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HUAWEI MateView GT 27レビュー:セール価格ならアリですが他にもっと良いのが・・・

スマホ業界を席巻しかけた、あのファーウェイ(HUAWEI)のゲーミングモニター「MateView GT 27」を買ってみた。

セール価格で約3.5万円のエントリー向けモデルで、高コントラストな湾曲VAパネルが特徴。パネル以外に目立った点はありませんが、どれほどの性能か詳しくテストします。

(公開:2023/5/16 | 更新:2023/5/16

HUAWEI MateView GT 27の仕様とスペック

Huawei / サイズ : 27インチ(湾曲型) / 解像度 : 2560 x 1440 / リフレッシュレート : 165 Hz / パネル : VA / 保証 : 3年
HUAWEI
MateView GT 27
パネルタイプWQHD(2560×1440)で最大165 Hz
VAパネル(27インチ)
湾曲型(曲率:1500R)
応答速度4 ms (G2G)
主な機能
ゲーミング向け
  • Dark field control(暗所補正)
  • 十字線
調整機能
エルゴノミクス
高さ調整:110 mm
前後チルト:+20° ~ -5°
左右スイベル:-
ピボット:-
VRR機能Adaptive-SyncG-SYNC互換も対応
参考価格
※2023/5時点
Amazon
 HUAWEI Store
Yahooショッピング
HUAWEI
MateView GT 27
画面サイズ27インチ
湾曲型(曲率:1500R)
解像度2560 x 1440
パネルVA
コントラスト比4000 : 1
リフレッシュレート165 HzHDMI 2.0 : ~144 Hz / DP 1.4 : ~165 Hz
応答速度4 ms (G2G)
光沢ノングレア
VESAマウント100 x 100 mm
エルゴノミクス
  • 高さ調整:120 mm
  • 前後チルト:+20° ~ -5°
  • 左右スイベル:-
  • ピボット:-
主な機能
  • Dark field control(暗所補正)
  • 十字線
同期技術Adaptive-SyncG-SYNC互換も対応
スピーカーなしイヤホン(3.5 mm)端子なし
主な付属品
  • DP 1.4ケーブル
  • USB Type-Cケーブル
  • 電源アダプタ(65 W)
  • 説明書
寸法613 x 436 x 224 mm
重量5.34 kg(パネルのみ)
7.8 kg(スタンド含む)
保証3年
やかもち
ひとこと解説:VAパネル採用でハイコントラストな映像に特化しつつ、各種ゲーミング機能を削って価格を下げたゲーミングモニターです。

HUAWEI MateView GT 27の画質をレビュー

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)

MateView GT 27は公称値で4000:1のコントラスト比を誇る、黒色が深いVAパネルを搭載。

広い色域(DCI P3:90%)をアピールしているだけあって、鮮やかな色合い。言われなければIPSパネルと見間違えるほどに(いい意味で)VAパネルらしさが無いです。

曲率1500Rの湾曲型で、VAパネルの弱点である視野角の狭さをカバーします。しかし、ごく普通のアスペクト比16:9で「没入感」を感じるのは少々難しいです。没入感に期待し過ぎないように。

VAパネルの黒が深い画質
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(表示イメージ)

(sRGB:ΔE = 3.0 / 色温度:6610K / 輝度:348 cd/m²)

発色がとても豊かなVAパネルで、画質的にはFast IPSやIGZO IPSに代表される広色域IPSパネルといい勝負です。

色域の狭い痩せた色しか出せない低価格なIPSまたはVAパネルから乗り換えると、その映像美を体感できると思われます。

VAパネルの特性により、一般的なIPSパネルの約3~4倍ものコントラスト比も大きなメリットです。実測値で2800:1前後のコントラスト比で、かなり深い黒色を表示できます。

ホラー映画やホラーゲームなど、真っ暗になるシーンでも「白浮き」が非常に少ないです。

VAパネルでかつて目立っていた黒つぶれも、MateView GT 27ではほぼ解消されており、画面の暗いゲームで見づらくなるシーンも特に見られません。

おすすめの調整(設定)

