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グリーンハウスのゲーミングモニターをレビュー:Sharp製IGZOパネルの実力を検証!

日本の中小企業「グリーンハウス(GREEN HOUSE)」のゲーミングモニター「GH-ELCG27WA-BK」を買いました。

WQHD(2560×1440)、最大165 Hz(2ミリ秒)、Sharp製IGZOパネル搭載でなんと約3.3万円です。有名ではないし価格も安いですがIGZOなら大丈夫でしょう。徹底的に検証します。

(公開:2023/5/13 | 更新:2023/5/13

グリーンハウスのゲーミングモニターの仕様とスペック

グリーンハウス / サイズ : 27インチ / 解像度 : 2560 x 1440 / リフレッシュレート : 165 Hz / パネル : IGZO IPS / 保証 : 3年
GREEN HOUSE
GH-ELCG27WA-BK
パネルタイプWQHD(2560×1440)で最大165 Hz
IGZO IPSパネル(27インチ)
主な機能
ゲーミング向け
特になし
調整機能
エルゴノミクス
高さ調整:120 mm
前後チルト:+20° ~ -5°
左右スイベル:30°
ピボット:90°
VRR機能Adaptive-SyncG-SYNC互換も対応
参考価格
※2023/5時点
Amazon
楽天
Yahooショッピング
GREEN HOUSE
GH-ELCG27WA-BK

画面サイズ27インチ
解像度2560 x 1440
パネルIGZO IPS
コントラスト比1000 : 1
リフレッシュレート165 HzHDMI 2.0 : ~144 Hz / DP 1.4 : ~165 Hz
応答速度2 ms (G2G)
光沢ノングレア
VESAマウント75 x 75 mm
エルゴノミクス
  • 高さ調整:120 mm
  • 前後チルト:+20° ~ -5°
  • 左右スイベル:30°
  • ピボット:90°
主な機能
  • 特になし
同期技術Adaptive-SyncG-SYNC互換も対応
スピーカーなしイヤホン(3.5 mm)端子あり
主な付属品
  • DP 1.4ケーブル
  • HDMI 2.0ケーブル
  • 電源ケーブル
  • 説明書
寸法619 x 540 x 237 mm
重量4.4 kg(パネルのみ)
6.0 kg(スタンド含む)
保証3年
やかもち
ひとこと解説:画質重視だけど、値段を下げるためにゲーミング機能をあえて捨てたゲーミングモニターです。

GH-ELCG27WA-BKの画質をレビュー

グリーンハウス「GH-ELCG27WA-BK」は、シャープ製IGZO IPSパネルを搭載します。実際に使ってみてシンプルに高画質だと感じやすい、広色域かつ平均より高コントラストなIPSパネルです。

IGZO IPSの鮮やかな画質
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(表示イメージ)

(sRGB:ΔE = 5.5 / 色温度:6530K / 輝度:347 cd/m²)

ゲーミングモニターオタクから人気のあるLG製Nano IPSに迫る画質で、痩せた色しか出せない低価格IPSパネルから乗り換えると、その鮮やかな発色に驚かれると思います。

加えて、IGZO IPSパネルはNano IPSよりもコントラスト比に優れます。ちもろぐの過去データによると、Nano IPSは700~800:1前後ですが、今回テストしたIGZO IPSは1250:1前後のコントラスト比です。

ベストケースで約2倍の差があります。ただし、人間の目にとって数百ちょっとのコントラスト差はそれほど体感できないです。低いよりはマシ程度で過度な期待は要注意。

おすすめの調整(設定)

初期設定のままだと、色温度がやや暖色に偏っています。日本人の目だと尿液晶に見えてしまうリスクがあるので、モニターの設定から色温度を「赤:48 / 緑:50 / 青:51」に変更します。

  • 初期の色温度:6276K(やや暖色)
  • 修正後:6529K(ニュートラル)

