Intel Coreシリーズ「i3 / i5 / i7」世代一覧と性能差まとめ

パソコンについてちょっとでも知識があれば、なんとなくインテルのCoreシリーズを知っているはずです。しかし、同じIntel Coreシリーズでも「世代」があって、世代によって性能がまったく違うことまで知っている人は少数派。

というわけで、本記事では初心者向けに分かりやすくCoreシリーズの世代一覧と性能差を解説します。

(公開:2018/7/26 | 更新:2022/11/1

Sponsored Link

 Intel Coreシリーズの世代一覧

世代プロセス代表作ソケットチップセット対応OS
13th Raptor Lake-S10 nmLGA 1700Intel 600 / 700シリーズZ790 / B660 / H610などWindows 10 or 11
12th Alder Lake-S10 nm
11th Rocket Lake-S14 nmLGA 1200Intel 500シリーズZ590 / H570 / B560など
10th Comet Lake-SLGA 1200Intel 400シリーズZ490 / H470 / B460など
9th Coffee Lake-RLGA 1151注意:7世代以前と互換性なしIntel 300シリーズZ390 / B365 / H310など
8th Coffee Lake
  • Core i7 8700K
  • Core i5 8400
  • Core i3 8100
7th Kaby Lake
  • Core i7 7700K
  • Core i5 7500
  • Core i3 7350K
LGA 1151Intel 200シリーズZ270 / H270 / B250などWindows 10
6th Skylake
  • Core i7 6700K
  • Core i5 6500
  • Core i3 6100
Intel 100 / 200シリーズZ170 / H170 / B150などWindows 7 / 8.1 / 10
5th Broadwell
  • Core i7 5775C
  • Core i5 5675C
LGA 1150Intel 9シリーズ
4th Haswell22 nm
  • Core i7 4790K
  • Core i5 4690K
  • Core i3 4170
Intel 8 / 9シリーズWindows XP / 7 / 8 / 8.1 / 10
3rd Ivy Bridge
  • Core i7 3770K
  • Core i5 3570K
LGA 1155Intel 7シリーズ
2nd Sandy Bridge32 nm
  • Core i7 2700K
  • Core i5 2500K
Intel 6 / 7シリーズ
1st Nehalem45 nm
  • Core i7 875K
  • Core i5 760
  • Core i3 560
LGA 1156Intel 5シリーズ
世代最大メモリ容量メモリの規格PCIeレーン
13th Alder Lake-R128 GBDDR5-5600
DDR4-3200
Gen 5 x16 + Gen4 x4
12th Alder Lake-R128 GBDDR5-4800
DDR4-3200
Gen 5 x16 + Gen4 x4
11th Rocket Lake-R128 GBDDR4-3200Core i5以上Gen 4 x16 + x4
10th Coffee Lake-RDDR4-2933Core i9 / i7のみGen 3 x16
9th Coffee Lake-RDDR4-2666
8th Coffee Lake
7th Kaby Lake64 GBDDR4-1866/2400
6th SkylakeDDR4-1866/2133
5th Broadwell32 GBDDR3 1333/1600
4th Haswell
3rd Ivy Bridge
2nd Sandy BridgeGen 2 x16
1st Nehalem16 GBDDR3 1066/1333

対応しているメモリ容量も、世代を更新するごとに少しずつ拡張されいています。初代は最大16 GBだったのが、第8~10世代では最大128 GBまで認識します。一方で、拡張性にかかわるPCIeレーン数は第3世代以降からほとんど変わっていません(※HEDT向けCPUの棲み分けをする都合上、仕方ないかも)

※ 話をカンタンにするために、Intel Coreシリーズの上位に位置する「Core X」は省いています。

現在のCore i3、Core i5、Core i7のブランド展開は2008年に登場した「Nehalem」世代が全ての始まりです。それから1年くらいのペースで世代更新を行い、Coreシリーズの性能アップが図られています。

そして世代を更新して設計を変更するたびに、対応するソケットやチップセットが新しくなって互換性が失われているのが特徴。おおむね2世代おきに互換性が消失するため、AMD Ryzenと比較して乗り換えコストがやや高いです。

第8~9世代の「LGA 1151」は従来のと別物

第6世代からつづく「LGA 1151」ソケットですが、実は第8世代以降のLGA 1151とはまったくの別物です。にも関わらずソケット名は同じままなので非常にややこしい(インテルは何ヤッテル?)

