OLEDパネルの製造メーカーで知られる「LG」が、自社ブランドのUltraGearシリーズに新たなフラグシップモデルを投入。
その名も「LG 32GS95UE-B」です。世界初の4K 240 Hz + フルHD 480 Hz一体型OLEDゲーミングモニターが登場しました。
予約注文から約3ヶ月ほど待ってようやく届いたので、詳しくレビューします。
(公開:2024/7/25 | 更新:2024/7/25)
「LG 32GS95UE-B」はどんなゲーミングモニター?
LG 32GS95UE-Bがどのようなゲーミングモニターかざっくり説明します。
- フルHD(1920×1080)で「最大480 Hz」
- 4K(3840×2160)で「最大240 Hz」
- 最新世代の「MLA OLED」パネル採用
- 高音質なスピーカーとヘッドホン端子を搭載
- PS5で120 Hz(VRR)に対応
- 2年間の標準保証(OLEDの焼き付き)
おもな特徴は以上です。
世界初の「OLEDパネルで480 Hzに対応した」究極のeSportsゲーミングモニター、と同時に「4Kで240 Hz」も対応するエンタメ特化型ゲーミングモニターの顔も持っています。
1台で2台の機能を兼ね備える、世にも珍しい2 in 1ゲーミングモニターが「LG 32GS95UE-B」です。
LG UltraGear 32GS95UE-B | |
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パネルタイプ | 4K(3840×2160)で最大240 Hz MLA OLEDパネル(32インチ) |
パネルタイプ Dual-Mode時 | フルHD(1920×1080)で最大480 Hz MLA OLEDパネル(24 / 27 / 32インチ) |
応答速度 | 0.03 ms (G2G) |
主な機能 ゲーマー向け |
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調整機能 エルゴノミクス | 高さ調整:120 mm 前後チルト:+15° ~ -10° 左右スイベル:10° ピボット:90° |
VRR機能 | AMD FreeSync Premium Pro ※G-SYNC互換モード対応 |
参考価格 ※2024/7時点 | |
Amazon Tsukumo(ツクモ) 楽天市場 Yahooショッピング |
LG UltraGear 32GS95UE-B | |
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画面サイズ | 32インチ |
解像度 | 3840 x 2160 1920 x 1080 |
パネル | MLA OLED (マイクロレンズアレイ方式) |
コントラスト比 | 1500000 : 1 |
リフレッシュレート | 480 Hz (1920 x 1080) 240 Hz (3840 x 2160) HDMI 2.1 : ~480 Hz DP 1.4 : ~480 Hz |
応答速度 | 0.03 ms (G2G) |
光沢 | ノングレア (低反射率アンチグレア加工) |
VESAマウント | 100 x 100 mm |
エルゴノミクス |
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主な機能 |
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同期技術 | AMD FreeSync Premium Pro ※G-SYNC互換モード対応 |
スピーカー | Pixel Sound システム(10 W x2) 4極イヤホン(3.5 mm)端子あり |
主な付属品 |
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寸法 | 714 x 627 x 279 mm |
重量(実測) | 5.73 kg(パネルのみ) 9.26 kg(スタンド含む) 0.79 kg(ACアダプター) |
保証 |
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なかなかのお値段ですが、このゲーミングモニター1台で最新世代の「MLA OLED」パネルを使ったフルHD(480 Hz)と4K(240 Hz)を両立するため、妥当な価格設定です。
同等スペックのモニターを2台揃えようとすると、軽く20万円を超えます。20万円ちょっとでハイエンド2台分の性能とスペックを得られると考えれば納得の行く値段です。
しかも、日本国内で32GS95UE-Bに対抗できるゲーミングモニターは1台も存在しません。ライバル不在の最高スペック、高い値段もかんたんに正当化されます。
国内正規品の標準保証は「2年」です。LGサポートいわく、OLEDパネルに特有の焼き付き(Burn In)も保証対象だから、普通の液晶モニターと同じような気軽さで扱えます。
競合他社も同じパネルを使った同等モデルをあとから国内でリリースする可能性がありますが、焼き付き保証まで提供される可能性は低いです。
LG 32GS95UE-Bの画質は良いですか?
ほどよい鮮やかさです。QD-OLEDパネルより波長が穏やかなため、個人差が出づらく万人受けのいい高画質に見えます。
OLEDでいつも懸念している明るさも意外と悪くないです。以前レビューしたJOLED(国産OLED)と同じくらいの明るさに感じます。
無限のコントラスト比を持つOLEDパネルだから、暗いシーンは本当によく映えます。と言っても、このくらいのシーンだと高性能なIPSパネルと比較して体感しづらいです。
もっと露骨に黒を配置したコンテンツでなければ、無限のコントラスト比は体感しづらい場合が多いです。
(sRGB:ΔE = 4.6 / 色温度:6674K / 輝度:250 cd/m²)
映画やアニメ、FPSゲーム(Overwatch 2)やRPGゲーム(原神)をLG 32GS95UE-Bで表示した例です。
普通の液晶パネル(IPSやTN)から乗り換えると、圧巻の高画質に見えます。色は鮮やかで、黒は本当に真っ黒に見え、黒色の多いコンテンツで立体感を感じられるはずです。
高性能な量子ドットIPSパネルから乗り換えた場合は、主観的に画質の差を体感しづらいです。黒色(#000)がないコンテンツだと、無限のコントラスト比が発揮されず、なかなか差が見えません。
色の鮮やかさも量子ドットの方がわずかに優れているため、OLEDとの差を体感にしくい原因になりがち。
量子ドットIPSパネルを搭載する「INNOCN 32M2V」と比較した写真です。
32M2Vの方が全体的に鮮やかに見えますが、画面の明るさが違います。可能な限り、ぼくの好みの明るさ(350 cd/m²前後)で比較写真を撮影してるのですが・・・、LG 32GS95UE-Bはそもそも300 cd/m²すら出ないです。
OLEDと液晶パネルの性能差が分かりやすいように、sRGB環境で生成したイラストで比較します。
意図的に黒(#000)と白(#255)をわざとらしく配置したイラストです。写真越しでも、コントラスト感の違いがハッキリと分かるのではないでしょうか?