※パネルの個体差により、↑上記の設定が正しく機能するかどうか正確性を保証できません。あくまでも参考程度に。

やかもち
普通に高画質なIPSパネルです。コストパフォーマンス抜群です。

モニター測定機材による評価

モニターの色を測定できる専用の機材「X-rite i1 Pro2(分光測色計)」を使って、「GH-ELCG27WA-BK」の画質をチェックします。

色の正確さ
※クリックすると画像拡大
グレーの正確さカラーの正確さ
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(色の正確さをチェック)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(色の正確さをチェック)
初期設定のままsRGBモード
  • 明るさ:299.9 cd/m²
  • グレーの正確さ:ΔE = 1.78
  • 色の正確さ:ΔE = 5.69
  • ガンマ:2.12
  • 色温度:6276(やや暖色)
  • コントラスト比:1259.4
  • 明るさ:120.5 cd/m²(43%)
  • グレーの正確さ:ΔE = 2.02
  • 色の正確さ:ΔE = 1.10
  • ガンマ:2.09
  • 色温度:6214(やや暖色)
  • コントラスト比:559.8

非常に広い色を表示できる広色域IPSパネルです。初期設定のままだと、sRGBプロファイルに対して派手に色がズレてしまいますが、一般人は気にする必要なし。

sRGBに合っていないと困る用途(例:カラーマネージメント非対応のイラストソフトなど)では、モニターの設定から「sRGBモード」に切り替えてください。

表示される色がsRGB領域に制限され、結果的にsRGBに対して正確な色が出ます。

GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ) GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ)

色域が狭いにも関わらず派手に色がズレているパターンを除き、基本的に広色域パネルの初期設定はsRGBに対して色が外側へズレる傾向があります。

sRGBの色精度が高い ≠ 主観的に見た高画質です。

GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ)

IPSパネルの割には、ネイティブコントラスト比が高いです。Nano IPSは1000:1を超えず、Innolux AASやFast IPS(AUO AHVA)は1000:1を超える傾向があります。

画面の明るさ
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(画面の明るさ)
  • 最大輝度:352.2 cd/m²
  • 最低輝度:24.2 cd/m²
  • 42%で:120.5 cd/m²

100%時で352 cd/m²に達し、十分な明るさです。0%時だと24.2 cd/m²まで下がります。42%で目にやさしいらしい120 cd/m²前後に一致します。

色域カバー率
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(色域をチェック)
規格CIE1931CIE1976
sRGBもっとも一般的な色域100%99.8%
DCI P3シネマ向けの色域93.8%93.8%
Adobe RGBクリエイター向けの色域95.8%96.5%
Rec.20204K HDR向けの色域74.0%74.1%

表示できる色の広さ(色域カバー率)はかなり広いです。

もっとも一般的な規格「sRGB」で100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」を93.8%カバーします。

印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は96.5%です。

均一性(色ムラ)
※クリックすると画像拡大
色ムラを測定色ムラを比較
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(パネルの均一性)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(パネルの均一性)
  • 最大:352.5 cd/m²
  • 最低:299.6 cd/m²
  • 平均値:7.0%

色ムラの程度は普通です。IPSパネルによくある、パネルの四隅に近いほど明るさが下がる「IPSグロー」が出ています。シャープ製IGZO IPSにかぎらず、あらゆるIPSパネルで共通の症状です。

視野角の広さ
※クリックすると画像拡大
横方向(水平)縦方向(垂直)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(視野角)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(視野角)

見ての通り、IGZO IPSパネルは視野角が広いです。角度がズレても色はあまり変化しません。(参考:液晶パネルの違いを解説するよ)。

フリッカーフリーを検証
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(フリッカーフリー)
  • 明るさ100%:フリッカーフリー
  • 明るさ75%:フリッカーフリー
  • 明るさ50%:フリッカーフリー
  • 明るさ25%:フリッカーフリー
  • 明るさ0%:フリッカーフリー

公式サイトでフリッカーフリーをアピールしている通り、「GH-ELCG27WA-BK」はすべての明るさでフリッカーフリーでした。

【オタク向け】パネルの技術的な分析

ここは液晶パネルオタク向けの解説です。ほとんどの人は興味がないので、読み飛ばしてください。

ピクセル拡大図
(ピクセル配列:BGR)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(ピクセル画素の拡大図)
スペクトラム分析
(確定:KSF蛍光体)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(色のスペクトラム分析)
文字のドット感
(密度:109 ppi)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(文字の滑らかさ)

マクロレンズで拡大すると、シャープ製IGZO IPSパネルは「BGR配列」と判明します。Nano IPSやAUO AHVA(Fast IPS)パネルでは「RGB配列」なので、BGR配列はIGZO IPSパネルを使っている強い証拠です。