6~7世代のLGA 11518~9世代のLGA 1151 (v2)

ソケットのピン数は同じなので物理的にセットはできます。しかしピンの内容が微妙に変更されているため、セットできてもCPUは一切動作しません。

第8世代以降のIntel Coreを選ぶときは、かならずマザーボードのチップセットが「Intel 300シリーズ」かどうかを確認しましょう。ソケット名だけでは見分けがつかないので、チップセットの種類で判別するのです。

やかもち
たとえば「Core i5 9400F」を使うなら、「Z390」や「B365」と書かれたマザーボードを選びましょう。

第8世代以降はWindows 10と11しか使えない

Intel Coreの世代について解説:対応しているWindowsについて

次によく知っておいて欲しいのが、使えるWindowsの違いです。第6世代のSkylakeまでは、Windows 7や8.1を正式サポートしていました(Win XPは上級者向けです)。

しかし、第7世代のKabylake以降はWindows 10のみをサポートしており、第8世代からはWindows 10およびWindows 11をサポートします。新しい世代でWindows XPや7をインストールしようとしてもインストール画面が開きません。

最新世代(第12世代Alder Lake)でWindows 7を使うのは・・・残念ながら諦めてください。

Windows 7を使えないのはIntelだけでなくライバルの「AMD Ryzen」も同じなので、基本的に最新のCPUで古いWindowsを使うのは無理だと思っておけば大丈夫。

やかもち
そもそもWindows 7は2020年1月14日にサポート終了。今さらWin 7を選ぶメリットは何もありません。

世代の見分け方

Intel Coreの世代について解説:型番の読み方で分かる「世代」

世代を見分ける方法は超カンタンです。Intel Coreシリーズの商品名はこのイラストにまとめた通りで、4桁の型番の一番最初を見れば良い。「8100」なら第8世代、「10700」なら第10世代です。

世代の見分け方(早見表)
1st Nehalem型番が3桁しかないCore i7 875K
2nd Sandy Bridge4桁の最初の一文字が「2」Core i7 2700K
3rd Ivy Bridge4桁の最初の一文字が「3」Core i7 3770K
4th Haswell4桁の最初の一文字が「4」Core i7 4790K
5th Broadwell4桁の最初の一文字が「5」Core i7 5775C
6th Skylake4桁の最初の一文字が「6」Core i7 6700K
7th Kabylake4桁の最初の一文字が「7」Core i7 7700K
8th Coffee Lake4桁の最初の一文字が「8」Core i7 8700K
9th Coffee Lake R4桁の最初の一文字が「9」Core i7 9700K
10th Comet Lake S5桁の最初の二文字が「10」Core i7 10700K
11th Rocket Lake S5桁の最初の二文字が「11」Core i7 11700K
12th Alder Lake S5桁の最初の二文字が「12」Core i7 12700K
13th Raptor Lake S5桁の最初の二文字が「13」Core i7 13700K

なお、型番が2桁になる10世代以降の命名方法も変わっていません。たとえばCore i7なら「Core i7 13700K」でCore i5だと「Core i5 13600K」など、型番のさきに世代ナンバーを振り分ける方式です。

接尾辞(Suffix)とは?

Intel Coreの世代について解説:一番最後の「接尾辞」とは?

型番の一番後ろに付属している「一文字のアルファベット」。いわゆる接尾辞(英語でSuffix)と呼ばれるもので、Intel CPUの場合はそのCPUの性質や特徴を示すために使われています。代表的な接尾辞は以下の通り。

接尾辞意味ざっくり解説
無印なし普通のCPUです。原則として、オーバークロックができません。
KF倍率ロックフリーだけど内蔵GPUも省略第9世代から登場。内蔵グラフィックスを省きつつ、オーバークロックに対応。完全にゲーマー向け。
K倍率ロックフリー「アンロック版」とも呼ばれます。CPUのクロック倍率を自由に変更できる、オーバークロック特化型CPUです。
F内蔵GPUなし第9世代から登場。内蔵GPUを省くかわりに値下げしたCPUです(→ インテルの「F」を解説)。

