ハニカム構造の超軽量ゲーミングマウスで、軽量マウスブームの火付け役となった新興メーカー「Finalmouse」。その最新モデルが「Ultralight 2 CAPE TOWN」です。重さは公称値で「47 g」、世界一軽いゲーミングマウスを実際にレビューします。
「Finalmouse Ultralight 2」世界最軽量のゲーミングマウス
Finalmouse Ultralight 2の仕様(スペック) | |
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タイプ | 有線 / 光学マウス |
搭載センサー | Pixart PMW3360 |
対応DPI | 400 ~ 3200400 / 800 / 1600 / 3200の4段階 |
ポーリングレート | 500 Hz |
トラッキング速度 | 250 ips |
加速度 | 50 G |
リフトオブディスタンス | 1.3 mm |
オンボードメモリ | なし |
LED点灯 | なし |
ボタン構成 | 全部で6個 |
本体サイズ | 60 mm 116 mm 36 mm |
重量 | 49 gケーブル含め87 g |
ケーブル長 | 1.9 m |
保証期間 | 1年 |
「Finalmouse Ultralight 2 CAPE TOWN」は、穴抜きデザイン(ハニカム構造)を駆使して作られた、世界超軽量のゲーミングマウスです。
プログラム可能なボタンなど、少しでもムダな重さになりそうな要素は徹底的に取り除き、マウスとしての形状を必要最低限は維持できる程度まで「穴」を開けまくり、本体重量わずか「49 g」を実現しています。
Finalmouseは超軽量ゲーミングマウスのパイオニア(先駆者)的メーカーです。世界で最初に、ハニカム構造を採用した超軽量マウス「Ultralight Pro」を投入し、今日まで続く軽量マウスブームの火付け役となっています。
現在もFinalmouseは超軽量マウスのトップを走り続けるメーカーであり、常にありえないほど軽いゲーミングマウスを開発しています。
手短に「Ultralight 2」のレビューまとめ
「使ってみてどうだったのか、結論だけ手短に知りたい。」という人向けに、最初にレビューの結論をまとめます。もっと詳しく見たい人は「開封レビュー」へ進んでください。
「Ultralight 2」の良いところ- 本体重量はわずか「49 g」で世界最軽量
- PMW3360センサーでマウス性能は優秀
- 「つまみ持ち」にぴったりなデザイン
- ハニカムデザインで通気性に優れています
- 「INFINITY SKIN」でサイズ感を調整可
- FPS / TPSゲームには十分な最大6つのボタン
- オレンジとベージュの個性的なカラー
- 手が平均より大きいとサイズが小さすぎる
- 「かぶせ持ち」との相性はイマイチ
- 専用ソフトウェアは無し
- 軽すぎて慣れるのに苦労する可能性アリ
- 価格設定はやや高い(限定生産です)
「Ultralight 2 CAPE TOWN」は、重量たったの49 gで世界で一番軽いゲーミングマウス。50 g以下を実現したゲーミングマウスは他に存在せず、究極に軽くて性能にも優れたゲーミングマウスなら、実質「Ultralight 2」しか選択肢がないです。
一方で、軽さを優先しすぎた結果、犠牲になった面も少なくありません。専用ソフトウェアはないし、Roccat Kone Pureすら下回る圧倒的な小型サイズにより、良くも悪くも「人を選ぶ」マウスに仕上がってます。
「つかみ持ち」や「かぶせ持ち」と相性はイマイチになりやすく、基本的には「つまみ持ち」で常用するマウスです。
幸い、Finalmouse自身も「小さすぎるかも。」と認識しているのか、サイズを調整するために「INFINITY SKIN」と呼ばれるマウス本体に貼り付ける布を付属しています。
INFINITY SKINを重ねて使えば最大で約6 mm(片側)はサイズ調整ができるので、小さすぎると感じてもある程度はなんとかなります。
「Finalmouse Ultralight 2」を開封レビュー
ファッション製品のようなパッケージ
南アフリカの首都「ケープタウン(CAPE TOWN)」の写真を使った、ファッション製品のようなオシャレなパッケージングが特徴的です。
The ceremony is just getting started. Not sure how intense this is going to get. But every Ultralight 2 will be blessed with good aim and good fortune. Trying to stream but no reception. But much more amazing photos and videos coming. This is just the beginning. Going into night pic.twitter.com/l4Gl0wewMU