スペクトラム分析では、広色域IPSでよく見られる「赤色が凹む」グラフが得られ、KSF蛍光体タイプの広色域IPSパネルだと推測できます。

BGR配列ですが文字のドット感に問題なし。BGR配列が一般的な使用において問題になる可能性はほぼありません。


GH-ELCG27WA-BKのゲーム性能をレビュー

↑こちらの記事で紹介している方法で、GH-ELCG27WA-BKの「応答速度」を測定します。

公式サイトによると、メーカー公称値は5ミリ秒(オーバードライブ:HIGH設定時で2ミリ秒)です。本当かどうか、測定機材で徹底的に調べましょう。

120 Hz時の応答速度
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(120 Hz時の残像)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(165 Hz時の応答速度)
  • 平均:4.50 ミリ秒
  • 最速:2.10 ミリ秒
  • 最遅:7.79 ミリ秒
  • エラー:0%

120 Hz時(120 HzはPS5で重要)の応答速度です。30パターン測定で、平均4.5ミリ秒でした。

メーカー公称値の5ミリ秒未満でスペックどおりの性能です。オーバードライブ設定を「LOW」に切り替えると、3.5ミリ秒前後に改善され、Nano IPSクラスに匹敵します。

165 Hz時の応答速度
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(165 Hz時の残像)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(120 Hz時の応答速度)
  • 平均:4.70 ミリ秒
  • 最速:2.60 ミリ秒
  • 最遅:7.80 ミリ秒
  • エラー:0%

165 Hz時の応答速度は平均4.7ミリ秒でした。スペック通りの性能ですが、やはりオーバードライブ設定が無ければやや遅く、残像感も感じられます。

オーバードライブ設定でどれくらい応答速度が改善されるか検証します。

オーバードライブ設定
165 Hz / 4段階をテストした結果
オーバードライブ設定別に残像感を比較
平均値4.70 ms3.41 ms3.00 ms2.63 ms
最速値2.60 ms1.73 ms1.77 ms1.60 ms
最遅値7.80 ms5.29 ms7.21 ms4.29 ms
平均エラー率0.0 %2.9 %16.8 %26.4 %

GH-ELCG27WA-BKのオーバードライブ機能は「オフ」「LOW」「MID」「HIGH」の4段階です。

おすすめの設定は「オフ」または「LOW」です。MIDとHIGHだとエラー率が大幅に上昇してしまい、逆残像やにじみが発生します。

LOW設定時で平均3.41ミリ秒まで短縮され、おおむね最新の高速IPS(Fast IPSやNano IPS)並の性能に。コストパフォーマンス優秀です。

GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(応答速度を比較する)

他のゲーミングモニターと比較しましょう。

GH-ELCG27WA-BKのライバルに値する製品は、約4万円の「LG 27GN800-B」、セール時に5万円を切る「DELL S2721DGF」、同じ価格帯の「KEIAN KPGM270」を挙げられます。

価格が1.5倍くらい高いS2721DGF(Nano IPS)に匹敵する応答速度ですが、値段の近い27GN800-B(BOE IPS)にはやや届かないです。

同じシャープ製IGZO IPSパネルを搭載するKEIAN KPGM270にも応答速度でやや届かないですが、基本的にIPSパネルで平均3ミリ秒台は十分に速いクラスです。

【競技ゲーマー向け】入力遅延の測定結果

「入力遅延(Input Lag)」は、映像ソースやマウス・キーボードからの入力信号を、ゲーミングモニターが実際に認識するまでにかかる時間です。

一般人は気にする必要はありません。競技性が重視される格ゲーやFPSゲームをガチでプレイする、競技ゲーマーが気にするべき指標です。

「Raspberry Pi 4」を使ったカスタム入力遅延テスターで入力遅延を測定した結果、60 Hz時で4.3ミリ秒でした。120 Hz時で3.6ミリ秒です。

GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(入力遅延)

他のゲーミングモニターと比較します。ほとんどのゲーミングモニターは16ミリ秒を下回ります。入力遅延4.3ミリ秒は、まったく問題ありません。


GH-ELCG27WA-BKの機能性をレビュー

エルゴノミクス(調整機能)
※クリックすると画像拡大
  • 高さ調整:120 mm
  • 前後チルト:+20° ~ -5°
  • 左右スイベル:30°
  • ピボット:90°

