粗利益率5%ポリシーの外資系メーカー「Xiaomi」から、戦略的な価格設定の43インチテレビが発売されました。
「Xiaomi TV A Pro 43 2025」です。チューナーレスだから国営放送の電波を受信できず、YoutubeやPrime VideoなどVODサービスをTV本体だけで見られます。
もちろん、パソコンと接続すればPCディスプレイとして利用できます。格安な大型4Kゲーミングモニターに超コスパが良さそうなのでAmazonで1台買って詳しくレビューします。
(公開:2024/9/3 | 更新:2024/9/12)
「Xiaomi TV A Pro 43 2025」はどんなゲーミングモニター?
- 4K(3840×2160)で「43インチ」
- 「量子ドット」液晶パネル採用
- 機能性多め(リモコンやAndroid TV)
- HDMI(eARC対応)ポートあり
- 異常な価格の安さ
とにかくコストパフォーマンスが凄い。43インチの4Kテレビが定価4万円は国内最安値クラス、しかも色を超あざやかにする「量子ドット」フィルターを備えます。
映像が映るだけかと思いきや、Android TVを内蔵。付属のリモコンをポチポチしながら、テレビ単体でVODサービス(Prime Videoなど)を楽しめます。
Xiaomi TV A Pro 43 2025 | |
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パネルタイプ | 4K(3840×2160)で最大60 Hz 量子ドットパネル(43インチ) |
応答速度 | 非公開 |
主な機能 ゲーマー向け |
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調整機能 エルゴノミクス | 高さ調整:- 前後チルト:- 左右スイベル:- ピボット:- |
VRR機能 | なし |
参考価格 ※2024/8時点 | |
Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |
Xiaomi TV A Pro 43 2025 | |
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画面サイズ | 43インチ |
解像度 | 3840 x 2160 |
パネル | 量子ドット (DCI-P3カバー率:94%) |
コントラスト比 | 非公開 |
リフレッシュレート | 60 Hz (3840 x 2160) HDMI 2.1 : ~60 Hz |
応答速度 | 非公開 |
光沢 | ハーフグレア |
VESAマウント | 200 x 100 mm |
エルゴノミクス |
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主な機能 |
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同期技術 | なし(非対応) ※G-SYNC互換モードも非対応 |
スピーカー | 8 W x2(ステレオ) イヤホン(3.5 mm)端子なし 光音声出力(S/PDIF)端子あり |
主な付属品 |
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寸法 | 957.4 x 209.1 x 597.8 mm |
重量(実測) | 3.84 kg(パネルのみ) 3.91 kg(スタンド含む) |
保証 | 1年保証 (メーカー標準保証) |
メーカー公式サイトからスペックをざっくりまとめました。
悲しいですがパネルの種類、応答速度、コントラスト比は非公開です。販売ページにもう少し詳しい記載があるらしいですが、あまりアテにせず実機で確認します。
メーカー公式情報から読み取れるスペックは、「量子ドット」「DCI P3カバー率:94%」くらいです。
つまり「高色域」に対応しているから、分かりやすく色があざやかに見えそう。でも最近の量子ドット液晶パネルはDCI P3:99%がザラです。
94%と99%は主観的に感じる色鮮やかさにけっこう差が出るため、Xiaomi A Pro TV 43 2025に過度な期待は禁物でしょう。
メーカー標準保証は1年ですが、Amazonで購入時に約1300円の追加料金で5年保証に延長できます。
これがウワサの「量子ドット」画質・・・ん?
検証用のゲーミングPC(グラボ:RTX 4090)とXiaomi A Pro TV 43 2025を、HDMI端子で接続しました。
パキッとコントラスト感のある見栄えがいい画質ですが、全体的に寒色気味。青色に偏っていて、暗い部分ほど過剰に黒く表示されるようです。
寒色気味の過剰コントラスト感は好きな人は好きだと思います。が、PCモニターで長時間使うには目が疲れやすい気がするので、リモコンで設定を調整してみます。
- ピクチャーモード:モニター
- 色空間:ネイティブ
- バックライト:100
- コントラスト:50
- 色温度:カスタム(赤:1000 / 緑:920 / 青:815)
- ガンマ:BT.1886
- ガンマシフト:-1
- HDMIモード:増強
以上の設定に変更します。
だいぶいい感じ。
過剰コントラスト感はまだ残っていますが、初期設定よりマシになって見やすい印象に。強すぎた青色もかなり抑えられ、バランスの良い色温度(6500K)に仕上がります。
でも6500Kに慣れていないと黄ばんで見えるかも。黄ばんで見えたら色温度を「暖色」に変更するか、カスタムのまま「青色」を少し増やしてください。
(光の成分を分析する分光測色計)
さて、Xiaomiが強くアピールする「量子ドット」を確認します。
分光測色計「X-rite i1 Pro 2」を画面にあてて、白色の中身を分解したグラフが以下のとおり。
(Xiaomi A Pro 43 2025のRGB波長)
・・・あれ? 赤色の波長だけ凹んでいます。
(量子ドットのRGB波長)
こちらが本物の量子ドット(Xiaomi G Pro 27iを測定)です。赤色も含め、すべての三原色がピンッと鋭く立ち上がっています。
つまり、Xiaomi A Pro TV 43 2025は完全な量子ドットではなく、割と普通の高色域パネルです。Xiaomiいわく「量子ドットとKSF蛍光体を組み合わせたパネル」とのこと。
- 誤:100%量子ドット
- 正:微量ながら量子ドット
一部だけ量子ドットです。たしかに「ウソ」は言ってませんが、消費者が期待しているであろう純度100%の量子ドットではありません。
画像引用:QDs And Phosphors can live in harmony より
SNS経由で興味深い情報をいただきました。
どうやらテレビ向けパネル製造元の大手メーカー「TCL CSOT」より、量子ドットとKSF蛍光体を合体させた「QD + KSF」高色域パネルが出荷されているようです。
スペクトラム(RGB波長パターン)もXiaomi A Pro 43 2025と酷似しています。
液晶パネルはTCL子会社の華星光電(CSOT)製で、型式はL43MA-STWN-CSOTとなっています。このテレビ専用型式となっていますが、パネルサプライヤーは複数存在する可能性がありますね。
本機もパネルの製造元がTCL CSOTである可能性が高く、もし上記の「QD + KSF」パネルを使っているなら、量子ドット表記が一応可能です。
しかし、KSF蛍光体を混ぜている以上、緑色と赤色のピークは悪化します。表示できる色の広さも、完全な量子ドットパネルより狭くなっています。
得られるパフォーマンスは一般的な高色域パネル(Nano IPSやFast IPS)と大差ないです。
ちなみに引用元の記事いわく、QD + KSF混合パネルのメリットは2つ考えられるそうです。
- カドミウムの使用量が減るから「RoHS指令」に準拠しやすい
