ガレリアAXZの通常モデルではなく、3万円ほど値段が安くなる「ガレリアAXZ(3900X版)」をレビューします。12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xと、RTX 2080 Tiを組み合わせたハイエンドなゲーミングPCを、徹底的に検証しました。
本記事の「ガレリアAXZ」は2020年7月に販売を終了しました。
現在はリニューアルモデルの新ガレリアにラインナップが統合されているので、最新のガレリアレビューは↑こちらの記事を見てください。
GALLERIA AXZのスペックと概要
GALLERIA AXZ | ||
---|---|---|
スペック | 標準仕様 | 推奨カスタマイズ |
CPU | Ryzen 9 3900X | – |
冷却 | AMD静音CPUファン※92 mmの小型空冷ファン | – |
グリス | ノーマルグリス | – |
グラボ | RTX 2080 Ti 11GB ※2.7スロット占有の外排気モデル | – |
メモリ | DDR4-3200 8GB x2(合計16GB) | – |
マザーボード | AMD X570搭載(ATX規格) | – |
SSD | 1 TB(Gen4 NVMe SSD)※PCIe Gen4対応の超高速SSD(Phison製) | – |
HDD | – | – |
ドライブ | – | – |
電源 | 750W 静音電源SilverStone製 / 80+ Gold認証 | – |
OS | Windows 10 Home 64bit | – |
保証 | 1年間 / 持込修理保証 | – |
参考価格 | 299980円(税抜き)最新価格をチェックする |
ガレリアAXZの後継モデルGALLERIA ZA9R-R38 | ||
---|---|---|
スペック | 標準仕様 | 推奨カスタマイズ |
CPU | Ryzen 9 5900X | – |
冷却 | 水冷式CPUクーラー240 mmサイズ / GAMMAXX L240 V2+ | – |
グリス | ノーマルグリス | – |
グラボ | RTX 3080 10GB ※2.7スロット占有の内排気モデル | – |
メモリ | DDR4-3200 8GB x2(合計16GB) | – |
マザーボード | AMD X570搭載(ATX規格) | – |
SSD | 1 TB(Gen4 NVMe SSD)※PCIe Gen4対応の超高速SSD(Phison製) | – |
HDD | – | – |
ドライブ | – | – |
電源 | 750W 静音電源メーカー不明 / 80+ Gold認証 | – |
OS | Windows 10 Home 64bit | – |
保証 | 1年間 / 持込修理保証 | – |
参考価格 | 249980円(+税)最新価格をチェックする |
GALLERIA AXZを実機レビュー
外観とデザイン
GALLERIA AXZはガレリア専用(ATXサイズ対応)のPCケース「KTケース」を採用。マットブラック塗装の無骨なデザインに、剛性と耐衝撃性に優れた頑丈なPCケースです。
サイドパネル(側面)には大きめのメッシュ(通気口)が設けられており、最大140 mmのケースファンを取付可能。ただしカスタマイズからは選べないので、取り付けたい場合は自分で行う必要があります。
反対側には小さめのスリット(通気口)が設けられています。ドスパラいわく、マザーボードの熱を少しでも効率よくPCケース外に排出しようと工夫した結果、設けられたスリットとのこと。
背面はおおむねマットブラック塗装で、スタイリッシュな印象です。ただしインターフェイスパネルは塗装されていません。
インターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。
- USB 3.1 Gen1 x2
- PS/2
- Display Port
- HDMI
- USB 3.1 Gen1 x2
- WiFiアンテナ取付口
- USB 3.1 Gen2 Type-A x2
- USB 3.1 Gen1 x2
- LANポート
- オーディオ入出力
端子 | 解説 |
---|---|
WiFiアンテナ | WiFiモジュールを取付可能 |
USB 3.1 Gen1 | 約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeA | 約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート |
USB 3.1 Gen2 TypeC | TypeAと違って、左右対称・小型なポート |
LANポート | ここにLANケーブルを挿すとネットにつながる |
オーディオ入出力 | 緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」 |
PS/2 | 超古いキーボードやマウスを使うための端子 |
HDMI | 最近のモニターなら大抵はついてる端子 |
Display Port | 値段が高めのモニターについてる端子 |
DVI-D | 安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた) |
