ノートパソコン向けのインテルCPUはデスクトップ向けと違い、種類(シリーズ)が細かく分かれている。同じCore i5でも「8100Y、8250U、8300H、8305G」という具合に、恐ろしく種類が多い。
本記事ではそのような煩雑で分かりにくい、インテルのモバイルCPUについて。初心者にも分かりやすく、種類や性能をまとめます。
- 2017/07/20 : 記事を公開
- 2018/11/13 : 記事を大幅に刷新(最新世代に対応)
【種類一覧】インテルのノートPC向けCPU
CPU「グレード」は全9種
まず最初に、インテルのCPU「グレード」についてザックリとまとめて解説。ノートパソコン向けのCPUグレードは、今のところは全部で9種類ある。
ロゴ | ブランド | 用途 / 目的 | 性能 |
---|---|---|---|
Xeon-E |
| 非常に高い | |
Core i9 |
| 非常に高い | |
Core i7 |
| 高い | |
Core i5 |
| 高い | |
Core i3 |
| 普通 | |
Pentium |
| やや低い | |
Celeron |
| 低い | |
Atom |
| 貧弱 |
上から順番に、業務向けの「Xeon」、コアゲーマーやプロクリエイター向けの「Core i9」、ゲーマーやオフィス向けの「Core i7」「Core i5」、オフィスやブラウジング向けの「Core i3」「Pentium」、低価格向けの「Celeron」「Atom」の9種類です。
既にこの時点で多く感じられるが、インテルはここから更に「シリーズ」に細かく分類していく。シリーズごとにCPUの性能や特徴、どういった用途に最適化されているのかなど。性格がガラッと変わるのでしっかりと選び分ける必要がある。
「シリーズ」は全部で9種
シリーズ | 主な特徴 | 用途 / 目的 |
---|---|---|
HKHigh Power & Unlock | 極めて高性能で、オーバークロックにも対応。 |
|
HHigh Power & Locked | 高性能モデルですが、オーバークロックは不可。 | |
HQHigh Power & Quad Core | 「H」の4コア版で、最新世代では使われていない。 |
|
Gwith Radeon RX | 極めて高性能な内蔵グラフィックスを搭載する。 | |
UUltra Low | 一般的なノートパソコン向けに、消費電力が調整済み。 |
|
YExtreme Low | 小型で薄型なノートパソコン向けの、省電力性特化。 |
|
mMobile | やや古い表記で、内容は「Y」とまったく同じ。 | |
NOnborad | 組み込み機器向けに、省電力性を特化。 | |
JOnborad | 表記は違うが、基本的には「N」と同じ。 |
今のところ、パソコンショップなどで見かける最新の「シリーズ」は以上の9つです。昔は「MQ」や「MX」「QM」「E」など、もっと細かい分類があったけれど、2018年時点の最新CPUでは使われなくなりました。
なお、インテルがここまでシリーズを細かく分けた理由は、多種多様なノートパソコンごとに最適なCPUを用意するためです。たとえば、ウルトラブックやモバイルノートと呼ばれている、「軽量 & 薄型」のノートPCには熱が少なくて省電力なCPUが必要。
かと言って、シリーズを分けずに売ってしまうと「このノートPCに入っているCore i7、なぜか性能がCeleron並なんだけど?」という具合に、消費者に誤った選択をさせる原因になってしまう。だから「Y」や「m」シリーズに分類した、というわけ。
- 「ゲーム向けの激しいCPUは、HKやHQに分類しておこう。」
- 「薄型ノート向けの、大人しい低性能CPUはYやNに分類と。」
ノートパソコンはデスクトップPCと比較して、パーツを詰め込む空間が非常に少ない。だから、用途やノートパソコンのコンセプトに合わせて、設計を変更する必要があります。
結果的に、シリーズを細分化することになった。今のところ、あらゆるノートパソコンに対応できる万能型CPUを作るのは不可能。よって、シリーズの細分化が現実的な方法ということになる。
CPUの「型番」の読み方
インテルのノートパソコンCPUは、全部で9つのシリーズに分類されていることが分かった。では、CPUがどのシリーズに分類されているのか確かめるのか。方法は「型番」を正しく読むことです。覚えてしまえばカンタン。
- ブランド:「Xeon」や「Core」「Atom」などのブランド名称。
- グレード:そのブランドの中におけるランク付け。
- 世代:「5」や「7」など数字で世代を示す。数字が大きいほど新しい世代です。
- 製品ナンバー:数字が大きいほど、より性能も高い。
- シリーズ:そのCPUの分類分けです。「U」や「HK」など、接尾辞で示される。
基本的に、CPUの型番は左から順に「ブランド」「グレード」「世代」「製品ナンバー」「シリーズ」が記されている。もっとも大事なシリーズの分類分けは、一番最後の「シリーズ」を確認すると、一発で分かりますね。
なお、CPUによっては型番の順番がこのように逆転していることもあるので、注意深く読んでください。特に薄型軽量なウルトラブック / モバイルノート向けの「Y」「m」はこの傾向が強いです。
※ 公式サイトには「Core i5」としか書いていない。型番を載せないので不親切なんですよ。
ノートPC向けCPU種類別に性能と用途を解説
Xeon E業務向けワークステーションに特化
Xeonはサーバー向けのCPUで、その中の「Xeon-E」がノートパソコン向けとして販売されています。Core i7やi9に匹敵する優れた性能を持っていて、更にECCメモリー対応や、企業向けの拡張機能である「Intel vPro」に対応するなど。
普通の「Intel Core」ブランドには無い、特殊な機能を備えているのが最大の特徴※。そのため、基本的に業務向けレベルのハイエンドなクリエイターノートパソコンに搭載されていることが多い。
※ 「Intel vPro」は、Coreブランドでも一部対応モデルがあります。
CPU | Xeon E-2186M | Xeon E-2176M | Xeon E3-1505M v6 |
---|---|---|---|
世代 | 8th Coffee Lake | 7th Kaby Lake | |
コア数 | 6 | 4 | |
スレッド数 | 12 | 8 | |
ベースクロック | 2.9 GHz | 2.7 GHz | 3.0 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 4.6 ~ 4.8 GHz | 4.4 ~ 4.6 GHz | 3.8 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | 4.3 ~ 4.5 GHz | 4.1 ~ 4.3 GHz | 3.6 GHz |
オーバークロック | 不可 | ||
対応メモリ | DDR4-2666 / x2 | DDR4-2400 / x2 | |
最大メモリ | 64GB | ||
ECC | 対応 | ||
内蔵GPU | UHD Graphics 630 | HD Graphics P630 | |
GPUクロック | 350 ~ 1200 MHz | 350 ~ 1100 MHz | |
GPUコア数 | 24 | 24 | |
TDP | 45 W |
