約4.2万円でCore i9 9900Kと同じスペックを持つ、第3世代Ryzenのメインストリーム向けモデル「Ryzen 7 3700X」。スペック的には向かう所敵なしに見えるが、実際のところはどうなのか?
実際にRyzen 7 3700Xを、ライバルのCore i7 9700Kと性能を比較しながらレビューする。
Core i7を脅かす「Ryzen 7 3700X」
「Ryzenを最近になって知りました。」という人にも分かりやすいように、まずはRyzen 7 3700Xの基本的な仕様(スペック)と設計上の特徴についてざっくりと解説します。
CPU | Ryzen 7 3700X | Core i7 9700K | Ryzen 7 2700X |
---|---|---|---|
ロゴ | |||
世代 | 3rd Zen 2 | 9th Coffee Lake R | 2nd Zen+ |
プロセス | 7 nm | 14 nm++ | 12 nm |
TIMCPU内部の熱伝導材 | ソルダリングIHSは金メッキ仕様 | ソルダリング | ソルダリング |
ソケット | Socket AM4 | LGA 1151 (v2) | Socket AM4 |
チップセット | AMD 400 / 500 | Intel 300 | AMD 300 / 400 |
コア数 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 8 | 16 |
ベースクロック | 3.60 GHz | 3.60 GHz | 3.70 GHz |
ブーストクロックシングルコア使用時 | ~ 4.40 GHz | 4.90 GHz | ~ 4.25 GHz |
ブーストクロック全コア使用時 | ~ 4.40 GHz | 4.60 GHz | ~ 4.25 GHz |
手動OC | 可能 | 可能 | 可能 |
L1 Cache | 512 KB | 512 KB | 768 KB |
L2 Cache | 4 MB | 2 MB | 4 MB |
L3 Cache | 32 MB | 16 MB | 16 MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-2666 | DDR4-2933 |
チャネル | x2 | x2 | x2 |
最大メモリ | 128 GB | 128 GB | 64 GB |
ECCメモリ | U-DIMMのみ | 不可 | U-DIMMのみ |
PCIeレーン | Gen4 | Gen3 | Gen3 |
16 + 4 | 16 | 16 + 4 | |
レーン構成 | 1×16 + 1×4 | 1×16 + 2×8 | 1×16 + 1×4 |
2×8 + 1×4 | 1×8 + 2×4 | 2×8 + 1×4 | |
1×8 + 2×4 + 1×4 | – | – | |
内蔵GPU | なし | UHD 630 | なし |
GPUクロック | – | 350 ~ 1200 MHz | – |
TDP | 65 W | 95 W | 105 W |
MSRP | $ 329 | $ 499 | $ 329 |
参考価格国内Amazonの価格 | 42980 円 | 44890 円 | 23738 円 |
Ryzen 7 3700Xの基本的なスペックは、先代のRyzen 7 2700Xと比較して大きく変わったようには見えません。しかし、第3世代Ryzenは7 nmプロセスを使用する新設計「Zen2」に基づいたCPUです。
より少ない消費電力、同じクロック周波数で、従来のRyzenを上回るパフォーマンスと電力効率を実現することを目指す。スペックをよく見ると、消費電力の目安になるTDPが105W → 65Wへと激減しています。
同じ8コア16スレッドでブースト時のクロックは4.40 GHzにまで伸びたにも関わらず、4割近くも消費電力(TDP)を抑えている。先代のRyzen 7 2700Xから大きく進化したのは間違いないでしょう。
なお、Ryzen 7 3700Xと価格的に競合するCPUはCore i7 9700Kです。日本国内での販売価格は約2000円しか差がありませんが、果たしてどれほどの性能差があるのかも、注目するべきポイントです。
第3世代Ryzen「Zen 2」の改善ポイント
第3世代Ryzenの「Ryzen 7 3700X」には、7 nmプロセスを用いた最新設計「Zen2」を使っている。Zen2設計によって、従来のRyzenと何が変わったのか。基本的な内容を解説しておきます。
従来との大きな違いは以下の3つです。
- クロックあたりの性能(IPC)が約15%改善
- エンコード性能の強化(SIMD演算の256 bit化)
- PCI Express Gen4に対応
順番に説明していく。
1つ目は「IPC(クロックあたりの処理性能)」が、初代Ryzenから約15%も改善されました。同じクロック周波数で、より高い処理性能を発揮できるようになったため、過度なオーバークロックをせずとも高い性能を実現できます。
もっとザックリと説明するなら、今までは5.0 GHzで出せていた性能を4.35 GHzくらいで出せるようになった。という意味です。少ないクロックで高性能なので、発熱を抑えてワットパフォーマンスも改善できる。
2つ目は「エンコード性能の強化」です。動画エンコードソフトは「AVX2」と呼ばれる命令セットを使うことで、動画のエンコードを爆発的に高速化しています。
しかし、従来のRyzenはこのAVX2という命令を半分ずつしか処理できませんでした。毎回データを半分に切り分けて、幅が128 bitしかない細いベルトコンベアに乗せて処理していたのです。
だから従来のRyzenは、多くの動画エンコードソフトで本来の処理性能を発揮できないという弱点を抱えていた(※一部のソフトは、開発者が最適化することでRyzenでの高速処理を可能にしていた)。
この弱点を解消するべく、第3世代のRyzenではAVX2を処理するために使うベルトコンベアの幅を2倍の256 bit幅に拡張し、一度に処理できるデータ量を2倍に改善。
インテルCPUと同様のベルトコンベアを装備したため、きちんとCPUのコア数に見合ったエンコード処理速度を発揮できるようになるはずです。
3つ目は「PCI Express Gen4」のサポート。従来のRyzenや競合するインテル製CPUは、NVMe SSDやグラフィックボードをつなぐインターフェイスに「PCI Express Gen3」を使用しています。
Gen3の転送速度(理論値)は16レーンで約15.75 GB/s、4レーンで約3.94 GB/s、1レーンで約985 MB/sです。グラフィックボードはまだまだ足りているものの、NVMe SSDや10 Gbps NICでは不足気味だった。
そこで第3世代Ryzenでは、後継規格の「PCI Express Gen4」を実装することで転送速度を一気に2倍にまで拡張し、帯域不足の解消を狙います。必要性はともかく、ライバルCPUに対するアドバンテージになるのは間違いない。
なお、第3世代Ryzen対応の最新チップセット「X570」も、PCI Express Gen4を実装して拡張性を大幅に改善しています。以下にガイド記事を用意しているので、ついでに読んでみてください。
ここまでの解説で、
- クロックあたりの性能(IPC)が約15%改善
- エンコード性能の強化(SIMD演算の256 bit化)
- PCI Express Gen4に対応
第3世代Ryzenの基本的な改善ポイントについて、一通り把握できたと思います。では、本題のRyzen 7 3700Xのスペック解説をつづけていく。
メモリは定格で「DDR4-3200」に対応
メモリランク | メモリ枚数 | 第3世代(Zen 2) | 第2世代(Zen+) | 初代(Zen) |
---|---|---|---|---|
シングルランク | 2枚 | DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-2666 |
4枚 | DDR4-2933 | DDR4-2133 | DDR4-2133 | |
デュアルランク | 2枚 | DDR4-3200 | DDR4-2667 | DDR4-2400 |
4枚 | DDR4-2667 | DDR4-1866 | DDR4-1866 |
Ryzen 7 3700Xが対応しているメモリは、定格で最大3200 MHz(DDR4-3200)です。従来のRyzenから更に改善され、メモリのさらなる高速動作が可能になっています。