OLEDは黒(#000)に対して0 cd/m²(完全無点灯)を返し、IPSパネルは0.40 cd/m²程度です。0~255まで収録したコンテンツにおいて、体感できるレベルでコントラスト比に大きな差が生じます。
ただし、色の鮮やかさは液晶パネルの方が高いように見えます。実は、LG製OLEDパネルは量子ドットIPSパネルより色域がやや狭いです。
色域が狭いと鮮やかさが減ります。加えて、人間の目は輝度が高いほど彩度も高く感じてしまう性質があり、明るさに秀でている量子ドットIPSパネルは鮮烈で純色のような赤を見られます。
パネルの表面加工(反射加工)をチェックします。
見てのとおり、LG 32GS95UE-Bのノングレア加工はかなり質が高いです。比較的明るい照明環境でも10000:1以上のコントラスト比を維持します。
(左:LG MLA OLED / 右:Samsung QD-OLED)
Samsung製QD-OLEDパネルは光に反応して赤紫色に発光する性質があるせいで、部屋が明るいと5000:1程度にまで抑えられてしまいます。
現状のQD-OLEDパネルは部屋を暗くしないと真価を発揮しません。LG 32GS95UE-Bの方が設置環境の自由度が高いと言えるでしょう。
キャリブレーター(測定機材)を使って調整したLG 32GS95UE-Bのおすすめ設定を紹介します。
- モード:ゲーマー1
- 色温度:ユーザー
- 明るさ:100
- 色温度:赤51 / 緑48 / 青52
上記の設定で色温度をだいたい6500K前後(ほぼぴったり)に調整できます。
明るさは好みに合わせて適当に。筆者は350 cd/m²が好みなので「明るさ:100」ですが、LG 32GS95UE-Bは300 cd/m²くらいにとどまります。
もっと厳密にキャリブレーション(校正)したいガチな方は、筆者が作成した3D LUTプロファイル(.cube)を試してみてください。
フリーソフト「dwm_lut」を使って3D LUT(.cube)を適用したら、ゲーミングモニターのOSD設定を以下の内容に変更します。
- モード:ゲーマー1
- 色温度:ユーザー
- 明るさ:100
- 色温度:赤51 / 緑48 / 青52
3D LUTの効果を確かめます。
約5000ポイント測定でプロファイルを作成しましたが、うまくガンマを校正し切れなかったです。一応これでも出荷設定より大幅に改善されています。
常用グレースケールで色温度はほぼ6500K前後に一致します。メタメリズム障害のせいで測定値は6750K前後を示しますが、目視で6500K前後に補正済みです。
なお、色域に影響しないようにプロファイルを作っています。出荷設定時の色域をほぼ維持できるため、鮮やかさや色の純度を損ないません。
モニターの色を測定できる専用の機材「X-rite i1 Pro2(分光測色計)」と「ColorChecker Display Plus(比色計)」を使って、「LG 32GS95UE-B」の画質をチェックします。
LG 32GS95UE-Bの色精度はややズレています。MLA OLEDパネルは表示できる色域が広いため、基準値(sRGB色域)をやや超えてしまうのが原因です。
ただし、色の精度が悪いからといって、(主観的に感じられる)画質が悪いわけではないです。
実例がNano IPSパネルです。一般ユーザーから非常に高い支持を得て、今でも根強いファンがいるパネルですが色精度は破綻してます。それでも一般ユーザーから高い支持を得ています。
つまり、精度よりも体感できる鮮やかさが主観的な評価に大きく影響します。LG 32GS95UE-Bもまた派手な色合いで色精度はダメ。でも派手で鮮やかで見ていて楽しいから「高画質」と扱われます。
sRGB精度が必要なら、モニターのOSD設定から「sRGB」プロファイルモードを使ってください。色の精度が2.03(ギリギリΔE < 2.0)まで改善できます。
表示できる色がやや広いせいで、結果的にsRGB色域からズレてしまう「過飽和」が生じて色精度が下がっています。主観的にゲームや映像を楽しむ分には問題ありません。
sRGBの色精度が高い ≠ 主観的に見た高画質です。
LG 32GS95UE-Bのネイティブコントラスト比はInfinity:1(∞)です。液晶パネルを凌駕する圧倒的なコントラスト比により、完全な黒色を表示できます。
画面の明るさ ※クリックすると画像拡大 |
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100%時で298 cd/m²に達し、SDRコンテンツにそこそこ十分な明るさです。0%時だと23 cd/m²まで下げられます。夜間に暗い画面を好む場合も便利です。
目にやさしいらしい120 cd/m²前後は設定値59%でほぼ一致します。
もっと画面を暗くしたい場合は、OSD設定 > 色温度 > 青を下げてください。10 cd/m²未満の暗さも可能です。
OSD設定 > 画像調整 > 最大輝度から、SDRモード時のピーク輝度を変更できます。画面全体に白色が占める割合によって、明るさが変動します。
- 最大輝度(高)モード:477 cd/m²
- 最大輝度(低)モード:369 cd/m²
- 標準モード:298 cd/m²
SDRモードでHDRのような派手なコントラスト感を楽しむなら「最大輝度:高モード」がおすすめです。
普通のオフィスワークやPC作業だと明るさの変動が煩わしく感じる可能性が高いので、そのまま「標準モード」でいいです。
色域カバー率 | ||
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規格 | CIE1931 | CIE1976 |
sRGBもっとも一般的な色域 | 100% | 100% |
DCI P3シネマ向けの色域 | 96.7% | 97.9% |
Adobe RGBクリエイター向けの色域 | 90.7% | 95.8% |
Rec.20204K HDR向けの色域 | 71.2% | 73.1% |
LG 32GS95UE-Bで表示できる色の広さ(色域カバー率)はかなり広いです。
もっとも一般的な規格「sRGB」で100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」では97.9%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は95.8%です。
エンタメ用途で重要なDCI P3とRec.2020カバー率の比較は上記リンクから確認してください。
LG OLEDパネルで使われている省電力技術「Convex Power Control」の影響で、色ムラがやや出ています。
かなり批判が多かったせいか、今作(32GS95UE)では大幅に緩和されている様子です。平均3.1%の色ムラは主観的に見てまったく感知できません。
普通にゲームをプレイしたり、アニメや映画を見る分にはほとんど気にならないでしょう。同じ色を全画面に表示させた時だけ、わずかな色ムラに気づく・・・かもしれないです。
OLEDパネルだから視野角が非常に広いです。斜め方向から見ても、画面が白くなったり黄ばんだりする傾向がほとんど見られません。(参考:液晶パネルの違いを解説するよ)。
マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。LG Display製の最新世代「MLA OLED」パネルは、画素レイアウトが「RGWB」に変更されました。
PCモニターでポピュラーな「ストライプRGB配列」によく似たレイアウトで、JOLED製の印刷式OLEDパネルに匹敵する文字のクッキリ感を可能に。
パソコン用途で理想的な配列です。
スペクトラム分析では、青色だけが鋭く、緑と赤がなだらかに低い「白色OLED(White OLED)」に特徴的なパターンが見られます。
LG Display製OLEDパネルでは、明るさを稼ぐために白色ドットを使っています。RGB三原色に白色が加わるから、色の純度が損なわれます。
量子ドットを使ったRGB OLEDやIPSパネルに対して、色域で一歩劣る原因です。
ブルーライト含有量は約28.4%ですが、色温度の設定で青色を下げたり「ブルーライト軽減」モードを有効化すると、TÜV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満をかんたんに達成できます。
文字のドット感はクリアです。
ストライプRGWB配列はテキストの鮮明な表示に有利で、さらに32インチに4K(3840 x 2160 = 約829万画素)を詰め込んでいるのでドット密度が非常に高く、クッキリ明瞭に見えます。
