リノベーションPC(中古PC)を積極的におすすめ出来ない理由を解説

古いパーツが使われている型落ちのビジネス向けパソコンに、グラフィックボードやSSDを取付けることで安価にゲームができる「リノベーションPC」と称して売っているBTOがあります。

いわゆる中古PCですが、たまに購入を検討している人もいて質問されるので「おすすめ出来ない理由」を解説します。

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リノベーションPCをおすすめ出来ない理由

HP製のビジネスパソコンをゲーミングPCに作り変えたリノベーションPCを例に、筆者が「他人に積極的におすすめできない…」と考えている理由を、順番に解説していく。

電源が特殊仕様で替えが効かない可能性

一般的にガレリアなどのゲーミングPCにはATX規格の電源ユニットが使われている。一方、こういったやや薄型のビジネスPCは、更に小さいSFX規格の電源だったり、HPやDELLになると特注品の可能性もあります。

中古PCで怖いのはやっぱり経年劣化しているであろう「電源ユニット」で、これが故障すると他のパーツにダメージが及ぶ可能性を否定できない。仮に電源だけで済んでも、交換できるかどうか不透明。

ATX電源なら手頃な価格でそこそこ品質の良いものを選べます。更に小さいSFX規格はコスパが悪いが、こちらも何とか手に入る。しかしメーカー独自の特殊仕様だったら…特殊な経路を知らないとほぼ入手不可能。

このようにトラブルがあった時に対処にしにくいパソコンを、他人におすすめする気になれないのです。

そしてこれを見てください。「絶対の自信がある為」などと書いておきながら「14日間の保証」です。新品のガレリアなどは「1年」なので、作った側もそれなりにリスクがあると認識している証拠かと。

時間が経てば経つほど故障率が上昇し、返金率がアップする。14日間なら十分に採算が取れるラインなんでしょう。

自作歴23台のやかもち
新品を買う予定だが、それまでの繋ぎとして使いたい。というなら止めはしない。

電源が特殊仕様で拡張性がダメな可能性

以前、価格コムの掲示板で「DELL製のビジネスPCにグラボを取り付けようとしたところ、補助コネクタが見当たりません。」という質問がありました。

GTX 1050 Tiなど消費電力の小さいグラボなら、補助コネクタを必要としないので古いマシンでも普通に割りと動く。しかしGTX 1060以上になると、このような問題が起こってくる。

400W以上の電源なら、ほぼ確実にあるPCIeコネクタ。

そう。電源ユニットから伸びているケーブル類に「補助コネクタ」が無いんですよね。ビジネスPCはゲーミングを想定して作ってないから、至極当たり前の話ではある。

だから掲示板の質問をした人は完全に自己責任としか言えない。「安くて高性能」を中古品で実現するには、それなりの知識が必要ということ

かなりの確率でOSがWindows 7

Windows 7は非常に優れたOSですが、2020年にサポートが切れます。サポートが終わるとセキュリティの更新をマイクロソフトが一切しなくなるので、オンライン状態のWindows 7は危険です。

インターネットに接続せずオフラインで使うならWindows 7で良いですが、インターネットを使う前提ならWindows 10がベストでしょう。

初心者もち
Windows 10に慣れるのが面倒くさいよ。

などと考えている人は「Classic Shell」を使えば良いかも。Windows 10のスタートメニューなどをWin 7風のUIデザインに変更してくれる神アプリです。

SSDが入っていないことがある

今はSSD必須の時代です。

HDDとSSDはレスポンスの次元が違いすぎて、基本的にぼくはSSD搭載PCしかオススメしない。SSDが標準で入っていない場合は、カスタマイズで追加することを推奨しています。

しかしリノベーションPCはカスタマイズが出来ないので、SSDを導入しようと思ったら自分でやる必要がある。

  1. HDDのデータをSSDに移動
  2. BIOSからブートの優先順位を変更
  3. (低確率だが)Windowsの電話認証も必要

今回例にしているリノベーションPCは、250GBのHDDにWindows 7を導入済み。だからそのデータをSSDに移動させなければならない。このデータの引っ越しが初心者にとっては敷居が高いところ。