最新モデルは第8世代Coffee Lakeの「Xeon E-2186M」「Xeon E-2176M」の2種類。6コア / 12スレッドという、デスクトップのCore i7と互角のスペックに、最大4.5 GHzで動作する高いクロック設定を持つ。
ノートパソコン向けのCPUとしては、ほぼ最高クラスの性能で、まさにモンスター級と言える。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
Comparison of Mobile Processors / NoteBookCheck(以下略)
6コアのおかげで全てのコアを使った場合の性能は圧倒的。2018年時点で、Cinebenchスコアが1000点オーバーのノートパソコンはトップクラスの領域です。
「Xeon-E」のメリットと強み- ノートパソコン向けCPUでは最強クラスの処理性能
- プロのコンテンツクリエイターの実用に耐えうる
- 企業向けの特殊機能である「Intel vPro」を搭載
- ECCメモリーをサポートする
- 非常に高価なのでコスパ度外視になる
- 消費電力が大きくバッテリー持ちには期待できない
- 分厚くて重たいノートパソコンが多い
圧倒的な高性能の代わりに、省電力性は失われている。CPUにガッツリ負荷を掛けると消費電力は90~100Wくらいに達するため、100 Wh近い大容量バッテリーがあったとしても、せいぜい2時間くらいしか持たない。
加えて、発熱も大きいので冷却には一苦労。だから「Xeon-E」を搭載するノートパソコンは分厚くて大きいノートパソコンが多い。充電コネクタを含め、重量は2.3 ~ 2.5 kgくらいになります。
日本国内で「Xeon-E」を搭載しているノートパソコンは、Lenovo製の「ThinkPad」シリーズが有名。ThinkPadはアルミニウム合金製のシャーシ(筐体)を採用し、底面パネルを簡単に開封できるようになっている。
そのため、メモリーとSSD(M.2スロットのみ)の増設に余地があって、ユーザーフレンドリーな仕様です。
最上位モデルの「ThinkPad P72 : VRクリエイター版」は、Xeon-E 2176M、ECCメモリーを16GB、グラボにQuadro P4200を搭載する国内最強のモバイルワークステーション。価格は約50万円…おそろしい。
もうワンランク下のXeon-E 2176M搭載のモバイルワークステーションは「ThinkPad P1 : 3DCG & CAD向けモデル」。画面が15.6インチに小さくなり、グラボがQuadro P2000に格下げされている。それでも価格は約30万円です。
とはいえ、れっきとしたECCメモリーを搭載する「ワークステーション」ですし、妥当な価格には見えます。
HKシリーズモンスターゲーミングノートPC向け
「HK」は最上位シリーズで、Core i9に見られる。クロック周波数は非常に高く、コア数も「6個」で非常に多い。デスクトップ向けのハイエンドCPUに匹敵する性能を持っているため、重たいゲームやクリエイティブな用途に耐える。
ちなみにHKの「K」は、オーバークロック可能という意味です。ただでさえ性能が高いのに、オーバークロックでもっと性能を高めることも可能。
CPU | Core i9 8950HK |
---|---|
世代 | 8th Coffee Lake |
コア数 | 6 |
スレッド数 | 12 |
ベースクロック | 2.9 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 4.6 ~ 4.8 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | 4.3 ~ 4.5 GHz |
オーバークロック | 可能 |
対応メモリ | DDR4-2666 / x2 |
最大メモリ | 64GB |
ECC | なし |
内蔵GPU | UHD Graphics 630 |
GPUクロック | 350 ~ 1200 MHz |
GPUコア数 | 24 |
TDP | 45 W |
HKシリーズに分類されているCPUは「Core i9 8950HK」のみ。6コア / 12スレッド搭載で、ブースト時のクロックは4.3 GHzに設定されており、冷却に余裕があれば更に0.2 GHz追加してブーストする「Thermal Velocity Boost」にも対応する。
現時点で、インテル製のモバイルCPUとして最高のスペック。手動オーバークロックも可能なので、更なる性能をアップを目指すのも良いし、あえてクロックを下げて、温度を抑えた運用でも良いと思います。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
性能はXeon Eシリーズを超える。今のところ「最強」の性能に位置しており、Core i9はもっぱらモンスター級のハイエンドゲーミングノートPCに採用されている。
「HK」シリーズのメリットと強み- ノートパソコン向けCPUでは最強クラスの処理性能
- クリエイター用途にも非常に高い性能を発揮
- ノートPCで最強のゲーミング性能
- とても高価なのでコスパ度外視になる
- 消費電力が大きくバッテリー持ちには期待できない
- ゴテゴテと分厚く、非常に重たいノートパソコンが多い
最強のゲーミング性能が主なメリット。高性能なグラフィックボードと組み合わせても、フレームレートを無駄なく叩き出せる。一方で、Core i9と高性能なグラボを搭載するノートPCはとてつもなくデカイ。
重量は2kgをやすやすと突破して、4kgに迫るようなゲーミングノートPCまで存在する。消費電力はCPUだけで100Wを超え、グラボも含めると200 ~ 300Wに領域に到達してしまいます。
そのため90 Whを超える大容量バッテリーをもってしても、せいぜい1時間しか持たない。しかも、バッテリー駆動だと性能が低下するノートパソコンもあるので、充電しながら使うのが前提になっている。
ノートパソコンと言うより「薄型の小型ゲーミングPC」と、表現した方がしっくり来るレベルですね。
BTOでは非常に少ない。主にブランドメーカーから、見るからにメカメカしい「モンスター級のゲーミングノート」がリリースされている。
高額なゲーミングブランドと言えば、DELLのエイリアンウェアが有名。17.3インチ(WQHD / 120 Hz)のゲーミングモニターを持つ「Alienware 17 Spremacy」の最上位モデルに、Core i9が搭載済み。
もっと凄まじいスペックを持つモンスターノートが「ROG G703GI」。ゲーミングには十分過ぎる64GBメモリーを備え、SSDはNVMe 256GBを2つ使ってRAID 0を構成している無駄に速度特化な仕様。
それだけでなく、搭載されているディスプレイもハイスペック。AU Optronics製のIPSパネル(17.3インチ)を採用しており、リフレッシュレートは144 Hz対応、G-SYNCにも対応している凄まじい仕様。ディスプレイだけで7~8万はする。
ちなみに重量は…アダプタを含め4.7 kgです。デカイ。
ROG G703GIに対して、負けじとハイスペックな競合マシンが「GT75 Titan」。ただし、こちらはディスプレイがInnolux製のTNパネル(17.3インチ)になっており、G-SYNCには対応しているけれどリフレッシュレートは120 Hzまで。
モニターの性能を見ると、やや魅力に欠けているが、冷却性能は優秀です。冷えやすい分、CPU性能は少しだけ高いスコアが出てくる傾向がある。なお、重量はアダプタを含めて約6 kgを超える。
冷却に特化したため、重量はとんでもないことになってしまった。