別途グラフィックボードを用意するなら「F」モデルがコスパ良いです。内蔵GPUを省くかわりに、大幅に値下げしてます。

手動設定でオーバークロックをする場合は、「F」や「無印」と比較して割高ですが、倍率ロックフリーの「K」または「KF」を選ぶほかありません。

接尾辞意味内容
無印なしごく普通のCPUです。原則としてオーバークロックができないのが大きな特徴です。
KF内蔵GPUなし第9世代から登場しました。内蔵グラフィックスを省きつつ、オーバークロックにも対応しています。ゲーマー向けです。
F内蔵GPUなし同じく第9世代から。内蔵グラフィックスを省き、価格を大幅に抑えたCPUです(→ インテルの新シリーズ「F」を解説)。
XE超ハイエンド「Core X」シリーズの最上位(Extreme Edition)につけられています。
Xハイエンド「Core X」シリーズにつけられています。
K倍率ロックフリー「アンロック版」とも呼ばれます。CPUのクロック周波数の「倍率」が自由に設定できる、オーバークロック特化型のCPUです。性能を重視するなら「K付き」がベスト。
T省電力デスクトップ向けの省電力モデル。TDPが35 Wくらいに設定されています。
U省電力モバイル向けの省電力モデル。TDPはさらに低い15 Wに抑えられています。
Y超省電力薄型ノートPCやタブレット向けの省電力モデルです。TDPはたった5 Wですが、性能も相当に低いです。
G#内蔵GPUの種類ノートパソコン向けの「Ice Lake」世代で使われている、内蔵グラフィックスを見分けるためのナンバーです。

  • 「G7」が高性能グラフィックス(64ユニット)
  • 「G4」が中性能グラフィックス(48ユニット)
  • 「G1」が低性能グラフィックス(32ユニット)

現在は以上の3つが使われています。G7を100%の性能とするなら、G1は半分の性能です(UHD 630よりやや低性能)。

HGPU強化無印版より優秀な内蔵グラフィックスを搭載しています。
HK倍率ロックフリーノートパソコン向け。内容はデスクトップ向けの「K」と同じです。
HQ高性能第8世代以降は廃止されたようです。「U」よりコア数が多く、TDPが高い性能特化型のCPUです。
GGPU特化内蔵グラフィックスに「AMD Radeon Vega M」を搭載しています。内蔵GPUとしては最強の性能でした。

デスクトップ向けCPUなら「K」「F」の2つを覚えておきましょう。モバイル向けなら「U」「Y」「H」「G7 / G4 / G1」の4つを知っておけば困らないと思います。それぞれがどのように違うのかは、各レビュー記事を読めば分かりやすいです。

Sponsored Link

Intel Coreの世代ごとの性能差

世代ごとの互換性や型番の読み方はおおむね解説できました。

次は「Intel Coreって世代更新でどれくらい性能が変わるの?」という素朴な疑問について、ベンチマークデータを用いてあっさりと解説します。

こちらのデータベースから、世代ごとの性能差をまとめていく(※新しい世代のデータは筆者が実際にテストして確かめた数値です)

Core i7の世代ごとの性能比較

「Core i7」世代別の性能(Cinebench R15)

  • Core i7 13700K
    4622 cb
  • Core i7 12700K
    3359 cb
  • Core i7 11700K
    2332 cb
  • Core i7 10700K
    2066 cb
  • Core i7 9700K
    1552 cb
  • Core i7 8700K
    1364 cb
  • Core i7 7700K
    988 cb
  • Core i7 6700K
    880 cb
  • Core i7 5775C
    772 cb
  • Core i7 4790K
    781 cb
  • Core i7 3770K
    664 cb
  • Core i7 2700K
    689 cb
  • Core i7 875K
    432 cb

世代更新には多くの場合「製造プロセスの微細化」が伴います。同じ面積により多くのチップを載せられるようになるので、同じコストでより高いパフォーマンスを得られます。

インテルCPUでは、なんと第6世代から第11世代まで、なんと5代にわたってプロセスが14 nmのまま停滞しています。8世代から性能が伸びているのは、ただ単に「コア数の増量」で対処しただけで技術革新は関係ないです。

たとえば、第7世代のCore i7は「4コア8スレッド」でした。第8世代で「6コア12スレッド」に倍増、第9世代では「8コア8スレッド」さらに第10世代で「8コア16スレッド」と。4世代のうちにコアもスレッドも2倍に増えています。

なお、2021年11月に登場した第12世代(Alder Lake)でようやく14 nmから10 nmへ微細化が進み、たった1世代で性能が約1.4倍も伸びています。

1.4倍も性能を伸ばせた理由はもちろん微細化が大きいですが、微細化したおかげで、かつてないほど洗練された新設計を導入できたのが大きいです。

Alder Lakeは高性能コアと小さなコアの組み合わせ

11世代比でおよそ1.2倍も高性能な「8コア16スレッド」に加えて、第6世代の80%に相当する性能を持つ小さなコアが「4コア4スレッド」追加されました。合計「12コア20スレッド」の圧倒的パワーで、一気に性能がジャンプします。