既にパソコンを持っているなら、そのパソコンでファイルの移動などを行えばいい。持っていない場合はデータ引っ越しツール(例:玄人志向のHDDのデータを丸ごとコピー)を使うことになる。

というわけで、最初からSSDが入っている方が手間はずっと少ないため、基本的にHDDしか入ってないリノベーションPCはオススメしない。

全部中古より中古パーツで組んだほうがリスクが低い

中古PCは入っているパーツ全てが使用済みです。PCパーツには中古でも問題ないパーツと、中古だと心配なパーツがあります。

  • CPU:まず壊れない
  • マザーボード:割りと壊れない
  • メモリ:まず壊れない
  • HDD:嫌だ、新品が良い
  • SSD:これも新品が良い
  • 電源:当然新品が良い
  • グラボ:2年前までなら行ける

リノベーションPCの場合、グラボは恐らく新品を取り付けているので問題ないとしても、HDDや電源ユニットは中古。故障率の高いパーツが中古だからこそ、保証がわずか2週間と短いのだろう。

一方の中古パーツで自作する場合は、壊れにくいパーツだけを中古にして、一部を新品にすることでコストを抑えつつ低リスクにPCを組めます。かと言って中古自作をおすすめするわけではない。

基本的にリスクが高い方法は、おすすめしたくないので。

参考までに、筆者が過去20台以上の自作で遭遇したパーツの故障は、一番が「電源」で次に「HDD」が多かった。CPUは中古自作で1個ショートさせた経験アリ(これは完全に筆者の過失ですが)。

まとめ:安さとリスクは相反する

結論として、リノベーションPCのように3年以上の型落ち中古パーツを用いたゲーミングPCは、確かに安いといえば安いけれど相応のリスクも持っていることを忘れずに。

特に懸念すべきリスクとしては…

  • 数年の使用歴がある電源ユニットはちょっと怖い
  • ビジネス向けの薄型PCの電源は替えが効かないかも
  • 数年の使用歴があるHDDにWindowsが入っている
  • しかもWindows 7だったりする

やっぱり一番を手を抜いてはいけない電源ユニットが「中古」という点が、一番おすすめできない理由ですね。電源だけ新品だったり、新品のSSDにWin 10をインストール済みなら、まぁ良いんですけど。

というわけで、3年以上の前のビジネス用PCにグラボを挿しただけの「リノベーションPC」は積極的におすすめできません。

リノベPCを買っても後悔しないタイプ

ここまでリノベーションPCと称した中古ゲーミングPCについて否定的な考えばかりを紹介したが、最後に「別にそれならリノベPCでも良いんじゃない。」と言えるケースについて解説。

  • 新しいパソコンを使うまでの「繋ぎ」として
  • PCパーツの知識があり、トラブルに適切に対処できる

買っても後悔しないのは、「新品同様の信頼性なんて無い。」と理解できている人です。リスクを承知の上で買うのであれば、リノベーションPCは十分に選択肢になる。

そしてトラブルがあっても「自分ひとりで大抵のトラブルに対処できますよ。」※というレベルの知識がある人も、特に後悔はしないと思いますね。そのぐらいの知識がある人は中古パーツで自作すると思いますが…w

※ リノベーションPCをバラバラにパーツ毎にばらして、原因を一つ一つ切り分ける能力があるかどうか。少なくとも「自作PCなんて余裕だし人にアドバイスなんて求めない」と言えるレベルが必要です。

以上「リノベーションPC(中古PC)を積極的におすすめ出来ない理由を解説」でした。


「PC初心者にオススメするなら?」と聞かれれば、各社BTOが力を入れて制作しているゲーミングPCと答えます。パソコンを買うのが初めて、という人であればあるほど、新品がオススメです。

変に中古マシンに手を出して、運悪くトラブったらパニックになりますから(しかも保証は2週間と短い…)。

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13 件のコメント

  • メモリの中古単品は大丈夫なんですね。
    最近、DDR4が高騰しているので、中古品を狙っています。

  • Cinebenchのスコアだと、Core i7-2600 より Core i3-8100が上なんですね。
    6万円くらいの予算があるなら、パーツ集めて自作したほうが良いような気がします。
    メモリとグラボは、もっと安くなって欲しいですが……