Hシリーズ普通のゲーミングノートPC向け
主に「Core i7」「Core i5」「Core i3」で、ゲーミングノートPC向けに最適化されたCPUが「H」シリーズに分類された。モンスター級ではなく、数万~30万円くらいの普通なノートパソコン向けのCPUです。
フルHDゲーミングにそれほど不足しないバランスの取れた性能と、そこそこのコストパフォーマンスを両立しているため、高性能シリーズの中ではもっとも万人向けと言える。
CPU | Core i7 8850H | i7 8750H | i5 8400H | i5 8300H | i3 8100H |
---|---|---|---|---|---|
世代 | 8th Coffee Lake | ||||
コア数 | 6 | 4 | 4 | ||
スレッド数 | 12 | 8 | 4 | ||
ベースクロック | 2.6 GHz | 2.2 GHz | 2.5 GHz | 2.3 GHz | 3.0 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 4.3 GHz | 4.1 GHz | 4.2 GHz | 4.0 GHz | – |
ブーストクロック全コア動作時 | 4.0 GHz | 3.9 GHz | 4.1 GHz | 3.9 GHz | – |
オーバークロック | 不可 | ||||
対応メモリ | DDR4-2666 / x2 | ||||
最大メモリ | 64GB | ||||
内蔵GPU | UHD Graphics 630 | ||||
GPUクロック | 350 ~ 1150 MHz | 350 ~ 1100 MHz | 350 ~ 1000 MHz | ||
GPUコア数 | 24 | 23 | |||
TDP | 45 W |
Core i7は「6コア / 12スレッド」で、デスクトップ版と同じ仕様。Core i5は「4コア / 8スレッド」で1世代前のHQシリーズと同じスペック。Core i3は「4コア / 4スレッド」で、デスクトップ版と同じです。
デスクトップ版のCoreシリーズと同じスペックとは言っても、消費電力はノートパソコン向けに調節されているので同じ性能にはならない。それでも、従来の2~4コアと比較すれば、大幅に性能が伸びています。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
第8世代(最新)第7世代
従来の同じグレードと性能比較すると、第8世代の「H」シリーズは30~50%も性能が進化した。これでもデスクトップ版より2~3割劣る性能ですが、ノートパソコンの性能としては非常に優秀。
フルHDゲーミングや、Adobeソフトを使った動画編集やRAW現像くらいの用途なら、なんてことはない。据え置き前提で性能の良いバランスの取れたノートパソコンがほしいなら、最新の「H」シリーズから選べば間違いないですね。
「H」シリーズのメリットと強み- ノートパソコンCPUとして、とても高い性能
- 動画編集やRAW現像など、Adobe系ソフトもOK
- フルHDゲーミングなら間に合うゲーミング性能
- BTOだとコストパフォーマンスもそこそこ良い
- 消費電力は大きいので、バッテリー持ちはイマイチ
- 据え置きが前提の重たいノートパソコンが多く、携帯性は悪い
グラフィックボードを搭載するモデルが多いので、基本的に据え置きが前提。気軽に持ち運べるほど軽量なモデルはほとんど無いし、CPUをフルパワーで使うと消費電力はカンタンに90Wに達するので、充電無しで使うのは難しい。
Core i7 8750Hで比較的コストパフォーマンスが良いのは、マウスコンピューターのゲーミングブランドであるG-Tuneが販売している「NEXTGEAR-NOTE i5330GA2-C」など。GTX 1050搭載なので、軽いゲームなら余裕の性能。
重たいゲームをするならGTX 1060 6GBを搭載する「GALLERIA GCF1060GF」がちょうど良い。単にコスパが良いだけでなく、搭載ディスプレイが120 Hzのリフレッシュレートに対応している点も、意外と見逃せない魅力。
ただ、性能の割にはシャーシ(筐体)がかなり薄型なので、高負荷時にファンの動作音が大きいのが弱点だったり。気にせずゲーミングするなら、ヘッドセットは必要になる。似た機種のレビューは以下より。
クリエイター向けに仕様が特化されているのは「DAIV-NG7510」。最大の特徴は、ディスプレイが4K(3840 x 2160)で、AdobeRGB比100%対応の色再現度を持っていること。幅広い色域を表示できる。
HQシリーズ今となっては「旧世代」を示すシリーズ
第8世代が登場する前は、「HQ」シリーズの方が「H」シリーズより格上でした。今はi7 8750Hなど、6コアを搭載するCPUが普通に存在するので、「高性能な4コア」を意味するHQはもう古い存在になっています(QがQuadで4を意味する)。
CPU | Core i7 7920HQ | i7 7820HQ | i7 7700HQ | i5 7440HQ | i5 7300HQ |
---|---|---|---|---|---|
世代 | 7th Kaby Lake | ||||
コア数 | 4 | 4 | |||
スレッド数 | 8 | 4 | |||
ベースクロック | 3.1 GHz | 2.9 GHz | 2.8 GHz | 2.8 GHz | 2.5 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 4.1 GHz | 3.9 GHz | 3.8 GHz | 3.8 GHz | 3.5 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | 3.7 GHz | 3.5 GHz | 3.4 GHz | 3.4 GHz | 3.1 GHz |
オーバークロック | 不可 | ||||
対応メモリ | DDR4-2400 / x2 | ||||
最大メモリ | 64GB | ||||
内蔵GPU | HD Graphics 630 | ||||
GPUクロック | 350 ~ 1150 MHz | 350 ~ 1100 MHz | 300 ~ 1100 MHz | ||
GPUコア数 | 24 | ||||
TDP | 45 W |
スペック的にはそれほど悪いものでは無いけれど、同じ値段のノートパソコンから選ぶなら、やはり6コア搭載のCore i7(Hシリーズ)の方が良いよね…となります。
型落ち品を狙ってコスパよく入手するなら…悪くはない選択肢です。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
第8世代第7世代
性能比較はこの通り。700点台の性能なので、フルHDゲーミングをするとか、Adobe系ソフトで軽い動画編集やRAW現像をするくらいなら、それほど不足する性能では無い。
「HQ」シリーズのメリットと強み- ノートパソコンCPUとしては「中の上」の性能
- 軽めの動画編集やRAW現像なら、不足しない
- フルHDゲーミングもそこそこ行けます
- 型落ち品を狙えばコストパフォーマンスはかなり良好
- 消費電力はやや大きいので、バッテリー持ちはイマイチ
- 据え置きが前提の重たいノートパソコンが多く、携帯性は悪い
傾向はさきほどの「H」シリーズとほぼ同じ。据え置きが前提の大きいノートパソコンが多く、バッテリー持ちも悪いので持ち運んで使うのには適さない。