既存のOLEDパネルで問題だった「テキストフリンジ(文字ボヤけ)」がほとんど解消されています。
LG 32GS95UE-Bは自分好みの画質に調整しやすい
- ゲーマー1(初期設定)
- ゲーマー2
- FPS
- RTS
- ブルーライト低減
- HDR効果
- あざやか
- キャリブレーション設定1
- キャリブレーション設定2
- 色覚調整(色)
- sRGB
LG 32GS95UE-Bは全部で11個のカラープロファイルに切り替え可能です。
プロファイルごとに、色温度やコントラスト感(ガンマカーブ)が大きく変わり、自分好みの画質に調整しやすいです。
モード | 色域 (sRGB) | 色域 (DCI-P3) | 明るさ | グレーの正確さ | 色の正確さ | ガンマ | 色温度 | コントラスト比 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ゲーマー1 | 100.0% | 97.9% | 289.8 cd/m² | ΔE = 1.15 | ΔE = 3.62 | 2.17 | 6460K | Infinity |
ゲーマー2 | 100.0% | 97.5% | 319.6 cd/m² | ΔE = 0.80 | ΔE = 3.66 | 2.16 | 7414K | 32914:1 |
FPS | 100.0% | 97.5% | 262.9 cd/m² | ΔE = 0.76 | ΔE = 3.65 | 2.16 | 7176K | 5458:1 |
RTS | 100.0% | 97.7% | 275.3 cd/m² | ΔE = 0.95 | ΔE = 3.55 | 2.17 | 6833K | Infinity |
ブルーライト低減 | 98.4% | 90.7% | 118.9 cd/m² | ΔE = 5.47 | ΔE = 4.71 | 1.81 | 5394K | 99:1 |
HDR効果 | 100.0% | 97.6% | 264.1 cd/m² | ΔE = 3.93 | ΔE = 8.19 | 1.84 | 9773K | Infinity |
あざやか | 100.0% | 97.6% | 330.9 cd/m² | ΔE = 3.46 | ΔE = 4.95 | 1.85 | 7418K | Infinity |
キャリブレーション設定1 | 100.0% | 97.7% | 291.7 cd/m² | ΔE = 1.16 | ΔE = 3.59 | 2.16 | 6458K | Infinity |
キャリブレーション設定2 | 100.0% | 97.7% | 367.7 cd/m² | ΔE = 1.04 | ΔE = 3.63 | 2.16 | 6471K | Infinity |
色覚調整(色) | – | – | 291.1 cd/m² | ΔE = 1.11 | ΔE = 5.95 | 2.15 | 6255K | Infinity |
sRGB | 99.8% | 84.1% | 137.4 cd/m² | ΔE = 1.05 | ΔE = 2.03 | 2.16 | 6613K | Infinity |
主観的な感想:初期設定の中で、「ゲーマー1」が割と使いやすい画質です。やや青白い色を好む日本人なら「RTSモード」も良さそうです。
「sRGB」モードは色域が制限されて色がくすんで見えます。「ペイントツールSAI」など、カラーマネジメント非対応のソフトでイラストを描くならsRGBモードがおすすめです。
LG 32GS95UE-Bのゲーム性能はすごい?
ゲーミングモニターは、ゲームプレイに特化したPCモニターです。だから、ゲームプレイに適した性能がないとお話にならないです。
- 応答速度
- 入力遅延
- ゲーム向け機能
具体的に「応答速度」「入力遅延」「ゲーム向け機能」の3つを挙げられます。では、LG 32GS95UE-Bのゲーム性能がどれくらい優れているか、専用の機材を使ってテストします。
LG 32GS95UE-Bの応答速度と入力遅延
↑こちらの記事で紹介している方法で、LG 32GS95UE-Bの「応答速度」を測定します。
60 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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手始めに60 Hz時の応答速度から。30パターン測定で平均0.51ミリ秒でした。
ほとんどゼロに近い応答速度でも、実際の映像はガッツリ残像が映り込みます。残像を防ぐには、応答速度だけでなく、高いリフレッシュレートも必要です。
リフレッシュレートが低いと「ホールドボケ」が発生してしまい、どれだけ応答速度が早くても残像がはっきりと見えてしまいます。
120 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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PS5で重要視される120 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均0.29ミリ秒を記録します。
リフレッシュレート60 Hz時よりホールドボケがかなりマシになり、残像が見えづらいクッキリ明瞭な世界が広がります。
さらにリフレッシュレートを上げてみましょう。
240 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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240 Hz時の応答速度です。30パターン測定で、平均0.19ミリ秒でした。
リフレッシュレートを240 Hzに引き上げれば、ホールドボケはほとんど見えないです。残像も大幅に軽減され、まるで静止画を見ているかのようなクッキリした映像です。
Zowie XL2546X(240 Hz) ※クリックすると画像拡大 |
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ただし、プロ競技者向けのゲーミングモニター「Zowie XL2546X」の残像軽減モード「DyAc 2」と比較すると、クッキリ感はやや届いていない様子。
DyAc 2は画面の明滅(黒挿入)を使った技術だから、画面のフリッカーを気にする人には使えないデメリットがありますが、フリッカーを気にしない人なら一考の余地あり。
480 Hz(デュアルモード)時の応答速度
480 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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ようやく本題の480 Hz時(デュアルモード有効)の応答速度です。30パターン測定で、平均0.11ミリ秒を記録します。
残像感がまったく見えず、動いている物体を目で追ってもまるで静止画です。「DyAc 2」を使ったレベルのクッキリ明瞭な映像を、完全なフリッカーフリーで楽しめます。
平均エラー率は3.1%とほとんど無く、「逆残像」や「にじみ」も見えません。
他のゲーミングモニターと比較します。
LG 32GS95UE-Bが記録した平均0.11ミリ秒は、過去レビューしてきた全ゲーミングモニターで最速記録です。
同じOLEDパネルのAW3423DWやLG 27GR95QE-Bより約3~4倍ほど、平均的なIPSパネルと比較して約30~40倍も速いです。
まさに敵なし。
実際のシーンで480 Hzはどう見える?
(クリックで画像拡大)
「原神」のキャラクターモデルを、スライダーショット(追尾カメラ)で撮影しました。
480 Hzと240 Hzの違いは一目瞭然です。480 Hzでは扇子の縦線や、モデリングの輪郭線までクッキリと見えます。
(クリックで画像拡大)
「オーバーウォッチ2」プレイ中のワンシーンを、スライダーショット(追尾カメラ)で撮影しました。
やはり480 Hzと240 Hzの差は歴然。敵キャラクターの頭上に見えるテキストや、HPゲージの縦線、モデリングの輪郭線もよく見て取れます。
「Apex Legends」プレイ中のワンシーンを、スライダーショット(追尾カメラ)で撮影しました。
リロード(RELOAD)の文字や方角を示す数字など、テキストUIが信じられないほどキレイに見えます。目の前に飛び出てきた相手プレイヤーの姿も正確に認識できます。
入力遅延(Input Lag)はどれくらいある?