— Finalmouse (@finalmouse) July 24, 2019
ちなみにケープタウンが写真になってるのは、Ultralight 2を出荷する前に実際にケープタウンで現地住民にお祈りをしてもらったから、だそうです(ちょっと謎)。
finalmouseのロゴデザインがどこかSupremeっぽさがあり、何も知らなければ中身がゲーミングマウスとは思えないでしょう。
付属品はINFINITY SKIN
Ultralight 2の主な付属品は、マウス本体の大きさ調整をする「INFINITY SKIN」だけです。他には特に何もなく、シンプルな内容です。
INFINITY SKINは、3種類の厚みが用意されています。側面と手のひらにあたる部分は、1.2 / 2.0 / 2.5 mmの3種類から好みにあったINFINITY SKINを選んで、マウス本体に貼り付けることが可能です。
もちろん、厚みの違うSKIN同士を重ね合わせて、さらに分厚くすることもできます。Finalmouseいわく、組み合わせのパターンは約13000あり、前作のAir58 Ninjaとほぼ同じフォルムも再現できるとのこと。
「Finalmouse Ultralight 2」のデザイン
圧倒的な「軽さ」だが、小型マウスなので人を選ぶ
本体デザインはFinalmouseならではの「ハニカムデザイン(穴抜き)」です。形状デザインは前作の「Air58 Ninja」とほとんど同じまま、サイズだけを更に小型化しています。
マウスの重量を比較
ケーブルを除外したマウス本体の重量は「49 g」でした。本レビューを書いた時点では、Ultralight 2の49 gより軽いゲーミングマウスは発売されていません。
筆者が持っている小型なゲーミングマウス(Roccat Kone Pure、G304)と比較すると、Ultralight 2の小ささが際立ちます。
高さも一段と低めに抑えられていて、非常にコンパクトなゲーミングマウスです。Roccat Kone PureやG304より更に小型となると、人によって合う合わないの個人差が出やすい可能性が高いです。
「つまみ持ち」「つかみ持ち」と相性よし
平均的な大きさの手だと、「かぶせ持ち」をするにはUltralight 2はやや小さすぎる印象です。驚くほど小型かつ超軽量なので、平均的な重さとサイズのマウスに使い慣れていると、馴染むのに苦労します。
「つかみ持ち」は特に問題なし。手の大きさや指の長さによっては、つかみ持ちでもイマイチな可能性がありますが、付属のINFINITY SKINを使えばサイズ調整ができます。
「つまみ持ち」との相性はバッチリです。抜群に軽いので指先だけで簡単にマウスを動かせます。
デザインを360°プレビュー
Finalmouse Ultralight 2のデザインを、全方向(360°)からグルグルと一回転してチェック。あちこちにハニカムデザイン(穴抜き)が確認でき、内部パーツがほとんど丸見えなスケルトンデザインのようにも見えます。
見た目から想像できるとおり、穴抜きデザインのおかげでマウス本体と皮膚が触れる面積は非常に少ないため、通気性は今まで使ってきたあらゆるマウスの中でトップクラスです。
ボタンの位置と機能
- 左クリック
- マウスホイール
- ホイールクリック
- 右クリック
- 親指ボタン(奥)
- 親指ボタン(手前)
- DPIチェンジ
Finalmouse Ultralight 2のボタンは、全部で6つ(機能は7つ)です。
左クリックと右クリックのスイッチはオムロン製「D2FC-F-7N」を採用しています。スペック値で約2000万回の耐久性をアピールしているスイッチなので、耐久性は申し分ないでしょう。
マウスホイールはコリコリ感(ノッチ感)がとても少なく、非常に滑らかな感覚があります。スムーズにホイールできる一方で、どこまでホイールしたかが分かりにくい点は、好みの差が出やすいところです。
なお、ホイールクリックは基本的な縦方向だけで、Logicoolの高機能マウスにあるような「横方向」のホイールクリックには対応していません。
親指ボタンは平均的な手の大きさなら、硬すぎず、柔らかすぎることもなく押しやすいです。Ultralight 2には専用プログラムが無いので、親指ボタンにキー割り当てはできません。
ゲーム側のキー設定から、親指ボタンにそれぞれ割り当てて対応すればOKです。たとえばPUBGなら、親指ボタンに「フリールック(移動しながら周囲を見回す)」を割り当てたり、意外と自由に使えました。