目立ったメリットは「型落ち品」を狙えるということくらい。例えば、i7 8750Hのノートが20万でi7 7700HQが14~15万なら、後者を選ぶのはアリだと思う。
かなり探しましたが、非常に少ない状況でした。狙い目であるBTOの型落ち品やアウトレットも基本的に売り切れており、入手性とコスパを両立しているのはLenovo製「Legion」シリーズくらいなものです。
型落ち品で在庫限りということで、スペックの割には非常に安い。Core i7 + GTX 1060のノートPCは税込みで17~18万くらいは掛かるが、Legion Y720なら15万程度。Core i5版は13.5万と、非常に安い。
搭載ディスプレイは15.6インチのフルHD(1920 x 1080)で、色再現度が高い傾向のIPSパネルが採用されている。
Gシリーズ軽量ゲーミングノートやNUC向け
「G」シリーズは2018年に初登場した、インテルのモバイルCPU最新シリーズです。ライバル企業のAMDとコラボレーションして、インテル製の4コアCPUと、AMD製の高性能グラボを統合して誕生した。
特に、AMD製の「Radeon RX Vega M」と呼ばれる内蔵グラフィックスは非常に高性能で、今まで存在してきたどの内蔵グラフィックスよりも遥かに高い性能を持っている。「G」シリーズ最大の武器は、間違いなく最強の内蔵GPUです。
CPU | Core i7 8809G | i7 8709G | i7 8706G | i7 8705G | i5 8305G |
---|---|---|---|---|---|
世代 | 7th Kaby Lake | ||||
コア数 | 4 | ||||
スレッド数 | 8 | ||||
ベースクロック | 3.1 GHz | 2.8 GHz | |||
ブーストクロックシングルコア動作時 | 4.2 GHz | 4.1 GHz | 3.8 GHz | ||
ブーストクロック全コア動作時 | 3.9 GHz | 3.7 GHz | 3.4 GHz | ||
オーバークロック | 可能 | 不可 | |||
対応メモリ | DDR4-2400 / x2 | ||||
最大メモリ | 64GB | ||||
内蔵GPU #1Intel製 | HD Graphics 630 | ||||
GPUクロック | 350 ~ 1100 MHz | ||||
GPUコア数 | 24 | ||||
内蔵GPU #2AMD製 | Radeon RX Vega M GH | Radeon RX Vega M GL | |||
GPUクロック | 1063 ~ 1190 MHz | 931 ~ 1011 MHz | |||
GPUコア数 | 1536 | 1280 | |||
GPUメモリ | 4GB(規格 : HBM2) | ||||
TDP | 100 W | 65 W |
今、出回っている「G」シリーズは、第7世代のCore i7 / i5をベースにしている。そこにAMD製のGPUを統合しています。注意したいのは、内蔵GPUは「Vega M GH」と「Vega M GL」の2種類ある点。
「GH」はGraphics Highの略で、要するに高性能バージョン。一方「GL」はGraphics Lowで、低性能バージョンとなっている。コア数が20%、クロックが18%低いので、性能はかなり低下する。
まぁ…それでもなお、Vega Mシリーズが「最強の内蔵グラフィックス」であることは、現状揺るぎない。
グラフィック性能の比較(3DMark Ice Storm)
AMDNVIDIAIntel
スマートフォン用のゲームと同じくらい軽いベンチマーク「Ice Storm Unlimited」で性能を競うと、結果はHD 630の約3.6倍ほど。ベンチマークが軽すぎて、本気を出せていない様子。もっと重たい負荷を掛けると傾向が変わります。
グラフィック性能の比較(3DMark Fire Strike)
AMDNVIDIAIntel
PC用のフルHDゲーミングに匹敵する重さを持つ「Fire Strike」だと、性能差は一気に開いて最強の躍り出る。低性能バージョン「GL」ですら、GTX 1050をやや上回る性能を発揮し、「GH」はもはや外付けグラボと同じ領域に達しています。
内蔵グラフィックスとしては、2018年時点でぶっちぎりの最強性能です。「RX Vega M GL」のGPU性能に興味がある人は、以下の記事もおすすめ。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
第8世代第7世代(Gシリーズ)第7世代
内蔵グラフィックスだけでなく、CPU性能もそこそこ優秀。4コア / 8スレッドなので、ノートパソコンとしては「中の上」くらいの性能は出る。最新の6コアには及ばないが、十分でしょう。
「G」シリーズのメリットと強み- ノートパソコンCPUとしては「中の上」の性能
- 軽いゲームなら余裕、最強の内蔵グラフィックス搭載
- クリエイティブな用途も、そこそこ行ける
- 2kg台のノートパソコンとして非常にパワフル
- 消費電力が大きいので、バッテリー持ちは悪い
- 軽さが魅力ですが、コストパフォーマンスはやや悪い
CPUとグラボをワンチップ化したので、GTX 1050と互角の性能を持ったゲーミングノートを、2kg前後で実現できる「軽さ」が大きな魅力。普通は2kgなんてぶち抜けて、3kgに迫ることが多いですから。
というわけで、「性能の割に軽いノートパソコン」を求めているなら、Gシリーズ搭載モデルから探すと見つけやすいですね。
筆者が探してみて、「良さげだな~。」と思ったノートパソコンをいくつか紹介 & まとめ。
まず目に入ったのが、2 in 1タイプの「HP Spectre 15 x360」。デザインが驚くほど洗練されていて、重量は2.13kgとかなり抑えています。ディスプレイは4K(3840 x 2160)のIPSパネルで、高精細かつキレイ※。
軽量でスタイリッシュな高性能ノートパソコンなら、これがベストな感じ。ただし、デザインを重視したシャーシ(筐体)なので、底面パネルを開けるのは難しいのが弱点。パーツの追加は困難なので、最初からカスタマイズしておくのが良い。
※ 15.6インチで4Kは高精細過ぎて逆にしんどいので、150~200%に拡大表示して使うことになるかも。
次は「Dell XPS 9575」(19Q31)。こちらもスペック的には似たようなモノだけれど、値段は1割ほど高い。なぜ価格が高いのかと言うと、主にディスプレイとシャーシ(筐体)の出来栄えに要因がある。
本体重量は2.0kgで、更に軽量化に磨きを掛けた。底面パネルはやはり開けにくいが、一旦開封すればすぐにメモリスロットとM.2スロットにアクセスできるのがユーザーフレンドリー。
ディスプレイは4K(3840 x 2160)で、15.6インチ。一見同じスペックに見えるが、シャープ製パネルを採用しており、色域が広いというメリットがある。sRGB比率は約98%なので、ディスプレイの美しさはXPS 9575に分があります。
最後はインテル純正品の「Hades Canyon NUC8i7HVK」を紹介。ノートパソコンではなく、「NUC」と呼ばれるキットです。半分まで組み立て済みの自作PCというイメージをしてもらえればOK。
なので、自分でメモリーとSSDを用意してWindowsをインストールする必要がある。超小型でパワフルなパソコンを組むなら、もっとも手っ取り早い方法です。
Uシリーズ一般的なオフィス用ノートPC向け
ノートパソコンで一番よく使われている「U」シリーズ。第7世代まで2コアだったので、「Core i7と名乗っておきながら2コア搭載ってどうなの?」と筆者が問題に思っているシリーズでした。