低価格なのに、まさかの全部盛りエルゴノミクスです。画面の角度や向き、高さを自由に調整できます。ピボット(縦画面)も対応しています。

VESAマウント
※クリックすると画像拡大
  • 規格:75 mm x 75 mm
  • 重量:約4.4 kg

別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「75 x 75 mm」に対応します。

Amazonベーシック / 形式 : シングル画面用 / 耐荷重 : 11.3 kg / 機構 : スプリング式 / 備考 : OEMはエルゴトロン製
モニター設定画面(OSD)
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(OSD設定画面)

モニター背面の「5方向ボタン」でサクサクとOSD設定が進みます。ASUSやBenQ製ゲーミングモニターでよく見られる、右に倒すと決定が個人的にうれしい仕様です。

OSDレイアウト自体はよくあるフォルダ階層型で、分かりやすく整理されています。日本メーカーらしく、最初からOSDが日本語で違和感ない点も悪くないです。

【7個】ピクチャーモードを比較
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターのピクチャーモードを比較GREEN HOUSE ゲーミングモニターのピクチャーモードを比較
GREEN HOUSE ゲーミングモニターのピクチャーモードを比較GREEN HOUSE ゲーミングモニターのピクチャーモードを比較
GREEN HOUSE ゲーミングモニターのピクチャーモードを比較GREEN HOUSE ゲーミングモニターのピクチャーモードを比較
GREEN HOUSE ゲーミングモニターのピクチャーモードを比較
  • スタンダード(初期設定)
  • フォト
  • ムービー
  • ゲーム
  • FPS
  • RTS
  • sRGB

OSDから「ピクチャーモード」を設定すると、画面の明るさやコントラスト感が若干変わります。好みにあったモードを使うのも良し、スタンダードのまま自分で細かく設定してもOKです。

筆者の場合、スタンダードモードのまま色温度を「赤:48 / 緑:50 / 青:51」に調整して使っています。

なお、sRGBモードは表示される色域がsRGB領域に制限されます。sRGBを必要とするクリエイター向けのプロファイルで、画質重視の一般人にとって出番がないです。

各種インターフェイス
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(インターフェイス)
  1. HDMI 2.0
    (2560×1440 / 最大144 Hz)
  2. HDMI 2.0
    (2560×1440 / 最大144 Hz)
  3. HDMI 2.0
    (2560×1440 / 最大144 Hz)
  4. DisplayPort 1.4
    (2560×1440 / 最大165 Hz)
  5. USB Type-C
    (2560×1440 / 最大144 Hz / DP Alt Mode対応)
  6. ヘッドホン端子
    (3.5 mm端子 / おまけ音質)

HDMI 2.0ポートが3個もあります。複数のパソコンやゲーム機をつないだままにするのに便利です。

ただし、HDMIだと最大144 Hzまで。最大165 Hzで使う場合はDisplay Port 1.4でパソコンにつなぎます。Adaptive Sync(G-SYNC互換モード)も使用可能です。

PS5の対応状況
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(PS5の対応状況)
設定60 Hz120 Hz
フルHD1920 x 1080対応PS5 VRR:なし対応PS5 VRR:なし
WQHD2560 x 1440対応PS5 VRR:なし対応PS5 VRR:なし
4K3840 x 2160

HDMIでPS5につなぐと、フルHDとWQHDどちらも最大120 Hzで使えます。仮想4K(WQHDに4K解像度で表示するモード)は非対応です。

VRR機能(可変リフレッシュレート)
※クリックすると画像拡大
  • Adaptive Sync
  • G-SYNC互換モード
    (Display Port 1.4で使用可能)

ゲーム側のフレーレレートと、モニター側のリフレッシュレートを揃えてティアリング現象を防ぐ「VRR」機能は、定番のAdaptive SyncやG-SYNC互換モードに対応します。

OSD設定からAdaptive Syncを有効化して、Display Portで接続するとG-SYNC互換モードを有効化できます。動作範囲はよくある48~165 Hzです。


GH-ELCG27WA-BKのHDR性能をレビュー

4K HDR対応のメディア「天気の子 4K Ultra Blu-ray」
新海誠 / 形式 : 4K Ultra HD Blu-ray / HDR : あり / ディスク : 5枚 / 備考 : 映像美すごすぎ

