーバークロック済み。そこそこ性能も優秀です。

ガレリアZTの内部パーツをチェック

マザーボードは「ASRock Z390 Phantom Gaming 4」を採用。VRMフェーズを10個搭載する、堅牢性に優れたASRock製のミドルクラスマザーボードです。

  1. PCI Express x1
  2. PCI Express x16(グラボで使用済み)
  3. PCI Express x1
  4. PCI Express x16
  5. PCI Express x1
  6. M.2ソケット(SSDで使用済み)
  7. M.2ソケット
  8. SATA 3.0(空き2本)
  9. SATA 3.0(空き2本)

拡張性は余裕の内容でした。これだけあれば、サウンドカードの増設も可能ですし、SSDやHDDも最大で4~5個は増やせます。問題なし。

スロット解説
PCI Express x16グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる
PCI Express x8ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる
PCI Express x4LANカードやサウンドカードを増設できる
PCI Express x1主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う
PCI スロットものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石)
M.2 ソケットM.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる
SATA 3.0主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う
ガレリアZTの内部パーツをチェック

ガレリアZTに標準で搭載される電源ユニットは、おそらくその時その時の在庫状況によって変わる※と思いますが、参考までに「今回の」ガレリアZTに搭載されている電源をチェック。

入っていたのはSilverStoneの「SST-ET650-B」。台湾Sirtecが製造している電源で、品質は無難。容量650WでガレリアZTの消費電力に対して十分な余裕があるため、運用上の問題は特に無い。

スリーブベアリング軸の120mm径ファンが搭載されていて、動作音は意外と静かでした。ガレリアZTの負荷なら問題なく使える電源ユニットでしょう。

※過去のレビューの傾向では「DELTA」製の電源ユニットが多いです。DELTAは世界最大のシェアを誇るOEM主体の巨大メーカーです。

ゲーミング性能を徹底検証

ガレリアZTの内部パーツをチェック

外観 & 中身チェックの次は、ガレリアZTがゲーミングPCとしてどれくらい仕事を果たせるのか。「ちもろぐ」では定番ベンチマークだけでなく、実際にゲームを動かして動作検証を行います。

  • 定番ベンチマークに加えて
  • 実際にゲーミングの実測検証を行う

直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチの点数より、平均fpsの方がずっと重要です。

では、まずは定番ベンチマークから行きます。

定番ベンチマーク

ベンチマーク結果画像
3DMarkFireStrike14778総合 : 16568 / 上位24%
3DMark
TimeSpy
6248
総合 : 6439 / 上位40%
FINAL FANTASY 14紅蓮のリベレーター : 1920×108015505
評価 : 非常に快適
Final Fantasy XVベンチマーク : 1920×10806269
評価 : 快適
BIOHAZARD 624105
ランク : S(快適)
PSO 2PHANTASY STAR ONLINE 264097
評価 : 快適
モンスターハンターフロンティア33699
評価 : 快適
SteamVR10.9点
生成フレーム : 12158
UnigineHeaven Benchmark1969
平均fps : 78.2

フルHD向けのベンチマークは一通り快適なスコアです。GTX 1660 Tiは従来のGTX 1070に匹敵する性能を発揮するので、動かないゲームはほとんどありません。

初心者もち
フルHDモニターで遊ぶなら余裕そうね~。
やかもち
GTX 1660 TiはフルHD向けグラボの覇権ですから。

フルHDゲーミングのfpsを実測

計測は原則としてゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして、記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。

ガレリアZTのゲーミング性能を検証GALLERIA ZTフルHD(1920 x 1080) / 最高設定
  • Apex Legends
    109.3 fps
  • Call of Duty : BO4
    122.8 fps
  • CS:GO
    265.8 fps
  • Overwatch
    149.9 fps
  • PUBG
    118.1 fps
  • Rainbow Six Siege
    146.4 fps
  • Dead by Daylight
    61.9 fps
  • DOOM
    128.6 fps
  • Deus EX : Mankind Devided
    67.3 fps
  • Fallout 4
    125.4 fps
  • Grand Theft Auto V
    89.4 fps
  • Monster Hunter World
    63.6 fps
  • NieR : AutomatA
    57.7 fps
  • Rise of the Tomb Raider
    84.8 fps
  • Watch Dogs 2
    57.4 fps
  • Witcher 3
    57.3 fps
  • 黒い砂漠
    81.4 fps
  • Unigine Heaven
    78.2 fps
  • 平均フレームレート
    103.6 fps