幸いなことに、第8世代から倍増して4コアになったため、ようやくCore i7らしい性能に進化している。ノートパソコン向けに消費電力を調節してあるので、ほど良い性能と省電力性を実現しているバランス型CPUですね。
Core i7の「U」シリーズまとめ | ||||
---|---|---|---|---|
CPU | Core i7 8650U | i7 8550U | i7 8565U | i7 8559U |
世代 | 8th Kaby Lake Refresh | 8th Whiskey Lake | 8th Coffee Lake | |
コア数 | 4 | 4 | 4 | |
スレッド数 | 8 | 8 | 8 | |
ベースクロック | 1.9 GHz | 1.8 GHz | 1.8 GHz | 2.7 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 4.2 GHz | 4.0 GHz | 4.6 GHz | 4.5 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | – | – | 4.1 GHz | 4.1 GHz |
オーバークロック | 不可 | |||
対応メモリ | DDR4-2400 / x2 | |||
最大メモリ | 32GB | |||
内蔵GPU | UHD Graphics 620 | Iris Plus Graphics 655 | ||
GPUクロック | 300 ~ 1150 MHz | 300 ~ 1200 MHz | ||
GPUコア数 | 24 | 48 | ||
TDP | 15 W | 28 W |
基本スペックは4コア / 8スレッドで、TDPが15 Wに抑えられているのが特徴。スタンダードな「8550U」の他に、クロック特化型の「8565U」や内蔵GPU強化型の「8559U」など。派生タイプがあるのも面白いところ。
Core i5の「U」シリーズまとめ | |||||
---|---|---|---|---|---|
CPU | Core i5 8350U | i5 8250U | i5 8265U | i5 8269U | i5 8259U |
世代 | 8th Kaby Lake Refresh | 8th Whiskey Lake | 8th Coffee Lake | ||
コア数 | 4 | 4 | 4 | ||
スレッド数 | 8 | 8 | 8 | ||
ベースクロック | 1.7 GHz | 1.6 GHz | 1.6 GHz | 2.6 GHz | 2.3 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 3.6 GHz | 3.4 GHz | 3.9 GHz | 4.2 GHz | 3.8 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | – | – | 3.7 GHz | 3.9 GHz | 3.6 GHz |
オーバークロック | 不可 | ||||
対応メモリ | DDR4-2400 / x2 | ||||
最大メモリ | 32GB | ||||
内蔵GPU | UHD Graphics 620 | Iris Plus Graphics 655 | |||
GPUクロック | 300 ~ 1100 MHz | 300 ~ 1100 MHz | 300 ~ 1150 MHz | ||
GPUコア数 | 24 | 48 | |||
TDP | 15 W | 28 W |
Core i5の場合も、基本スペックは4コア / 8スレッドで、TDPは15 Wです。スタンダード版、クロック特化、GPU強化タイプの3種が存在する。
Core i3の「U」シリーズまとめ | |||
---|---|---|---|
CPU | Core i3 8130U | i3 8145U | i3 8109U |
世代 | 8th Kaby Lake Refresh | 8th Whiskey Lake | 8th Coffee Lake |
コア数 | 2 | 2 | 2 |
スレッド数 | 4 | 4 | 4 |
ベースクロック | 2.2 GHz | 2.1 GHz | 3.0 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 3.4 GHz | 3.9 GHz | 3.6 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | 3.4 GHz | 3.7 GHz | 3.6 GHz |
オーバークロック | 不可 | ||
対応メモリ | DDR4-2400 / x2 | ||
最大メモリ | 32GB | ||
内蔵GPU | UHD Graphics 620 | Iris Plus Graphics 655 | |
GPUクロック | 300 ~ 1000 MHz | 300 ~ 1050 MHz | |
GPUコア数 | 24 | 48 | |
TDP | 15 W | 28 W |
Core i3は従来通り2コア / 4スレッドのまま。TDPは15 W。他の「U」シリーズと同じく、3タイプ存在する。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
第8世代第7世代
Core i7とCore i5のスペックがほぼ同じなので、性能もだいたい同じなのが特徴。ということは、コストパフォーマンスを重視するなら、Core i5で十分ですね。あえて高いコストを払って、Core i7を選ぶメリットは少ない。
「U」シリーズのメリットと強み- Web閲覧やOfficeソフトなど、日常的な使い方には十分すぎる性能
- イラストソフトやAdobeソフトもOK
- バッテリー持ちは良好
- コストパフォーマンスが高い
- CPUをフルに使うと消費電力は30~40Wにもなる
- ゲーミング性能は「H」シリーズと比較して、かなり劣る
ゲームや動画エンコードをしない、ライトな使い方であれば、バッテリーは5~6時間ほど持つノートパソコンが多い。バッテリー容量が多いモデルを選べば、9~10時間は行けるモノもあるので、バッテリー持ちは良好です。
一方で、消費電力が跳ね上がるゲームや動画エンコードをすると、バッテリー持ちは極端に悪くなるので注意(長くて2~3時間、せいぜい1時間が良いレベルに落ち込む)。
日常的な使い方から、Adobeソフトで短めの動画編集や写真編集など、少しクリエイティブな使い方もしたい。というマルチタスクな人には「Critea VF-HEKS」がおすすめ。
Core i7 8550U + GeForce MX150搭載なので、割りといろいろ出来る性能です。
持ち運びのしやすさで選ぶなら「LG Gram」がすごい。本体の重量はわずか965gと、1kgを割り込む「超軽量ノートパソコン」。カーボンを混ぜ込んだマグネシウム合金をシャーシ(筐体)に使うことで、耐久性と軽さを両立した※。
そして72 Whの大容量バッテリーを搭載しているので、Web閲覧やイラストを描くような使い方だと、充電せずに10時間は持つ。なかなか優秀なノートパソコンですが、日本での知名度は非常に低い。
※ Notegear社による耐久テストを見る限り、非常に頑丈な様子です。