2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。
- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
左クリックしてから画面に反映されるまでにかかった時間を測定し、左クリック100回分の平均値を求めます。
LG 32GS95UE-Bの入力遅延は問題なし。
240 Hz時(G-SYNC互換モード)で平均2.7ミリ秒、480 Hz時(G-SYNC互換モード)で平均1.6ミリ秒の入力遅延です。
なお、デュアルモードは480 Hz時のみ入力遅延が最小化され、240~60 Hzはネイティブモードより大幅に遅延が悪化します。
と言ってもデュアルモードで240~60 Hzを使う人はいないでしょうから、基本的に無視できる問題です。
値段の割には簡素な機能たち
LG 32GS95UE-Bは、約20万円近い定価にもかかわらずゲーマー向け機能があまり多くないです。
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能 - カクツキ防止
可変リフレッシュレート機能
順番にチェックします。
暗所補正「Dark Stabilizer」モード
暗い部分をいい感じに明るく補正できる「Dark Stabilizer(ダークスタビライザー)」モードです。
ほどほどの補正と効果です。BenQ ZowieのBlack eQualizerに比べると全体的にマイルドな味付けで、暗いゲームが少し明るく見えやすくなるイメージ。
競技向けのeSportsタイトルで視認性を著しく向上する効果は、あまり期待しないほうがいいでしょう。あくまでもソロゲー向け。
画面全体が暗い傾向のホラーゲーム、たとえばDead by DaylightやDead Space 2023などで役に立ちます。
4Kで240 Hz(PS5で120 Hz)に対応
LG 32GS95UE-Bは最大240 Hz(4K)~ 480 Hz(フルHD)、PS5で最大120 Hzに対応します。実際にPS5とゲーミングPCにモニターをつないでみて、リフレッシュレートの対応状況を確認しましょう。
PS5の対応状況 ※クリックすると画像拡大 | ||
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設定 | 60 Hz | 120 Hz |
フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応 PS5 VRR:対応 |
WQHD2560 x 1440 | 対応 PS5 VRR:対応 | 対応 PS5 VRR:対応 |
4K3840 x 2160 | 対応 PS5 VRR:対応 | 対応 PS5 VRR:対応 |
PS5でフルHD~4K(最大120 Hz)まで対応します。HDMI 2.1(48 Gbps)搭載により「PS5 VRR」も使えます。
なお、実際に120 Hzで動くかどうかはゲームによって違うので注意です。
たとえばフォートナイトなら120 fpsかつ120 Hz動作ですが、ストリートファイター6は60 fpsで120 Hz動作になるなど、ゲームによって挙動が違います。
対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 |
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LG 32GS95UE-Bがパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。HDMIとDisplayPort、どちらも最大240 Hzに対応します。
対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 |
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「Dual-Mode(デュアルモード)」有効時の対応リフレッシュレートは以上のとおりです。HDMIとDisplayPort、どちらも最大480 Hzに対応します。
VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
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フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はHDMIとDisplay Portどちらでも使用可能です。動作範囲は48~480 Hzです。
LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。ちなみにPS5はLFC非対応だから48 Hzまでです。
なお、フレーム遷移が瞬時に終了するOLEDパネルの性質上、上限リフレッシュレートより実効フレームレートが低い、かつフレームレートが激しく変動すると「VRRフリッカー」が発生します。
ぼくの検証機はRTX 4090を使っていて、VALORANTやRainbow Six Siegeで平均400 fps超、シーンによっては480 fps張り付きが可能です。だからVRRフリッカーにまったく遭遇しませんが、性能が足りない環境なら話は別です。
「デュアルモード(Dual-Mode)」のボヤけ感を検証
LG 32GS95UE-Bは「デュアルモード(Dual-Mode)」有効時に、フルHDで最大480 Hzのリフレッシュレートに対応します。
デュアルモード(Dual-Mode) ※クリックすると画像拡大 |
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- 全画面モード
- 27インチモード
- 24インチモード
FPSゲーマーに馴染みが深い24インチモードを含め、全部で3つの画面サイズを切り替えられます。
しかし、27インチと24インチモードはフルHD解像度(約207万画素)とモニター側のドット数が合わないです。映像と画面でドット数が合わないとどうなるか?
「鳴潮」の高画質なキャラクターモデリングで比較した写真です。なんとなく全画面モードがクッキリ見え、27インチと24インチモードはわずかにボヤけているように見えます(気のせいかも)。
「鳴潮」のテキストUIで比較した写真です。
文字の縦横比がわずかに変わっているように見えますが、フォントサイズが大きければ正直分かりづらいです。
文字のドット感を比較 ※クリックすると画像拡大 |
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ブラウザで文字を表示させると、ドット感の違いがとても分かりやすいです。特に小さいフォントほどボヤけ感が顕著に出ます。
小さいフォントを拡大すると、ボヤけ感の正体が明らかに。
つまるところ「ドットバイドット表示」ができているか否かです。
全画面モードは4ドット使ってフルHDの1ドットを表示し、27インチモードは1.4ドットあたり1ドット表示、24インチモードだと1.1ドットあたり1ドット表示に相当します。
ドットが合わずうまく表示できない部分は適当に補完して表示しますが、ドットバイドット表示と比較するとどうしても「にじみ」や「ボヤけ感」が目立つようです。
この問題は小さいテキストや小さいオブジェクトになるほど、顕著に目立ちます。文字を読んだり調べ物をするのに向いていないです。
eSportsタイトルなら問題ないかと思いきや、はるか遠くに見える小さな敵プレイヤーを狙うシーンだと、ボヤけ感が気になる可能性があります。
もっぱら近接シューターゲーム向けの機能です。たとえば「VALORANT」「オーバーウォッチ2」や、「Apex Legends」「フォートナイト」でも有用性の高い機能です。
LG 32GS95UE-Bの機能性はすごい?