高品質なDDR4メモリを使えば、3200 MHzを超えるクロックでメモリを動かすことも可能だと推測できる。ただし、AMDいわく効率よく性能に影響を与えるのは3733 MHzまで、とのこと。
実際にはDDR4-3200で必要十分な性能に達するため、(オーバークロックに興味がある人を除く)ほとんどの人にとっては、DDR4-3200以上のメモリを選ぶ必要性はありません。
「ソルダリング」と「金メッキIHS」で冷却効率を改善
AMD Ryzenシリーズや、インテルの第9世代以降のCoreシリーズでは、TIMに「ソルダリング(はんだ付け)」を採用しています。グリスよりも効率よく、熱をヒートスプレッダに伝えられるメリットがある。
第3世代のRyzenも同様にソルダリングを踏襲しつつ、ヒートスプレッダ(CPUの殻)に金メッキを施すことで更に冷却効率を改善しています。Ryzen 7 3700XはTDPが65WのCPUなので、金メッキはやや過剰とも言えます。
従来のチップセットを利用可能
CPU | Ryzen 9 3900X |
---|---|
対応ソケット | Socket AM4 |
対応チップセット | AMD X570 |
AMD X470要BIOSアップデート | |
AMD B450要BIOSアップデート | |
AMD X370要BIOSアップデート | |
AMD B350要BIOSアップデート |
AMD Ryzenの大きなメリットのひとつである「互換性」は、依然として維持されています。
第3世代Ryzenをネイティブサポートするチップセットは「X570」ですが、価格はやや高めです。よってX570の持つ拡張性を必要としない場合は、「X470」や「B450」も選択肢になります。
ただし、X470やB450はBIOSをアップデートしないと第3世代Ryzenをサポートしない。既にB450マザーボードなどを持っている場合は、自分でアップデートする必要がある。
これから新しくX470やB450マザーボードを購入する予定なら、「AMD Ryzen Desktop 3000 Ready」ロゴが印刷されているX470 / B450マザーボードを選べば問題ない。
なお、更に古いAMD 300番台のチップセットで第3世代Ryzenを使う場合は2つ注意点があります。
- 自動オーバークロック機能「XFR 2 Enhanced」に対応しない
- BIOS更新時に互換性や機能性が一部失われる可能性がある
「XFR 2 Enhanced」は、高クロック版のRyzen(X付き)で自動的に使われる自動オーバークロック機能です。Ryzen 5 3600のような無印版は関係ないが、3600Xや3700Xを使う場合は意味があります。
そしてBIOS更新の問題について。実はX370 / B350など300番台のマザーボードでは、BIOSを保存するROM(内蔵メモリー)の容量が128 Mbitしかないことが原因です。
第3世代Ryzenに対応する代わりに、他のCPUとの互換性や一部の機能(ソフトウェアRAIDなど)が失われる可能性があるので、300番台からアップデートする時は注意書きをよく確認しましょう。
「なんだかややこしいな。」と感じたら、B450やX470を選べばOKです。
「Ryzen 7 3700X」のスペック要点まとめ
最後に、Ryzen 7 3700Xのスペックについてまとめます。
- Core i7 9700Kより約2000円安い
- 8コア16スレッド
- クロック周波数はやや改善
- 「IPC」は最大で約15%の改善
- エンコード性能の強化
- メモリクロックは定格でDDR4-3200に対応
- ソルダリング & 金メッキで熱対策
- 従来のチップセットでも使用可
なんと言ってもコストパフォーマンスの高さが目立つスペックです。Core i7より2000円も安い価格設定でありながら、8コア16スレッドを備えているため、依然コスパは強い状況です。
インテルの8コア16スレッドはCore i9 9900Kですが、こちらは約5.6万円も必要。同じ8コア16スレッドで、約4.2万円のRyzen 7 3700XがどこまでCore i7やi9を追い詰めることが出来るのか?
実際に検証していきましょう。
Ryzen 7 3700Xを実機レビュー
カーボン調のパッケージング & 開封
従来のRyzenより全体的に色合いが明るくなり、カーボン調のテクスチャを使ってハイエンド感を演出したパッケージング。今までのRyzenとは違う、と新時代を演出できていると思います。
Ryzen 7 2700XとRyzen 7 3700Xのパッケージを並べてみた。先代がのっぺりとしたデザインなのに対して、第3世代はRyzenのロゴに光が差したデザインになっている。
封を切って、フタを引っ張って開封します。
パッケージの中身を全部取り出した。見ての通り、中身は主に2つだけです。付属CPUクーラーの入ったボックスと、Ryzen本体が入った小さいボックスの2つです。
付属CPUクーラー「Wraith Prism with RGB」の対応TDPは105 Wです。定格で65 WのRyzen 7 3700Xが相手なら、冷却性能としては間に合う性能があります。ただし静音性はイマイチです。
クーラーの底面を見ると、既にグリスが塗ってありました。付属しているケーブルは、CPUクーラーのLEDを点灯させるために使います。光らせたくない場合は、ケーブルを使う必要はありません。
小さい方のボックスを開封。Ryzen本体と保証書が入っています。
Ryzen 7 3700Xはプラスチック製のスペーサーに収められている。右にRyzen 7 3700Xのロゴシール(第3世代)も同封されています。
Ryzen 7 3700Xと1世代前のRyzen 7 2700Xのヒートスプレッダのデザインを比較してみた。基本的に面積やデザインに違いは無いものの、左下の三角マークが第3世代では非常に小さくなっています。
パッと見で「向き」が分かりにくくなっているので、Ryzenで自作PCを組む時は注意したいところ。なぜ三角マークをあえて小さくしたのかは謎です。
「ASRock X570 Taichi」に取り付けました。Socket AM4はレバーを上げ下げするだけでCPUの固定ができてラクですね。インテル用のソケットより明らかに扱いやすいです。
テスト環境の紹介と比較対象
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
---|---|---|
PC | ver.AMD | ver.Intel |
CPU | Ryzen 7 3700X | Core i7 9700K |
CPUクーラー | Corsair H100i Pro RGB240 mm簡易水冷ユニット | Noctua NH-U12A120 mmデュアル空冷 |
マザーボード | ASRock X570 Taichi | ASRock Z390 Extreme4 |
メモリ | DDR4-3200 8GB x2使用メモリ「G.Skill FlareX C14」 | DDR4-2666 8GB x2使用メモリ「G.Skill SniperX C19」 |
グラフィックボード | RTX 2080 Ti使用グラボ「MSI Gaming X Trio」 | |
SSD | NVMe 250GB使用SSD「Samsung 970 EVO Plus」 | SATA 250GB使用SSD「Samsung 860 EVO」 |
SATA 2TB使用SSD「Micron 1100」 | ||
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1903」 | |
ドライバ | NVIDIA 419.35 | |
ディスプレイ | 1920 x 1080@240 Hz使用モデル「BenQ XL2546」 |
※「青字」は該当するレビュー記事へリンクしています。
検証に使うPCスペックは以上の通りです。Ryzen 7 3700Xと性能を競うCPUは、同じ価格設定かつメインストリーム向けCPUであるCore i7 9700Kを選びました。
グラフィックボードは、現時点で最強のゲーミング用グラボ「RTX 2080 Ti」を使用する。もっとも速いグラボなので、CPUのゲーミング性能(ボトルネック)を検証しやすい。
メモリはi7 9700Kに「G.Skill SniperX C19」をBIOSからDDR4-2666に固定。Ryzen 7 3700Xの方は「G.Skill FlareX(for AMD)」に自動設定(XMP)を適用してDDR4-3200に固定しました※。