デザインとブランドに対する所有欲を満たすなら、今のところ「Surface Laptop 2」が至高のように思える(Windowsノートパソコンの場合)。初代からデザインが全く変わっていないけれど、マイクロソフト自身も改善の余地が無いくらいに、惚れ込んでいるのかも。
なお、価格が妙に高く設定されているけれど、「Office Home & Business 2016」が付属するからです。Office無しには出来ないところが、欠点ですね。
コストパフォーマンス重視なら「Ideapad 530S」(81EU00DRJP)がベスト。i5 8250U + 8GBメモリ + 256GB SSDという構成を、7万円台に収めたのは優秀。ただし、重量は1.49kgと少々重たい。
YシリーズタブレットPCや2 in 1向けの低電力モデル
2014年ごろに誕生した「Core m」ブランドが始まりでした。その後は「Core i」ブランドに統合されて、「Core i7のくせにCeleron並の性能なんだが?」という具合で、消費者にしばしば混乱をもたらすCPUとなっていました。
そして2018年に入り、現在はCore i7とi5は以前のままになり、Core i3だけ「Core m3」ブランドに戻ることに。率直に言って、全部「m7」「m5」「m3」に分類してくれたほうが、親切だと思います…。
見分け方は最初に解説した通り、型番に「Y」が入っているかどうか。あるいは「m3」表記になっているかです。くれぐれも「超軽量、超薄型なのに、Core i7搭載でパワフル。」みたいな宣伝に引っかからないように。
YシリーズはTDPをわずか5 Wに抑えた「超低電力」シリーズです。冷却ファン無しで冷やせる仕様になっているので、ウルトラブックやモバイルノートといった薄型や、タブレットPCや2 in 1にもよく採用されています。
5 Wに制限されているので、性能は当然悪い。コストパフォーマンスも悪い。性能を重視しているなら、おすすめはしない。
第8世代の「Y」シリーズまとめ | ||||
---|---|---|---|---|
CPU | Core i7 8500Y | i5 8210Y | i5 8200Y | m3 8100Y |
世代 | 8th Amber Lake | |||
コア数 | 2 | |||
スレッド数 | 4 | |||
ベースクロック | 1.5 GHz | 1.6 GHz | 1.3 GHz | 1.1 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | 4.2 GHz | 3.6 GHz | 3.9 GHz | 3.4 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | 3.6 GHz | 3.2 GHz | 2.7 GHz | |
オーバークロック | 不可 | |||
対応メモリ | LPDDR3-1866 / x2 | LPDDR3-2133 / x2 | LPDDR3-1866 / x2 | |
最大メモリ | 16GB | |||
内蔵GPU | UHD Graphics 615 | UHD Graphics 617 | UHD Graphics 615 | |
GPUクロック | 300 ~ 1050 MHz | 300 ~ 960 MHz | 300 ~ 900 MHz | |
GPUコア数 | 24 | |||
TDP | 5 W | 7 W | 5 W |
まだほとんど流通していない第8世代のYシリーズのスペックは以上の通り。従来と同じく、2コア / 4スレッド。ブースト時のクロック周波数が改善されたくらいで、特に目新しいところはない。
第7世代の「Y」シリーズまとめ | |||||
---|---|---|---|---|---|
CPU | Core i7 7Y75 | i5 7Y57 | i5 7Y54 | m3 7Y32 | m3 7Y30 |
世代 | 7th Kaby Lake | ||||
コア数 | 2 | ||||
スレッド数 | 4 | ||||
ベースクロック | 1.3 GHz | 1.2 GHz | 1.0 GHz | ||
ブーストクロックシングルコア動作時 | 3.6 GHz | 3.3 GHz | 3.2 GHz | 3.0 GHz | 2.6 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | – | ||||
オーバークロック | 不可 | ||||
対応メモリ | LPDDR3-1866 / x2 | ||||
最大メモリ | 16GB | ||||
内蔵GPU | UHD Graphics 615 | ||||
GPUクロック | 300 ~ 1050 MHz | 300 ~ 950 MHz | 300 ~ 900 MHz | ||
GPUコア数 | 24 | ||||
TDP | 5 W |
今も使われている第7世代のYシリーズはこんな感じ。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
i7からm3まで基本スペックはほぼ同じなので、性能もだいたい同じになる。あえてCore i7を選ぶメリットはほとんど無いので、Core i5 / m3あたりを選ぶのが一番コスパが良い。
「Y」シリーズのメリットと強み- 日常的な使い方なら、さほど支障はない性能
- 軽量・薄型のノートパソコンが多い
- 発熱が少ないので静音性が高い
- 消費電力が低いので、バッテリー持ちは良好
- コストパフォーマンスは悪い
- クリエイティブな作業には性能不足
タブレットとしては優秀な性能ですが、ノートパソコンとしてはかなりの低性能。用途と目的をハッキリとさせた上で選ばないと、「性能悪すぎる、失敗したかも。」となりやすい。
Apple MacBookのようなブランド品の他、Huawei Matebook EやAcer Spin 7のような2 in 1タイプのノートパソコンが代表的ですが、高い割にそれほど軽量というわけでもない製品が多い。
ファンレスで静音性が高い(というか無音)というメリットは大きいけれど、あまりにコスパが悪い。軽量で性能も良いノートPCなら「LG Gram」が強いですし、現状はあえてYシリーズ搭載PCを選ぶ必要があまり無い。
第8世代のYシリーズに期待です。
Pentiumシリーズ低価格ノートPC向け
Coreブランドの「Y」シリーズより更に単価が安く、処理速度もOfficeソフトやブラウザくらいなら動かせる「程度」のレベルです。2~5万円くらいの低価格ノートパソコンでよく採用されている。
CPU | Pentium Gold 4415U | Gold 4415Y | Gold 4410Y | Silver N5000 | N4200 |
---|---|---|---|---|---|
世代 | 7th Kaby Lake | 6th Gemini Lake | 5th Apollo Lake | ||
コア数 | 2 | 4 | 4 | ||
スレッド数 | 4 | 4 | 4 | ||
ベースクロック | 2.3 GHz | 1.6 GHz | 1.5 GHz | 1.1 GHz | 1.1 GHz |
ブーストクロックシングルコア動作時 | – | 2.7 GHz | 2.5 GHz | ||
ブーストクロック全コア動作時 | – | 2.6 GHz | 2.4 GHz | ||
オーバークロック | 不可 | ||||
対応メモリ | DDR4-2133 / x2 | DDR4-2400 / x2 | DDR3-1866 / x2 | ||