D-Sub | 安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた) |
USBポートは全部で8個もあり、しかも8個すべてがUSB 3.1 Gen1以上(内2つがGen2)です。ポータブルSSDなど高速な外付けストレージも不便することなく使えます。
- USB Type-C
- Display Port
- HDMI
- Display Port
- Display Port
グラフィックボード側のコネクタは、最近のモニターでもっぱら主流になりつつある「HDMI」や「Display Port」を4つ備えます。一方で、DVI-DやD-Subといった少しレガシーな端子はありません。
使っているモニターにHDMIやDisplay Portがない場合は、変換コネクタなどが必要です。ただ、せっかく高性能なゲーミングPCを使うのなら、ゲーミングモニターを揃えてしまうのも良いと思います。
フロント側をチェック。「ガレリアらしい」ビシッとした直線的で無骨なデザイン。左右の斜めに入ったカットデザインは「日本刀」をイメージしたものらしいです。
フロントパネル側のインタフェースパネル(フロントパネル)は必要十分な内容です。電源ボタンの下に位置するGALLERIAロゴがカッコイイですね。
- USB 3.0
- USB 3.0
- SDカードスロット
- イヤホン入出力
- 再起動ボタン
- 電源ボタン
USBは合計2ポート。USB接続のヘッドセットやポータブルストレージを使う分には、問題なく足りるポート数です。SDカードスロットがあるのが地味に親切。
天面は完全な平面デザインになっていて、幅140 mmのメッシュ(通気口)が2つ用意されています。標準カスタマイズの時点で、すでに140 mmケースファンが1つ取り付け済みです。
天面が平面になっているおかげで収納スペースとして活用できます。ただし、エアフローがこもらないように、ケースファンを取り付けている側の通気口を遮らないよう注意が必要です。
底面をチェック。ケースの四隅に取り付けてある足は「インシュレーター」です。インシュレーターはケース自体の滑り止めとして機能し、更に振動を吸収して耐久性を高める効果もあります。
なお、底面のフロント側にあるスリットは外気を取り込むために用意されています。
取り込んだ外気は背面のケースファンから排出されます。ガレリアAXZのエアフローは標準構成のままでも、しっかりと一方通行になっているので特にファンを追加する必要はなさそうです。
中身とパーツをチェック
両側のサイドパネル(フタ)を開けて、ガレリアAXZの内部コンポーネントをレビューしていく。
配線は必要十分な範囲でまとめてあります。可動パーツに当たらないように配線してあり、ガチガチな裏配線や過剰な固定はされていません。
メンテナンス性を考慮すると、これくらい緩めの配線で問題ありません。「ガレリア」は初心者にも使いやすいPCを目指しているので、こういった配慮は嬉しいです。
反対側のサイドパネルを開くと、3.5インチベイ(HDDなどを格納する場所)にアクセスできるようになります。
HDDやSSDをセットする3.5インチベイと、サイドパネルの隙間は十分に余裕がありました。ストレージ類のコネクタに不要なストレスが掛かる心配はほとんど無いです。
マウントベイの空き状況は良好です。DVDドライブなどをセットする「5.25インチベイ」は3スロット。HDDやSSDを増設する「3.5インチベイ」は4スロットの空きがあります。
3.5インチベイはツールレス機構を採用しているので、プラスドライバなどの工具がなくても素手で取り出しが可能です。
フロントパネルは強めの力で引っ張るとカンタンに取り外し可能です。こちらから5.25インチベイにDVDドライブを挿し込んだり、120 mmケースファンを交換したりできます。
CPUクーラーはAMD純正の「Wraith Prism with RGB」を搭載。ファンの大きさは92 mmと小型ですが、最大105 Wの熱を処理できる冷却性能があります。
CPUクーラーの熱をすばやく運び出すために、CPUクーラーを取り囲むようにケースファンが設置されています。トップ側に140 mm、背面に120 mmのケースファンが最初から取り付け済みです。
ちなみに、AMD純正のCPUクーラーは何気にLEDライティング対応。周期的にレインボーカラーに点灯しています。
グラフィックボードは「RTX 2080 Ti 11GB」です。今回のAXZに搭載されているのは「Palit Microsystems」製の内排気タイプのデュアルファンモデルでした。
約2.7スロットと占有するとても分厚い設計になっていて、厚みのあるヒートシンクと100 mm径の冷却ファンで、RTX 2080 Tiをしっかりと冷やせるモデルです。RTX 2080 Tiとしては非常に安価ながらも、マトモな性能があります。
マザーボードは「ASRock X570 Phantom Gaming 4」が採用されていました。CPUの安定性にかかわるVRMフェーズを合計で10個備えているので、Ryzen 9 3900XくらいのCPUなら全く問題なく動作できます。
- PCI Express x16(グラボで使用済み)
- PCI Express x1
- PCI Express x16
- PCI Express x1
- M.2スロット(使用済み)
- M.2スロット
- SATA 3.0(空き5本)
- SATA 3.0(空き2本)