平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満

ゲーマーにもっとも人気のある「フルHD」(1920 x 1080)解像度では、平均で103.6 fpsと問題ない動作。FPS系のゲームも軽々と100 fps以上で動作しています。

ゲーミングモニターを使うのに十分な性能があり、多くのゲーマーにとって満足できる性能です。

WQHDゲーミングのfpsを実測

ガレリアZTのゲーミング性能を検証GALLERIA ZTWQHD(2560 x 1440) / 最高設定
  • Apex Legends
    78.5 fps
  • Call of Duty : BO4
    83.7 fps
  • CS:GO
    255.2 fps
  • Overwatch
    98.8 fps
  • PUBG
    80.0 fps
  • Rainbow Six Siege
    90.9 fps
  • DOOM
    122.6 fps
  • Deus EX : Mankind Devided
    41.4 fps
  • Fallout 4
    85.1 fps
  • Grand Theft Auto V
    86.5 fps
  • Monster Hunter World
    42.0 fps
  • NieR : AutomatA
    47.4 fps
  • Rise of the Tomb Raider
    60.9 fps
  • Watch Dogs 2
    44.8 fps
  • Witcher 3
    49.6 fps
  • 黒い砂漠
    53.6 fps
  • 平均フレームレート
    82.6 fps

平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満

フルHDより一回り大きいWQHD(2560 x 1440)解像度では2割くらい性能が下がりましたが、検証した半数のタイトルで平均60 fps以上をキープしました。

アクペクト比が21:9の横長なモニターも問題なく使えます。

CPU性能とコンテンツ作成能力

ガレリアZTには「Core i7 9700K」と16 GBメモリが搭載されているため、クリエイティブなタスクに対する処理性能にも期待できます。まずは定番ベンチマークから検証。

定番ベンチマーク

ベンチマーク結果画像
Cinebench R15シングルスレッド性能208 cb
Cinebench R15マルチスレッド性能1529 cb
CPU-Zシングルスレッド性能552.1ガレリアZTをベンチマークで検証
CPU-Zマルチスレッド性能4194.8
Geekbench 4シングルスレッド性能5989
Geekbench 4マルチスレッド性能28525
PCMark 8Home / 日常的なアプリ5003上位9%ガレリアZTをベンチマークで検証
PCMark 8Creative / 写真や動画編集7922上位6%ガレリアZTをベンチマークで検証
PCMark 8Work / オフィスワーク5423上位5%ガレリアZTの動作温度
x264 Handbrake平均処理フレーム数96.45 fpsガレリアZTをベンチマークで検証
x265 Handbrake平均処理フレーム数54.19 fpsガレリアZTをベンチマークで検証
7-Zip / 圧縮38695 MIPSガレリアZTをベンチマークで検証
7-Zip / 解凍36489 MIPS
Mozilla Kraken 1.1Webアプリの処理速度739.9 msガレリアZTをベンチマークで検証

さすがに8コア & 4.6 GHzのCPUです。シングルスレッド性能が非常に高速なので、あらゆるタスクに対して一貫して安定したパフォーマンスを期待できます。

マルチスレッド性能も6コアのCore i7 8700Kより約1割ほど速くなっていて、AviutlやHandbrakeでの動画エンコードや画質を落としたゲーム配信といったタスクも可能。

一方で4K動画編集や、高画質なリアルタイムゲーム配信だと力不足。もっと重たいタスクを検討しているなら、Core i9 9900Kを搭載する「ガレリアZZ」をおすすめします。

動画エンコードの処理速度(x264)

ちもろぐでレビューしてきた過去のゲーミングPCとエンコード速度を比較してまとめた。ガレリアZTのエンコード速度は、Ryzen 7 2700Xに匹敵する驚きの速さに位置します。

レンダリング時間「Blender」

ガレリアZTをベンチマークで検証

無料で使える有名なレンダリングソフト「Blender」にて、BMWプリセットを読み込んでレンダリングを行い、処理が終わるまでの時間を計測してみた。

  • 5分05秒(305秒)