LGテレビ部門のノウハウも駆使して、定価20万円に見合う強力かつ高性能な「機能性」を搭載します。
- エルゴノミクス
高さや角度を調整する機能 - インターフェイス
映像入力端子やUSBポートについて - 4極ヘッドホン端子
DTS Headphone:X対応の3.5 mm端子 - Pixel Sound スピーカー
パネル表面から音が鳴るテレビ級の音響システム - フリッカーフリー
眼精疲労や過敏症の人は気になる? - OLED焼き付き防止機能
全3タイプのBurn In保護機能を搭載 - ハードウェア校正
LG Calibration Studioで定期校正 - OSD
On Screen Display(設定画面) - ファームウェア更新
USBケーブルでファームウェア更新に対応
ゲーマー向け機能は少なかったけれど、一般ユーザー向けの機能性は豪華な内容です。順番にチェックします。
自由に位置を調整できる「エルゴノミクス」機能
LG 32GS95UE-Bのエルゴノミクス機能はフル装備です。高さ調整は、前後チルト、左右スイベル、ピボット。どれもヌルヌルとスムーズに動いてモニターアーム不要に感じます。
ベアリング内蔵のZowie XLもなかなかスムーズな操作感でしたが、32GS95UE-Bはさらに上の次元です。
VESAマウント ※クリックすると画像拡大 |
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別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。パネル本体の重量は約5.7 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。
Amazonベーシック(エルゴトロンOEM)のモニターアームを干渉なく取り付けられます。モニター側に付いていたネジ(4本)を使って固定できます。
「4極ヘッドホン端子」の音質をテスト
非常に優れたオーディオ特性を持つ「RME ADI-2 Pro」を用いて、LG 32GS95UE-Bのオーディオ性能をテストします。
ポータブルタイプの専用DAC機材どころか、他社のハイエンドモニターにも劣る特性です。
周波数特性がカオスな状況。どうやらサラウンド感マシマシの「DTS Headphone:X」機能の影響で、周波数特性はマトモに測定できないようです。
- ゲームモード
- エンターテインメント
- スポーツモード
- なし(DTS Headphone:Xなし)
4種類のサウンドプロファイルから、好みの音を選べます。
純粋にフラットな音質特性を好む方は「なし」をどうぞ。サラウンド感を加えるDTS Headphone:Xが無効化されるプロファイルです。
比較的鳴らしづらい「Sennheiser HD650」で聴いてみた。問題なく音が鳴るし、低音域もちゃんと出てます。
DTS Headphone:X機能によるわざとらしいサラウンド感も正直嫌いじゃないです。解像度はたしかに悪化するものの、周囲を音に囲まれるIMAX風味な音作りがクセになります。
最高の内蔵スピーカー「Pixel Sound」
箱から出して最初に驚いたのが、内蔵スピーカーシステム「Pixel Sound」の驚異的な音質です。
狭ベゼル設計でどこにスピーカーユニットを埋め込むのか疑問でしたが、LG 32GS95UE-Bはなんとパネルの表面から音が鳴っています。
パネル表面から音が出るシステムは一部のハイエンドテレビで使われています。ゲーミングモニターで同様のシステムを使った事例はおそらくLG 32GS95UE-Bが初です。
音響測定用マイクで、Pixel Soundシステムの周波数特性を測定しました。
- ゲームモード
- エンターテインメント
- スポーツモード
- なし(DTS Virtual:Xなし)
4種類のサウンドプロファイルが用意されてます。
「なし」以外はバーチャルサラウンド機能のDTS Virtual:Xが有効化され、解像度がやや下がるかわりに、まるで周囲をスピーカーに囲まれているかのような音質(錯覚)です。
ゲーミングモニターの内蔵スピーカーとしては、割とフラットな特性で聴きやすいです。20000 Hzまで周波数特性がわずかに上昇しつづけるせいで、クリアできらびやかな音に聞こえます。
低音(のようなモノ)もよく出ていて厚みがあり、普通のモニター内蔵スピーカーにありがちなスカスカした感じがほとんど無いです。
ゲーミングモニターの内蔵スピーカーとして、★5クラス(5点満点)の音質です。BenQ treVolo(2.1 ch)システムが首位を独走する分野だったものの、今回のLG Pixel Soundが最強を更新します。
安物のスピーカーやサウンドバーは不要です。
しかし、Pixel Soundシステムの音質に不満を感じてしまったら、ちゃんとした外付けスピーカーをおすすめします。約1.3万円で買える「Edifier MR4」を入門機にどうぞ。
対応するインターフェイスをチェック
全部で3つの映像出力端子があり、DisplayPort 1.4で最大480 Hz(1920×1080)、HDMI 2.1で最大480 Hz(1920×1080)に対応します。
USB Type-CやUSB PDポートは1個もありません。
目が疲れにくい「フリッカーフリー」動作
LG 32GS95UE-BはOLEDパネルですが、メーカー製品ページいわく「フリッカーフリー」動作に対応し、しかもTÜV Rheinland認証を取得しています。
フリッカーフリーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
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実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%までフリッカーが一切検出されません。
リフレッシュレートの更新時間ごとに明るさがわずかに下がりますが、変化が小さすぎて人間の目にフリッカーとして映らないから安心を。
過去のレビュー傾向的に、TÜV Rheinland認証をアピールしていれば基本的に完全なフリッカーフリーに対応していると考えて良さそうです。LG 32GS95UE-Bも完全なフリッカーフリーに対応します。
モニターの設定画面(OSD)
モニター本体の中央下にある「5方向ボタン(ジョイスティック型)」を使って、OSD設定を操作できます。
ジョイスティック型はサクサクとした操作感です。
左に倒すと戻る・キャンセル、右に倒すと進む・決定です。項目によってはボタンを押す必要があるのがちょっと惜しいですが、おおむね良い使用感です。
OSDメニューの動作もレスポンスが良く、ストレスなく設定が進みます。
OSDソフト「On Screen Control」
LG純正OSDソフトウェア「On Screen Control」に対応します。
Windows上からカラープリセットの切り替え、画面の明るさの変更、画面分割(PIP)の設定のほか。起動するアプリに応じて自動でカラープリセットを割り当てる機能もあります。
便利なソフトウェアですが、すべての項目にアクセスできない仕様なのが惜しいです。
OSDソフトから最大輝度モードやデュアルモード(480 Hzモード)を切り替えられたら、文句なしでした。決して安くないモニターだからこそ、ソフトウェアをきっちり作り込んで欲しいです。
ゲーミングモニター本体とパソコンを、付属品のUSB Type-B to Aケーブルで接続してから、OSDソフトウェアから「ファームウェア・アップデートの実行」を行うと更新できます。
ファームウェアのアップデートが完了するまで約11分かかりました。
校正ソフト「LG Calibration Studio」
LGが無料で公開している校正ソフト「LG Calibration Studio」に対応します。
別売りのキャリブレーター(比色計)や分校測色計を使って、LG 32GS95UE-Bをハードウェア校正する機能です。
たとえば、表示する色域をsRGBやDCI P3に制限して、色温度とガンマを規定どおりに一致させたいときに便利です。
「LG Calibration Studio」で作成した校正プロファイルは、プリセット「キャリブレーション設定」に保存されます。全部で2スロットの空きがあります。
校正先のターゲットとなる「色域」を選べます。自分で作成したICCプロファイルを選んで、オリジナルの色域へ校正も可能です。
輝度、色温度、ガンマもスライダーを動かして自由に選択可能。
定期的なキャリブレーションに便利なスケジュール機能に対応。
校正プロファイルのファイル形式も選べます(特に理由がなければICC Version 4 Matrix形式で大丈夫)。キャリブレーション時のカラーパッチ数も選べます。
基本モードは合計45パッチ、ISO 12646基準は合計144パッチです。測定の精度を上げたい場合はISO基準を使ってみてください。
一応、チュートリアル機能も用意されています。画面の指示通りに進めれば、素人でもある程度のキャリブレーションが可能です。
LG Calibration Studioで作成したプロファイルはゲーミングモニター側に格納されるため、出力ハードウェアを選ばない点が強いです。
たとえば、ぼくがブログで配布している校正用3D LUTプロファイルは、フリーソフト「dwm_lut」を使わないとロードできません。Windowsでしか動作しないソフトだから、校正の効果を発揮できるハードはWindowsに限られます。
一方、ゲーミングモニター側にLUTプロファイルをロードできるLG 32GS95UE-Bの場合、WindowsだろうとPS5だろうとXbox Series Xだろうとお構いなく校正の効果が出ます。
校正プロファイルはあくまでもモニター側に保存されていて、出力ハードウェア側でロードする必要性が無いです。
- ソフトウェア校正:出力ハードウェア先で校正を展開
- ハードウェア校正:ゲーミングモニター側で校正を展開
複数の異種なハードウェアをまたいでクリエイティブな作業をしているなら、ハードウェア校正に軍配が上がります。
ぼくはもっぱらゲーミングPC(Windows 11)だけで作業するので、dwm_lutを用いたソフトウェア校正で十分です。要するに、どちらが有利かはケースバイケースです。
OLEDパネルの「焼き付き防止」機能
保護機能 | 内容 | 無効化 |
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OLED画面の移動 (ピクセルシフト) |
| できます |
OLEDスクリーンセーバー |
| できます |
OLED画像のクリーニング |
| 不可 |
電源をオフにすると自動でクリーニング(約10分)が始まります。連続で4時間以上使うと、電源オフ時にクリーニングが始まるようです。
ピクセルシフト機能は無効化できます。気休め程度の効果だと思っているので、無効化でいいかと。そもそも無効化できる時点で、メーカー側の自信を感じます。
なお、LG Electronics Japan(日本法人)が無償で提供するメーカー2年保証に「焼き付き保証」も含まれます。
焼き付きを保証すると明記していないものの、焼き付いたら保証NGとも書いておらず、カスタマーサポートに問い合わせると焼き付きも保証対象と返ってきます。
できれば保証書にちゃんと記載して欲しいです。
LG 32GS95UE-BのHDR性能をテスト
LG 32GS95UE-BはDisplay HDR True Black 400認証を取得したゲーミングモニターです。
Youtubeで公開されている「Morocco 8K HDR」や、HDR対応ゲームを使って検証します。
(HDR映像を収めた写真はSDRです。掲載した写真は参考程度に見てください。)
見てのとおり、明るさが不足していてHDRコンテンツをうまく再現できないです。1000 cd/m²超まできっちり使うHDRゲーミングだと、明るいエリアで白飛びが頻発します。
・・・苦肉の策ですが、いくつか対処方法を紹介しておきます。
- HDR対応ゲームは「ピーク輝度」を400~500 nitsに抑える
コンテンツ側のピーク輝度を、LG 32GS95UE-Bでも耐えられる明るさに抑えてしまえば、不自然な階調描写と白飛びをほぼ防げます。
ゲーム側のピーク輝度を適切に設定して白飛びは解消したけれど、やはり明るさが物足りず期待したような「HDR感」が得られなかった?