第13世代(Raptor Lake)のプロセスは10 nmのままですが、小さなコアが「8コア8スレッド」に増え、合計「16コア24スレッド」に。コア数が増えた分だけ性能が伸び、12世代比でおよそ1.4倍です。

Core i5の世代ごとの性能比較

「Core i5」世代別の性能(Cinebench R15)

  • Core i5 13400F
    2428 cb
  • Core i5 12400F
    1803 cb
  • Core i5 11400F
    1560 cb
  • Core i5 10400F
    1333 cb
  • Core i5 9400F
    941 cb
  • Core i5 8400
    945 cb
  • Core i5 7400
    541 cb
  • Core i5 6400
    498 cb
  • Core i5 5675C
    590 cb
  • Core i5 4570
    521 cb
  • Core i5 3450
    462 cb
  • Core i5 2500
    436 cb
  • Core i5 750
    297 cb

Core i7と同様に、Core i5も世代更新ごとに性能を伸ばしています。第7世代まで「4コア / 4スレッド」だったのが第8世代からは「6コア / 6スレッド」に増量され、クロック周波数も引き上げられたため性能が一気に上昇中。

さらに第10世代では「6コア /  12スレッド」へとスレッド数が倍増、第8世代のCore i7に匹敵するほどの性能です。

次の第11世代は1世代前と同じく6コア12スレッドのまま、新設計の採用で1~2割の性能アップを果たします。

第12世代では10 nmへ微細化が進み、より高性能なコアに設計が更新されます。新設計の高性能コアによる6コア12スレッドで、同じコア数で約16%も高性能に。

最新の13世代は基本的な設計は同じですが、第6世代の80%に相当する性能を持つ小さなコアが「4コア4スレッド」追加され、合計「10コア16スレッド」に。コア数が増えた分だけ性能アップで、従来比で1.35倍の性能です。

Core i3の世代ごとの性能比較

「Core i3」世代別の性能(Cinebench R15)

  • Core i3 12100F
    1121 cb
  • 該当なし
  • Core i3 10100
    887 cb
  • Core i3 9100F
    632 cb
  • Core i3 8100
    566 cb
  • Core i3 7100
    423 cb
  • Core i3 6100
    308 cb
  • 該当なし
  • Core i3 4170
    373 cb
  • Core i3 3210
    284 cb
  • Core i3 2100
    233 cb
  • 該当なし

Core i3もじわじわと性能を伸ばしています。300~400点前後だった性能は、第8世代から「4コア」にいきなり倍増したおかげで一気に600点台にまで改善です。

第10世代では、ついに「4コア / 8スレッド」に変更され、第7世代のCore i7 7700とほとんど同じ性能になりました。低予算パソコンもかなり余裕ある性能で組めそうです。

第11世代のCore i3は発売されず、第12世代で最新のCore i5が登場。10 nmに移行した新しいCPUコアを搭載します。同じ4コアのまま、性能が約1.3倍に伸びています。

第8世代のCore i5 8600と同じくらいの性能です。

Core i9の世代ごとの性能比較

「Core i9」世代別の性能(Cinebench R15)

  • Core i9 13900K
    6217 cb
  • Core i9 12900K
    4127 cb
  • Core i9 11900K
    2464 cb
  • Core i9 10900K
    2585 cb
  • Core i9 9900K
    2062 cb
  • Core i9 7900X
    2188 cb

Core i7より上に位置する最上位モデル「Core i9」がコンシューマ向けに登場して、かれこれ5世代目(※Core i9 9900Kが初のコンシューマ向けCore i9)です。

製造プロセスが14 nmで停滞している11世代まで、性能が微妙に伸びたり、逆に下がったりと不安定・・・。しかし、10 nmに移行した12世代から一気に性能が約67%も伸び、最新の13世代ではさらに約51%も性能が伸びています。

かつて約12.5万円もしたCore i9 7900Xの3倍に匹敵する性能を、今では10万円で出せる時代に。

今からCoreシリーズを選ぶなら「第12世代」または・・・

グレードCore i7Core i5Core i3
13世代16コア / 24スレッド14コア / 20スレッド
または 10コア / 16スレ
12世代12コア / 20スレッド10コア / 16スレッド
または 6コア / 12スレ
4コア / 8スレッド
11世代8コア / 16スレッド6コア / 12スレッド
10世代8コア / 16スレッド6コア / 12スレッド4コア / 8スレッド
9世代8コア / 8スレッド6コア / 6スレッド4コア / 4スレッド
8世代6コア / 12スレッド
7世代まで4コア / 8スレッド4コア / 4スレッド2コア / 4スレッド
コア増加4倍4コア → 16コア3.5倍4コア → 14コア2倍2コア → 4コア