残念ながら初期設定の「P3」プロファイルだと、色温度がやや暖色に偏っていて尿液晶に見えるリスクがあります。

  • 色温度を「赤:100 / 緑:95 / 青:95」に変更

今回購入したレビュー機では上記のカスタム設定で色温度を修正できました。

  • 初期の色温度:6262K(やや暖色)
  • 修正後:6615K(わずかに寒色)

※パネルの個体差により、↑上記の設定が正しく機能するかどうか正確性を保証できません。あくまでも参考程度に。

やかもち
コントラスト比が公称値(4000:1)に届かないのはちょっと気になるけど、画質はおおむね優秀です。画質目当てで買うならハズレではありません。

モニター測定機材による評価

モニターの色を測定できる専用の機材「X-rite i1 Pro2(分光測色計)」を使って、「HUAWEI MateView GT 27」の画質をチェックします。

色の正確さ
※クリックすると画像拡大
グレーの正確さカラーの正確さ
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(色の正確さをチェック)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(色の正確さをチェック)
初期設定のままsRGBモード
  • 明るさ:177.6 cd/m²
  • グレーの正確さ:ΔE = 0.81
  • 色の正確さ:ΔE = 3.22
  • ガンマ:2.19
  • 色温度:6262(やや暖色)
  • コントラスト比:2636.9
  • 明るさ:174.1 cd/m²
  • グレーの正確さ:ΔE = 0.81
  • 色の正確さ:ΔE = 1.04
  • ガンマ:2.13
  • 色温度:6267(やや暖色)
  • コントラスト比:1442.5

初期設定のままだと、sRGBプロファイルに対して色がややズレていますが、ΔE = 3.22程度なら割と合っています。一般人は気にする必要はありません。

sRGBに合っていないと困る用途(例:カラーマネージメント非対応のイラストソフトなど)では、モニターの設定から「sRGBモード」に切り替えてください。

表示される色がsRGB領域に制限され、結果的にsRGBに対して正確な色が出ます。MateView GT 27のsRGB色精度はなんとΔE = 1.04で非常に正確です。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ) HUAWEI MateView GT 27をレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ)

色域が狭いにも関わらず派手に色がズレているパターンを除き、基本的に広色域パネルの初期設定はsRGBに対して色が外側へズレる傾向があります。

sRGBの色精度が高い ≠ 主観的に見た高画質です。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(色の正確さとコントラスト比率の比較グラフ)

VAパネルらしく、ネイティブコントラスト比がとても高いです。一般的なIPSパネルと比較して約3倍で、体感できるほど黒色の見え方が違います。

画面の明るさ
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(画面の明るさ)
  • 最大輝度:388.4 cd/m²
  • 最低輝度:31.5 cd/m²
  • 44%で:121.1 cd/m²

100%時で388 cd/m²に達し、十分な明るさです。0%時だと31.5 cd/m²まで下がります。44%で目にやさしいらしい120 cd/m²前後に一致します。

色域カバー率
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(色域をチェック)
規格CIE1931CIE1976
sRGBもっとも一般的な色域99.9%99.6%
DCI P3シネマ向けの色域89.9%93.1%
Adobe RGBクリエイター向けの色域84.3%90.4%
Rec.20204K HDR向けの色域64.7%68.2%

表示できる色の広さ(色域カバー率)はそこそこ広いです。

もっとも一般的な規格「sRGB」で99.9%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」を93.1%カバーします。

印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は90.4%です。Nano IPSやシャープIGZO IPSにやや劣っています。

均一性(色ムラ)
※クリックすると画像拡大
色ムラを測定色ムラを比較
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(パネルの均一性)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(パネルの均一性)
  • 最大:343.5 cd/m²
  • 最低:297.8 cd/m²
  • 平均値:4.96%

(参考写真:白100% / グレー50% / グレー5%

色ムラの程度は可もなく不可もなく、普通です。VAパネルでよく見られる、パネルの左右に近いほど明るさが下がる「VAグロー」現象が出ています。

VAパネルで典型的なあるある症状で、別にMateView GT 27に限った症状ではないです。

視野角の広さ
※クリックすると画像拡大
横方向(水平)縦方向(垂直)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(視野角)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(視野角)

