ドスパラの売れ筋No.3モデル「ガレリアZG」にマイナーチェンジが施され、さらに魅力的なゲーミングマシンに進化した。本記事では、より進化したガレリアZGの性能を詳しく検証レビューします。
本記事の「ガレリアZG」は2020年7月に販売を終了しました。
現在はリニューアルモデルの新ガレリアにラインナップが統合されているので、最新のガレリアレビューは↑こちらの記事を見てください。
GALLERIA ZGのスペックと概要

GALLERIA ZG | ||
---|---|---|
スペック | 標準仕様 | 推奨カスタマイズ |
CPU | Core i9 9900KF※無料アップグレード中 | – |
冷却 | 静音パックまんぞくコース※120 mmの中型空冷ファン | 虎徹Mark II(SCKTT-2000)※120 mmの中型空冷ファン |
グリス | ノーマルグリス | Thermal Grizzly製グリス※よく冷えるし、経年劣化もしづらいグリス |
グラボ | RTX 2080 8GB ※2スロット占有の内排気 / OCモデル採用 | – |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2(合計16GB) | – |
マザーボード | Intel Z390搭載 ATX規格 | – |
SSD | 512 GB(NVMe SSD)※メーカー不明 | Samsung 500 GB SSD※高耐久なSamsung 860 EVOを推奨する |
HDD | 3 TB | – |
ドライブ | – | – |
電源 | 700W 静音電源メーカー不明 / 80+ Gold認証 | 850W 静音電源Corsair HX850i / 80+ Platinum認証 |
OS | Windows 10 Home 64bit | – |
保証 | 1年間 / 持込修理保証 | – |
参考価格 | 219980円(税抜き)最新価格をチェックする |
ドスパラのゲーミングPCで売れ筋No.3に上り詰めている「ガレリアZG」は、2019年に入ってからマイナーチェンジが施されました。大きく変わった点は3つあります。
- CPUは第8世代のインテルCPUから第9世代に更新
- マザーボードも第9世代に対応した高耐久な製品にチェンジ
- グラフィックボードはオーバークロックモデルに変更
基本的な構成に大きな変更はないものの、採用している主要なパーツが新しい世代に更新されている。
2019年版のガレリアZGでは、CPUにゲーマー向けで最高性能を誇る「Core i7 9700K」(またはCore i9 9900KF)を採用。グラフィックボードは「RTX 2080 8GB」を搭載し、ほとんどのゲームを余裕で動かす。
高性能なCPUとグラボの組み合わせ、コアゲーマーから実況者や配信者のプレイに耐える、満足度の高いゲーミングマシンに仕上がっています。
※今回のレビューで検証するガレリアZGは、メーカーに用意していただいた貸出機です。
この記事の目次
GALLERIA ZGを実機レビュー
外観とデザイン

GALLERIA ZGはガレリア専用(ATXサイズ対応)のPCケース「KTケース」を採用。マットブラック塗装の無骨なデザインに、剛性と耐衝撃性に優れた頑丈なPCケースです。
サイドパネル(側面)には大きめのメッシュ(通気口)が設けられており、最大140 mmのケースファンを取付可能。ただしカスタマイズからは選べないので、取り付けたい場合は自分で行う必要があります。


反対側は小さめのスリット(通気口)が設けられています。マザーボードの熱を少しでも効率よくPCケース外に排出しようと工夫した結果、設けられたスリットとのこと。

背面はおおむねマットブラック塗装で、スタイリッシュな印象です。ただしインターフェイスパネルは塗装されていません。

インターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。
- WiFiアンテナ取り付け口
- USB 3.1 Gen1 x2
- PS/2
- DVI-D
- D-Sub
- HDMI
- USB 3.1 Gen2 Type-C x1
- USB 3.1 Gen2 Type-A x1
- USB 2.0 x2
- LANポート
- オーディオ入出力
端子 | 解説 |
---|---|
WiFiアンテナ | WiFiモジュールを取付可能 |
USB 3.1 Gen1 | 約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeA | 約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeC | TypeAと違って、左右対称・小型なポート |
LANポート | ここにLANケーブルを挿すとネットにつながる |
オーディオ入出力 | 緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」 |
PS/2 | 超古いキーボードやマウスを使うための端子 |
HDMI | 最近のモニターなら大抵はついてる端子 |
Display Port | 値段が高めのモニターについてる端子 |
DVI-D | 安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた) |
D-Sub | 安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた) |
USBポートは全部で6個。USB 3.1以上のポートは4個あるので、ポータブルSSDなどの高速ストレージを不便なく使いこなせます。