ストレージはOS用、ゲーム用ともにSSDを使用し、ボトルネックを排除。おおむね、CPUの持つ本来の性能を忠実に検証できるテスト環境が揃っていると考えて大丈夫です。
※Core i7の定格メモリクロックはDDR4-2666で、第3世代Ryzenの定格メモリクロックはDDR4-3200です。
レンダリング性能
国内だけでなく、国際的にもCPUの定番ベンチマークとなっている「Cinebench R15」。内容はレンダリングなので、CPUの持つ理論上の性能がしっかりと反映されやすい。
CPUのすべてのコアを100%使用した場合の性能を叩き出すため、理論上の目安になります。ただし、あくまでも目安であり、CPUの性能を代表するスコアではない点は注意してください。
Cinebench R15 / マルチスレッド性能
すべてのコアを使用する「マルチスレッド性能」は、同じ価格帯のCore i7 9700Kを約40%も追い越し、更にCore i9 9900Kすら超える恐ろしい結果になりました。
Cinebench R15 / シングルスレッド性能
1コアあたりの性能(シングルスレッド性能)もCore i7と同じレベルにまで向上しています。先代のRyzen 7 2700Xと比較して、約18%もシングルスレッド性能が改善された。
最大5 GHzで動作するCore i9 9900Kにはあと一歩及ばないものの、Core i7レベルのシングルスレッド性能があれば大抵のアプリケーションを効率よく、スムーズに動かせると推測できる。
Cinebench R15の後継バージョン「R20」も一応チェックしておく。
Cinebench R20 / マルチスレッド性能
マルチスレッド性能はCore i7 9700Kより約36%も速く、上位グレードのCore i9 9900Kと並ぶほどのマルチスレッド性能です。
Cinebench R20 / シングルスレッド性能
シングルスレッド性能では500点の大台を突破して、過去の検証の中では最高のスコアを記録した。
Cinebenchだけでなく、実際に「Blender」というレンダリングソフトを使って処理速度を計測。内容はスポーツカー「BMW」を生成するのにかかった時間で比較します。
Blender 2.79c / 「BMW」の生成時間
レンダリング時間は約2分50秒。Core i7 9700Kより54秒も速くBMWのレンダリングを終えています。Core i9 9900Kに対して約10秒ほど遅れた結果ではありますが、値段を考えればさほど問題ではありません。
約4.2万円のCPU(Ryzen 7)が、5.6万円のCPU(Core i9)にわずかに届かない程度の性能を持っている時点で十分にスゴイです。
計算速度
Geekbench 4.1はマルチプラットフォーム対応のベンチマーク。内容は多種多様なテストのパッケージで、AESなど暗号処理系の計算速度が問われています。主にCPUの計算速度をスコア化することになります。
Geekbench 4.1 / シングルスレッド性能
1コアあたりの性能は従来のRyzenより大幅に改善し、Core i7に並ぶほどまでに進化した。
Geekbench 4.1 / マルチスレッド性能
マルチスレッド性能は圧倒的です。Core i7はもちろん、Core i9すら追い抜く圧倒的なパフォーマンスを発揮しています。
Euler3Dは流体力学の計算をCPUに実行させる、Geekbench以上にCPUの計算速度が問われるベンチマークです。単位はHz(ヘルツ:1秒あたりの計算回数)で示され、数値が大きいほど速いことを示す。
Euler3D Benchmark / 計算速度
Euler3Dはシングルスレッドに偏ったテストなので、てっきり第3世代Ryzenなら問題なく行けると考えていた。実際のテスト結果を見ると、単純計算はまだインテルCPUに及ばないようです。
ぼくが実際に試したわけではないが、円周率を計算するSuperPiと呼ばれるベンチマークでも似たような傾向が報告されている。SuperPiもEuler3Dもレガシーなソフトウェアであるため、最適化の問題と推測できます。
動画エンコード
定番の無料動画エンコードソフト「Handbrake」を使って、エンコード性能を検証する。内容は約1 GBのアニメファイル(.mkv)を、mp4形式にエンコードし、ログに記録される「平均処理速度」で比較する。
x264エンコードでは、約7分の動画ファイル(.mkv / 1080p)をHandbrakeの標準プリセット「Fast 480p30」を使ってエンコード。x265エンコードでは「H265 MKV 480p30」を使ってエンコードしました。
Handbrake / x264エンコード
鳥肌モノですね。Ryzen 7 3700Xはあまりにも強すぎる。
AVXの計算用パイプが256 bit幅(インテルと同じ)になり、ようやく本気で動画エンコードを処理できるようになっています。その速度は、ライバルのCore i7を大きく超え、Core i9すら超える凄まじい性能です。
第3世代Ryzenは、「エンコードがイマイチ遅いRyzen」を完全に葬り去った。
Handbrake / x265エンコード
更に複雑な処理になるx265エンコードは、Core i9より少し遅い程度で、Core i7より速いです。
日本では大人気の動画編集ソフト「Aviutl」も検証します。rigaya氏が開発した拡張プラグイン「x264guiEx」と「x265guiEx」を使って、2400フレームの動画をエンコードする。
Aviutl / x264guiExエンコード
x264guiExでは、Core i7やi9より約35%も少ない時間で動画エンコードを完了させた。本当に驚異的な性能です。
Aviutl / x265guiExエンコード
x265guiExでも傾向は変わらず、圧倒的なパフォーマンスを発揮しています。
Ryzen 7 3700XはAviutlで特に猛威を振るうことが分かりました。ライバルのCore i7 9700Kに対してx264で約35%、x265で約20%速くエンコードを終えることが可能です。あまりにも強すぎる。
ゲーム実況配信
ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、CPUの配信性能を検証します。
検証方法はFF14(紅蓮のリベレーター)をOBSを使ってフルHD配信を行う。同時に録画も行い、コマ落ちせずに配信できているかどうかをチェックします。
コマ落ちの頻度(=ドロップフレーム率)はOBSの標準機能を使って計測する。ドロップフレーム率を抑えられているほど、CPUのゲーム配信性能が高いことを意味します。
OBS録画配信 / Fast設定 / 60fps制限
OBS録画配信 / Faster設定 / 60fps制限
OBS録画配信 / Veryfast設定 / 60fps制限
配信性能は優秀です。非常に重たい「Fast」設定ですら、ドロップフレーム率はわずか1.6%に抑えられています。ライバルのCore i7 9700Kは46%も落としてしまい、パラパラ漫画な配信です。
OBS録画配信 / Fast設定 / 144fps制限
OBS録画配信 / Faster設定 / 144fps制限
OBS録画配信 / Veryfast設定 / 144fps制限
ゲームプレイ時のフレームレートを144 fpsに引き上げてみる。144 fpsで配信と録画を行うと更に負荷は重たくなりますが、それでもRyzen 7 3700XはFast設定時で5.4%しかフレームを落とさない。
一方で、Core i9 9900Kは17.3%のドロップ、Core i7 9700Kに至っては67.7%もフレームを落としている。Ryzen 7 3700Xは配信用のCPUとしても高く評価できます。
OBS録画配信 / Medium設定 / 60fps制限
OBS録画配信 / Medium設定 / 144fps制限
更に強烈な負荷がかかるMedium設定では、Core i9 9900Kよりいくらかマシとはいえ、さすがに目に見えるほどのドロップフレームでした。Fast設定までなら大丈夫です。
圧縮と解凍
ファイルの圧縮と解凍のスピードを、有名なフリー解凍ソフト「7-Zip」を使って計測。付属のベンチマークツールで、圧縮と解凍のスピードを「MIPS」という単位で出してくれる。
7-Zip Benchmark / 圧縮