今からIntel CoreシリーズのCPUを選ぶ予定なら、第12世代がおすすめです。

同じ値段のまま、コア数が3倍、スレッド数が2.5倍へ増量されて性能が大幅に伸びています。同じ値段が高性能だからコストパフォーマンスも良いです。

今のCore i7は従来のCore i9に匹敵、Core i5は以前のCore i7~Core i9並、Core i3は従来のCore i5並の性能に進化しているのです。これからIntel Coreを買うなら「第12世代」がベストです。

なお、最新の「第13世代」は円安の影響でCPU本体の値段が少し上がっています。インテルの希望価格は変わっていないのに、円安のせいで日本国内の実売価格が3割ほど上がってしまいました。

3割の値上げでもコスパは12世代より若干いいですが、正直あまりにも高性能過ぎて若干オーバースペックな気がするような・・・しないような・・・。

お財布に余裕があって、なるべく最高の性能を希望する方は13世代へ。コスパを重視して、浮いた予算で他のパーツ(グラボなど)にお金を掛けるなら12世代をおすすめします。

円安さえなければ問答無用で13世代を推したいのですが、今の価格だと12世代もまだまだ魅力的です。

逆に、11世代より古い世代をいまさら買う意味はほとんど無いので注意してください。在庫処分セールで半額ならアリですが、定価で11世代以前を買うメリットは皆無です。

あえてインテルの旧世代を選ぶ理由?

それでもあえて旧世代(~7世代)を選ぶメリットは、「Windows 7を使いたい」か「中古で激安なパソコンを組みたい」の2つです。しかし、どちらもPCマニア向けの選択肢で、初心者さんには全くオススメできません。

中古のAMD Ryzenは6コアが1.2万円

中古CPUを選ぶにしても、今ならRyzen 5 3600(6コア12スレッド)を選ぶほうがコストパフォーマンスがいいです。約1.3万円から買えて、性能は第8世代のCore i7と同じレベルです。

2022年11月時点では、限定特価2万円※で6コア12スレッドの「Ryzen 5 5600」が新品で買えます。2.5万円で売っているCore i5 12400Fとほぼ同じ性能が、2万円で買えるので文句なしのコスパです。

※期間限定のセール価格です。ふだんは2.4~2.7万円で販売されており、コスパがイマイチ。

Intel Coreシリーズまとめ

最後にここまで解説してきた、Intel Coreシリーズの世代や注意するべき互換性の話についてまとめます。

世代プロセス代表作ソケットチップセット対応OS
13th Raptor Lake-S10 nmLGA 1700Intel 600 / 700シリーズZ790 / B660 / H610などWindows 10 or 11
12th Alder Lake-S10 nm
11th Rocket Lake-S14 nmLGA 1200Intel 500シリーズZ590 / H570 / B560など
10th Comet Lake-SLGA 1200Intel 400シリーズZ490 / H470 / B460など
9th Coffee Lake-RLGA 1151注意:7世代以前と互換性なしIntel 300シリーズZ390 / B365 / H310など
8th Coffee Lake
  • Core i7 8700K
  • Core i5 8400
  • Core i3 8100
7th Kaby Lake
  • Core i7 7700K
  • Core i5 7500
  • Core i3 7350K
LGA 1151Intel 200シリーズZ270 / H270 / B250などWindows 10
6th Skylake
  • Core i7 6700K
  • Core i5 6500
  • Core i3 6100
Intel 100 / 200シリーズZ170 / H170 / B150などWindows 7 / 8.1 / 10
5th Broadwell
  • Core i7 5775C
  • Core i5 5675C
LGA 1150Intel 9シリーズ
4th Haswell22 nm
  • Core i7 4790K
  • Core i5 4690K
  • Core i3 4170
Intel 8 / 9シリーズWindows XP / 7 / 8 / 8.1 / 10
3rd Ivy Bridge
  • Core i7 3770K
  • Core i5 3570K
LGA 1155Intel 7シリーズ
2nd Sandy Bridge32 nm
  • Core i7 2700K
  • Core i5 2500K
Intel 6 / 7シリーズ
1st Nehalem45 nm
  • Core i7 875K
  • Core i5 760
  • Core i3 560
LGA 1156Intel 5シリーズ