- 量子ドット素材の使用量が減るから製造コストを減らせる
メーカー側にとって、QD + KSF混合パネルはたしかに一定のメリットがありそうに思えます。
「『Xiaomi TV A Pro 43 2025』はリーズナブルな価格で、高いレベルの色域、および色精度を実現するために、量子ドット技術とKSF蛍光体を組み合わせて使用しております。(引用元:https://biz-journal.jp/it/post_383447.html)」
ブログのコメント欄でも教えてもらったとおり、QD + KSF混合パネルを使用したテレビでした。
それでも普通の液晶より断然「高画質」
100%量子ドットじゃなくて残念ですが、それでも約2.9万円の価格を考えれば驚異的なコストパフォーマンスです。
ひと目見てすぐに鮮やかな色彩表現に気づきます。通りがかった同居人から「おっ、また10万円くらいのゲーミングモニター買ったの?」と言われるほどです。
コントラスト感は妙に優秀。キャリブレーターで測定するとコントラスト比が約4500:1でした。
Xiaomi A Pro TV 43 2025はパネル非公開ですが、コントラスト比4000超ならほぼ例外なく「VAパネル」です。
(sRGB:ΔE = 2.6 / 色温度:6522K / 輝度:260 cd/m²)
映画やアニメ、FPSゲーム(Overwatch 2)やRPGゲーム(原神)をXiaomi A Pro 43 2025で表示した例です。
本物の量子ドットにはもちろん敵いませんが、A Pro 43もそこそこビビットな発色です。
安物のノートパソコンや10年前のテレビなど、しょぼい液晶パネルから乗り換えれば画質の違いはかんたんに分かります。
普通のIPSパネルを搭載する「Xiaomi A24i(約1.1万円)」と比較した写真です。
写真越しでも違いが分かります。詳しくコメントし過ぎると、見え方に影響するので何もいいません。写真を見て比較してください。
大人気RPGタイトル「原神」のワンシーンで比較写真。
わざわざ言わなくても画質の違いが分かります。一応、分かりやすい部分をコメントすると、背景にある赤い神社や灯籠、右下に生い茂る野花がビビットです。
写真越しでこれだけ違いが分かるため、実物を肉眼で見れば余裕で気づきます。
もっと比較写真を見たい方は↑こちらからどうぞ。
パネルの表面加工は、ノングレア(アンチグレア)とグレア(反射)の中間っぽい感じです。いわゆる「ハーフグレア加工」に分類されそう。
拡散能力が弱くて周囲のモノや背景がけっこう映り込みます。
部屋を暗くすると、映り込みがだいぶマシに。背景が明るい部屋で使うのに向いてません。
視野角をチェック。
VAパネルだからやや視野角が狭めです。角度がつくと画面がやや黄ばんで見える傾向あり(参考:液晶パネルの違いを解説するよ)。
奥行き80 cmのデスクで使ってみたところ、画面との距離が50~60 cmだと左右端っこがやや変色して見えます。
80 cmくらい距離をとると気にならない程度です。オフィスワークで使えるかどうかは個人差が出そうです。
画面の中央にアクティブなワークを集中配置し、左右は画質を気にしなくていいワークを配置するなど、ちょっと工夫する必要があります。
文字のドット感(見やすさ)は普通です。
- ドットがBGR配列:テキスト表示にやや不利
- 画素密度が102 ppi前後:標準的な密度
Xiaomi A Pro 43 2025はテレビだから、画素ピクセルが「BGR(青・緑・赤)」です。細い縦線の横にちょっと「にじみ」が見えたり、普通のPCモニターよりテキストの表示がやや不利に。
テキスト表示を比較 ※クリックすると画像拡大 |
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モニターの設定から「ピクチャーモード:モニター」を使うと、だいぶマシになります。
グラデーション表示を比較 ※クリックすると画像拡大 |
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「ピクチャーモード:モニター」はグラデーション処理の滑らかさも自然です。
「ピクチャーモード」を使って比較してみる
- 標準(初期設定)
- ビビッド
- 映画
- スポーツ
- ゲーム
- モニター(初期設定:sRGB)
- モニター(ネイティブ)
- モニター(DCI-P3)
- モニター(BT.2020)
- モニター(Adobe RGB)
モニターの設定から「ピクチャーモード」を選べます。
モードごとにコントラスト感やガンマカーブが変わります。好みにあったモードを使って・・・、と言いたいですが「入力遅延」にめちゃくちゃ差があります。
(平均16ミリ秒未満で合格)
ゲームモードが平均9.9ミリ秒です。PCモニターとほとんど同じ使用感で使えます。
モニターモードだと平均43.2ミリ秒に伸びて、ゲーム用途で遅延を感じます。オフィスワークなら問題ないです。
「ゲーム」と「モニター」以外のモードは見てのとおり、平均120ミリ秒くらいに伸びてしまい、マウスの操作すらままならない過酷な状況。
こちらから能動的にアクションを行うPlayStation 5やゲーミングPCで運用するなら、実質的に「ゲーム」「モニター」の二択です。
他のモードはもっぱら配信コンテンツを楽しむためのモードです。
モード | 色域 (sRGB) | 色域 (DCI-P3) | 明るさ | グレーの正確さ | 色の正確さ | ガンマ | 色温度 | コントラスト比 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
標準 | 99.9% | 94.6% | 205.4 cd/m² | ΔE = 3.35 | ΔE = 4.08 | 2.04 | 9031K | 12159:1 |
ビビッド | 99.9% | 92.5% | 302.2 cd/m² | ΔE = 15.26 | ΔE = 14.42 | 0.66 | 12275K | 18004:1 |
映画 | 99.6% | 93.7% | 315.5 cd/m² | ΔE = 3.52 | ΔE = 4.41 | 1.93 | 7115K | 18782:1 |
スポーツ | 99.5% | 93.2% | 340.2 cd/m² | ΔE = 3.54 | ΔE = 3.97 | 1.98 | 9593K | 20251:1 |
ゲーム | 99.9% | 94.4% | 340.7 cd/m² | ΔE = 2.88 | ΔE = 2.63 | 2.27 | 9550K | 20298:1 |
モニター(sRGB) | 95.6% | 76.3% | 340.3 cd/m² | ΔE = 2.88 | ΔE = 2.60 | 2.27 | 9574K | 20313:1 |
モニター(ネイティブ) | 99.9% | 94.4% | 340.4 cd/m² | ΔE = 2.86 | ΔE = 2.61 | 2.26 | 9563K | 20260:1 |
モニター(DCI-P3) | 99.2% | 92.3% | 340.3 cd/m² | ΔE = 3.10 | ΔE = 2.60 | 2.27 | 9574K | 20313:1 |
モニター(BT.2020) | 99.8% | 94.0% | 340.5 cd/m² | ΔE = 3.09 | ΔE = 3.90 | 2.27 | 9573K | 20304:1 |
モニター(Adobe RGB) | 92.9% | 78.7% | 340.5 cd/m² | ΔE = 3.06 | ΔE = 2.88 | 2.27 | 9580K | 20426:1 |
モニターの設定から「色空間」を選べます。
「ネイティブ」がパネルそのままの色域をすべて開放した状態です。「BT.2020」は単に彩度を過剰に盛るだけで、肝心の色域は増えません。