拡張性は十分にあります。M.2 SSDはあと1枚、HDDやSSDは最大であと7個まで増設が可能です。その他、USB拡張カードやサウンドカードを追加する余裕もあり、よほどのことがない限り不足しません。
スロット | 解説 |
---|---|
PCI Express x16 | グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x8 | ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる |
PCI Express x4 | LANカードやサウンドカードを増設できる |
PCI Express x1 | 主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う |
PCI スロット | ものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石) |
M.2 ソケット | M.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる |
SATA 3.0 | 主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う |
一番上のM.2スロットには、M.2 SSDが取り付け済み。Phison E16コントローラを採用した、PCIe Gen4対応の超高速なNVMe SSDです。今回のガレリアAXZではCFDブランドのSSDが入っています。
容量はたっぷり1 TBあり、標準スペックのSSDとしてはおおむね満足です。カスタマイズで変更する必要は特にありません。
搭載されている電源ユニットはSilverStone製(SST-ET750-G)でした。容量750 Wで、効率は80 Plus Goldを取得しています。レポートによれば最大91.4%もの優れた変換効率を実現している、ちゃんとしたGold規格の電源です。
今回のガレリアAXZは100%の負荷を掛けた場合、消費電力は400 Wを少々上回る程度。電源容量の750 Wに対して53%の負荷率なので、余裕は十分に確保されており、スペックに対して必要十分な電源ユニットです。
ただ、マシン全体の価格がとても高価なので、カスタマイズからより信頼性の高い電源ユニットに交換するのもアリ。価格の5%くらい(約1.5万円)の電源ユニットを選んでも、高くはないですよ。
ガレリアAXZの電源をカスタマイズする場合は、CORSAIRの「RM1000x」か、Seasonicの「SSR-750FX」がオススメ。静音性はRM1000xが非常に優秀で、性能や品質はSSR-750FXが(この中から選べる電源では)最高クラス。
値段を考えると、SSR-750FXの方がおすすめできます。RM1000xは静音性こそ優秀ですが、電源だけ静かにしてもCPUクーラーやケースファンなど、他のパーツの動作音のせいで言うほど静かにならない場合がほとんどです。
ゲーミング性能を徹底検証
パーツチェックの次は、ガレリアAXZがゲーミングPCとしてどこまで優れた性能を発揮できるのか。詳しい動作検証を行います。
- 定番ベンチマークだけでなく
- 実際のゲームプレイで実測検証もする
直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチスコアよりも平均fpsの方がずっと重要です。
定番ベンチマーク
フルHD向けのベンチマークは当然オールクリア。4K解像度(3840 x 2160)のベンチマークを試してみても、「RTX 2080 Ti」のおかげで割と問題なくスコアが出ています。
次はベンチマークではなく、実際にゲームをプレイした場合の性能も見てみましょう。
フルHDゲーミングのfpsを実測
ゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。
GALLERIA AXZフルHD(1920 x 1080) / 最高設定 |
平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満
もっとも一般的なモニターの大きさである「フルHD(1920 x 1080)」では、軽めのゲームで平均144 fpsを大幅に超え200 fpsすら超えるゲームもありました。
ガレリアAXZの性能なら、フルHDのゲーミングモニター(144~240 Hz)を余裕で使えます。
WQHDゲーミングのfpsを実測
GALLERIA AXZWQHD(2560 x 1440) / 最高設定 |
フルHDより一回り大きいWQHD(2560 x 1440)に引き上げてみても、FPSゲームは基本的に平均100 fpsオーバーで余裕です。重たいゲームでも少なくとも平均60 fpsをクリアしており、余裕の動作です。
4Kゲーミングのfpsを実測
GALLERIA AXZ4K(3840 x 2160) / 最高設定 |
更に重たい4K解像度(3840 x 2160)では、ゲームによっては平均60 fpsを維持できませんが、FPSゲームは平均60 fpsをクリアできました。
ガレリアAXZには、ゲーミングモニターから4Kモニターまで、幅広いモニターで問題なくゲームをできる性能があります。
CPU性能とコンテンツ作成能力