VAパネルの性質上、視野角はIPSパネルより狭くTNパネルより広い傾向です(参考:液晶パネルの違いを解説するよ)。MateView GT 27は視野角の狭さを湾曲型で補っています。

フリッカーフリーを検証
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(フリッカーフリー)
  • 明るさ100%:フリッカーフリー
  • 明るさ75%:フリッカーフリー
  • 明るさ50%:フリッカーフリー
  • 明るさ25%:フリッカーフリー
  • 明るさ0%:フリッカーフリー

公式サイトでテュフラインランド(TUV Rheinland)認証クラスのフリッカーフリーと記載されている通り、すべての明るさでMateView GT 27は完璧なフリッカーフリーです。

【オタク向け】パネルの技術的な分析

ここは液晶パネルオタク向けの解説です。ほとんどの人は興味がないので、読み飛ばしてください。

ピクセル拡大図
(ピクセル配列:RGB)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(ピクセル画素の拡大図)
スペクトラム分析
(多分:KSF蛍光体)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(色のスペクトラム分析)
文字のドット感
(密度:109 ppi)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(文字の滑らかさ)

マクロレンズで拡大すると、MateView GT 27のVASパネルは一般的な「RGB配列」と判明します。文字のドット感や、テキストフリンジ(文字のにじみ)にまったく影響ありません。

スペクトラム分析では、広色域タイプの液晶パネルでよく見られる「赤色が凹む」グラフです。KSF蛍光体タイプの広色域VAパネルだと推測できます。

Monitor Panel Databaseからサジェストされたパネルデータは・・・

  • AU Optronics製:M270DVR01.xシリーズ
  • Samsung製:LSM270DP02シリーズ

以上の2つです。


HUAWEI MateView GT 27のゲーム性能をレビュー

↑こちらの記事で紹介している方法で、HUAWEI MateView GT 27「応答速度」を測定します。

公式サイトによると、メーカー公称値は4ミリ秒(オーバードライブ時は不明)です。本当かどうか、測定機材で徹底的に調べましょう。

120 Hz時の応答速度
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(120 Hz時の応答速度)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(120 Hz時の応答速度)
  • 平均:7.58 ミリ秒
  • 最速:2.86 ミリ秒
  • 最遅:16.91 ミリ秒
  • エラー:0%

120 Hz時(120 HzはPS5で重要)の応答速度です。30パターン測定で、平均7.58ミリ秒でした。

初期設定の時点でオーバードライブは「Lv2」に設定されています。オーバードライブが効いている状態で平均5ミリ秒オーバーは、最近レビューした中で目立って悪いです。

165 Hz時の応答速度
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(165 Hz時の応答速度)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(165 Hz時の応答速度)
  • 平均:7.00 ミリ秒
  • 最速:2.60 ミリ秒
  • 最遅:17.37 ミリ秒
  • エラー:0%

165 Hz時の応答速度は平均7.0ミリ秒でした。どうやら初期設定だと、メーカー公称値の4ミリ秒を達成できないようです。

オーバードライブ設定でどれくらい応答速度が改善されるか検証します。

オーバードライブ設定
165 Hz / 4段階をテストした結果
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(オーバードライブ別の残像)
平均値9.07 ms7.00 ms5.98 ms3.83 ms
最速値5.83 ms2.60 ms2.17 ms1.30 ms
最遅値17.45 ms17.37 ms16.89 ms16.70 ms
平均エラー率0.0 %0.0 %0.0 %12.2 %

MateView GT 27のオーバードライブ機能は「オフ」「Lv1」「Lv2」「Lv3」「Lv4」の5段階です。

オーバードライブを効かせると応答速度が確実に改善されますが、暗 → 明の応答速度(Rise Time)をそれほど改善できないため、背景が暗いシーンで残像感を軽減できません。

「Lv4」設定でようやくメーカー公称値の4ミリ秒を確認できるものの、エラー率が12%に上昇し、逆残像が発生してしまいます。

おすすめの設定は「Lv3」です。応答速度が平均6ミリ秒まで改善され、エラーも皆無です。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(応答速度を比較する)