世代ごとに対応しているソケット・チップセット・OSが違うので、しっかりと規格を確認して間違えないように。特に第8世代はLGA 1151に注意してください。6~7世代のLGA 1151と互換性は一切ありません。

確実に見分ける方法は「Intel 300シリーズ」のチップセットが搭載されているかどうかです。第8~9世代なら「Z390」や「B365」のマザーボードなら、まず間違いないなく対応しています。

第10世代は、ソケットが「LGA 1200」に更新されてチップセットも「Intel 400シリーズ」に更新されているため、以前ほど間違えることは無いでしょう。

第11世代はソケットこそ「LGA 1200」で同じに見えますが、PCIe Gen4など新機能は古いチップセットで著しく制限されています。実質「Intel 500シリーズ」専用と考えてください。

最新の第12~13世代は「LGA 1700」で互換性あり。ただし、13世代をIntel 600番台のマザーボードで使う場合は、BIOSアップデートが必要です。

USB Bios flashback

一部のマザーボードはUSBメモリだけでBIOSアップデートが可能

13世代とIntel 600マザーボードを購入する際は、USBメモリだけでBIOSアップデートができる「BIOS Flashback」機能がついているかどうか確認してください。

使いたい世代必要な環境
13th Raptor Lake-SLGA 1700 かつ Intel Z790 / B760 そして Windows 10 or 11
※従来のZ690 / B660 / H610はBIOSアップデートで対応
12th Alder Lake-SLGA 1700 かつ Intel Z690 / B660 / H610 そして Windows 10 or 11
11th Rocket Lake-SLGA 1200 かつ Intel Z590 / H570 / B560 そして Windows 10 or 11※従来のZ490 / H470はBIOSアップデートで(一応)対応
10th Comet Lake-SLGA 1200 かつ Intel Z490 / H470 / B460 そして Windows 10 or 11
9th Coffee Lake-RLGA 1151 かつ Intel Z390 / B365 そして Windows 10 or 11※従来のH370 / B360 / H310はBIOSアップデートで対応
8th Coffee LakeLGA 1151 かつ Intel Z370 / H370 / B360 / H310 そして Windows 10 or 11
7th Kaby LakeLGA 1151 かつ Intel Z270 / H270 / B250 そして Windows 10
6th SkylakeLGA 1151 かつ Intel Z170 / H170 / B150 / H110 そして Windows 7 ~ 10

世代とチップセットの対応表をまとめてみました。最近はかなり減りましたが、今でも「LGA 1151なのにCore i5 9400が動かないです。」など、互換性に引っかかる初心者さんは稀に見られます。

もういっそのこと、第8~9世代のIntel Coreシリーズは「Z390」または「B365」や「H310」のマザーボードでしか使えない、と暗記してしまえば安心です。

初心者もち
13世代って、Intel H610みたいな格安マザボで使えるの?
やかもち
理論上は対応できますが、対応したBIOSがあるかどうかはメーカー次第。メーカーの製品ページをよく確認してください。

自分が使っているシステムを確認する

  • 「今使っているパソコンに入っているCPUの型番を知りたい。」
  • 「マザーボードのチップセットを調べて、1世代新しいCPUに乗り換えられるか確認したい。」

という人向けに、以下の記事をおすすめします。

CPUを確認(タスクマネージャー)

CPUの型番を見るだけなら「タスクマネージャー」で十分。マザーボードに搭載されているチップセットを見るなら「CPU-Z」を使うと分かりやすい。などなど色々と解説しています。

おすすめなCPUやベンチマークデータを知りたい

「パソコンの新調を考えているので、CPUの選び方やオススメを知りたい。」という人には、以下の記事がおすすめ。

インテルの第13世代と第12世代、ライバルの第5世代AMD Ryzenを詳しく比較ベンチマークした記事です。Cinebenchだけでなく、Photoshopの性能やゲーム性能も含めて総合的に調べた記事なので、両者のメリットと弱点が分かりやすいです。

2020年時点の筆者おすすめCPUをまとめて解説した↑記事です。実際に使った上で、客観的な評価で解説していますが、PC初心者にも分かりやすい説明にしています。

CPUの性能を一気に比較するなら、当ブログのCPU性能比較表がおすすめ。Passmarkスコアだけでなく、Cinebench R15のスコアもまとめたのがメリットです。

ノートパソコン用CPUの性能比較もあります。最新のTiger Lake世代やIce Lake世代のベンチマークデータも掲載済みです。


以上「Intel Coreシリーズ、i3 / i5 / i7の世代一覧と性能差まとめ」について解説でした。

Sponsored Link

63 件のコメント

  • Corei3の説明書きで「今のCore i5は昔のCore i5と互角レベルです。」になっちゃってますよ。

  • i5 8400のスコアが他記事では950とかですがこの記事だと100程度下がって845になっています。これは誤植ですか?