「圧縮」はRyzenにとって苦手な分野のひとつでしたが、Ryzen 7 3700XはCore i7やCore i9を軽く追い抜いています。第3世代Ryzenでは圧縮で100%の性能を出し切れるように改善されているようです。
7-Zip Benchmark / 解凍
もともと得意な「解凍」は、Core i7 9700Kより約60%も高速です。Core i9 9900Kに対しても10%ほど速く、おおむね圧倒的です。
ブラウザの処理速度
ブラウザ上で動作するベンチマーク「mozilla kraken 1.1」を使って、CPUがブラウザ上のWebアプリをどれだけ速く処理できるかを検証する。単位はミリ秒なので、短いほど処理が速い。
Mozilla Kraken / ブラウザの処理速度
シングルスレッド性能が改善されたことで、Webアプリ(JavaScript)の処理速度は従来のRyzenと比較して大幅に改善されている。Core i7どころかCore i9すら上回る処理速度です。
Photoshop CC
写真編集の定番ソフト「Photoshop CC」を検証。バッチファイルを使って実際にPhotoshopを動かして、それぞれの処理に掛かった時間からスコアを算出する。
Photoshop CC / 総合スコア
RyzenはしばしばAdobeソフトで性能を上手く発揮できない傾向がありましたが、第3世代Ryzenでは見事に克服しています。
Ryzen 7 3700Xの総合スコアは1004点を記録し、Core i7やi9の940点台を大きく超えるパフォーマンスです。Ryzen 7 3700XはPhotoshop用途でも安心して使うことが出来ます。
Microsoft Office
PCMark 8を使って、Microsoft Officeの処理速度を計測する。オフィスソフトはそれほど複雑なタスクではないため、おそらくクロック周波数の高いCore i7やi9の方が速いと推測されます。
Microsoft Word / 平均処理時間
結果は予想外で、Ryzen 7 3700Xの方が速い。Ryzen 7 3700XはCore i7と同じくらいの速度でWordを動かせる。
Microsoft Excel / 平均処理時間
Excelもかなり速いです。Core i7 9700Kとほぼ同じ処理時間です。
Microsoft PowerPoint / 平均処理時間
PowerPointは少しだけCore i7に対して遅れを取っています。それでも2秒を切っているため、実用上は十分すぎる処理速度です。オフィス用途にもRyzen 7 3700Xはオススメです。
「IPC」でCPUの真の進化をチェック
第3世代Ryzenでは、「IPC(クロックあたりの処理性能)」が改善されたとアピールしている。実際のところはどうなのか。Cinebench R15を使って検証します。
検証方法はシンプルです。クロック周波数を3.5 GHzに固定して、シングルスレッドテストを実行するだけ。同じクロック周波数なのに実際の性能が違えば、IPCの差を明らかにできる。
Cinebench R15 / シングルスレッド性能@3.5 GHz
Ryzen 7 3700Xは162 cbをマークし、インテルCPUを上回るIPCを達成しています。間違いなく、第3世代Ryzenは「真の進化」を遂げていることが分かります。
Cinebench R15で計測するIPCで、Ryzen 7 3700Xは現行最速の位置につけている。第2世代と比較して約9.5%、Core i7と比較して約5%ほどIPC(クロックあたりの処理性能)が高いです。
ゲーミング性能の違いを検証
ゲーミングで高いフレームレートを出すためには、グラフィックボードが一番重要。ですが、グラフィックボードが高性能であればあるほど、CPUに求められる性能も高くなります。
現時点で最強のグラボである「RTX 2080 Ti」を使って、FF14:漆黒の反逆者ベンチマークを実行してみると、同じグラボなのに実際の性能はかなり違っているのが分かります。
これが「CPUボトルネック」と呼ばれる現象です。では、FF14以外のゲームでRyzen 7 3700XがRTX 2080 Tiの性能をどこまで引き出せるのかを検証していく。
Apex Legend
Apex Legends1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
Apex Legendはとても洗練された設計のゲームで、もともとCPUによる性能差が出づらいです。それでもIPCの改善が効いているのか、Core i9に並ぶほどのフレームレートを叩き出しています。
CS : GO
Counter Strike : Global Offensive1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
シングルスレッド性能が伸びたことによって、レガシーなゲームに分類されそうなCSGOにおいても、CPUボトルネックをCore i9並に抑えられるようになった。
Call of Duty : Black Ops IV
Call of Duty : Black Ops IV1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
シングルスレッド性能が重視されやすいコールオブデューティーでは、Core i7 9700Kとそう変わらないゲーミング性能を発揮している。
Fortnite : Battle Royale
Fortnite : Battle Royale1920 x 1080 / エピック設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
フォートナイトは依然としてインテルCPUに最適化されている傾向が強く、シングルスレッドを改善したRyzen 7 3700XでもCore i7には1割ほど及ばない結果となっています。
Rainbow Six Siege
Rainbow Six Siege 1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
従来のRyzenでは動作が今ひとつだったレインボーシックスシージは、平均フレームレートが大きく改善。Core i7には届かないが、実用上はまったく問題ないレベルにまで改善しています。
PUBG
PUBG1920 x 1080 / ウルトラ設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
PUBGでは、従来のRyzenと比較して約24%もフレームレートが伸びています。Core i7は更にあと1割ほどRyzen 7 3700Xを上回るフレームレートを叩き出すものの、実用上は十分に事足りる性能です。
Assassin’s Creed Odyssey
Assassin’s Creed Odyssey1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
超重量級ゲームの代表格「アサクリオデッセイ」では大きな差が生じにくいですが、おおむねCore i7と同程度のゲーミング性能を発揮しているようです。
FF14
Final Fantasy 14 : 漆黒のヴィランズ 1920 x 1080 / 最高品質 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
FF14(漆黒の反逆者)ベンチマークでは、Ryzen 7 3700Xが先代より約15%もフレームレートを伸ばしてCore i7まであと一歩のところまで来るようになった。
Final Fantasy XV
Final Fantasy XV : Benchmark 1920 x 1080 / 高品質 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
FF15ベンチマークも同様にインテルCPUに最適化されているが、Ryzen 7 3700XはCore i7 9700Kとほぼ同じ平均フレームレートを叩き出しています。
Grand Theft Auto V
Grand Theft Auto V1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
以前のRyzenだと苦労していたグランドセフトオート5も、Ryzen 7 3700Xでは何事も無かったかのように余裕でCore i7に並ぶフレームレートを叩き出した。
Rise of the Tomb Raider