- OSD設定から「ゲーマー1」モードを使ってみてください
物理的に出せるピーク輝度はほぼ同じですが、基準値より明るさが高めに設定され、体感的に明るいHDRに見えやすいです。
(輝度を向上したMLA OLEDでもまだまだ足りない)
8K Moroccoのワンシーンで比較。
明るさを向上したとされる「MLA OLED」パネルでも、1年半前に発売されたMini LED液晶パネルを相手にまったく明るさで勝負にならない状況です。
黒階調側にやや「黒潰し」の処理も入っていて、実際のコンテンツより黒が強調されて表示されます。8K Moroccoの暗部はもう少し明るいはずです。
(光漏れを見やすいように露出を調整した写真)
黒い背景に明るい斑点がまばらに広がるテストパターンだと、MLA OLEDの優位性が発揮されます。
Mini LED液晶パネルは斑点模様の周辺がうっすらと明るく見えるブルーミング現象(光漏れ)が発生しますが、1ドット1ドットが自発光するMLA OLEDパネルなら、完璧な黒色を維持できます。
暗いシーンが多いホラー映画やSF映画は「LG 32GS95UE-B」、とんでもなく明るいHDR 1000コンテンツやゲームは「INNOCN 32M2V」などMini LED液晶が有利です。
HDR 1000モニターと比較※画像はクリックで拡大 | |
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LG 32GS95UE-B Display HDR True Black 400 | INNOCN 32M2VDisplay HDR 1000 (CTS 1.0) |
参考程度に、Display HDR 1000認証に対応するゲーミングモニターと比較した写真を置いておきます。
モニター測定機材でHDR性能を評価
モニターの色や明るさを測定できる機材を使って、「LG 32GS95UE-B」のHDR性能をテストします。
測定結果(レポート)はこちら↓からどうぞ。専門用語が多いので・・・、興味がなければ読まなくていいです。
VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
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比較 | テスト対象 LG 32GS95UE-B | VESA Display HDR True Black 400 |
画面の明るさ |
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黒色輝度 |
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コントラスト比 |
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色域 |
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色深度 |
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ローカル調光 |
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LG 32GS95UE-BのHDR性能をテストした結果、すべての項目で合格です。正真正銘「Display HDR True Black 400」モニターです。
もし全白持続が300 cd/m²に届いていれば、Display HDR True Black 500相当の性能でした(惜しい)。
HDRモードで画面全体に白色を表示したときの明るさを、他のモニターと比較したグラフです。
過去レビューしてきたOLEDゲーミングモニターの中でもっとも明るいです。もちろん、最新のMini LED液晶パネルには到底勝てませんが・・・。
HDR時のコントラスト比(理論値)は、Infinity:1(∞)です。
HDRコントラスト比i1 Pro 2で測定した結果 | |
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全画面 | Infinity : 1 |
10%枠 | Infinity : 1 |
3×3分割 | Infinity : 1 |
5×5分割 | Infinity : 1 |
7×7分割 | Infinity : 1 |
9×9分割 | Infinity : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、パターンに関係なく一貫してInfinity : 1です。
HDR規格どおりの明るさを表示できるかチェックする「PQ EOTF」グラフです。「ゲーマー2モード(APL:25%)」で測定しました。
- DELL AW2725DF(約12万円):0.119
- EX-GDQ271JA(約4万円):0.139
- HP OMEN 27q QHD(約3万円):0.196
- MSI G274QPF-QD(約4.5万円):0.359
- LG 32GS95UE-B(約20.2万円):0.361
- MOBIUZ EX2710Q(約5.7万円):0.392
- MOBIUZ EX321UX(約23.6万円):0.603
- MOBIUZ EX240N(約3.0万円):0.856
明るさ1000 cd/m²までの追従指数は約0.361です。
使っている機材が0.030 cd/m²以下をうまく測定できない※ため、追従指数が悪く出ます。計算式の欠陥なので数字に詳しい人に改修依頼を出しているところです。
※コンシューマ向けの比色計は0.020~0.030 cd/m²が下限値です。0.00X台まで性能を上げるには、約100万円近いラボグレードの比色計が必要になり、とてもじゃないけど財布が持たないです。
面積比による明るさの変動は大きめ。
小さいハイライトで1000 cd/m²超の明るさを出せる一方、画面全体がまんべんなく明るいシーンで400 cd/m²すら維持できません。
しかし、LG C2 OLEDは200 cd/m²程度、DELL AW2725DFは300 cd/m²程度です。380 cd/m²くらい出せているLG 32GS95UE-BはOLEDモニターとしてトップクラスの明るさです。
HDRピーク輝度はとても安定しています。
HDR時の色精度(Rec.2020)は最大ΔE = 11.0、平均Δ = 6.0でやや不正確です。HDR時の色温度はほぼ正確です。
試験的に導入を始めたICtCp規格による「カラーボリューム(Gamut Volume)」の評価です。
白い枠線がターゲット色域で、内側のカラフルな枠線が実際に表示できた色の広さです。白い枠線が埋まっているほどHDR表示に理想的と考えられます。
OLEDパネルは輝度による色域減衰が非常に少ない性質があり、カラーボリュームのカバー率で有利になる傾向です。
LG 32GS95UE-Bの開封と組み立て
段ボール風の簡素なパッケージで到着。サイズは96 x 54 x 18 cm(180サイズ)です。
「OPEN HERE」と書いている面を天井に向けてから開封します。分厚い発泡スチロール製の梱包材で万全の梱包状態です。
付属品 |
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映像出力用のHDMIケーブルとDisplayPortケーブルが付属します。残りは電源ケーブルや説明書など、必要最低限の付属品です。
出力210.6 W(19.5 V x 10.8 A)のレンガ型ACアダプターが付属します。ケーブルと合わせて792 gの重さです。
LG Electronics Japan株式会社名義でPSE認証マークを取得済み。
出荷時キャリブレーションの証明レポートが付属します。基準値の幅が広いのでクリエイターモニター並の精度は期待できません。
組み立て工程 ※クリックすると画像拡大 | |
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最近のPCモニターで定番のドッキング方式です。
ネジは手で回せるデザインになっていて、プラスドライバー不要なツールレス設計です。
外観デザインを写真でチェック
金属製でメーカーロゴのない狭ベゼル設計がスタイリッシュです。モニター本体や付属スタンドの外装はプラスチック製です。
コンセントに仕込んだ電力ロガーを使って消費電力を1秒ずつ記録したグラフです。数~数十時間のゲーミングモニター検証中に記録しています。
- 中央値:51.5 W
- ピーク値:117.1 W
- 上位25%:63.4 W
- 下位25%:37.4 W