    • 手持ちのi5 8400は970(MeltdownとSpectre v1の対策マイクロコード導入)なので、おそらく誤植でしょうね。
      それかメモリがシングルチャンネルで動いていたとかのイレギュラー状態だったか。

  • i7のベンチマークグラフ、i5やi3のデータまで入ってグチャグチャになってますが…
    これは意図的な物なので?

  • VR用に初の自作pcを制作してるのですが、core i9-7980XE, cpu クーラーCorsair H115i PRO,マザーボード MSI X299 GAMING PRO CARBON AC,電源Corsair HX1000i ,グラボMSI RTX 2080 Ti Gaming X Trio、”メモリ(多分32gb)とケース(多分Versa H26)未定” 

    の要領で当ブログを参考にしながら長い時間かけて組んでいってます。エンコードやグラボについての記事は大変参考になりました。クマメタル化とかも少し気になってます。これから色々とお世話になると思うのでハイエンドに仕上げていっているつもりですが、私自身初の自作ですのであまり自信がありません。何かアドバイス等があればご教授お願いします。

    • ケースはまだ未定、ということでしょうか?
      Versa H26でも特に問題ないですが、全体的にハイエンド構成なので、もう少し良いPCケースを選んでいいと思います。

      たとえば「MasterCase H500P」。
      200mmファンが2個付属していて、天面の側面にスリットが用意されています。エアフローをかなり確保しやすいので、排熱が大きい「RTX 2080 Ti Gaming X Trio」も安心して使えます。

      • 返答ありがとうございます。
        パフォーマンスの構成についてpcパーツの理解は教養を深めることができたのですが、ケースに関しては全くのド素人、経験が無い為使い勝手の認識が乏しく、価格コムを参照にコスパとレビューで考えていました。
        MasterCase H500Pは価格もですが重さが倍なのに少し驚きましたが、実際に届いてもなく確保もできてないパーツもある身ですので実機を試されている方の意見として前向きに検討してみます。

        記事にも出ているVRに関してなのですが主さんはVRもされているのでしょう?

        • < 主さんはVRもされているのでしょうか?
          VRゲーミングはあまりやってないですね。ゲーミングモニター(144Hz)でSteamのゲームをプレイする程度です。

  • いちいち詳細を覚えていられないので時々確認に使わせていただいています。
    たとえば価格最重視で中古PC買うときとかCPUだけで選ぶわけではないので
    USB3,PCIe3はIvyからとかSATA3はSandyからとかもまとめていただけるとありがたいです。
    まぁブリッジ対応でもっと前から使えてたりしたんですけど、正式対応って意味で。
    あと、結構難しいですけど代表的構成で最大メモリ搭載量とかもあると便利だと思います。

    • 英検やってる友人に聞いてみると、たしかにth表記は一般的ではないらしいですね(恥ずかし…)。「一括置換」で対応しようと思います。

  • acerのi5-7200u搭載ノートPCにwin8.1のインストールをおふざけでやったら成功してしまったのですが…
    記事中では第7世代以降はwin10のみとなっていますが案外動く事もあるんですね

  • こんにちはー
    世代の見分け方のところ
    10th Ice Lake 5桁の最初の二文字が「10」 Core i7 10710U
    となってますがCore i7 10710UはIce LakeではなくComet Lakeだったはずです。

  • こんにちはです。
    第10世代Coreは5桁+英字のComet Lake(14nm)の他にも4桁の最初が「10」で数字のあとにG#がつくIce Lake(10nm)もありますね(i7-1065G7など)。プロセスルール違うのに同一世代扱いされているうえにネーミングのルールまで違うので分かりにくいことこの上ないですが…。

  • こんにちは。
    第10世代Coreは14nmで10から始まる5桁番号+英字なComet Lakeの他にも10nmで10から始める4桁番号+G+数字なIce Lakeもありますね。プロセスルール違うのに同一世代扱いな上にネーミングのルールもかなり異なるので正直分かりづらいですが……。

  • i7-4770Kを使っていてそろそろ買い替えようかと思い、
    i7の世代間性能を知りたかったんですが、まさにドンピシャの記事でした。
    ありがとうございます!