「DCI-P3」は一応DCI-P3色域に近づきますが、肝心の精度がイマイチ。「Adobe RGB」と「sRGB」もそれぞれ規格どおりの色域に近づくものの、やはり精度が優れません。
Xiaomi A Pro 43 2025をクリエイティブ用途に使うのはやめましょう。
なお、初期設定で「グローバル調光」モードが有効化されています。コントラスト比が12000~20500まで跳ね上がりますが、ほとんどのシーンで効果がないです。
暗いグレーを過剰に黒く見せる副作用まで付いてくるから、「グローバル調光:オフ」がおすすめ。オフにしても4000~4500:1ものコントラスト比です。
もっと厳密にキャリブレーション(校正)したいガチな方は、筆者が作成した3D LUTプロファイル(.cube)を試してみてください。
フリーソフト「dwm_lut」を使って3D LUT(.cube)を適用したら、ゲーミングモニターのOSD設定を以下の内容に変更します。
- ピクチャーモード:モニター
- 色空間:ネイティブ
- バックライト:100
- コントラスト:50
- 色温度:カスタム(赤:1000 / 緑:920 / 青:815)
- ガンマ:BT.1886
- ガンマシフト:-1
- HDMIモード:増強
3D LUTの効果を確かめます。
今回はシンプルに約800ポイント測定でプロファイルを作ってみました。ほぼガンマ2.2に校正されています。
常用グレースケールで色温度もほぼ6500K前後に一致します。
色の鮮やかさを損なわないように、できるだけ色域を変えないように作ってます。鮮やかさをそのままに、ガンマと色温度を規格どおりに調整する3D LUTプロファイルです。
わずか2.9万円で購入した激安4Kモニターが、3D LUTとの組み合わせによりクリエイターモニター並の精度に補正されます(※ガンマと色温度と彩度マッピングのみ補正)。
仮に10万円払っても、初期設定でこれほど高精度なモニターはめったにないです。
「Xiaomi TV A Pro 43 2025」の測定レポートはこちら↓をクリックして確認できます。
なるべくシンプルな言い回しに置き換える努力をしていますが、やはり専門用語が多く難解に思われるかもしれないです。あまり興味がなければ飛ばしてもらって構いません。
モニターの色を測定できる専用の機材「X-rite i1 Pro2(分光測色計)」と「ColorChecker Display Plus(比色計)」を使って、「Xiaomi TV A Pro 43 2025」の画質をチェックします。
初期設定の時点で、グレースケール(灰色)が完全にズレてます。明るさ(ガンマ)が全体的に明るく、色温度は寒色に偏りすぎです。
表示できる色域が広いため、色の正確さも当然ながら合ってません。
ゲームやエンタメ目的で使うなら気にする必要はありませんが、クリエイティブな用途との相性は悪いです。
「sRGB」はモニターの設定から、「色空間:sRGB, Rec 709」を選ぶと色域がsRGBに制限されます。ただし、精度はまったくダメです。
- 今日は疲れてるから地味な色合いで見たい
- 「sRGB」色域じゃないと不具合が出るソフト
(※ペイントツールSAIが割と有名)
などなど、どうしても「sRGB」が必要な場合はXiaomi A Pro 43 2025を選ばないでください。
比較グラフはsRGBに対する正確さを求めているので、表示できる色が広いパネルほど不利です。
量子ドットも不利だし、高画質なIPSパネルやOLEDパネルも不利になります。「色の正確さ」が優れているからといって、エンタメ用途に楽しい画質かどうかは判断できません。
sRGBの色精度が高い ≠ 主観的に見た高画質です。
Xiaomi A Pro 43 2025のネイティブコントラスト比は12159:1(グローバル調光:オン)です。グローバル調光:無効で4000~4500:1です。
並のIPSパネルより約4~5倍も高いコントラスト比で、画面全体が暗いシーンで黒っぽさを体感できます。
画面の明るさ ※クリックすると画像拡大 |
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画面の明るさを測定したグラフです。
100%時で347 cd/m²に達し、SDRコンテンツを見るのに十分な明るさです。0%時だと50 cd/m²まで下げられます。
夜間に暗い画面が欲しい人にとって、ちょっと明るい可能性あり。
色温度を6500Kに調整したあとなら、100%時で267 cd/m²まで下がり、最低輝度も39 cd/m²まで下がります。多少マシになりました。
目にやさしいらしい120 cd/m²前後は設定値23%でほぼ一致します。
色域カバー率 | ||
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規格 | CIE1931 | CIE1976 |
sRGBもっとも一般的な色域 | 100% | 99.9% |
DCI P3シネマ向けの色域 | 89.3% | 94.6% |
Adobe RGBクリエイター向けの色域 | 83.9% | 90.7% |
Rec.20204K HDR向けの色域 | 64.7% | 70.0% |
Xiaomi A Pro 43 2025で表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。
もっとも一般的な規格「sRGB」で99.9%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」では94.6%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は90.7%です。
エンタメ用途で重要なDCI P3とRec.2020カバー率の比較は上記リンクから確認してみてください。
量子ドット > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並んでいると分かります。
と同時にXiaomi A Pro 43 2025が「純度の低い量子ドット」と判断できます。本当に100%量子ドットなら、DCI-P3は99%を振り切ります。
色ムラの程度を測定。
パネルの端っこ(四隅)に近いほど、明るさが目立って落ち込みます。IPSやVAパネルによくある「グロー(バックライトの輝度ムラ)」と呼ばれる症状で、程度の差はあれど共通の症状です。
Xiaomi A Pro 43 2025の色ムラは平均で10.06%でした。他のゲーミングモニターより程度が大きいです。
普通にゲームをプレイしたり、アニメや映画を見る分には気づきにくい程度ですが、色の変化が少ない単調なシーンで色ムラに気づく可能性があります。
マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。
画素ドットが青・緑・赤の順に並ぶ「BGR」レイアウトの液晶パネルです。テレビで定番のピクセル配列ですが、BGR配列は細い縦線やテキストの表示にやや不利だったりします。
光を分析する「分光測色計」を使って、画面から出ている三原色の鋭さ(波長)を調べました。専門用語でスペクトラム分析と呼ぶそうです。
グラフを見て分かるとおり、赤色の中央がキュッと凹んでから鋭く立ち上がっています。赤色の中央が凹む特徴的な波長パターンから、「KSF蛍光体(KSF Phosphor LED)」と判別できます。
KSF蛍光体のおかげで安物IPSパネルより赤色の波長が鋭くなり、赤色の純度が高まります。
ついでにブルーライト含有量を調べたところ約31.6%でした。
TÜV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成するには、モニターの設定から「色温度:カスタム」に切り替えて、「青色ゲイン:600未満」まで下げる必要があります。
Xiaomi A Pro 43 2025のゲーム性能は?