おおむね52 W前後です。SDRゲーミング時で45 W前後、HDRゲーミング時に60 W前後をイメージすると近いです。画面が真っ黒でも約36 Wも使います。
モニターの電源を落とした後に自動実行される「OLED画像のクリーニング(約10分)」は28 W前後でした。
4時間以上の連続使用で、パネル表面温度は40~45℃前後です。手を近づけるとほんのりと熱気を感じるレベル。
モニター本体の上面に細いスリット(排気口)があり、そこから熱気が放出されています。
まとめ:過去最高のOLEDゲーミングモニター
「LG 32GS95UE-B」の微妙なとこ
- 24~27インチモードは文字がぼやける
- HDRモード時の明るさがまだ不足
- 初期設定の色温度がズレてる
(かんたんに修正できます) - USB Type-CやUSB PDがない
- リモコンが付属しない
- 約20万円・・・安くはない
「LG 32GS95UE-B」の良いところ
- 32インチで4K(ちょうどいい)
- 最大240 Hzに対応
- 24~32インチでフルHD
- 最大480 Hzに対応
- PS5で120 Hz(VRR)対応
- 過去最速の応答速度(0.11ミリ秒)
- 色域がかなり広い(DCI P3:98%)
- パネルの均一性が高い
- かつてなく明るいOLEDパネル
- テキストフリンジ(文字ボヤけ)が解消
- 無限のコントラスト比(Inf:1)
- 入力遅延がほとんどない
- 実用的なゲーマー向け機能
- Display HDR True Black 400認証
- そこそこ高精度なsRGBモード
- 「Pixel Sound」スピーカーシステム
- 4極ヘッドホン端子(DTS:X対応)
- OSDソフト「On Screen Control」
- ハードウェア校正に対応
- フル装備のエルゴノミクス
- メーカー2年保証
- 意外とコストパフォーマンスが高い
LG 32GS95UE-Bは、今までレビューしてきたOLEDゲーミングモニターで最高のクオリティです。
ぼくが常々OLEDパネルに対して感じていた不満の多くを解消します。改良されたRGWBレイアウトと32インチ4K(高い画素ピッチ)により、文字がボヤけるテキストフリンジから開放されます。
反射加工も優秀です。明るい部屋で使ってもパネルの表面が赤紫色に変色せず、QD-OLEDパネルより設置環境に寛容です。
画面の明るさも向上します。HDRモード時は依然としてMini LEDに大きく遅れをとるものの、SDRモードに十分な明るさと安定した持続輝度です。
たとえば、ブラウザを開いたときに明るさが急激に下がるなど。煩わしいABL挙動ともうおさらば。まるで普通の液晶パネルに近い感覚でOLEDを楽しめます。
機能性の満足度も高いです。画面から音が出てくる「Pixel Sound」システムは驚きの音質で、ミニマルなデスクスタイルにハマっている人なら便利でしょう。
デスクにスピーカーを置く必要がなく、LG 32GS95UE-B単体で完結します。
他の競合する4K 240 Hzモニターが対応していない、神速のリフレッシュレート「480 Hz」もLG 32GS95UE-Bなら対応可能です。
残像が存在しない新世界を体験できます。
「LG 32GS95UE-B」の用途別【評価】
使い方 | 評価※ |
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FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大480 Hz対応で応答速度は過去最速(0.11ミリ秒)。極めて高いeSports適性です。 | |
ソロプレイゲーム(RPGなど) 無限のコントラスト比と広い色域による色あざやかな色彩、加えて最大4K 240 Hzのヌルヌル映像で没入感が高い体験ができます。 | |
一般的なオフィスワーク 32インチ4Kで作業性に優れ、OLEDパネルなのに文字がクッキリと見えるし、煩わしいABL挙動も解消済み。完全なフリッカーフリーも対応し、そこそこ精度の高い「sRGB」モードも対応。 | |
プロの写真編集・動画編集 「DCI P3」と「Adobe RGB」色域をカバーしていますが、出荷時校正がありません。肝心のハードウェア校正も、別売りのキャリブレーターが必要で追加コストがかかります。コストを払える人にとっては適切な選択肢になりえますが、無理ならプロ用途に不適切です。 | |
HDRコンテンツの再現性 Display HDR True Black 400認証に合格できるHDR性能です。OLEDモニターとして非常に明るい部類に入りますが、Mini LEDと比較して依然として貧弱。根本的に輝度(明るさ)が不足していてHDRコンテンツの再現性に乏しいです。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
5項目のうち、3項目で「Sランク(★5)」評価です。(HDRを含まない)SDR用ゲーミングモニターとして最高の評価です。
キャリブレーター(i1 Display Pro Plusなど)を持っていれば、動画編集や写真編集用のクリエイターモニターとしても運用できます。
参考価格 ※2024/7時点 | |
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Amazon Tsukumo(ツクモ) 楽天市場 Yahooショッピング |
2024年7月時点、LG 32GS95UE-Bの実売価格は約20.2万円です。発売後のセール価格はまだ見つかってません。
絶対値で見て「安い」とは言えないものの、4K 240 HzとフルHD 480 Hzが1台に合体した2 in 1ゲーミングモニターと考えると、少なくとも妥当な価格です。
最新世代のMLA(マイクロレンズアレイ方式)OLEDパネルよりも前にリリースされ、すでに製品化もされているQD-OLEDパネルで見られた多くの問題点が解消されています。
AW3423DW※1、AW2725DF※1、27GR95QE-B※2など。数多くのOLEDゲーミングモニターを検証してきて、LG 32GS95UE-Bがもっとも「万人向け」です。
※1:トライアングルRGB配列が原因のテキストフリンジ、および赤紫色の表面加工。※2:MLA方式にもかかわらず画面がかなり暗い、省電力機能による色ムラ(四隅グロー)、RWBG配列によるテキストフリンジ・・・。
以上「LG 32GS95UE-B レビュー:4K 240 HzとフルHD 480 Hzが1台に融合【超万能型OLEDゲーミングモニター】」でした。
メーカー保証について
(tsukumo販売ページより引用)
標準メーカー保証は「2年間」です。
- 無償保証:2年間
- LG直販に製品登録:3年間
(※LG直販で購入した場合のみ) - ツクモで延長保証:5年間
ツクモ通販で商品価格+5%の追加料金を払えば、ツクモ独自の保証を3年追加できます。最大で5年まで保証を伸ばせます。
LG 32GS95UE-Bの代替案(他の選択肢)
(日本国内に)代替案はほとんどありません。
MSIやASUSも同じパネルを使った4K OLEDゲーミングモニターを投入する可能性がありますが、代理店税が高く値段に期待できないです。
LG 32GS95UE-Bの将来的なライバル
- ASUS ROG Swift OLED PG32UCDP
→ https://rog.asus.com/monitors/27-to-31-5-inches/rog-swift-oled-pg32ucdp/
LG 32GS95UE-Bと同じ「LG製 RGWB MLA OLED」パネル採用の4K 240 Hz + フルHD 480 Hzゲーミングモニターです。
ASUS US法人は3年間の焼き付き保証を提供し、価格設定もきちんと攻めてくるため海外ユーザーの間で本命視されています。
なお、日本国内ではまず価格に期待が持てないです。US法人と同じく、日本法人も2~3年間の焼き付き保証を提供してくれれば良いのですが・・・。
製品のスペック自体はなかなか魅力的です。LG 32GS95UE-Bに対して優位性のある要素は
- USB Type-C
(最大5 Gbps / 最大90 W / DP Alt Mode対応) - VRRフリッカーの抑制機能
(VRR範囲を3段階で設定可能) - 作り込まれたOSDソフトウェア
- 正確なsRGBモード(公称値:ΔE < 2.0)
などが挙げられます。逆に負けている要素は
- Pixel Soundシステムのような内蔵音響システム
- ピボットがない
- 日本国内でのOLED焼き付き保証
でしょうか。
ゲーム中にイヤホンやヘッドホンを使うから、内蔵スピーカーの必要性を感じられない。ならASUS版の方が適しています。
- 24.5インチモードのレンダリング品質は?