最大メモリ | 16GB | 8GB | 8GB | ||
内蔵GPU | HD Graphics 610 | HD Graphics 615 | UHD Graphics 605 | HD Graphics 505 | |
GPUクロック | 300 ~ 950 MHz | 300 ~ 850 MHz | 200 ~ 750 MHz | 200 ~ 750 MHz | |
GPUコア数 | 12 | 24 | 18 | 18 | |
TDP | 15 W | 6 W | 6 W | 6 W |
スペック表を見てみると、Coreブランドと比較してクロック周波数が低く、内蔵グラフィックスも貧弱なモノが使われています。そしてPentiumの中でも、「U」「Y」「N」と3つのシリーズに分類されている。
「U」は一般的なノートPC向けでTDPは15 Wと普通です。「Y」や「N」は低電力に特化していて、わずか6 Wで動く。安くて低電力なので、低価格の軽量タブレットPCでも、よく使われている傾向。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
性能は「Core m3」より低いけれど、「4415U」と「N5000」は意外と悪くない。
「Pentium」シリーズのメリットと強み- Officeソフト、ブラウザには困らない性能
- 低価格なノートパソコンが多い
- 消費電力が低いので、バッテリー持ちは良好
- マルチタスクに弱い
- コストパフォーマンスは割りと妥当なレベル
一昔前のモバイルPentiumはもっと貧弱だったけれど、最新世代の「4415U」や「N5000」が登場したおかげで、かなり持ち直している。「Pentiumと言う割には貧弱だな~…」など、地雷に当たる確率はずいぶんと下がりました。
せっかくPentiumは低価格CPUですから、無理をしていない範囲で低価格なノートパソコンを選びたいところ。探してみると、意外と低価格なPentiumノートパソコンは少なかった。
トップクラスにコスパ良好なのはLenovoの「Ideapad 330S」です。OfficeソフトやYoutube視聴、イラストソフトくらいなら、そこそこ動いて4万円台なのでコスパは優秀。
弱点は、14インチのノートパソコンの割には、重量がコネクタ含め約1.6kgであること。ディスプレイの性能はそれほど良くないこと。まぁ、価格が価格なので、妥協する部分だとは思う。
デザインやブランド重視なら「Surface Go」くらいしか無い。Office付属、色が綺麗なシャープ製ディスプレイ(sRGB比は約97%)、充電コネクタ含めて約700gという軽さ。などなど、モノの良さを考慮すると妥当な価格。
ただ、海外ではOffice無しバージョンが429ドルで販売されているので、日本なら4.9~5.0万円くらいで売ることも出来たはず。日本ではOffice付属じゃないと売れないと思っているのか、わざとやっているのか…そのあたりが惜しい。
Celeronシリーズ格安ノートPCやタブレット向け
ブランド名を聞いただけで「低性能」と分かる、それが「Celeron」です。非常に安価なノートパソコンやタブレットPCを中心に使われていて、海外ではChrome OSを搭載した教育機関向けの「Chrome Book」にもよく搭載されています。
CPU | Celeron 3965U | 3865U | 3965Y | N4100 | N4000 | N3450 | N3350 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 7th Kaby Lake | 6th Gemini Lake | 5th Apollo Lake | ||||
コア数 | 2 | 4 | 2 | 4 | 2 | ||
スレッド数 | 2 | 4 | 2 | 4 | 2 | ||
ベースクロック | 2.2 GHz | 1.8 GHz | 1.5 GHz | 1.1 GHz | 1.1 GHz | ||
ブーストクロックシングルコア動作時 | – | 2.4 GHz | 2.6 GHz | 2.2 GHz | 2.4 GHz | ||
ブーストクロック全コア動作時 | – | 2.3 GHz | 2.5 GHz | 2.1 GHz | 2.3 GHz | ||
オーバークロック | 不可 | ||||||
対応メモリ | DDR4-2133 / x2 | DDR4-2400 / x2 | DDR4-2400 / x2 | ||||
最大メモリ | 16GB | 8GB | 8GB | ||||
内蔵GPU | HD Graphics 610 | HD Graphics 615 | UHD Graphics 605 | UHD Graphics 600 | HD Graphics 500 | ||
GPUクロック | 300 ~ 900 MHz | 300 ~ 850 MHz | 200 ~ 750 MHz | 200 ~ 650 MHz | 200 ~ 700 MHz | 200 ~ 650 MHz | |
GPUコア数 | 12 | 24 | 18 | 12 | 12 | ||
TDP | 15 W | 6 W | 6 W | 6 W |
Pentiumと同じく、Celeronも「U」「Y」「N」に分類されている。基本的に「U」の方が性能は高いけれど、「N」でも4コア搭載の場合は互角かそれ以上の場合があるので注意。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
性能比較を見ると分かりやすいですね。Celeronの中で一番良いやつを選ぶなら「N4100」。安く行くなら「N4000」や「N3450」あたりでOK。「N3350」は地雷でした。
「Celeron」シリーズのメリットと強み- とにかく「安い」です
- ネットを見たり、カンタンなOffice作業なら間に合う
- 消費電力が低いので、バッテリー持ちは良好
- Pentiumを選んだほうが失敗しにくい
- マルチタスクはもたつくので厳しい
- コストパフォーマンスは普通
Celeronは「安さ」が最大の武器ですから、3~5万円台のノートパソコンを選ぶなら悪くない。逆に、6万円以上のノートパソコンでCeleron搭載を買おうとするのは微妙です。
Celeronで一番性能の良い「N4100」を搭載しているのが「STYLE-11HP014-C-CES-KCOM」です。ディスプレイは11.6インチで、充電コネクタを含めて約1.14kgな、小型な軽量ノートパソコン。
据え置き前提で使うつもりだから、小型や軽量にこだわる必要なし。という場合は「m-Book E410SN-S1」が良い感じ。14インチのディスプレイを搭載している。重量は約1.7kgと、やや重たい。
コストパフォーマンス重視で選ぶなら「Yoga 330」がバランスが取れていて良い。ディスプレイの品質はあまり良くないが、ウェブやOffice作業に支障はないレベル。
そして2 in 1なので、ディスプレイはタッチパネル式で、画面をグルリと回転させて立てることが出来る。機内の限られたスペースで、映画など映像を見る時に役立つ機能です。
Atomシリーズ格安の超小型タブレットPC向け
インテルのノートパソコン向けCPUで、もっとも最下層に位置するブランドが「Atom」。単価が非常に安く(4000円~)て、消費電力も極めて低いので、低価格で薄型軽量のタブレットPCを中心に人気がある。
ただ、CPUの価格が安価な分だけ、他のパーツの価格に影響を受けやすい。少しでもメモリやSSDを欲張ると、コストパフォーマンスは簡単に悪化してしまうのが難点ですね。