DPIチェンジは、400 / 800 / 1600 / 3200 dpiの4段階で、マウスのDPIを切り替えるボタンです。マウス本体にLEDインジケーターなど、視覚的なギミックは皆無なので「現在のDPIが分かりにくい。」と評価されがち。
ただ、個人的には4段階それぞれの「差」が十分すぎるほど大きいため、感覚的に現在のDPIが何段階なのかは分かると思います。
スリーブ仕様のマウスケーブル
Finalmouse Ultralight 2のマウスケーブルは、柔らかくて取り回しやすい編組(スリーブ)仕様のケーブルが採用されています。ニンジンを思わせるオレンジ色も、他のマウスではあまり見られないユニークさが強調され、とても個性的。
ケーブルの長さは1.9 m、重量は39 gでマウス本体よりも軽量です。
ケーブルの太さは2.2 mmでした。編組(スリーブ)仕様のおかげでケーブルそのものが柔らかいため、マウスバンジーとの相性は100%問題なし。
PTFE製のマウスソール
マウスソールは本体底面の四隅に取り付けられています。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製で、表面はややツルツル系。マウスパッド「ARTISAN零」で使ってみた感じでは、不満はとくになし。
つまり普通に良いマウスソールです。
- 本体重量はわずか「49 g」で世界最軽量
- 「つまみ持ち」にベストな小型サイズ
- FPSゲームには十分なボタンと機能
- ハニカムデザインで「通気性」がすごい
- 編組(スリーブ)仕様の柔らかいケーブル
- 特に不満ないPTFE製のマウスソール
- サイズ感を調整できる3種類の「INFINITY SKIN」
- 「かぶせ持ち」をするには小さすぎる
- 「未体験の軽さ」は馴染むのに時間が必要
- 「INFINITY SKIN」を剥がした後が気になる
Ultralight 2のデザインレビューをまとめました。
デザイン上の最大のメリットは、やはり本体重量がわずか49 gしかない前人未到の異次元クラスの軽さです。あまりにも軽すぎて、マウスを持ってることすら忘れそうになる、今まで体験したことのない使い心地は素直にスゴイ。
しかし、49 gを実現したゲーミングマウスは過去に一例もなく、ほとんどのゲーマーにとって「未体験の軽さ」。それゆえ、Ultralight 2を使い始めのころは、とにかく手に馴染むのに時間を要する可能性が高いです。
ゲームを始めてばかりで、お気に入りのマウスが確定していない人なら、案外すんなりと慣れるかもしれません。一方で、すでに慣れているマウスがある人や、G600tのような重量マウスを使っている人だと苦労すると思います。
重さとサイズ以外の面は、おそらく万人にとってハイレベルな仕上がりです。ケーブルは編組(スリーブ)仕様で、取り回しやすいし軽量で問題なし。マウスソールも特に不満は感じませんでした。ハニカムデザインの通気性も、予想外にすばらしいです。
「Finalmouse Ultralight 2」のマウス性能
デザインの次は、マウスの性能(パフォーマンス)について検証します。ちもろぐ専用ベンチ機にUSBケーブルを直結し、ぐるぐるとパソコン本体にケーブルをのせ、マウス本体に不要な引っ張りが掛からないようにしました。
使用したマウスパッドは「ARTISAN零」です。
カーソルの追従性とポインタ飛び
カーソルの追従性など、マウスとしての性能は体感でも分かるレベルで高性能です。ただし主観的な感想になってしまうので、Mouse Testerを使ってカーソルの追従性を計測し、客観的なデータを以下にまとめます。
400 ~ 3200 DPIまで、4段階すべて検証しました。目立ったカーソル飛びは見られません。体感でも問題はなく、カーソル追従性は十分に高性能です。
DPI別にカーソルの精度を計測
追従性の次は「精度」について検証します。精度とは具体的に言うと「ジッタ」と「手ブレ補正」です。
「ジッタ」は、マウスに搭載されている光学センサーが本来ありもしない動きを検知して、カーソルの動きを不規則にしてしまう現象のこと。光学センサーの性能や、高DPI時に発生しやすいです。
「手ブレ補正」は、その名の通り、カーソルの動きをキレイに補正する機能のこと。イラストソフトでは定番の機能ですが、ゲーム時に自分の意図しない動きになってしまうため、補正が入っているマウスは推奨できません。
テスト結果はOK。手ブレ補正はまったく体感できず、3200 DPIに設定した状態でもジッタは皆無です。
リフトオフディスタンスは1.3mm前後