Rise of the Tomb Raider 1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
Ryzenと相性が極めて悪いトゥームレイダーでも、Ryzen 7 3700Xは大幅にフレームレートを改善しました。
The Witcher 3
The Witcher 3 : Wild Hunt1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
Witcher 3はCore i7と同レベルにまで改善。最低フレームレートもCore i7に並んでおり、問題ありません。
モンスターハンターワールド
Monster Hunter World1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
フレームレートを4割近くも失うなど、Ryzenとの相性は散々だったモンスターハンターワールドですが、Ryzen 7 3700Xでは大幅に改善してCore i7 8700Kに並ぶまでに進化しています。スゴイです。
黒い砂漠
黒い砂漠 1920 x 1080 / リマスター品質 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
黒い砂漠ではRyzen 7 2700Xと比較して約23%もフレームレートが伸ばしています。それでも、Core i7やi9と比較するとまだまだ及ばない意外な結果になっています。
実は、黒い砂漠はRyzen環境だと上手くCPUを使ってくれません。そのためフレームレートが伸びづらく、CPUに負荷が掛かるシーンではガクッとフレームレートが落ち込んでしまう。
Ryzen 5 3600とRyzen 9 3900Xでも同じような結果になっているため、おそらく黒い砂漠のゲームエンジン側の問題だと推測しています。
平均パフォーマンス
平均フレームレート 1920 x 1080 / RTX 2080 Tiに対して |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
ここまでの検証結果をまとめると、「コスパは良いけどゲーミング性能はイマイチ。」だった過去のRyzenの面影は見られません。今までとは別物と言えるレベルで、ゲーミング性能の弱さを克服している。
一部のゲームでは最適化の問題を引きずるなど課題はありますが、全体的に見ればRyzen 7 3700XはCore i7クラスに匹敵する、高いゲーミング性能を発揮できるCPUに進化しました。
消費電力とオーバークロック
CPUの消費電力といえば、まず頭に浮かぶのは「TDP」です。しかし、TDPはあくまでも「これくらいの発熱量があるから、発熱量に対応したCPUクーラーを使ってね。」という意味合いの方が強く、イコール消費電力ではない※。
よって本レビューでは、電力ロガー機能のついた電源ユニットを使って、CPU本体の実際の消費電力を計測します。たとえば、電源ユニットから100 Wの電力が供給されていれば、CPUの消費電力は約100 Wと判断する。
※半導体の場合は、TDPと消費電力は一致しやすいので「だいたい同じ」と思っても構わない。ただし、最近はマザーボードによって消費電力が大きく変わることも少なくない。
ワットパフォーマンスは驚異的
Handbrakeで動画エンコード(x264)を実行させて、CPU使用率が常に100%になるように負荷をかけた状態で、電源ユニットの電力ロガー機能を使って消費電力のデータを収集しました。
消費電力(+12Vレールの実測値)
そして負荷が掛かっている時の「平均値」をまとめてグラフ化します。
結果は驚くべきものです。Ryzen 7 3700Xは、Core i9 9900Kに匹敵するマルチスレッド性能を持つにも関わらず、消費電力はたった約109 Wしかありません。
対するCore i9 9900Kは約192 Wも消費し、本来ライバルであるはずのCore i7 9700Kですら約138 Wもの消費電力でした。先代のRyzen 7 2700Xと比較しても30 W近く省エネになっています。
ワットパフォーマンス(動画エンコード時)
動画エンコード(x264)の処理速度を、計測した消費電力で割り算して「1 Wあたりの処理速度」を計算する。処理速度が高いほど、ワットパフォーマンスが高いことを示します。
結果は言わずもがな、圧倒的なワットパフォーマンスを叩き出しているのはRyzen 7 3700Xです。ライバルのCore i7 9700Kと比較して、実に約62%も高いワットパフォーマンスを誇る。
もし省電力性を気にするなら、インテルCPUが選択肢に入ることは当分ないかもしれません。それくらい言ってもいいくらい、Ryzen 7 3700Xの電力効率は次元の違うレベルに達しています。
CPU温度は扱いやすい
テストに使用したCPUクーラーは、240 mmラジエーターの「Corsair H100i Pro RGB」。簡易水冷ユニットの中では、中の上に位置する冷却性能を持つクーラーです。
動画エンコード実行時のRyzen 7 3700Xは、Auto設定で最大77℃、平均76℃でした。80℃以下で運用するには、やはりそれなりに高性能なCPUクーラーは必要になります。
なるべくCPUクーラーへの投資を抑えつつ、CPUの温度を下げたい場合は「低熱化」を試してください。ちょっとした設定をするだけで、性能を維持したままCPU温度を下げることが可能です。
クロック | コア電圧 | 最大温度 | 平均温度 | エンコード速度 | CR15 |
---|---|---|---|---|---|
Auto | Auto | 77.3 ℃ | 76.0 ℃ | 82.7 fps | 2144 cb |
4.10 GHz | 1.250 V | 72.0 ℃ | 69.9 ℃ | 83.2 fps | 2157 cb |
マザーボードのBIOS設定から、CPUのコア電圧を1.250 Vに固定し、クロック周波数を4.10 GHz固定に変更してみた。結果、エンコード性能などを維持したまま、CPU温度を5.3℃も下げることに成功した。
Ryzenはクロックを伸ばす方向だと必要な電圧が高いですが、逆にクロックを維持(または下げる方向)では必要な電圧はとても少なく済むことが多いです。
だから検証を繰り返して、1.250 Vより低い電圧で安定動作するかどうかを試すことで、さらなる低熱化が可能です。CPU温度を少しでも下げたい人は、ぜひ試してみてください。
オーバークロックは依然として限定的
クロック | コア電圧 | 最大温度 | 平均温度 | エンコード速度 | CR15 |
---|---|---|---|---|---|
Auto | Auto | 77.3 ℃ | 76.0 ℃ | 82.7 fps | 2144 cb |
3.90 GHz | 1.150 V | 61.5 ℃ | 60.7 ℃ | 80.3 fps | 2041 cb |
4.00 GHz | 1.225 V | 68.3 ℃ | 66.2 ℃ | 82.2 fps | 2107 cb |
4.10 GHz | 1.250 V | 72.0 ℃ | 69.9 ℃ | 83.2 fps | 2157 cb |
4.20 GHz | 1.288 V | 75.5 ℃ | 73.3 ℃ | 86.7 fps | 2205 cb |
4.30 GHz | 1.350 V | 83.3 ℃ | 80.2 ℃ | 88.9 fps | 2267 cb |
4.35 GHz | 1.375 V | 87.1 ℃ | 83.3 ℃ | 89.9 fps | 2286 cb |
4.40 GHz | 1.415 V | BSOD | 2311 cb |
手動オーバークロックを7パターン検証したところ、4.40 GHzに大きな壁があることが分かりました。4.40 GHzになった途端に要求電圧は跳ね上がり、動画エンコードテストを突破できなかった。
一方で、アンダークロック(クロックを落とす)によるワットパフォーマンスの改善はとても魅力的です。3.90 GHz(電圧は1.150 V)まで落とすと、消費電力はわずか79 Wにまで改善しています。
79 Wまで消費電力が減っても、マルチスレッド性能はCore i9 9900K(定格)にまだ並びます。つまりRyzen 7 3700Xは、Core i9 9900Kの約4割の消費電力で同じパフォーマンスを発揮するのです。
Ryzenの手動オーバークロックは難易度の割に得られるメリットが少ないため、基本的には高性能な冷却クーラーを用意することにコストを掛けたほうが良いです。