他のゲーミングモニターと比較しましょう。

MateView GT 27と競合しうるライバル製品は、セール時に3.2~3.3万円の「GREEN HOUSE GH 27」や「LG 27GN800-B」、セール時に5万円を切る「DELL S2721DGF」を挙げられます。

楽天市場にまれに在庫が復活する約2万円の「KEIAN KPGM270」もライバルでしょう。

ライバル製品すべてが平均3ミリ秒台に入っており、KEIAN KPGM270と27GN800-Bに至っては3ミリ秒を割っています。

つまり、平均6ミリ秒のMateView GT 27はライバルより応答速度が約2倍も長いです。ゲーミングモニターを名乗る以上、応答速度の速さは重要です。

【競技ゲーマー向け】入力遅延の測定結果

「入力遅延(Input Lag)」は、映像ソースやマウス・キーボードからの入力信号を、ゲーミングモニターが実際に認識するまでにかかる時間です。

一般人は気にする必要はありません。競技性が重視される格ゲーやFPSゲームをガチでプレイする、競技ゲーマーが気にするべき指標です。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(入力遅延)

「Raspberry Pi 4」を使ったカスタム入力遅延テスターで入力遅延を測定した結果、60 Hz時で5.1ミリ秒でした。120 Hz時で4.3ミリ秒です。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(入力遅延)

他のゲーミングモニターと比較します。ほとんどのゲーミングモニターは16ミリ秒を下回ります。入力遅延5.1ミリ秒は、まったく問題ありません。


HUAWEI MateView GT 27の機能性をレビュー

エルゴノミクス(調整機能)
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(エルゴノミクスと調整機能)非対応
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(エルゴノミクスと調整機能)非対応
  • 高さ調整:120 mm
  • 前後チルト:+20° ~ -5°
  • 左右スイベル:-
  • ピボット:-

画面が湾曲しているモニターにありがちなエルゴノミクスです。湾曲しているから左右スイベル(首振り)の必要性が薄く、コストカットのために省略されます。

実用上、十分なエルゴノミクスです。

VESAマウント
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(インターフェイス)
  • 規格:100 mm x 100 mm
  • 重量:約5.34 kg

別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。パネル本体の重量は約5.4 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。

Amazonベーシック / 形式 : シングル画面用 / 耐荷重 : 11.3 kg / 機構 : スプリング式 / 備考 : OEMはエルゴトロン製
モニター設定画面(OSD)
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HUAWEI MateView GT 27をレビュー(OSD設定画面)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(OSD設定画面)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(OSD設定画面)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(OSD設定画面)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(OSD設定画面)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(OSD設定画面)

モニター中央下部にある「5方向ボタン」でサクサクとOSD設定が進みます。一部の操作を除き、基本的にASUSやBenQ製ゲーミングモニターでよく見られる、ボタンを右に倒すと決定する仕様です。

OSDレイアウト自体はよくあるフォルダ階層型で、直感的に分かりやすく整理されています。

なお、初期状態だとAdaptive Syncが表示されない不具合は健在です。5方向ボタンを10秒ほど奥に倒したままにすると、Adaptive Syncの項目が出現します。

【7個】ピクチャーモードを比較
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27のピクチャーモードを比較HUAWEI MateView GT 27のピクチャーモードを比較
HUAWEI MateView GT 27のピクチャーモードを比較HUAWEI MateView GT 27のピクチャーモードを比較
HUAWEI MateView GT 27のピクチャーモードを比較HUAWEI MateView GT 27のピクチャーモードを比較
HUAWEI MateView GT 27のピクチャーモードを比較
  • Scenery
  • Movie
  • sRGB
  • MOBA
  • RTS
  • FPS
  • P3(初期設定)

OSDから「ピクチャーモード」を設定すると、画面の明るさやコントラスト感が若干変わります。好みにあったモードを使うのも良し、P3(初期設定)のまま自分で細かく設定してもOKです。

筆者の場合、P3モードのまま色温度を「赤:100 / 緑:95 / 青:95」に調整して使っています。

なお、sRGBモードは表示される色域がsRGB領域に制限されます。sRGBを必要とするクリエイター向けのプロファイルで、画質重視の一般人にとって出番がないです。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(Dark Controlの効果)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(Dark Controlの効果)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(Dark Controlの効果)