光学センサーとデスクとの距離がどれくらい離れると、マウスが反応しなくなるのか。この距離を「リフトオブディスタンス(LOD)」と呼びます。
計測方法はいろいろとありますが、当ブログちもろぐでは、業務用のシックネスゲージを使ってLODを実測します。複数の板を10~20枚と重ねる方法は、板同士の間にある空気の影響を無視できないのが弱点です。
よって、業務用のシックネスゲージを用いて、必要最低限の枚数で計測できる手法を採用しました(たったの2枚あれば正確な計測可能です)。
計測した結果、リフトオブディスタンスは「1.3 mm」でした。1 + 0.3 mmでギリギリ反応し、1 + 0.35 mmではカーソルが動かないです。
LODを比較
どのくらいのLODが適切かは、人それぞれ個人差があるので一概には言えませんが、2 mmを超えると「うっとうしい」と感じやすいです。Ultralight 2のLODは1.3 mmで2 mmからほど遠く、まったく問題ありません。
- トップクラスのカーソル追従性
- ジッタは皆無、補正もほぼ無し
- リフトオフディスタンスは1.3 mm
専用ソフトは無いけれど(ソフト対応は可)
- DM1 PRO S(DreamMachines公式サイト)
Ultralight 2には、メーカー純正の専用ソフトウェアは用意されていません。
どうしてもポーリングレートやDPIを、ソフト上から確認して変更したい人は、サードパーティ(他社)製のソフトウェアを使えばソフト対応が可能です。ただし、メーカーの動作保証外の行為なので、ご利用は自己責任で。
ぼくとしては、ポーリングレートは標準の500 Hzのままで体感できるほどの不便は感じてません。DPI設定も体感で把握できるので、わざわざリスクをとってまでソフト対応する価値があるかどうかは、正直微妙なところです。
「Finalmouse Ultralight 2」レビューまとめ
- 本体重量はわずか「49 g」で世界最軽量
- PMW3360センサーでマウス性能は優秀
- 「つまみ持ち」にぴったりなデザイン
- ハニカムデザインで通気性に優れています
- 「INFINITY SKIN」でサイズ感を調整可
- FPS / TPSゲームには十分な最大6つのボタン
- オレンジとベージュの個性的なカラー
- 手が平均より大きいとサイズが小さすぎる
- 「かぶせ持ち」との相性はイマイチ
- 専用ソフトウェアは無し
- 軽すぎて慣れるのに苦労する可能性アリ
- 価格設定はやや高い(限定生産です)
Finalmouseの最新モデル「Ultralight 2 CAPE TOWN」は、現時点でもっとも軽量なゲーミングマウスです。50 g以下を実現したマウスは他に存在しないため、とにかく軽くて高性能なゲーミングマウスを追求するなら、Ultralight 2が唯一の選択肢でしょう。
軽量化のため、専用ソフトウェアを省くなど犠牲になった面は少なくないですが、Finalmouse製品は「軽さこそ正義」なので気にしない。とはいえFPS / TPSゲームをプレイする分には、不足しない機能性とボタンを備えています。
弱点は良くも悪くも「人を選ぶ」ことです。あまりにも軽すぎるので、平均的なマウスを使っていると最初のうちは違和感を覚えるかもしれません。実質「つまみ持ち」向けマウスという点も、人を選ぶところでしょう。
「つかみ持ち」「かぶせ持ち」でマウスを常用している人には、小さすぎると思います。小さすぎる可能性を見越して、「INFINITY SKIN」を付属したのは素直にナイスな判断ですね。複数貼り付けたりすれば、サイズ感をいくらか調整できるようになってます。
以上「Finalmouse Ultralight 2 CAPE TOWNをレビュー:究極の軽量ゲーミングマウスがスゴい。」でした。
微妙なとこに集合体恐怖症も追加で
手汗がひどい人が使うと手垢などのゴミが溜まりやすいんじゃないかなーと思ってます.
そんな自分は,Logicool G502の親指部分の凹凸で手垢が溜まって大変な目に合った過去があります.Razer Basilisk Ultimateはその点大丈夫でしたね.
蜂の巣、掃除しにくそう。
しかし売れるから売ってるんだろうな。
他のマウスに浮気できなくなるよなぁ
ハニカムは極限まで軽くするのが多いから
小ささと軽さに慣れるまで時間掛かって戻すのにも時間が掛かる
慣れれば自分の思ったところにエイムを置けて手の動きがダイレクトに伝わる感覚がやみつきになります
オススメの持ち方は左クリックに人差し指、中指をスクロール、薬指を右クリックにおいてます、こうすることで被せ持ちができます。
連写が必要なゲームだと軽すぎるので力が強いと浮いてしまうので向いてません、それとマウスパッドを滑るものより止めるものの方がいい気がします
たまに綿棒で掃除するのも楽しい