Xiaomi A Pro 43 2025のゲーム性能をレビューします。
- 応答速度
- 入力遅延
- ゲーム向け機能
おもに「応答速度」「入力遅延」「ゲーム向け機能」の3つです。測定機材を使って調べてみます。
Xiaomi A Pro 43 2025の応答速度と入力遅延
↑こちらの記事で紹介している方法で、Xiaomi A Pro 43 2025の「応答速度」を測定します。
60 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 |
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60 Hz時の応答速度は、30パターン測定で平均8.47ミリ秒を記録します。
可も不可もなく普通です。むしろ、想定していたより2倍くらい良い数値でホッとしてます。
残像感はそこそこ目立ちますが、60 Hzだから当然です。パネルの性能にほとんど関係なく残像感が目立ちます(ホールドボケ現象)。
他のゲーミングモニターと比較します。
Xiaomi A Pro 43 2025が記録した平均8.47ミリ秒は、過去レビューしてきた60 Hzゲーミングモニターと横並びです。
約2.9万円の格安価格なら文句なし。
入力遅延(Input Lag)はどれくらいある?
2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。
- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
左クリックしてから画面に反映されるまでにかかった時間を測定し、左クリック100回分の平均値を求めます。
Xiaomi A Pro 43 2025の入力遅延は・・・ピクチャーモードで大きく違います。
ゲームモード(60 Hz)で平均9.9ミリ秒、モニターモードで平均43.2ミリ秒です。
ゲーム用途に欲しい16ミリ秒未満は「ゲームモード」のみ。モニターモードはゲームだと遅延を体感できます。
他のピクチャーモードは平均120ミリ秒で論外。
格安テレビだからゲーム向け機能は少ない
Xiaomi A Pro 43 2025は4つある主要なゲーマー向け機能のうち、たった1つだけに対応します。
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能 - カクツキ防止
可変リフレッシュレート機能
順番にチェックします。
暗所補正「暗いシーン強化」モード
モニター設定の中から「暗いシーンの強化」モードを見つけました。
使ってみると・・・、暗い部分が逆に暗くなります。役に立たないです。
暗所補正「ダイナミックコントラスト」
モニター設定の中から「ダイナミックコントラスト」モードを見つけました。
これも暗い部分を局所的に補正する効果はありません。しかし、画面全体が暗いシーンで、明るく見えやすくなる効果を確認できます。
Dead by Daylightくらい暗いゲームなら「ダイナミックコントラスト:強」モードが使えそうです。
暗所補正「ガンマシフト」モードが使えそう
「ガンマシフト」モードは、画面の明るさ(ガンマ)をズラす機能です。
- 「-2」:ガンマを減らす(画面を明るく)
- 「-1」:ガンマを減らす(画面を明るく)
- 「0」:初期設定
- 「+1」:ガンマを増やす(画面を暗く)
- 「+2」:ガンマを増やす(画面を暗く)
マイナス方向にシフトさせると、画面全体をやや明るく補正できます。
カーブ型ではなく、直線型でそのままシフトするので暗い部分だけをピンポイントに補正する効果は無いです。
4Kで60 Hz(PS5で60 Hz)に対応
Xiaomi A Pro 43 2025は最大60 Hzまで、PS5で最大60 Hzに対応します。実際にPS5とゲーミングPCにモニターをつないでみて、リフレッシュレートの対応状況を確認しましょう。
PS5の対応状況 ※クリックすると画像拡大 | ||
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設定 | 60 Hz | 120 Hz |
フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:- | – PS5 VRR:- |
WQHD2560 x 1440 | 対応 PS5 VRR:- | – PS5 VRR:- |
4K3840 x 2160 | 対応 PS5 VRR:- | – PS5 VRR:- |
PS5で4K(最大60 Hz)まで対応します。120 Hzモードや「PS5 VRR」に非対応です。
対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 |
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Xiaomi A Pro 43 2025がパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。
HDMI 2.1で最大60 Hzまで対応します。SDRモード時に8ビット(RGB)、HDRモード時は10ビット(8ビット + FRC方式によるRGB)です。
VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
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フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能は何も対応してません。
Xiaomi A Pro 43 2025の機能性を調査
激安なゲーミングモニターらしく、必要最低限の機能が付いてます。
- エルゴノミクス
高さや角度を調整する機能 - インターフェイス
映像入力端子やUSBポートについて - 内蔵スピーカー
出力8 W(2個)でDTS:Xサウンドに対応 - フリッカーフリー
眼精疲労持ちなら重要かもしれない - Android TV
モニター本体だけで動くモード - OSD
On Screen Display(設定画面)
一応、順番にチェックします。
「エルゴノミクス」非対応だけどVESAはある
エルゴノミクス機能は非対応。もともとテレビなので仕方ないです。
VESAマウント ※クリックすると画像拡大 |
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別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「200 x 100 mm」に対応します。パネル本体の重量は約3.84 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。
Amazonベーシック(エルゴトロンOEM)のモニターアームに、200 x 200 mm変換プレートを取り付けます。
Xiaomi側に付属している「M6ネジ」を用意します。
対角線上で2点どめして、モニターアームの取り付け完了。
たかだか約4 kg程度の重量ですから、普通のモニターアームで難なく持ち上げられます。
DTS:Xサウンド対応の「内蔵スピーカー」
Xiaomi A Pro 43 2025は出力8 Wのステレオスピーカーを内蔵します。
スカスカと薄っぺらい音質で、テレビの内蔵スピーカーとしておまけレベルです。PCモニターの内蔵スピーカーとしては、そこそこマトモな部類。
モニターの設定から、5種類のサウンドモードと3種類のDTS:Xサウンドモードを選べます。
- 標準
- 映画
- ニュース
- ゲーム
- カスタム(イコライザー)
- DTS低音強化
- DTSサラウンドバーチャライザー
- DTSダイアログクラリティ
モードごとに音の雰囲気や周波数特性、仮想サラウンドモードを設定可能です。
音響測定用マイクで、Xiaomi A Pro 43 2025の周波数特性を測定しました。