GH-ELCG27WA-BKで実際にHDRコンテンツをテストします。

テストに使ったHDRソースは、Youtubeで公開されている「Morocco 8K HDR」と、HDR対応の「天気の子(4K Ultra BD盤)」です。

HDRコンテンツの表示例※画像はクリックで拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(HDRを試して比較写真)
HDR映像を収めた写真はSDRです。掲載した写真は参考程度に見てください。

Display HDR認証を取っていない割に、マトモにHDR映像を表示できます。表示できる色が非常に広く、明るさもそこそこに出てます。

本格的なHDR 600~1000ゲーミングモニターと比較さえしなければ、それなりに見られるHDR表示品質です。

もちろん「本物のHDR」を体験するなら、最低でもDisplay HDR 600、できればDisplay HDR 1000対応のゲーミングモニターをおすすめします。

やかもち
パネルの性能が良いから割りとそこそこHDRも表示できます。値段を考えると悪くないです。
VESA Display HDR
HDR性能のテスト結果
比較テスト対象
GH-ELCG27WA-BK
VESA Display
HDR 400
画面の明るさ
  • ピーク時
    417.3 cd/m²
  • 全白フラッシュ
    417.3 cd/m²
  • 全白持続
    417.1 cd/m²
  • ピーク時
    400 cd/m² 以上
  • 全白フラッシュ
    400 cd/m² 以上
  • 全白持続
    320 cd/m² 以上
黒色輝度0.29 cd/m² 0.40 cd/m² 以下
コントラスト比1439 : 1 1000 : 1 以上
色域
  • sRGB:100%
  • DCI P3:93.8%
  • sRGB:95%以上
  • DCI P3:なし
色深度10 bit
DP 1.4で最大165 Hzまで
8 bit

「優れたHDR性能」を初心者さんに分かりやすく説明すると

  • 明るさ:明るいほど良い(超ハイエンド機なら1000 cd/m2超)
  • 黒色:無点灯に近いほど良い(0.1 cd/m2以下なら実用上は十分)
  • コントラスト比:高いほど良い(5000 : 1以上で実用上は十分)
  • 広色域:DCI P3が広いほど良い(DCI P3:90%以上は欲しい)

めちゃくちゃ明るくて、暗い部分はちゃんと真っ暗。さらに表示できる色も広い。これらの条件を満たしているなら「高性能なHDR」で、高性能なHDR性能を持つモニターは基本的にDisplay HDR規格を取得しています。

HDR 600以上なら、まずハズレなし。HDR 1000やHDR 1400を取得しているモニターは超ハイエンド機です。

なお、有機ELパネルは特性上、HDR性能を伸ばせないので注意してください(※有機ELは画面を明るくするほどパネルの故障率が上昇するため、画面が明るくなりすぎないように制御されています)

参考記事:HDR性能を示す「Display HDR」規格と仕組みを解説

GH-ELCG27WA-BKのHDR性能をテストした結果、Display HDR 400規格に合格できる程度の性能があると判明・・・。

HDR 400規格は合格できて当然の最低グレードに位置づけられます。HDR 400相当の性能があるからと言って、過度な期待はしないように。

あくまでも「HDR映像を表示できる」程度だと考えてもらって差し支えありません(※筆者はHDR 600やHDR 1000を実際に見ているので、HDR 400の非力さを理解してます)

KEIAN KPGM270をレビュー(HDR輝度とコントラストを比較する)

HDRモードで画面全体に白色を表示したときの明るさを、他のモニターと比較したグラフです。他のHDR 400対応モニターと並びます。

KEIAN KPGM270をレビュー(HDR輝度とコントラストを比較する)

HDR時のコントラスト比(理論値)は1439:1です。今回のIGZO IPSパネルは意外と黒色が締まってます。

HDRコントラスト比i1 Pro 2で測定した結果
全画面1439 : 1
10%枠1438 : 1
3×3分割1346 : 1
5×5分割1346 : 1
7×7分割1346 : 1

HDRコントラスト比を細かくテストした結果を掲載します。ワーストケースでも1000:1以上を維持できています。

PQ EOTFグラフ
(正しい明るさですか?)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(PQ EOTFと色精度)
Rec.2020 色精度
(正しい色ですか?)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(PQ EOTFと色精度)
RGBバランス
(色温度はD65ですか?)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(PQ EOTFと色精度)