ガレリアAXZに搭載されているCPUは「Ryzen 9 3900X」です。最大4.6 GHzで動作する12コア24スレッドのCPUなので、ゲームプレイだけでなく、クリエイティブなタスクでも圧倒的な性能を発揮できます。
まずは定番のCPUベンチマークから順番に検証し、12コア24スレッドのパワーを見てみましょう。
定番ベンチマーク
12コア24スレッドはさすがに高性能で、特に動画エンコードやレンダリング処理では圧倒的です。値段の近いCore i9 9900Kより1.4~1.5倍ものマルチスレッド性能を示しました。
動画エンコードの処理速度(x264)
過去ちもろぐでレビューを行ってきたゲーミングPCと、動画エンコード速度の比較をまとめてみると、ガレリアAXZはガレリアZZが記録した最高スコアを更新しています。
コストパフォーマンスは文句なしに優秀です。
レンダリング時間「Blender」
無料で使える有名なレンダリングソフト「Blender」にて、BMWプリセットを読み込んでレンダリングを行い、処理が終わるまでの時間を計測してみた。
Blenderの処理速度を比較
計測結果は1分57秒(117秒)で、ここ最近レビューしたゲーミングPCの中では最速のレンダリング時間です。
画像編集「Photoshop CC」
クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。
マシン | GALLERIA AXZ | GALLERIAZZ |
---|---|---|
CPU | Ryzen 9 3900X | Core i9 9900K |
グラボ | RTX 2080 Ti 11GB | RTX 2080 Ti 11GB |
メモリ | 16GB | 16GB |
総合スコア | 973.4 /1000 | 1017.6 /1000 |
一般処理のスコア | 91.6 | 97.0 |
フィルタ系のスコア | 100.3 | 105.7 |
Photomergeのスコア | 102.9 | 103.4 |
GPUスコア | 107.7 | 112.9 |
ガレリアZZと比較すると、Photoshopの総合スコアは若干負けてしまいましたが、おおむね満点に近いスコアです。体感ではどちらもほとんど変わらないので、Photoshopは余裕でしょう。
マシン | GALLERIA AXZ | GALLERIA ZZ |
---|---|---|
CPU | Ryzen 9 3900X | Core i9 9900K |
GPU | RTX 2080 Ti | RTX 2080 Ti |
RAM | 16GB | 16GB |
総合スコア | 973.4 | 1017.6 |
一般処理のスコア | 91.6 | 97 |
フィルタ系のスコア | 100.3 | 105.7 |
Photomergeのスコア | 102.9 | 103.4 |
GPUスコア | 107.7 | 112.9 |
テストの詳細結果 | ||
RAW画像の展開 | 3.52 | 4.08 |
500MBへのリサイズ | 1.42 | 1.23 |
回転 | 1.1 | 0.9 |
自動選択 | 10.36 | 10.78 |
マスク | 3.27 | 3.27 |
バケツ | 1.5 | 1.6 |
グラデーション | 0.36 | 0.31 |
塗りつぶし | 11.76 | 11.27 |
PSD保存 | 7.99 | 7.49 |
PSD展開 | 2.78 | 2.41 |
Camera Raw フィルタ | 5.71 | 5.5 |
レンズ補正フィルター | 15.67 | 15.02 |
ノイズ除去 | 15.74 | 16.9 |
スマートシャーペン | 14.63 | 16.33 |
フィールドぼかし | 15.31 | 13.86 |
チルトシフトぼかし | 13.96 | 12.9 |
虹彩絞りぼかし | 14.91 | 13.99 |
広角補正フィルター | 20 | 17.89 |
ゆがみツール(Liquify) | 11.54 | 8.58 |
Photomerge(2200万画素) | 79.13 | 75.7 |
Photomerge(4500万画素) | 100.91 | 104.39 |
※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。
ゲーム配信「OBS」
ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、ガレリアAXZの配信性能を検証します。
検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)の序盤1分を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。
検証は2パターン行います。CPUで録画配信をした場合(設定は4つ)と、グラボで録画配信をした場合(設定は2つ)の2パターンで、合計6つの設定です。
なお、ゲームプレイ時のフレームレートは144 fpsを上限に設定して、快適なゲームプレイと配信の両立ができるかどうかをチェックします。
OBSで録画と配信(240 fps制限) | ||||
---|---|---|---|---|
設定 | レンダリングラグ | エンコードラグ | 平均fps | |
CPUで | superfast | 0.1% | 0.0% | 135.3 fps |