Ryzenの自動オーバークロック機能は、CPU温度が低いほど自動的にクロック周波数を引き上げるシステム。だからわざわざ手動でやらなくても冷やすことに専念して、あとは自動OC任せにするのが扱いやすい。
まとめ:間違いなく今もっとも魅力的な8コアCPU
Ryzenの登場で多コアCPU競争は激化し、中でもメインストリーム向けのラインナップで中心的存在である8コアCPUの「Core i7」と「Ryzen 7」は、CPU選びの大きな2大巨頭でした。
両者には一長一短あり、ゲームをするならCore i7を、クリエイティブなタスクならRyzen 7の方がコスパは良い。という具合に棲み分けが出来ていました。しかし、両者の関係性はRyzen 7 3700Xによって断ち切られます。
Ryzen 7 3700XはCore i7やi9より少ない消費電力で、ライバルのCore i7やCore i9を超える性能を発揮するのです。ゲーミング性能こそわずかに及ばないが、クリエイティブタスクにおける性能はあまりにも脅威的です。
「Ryzen 7 3700X」のデメリットと弱点
- オーバークロックの伸びしろは限定的
- PCIe Gen4を使うには高額な「X570」が必要
- 一部のゲームではi7 9700Kに届かない
デメリットと言うほどではありませんが、一応いくつかRyzen 7 3700Xの弱点を挙げてみました。
Core i7と比較して手動オーバークロックの伸びしろが狭いことは、オーバークロックを楽しみたい人にとっては大きな課題でしょう。Core i7ならブーストクロック以上のOCが可能で、Ryzen 7はブーストクロックが壁になる。
とはいえ、実用上は手動オーバークロックをするメリットはほとんど無いため、ほとんどの人にとって大した問題ではない。定格クロックでCore i7 9700Kどころか、i9 9900Kすら超える性能ですから。
他の課題はPCIe Gen4を使うために、高額な「X570」チップセットを搭載するマザーボードが必要という点。これも課題といえばそうですが、必要性はそれほど感じられないのが現状です。
X570の持つ圧倒的な拡張性を必要とする人は、そもそもPC全体に掛けるコストが高く、X570マザーボードのコスト比率は大したものではなくなります。
唯一、実用上の問題になりそうなのは、最適化されていないゲームにおけるゲーミング性能。特に「黒い砂漠」はその代表例です。フレームレートをわずかでも無駄にしたくないなら、Core i7を選ぶメリットはまだ大きい。
「Ryzen 7 3700X」のメリットと強み
- Core i7 9700Kより2000円安い
- Core i9 9900Kに匹敵するCPU性能
- 驚異的なワットパフォーマンス
- Core i7クラスのゲーミング性能
- 「汎用性」が高いオールラウンダーな性能
- 性能の割にCPU温度は大人しい
- 定格でDDR4-3200メモリに対応
- ソルダリングと金メッキ仕様のIHS
- B450 / X470マザーボードでも使用可
- TDP 105W対応の付属クーラー
- 8コアCPUとして最高のコスパ
2019年時点で、Ryzen 7 3700Xは最高の8コアCPUです。これほどまでに全てにおいてバランスが良く、高い完成度を誇る8コアCPUは過去に見たことがない。
Ryzen 7 2700Xとは全くの別物です。以前のRyzenで見られた「コスパは良いけど…ところどころイマイチ」といった性質は一切なく、あらゆる用途で高い性能を発揮する「汎用性の高さ」がすごい。
Officeはトップクラスに速い、Photoshopもトップクラスに速い。動画エンコードやレンダリングに至ってはCore i7どころか、上位のCore i9 9900Kすら超えるほどの圧倒的な性能です。
Ryzenの大きな課題だったゲーミング性能も大幅に改善。RTX 2080 Tiを相手にしても、Core i7 9700Kにもう少しで届くところまで来てしまった。RTX 2080以下のグラボなら、ボトルネックはほぼ気にならないでしょう。
総じて、Ryzen 7 3700Xは今もっともオススメできる8コアCPUと言っていい。Core i7より安い価格で、i9 9900K並の性能が手に入るわけですから、コストパフォーマンスの高さは疑いようがありません。
というわけで、筆者の個人的な評価は「Sランク(文句なし)」で決まり。Ryzen 7 3700Xはほとんどの人にとって十分な性能を提供してくれる、幅広いユーザーにおすすめできる8コアCPUです。
以上「Ryzen 7 3700Xをレビュー:i7どころか格上のi9すら追い込む」でした。
Ryzen 7 3700Xを入手する
発売から2ヶ月ほど経過して、在庫はようやく安定するようになった。Amazonなど、大手の通販サイトでも約4.2万円ですぐに入手できます。
同時にマザーボードを揃えるなら、おすすめは「ROG STRIX X570-E GAMING」です。ゲームに特化したLANチップ(2.5 GbE)や、高音質なオンボードサウンド「SupremeFX S1220A」を搭載します。
加えて、VRMフェーズ数は「12 + 4」で安定した電力供給を実現。Ryzen 9 3900X(12コア)を4.30 GHzにオーバークロックしても、VRMフェーズの温度はとても大人しいです。
コストパフォーマンスで選ぶ場合は「X470 Taichi」を推奨します。2.5万円という価格で16フェーズ電源を備える、コスパ最強のX470マザーボード。2万円台では最高峰ですね。
Ryzen 7 3700Xを採用するBTOは?
筆者がおすすめしているガレリアブランドより、「Ryzen 7 3700X + RTX 2070 Super」をベースにしたGALLERIA AXFが発売されています。
メモリはDDR4-3200規格を合計16 GB、ストレージはNVMe SSDを512GB搭載し、マザーボードはX570チップセット採用。全体的にバランス良く、妥当なコスパでまとまったゲーミングPCです。
Adobe Photoshopなど、クリエイティブなタスクが目的なら、クリエイター向けブランドの「raytrek AT」も選択肢になります。
3700Xの性能凄いですね
3800Xと迷ってましたが3700Xにしようと思います
検証ありがとうございます!
検証ありがとうございます!助かりました。
読んでて少し思ったのですが、ですます調と、である調が混ざっているため、少し違和感のある文章になっているのではないでしょうか?
だまれ
にしてもR9の凄さが際立ってますね(笑)
R7とi9,i7と比較してても一つだけ別次元ですもんね(笑)
いつも参考になります
cpuの値段だけならかなりコスパ良いですね
ただx570taichiが約4万円、z390extream4が約2万円と考えると悩みどころです
高フレームレートのゲームメインでコスパも求めるならi7が安定ですかね?
よければご意見を伺いたいです
X570が高いならX470やB450と言う選択肢も
ゲームメインならCore i7は良いですね。大抵のゲームでフレームレート伸びますし、Z390マザーボードはX570より安いです。重たい配信とかしないなら十分でしょう。
3800Xとの比較も見たいです。
3800XはRyzen7の選別品といわれていますが、手に取る価値は本当にあるのか、気になります。
Ryzen自体OCの伸びしろがなく
たとえ選別品の3800Xを選択しても4.4Ghz付近に壁があるのは同じです
クロックは0.1Ghz程度差があるのでベンチマークでは数値として差が出ますが、体感上は3700Xとなんら変わらないはずです
3800Xを選択するにあたってはベンチマークの数パーセントの数字に
差額8000円とより高い消費電力を許容できるか?ではないでしょうか
Ryzen 7 3800Xはベンチマーク対策のために用意されたという話もあるので、よほどの理由がない限りは3700Xで良いですね。Twitterで実際に買った人の感想を見る限りでは、顕著に差があるわけではないようですし(OC耐性がほんのちょっと良いかも?程度のレベル)。
お二方ともありがとうございます。
ベンチマークのためだけに用意する必要性は、それほどに高いものなのでしょうか?僕の感覚では理解できません。
そうするくらいなら、800番台をRyzen 9に割り当てて、900番台はThreadripperのために残すという手もあったでしょうに…
AMDが想定していた通りの差別化に失敗したとかなんでしょうかね?