正しい明るさを表示できるかをチェックする「EOTF」グラフはイマイチです。途中まで正常に追従するものの、一定の明るさで暗めに表示される傾向あり。

HDR時の色精度(Rec.2020)は至って普通です。最大ΔE = 8.0、平均ΔE = 6.39です。

色温度は6750K前後でやや寒色よりですが、日本人にとってはちょうど良いかもしれません。なお、Rec.2020規格で求められる基準はD65(6500K)です。

【参考】HDRモード時の消費電力は?
HDRモード時の消費電力電力ロガーコンセントで測定
白枠面積消費電力
1 %41 W
2.5 %41 W
5 %41 W
10 %41 W
25 %41 W
50 %41 W
75 %41 W
100 %41 W
全白フラッシュ
(※持続時間は2~3秒)
41 W

電源コンセント経由でHDRモード時の消費電力を測定しました。白面積の広さに関係なく40 W前後です。

IGZO液晶パネルは一般的な液晶パネル(= アモルファスシリコンTFT液晶)より、やや省エネな傾向があります。

明るさが約20%も低い「LG 27GN800-B(レビュー)」と比較して、約6 Wも消費電力が低く済んでいます。同じ明るさに調整すると約14 Wも削減でき、IGZOパネルの省エネ性が光ります。


GH-ELCG27WA-BKの開封と組み立て

GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(開封)

ダンボールに「GREEN HOUSE GAMING」と印字された、簡素なパッケージで届きます。

GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(開封)

分厚い梱包材でぎっしり、安心できる梱包状態です。

付属品
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(付属品)
  • HDMIケーブル
  • Display Portケーブル
  • 電源ケーブル
  • 電源アダプタ(PSE取得済み)
  • VESAマウント変換ネジ
  • 説明書
  • 保証書

充実した付属品です。映像ケーブルが2本付属します。別売りのケーブルは不要です。

組み立て工程
※クリックすると画像拡大
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(組み立て)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(組み立て)
GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(組み立て)GREEN HOUSE ゲーミングモニターをレビュー(組み立て)
  1. 付属のモニタースタンドとアームを用意
  2. モニターアームを挿し込む
  3. スタンドをはめ込み、ネジを固定(指で回せます)
  4. 組み立て完成(3分くらい)

最近のゲーミングモニターらしい、ツールレスフリーの組み立て工程です。スタンドのネジは指で回せます。プラスドライバーがなくても大丈夫。

まとめ:Sharp IGZO IPSパネルの実力は本物

「GH-ELCG27WA-BK」の微妙なとこ

  • パネルの均一性は普通
  • 平凡なコントラスト比
  • 内蔵スピーカーなし
  • 初期設定の色温度がズレてる
    (かんたんに修正できます)
  • ゲーマー向け機能が皆無

「GH-ELCG27WA-BK」の良いところ

  • 27インチでWQHD(ちょうどいい)
  • 最大165 Hzに対応
  • PS5で120 Hzに対応
  • 広色域パネル(DCI P3で94%近い)
  • 入力遅延が非常に少ない
  • IPSパネルの割に応答速度が速い
  • フル装備のエルゴノミクス(調整機能)
  • Display HDR 400相当のHDR品質
  • 画面の明るさの割には省電力
  • メーカー3年保証
  • コストパフォーマンスが高い

シャープ製IGZOパネルの実力を確かめるために、あえて購入してみた「GH-ELCG27WA-BK」ですが、予想通りの実力を確認できて嬉しいです。

前回レビューした「KEIAN KPGM270」と同じく、シャープ製IGZOパネルはNano IPSに迫る色域と互角レベルの応答速度を実現できています。

コントラスト比では完全にNano IPSを打ち負かし、消費電力の低さもIGZOパネルの目立った利点です。IGZOパネルの今後のライバルはNano IPSではなく、Fast IPS(AUO AHVA)です。

ただし、現状ではブランド力に大きな差があるのは否定できずIGZOパネルは過小評価されがち。おかげで性能に対して安く買えます。

グリーンハウス / サイズ : 27インチ / 解像度 : 2560 x 1440 / リフレッシュレート : 165 Hz / パネル : IGZO IPS / 保証 : 3年
参考価格
※2023/5時点
Amazon
楽天
Yahooショッピング