出ている周波数は200 ~ 12500 Hz程度です。低音域は完全に不足気味で量感に欠け、高音域も弱くて音のクリアさを損ないます。
ムービーモードやDTS低音強化モードで低音を少し補正でき、量感が多少マシに感じられる音質に仕上がります。
DTSバーチャライザーモードで仮想サラウンドのような包まれる音質に。DTSクラリティは解像度を雰囲気向上させるモードに聞こえますが、シャカシャカとした音質で耳にトゲトゲ刺さる印象です。
最高の内蔵スピーカー「Pixel Sound(LG 32GS95UE)」と比較すると、何もかもがダメです。
約1.4万円で買える「Edifier MR4」と比較してみると、性能差は一目瞭然です。
内蔵スピーカーの音質に期待しないように。少しでも音質を気にするなら、1万円前後のアクティブスピーカーを買ったほうが確実に高音質です。
ゲーミングPCの3.5 mmオーディオ端子に、PCスピーカーを直接つなぐだけです。
何らかの理由でテレビ側のS/PDIF(光デジタル)端子を使ってスピーカーに接続したい場合は、以下のような光デジタル → RCA変換アダプターが必要です。
約1700円で激安品だからか音量がやや小さい(テレビ側の音量をかなり大きくする必要あり)ものの、光デジタル → RCA変換はきちんと処理できます。
対応するインターフェイスをチェック
各種インターフェイス ※クリックすると画像拡大 |
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全部で3つの映像端子があり、HDMI 2.1で最大60 Hz(3840×2160)に対応します。2番目のHDMIポートのみ「eARC」対応。
HDMIケーブルだけで音声を伝送できる便利なポートです(※eARC対応スピーカーやAVアンプが必要)。
USBポートはAndroid TV用です。文字入力が面倒だったので、有線キーボードをUSBポートに挿して使ってます。
eARC対応スピーカーのHDMI端子と、テレビ側のeARC対応HDMI端子を接続します。
(KEF Connect アプリから入力切替)
スピーカー側の音声入力を「TV(HDMI eARC)」に切り替えて設定完了です。
これだけで、HDMIケーブルを経由してスピーカーから音出しが可能です。ゲーミングPC、PlayStation 5、Android TV(YouTubeアプリ)で動作確認済み。
1000円未満で買える安価なHDMI 2.0ケーブルで動作確認をしています。音声を送るだけですから、高帯域幅(48 Gbps)なHDMI 2.1ケーブルは不要です。
すべての設定 → ディスプレイと音 → オーディオ出力 → 出力デバイス → S/PDIF で、光デジタル音声出力に切り替わります。
- デジタル出力:PCM(最大24 bit / 192 kHz)
- デジタル出力:パススルー
- デジタル出力:Dolby Audio(Dolby Digital)
- デジタル出力遅延:0~250で調整
S/PDIFモード時に、3種類のデジタル出力モードと、出力遅延を変更できます。
「フリッカーフリー」対応ですか?
公式サイトや販売ページに「フリッカーフリー」のキーワードが見当たりません。
フリッカーフリーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
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実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ25~100%までフリッカーが一切検出されません。
明るさ24%以下から「613 Hz」のフリッカーが検出されます。
しかし、600 Hz前後のフリッカーは人間にとってまったく知覚できないです。画面が暗いときだけフリッカーが出るだけで、基本的に実質フリッカーフリーといって差し支えないです。
「Android TV」機能をチェック
テレビの初回起動時に、Googleアカウントを使ってAndroid TVのセットアップができます。
- YouTube
- Prime Video
- Disney+
- ABEMA
- TVer
- Hulu
- U-NEXT
- YouTube Music
- FOD
- TELASA
- WATCHA
- Spotify
主要なVODサービス(配信コンテンツ)に対応しています。
Android TVのホーム画面です。
各アプリを起動してYouTubeやPrime Videoを楽しめます。動作は若干もたつきを感じますが、普通に使えるレスポンスです。
モニターの設定画面(OSD)
付属の「リモコン」を使って、OSD設定を操作できます。
リモコンの方向キーがグニグニとした感触でちょっと違和感がありますが、そのうち慣れます。
OSDメニューのレスポンスは良好です。手元でリモコンをポチポチするだけで、モニター本体設定を進められます。
設定項目がやや多めですが割とうまく整理されている印象です。SHARP AQUOSのメニュー画面より使いやすいです。
日本語翻訳も違和感なし。しいて要望を挙げるなら、ショートカットボタンが最低1個ほしいくらいです。
よく使う「ピクチャーモード」を変更するのに
- 設定ボタン
- 方向ボタンを3回
- ピクチャーモード
- 戻るボタンを2回
ボタンを7~8回も押す必要があります。
ピクチャーモードなど任意の項目を、すぐに変更できるショートカットボタンがあれば最高でした。
HDMI CEC(Consumer Electronics Control)信号を使った「HDMIデバイスの自動電源機能」に対応します。
デバイスを起動するとテレビの電源をオン、テバイスをシャットダウンでテレビの電源も連動してオフでできる便利な機能です。
ただし、パソコン(グラフィックボード)のHDMI端子はCEC信号を使えません。Xiaomi A Pro 43 2025側へCEC信号を送れないため、パソコン側の電源オンオフに連動しなかったです。
シャットダウンだけでなく、「スリープ」も無反応です。毎回リモコンでテレビの電源をオンオフする必要があります。
Xiaomi A Pro 43 2025のHDR性能をテスト
Xiaomi A Pro 43 2025は、「HDR10※」対応のモニターです。Display HDR認証は取ってません。
ただ単にHDR映像が映るだけですが、念のためYoutubeで公開されている「Morocco 8K HDR」や、HDR対応ゲームを使って検証します。
※HDR10のほか、HLG方式、Dolby Vision方式も対応。
(HDR映像を収めた写真はSDRです。掲載した写真は参考程度に見てください。)
・・・まず大前提として、HDRは明るさが不足していたら話にならないです。
たしかにHDRコンテンツを表示できますが、単に表示しているだけで、SDRモード時とほとんど大差なし。
無理にHDRモードを使わずに、そのままSDRモードで使っていいかと。
「HDRゲーム」モードなら色温度が寒色(青色)に偏るかわりに、明るさがやや向上します。
それでもDisplay HDR 400規格にすら届かない程度の明るさに過ぎず、期待は禁物です。
コントラスト比を4000:1から20000:1程度まで引き上げる「グローバル調光」モードは要注意です。
画面全体が暗いシーンで、バックライトを弱めて黒を引き締めますが、画面全体がまとめて暗くなってしまいます。単純に映像が見づらくなるだけで、実用上の意味がないです。
HDR 1000モニターと比較※画像はクリックで拡大 | |
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Xiaomi A Pro 43 2025 Display HDR 認証なし | INNOCN 32M2VDisplay HDR 1000 (CTS 1.0) |
参考程度に、Display HDR 1000対応ゲーミングモニターと比較した写真です。
モニター測定機材でHDR性能を評価