3800Xの発売を遅らせたのも穿った見方をすれば
発売前に3700Xと比較されるのを嫌った感じがしなくもないです
ただ、最近AMDは3世代のRyzenターボコアパフォーマンス向けに最適化された新しいBIOSを配布すると発表したので、多少状況が変わるかもしれませんが
9が900番な理由はcorei9と番号を揃えたかったと言うのがあると思います
どっちにしろスリッパはスリッパで型番割り振られたと思うので
基本的な流れとしては各コアモデルで通常と選別の2モデルの販売という形です
ただし8コアモデルのみ両方とも自動OCが強く掛かるようにしたかったので両方ともx付きの型番としたという形だと思います
Ryzenならではメモリーの相性問題は解決されたのでしょうか?
ddr4-4000mhz帯になると起動しなくなると思うのですが、どうでしょう?
相当な選別メモリを使っているものの、Twitterでは既に4000 MHz以上の動作報告はありますね。ただ、実用上はDDR4-3600(CL16あたり)で性能の伸びが停滞するので、4000 MHz以上を目指す意味はあまり無いですが…。
参考リンク:https://twitter.com/duck_oc/status/1168382165106618368
エンコードに使用した動画ファイルの情報とエンコード設定を詳しく書いた方がいいと思います。
詳しいことが分からないと、エンコード目的で購入を検討している人にはこのデータはあまり参考にならないと思います。
記事に載っている情報だけだと他のCPUと比較した場合、エンコード性能がどのぐらい良いか、又は悪いかぐらいしか分からないかと。
エンコードに使用したファイルと、使用したプリセット(設定)について追記しました。
ありがとうございます。
可能であればAviutlの方も詳細を書いて欲しいです。
3700XはZEN2の凄さを最も良く表している
コスパとワッパに優れたCPUと言える
AMDに移行したいがX570マザボの価格が高いのがネックだなぁ
拡張性があまり要らないなら「X470」「B450」でも問題ないです。対応BIOSが心配な場合は、Zen2ネイティブ対応の「MSI X470 GAMING PLUS MAX」を選べば大丈夫。あるいは安価なX570マザーボードを選ぶのもアリ。「X570 Aorus Elite」などは、安い割にVRMフェーズ設計が非常に堅牢なので安心して選べます。
インテルはアイドルマスターって言われてるのでryzenのアイドル消費電力を詳しく検証して欲しいです
驚異的ですね〜
猛烈な技術開発競争をやって欲しいんですがIntelはたった2世代で弾切れなのが寂しいですなぁ
あとその…いい加減に英語の初歩くらい覚えましょう
2th, 3thじゃなくてsecond 2nd(セカンド), third 3rd(サード)です
トゥースって春日じゃないんだから
さむ
OBSでのゲーム配信時のスコア(?)を載せてくれるのが本当に嬉しいです
いつもありがとう
BIOSのサイズですが、単位はByteではなくbitですよ。
128Mbit→16MByteです。
ホントですね。修正しておきます。
Ryzen5 3600の記事の際にEPPROM容量について指摘していたんですが・・・
そっちも直しておいていただけますか?
・・・まさか私、荒し認定ですか!?
何を持って荒らし認定って言ってるんだか
コメント見られてないかスルーされてるだけだと思うけど?
何様?
きしょ
そしてBIOS更新の問題について。実はX370 / B350など300番台のマザーボードでは、BIOSを保存するROM(内蔵メモリー)の容量が128 MBしかないことが原因です。
→128Mbitじゃないの?
msiのB450マザーのほとんどが謎にBIOS Flashback対応してるから今からZen2と合わせて買うのに大変よい
zen+のときみたいに、メモリクロックのゲームへの影響、レビューして貰えると凄くありがたいです。
ググっても無いんですよねなぜか
メモリクロックの検証は、過去のコメントで回答している通り、検証を行う予定です。スケジュール的になかなか時間が取れないので、後ろ倒しになっています。
久しぶりに AMD で組んでみようかと考えているのでかなり参考になりました。
本筋ではありませんが、こういう文脈で「出し抜く」を使うのは避けたほうがよろしいかと。
「出し抜く」で調べてみると、確かに文脈的には変な感じですね。勉強不足でした…後ほど修正します。
Zen2の主力レビューお疲れさまです!
グラボも色々でてきましたね
superにnaviのやかもちさんのご意見伺いたいです
特にRX5700などは通常使用と低電圧によって、コストパフォーマンスやワットパフォーマンスの変化をやかもちそん流に切って頂きたいです
次の記事も楽しみにして待っています
SuperとNaviはレビュー予定ですが、ちょっと引っ越しとか色々とスケジュールが逼迫してまして、レビューを出せるのはまだ先になりそうです。
手動OCについて質問です。
3.90GHz固定にして消費電力を79Wに改善した部分についてアンダークロックと書いてあります。
3700xはベースクロック3.60GHzとあるので、定格以上に手動OCしていると私は思ったのですが、この考えは違いますか?
また、自動OCをせずに余裕をかなり持たせて周波数固定することもアンダークロックと呼ぶのでしょうか?
自作初心者の質問ですが、教えてくれると助かります。
現代のCPUはベースクロックで動作することはほとんど無いです。大抵はブーストクロックまで上昇して動作します。Ryzen 7 3700Xの場合はクーラーの冷却性能にも依存するものの、だいたい4.05~4.10 GHz前後で動作します。よって、それよりも低いクロックに意図的に下げることは、アンダークロックと定義して差し支えないと考えています(※あくまでもぼくの考えですが)。
メモリは相性などあってポン付けでは揃えづらいのかもしれませんが(定格クロックで揃えた事情もわかります)、
ストレージは流石に揃えて欲しいです……
9900kにSATAをOS用ストレージにする人なんていませんよ!
< 9900kにSATAをOS用ストレージにする人なんていませんよ!