2023年5月時点で定価が約4万円です。タイムセール時に7000円割引クーポンが出たり、約3.2万円まで値下げされます。安くて高画質なWQHDモニターが欲しい方はウォッチリストに入れておきましょう。

【余談】海外コミュニティでも驚かれたIGZOパネル

引用元:https://www.rtings.com/discussions/fesOtWA2-2V8Gd6p/wait-what

おそらく同等のIGZOパネルを採用した「GIGABYTE M27Q」の測定レビューが海外で公開され、コミュニティの間で「待って・・・価格が高い上位モデルよりスコアが高いのはなぜ?」と、いい意味で驚かれたパネルです。

IGZOパネルの実力は本物です。

パネルオタクが指摘するであろう、BGR配列が問題なるパターンもほぼありません。BGR配列よりも、昨今流行りつつあるW-OLEDやQD-OLEDの方が明確にテキストフリンジが深刻です。

ましてやゲーミング用途でBGR配列に由来するフリンジを「認知」できる可能性は・・・、限りなくゼロです。

グリーンハウスの代替案(他の選択肢)

たまに楽天市場で19800円まで値下がりする「KEIAN KPGM270」が、主な代替案です。シャープ製IGZO IPSパネル搭載で、応答速度は3ミリ秒を切ります。

LG 27GN800-B」も(一応)代替案として挙げられますが、性能面で劣っているので同じ値段でもあえて買う理由があるか・・・やや疑問です。

WQHDでおすすめなゲーミングモニター

最新のおすすめWQHDゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。

WQHDでおすすめなゲーミングPC【解説】

おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】

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17 件のコメント

  • レビューお疲れ様です!
    一つ気になったのですが、色域カバー率の紫色の三角形は何を表していますか?

  • innocnの27G1Rってモニターを使ってるんですが、モニターの形状、OSDのメニュー画面とかそっくりですね。
    (27G1RはVA、WQHD144Hzですが) 
    これもinnocnのOEMでしょうか。

  • 代替案として、
    「たまに楽天市場で19800円まで値下がりする「KEIAN KPGM270」が、主な代替案です。シャープ製IGZO IPSパネル搭載で、応答速度は3ミリ秒を切ります。」
    とありますが、当該製品のページでは「シャープ製IGZO VAパネル」となっています。
    どちらが正しい表記ですか?

    • 勝手な妄想ですが、KPGM270の方がこちらのパネルと比べて質が低いのでIPS表記が出来ないとか…
      コントラストが大分低いですし

    • 測定レビューを読んでくれれば分かりますが、KPGM270がVAパネルである可能性は限りなくゼロです。
      VAパネルの割には
      ・視野角が広すぎ
      ・コントラスト比が低すぎ
      ・応答速度が速すぎる
      ・測定データがSharp IGZO IPS搭載モデル(Gigabyte M27Q等)に似ている
      などなど。VAパネルではなく、IPSパネルを示唆するデータが得られています。
      なぜ恵安さんが頑なにVAパネル表記を修正しないのか、謎は深まるばかり・・・です。

      • コメ主さん横から失礼します。
        仮にIPSだとしても恵安のそれとは色域が違うようですが、IGZO IPSだからといっても同じでは無いのでしょうかね。

  • はじめまして。
    本レビュー製品と、同じグリーンハウスより販売されているGH-GLCC27WA-BKに違いはあるのでしょうか?

    後者は某家電量販店で常時3.1万円(3.4万円-10%ポイント)で販売されており、しかし保証は本製品よりも長い5年となっています。
    もしパネル等同じならコスパ上位互換のように思いますので、気になりました。

  • コイル鳴きの報告がいくつかあるモニターですが管理人さんのは大丈夫でしたか?
    個体差なのかは分かりませんが

  • この機種はACアダプタがボロいのでコイル鳴きは仕様だと思っています。
    自分のは購入直後は静かだったものもそう経たずにキュルキュル鳴きだしました。(電源OFF、スタンバイ時)
    なので今は互換性のある「Dell E5 65W 7.4mm Barrel ACアダプター」に交換して使ってます。

  • やかもち(管理人) へ返信する コメントをキャンセル

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