ゲーミングマウスのスペック(仕様)のひとつに、マウス感度というのがある。この感度の表記には大きく2種類あって、一つが「DPI」でもう一つが「CPI」です。なぜ同じマウス感度を示すために、2種類の表記が用意されているのか…違いをカンタンにまとめてみた。
メーカーによって「DPI」「CPI」が違う
SteelSeriesは「CPI」表記。
Logicoolは「DPI」表記。
Razerも同様に「DPI」表記。
ROCCATも、やはり同じく「DPI」表記です。
Amazonで人気の格安ゲーミングマウス「Qtop」も…やっぱり「DPI」表記。
マウス感度を示す単語はこんな感じで、基本的に「DPI」と「CPI」に分かれていることが分かった。そして「CPI」よりも「DPI」表記を好んで使うメーカーの方が多いのは驚き。
メーカーが公式サイトやAmazonなどの販売ページで頻繁に「DPI」という単語を使っているため、CPI表記の知名度は相対的に薄れてDPI表記の方が当たり前…という状況になっているのかも。
「DPI」はDot Per Inchを意味する
DPI表記を使うメーカーのほうが多いですが、このDPIは「Dot Per Inch」を略したキーワード。意味は1インチあたり何ドットの情報量で画像を表現しているのか。という印刷用語なんですよね。
たとえば400 dpiなら、1インチ(2.54 cm)に400個のドット(点)で画像を出力しているという感じ。映像の細かさを示すため「解像度」ともよく呼ばれているキーワードです。
では解像度(dpi)の高いマウスがどういうことなのかと言うと、例えば1000 dpiのマウスを使っている場合、2.54 cmマウスを動かすと1000ドット分の情報を送信することになります。だから2.54 cmで画面上で1000ドット動く。
2000 dpiにすると画面上で2000ドット動くので、同じ2.54 cmのマウス操作で実際には画面上を2倍の距離をカーソルが移動することになる。dpiを上げれば上げるほど、同じ操作でより長い距離を動くようになるため「敏感」になる。
というわけで、本来は解像度という映像の細かさを示す用語なのでマウス感度に当てはめると妙に違和感があるものの、一応は「マウス感度」を示せている。
CPIは「Counts Per Inch」という意味
次に、Steelseriesが使っている表記である「CPI」について。こちらがゲーミングマウスの「マウス感度」を示すための、本来の意味合いに沿った用語ですが…今ではやや廃れた感があります。
DPIが1インチあたりのドットに対して、CPIは「Counts Per Inch」で1インチあたりに何回カーソル情報をパソコン側へ送信するかを示すキーワード。
仮にマウス感度を「1920 CPI」に設定した場合、2.54 cmのマウス操作でカーソルは画面上を1920 px(ピクセル)移動することになる。これは実際にLogicool G600で試して確かめた結果です。
ディスプレイ上の最小単位は1 px(1ピクセル)なので、原理的にも「1 CPIは2.54 cmごとに1ピクセル移動させる」に一致します。直感的に理解しやすく、実態に即した用語だと思います。
Windowsのマウス感度は?
バーの位置 | 感度係数 | |
---|---|---|
0 | x0.03 | 1/32 |
1 | x0.06 | 1/16 |
2 | x0.25 | 2/8 |
3 | x0.50 | 4/8 |
4 | x0.75 | 6/8 |
5 | x1.00 | 8/8 |
6 | x1.50 | 12/8 |
7 | x2.00 | 16/8 |
8 | x2.50 | 20/8 |
9 | x3.00 | 24/8 |
10 | x3.50 | 28/8 |
Windowsに標準である「ポインターオプション」のポインタ速度は、カーソルの移動速度を倍率で変換するもので、「CPI」とは全くの別物。
最も速い「10」に設定すると、カーソルを3.5倍ずつ飛ばすようになるので精度が著しく悪化します(1 pxを3.5倍に飛ばすと最小単位が3.5 pxに広がってしまう。非常に粗い動き方です)。
CPIが3桁台の遅いマウスを使っているなら、この機能を使って加速させるのはアリかもしれないが、ゲーミングマウスの場合はマウス側の感度を4桁台に出来るのでジャマでしか無い。
まとめ:DPIとCPIの言いたいことは同じ
DPIは「1インチあたりのドット数」という意味で、用語としては印刷でよく使われる。印刷用のイラストを初期設定の72 dpiで制作すると、印刷する時にジャギーが目立つギザギザのポスターが出来上がってしまうから300 dpiにしよう…という文脈で使います。
そのためdpiという用語をマウスに当てはめると妙に分かりにくいが、要するに1000 dpiのマウスは「1インチあたり1000ドット読み取れる」 = 「1000回移動したことをPCに伝える」ということになるので、機能的にはCPIと大差ない。
対するCPIは「1インチあたりのカウント数」であり、マウス感度を示す用語として正しい。1000 CPIのマウスは1インチ(2.54cm)あたり1000回カウントするので1000 pxカーソルが進む。という意味になる。
2000 CPIのマウスも2000 dpiのマウスも、1インチあたり2000 pxカーソルを動かすことに変わりはないので「用語」として使い方が間違っていても、言いたいことは全く同じと言えます。
用語 | よく見る文脈 |
---|---|
DPIDot Per Inch | デジ絵を印刷するつもりなら、最初にキャンパス設定を300~350 dpiにした方がいい(デジ絵の教本にて) |
CPICount Per Inch | エイム目的ならマウス側を高CPIにして、あとはゲーム側設定で調整するのが妥当だよ(友人のゲーマーより) |
それぞれの用語が使われるべき文脈としては、こんな感じ。しかし、今となってはCPIもDPIも「マウス感度」を示す用語としてそこまで間違っていない。という結論です。
Steelseriesは「CPI」と表記していて、ロジクールは「dpi」と表記していることに疑問を感じて書いた今回の記事。CPIとDPIで機能的な違いがあるのかな~…と思っていろいろと調べたけれど、結局は機能的に大差はないという結論に。
こうして記事にした後でも、今ひとつdpi(解像度)とマウス感度が頭のなかで一致した認識にならないけれど、まぁ細かいことは考えないでどっちも同じと思っておくことにします。
以上「ゲーミングマウスの「DPI」と「CPI」の違い」でした。
「ゲーミングマウス」を知る記事
プロゲーマーの独自の持ち方を除外して、一般的にはゲーミングマウスの持ち方には「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3種類ある。違いについてまとめメモ。
筆者とリア友3人で、実際に10個くらい試してみて、本当にイケるゲーミングマウスを5個に厳選してみた。Amazonページをただ並べただけの記事と比較すれば、信頼性はかなり高い。
スキャナーの解像度と同じ意味で使ってると思うので、特に問題ないのでは?
どちらのセンサーも似たようなモノでしょうし。
実質同じ意味なので、言葉の上では問題ないですが
StealSeriesとLogitechのセンサーは使ってみれば明らかに同じ数値なのに感度が違うと体感出来る程度に違いますけどね
具体的にはTrueMove3と3366の比較ですが、TrueMove3の製品を使った限りでは公式が他社の名前を挙げて堂々と比較してるのは誇大広告戦略だと思ってしまった
まぁそこらへんは好みの問題もありますが
Windowsのマウス感度を0〜10とされていますが1〜11の方が一般的ではないでしょうか。
中央のx1.00は6/11と表記しますので
めっちゃよく分かった
[…] マウスのDPIについてはやかもち氏のブログに詳しく載っているので、そちらを参照の事 […]
[…] ゲーミングマウスの「DPI」と「CPI」の違い […]