ほぼ5分を記録しました。

Blenderの処理速度を比較

比較するとこの通り。Core i7 8700より少なくとも1割、最大で2割ほど高速です。6コアから8コアに増えた恩恵はやはり大きい。

画像編集「Photoshop CC」

クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。

マシンGALLERIA ZTGALLERIA XV
CPUCore i7 9700KCore i7 8700
GPUGTX 1660 TiGTX 1070 Ti
RAM16GB16GB
総合スコア937.4924.0
一般処理のスコア83.883.6
フィルタ系のスコア98.6102.7
Photomergeのスコア103.989.4
GPUスコア98.299.5
テストの詳細結果
RAW画像の展開4.143.37
500MBへのリサイズ1.581.45
回転0.921.06
自動選択11.8713.21
マスク3.583.52
バケツ1.912.02
グラデーション0.370.41
塗りつぶし15.811.59
PSD保存9.58.07
PSD展開2.542.87
Camera Raw フィルタ5.535.61
レンズ補正フィルター15.2915.64
ノイズ除去18.0119.58
スマートシャーペン18.9821.26
フィールドぼかし15.1214.44
チルトシフトぼかし14.3313.51
虹彩絞りぼかし15.5415.63
広角補正フィルター18.7716.23
ゆがみツール(Liquify)8.866.65
Photomerge(2200万画素)76.1991.72
Photomerge(4500万画素)102.63115.46

スペック的に近い「ガレリアXV」を比較表にまとめた。PhotoshopはとてもCPU依存なソフトですので、高速化したCore i7 9700Kによって上位マシン並の処理速度を実現する。

なお、このテストは1000点前後が満点になるため、ガレリアZTの937.4点というスコアは非常に速い位置づけです。

ゲーム配信「OBS」

ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、ガレリアZTの配信性能を検証します。

OBSの設定画面

検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。

なお、検証には4種類の設定を使いました。「superfast(超軽い)」「veryfast(軽い)」「faster(やや軽い)」「fast(普通)」の4つです。「medium」以上は重すぎるので原則検証しません。

ドロップフレーム率(約3500フレーム中)

  • fast
    59.6 %
  • faster
    43.9 %
  • veryfast
    0.2 %
  • superfast
    0.1 %

faster以上の設定だと約4~6割のフレームが欠落してしまったため、高画質なゲーム配信は難しいです。veryfast以下なら安定しているので、軽い配信はOKですね。

初心者もち
FPS系のゲーム配信なら「veryfast」で十分なもんなのかな?
やかもち
Stylish Noob氏も配信中の画質にはそれほどこだわっていないですし、十分実用的だと思ってます。

ストレージ性能と詳細

ガレリアZTの標準ストレージは「500GB SSD + 2TB HDD※」です。搭載されているSSD / HDDの詳しい情報や、その性能を検証する。

ストレージSSDHDD
詳細情報ガレリアZTをベンチマークで検証ガレリアZTをベンチマークで検証
ベンチマークガレリアZTをベンチマークで検証ガレリアZTをベンチマークで検証

SSDの詳細は不明でした。Crystal Disk Infoでも情報が出てこないということは、極めて新しいSSDが搭載されているようです。性能はごく普通のSATA SSDなのでゲーム用途に問題なし

HDDは東芝製の「DT01ACA300」が採用されています。7200回転の3TB HDDで、読み書き速度はともに非常に高速。ベンチマークでは200 MB/s近い速度を叩き出しました。

データ保存用やゲーム用に使えます(もちろん、ロード時間の遅さを考えるとゲームはSSDに入れるべきです)。

※本レビューのガレリアZTには3TB HDDが搭載されていますが、標準カスタマイズは原則「2TB HDD」です。

エアフロー

ガレリアZTの発熱をサーモグラフィーで撮影

サーモグラフィーカメラを使って「ガレリアZT」の内部温度を撮影しました。グラボ周辺と、背面側に熱が偏っていますね。

ガレリアZTの発熱をサーモグラフィーで撮影

角度を変えて撮影するとエアフローはある程度一貫して流れており、ガレリアZTのエアフロー設計に大きな問題はありません。あえて言うと…天面にも1つケースファンがあると嬉しいくらい。

内部コンポーネントの温度

ガレリアZTの発熱をサーモグラフィーで撮影

SilverStoneの電源ユニットは「SST-ET650-B」の内部温度はゲーミング時に36℃ほどで、それなりに落ち着いた動作です。ガレリアZTの負荷くらいなら特に問題なさそうですね。

ゲーミング時の動作温度をチェック

CPUへの負荷が意外と多いFF15のベンチマークを実行して、MSI Afterburnerを使ってCPU温度を計測しました。

ガレリアZTの動作温度

最大で68℃、平均52℃でとても安定したCPU温度です。Core i7 9700Kは「静音パックまんぞくコース」(120mm空冷ファン)で十分に冷やせています。

ガレリアZTの動作温度

グラフィックボードの温度は最大68℃、平均65℃でした。シングルファンのコンパクト型グラボで、更にオーバークロックまで施されているのに…意外と冷えていて驚きです。