  • 電源もそうだが地味に怖いのがマザーボード

    おそらく筐体も含め元がゲーム等のヘビーユースを想定した作りになっていないので排熱・耐熱性はBTOゲーミングマシンよりかなり劣るでしょうし、下手するとグラボからの熱でマザボがポックリ…………なんて可能性が普通のゲーミングマシンに比べて高そうです

    電源はTFX電源ならまだ換えが効きますけど、マザーはメーカー製の独自マザーとなると入手性云々の話ではなくなってくるのである意味電源より厄介かもしれません

    • 以前ランサムウェアが大流行した時、被害の98%がWindows 7でした。
      Windowsそのものの脆弱性を突いてくるランサムウェアは、基本的にマイクロソフトが修正を行って対策するわけですが、サポートを打ち切られると…もう修正することはなくなってしまいます。

      < アンチウイルスソフト入れててもダメなの?
      Windows 7にも、マイクロソフト純正のアンチウイルスソフトが入っています。にも関わらず、ランサムウェアにボロカスにやられているので意味が無いことが分かる。
      しかも、Windows付属のアンチウイルスって、世界でもっとも攻撃を受けているソフトなんですよね。攻撃されればされるほど、攻撃者の情報が集まるのでより有利な定義ファイルを作れる。
      理屈で考えれば、Windows付属アンチウイルスはもっとも防御能力が高いはずですが、それでもランサムウェアには勝てません…。よって、マイクロソフトによる定期的なWindowsの更新はセキュリティ的には意味が大きいです。

  • https://used.dospara.co.jp/sale/search.php?br=11&sc=137528&tpl=sc_137528
    こちらですと、広めのケースで(ミニタワーのようです)、電源も320Wほどあるようです。しかも、なぜか丁寧に「4000時間テストしました」と書いてあります。やはり電源は特注品なのでしょうか…写真を見てみた限りではATXと同じくらいっぽいです。win10のようですし。(HDDだけなのは気にしないです)もともとhpも「拡張性」を売りにしていたようなので、ほかの薄型に比べれば割と安心できそうですが、、、だめですかね…

    • 4000時間テストしたにも関わらず、保証が14日なのが引っかかってしまう。
      ですが、そうしてパーツを一つ一つ調べて「行けそう。」と判断して選ぶのであれば、アリだと思います。

      自分もいろいろと調べてみたところ、電源ユニットはATX規格なので替えが効きます(※補助電源コネクタは無いかも…)。
      マザーボードはMicroATXよりわずかに一回り大きいだけなので、第4世代(Haswell)に対応したMicroATXマザーボードで代用できます。

      < ほかの薄型に比べれば割と安心できそうですが
      ですね。他の薄型より、どうにか出来る可能性が高いと思います。「安さ」にこだわるなら選択肢ですね。

      • 追記。

        電源ユニットの端子が特殊で、マザーボード側もそれに合わせた仕様になっているため、市販品で代替しようとすると電源とマザーボード両方とも用意する必要があります。

        マザーボードの画像:https://goo.gl/4L2Qei
        電源のコネクタ画像:https://goo.gl/v6Rnt2

        電源はATXなら何でも大丈夫ですが、第4世代対応のマザーボード(H81 / B85 / H87 / Z87)が品薄で心配。と思いきや、ASUSが「B85M-G」「H81M-E」をまだ販売しているので何とかなりそう(いつまで売ってるかは不明)。

        • 丁寧に調べて下さって、ありがとうございます。
          やはり中古は、後々お金がかかるのですかね…
          それにしても、やかもちさんの検索力にはいつも驚かされます。

  • だから掲示板の質問をした人は完全に自己責任としか言えない。

    晒しモノにした挙句、これはどうか

    自己責任なんて言葉をやたら使いたがる人間は多いが
    大半は過剰な責任逃れか、(こういう)異常な責任追及

    本人が誰かの責任を主張してるでもなく
    一体誰に対して、なんの責任が発生するんだ

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