モニターの色や明るさを測定できる機材を使って、「Xiaomi A Pro 43 2025」のHDR性能をテストします。
測定結果(レポート)はこちら↓からどうぞ。専門用語が多いので・・・、興味がなければ読まなくていいです。
VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
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比較 | テスト対象 Xiaomi A Pro 43 2025 | VESA Display HDR 400 |
画面の明るさ |
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黒色輝度 |
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コントラスト比 |
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色域 |
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色深度 |
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ローカル調光 |
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Display HDR 400認証に必要な項目で「画面の明るさ」が不合格です。黒色の濃さ、コントラスト比、色域などはHDR 400に合格できます。
HDRモードで画面全体に白色を表示したときの明るさを、他のモニターと比較したグラフです。
HDR時のコントラスト比(理論値)は、4430:1です。「グローバル調光:オン」で36475:1まで跳ね上がります。
HDRコントラスト比i1 Pro 2で測定した結果 | |
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全画面 | 4426 : 1 |
10%枠 | 4389 : 1 |
3×3分割 | 4392 : 1 |
5×5分割 | 4375 : 1 |
7×7分割 | 4367 : 1 |
9×9分割 | 4360 : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースで4360 : 1です。
HDR規格どおりの明るさを表示できるかチェックする「PQ EOTF」グラフです。
- ピクチャーモード:HDRモニター
- グローバル調光:オフ
- トーンマッピング:ダイナミック
以上のモニター設定で測定しました。
明るさ1 cd/m²までやや明るい気味にズレがあり、1 cd/m²以上から正確に追従します。かなり正確です。
面積比による明るさの変動は一切なし。
一貫して315 cd/m²前後の明るさを維持します。
HDRモード時の持続輝度をチェック。
面積比1~100%まで安定した持続輝度です。
HDR時の色精度(Rec.2020)は最大ΔE = 9.6、平均Δ = 2.28で値段からは想像もつかない高精度です。
HDR時の色温度はかなり寒色(青色)に偏っています。モニター側の設定で「色温度:カスタム」に切り替え、緑と青を下げれば6500K前後に寄せられます。
試験的に導入を始めたICtCp規格による「カラーボリューム(Gamut Volume)」の評価です。
白い枠線がターゲット色域で、内側のカラフルな枠線が実際に表示できた色の広さです。白い枠線が埋まっているほどHDR表示に理想的と考えられます。
Xiaomi A Pro 43 2025の開封と組み立て
段ボール風の簡素なパッケージで到着。サイズは107 x 65 x 13 cm(200サイズ)です。
「FRONT」と書いてある面を天井に向けてから開封して、梱包材と付属品を取り出し、両腕を奥まで突っ込んでテレビ本体を丸ごと引っ張り出します。
テレビ本体を厚みのある発砲スチロール製の梱包材で両側から挟み込んだ、良好な梱包状況です。
付属品 |
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映像出力用のケーブルは付属しません。別売りのHDMIケーブルを用意しましょう。
リモコンが付属します。
「単4電池」が2本必要です。電池は付属しないので別途購入します。
付属品の小ネジ(4本)を使って、スタンドをネジ止めします。
スタンドに穴はあるものの・・・ネジ穴が切られてないので、力の限りめいいっぱいネジを回します。
外観デザインを写真でチェック
プラスチック製の安っぽい外装を多用しています。一番下のベース部分とベゼルは金属製です。
付属のスタンドは頼りない感じで、デスクを揺らすとテレビもガタガタと揺れます。割とかんたんに倒れそうな気がするから、モニターアームにつけたほうが良さそう。
コンセントに仕込んだ電力ロガーを使って消費電力を1秒ずつ記録したグラフです。数~数十時間のゲーミングモニター検証中に記録しています。
Xiaomi A Pro 43 2025 消費電力 | |
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中央値 | 65.0 W |
ピーク値 | 67.5 W |
上位25% | 65.3 W |
下位25% | 64.1 W |
おおむね65 W前後です。最大の明るさで67 W前後、最小の明るさで40 W前後です。
ちなみに内蔵スピーカーの音量は消費電力にほとんど影響しません。うるさいほどの音量(85 dB)を鳴らしても1~2 W程度しか増えないです。
まとめ:誤表記は問題ですがコスパは本当に凄い
「Xiaomi TV A Pro 43 2025」の微妙なとこ
- 最大60 Hz
- 挙動不審なフレーム補完機能
- パネルの均一性が悪い
- 視野角がやや狭い
- 初期設定の色温度がズレてる
(かんたんに修正できます) - 貧弱なゲーマー向け機能
- sRGBモードの精度が悪い
- エルゴノミクス機能なし
- HDRモードはただ映るだけ
- メーカー1年保証
- 100%「量子ドット」ではない
(微量の量子ドットを混ぜたパネル)
「Xiaomi TV A Pro 43 2025」の良いところ
- 43インチで没入感ある「4K」
- コントラスト比が高い(4500:1)
- 平均的な応答速度
- 入力遅延が少ない(ゲームモード)
- 色域が広い(DCI P3:94%)
- 便利なリモコンが付属
- 融通がきく豊富な設定項目
- 光デジタルとeARCに対応
- 大音量の内蔵スピーカー
- 「Android TV」内蔵
- 価格がとんでもなく安い
- コストパフォーマンス良し
- わずかな追加料金で5年保証
「Xiaomi TV A Pro 43 2025」は、とんでもなくコスパが良い43インチ4Kモニターです。
「量子ドット」表記がおそらく虚偽である可能性はあるものの、微量の量子ドットが入っている可能性がありますが、基本的にはよくある高色域パネルと同程度の画質にとどまります。
それでもふつうに画質が良い「広色域VAパネル」を使っていながら最安値クラスなわけで、やはりコスパが凄いです。
(大画面で崩壊スターレイルは最高のゲーム体験のひとつ)
没入感ある大画面4Kゲーミングの入門機におすすめできます。
43インチ4Kに興味はあるけど、いきなり10万円超のハイエンドに突撃するのは怖い・・・、なら2.9万円から買えるXiaomi A Pro TV 43 2025を体験版代わりに使えます。
初期設定のおかしな色合いも、本レビュー記事で紹介した設定で9割くらい修正可能です。リモコンをちょっとポチポチするだけです。
「Xiaomi TV A Pro 43 2025」の用途別【評価】
使い方 | 評価※ |
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FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大わずか60 Hz対応で、応答速度も平凡です。 | |