- USB Type-C
- Display Port
- HDMI
- Display Port
- Display Port
グラフィックボード側のコネクタは「Display Port」が3つ、「HDMI」が1つの合計4ポート。最近のモニターなら問題ないですが、古いモニターだとD-SubやDVIだったりするので事前に確認すること。
DVI端子のモニターで使うなら、変換コネクタを使います。筆者が使っているのはMacLab製。安いけどちゃんと機能しています。
あるいは、ガレリアZGを購入するついでに「ゲーミングモニター」を用意するのも手です。ZGは3桁台のフレームレートを叩き出すマシンで、普通のモニターだと性能を持て余す可能性大。

フロント側をチェック。「ガレリアらしい」ビシッとした直線的で無骨なデザインです。左右の斜めに入ったカットデザインは「日本刀」をイメージしたものらしい。

フロントパネル側のインタフェースパネル(フロントパネル)は必要十分な内容です。電源ボタンの下に位置するGALLERIAロゴがカッコイイですね。
- USB 3.1 Gen1
- USB 3.1 Gen1
- SDカードスロット
- イヤホン入出力
- 再起動ボタン
- 電源ボタン
USBは合計2ポート。USB接続のヘッドセットやポータブルストレージを使う分には、問題なく足りるポート数です。SDカードスロットがあるのが地味に親切。

フロントパネルの角部分にCore i9とNVIDIAのロゴシールが貼ってありました。

天面は完全平面デザインに、幅140 mmのメッシュ(通気口)が2つ用意されています。標準カスタマイズの時点で、すでに140 mmケースファンが1つ取り付け済みです。

エアフローを遮らない形で「収納スペース」にできます
天面が平面になっているおかげで収納スペースとして活用できます。ただし、ケースファンを取り付けている方を遮らないよう注意が必要です(エアフローがこもってしまう)。

底面をチェック。ケースの四隅に取り付けてある足は「インシュレーター」です。インシュレーターはケース自体の滑り止めとして機能し、更に振動を吸収して耐久性を高める効果もあります。

なお、底面のフロント側にあるスリットは外気を取り込むために用意されています。
取り込んだ外気は背面のケースファンから排出される。ガレリアZGのエアフローは標準構成のままでも、しっかりと一方通行になっているので特にファンを追加する必要はなさそうです。
中身とパーツをチェック
両側のサイドパネル(フタ)を開けて、ガレリアZGの内部コンポーネントをレビューしていく。

配線は必要十分な範囲でまとめてあります。可動パーツに当たらないように配線してあり、ガチガチな裏配線や過剰な固定はされていません。

メンテナンス性を考慮すると、これくらい緩めの配線で問題なし。「ガレリア」は初心者にも使いやすいPCを目指しているので、こういった配慮は嬉しいです。

反対側のサイドパネルを開くと、3.5インチベイにアクセスできるようになります。

HDDやSSDをセットする3.5インチベイと、サイドパネルの隙間は十分に余裕がありました。ストレージ類のコネクタに不要なストレスを掛ける心配はない。

マウントベイの空き状況は良好です。DVDドライブなどをセットする「5.25インチベイ」は3スロット。HDDやSSDを増設する「3.5インチベイ」は4スロットの空きがあります。

3.5インチベイはツールレス機構を採用しているので、プラスドライバなどの工具がなくても素手で取り出しが可能です。

フロントパネルは強めの力で引っ張るとカンタンに開封できます。こちらから5.25インチベイにDVDドライブを挿し込んだり、120 mmケースファンを交換したりできる。

CPUクーラーは標準で「静音パックまんぞくコース」を搭載。今回はDeepCool製の120 mm中型空冷ファンが採用されていました。
ケースファンはCPUクーラーを取り囲むように設置されており、クーラーのすぐ後ろに120 mmケースファン、直上に140 mmケースファンをセットすることでCPUの排熱をすばやくケース外へ運びます。

グラフィックボードは「RTX 2080 8GB」です。搭載モデルはドスパラが直接取引しているベンダー「Palit Microsystems」製のGamingPro OCでした。
RTX 2070の定格クロックは1740 MHzですが、Palit GamingPro OCモデルでは1815 MHz(+4.3%)にオーバークロックが施されているため、通常より高い性能を期待できます。