暗い部分を見やすく補正する、暗所補正機能「Dark field contrl」の効果です。全部で3段階あり、レベルを上げるごとに暗いシーンの視認性が改善されます。

各種インターフェイス
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(インターフェイス)
  1. USB Type-C
    (電源アダプタ用)
  2. HDMI 2.0
    (2560×1440 / 最大144 Hz)
  3. DisplayPort 1.4
    (2560×1440 / 最大165 Hz)

必要最低限のインターフェイスです。USB Type-Cはもっぱら電源アダプタ用で、映像出力やDP Alt Modeに非対応です。

HDMIで最大144 Hzまで。Display Port 1.4で最大165 Hzに対応します。Display PortでAdaptive Sync(G-SYNC互換モード)も使用可能です。

PS5の対応状況
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(PS5の対応状況)
設定60 Hz120 Hz
フルHD1920 x 1080対応PS5 VRR:なし対応PS5 VRR:なし
WQHD2560 x 1440対応PS5 VRR:なし対応PS5 VRR:なし
4K3840 x 2160対応PS5 VRR:なし

HDMIでPS5につなぐと、フルHDとWQHDどちらも最大120 Hzで使えます。仮想4K(WQHDに4K解像度で表示するモード)も対応しており、高精細なグラフィックを表示できます。

VRR機能(可変リフレッシュレート)
※クリックすると画像拡大
  • Adaptive Sync
  • G-SYNC互換モード
    (Display Port 1.4で使用可能)

ゲーム側のフレームレートと、モニター側のリフレッシュレートを揃えてティアリング現象を防ぐ「VRR」機能は、定番のAdaptive SyncやG-SYNC互換モードに対応します。

OSD設定からAdaptive Syncを有効化して、Display Portで接続するとG-SYNC互換モードを有効化できます。動作範囲はよくある48~165 Hzです。


HUAWEI MateView GT 27のHDR性能をレビュー

4K HDR対応のメディア「天気の子 4K Ultra Blu-ray」
新海誠 / 形式 : 4K Ultra HD Blu-ray / HDR : あり / ディスク : 5枚 / 備考 : 映像美すごすぎ

HUAWEI MateView GT 27で実際にHDRコンテンツをテストします。

テストに使ったHDRソースは、Youtubeで公開されている「Morocco 8K HDR」と、HDR対応の「天気の子(4K Ultra BD盤)」です。

HDRコンテンツの表示例※画像はクリックで拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDRを試して比較写真)
HDR映像を収めた写真はSDRです。掲載した写真は参考程度に見てください。

VAパネルのおかげで黒が締まっていて普通のIPSパネルよりメリハリが出やすい印象です。Display HDR認証を取っていない割に、最低限のHDR表示品質を出せています。

本格的なHDR 600~1000ゲーミングモニターと比較さえしなければ、それなりに見られるHDRではないでしょうか(※逆に言うと、比較したら終わりです)

「本物のHDR」を体験するなら、最低でもDisplay HDR 600、できればDisplay HDR 1000対応のゲーミングモニターが必要だと筆者は考えています。

やかもち
一応HDR映像を表示できますが、SDR版コンテンツと比較して劇的な差を得るのは不可能です。
VESA Display HDR
HDR性能のテスト結果
比較テスト対象
MateView GT 27
VESA Display
HDR 400
画面の明るさ
  • ピーク時
    369.1 cd/m²
  • 全白フラッシュ
    368.4 cd/m²
  • 全白持続
    368.4 cd/m²
  • ピーク時
    400 cd/m² 以上
  • 全白フラッシュ
    400 cd/m² 以上
  • 全白持続
    320 cd/m² 以上
黒色輝度0.13 cd/m² 0.40 cd/m² 以下
コントラスト比2831 : 1 1000 : 1 以上
色域
  • sRGB:99.9%
  • DCI P3:93.1%
  • sRGB:95%以上
  • DCI P3:なし
色深度10 bit
DP 1.4で最大120 Hzまで
8 bit