veryfast | 0.1% | 0.0% | 131.8 fps | |
faster | 0.1% | 0.0% | 117.8 fps | |
fast | 0.0% | 0.0% | 112.1 fps | |
グラボで | Max Quality | 0.3% | 0.3% | 168.9 fps |
OBSのリアルタイムな録画配信は、特に問題ありません。高画質なfast設定もほとんどコマ落ちはなく、グラボを使った高画質配信も非常にスムーズです。
ストレージ性能と詳細
ガレリアAXZの標準ストレージは「1 TB SSD」です(※今回の貸出機にはHDDも搭載されています)。
SSDはCFDブランドのNVMe SSDです。PCIe Gen4対応のおかげで、読み込みは5000 MB/s超え、書き込みは4280 MB/sと驚異的なスピードを叩き出します。
HDDはSeagateの「Barracuda」が入っていました。読み込みは179 MB/s、書き込みが170 MB/sでした。データ保存(倉庫)向けの安価なHDDです。
エアフロー
サーモグラフィーカメラを使って「ガレリアAXZ」の内部温度を撮影しました。フロントパネル側に吸気ファン、背面に排気ファンがあって、一方通行のエアフローが生成されています。
内部コンポーネントの温度
マザーボードのVRMフェーズ周辺の表面温度は、ゲーム中でも50℃前後です。トップフロー型のCPUクーラーがマザーボードに向かって風を吹き付けるので、温度が上がりにくいです。熱暴走の心配はまったくありません。
電源ユニットの内部温度は38~41℃前後で、とても大人しい温度です。ゲーム中でこの程度の温度なら、電源ユニットは標準のままでも特に問題はないでしょう。
ゲーミング時の動作温度をチェック
ゲームにしてはCPUへの負荷が大きい「FINAL FANTASY XV」を実行している時に、CPUの温度を計測してみました。
Ryzen 9 3900Xの温度は最大82℃(平均69℃)でした。RyzenはCPU温度が80℃になると、温度が上がりすぎないように自動的に温度を調整するシステムになっているので、92 mmのCPUクーラーで意外と冷やせます。
グラフィックボード(RTX 2080 Ti)は、最大69℃(平均63℃)でした。約2.7スロットもの分厚いデザインのおかげで、冷却性能はかなり優秀です。ただし動作音は決して静かではありません。
静音性能を騒音計で検証
校正済みのデジタル騒音メーターを使って、ガレリアAXZの動作音(騒音レベル)を計測します。ケースパネルを閉じて、50 cmくらい距離をとって計測を行いました。
- PC起動前:31.3 dBA(極めて静か)
- アイドル時:36.8 dBA(やや静か)
- ゲーミング:41.8 dBA(普通)
それぞれの中央値(平均ではなく、真ん中に位置する数値)をまとめました。傾向として、ガレリアブランドは静音性には優れていないことが多いです※。コスパ重視で構成されるため、性能に関係ないパーツは安く済ませてあります。
今回のガレリアAXZも例外ではなく、ゲーム中の動作音は普通です。CPUファンの動作音が上がったり下がったりで変化が大きく、気になりやすいと思います。ただし、ヘッドセットをつけてゲームをするなら全く問題はありません。
※過去のレビューに基づいた傾向です。稀にものすごく静かなガレリアもありましたが、個体差だと思われます。基本的には普通な動作音が多いです。
「GALLERIA AXZ」レビューまとめ
- ゲーミングモニターは余裕でOK
- 4K解像度の大画面も行けます
- CPUとグラボともに冷却性能に問題なし
- とても余裕のある拡張性
- 圧倒的に余裕なゲーム録画配信
- コストパフォーマンス優秀
- 動作音は普通
- 出荷まで「5日」待ち
通常モデルのガレリアAXZは16コアのRyzen 9 3950X搭載ですが、正直なところ16コアは手に余ります。コストの割にはすべての性能を引き出すのは難しいので、価格が3万円ほど下がった「ガレリアAXZ(3900X版)」は、性能のバランスもコストパフォーマンスも素晴らしいゲーミングPCです。
12コアの力でCore i9 9900Kの1.5倍近いCPU性能を発揮し、クリエイティブなタスクも余裕でカバー。リアルタイムなゲーム録画配信も、ほとんどコマ落ちせず安定しています。
大画面(WQHD~4K)ゲーミングや、動画編集など負荷の重たいクリエイティブタスクまで。幅広い用途に対応できる、高性能なマルチタスクゲーミングPCを選ぶなら、ガレリアAXZ(3900X版)はとても魅力的です。
以上「ガレリアAXZをレビュー:12コア搭載で配信も余裕なゲーミングPC」でした。
他におすすめなガレリアは?
もっとコストパフォーマンスを求めるなら「ガレリアAXF」がおすすめです。筆者としては、ゲーミングモニターを使う前提なら「AXF」で十分と評価しています。今回のAXZは、更にマルチタスク特化なゲーミングPCですね。
もうひとつは「ガレリアAXV」も、コストバランスに優れていて割とおすすめ。ただ・・・満足度そのものはAXFの方が1ランク上です。
雷禅九・3900Xわ、2019年末辺りから単品でも普通に出回って普通に手に入るやうになったみたいですな…♪
i9 9900K & RTX2080tiの構成と比べてどうなのでしょうか。やはり今PCを組むなら第三世代Ryzenなのでしょうか。