マザーボードはなんと「ASRock Z390 Phantom Gaming 4」が搭載されています。CPUの安定性に影響するVRMフェーズを10個も搭載するなど、コストを抑えつつ安定動作を実現する。
- PCI Express x1
- PCI Express x16(グラボで使用済み)
- PCI Express x1
- PCI Express x16
- PCI Express x1
- M.2スロット(使用済み)
- SATA 3.0(空き3本)
- M.2スロット
- SATA 3.0(空き2本)
必要十分な拡張性が揃ってます。サウンドカードやキャプチャボードの増設から、M.2 SSDやHDDなどストレージの増設まで。たいていは事足りるレベルの拡張性です。
スロット | 解説 |
---|---|
PCI Express x16 | グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x8 | ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x4 | LANカードやサウンドカードを増設できる |
PCI Express x1 | 主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う |
PCI スロット | ものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石) |
M.2 ソケット | M.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる |
SATA 3.0 | 主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う |

M.2スロットの取り付け済みのM.2 SSDは、東芝製のNVMe SSDでした(詳しい製品名などは残念ながら不明…OEM向けのカスタムモデルのようです)。
ゲーム用にはそれほど悪いSSDではありませんが、個人的にはカスタマイズから+2000円で選べる「Samsung 860 EVO 500GB」の方をおすすめしたい。性能が安定していて、耐久性も高い。

搭載されている電源ユニットはFSP製(Aurum AS-700)でした。容量700 Wで、効率は80 Plus GOLDを取得(レポートによれば最大91%を実現)している、そこそこ高品質な電源です。
ゲーミング性能を徹底検証

パーツチェックの次は、ガレリアZGがゲーミングPCとしてどこまで優れた性能を発揮できるのか。詳しい動作検証を行います。
- 定番ベンチマークだけでなく
- 実際のゲームプレイで実測検証もする
直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチスコアよりも平均fpsの方がずっと重要です。
定番ベンチマーク
フルHD向けのベンチマークはオールクリア。更に重たい4K向けのベンチマーク(FF14 / FF15 / Unigine SuperPotision)は、FF15を除いて平均60 fpsをクリアしています。
さすがオーバークロック済みの「RTX 2080」は高性能ですね。動かせないゲームは皆無で、フルHDならゲーミングモニターも余裕で使えるレベルです。
フルHDゲーミングのfpsを実測
ゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。
![]() | GALLERIA ZGフルHD(1920 x 1080) / 最高設定 |
GALLERIA ZG / フルHDゲーミング
平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満
ゲーマーにもっとも人気のある「フルHD」(1920 x 1080)解像度では、平均150 fpsをマークしました。ほとんどのゲームで平均100 fps以上を出せているので、ゲーミングモニターは間違いなく使えます。
WQHDゲーミングのfpsを実測
![]() | GALLERIA ZGWQHD(2560 x 1440) / 最高設定 |
GALLERIA ZG / WQHDゲーミング
平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満
フルHDより更に広いWQHD(2560 x 1440)では若干フレームレートが下がりますが、それでも平均123 fpsでした。横長なゲーミングモニターも問題なく使える性能です。
4Kゲーミングのfpsを実測
![]() | GALLERIA ZG4K(3840 x 2160) / 最高設定 |
GALLERIA ZG / 4Kゲーミング
平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満
フルHDの4倍広い4K(3840 x 2160)になると、全体的にフレームレートが大きく低下。平均では76 fpsですが、重たいゲームはおおむね平均60 fpsを割り込んでいます。
まとめると、ガレリアZGは4Kゲーミングをするには性能不足で、フルHD~WQHDのゲーミングモニターを使うならピッタリなゲーミングPCです。
もし4Kゲーミングを快適にしたいと考えている人は、上位モデルの「ZZ」や「ZZ-SLI」を検討してください。どちらもレビュー記事を作成済みなので参考にどうぞ。
CPU性能とコンテンツ作成能力
今回のガレリアZGには「Core i9 9900KF」が搭載されています。8コア16スレッドで、ゲーミングだけでなくクリエイティブなタスクにも高い性能を発揮するはずなので検証します。
定番ベンチマーク
さすがにCore i9 9900KFは強い。シングルスレッド性能は今のところ最速クラスで、16スレッドによって生み出されるマルチスレッド性能も非常に優秀です。
動画エンコードの処理速度(x264)
過去ちもろぐでレビューを行ってきたゲーミングPCと、動画エンコード速度の比較をまとめてみると、トップクラスの性能に位置することが分かります。
レンダリング時間「Blender」

無料で使える有名なレンダリングソフト「Blender」にて、BMWプリセットを読み込んでレンダリングを行い、処理が終わるまでの時間を計測してみた。
Blenderの処理速度を比較
計測結果は3分33秒(213秒)で、ほぼトップに近い処理速度を発揮しました。Core i9 9900KFの高クロックな16スレッドは、レンダリング系の処理にも強い。
画像編集「Photoshop CC」

クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。
マシン | GALLERIA ZG | GALLERIA ZZ |
---|---|---|
CPU | Core i9 9900KF | Core i9 9900K |
GPU | RTX 2080 8GB | RTX 2080 Ti 11GB |
RAM | 16GB | 16GB |
総合スコア | 970.2 /1000 | 1017.6 /1000 |
一般処理のスコア | 93.3 | 97.0 |
フィルタ系のスコア | 98.6 | 105.7 |
Photomergeのスコア | 101.3 | 103.4 |
GPUスコア | 111.3 | 112.9 |
ガレリアZGのスコアは970点に達しており、ほぼ満点に近いスコアになりました。Photoshopは高クロックなCPUほど早く動かせるソフトなので、Core i9の手にかかれば効率よく動作します。
マシン | GALLERIA ZG | GALLERIA ZZ |
---|---|---|
CPU | Core i9 9900KF | Core i9 9900K |
GPU | RTX 2080 | RTX 2080 Ti |
RAM | 16GB | 16GB |
総合スコア | 970.2 | 1017.6 |
一般処理のスコア | 93.3 | 97 |
フィルタ系のスコア | 98.6 | 105.7 |
Photomergeのスコア | 101.3 | 103.4 |
GPUスコア | 111.3 | 112.9 |
テストの詳細結果 | ||
RAW画像の展開 | 2.79 | 4.08 |
500MBへのリサイズ | 1.29 | 1.23 |
回転 | 0.87 | 0.9 |
自動選択 | 10.72 | 10.78 |
マスク | 3.89 | 3.27 |
バケツ | 1.61 | 1.6 |
グラデーション | 0.35 | 0.31 |
塗りつぶし | 12.58 | 11.27 |
PSD保存 | 7.73 | 7.49 |
PSD展開 | 2.56 | 2.41 |
Camera Raw フィルタ | 5.47 | 5.5 |
レンズ補正フィルター | 15.48 | 15.02 |
ノイズ除去 | 17.37 | 16.9 |
スマートシャーペン | 16.51 | 16.33 |
フィールドぼかし | 13.54 | 13.86 |
チルトシフトぼかし | 13.13 | 12.9 |
虹彩絞りぼかし | 14.25 | 13.99 |
広角補正フィルター | 21.07 | 17.89 |
ゆがみツール(Liquify) | 13.71 | 8.58 |
Photomerge(2200万画素) | 76.61 | 75.7 |
Photomerge(4500万画素) | 107.37 | 104.39 |
※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。
ゲーム配信「OBS」
ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、ガレリアZGの配信性能を検証します。
検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。
なお、検証には4種類の設定を使いました。「superfast(超軽い)」「veryfast(軽い)」「faster(やや軽い)」「fast(普通)」の4つです。「medium」以上は重すぎるので原則検証しません。
ドロップフレーム率(約3000フレーム中)
さすがに8コア16スレッドの配信性能はすごい。superfastからfasterまでは、ほとんどコマ落ちせず配信できました。ガレリアZGはゲーム実況者にもオススメできます。
ストレージ性能と詳細
ガレリアZGの標準ストレージは「512GB NVMe SSD + 3TB HDD」です。搭載されているSSD / HDDの詳しい情報や、その性能を検証する。
SSDはモデル名は不明ですが、東芝製のNVMe SSDです。読み込みが3000 MB/s超え、書き込みは2000 MB/s超えで非常に速い。
ただし、詳細が分からないSSDはなんとなく信頼性が不安なので、ぼくとしてはカスタマイズで+2000円で選べる「Samsung SSD 500GB」をおすすめしておきます。
HDDはSeagateの「DT3000DM007」が入っていました。読み込みは198 MB/s、書き込みが193 MB/sで、データ保存向けのHDDとしてはごく普通の性能です。
エアフロー

サーモグラフィーカメラを使って「ガレリアZG」の内部温度を撮影しました。フロントパネル側に吸気ファン、リア側に排気ファンがあり、一方通行のエアフローが生成されています。
内部コンポーネントの温度

マザーボード周辺のVRMフェーズ回路の温度は、ゲーミング時で48~53℃くらいで、とても落ち着いた動作です。VRMフェーズが10個も搭載されていると、それなりに余裕があります。
ゲーミング時の動作温度をチェック
ゲームにしてはCPUへの負荷が大きい「FINAL FANTASY XV」を実行している時に、CPUの温度を計測してみました。

Core i9 9900KFの温度は、最大で77℃(平均66℃)でした。ゲーミング時のCPU温度はとくに問題ありません。

RTX 2080 8GB(Palit GamingPro OC)は、最大75℃に抑えられています。定格クロックから4.3%もオーバークロックを施してあることを考慮すると、冷却性能はとても優秀です。
静音性能を騒音計で検証