「優れたHDR性能」を初心者さんに分かりやすく説明すると

  • 明るさ:明るいほど良い(超ハイエンド機なら1000 cd/m2超)
  • 黒色:無点灯に近いほど良い(0.1 cd/m2以下なら実用上は十分)
  • コントラスト比:高いほど良い(5000 : 1以上で実用上は十分)
  • 広色域:DCI P3が広いほど良い(DCI P3:90%以上は欲しい)

めちゃくちゃ明るくて、暗い部分はちゃんと真っ暗。さらに表示できる色も広い。これらの条件を満たしているなら「高性能なHDR」で、高性能なHDR性能を持つモニターは基本的にDisplay HDR規格を取得しています。

HDR 600以上なら、まずハズレなし。HDR 1000やHDR 1400を取得しているモニターは超ハイエンド機です。

なお、有機ELパネルは特性上、HDR性能を伸ばせないので注意してください(※有機ELは画面を明るくするほどパネルの故障率が上昇するため、画面が明るくなりすぎないように制御されています)

参考記事:HDR性能を示す「Display HDR」規格と仕組みを解説

MateView GT 27のHDR性能をテストした結果、Display HDR 400規格に惜しくも届かない性能でした。ピーク輝度と全画面輝度の400 cd/m²基準を突破できません。

合格できて当然の最低グレードですが、未だにHDR 400すら突破できないゲーミングモニターもあります。

MateView GT 27のHDR性能に期待は禁物です。一応、モニターに「HDR映像を表示できる」程度で、HDRコンテンツの再現性能に乏しいです。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDR輝度とコントラストを比較する)

HDRモードで画面全体に白色を表示したときの明るさを、他のモニターと比較したグラフです。

HUAWEI MateView GT 27をレビュー(HDR輝度とコントラストを比較する)

HDR時のコントラスト比(理論値)は2831:1です。黒色が締まりやすいVAパネルらしい高コントラスト比です。

HDRコントラスト比i1 Pro 2で測定した結果
全画面2831 : 1
10%枠2432 : 1
3×3分割2644 : 1
5×5分割2427 : 1
7×7分割2645 : 1

HDRコントラスト比を細かくテストした結果を掲載します。ワーストケースで2400:1以上のコントラスト比を維持できます。

PQ EOTFグラフ
(正しい明るさですか?)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(PQ EOTFと色精度)
Rec.2020 色精度
(正しい色ですか?)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(PQ EOTFと色精度)
RGBバランス
(色温度はD65ですか?)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(PQ EOTFと色精度)

正しい明るさを表示できるかをチェックする「EOTF」グラフは意外と悪くないです。MateView GT 27の限界輝度までキレイに追従できており、正しい明るさを表示します。

HDR時の色精度(Rec.2020)も驚くほど正確です。最大ΔE = 28.7、平均ΔE = 3.57です。

色温度は低輝度だと7000K前後でかなりの寒色。グレー40%あたりから、Rec.2020規格で求められるD65(6500K)前後に一致します。

表示特性そのものは全体的に良好・・・、ですが輝度が足りていません。

【参考】HDRモード時の消費電力は?
HDRモード時の消費電力電力ロガーコンセントで測定
白枠面積消費電力
1 %39 W
2.5 %39 W
5 %39 W
10 %39 W
25 %39 W
50 %39 W
75 %39 W
100 %39 W
全白フラッシュ
(※持続時間は2~3秒)
39 W

電源コンセント経由でHDRモード時の消費電力を測定しました。白面積の広さに関係なく39 W前後です。


HUAWEI MateView GT 27の開封と組み立て

ダンボールに「HUAWEI MateView GT」と印字された、簡素なパッケージで届きます。

分厚い梱包材でぎっしり、安心できる梱包状態です。

付属品
  • Display Portケーブル
  • 電源ケーブル(USB Type-C)
  • 電源アダプタ(PSE取得済み)
  • 六角レンチ
  • 説明書