いますよ。価格コムのピックアップリスト等を見れば分かりますが、9900KにSATA SSDを使う人はいます。パッと探した感じでは、Crucial MX500が意外と人気ですね。
RyzenCPU RadeonGPU使ってるユーザーの一部はブルスクや重いゲーム起動中にデュアルモニターやらブラウザ開いてると動作が重たくなるのでchrome使ってる方はハードウェアアクセラレーションのチェックを外すといいですね
Ryzenは世代を重ねるごとにプロセスルールやその他諸々が進化しているがCoreシリーズはクロックアップやコア数増量ぐらいしか進化要素がないのがなんとも…まあ14nm++プロセスルールは改良はすれど基本設計自体かなり古いものですしね…10nmのIce lakeが投入されれば多少変わるかもしれませんが…
レビューが詳細で分かりやすく、大変参考になっております。ありがとうございます。
最近私の現PCの電源が故障しまして、どうせならと、ほぼ丸ごとRyzen 7 3700Xでの組み直しを検討しています。
そこで1点質問があるのですが、Ryzenは「Aviutlのプレビューが重たい。」現象があると以前の記事でお書きになっていらっしゃり、また、それが再現しなくなったともありました。
今世代のRyzenでも同様の現象やおかしな挙動は発生しましたでしょうか?Aviutlをよく使用するので気になっております。ご検証時に操作された時どうだったか程度でもかまわないので、ご回答いただけると幸いです。
全くないです。Ryzen 5 3600、Ryzen 7 3700X、Ryzen 9 3900Xを使ってきましたが、Aviutlのプレビューがマトモにできない不具合は発生していません。
テキストオブジェクトを10個配置してもスムーズにプレビューできます。今となっては、古いBIOSを使っていると発生する(かもしれない)稀な現象だと考えています。
ご回答ありがとうございます。
おかげ様でRyzen 7 3700Xでの組み直しの決心がつきました。今週末にでも買ってこようと思います。
本当にありがとうございました!
x470,B450でのPCIEX4.0対応が外されて来ましたね。
BIOSアプデでPCIEX3.0に戻されるようなアップデート内容があがってます
HD映像のエンコードやオーサリングをしているのですが、その用途で言えばコスパかなり良いと考えられますよね?
小さな会社なので最上位の物は買えないのです…
6万円以下のCPUでは、Ryzen 7 3700Xは最高の性能です(厳密には3800Xが最強ですが、値段差ほど性能は変わらないです)。コスパが良いのは間違いありません。
ご回答感謝です、胸を張って社長にねだろうと思います!
第三世代でこの性能だから次に出てくる4世代目はどうなるんだろう・・・IPCは8~10%あたりの向上がよく見られてるけど、下手したらIntelの存在価値が壊滅寸前までになるんじゃないかな、FX時代のAMDのように。Intelはかろうじてモバイル向けで優位に立ててるけど、GPU分野に立とうとしてるところをみるとワンチャン第三世代Ryzenの影響力があまりにも高すぎる可能性があるかな
あまり関係ないですけど、水冷クーラーのファンって二重にしたらどうなるんですかね…?
[…] Ryzen 7 3700Xをレビュー:i7どころか格上のi9すら追い込む | ちもろぐ […]
こんにちは!いつも読んでます。
自作したいのですがいくつか質問があります。
1. ryzen7 3700xを使ってソフトウェアエンコードでライブ配信したいのですがおすすめのCPUクーラーを教えてください。数時間に渡って高負荷をかけ続けるので冷却性能に少し余裕をみたいです。セミオープンのケースを使用する予定なので静音性も重視したいです。
2. 海外の方がi9 9900kでOBSのMedium設定でPUBGをライブ配信されていたのですがCPU使用率が60%程度でした。i9 9900kにとっても重たいタスクだと思うのですが100%にならないんでしょうか?
1.
静音重視だと、やはり「Noctua NH-D15」がおすすめです。コスト重視なら「忍者五」もよく冷えて静かな方です。
2.
フルHD(1920×1080)ではなく、HD画質(1280×720)で配信している可能性があるかも?
ありがとうございます。クーラーはそのどちらかにしようと思います。
もう一度海外の方の方の動画を見てきました。確かに1080pとも720pとも書かれていなかったです。たぶんやかもちさんがおっしゃる通り720pで配信されているのかなと思います。
アドバイスありがとうございました。
[…] いずれも8コア、16スレッドですが、こちらのブログの記事を見ても、 […]
[…] いずれも8コア、16スレッドですが、他所の方が書いたこちらのブログの記事を見ても、 […]
はじめまして、いつも楽しく拝読しています。つい先日も”AMD RYZENで自作PC”の記事を参考に、初自作を行いました。
そこで1点質問ですが、現在グラボをRTX2070 superを使用しており、CPUはryzen5 3600ですが、ryzen7 3700Xにアップグレードしようかと考えています。
目的としては、ゲーミングのFPS向上といったところですが、グレードアップしたところで性能差はあまりないでしょうか?
モニターはWQHDを使用、配信等は行いません。
ゲーミングといっても、FPS等ではなく、FF15・アサクリオデッセイ等のオープンゲーメインです。
ご意見いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
解像度がWQHDなら、フレームレート向上はそれほど望めないです(変わっても3%くらい)。ですので、Ryzen 5 3600ですでに目的は十分達成できていると思います。
ご返信いただき、ありがとうございます!
そうでしたか・・・、あきらめがついてよかったです。
自作を始めると、どんどんパーツが欲しくなってしまいますね。
引き続き、また更新される記事を楽しみにしております!
アドバイスありがとうございました。
はじめまして、自作PCをつくるために動画を見て勉強させて頂いてます。Ryzen 7 3700Xを購入しようと思っているのですが
シングルスレッド性能とマルチスレッド性能というのがよくわからないのですが、そもそも複数のコアを沢山ついているものを使っているのに…。
シングルとマルチを切り替えるオプションがあるんでしょうか?
Ryzen 7 3700Xはコアが8つ付いていますよね?
シングルというのはコアをいくつ動かいているんでしょうか?
マルチスレッドにするとどう変わるんでしょうか?
よろしくお願いします。
シングルスレッド性能 → CPUコア1つあたりの性能。
マルチスレッド性能 → CPUコアを全部使った場合の性能。
ソフトによって効率よく使えるコア数が違うので、用途によってCPU性能が効率よく発揮されるかどうかが違います。
たとえばゲームの場合は、CPUのコア数よりもシングルスレッド性能の方が重視され、レンダリングや動画エンコードはマルチスレッド性能の方が効率よく効きます。
ありがとうございました。
自己解決できました。ご迷惑をお掛け致しました。マルチスレッドの時はどのような負荷をかけていらっしゃるのですか??
いつもわかりやすい記事で参考にさせていただいています。
1つ質問をさせてください。
コストパフォーマンスも含めたその他の点を一切考慮せずに単純なゲーミング性能のみで考えた場合は、3700xとi7 8700kではほぼ同じか性能か若干8700kが優位と考えて良いでしょうか?
CPUの購入者の参考にさせていただきたいのでよろしくお願いします。
本記事のレビューでは、インテル側は「DDR4-2666」、AMD側は「DDR4-3200」で検証しています。なのでAMD Ryzenのゲーミング性能は若干底上げされていて、メモリクロックを揃えるとCore i7 8700Kの方が優位になります。
最近のCPUレビューでは、DDR4-2666固定で検証していますので、↓こちらも参考にしてみてください。6コア12スレッドのCore i5 10400Fが、Ryzen 7 3700Xに勝っているのが分かります。
・Core i5 10400Fをレビュー:Ryzen 5 3600やi5 9400Fと比較してみた。
最適化の問題が壁になってるので、コスパを無視すればi5 10400Fやi7 9700Kの方が、ゲーミング性能は強いですね。
3700Xはゲーム性能でインテル第9世代に負けますが第8世代以前には圧勝です。
GPUを1080ti固定でFF15ベンチ結果をネット記事などと比較します。
実測は3700xのみ、インテル系は記事から抜粋。設定はすべて高品質フルHD。
3700x工場出荷時実測値スコア:10453
全コア4.3GにOCした3700x実測値スコア:10448
i7 7700K殻割り&クマメタル化記事スコア:9940
根拠http://blog.livedoor.jp/wisteriear/archives/1069571455.html
i7 8700k記事スコア:9282
根拠https://pcgamebto.com/masterpiece-i1630pa1-smm/#7