ソロプレイゲーム(RPGなど) 色鮮やかな映像でソロプレイゲームに没入できます。 | |
一般的なオフィスワーク 作業性に優れる43インチ4K(102 ppi)です。文字のクッキリ感は普通で、一定の明るさ以上で完全なフリッカーフリーに対応。ただし「sRGB」モードの精度はイマイチ。 | |
プロの写真編集・動画編集 プロの写真編集や動画編集に耐えうる色域を備えますが、出荷時校正が何もありません。「Adobe RGB」「DCI-P3」「BT2020」どれも自分でキャリブレーションが必要です。 | |
HDRコンテンツの再現性 ただHDRコンテンツが映るだけで、表示性能はHDR 400相当すら満たしていません。言うまでもなく再現性に欠けます。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
参考価格 ※2024/8時点 | |
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Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |
2024年8月時点、Xiaomi TV A Pro 43 2025の実売価格は約2.9万円です。ポイント還元込みで実質2.7万円台も狙えます。
初回出荷のみ10000円の割引が出ていたようですが、今後もおそらく大きなセールがあれば、同等の値下げに期待できるかもしれません。
興味がある方はウィッシュリスト(ほしいものリスト)に入れてみてはどうでしょうか。
(60 Hzで問題ないゲームと相性よし)
以上「Xiaomi TV A Pro 43 2025 購入レビュー:少しだけ「量子ドット」ですが・・・コスパは凄い!」でした。
Xiaomi A Pro 43 2025の代替案(他の選択肢)
43インチの4Kモニター自体が割とレアな存在です。高色域VAパネルかつ3万円切りとなると、なかなか代替案が見つからないです。
筆者が使っている「SHARP AQUOS XLED 43」は値段が6~7倍ですし、同じくらい安い4Kモニターは27インチがほとんどですし、代替案が無いような気がします。
4Kでおすすめなゲーミングモニター
最新のおすすめ4Kゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。
4KでおすすめなゲーミングPC【解説】
4K 60 fps程度なら「RTX 4070 SUPER」を搭載したゲーミングPCで十分です。
ゲームのグラフィック設定を妥協するつもりで、予算をもっと絞るなら「RTX 4060 Ti」でも狙えます。原神や崩壊スターレイルなど、負荷の軽いゲームならなおさらです。
おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】
このニセ量子ドットだ、って言ってる記事がすでに結構拡散されてますが
はっきり量子ドットですと発表会で言ってる商品ですから
まあ…ご自分の測定結果のほうを疑ったほうがいいのでは
https://news.goo.ne.jp/article/bizjournal/trend/bizjournal-bj-383447.html
ここで見解があるみたいです
中国は政府ですら嘘だらけなのに、メーカーは信用できるって根拠がわからん。中国人自体が中国人を信用してないのにアホかと
620nm付近で落ち込む赤スペクトルと鋭さが足りない緑スペクトルはちもろぐ測定に限らず自作日々や4Gamerの企業案件測定にも共通するKSFの特徴だからなぁ
個人測定だから精度を疑うのは分かるが、精度が悪い場合量子ドットと合わなくなるだけで別の材料に近づく訳じゃないから、ここまで都合よくKSF蛍光体の特徴に一致する誤差が出るのは奇跡だよ
いやいや、世の中意図的にウソをついてくるメーカーもいるんですからちゃんと指摘しないといけませんよ
AS○Sもまとめて優良誤認でツッコまないと…
ぼくも真っ先に機材の故障を疑いました。
・LG 32GS95UE
・Xiaomi G Pro 27i
・Sharp AQUOS XLED 43
・天井のLED照明
上記4点に対してスペクトラム測定を行い、過去のデータを再現できるか検証して、機材の故障ではないと確認しています。
よって、メーカー側の「量子ドット」の定義が違う可能性はありそうです。
ぼくの認識だと、量子ドットはRGB波長すべてが鋭く立ち上がるパターンを指します。赤色が凹んでいる波長パターンは「KSF蛍光体」に由来するもので、Fast IPSやNano IPSなど非量子ドットパネルで典型的です。
ではメーカー側の認識だとどうなのか?
たとえば、色域が一定ラインを超えていれば量子ドット扱いとする。このような可能性は当然考えられます。Quantum Dots表記のAS◯S XG32UQもそうですし、筆者の認識とメーカー側の認識が食い違っているのかも知れません。
実際、AS◯Sに指摘してもずっと製品ページはそのまま更新されていないので、メーカーとしてはこれで量子ドットと考えていそうです。メーカー側が「これがうちの量子ドットの定義です」と言い張るなら、消費者側としてはもう何も言えません。
【追記】
日本国内の著名なテクニカルライター「西川善司」氏による、RGB波長ごとの判別(定義)もおおむね、ぼくと同じです。
参考 https://cgworld.jp/feature/201910-asus-pa32uc-2.html
RGB(三原色)すべて鋭く立ち上がっているかどうかが、現在主流の量子ドット判別方法です。
天井のLED照明www
分光測色計は名前のとおり、光ってるモノだったら何でも測定できます。天井のLED照明に機材をあてると、RGBが混色した、なだらかな波長パターンが出てきますよ。
ああ違うんです、わざわざモニター以外にも天井についているものまで調べてるのかってところに笑ってしまっただけです(笑)
ご返信ありがとうございました!
中華に限らず発表会で誤った事を言う例は山ほどあるからそれが信頼に足るソースにはならないかなぁ
言葉だけならなんとでも言えるからね
なぜ中国企業の発言の方を信じろと言う考えになるのか理解できないんだけど・・・
製品自体は良さそうなのに、変なところでミソが付いたなと
スペクトラム分析を見る分には、KSF系蛍光体を使った広色域白色LEDにしか見えないですね…
やかもちさんの言う通りにメーカー側の定義が違うのかもしれませんが、消費者から見ると優良誤認を狙っている様にしか見えないです
もっとも、量子ドットにもコストや環境負荷など問題がないわけではないので、不採用自体は別に問題ないと言うか、メーカーの判断としては納得出来ます
量子ドットの環境負荷は知らなかったです。参考になります。
カドミウムフリーな量子ドット素材はまだ研究段階のように見える(数分ググっただけですが)ので、現在出回っている量子ドットパネルは無条件でカドミウムなどを使ってる感じなんですね。
現状業界的にカドミウムを規制することは難しいこともあって、EUのRoHS指令が改正され量子ドットのカドミウム使用禁止期限を延長したようです。
カドミウムフリー量子ドットについてはサムスン、AUOが既に製品化しているようです。
シャオミのゲーミングモニターの方はフリッカーフリーじゃなかったり
コスパというよりは安かろう悪かろうといった感じですね
フリッカーフリーかどうかはモノによります。
ぼくが使ってる定価20万円超のSharp AQUOS XLED 43は、明るさに関係なく「478 Hz」のフリッカーが出てます。だから、一定の明るさで完全なフリッカーフリーになれるXiaomi A Pro TV 43 2025はマシな部類です。
とはいえ、PCモニターならフリッカーフリー(DC調光)が一般的ですし、テレビ業界もPCモニターにならってDC調光を一般化して欲しいところです。
DC調光は低輝度領域が苦手なので、Mini LEDとか自発光式の目指している漆黒の表現とは本質的に相性が悪い、とかいった原因があるのでは?