普通の付属品です。映像出力用のDisplay Portケーブルと、電源アダプタ用のUSB Type-Cケーブルが付属します。

最大65 W(20 V x 3.25 A)を給電できる電源アダプタです。

組み立て工程
※クリックすると画像拡大
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(組み立て)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(組み立て)
HUAWEI MateView GT 27をレビュー(組み立て)HUAWEI MateView GT 27をレビュー(組み立て)
  1. 付属のモニタースタンドとアームを用意
  2. モニターアームを挿し込む
  3. スタンドをはめ込み、ネジを固定
    (付属品の六角レンチで固定)
  4. 組み立て完成(3分くらい)

最近のゲーミングモニターらしい、ツールレスフリーの組み立て工程です。スタンド部分の固定ネジは、付属品の六角レンチで固定できます。

まとめ:セール価格でも「割安」とは評価できない

「HUAWEI MateView GT 27」の微妙なとこ

  • パネルの均一性は普通
  • コントラスト比が公称値に達しない
  • VAパネルらしく応答速度が遅い
  • 内蔵スピーカーなし
  • 初期設定の色温度がズレてる
    (かんたんに修正できます)
  • ゲーマー向け機能が少ない
  • 湾曲型はやや用途を選びます

「HUAWEI MateView GT 27」の良いところ

  • 27インチでWQHD(ちょうどいい)
  • 最大165 Hzに対応
  • PS5で120 Hzに対応
  • 広色域パネル(DCI P3で93%近い)
  • 入力遅延が非常に少ない
  • 必要十分なエルゴノミクス(調整機能)
  • メーカー3年保証

MateView GT 27は定価5万円だと駄作で、セール価格の3万円台でようやく適正レベルのゲーミングモニターです。現状、同じ3万円台ならもっと魅力的なゲーミングモニターが他にあります。

VAパネル特有の深い黒色にどこまで価値を感じるかでGT 27の評価が変わりますが、2400~2800:1程度のコントラスト比ではイマイチです。

MOBIUZ EX2710R」など、4000:1超えのコントラスト比と平均3ミリ秒の応答速度を両立するVAパネルは一部の高級モデルに限られ、低価格なVAパネルはまだまだ性能面に難ありです。

Huawei / サイズ : 27インチ(湾曲型) / 解像度 : 2560 x 1440 / リフレッシュレート : 165 Hz / パネル : VA / 保証 : 3年

2023年5月時点で定価が約5万円です。セール時に30%オフクーポンが出たり、Yahooショッピングで実質3万円を切ったり派手に値下げされます。

応答速度を気にせず、高コントラストなWQHDゲーミングモニターが必要な方に有力な候補です。

MateView GT 27の代替案(他の選択肢)

たまに楽天市場で19800円まで値下がりする「KEIAN KPGM270」が、主な代替案です。AdobeRGBを99%カバーする、広色域なシャープ製IGZOパネル搭載で、応答速度はなんと3ミリ秒を切ります。

約3.2~3.3万円から買える「GREEN HOUSE GH 27」も魅力的な候補です。広色域で高速応答(平均3ミリ秒台)、ネイティブコントラスト1250:1超えの高品質なシャープ製IGZO IPSパネルを搭載。

没入感を求めて湾曲型ゲーミングモニターを探している方には「MateView GT 34」が割りとおすすめ。アスペクト比21:9の広い視野で没入感を得やすいです。

値段は2倍近いですが、VAパネルで高性能なら「MOBIUZ EX2710R」が適任者でしょう。4000:1超えのハイコントラストと、平均で3ミリ秒台の猛スピード応答速度を両立します。

加えて、BenQ MOBIUZシリーズ独自の便利なゲーマー向け機能をフル装備。値段に見合う「価値」を提供する、まっとうなゲーミングモニターです。

WQHDでおすすめなゲーミングモニター

最新のおすすめWQHDゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。

WQHDでおすすめなゲーミングPC【解説】

おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】

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3 件のコメント

  • いつもお世話になっております。
    VAパネルは応答速度が遅いのですね…
    INNOCNの安いVA搭載ゲーミングモニターがどうなのかかなり気になりますね…

  • 私個人しか気になる人が居ないかもしれないので申し訳ないのですが、アダプタが床に転がり邪魔orタップの隣の口が使えなくなる場合があるので、電源内蔵式ではなくアダプタ式の場合スペック欄に注釈で書いて頂けると選定の参考になるので御一考お願いします

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