Palit製「GTX 1660 Ti STORMX OC」は安心して使えるグラボです。

静音性能を騒音計で検証

ガレリアZTの静音性(騒音レベル)をチェック

デジタル騒音メーターで、ガレリアZTの動作音(騒音レベル)を計測しました。

  • PC起動前:40.9 dBA(極めて静か)
  • アイドル時:43.9 dBA(やや静か)
  • ゲーミング時:46.3 dBA(普通)

過去のレビューの傾向では、基本的にガレリアの標準カスタマイズで搭載されているケースファンはそれほど静かではありません。

今回のガレリアZTの例外にもれず、いつも通りのガレリアらしい騒音レベルを計測しています。アイドル時はほぼ気になりませんが、ゲーミング時は少々聞こえます。

ケースのフタを閉じて1.0~1.5mくらい距離をとるなら問題のない動作音です。ヘッドセットを付けてゲームをするなら全く問題になりません。

静音性を重視する人は、ドスパラのカスタマイズで山洋電気製のケースファンに取り替えるか、Amazonなどで「Noctua」ブランドのファンを購入してセルフ交換がおすすめです。

「GALLERIA ZT」レビューまとめ

「GALLERIA ZT」レビューまとめ
GALLERIA ZT

CREATVEマルチタスク性能93/100

GAMINGゲーミング性能83/100

SILENCE静音性77/100

EXTENSION拡張性93/100

COSTコストパフォーマンス85/100

87
RANK:S
PROSメリットと強み
  • ゲーミングモニターは使えます
  • 高速8コアで十分なCPU性能
  • 軽いゲーム配信もOK
  • 余裕のある拡張性
  • 小型でパワフルなPalit製グラボ
  • 妥当なコストパフォーマンス
  • 「翌日出荷」に対応
CONSデメリットと弱み
  • ごく標準的な動作音
  • 高画質な配信には力不足
  • 4Kゲーミングはキツイ
CONCLUSIONGALLERIA ZT / レビューまとめ

総合的によくまとまっている優秀なゲーミングマシンです。4.6 GHzで動作する高速な8コアCPUのおかげであらゆるタスクに対して高効率で性能を発揮しますし、軽いゲーム配信にすら耐えるだけの余裕があります。

ゲーミング性能はフルHDゲーミングならほとんど敵なしで、ゲーミングモニターも問題なく使っていい性能です。WQHDや横長モニターでも、ある程度の安定した動作を実現します。まず動かないゲームは無いでしょう。

標準価格は人気No.2の「XT」と比較すると見劣りするものの、上位版の「ZT」は特にカスタマイズをしなくても問題のないスペックにしあがっている点が最大のメリット。

「そのままでOK」なので、手っ取り早くゲームからマルチタスクまで不便しないマシンが欲しい人にとてもオススメちょっと奮発して満足度の高いPCを求めているなら、ぜひ手にとって見て欲しいです。

以上「ガレリアZTを実機レビュー:軽い配信もOKな満足度の高いマシン」でした。

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5 件のコメント

  • 9700kのOBS配信時のドロップ率とかプリセットごとに検証してくれるのホントマジありがてえ・・・

  • ASUS Zenboon 13
    (型番:UX331UN)
    10万円でi5-8250U、MX150、8GBメモリー、256GB SSD(Micron 1100でした)、指紋認証、herman/Kardon認定のスピーカー(っていうかサウンドカードからなかなか良かったです)、13.3インチフルHDディスプレイ(ハーフグレア)、1kg台など……
    超コスパ良きです!!!!レビューしてみてはいかがですか…?

  • 面白い構成ですね
    普通のモニターで遊びたい人、ちょっとクリエイティブな事をしてみたい人に過不足無い性能でコスパが良く
    ゲーミングモニターやVRに手を出してパーツ交換を手探りで始める自作初心者の事も考えられているのが好印象です

    取り外しの面倒なパーツ、BTOでケチられがちなパーツは素性が良く長く使える
    メンナンスが楽で初心者でも容易く改造が楽しめ
    グラボは小型なタイプでセカンドマシンに流用しやすく無駄にならない
    SSDも気になる人はさっくり交換でき、マニアは殻割りレビューまで楽しめる
    理想的な練習機ですねぇ

  • いつも分かりやすい内容で非常に助かっています。
    ただ今回は微妙なお知らせが・・・。

    ストレージ性能と詳細のところで、「SSDの詳細は不明でした。」
    とありますが、以下リンクにあるとおり偽装の問題があがっているので、
    もしかするとこれ系(どマイナー)のSSDなのかもしれません。
    http://blog.livedoor.jp/nichepcgamer/archives/1072291674.html

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