  • 10400Fと3600で悩んでまして
    用途はゲームとブラウジングです。
    よろしくお願いします。

    • ざっくり過ぎてやかもち君答えてくれなそうw
      レビュー記事見てやりたいゲームに合わせようw

  • 非公式BIOSでZ170を9世代までにサポートさせることが可能。
    非公式ドライバーで9世代以前のほぼ全て(UHD610の付くCPUだけは無理)Win7にサポートさせることが可能。
    勿論超上級者向け&自己責任で。

  • ・LGA1156のうち、第1世代i3はnehalemではなくwestmere(i7、i5がLynnfield、i5、i3がClarkdale)
    ・第1世代CPUは45nmと32nmの混合
    ・初代のcore i5には2コアモデルもある(i5-660など)

  • 重箱の隅をつつくようなコメントの多さにびっくり

    まともに相手していると気疲れしそうですね

    どうもぉ↑ が聞けなくなると本当に辛いのでやかもちさんのペースでお願いしまーす

  • B365チップセットは公式にWindows7をサポートしています。
    各マザーボードメーカーのドライバーベージをご覧くださいませ。
    ※ただしiGPUドライバーはないという注意書きがあります

  • グラフ化して見やすくてありがとうございます。
    欲を言えばryzenとの比較もあればヤフオクなどで
    買うとき一層楽で。
    為になります。

  • ノートPCの買い替えで、I3 10世代 新品か、i5 7世代 中古か、性能比較を知りたかったのですがポイントがとてもよくわかりました。ありがとうございます。

  • rocketlakeでも11400は中々遊べそうだし、
    ご祝儀終わってB560も安くなったらセット買いも有りじゃね?

    • 御祝儀終わるのかな…
      半導体不足と運賃高騰と需要が絡んで今より高くなる可能性もあるぞ

  • 11400君は性能ちゃんと上がってるけど、同時に消費電力と発熱も上がってるらしいからそこが気になる。
    何よりAlderとzen4控えてるの考えたら、うーん…て感じがする。

  • ロケットのXシリーズって出るのかな?
    Xeonはプロセス10nmで出る見たいだけど、Xシリーズもし出るなら10nmで出ないかな。

  • ふとグラフをつくってCeleron未満ラインを引いてみたら面白そうだなと思った

    横軸に世代数、縦軸に世代内のランクを置いて
    どの世代のどこから下のランクが現役世代のCeleron未満かしめす折線グラフ

  • 11世代CPUはZ490/H470がサポートされても、実際には謎の不具合が多発しますので、500シリーズのマザーボードを買い直し推奨です。

    自分のGIGABYTE Z490I AORUS ULTRA(最新BIOS)に11400 or 11900T ESを使うと、DP/HDMIケーブルを外す→再接続という行動をしないと、黒画面になってしまう不具合が発生しました。
    10400を装着する場合はこんな問題が発生しません。

    さらに、香港には、11世代がサポートできるはずのASRock Deskmini H470(最新BIOS)に11400が起動不能の報告がありました。

  • 11世代を買うにはまだ早いとか言われても
    400番台のマザーボードがもう売ってないんだよね
    そりゃ安かろうの400番台はまだまだ売ってるけど
    1万円台後半以上の余裕のある設計のグレードのがもう売ってない

  • いつも拝見させて頂いております。
    intel 10~11世代CPUと400~500シリーズのチップはLGAが同じで併用は可能と聞いております。
    11世代CPUで新たに搭載された仕様が500シリーズでのみ有効のため、11世代CPUを使用する人はあえて400シリーズを選択しないと記載された方がよろしいかと。
    10世代CPUを使用する人は400でも500でもどっちでも問題なしだったかと思われます。
    CPUですが、11世代のi5-11400とi5-11500だと内部GPUに差があるのでそこの記載もあった方が親切ではないかと思われます。
    https://ark.intel.com/content/www/jp/ja/ark/compare.html?productIds=212271,212270,212277
    ゲーム用途ならFシリーズになるのでそこまで重要な情報ではないかと思いますが、念のため。

  • ゲーマー:
    CPUは1~2世代落ちのi3・i5に留めて、浮いた金はグラボに突っ込め

    エンコ勢:
    型落ち中古の多コアRYZENが吉

    そういうメッセージが感じ取れました。

  • おお
    俺の9700Kから12700Kで倍以上になってるのか
    コア数の暴力もあるとは言えワクワクします!

  • もうCPU性能の指標としてCinebenchR15は時代遅れでは?
    CinebenchR20やR23も併記した方が良いと思いますね

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。