発売前のウワサでは、24.5インチモード時のボヤけが少ないとの話があったのですが、実際に買った人の感想が出回り始めると誤った情報だと判明しています。
32インチ4KのフルHDで実質ドットバイドットにするには、16インチ前後まで縮小する必要があり、24インチや24.5インチだと拡大に伴うレンダリングエラーをやはり防げないようです。
4Kでおすすめなゲーミングモニター
最新のおすすめ4Kゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。
4KでおすすめなゲーミングPC【解説】
予算に余裕があれば「RTX 4090」や「RTX 4080」を搭載したゲーミングPCがおすすめです。
CPUは「Ryzen 7 7800X3D」を推奨。フルHDで平均400 fps超の世界ではCPUの性能も要求されます。
コスパ重視なら「RTX 4070 Ti SUPER」がおすすめ。グラフィック設定の妥協と、DLSS 3(フレーム生成)と合わせて4K 200 fps超を目指せます。
フルHDで400 fps超も(理論上)可能ですが、DLSS 3は入力遅延を増大させるから実プレイ上のメリットは得られないです。
おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】
レビューありがとうございます
たいへん参考になりました
某大手レビューブロガー!(⸝⸝o̴̶̷᷄ ·̭
従来のQD-OLED型モニターにあった多くの問題点を解消しています。
って最後の方で述べてるけどこれはQD-OLEDじゃなくてただのOLEDだよね?
コメントありがとうございます。
たしかに「従来のQD~」という書き方は間違ってますね。
QDやMLAなど種類に関係なく、単にリリースされた順について言いたかったので書き直します。
BenQと比較して、スピーカーの音質が気になっていたので、非常に参考になりました。購入決定です。
自動輝度制限については?
頻繁に輝度が暗くなったり明るくなったりするんだが
Smart Energy Savingをオフにすると解決するかもしれません。
SDRモード時の輝度変化でしょうか?
測定レポートの欄に掲載したとおり、OSD設定にある「最大輝度モード」によってABLの程度が変わります。
【モードごとのAPL別輝度】
・標準モード:284~292 cd/m²
・低モード:289~369 cd/m²
・高モード: 293~477 cd/m²
※レビュー時点で最新のファームウェア「3.04, 2.02」で検証
※i1 Pro 2 → Matrix補正済みのi1 Display Pro Plusで画面中央の輝度を測定
最大輝度モードを有効化すると、APL 1~50%にかけてABL調光が発動します。51%以降はおおむね安定します。
標準モードならほぼ一貫した明るさを維持するので、オフィスワーク的な使い方は標準モードがおすすめです。
消費電力の項目が地味に面白い
DELLみたいに電源内蔵なら買ってた
そういえばASUS版もACアダプターですね。
放熱の関係で電源内蔵が難しいのかな。冷却用ヒートシンクの設計コストを節約するため、電源内蔵をあえてやってない説はありそう。
原神やAPEXのスライダーショットについて質問です。
ゲーム側は480fpsに非対応かと思われますが、それでも残像軽減に効果があるのでしょうか?
これ気になるな。フレームレートいくつ出てるんだろ
60fpsで出力した映像を60hz、120hzで比べたら違いわからんかったけど・・
PG32UCDPが気になっていて知りたかったことが大体知れて非常に参考になるレビューでした。
この価格帯のモニターは試しに買ってみるもの勇気がいるのでとても助かりました。
後は発売されるのを待つだけですが果たして日本での販売はあるのかどうか…(PG32UCDMもまだ日本未発売…)
PG32UCDM近々発売されそうですね。
公式サイトによるとおそらく3年保証っぽい
kakaku.comにもレビューあって草
ちもろぐさん サポートに聞いたら
1 保証はこの商品は量販店で買っても
登録すれば3年なる
2 説明書の記載は焼き付き保証のポリシー変更前に作ったものなので
焼き付き保証自体はある
3 3年過ぎて焼き付き交換したい場合は概算で18万かかる
こんな感じですw
LG公式で会員登録クーポン使って18.9万円だったASUSは日本で販売されたとしても安売りしなそうだし買っちゃった
新しいモデルが出ましたね。
32GS95UV-Bという新製品が発売されるようですが、スピーカーが10W+10Wから7W+7Wに変更されているようですね。
しかも、ピクセルサウンドが廃止されてるっぽいです。
画面から音を出す仕組みが、SONYの特許かなんかに抵触したんでしょうか?
ピクセルサウンドが凄く良いと評判なので、購入しようと思った矢先の新製品販売なので、少し困惑してます。
LG公式でも、32GS95UEは在庫なしと表示されているので、生産終了確定なんですね。
PS5で使ってると、外付けスピーカーは音ずれの心配があるので、内臓スピーカーで音が良い有機ELが消えるのは残念です。
新製品はスピーカーだけ変更か
既発品 32GS95UE-B
新製品 32GS95UV-B
ピクセルサウンドがSONYの特許を侵害しているということは、まず有り得ません。
SONYのアコースティックサーフェス オーディオは、元々、韓国LG Display社が自社の技術であるCrystal Sound OLEDをソニーに提案したところから始まったものです。