校正済みのデジタル騒音メーターで、ガレリアZGの動作音(騒音レベル)を計測します。
- PC起動前:30.2 dBA(極めて静か)
- アイドル時:35.7 dBA(静か)
- ゲーミング時:44.3 dBA(普通)
傾向としてガレリアの動作音はそこまで静かではない※。GAMEMASTERのようなハイエンドモデルは例外ですが、価格が安価なガレリアだとコスト重視のパーツが多いため、静音性は二の次です。
とはいえ動作音はごく普通のレベルなので、ケースを閉じて1.5mくらい距離をとればそれほど気にせずに使えます。静音性を重視する人は、カスタマイズで山洋電気製のファンに交換するか、自分で用意してセルフ交換するのがオススメ。
静音重視で選ぶならNoctua製のケースファンがおすすめ。値段はちょっとするけど、静音かつ高い送風量を得るならNoctua製は本当に良いモノです。
※過去のレビューに基づいた傾向です。稀にものすごく静かなガレリアもありましたが、個体差だと思われます。基本的には普通な動作音が多いです。
「GALLERIA ZG」レビューまとめ

RANK:S
- ゲーミングモニターは余裕でOK
- ゲーム実況配信も耐える
- OC済みで冷却性能も良いグラボ
- そこそこのコストパフォーマンス
- 「翌日出荷」に対応
- 普通な動作音
- 「水冷クーラー」を選べない
- 標準SSDの詳細がわからない
「ガレリアZG」はCPUとグラフィックボードを更新するマイナーチェンジによって、間違いなくマイナーチェンジ前のZGよりもパワフルなゲーミングPCに仕上がっています。
変更前のレビューでは86点だったレビュースコアは、今回のレビューでは89点にまで更新。CPUを第9世代に更新することで「ゲーム実況配信」がより安定するように。
グラフィックボードは同じRTX 2080ですが、より性能が高く、冷却性能にも優れたオーバークロック版になったことでゲーミング性能もある程度改善してみせた。同じ値段で得られる性能は、明らかに高くなっています。
ゲーミングモニターを100%活用したいコアゲーマー、コマ落ちしない安定したゲーム実況配信をしたいストリーマーなど。パワフルな性能をそこそこの価格で手に入れたいゲーマーに「ZG」はおすすめです。
以上「ガレリアZGを実機レビュー:ドスパラ売れ筋No.3の実力を検証」でした。
他におすすめなガレリアは?
4Kモニターで抜群の没入感に浸かったゲーミングをしたい人には、現行最強のグラボ「RTX 2080 Ti」を搭載するガレリアZZを検討する必要があります。ZGでは若干性能が足りません。
FF14の漆黒ベンチが出ましたがどれくらいなんでしょうか?
機会がありましたら検証お願いします。
すみません見落としてました・・・
電源について質問したいのですが、この構成(RTX2080+9900kf)で電源をCorsairの850Wにアップグレードするメリットは特にあるのでしょうか?
この電源にすると16000円も追加投資しなければいけないので、迷っています。
主なメリットは「静音性」「安定性」「信頼性(※HX850iのメーカー保証は10年)」です。
あとは、標準の電源ユニットは今回は中堅メーカーのFSP製でしたが、必ずその電源が搭載されるわけではないので、カスタマイズには「自分でメーカーを指定できる」というメリットがあります。
ガレリアZG自体がかなり高額なマシンなので、保険的な意味合いで高品質な電源ユニットに追加投資することは、決して悪いとは思いません(※長く使うつもりなら…という前提では)。
ありがとうございました!
SSDですが購入したのでやかもちさんにお伝えを。
PHISON PS5012-E12 が組み込まれていました。
SSDはメーカー不明ということでしたので人柱的に買ってみたところ
PHISON PS5012-E12 が組み込まれてましたよ。
cinebench r20が出てると思うんですがやかもちさんがr15をあえて選んでいる理由は何かあるのでしょうか?
zen2発売後のレビューはr20のベンチマークもお願いします。
いつも興味深く拝見しております。
少し質問があります。
グラボが2080superになってから買った者ですが、ゲーミング時に85度近くまで温度が上昇したので調べてみると、どうやら外排気モデルみたいなんですね…
あとからファンをサイド下部に増設してもいいかな、と思ったんですが、これ意味ありますかね?
意味あるなら、できればどのメーカーのファンがいいかまで教えてくだされば助かります。
[…] 参考ページ:こんな感じのゲーミングパソコン:価格ドットコム参考文献:ガレリアZGを実機レビュー:ドスパラ売れ筋No.3の実力を検証 […]