スピーカーが貧弱なのにAUX端子が無いのが非常に惜しいですね 紹介されてるEdifier MR4も普通には繋げられないという
スピーカーについてコメントありがとうございます。
ゲーミングPCで運用を前提に記事を書いているから、スピーカー接続について説明足らずになっていました。
光デジタル → RCA変換アダプターについて、かんたんな説明を追記します。
光デジタル → RCA変換アダプターを探してみると、「オーディオ出力設定をPCMにする」とありますが、Xiaomi TV A Pro 43 2025にPCMを選択する設定はありますか。
上位機種でminiLED使ってるSのレビューも出来たらお願いします
あれも本当にスペック通りなら高コスパなんですよね
私も希望します。是非お願い致します。
うちのXiaomi TV A Pro 43 2025は一部で噂のアマプラやネトフリが再生できないロットなんですが
パネルがそもそも違うような?気がします。
https://imgur.com/w49X65W
うちのなんですがRGB配列っぽいんですよ
あとメニュー画面もそもそも違ってて
https://imgur.com/mwazAfp
https://imgur.com/LffNc4G
ロット違いでいろいろ混じってそう
あとこの値段なんで許容範囲を低めに設定していると思われますのでQLEDバックライトの青色に多少不良品が混じってたりQLED素子自体にピークがずれているものが混じっていたりすると・・・?という考え方も出来そうですが
パネルの拡大画素をみる限り、レビューした個体と同じに見えます。
黒色(#000)の直線も入れてドットを拡大すると、RGBかBGRか見分けやすいです。
OSDメニューの違いはなんなんでしょうね。出荷時期でプリイン済みのファームウェアが違う可能性?
QLEDについては、どうやら「QD + KSF」混合パネルが実在するらしく、製造元がTCL CSOTのXiaomi A Pro TV 43 2025も、この混合パネルに該当する可能性が出てきました。
ただし、KSFを混ぜてしまった以上、スペクトラム波長は悪化するし色域も狭くなります。結局、よくある高色域パネルと同等の画質に落ち着いています。
【追記:ピクセル配列が見やすい画像】
ピクセル配列を確認しやすいテストチャート(.bmp形式)をWindows標準ペイントで作ってみました。黒色と白色の境目に注目すると、ピクセル配列が分かります。赤から始まったら「RGB」、青から始まったら「BGR」です。
各種要素からの推測にはなりますが、おそらく変換フィルムはavantama社のavafilmと思われます。
https://avantama.com/markets/cadmium-free-quantum-dot-display/
記事中にTCL及びASUSが登場しており、各社への供給があることを伺わせる内容です。
スペクトル自体もほぼ完全に一致していますね。
xiaomi商品はなぜこんなにも面白いのか。oledゲーミングモニターもここから出ないかなぁ
楽天市場店にて、10000円割引クーポンが復活しました。ポイント還元と合わせて、実質2.7~2.8万円で購入できそうです。量子ドットの有無はともかく・・・、コスパの凄さは変わりないです。
購入の参考になるよう、初回設定時の注意点を書いておきます。
(リモコン側の電源ボタンを押しても起動しません)
(初期設定のままだと最大30 Hzしか選べません!)
(補間の品質が悪くて映像の破綻やスタッターの原因になりがち)
ざっくり注意点をまとめました。
これだから中国企業は…と一瞬思ってしまったけど、日本メーカーも思い返すと大差ねぇな…
これはゲーム向けではなさそうですね…
ちなみにG27Qiのレビュー予定ってありますか?
G27Qiは10月以降にレビューする予定。(楽天ポイント還元が上限に達したので、月をまたいで復活してから買うつもり。)
Xiaomi的にはA Proはあくまで普及用でTV S Mini LEDシリーズが本命なのかも、こっちはディスプレイ用としてもかなり期待してます
C/Pは高いし画質に拘らない人には良い選択かも
正直低画質大画面ほど使ってて不満が溜まるモノはないから自分は無料でもご免だけど
画質がいいからこれは「C/Pが高い」モニターだと思います。
これで色域が終わってるADSパネルだったら、もう少し低い評価をつけていました。
ペンタイルジャナイダケマシオジサン
「ペンタイルじゃないだけマシ」
多分、あの人はペンタイルとRGBWを勘違いしている
連投すまんが忘れてた
上でも出てるけど
TCLの最新モデルの量子ドットも同じシート使われてるっぽい
DCI P3カバー率:93%
ハイエンドモデルでも同じだから
それを考えるとXiaomiは頑張ったんやなと
Xiaomi TV Aの上位モデル「S Mini LED」も、量子ドットをアピールしつつ、DCI P3色域が94%表記だから、これも同じタイプのパネルかもしれませんね。
どうしてこんな訳のわからない混合パネルを作ってしまったのか・・・。メーカー側が量子ドットマーケティングに安く乗っかりたいだけに思えてならない・・・。まぁ、DCI P3カバー率で見分けるしか無いでしょうね。
H27T22Sのレビューお待ちしてます(今だとクーポン併用で21,120円)
なんちゃって量子ドットか。気をつけないとだなぁ。
なんとかできないものか。
ちもろぐを毎日チェックして確信犯的にやってるメーカー、ホンモノを出してるメーカーを見極めるしかないか。
4k60でそれで良いゲームや作業してサブディスプレイでフルHD240hz対応の用意しとくとか?と思ったけど流石にこのサイズのモニターでマルチは現実的じゃないなぁ…
43インチの4Kは、21.5インチのフルHDを4枚並べたのと同じドット密度と広さですので、基本的に43インチ4K単体でマルチディスプレイ環境に近い感じです。
ただ、おっしゃるように「240 Hzも欲しい」となると、まだまだ43インチ4Kの製品ラインナップが貧弱すぎて両立できないですね。
https://x.com/ColourHdr/status/1835946846868717919
ハイセンスの65U8Nでも同じく不完全な量子ドットパネルが使われてそうですね
コスパ良い量子ドットテレビではこの手法がデフォルトになってしまっているのかもしれません(T_T)
https://arstechnica.com/gadgets/2024/09/tcl-accused-of-selling-quantum-dot-tvs-without-actual-quantum-dots/
海外でTCLの量子ドットが詐欺だって炎上してるみたいです
苦言だけで詳細語らない動画で本件をしり、気になってました
具体的に書いてもらって助かります
最近出ちゃったXiaomi TV Max 100 2025のレビューもお願いします
エレベーターや玄関どのくらいの広さあれば入れるのかも含めて
あれ、MEMC フレーム補間の実証データってなかったっけ?気の所為?
総評のまとめにフレーム補間は微妙って書いてあるから検証してるはずだよね?
記事内で紹介しているVESA変換プレートはネジ穴がM4なので、
このテレビのM6ネジでは取り付けられないですね。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07HYWTWYS?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title
こちらに差し替えした方がよろしいと思います。第二の被害者が出ないように…