CPU | Atom x7-Z8750 | x7-Z8700 | x5-Z8550 | x5-Z8500 | x5-Z8350 | x5-Z8300 |
---|---|---|---|---|---|---|
世代 | 4th Cherry Trail | |||||
コア数 | 4 | |||||
スレッド数 | 4 | |||||
ベースクロック | 1.6 GHz | 1.44 GHz | ||||
ブーストクロックシングルコア動作時 | 2.56 GHz | 2.4 GHz | 2.4 GHz | 2.24 GHz | 1.92 GHz | 1.84 GHz |
ブーストクロック全コア動作時 | – | |||||
オーバークロック | 不可 | |||||
対応メモリ | LPDDR3-1600 / x2 | |||||
最大メモリ | 8GB | |||||
内蔵GPU | HD Graphics 405Braswell世代 | HD GraphicsCherry Trail世代 | HD Graphics 400Braswell世代 | HD GraphicsCherry Trail世代 | ||
GPUクロック | 200 ~ 600 MHz | 200 ~ 500 MHz | ||||
GPUコア数 | 16 | |||||
TDP | 2 W |
コア数は4コアなので「おっ、意外と行けるんじゃない?」と思ってしまうが、クロック周波数は高負荷時でも、たったの1.8 ~ 2.6 GHzしか無い。1コアあたりの性能が貧弱なので、4コアあったところで性能はショボイ。
消費電力はわずか2 Wですから、性能に期待するのはやめておこう。Officeソフトですら、微妙に「もたつく」レベルの劣悪な性能です。しかも2016年以降、世代更新が止まっている。
当時ならまだマシな性能だったが、今はCPUの性能がグイグイと伸びているので、進化が止まっているAtomの性能は(相対的に見て)本当に低い。
性能比較(Cinebench R15 / 全コア使用時)
Celeron N4100とAtomシリーズの性能比較をまとめた。見ての通り、トップクラスの遅さです。
「Atom」シリーズのメリットと強み- 「安さ」だけなら負けない
- ネットで調べ物をするくらいなら困らない性能
- 消費電力はすごく低いので、バッテリー持ちは良い
- 発熱がほとんど無いので、ほぼ無音で動作する
- 性能には期待しないこと
- マルチタスクは厳しい
- オフィス用ならCeleron~Pentiumの方が後悔しない
- コスパは普通です
ネットで調べ物したり、映画や動画を見るなら十分な性能があります。しかし、それ以上のタスクはところどころレスポンスが遅かったり、最悪は作業にならない可能性すらある。
そして…ふと思ったのですが、ネットを見たり動画を見るくらいなら、別にAtom搭載タブレットである必要は無いような気もする。最近はHuaweiのタブレットが安くて高性能なので、Windowsにこだわらないなら他のタブレットも全然アリです。
「GPD Pocket」はクラウドファンディングから生まれた、ウルトラモバイル(超小型)PCの代表格。ウェブや動画視聴などの日常的な使い方の他、レトロゲームやブラウザゲームも楽しめるのがウリ文句。
7インチの高精細ディスプレイは、解像度が1920 x 1200で、マルチタッチ(5点)対応。加えて、Gorilla Glass 3で耐久性も高めている。重量はわずか480gで、横幅180mm / 奥行き106mmしか無い。
シャーシ(筐体)はマグネシウム合金の削りだし成形。Atom搭載ノートパソコンとしては値が張るが、コンセプトや可愛いデザインには目を見張るものがある。
「YOGA BOOK」は、感圧式のディスプレイキーボードで近未来感を演出する、デザイン特化型2 in 1タブレットPC。使いこなせるかは、ともかく、世界観に魅せられた人が買うためのノートPCですね。
コストパフォーマンス重視でAtom搭載ノートPCを買うなら、3万円台のIdeapad Miix 320がピッタリ。というより、いろいろと探してみたけれど、安さ重視ならこれしか無い状況でした。
まとめ:インテルのノートPC向けCPUは意外と多い
ここまで約22000文字を費やして、インテルの最新ノートパソコン向けCPU(モバイルCPU)を一挙にまとめて解説しました。
デスクトップ版と違って圧倒的に種類が多く、「ややこしい…」となってくると思うので、最後にザックリとまとめ編を書いておきます。
【まとめ表】インテルのノートパソコン向けCPU | |||
---|---|---|---|
シリーズ | メリットと強み | 弱点とデメリット | おすすめ度 |
Xeon E |
|
| ★★ |
HK |
|
| ★★★ |
H |
|
| ★★★★ |
HQ |
|
| ★★ |
G |
|
| ★★ |
U |
|
| ★★★★★ |
Y |
|
| ★★★ |
Pentium |
|
| ★★★ |
Celeron |
|
| ★★ |
Atom |
|
| ★ |
CPU性能まとめ(Cinebench R15)
結論として、迷った場合の選択肢は「2つ」です。
と考えれば、一気に迷う必要が無くなる。特に4コア搭載の「i5 8250U」あたりは、コスパと性能のバランスが良いので、多くの人にとってハズレにくいCPUですね。
というわけで、以上「分かりにくい、インテルのノートパソコン用CPUの種類と性能まとめ」について解説でした。ノートPC選びで「CPU」に悩んでいる人の参考になれば幸いです。
ノートパソコン用CPUの詳しいガイド記事
読むとノートパソコン向けCPU(モバイルCPU)の知識が深まる、ガイド記事をまとめてみた。
第8世代の「U」シリーズに位置する「Core i7 8550U」の性能について、詳しく解説した記事。
ライバルのAMDも、最近は頑張っている印象。ただ、価格的に競合する「U」シリーズに対して、消費電力で一歩劣るのが悩みどころ(=バッテリー持ちが悪い)。
ゲーミングノート向けのモバイルCPUの代表格「Core i7 8750H」の性能に迫った記事。ゲーミング性能が更に向上するなど、いろいろと進化しています。
「G」シリーズに分類される、AMD製の内蔵グラフィックスを搭載する4コアCPU。目玉はもちろん「最強の内蔵グラフィックス」がどこまでゲームを動かせるのか?。
Core™ i7-8809G
のGシリーズが入ってない。やり直し。
Lenovoのところのリンクがおかしくなっています
モバイルワークステーションの商品ページは、メンテナンス中のようです。
それ以外のリンクは修正しました。ご指摘ありがとうございました(_ _)
GPD Pocketが出てきてちょっとうれしくて心肺停止した。(GPD信者)
ついでならGPD WINも加えて差し上げろ(適当)
無礼な輩は無視で良いですよ。
豊富なSKUはIntelの強みでもありますが分からない人からすると非常にわかりづらいですよね
まあ普通の人はHとUシリーズだけ覚えておけば十分だと思いますが
思ったんですけど、core i7 8809GのTDP105wって、、、
一体どうしたらラップトップでそれを処理できるんですか…?
かつてはローエンド市場を賑わせたAtom君も今や虫の息…
XP時代は夢のおもちゃだったんだけどね
これらのPC系ですが、これをMac Book Proに置きなおした記事は無いでしょうか。どんな位置づけか、大変知りたいです。
Mac系は詳しくないですが、Mac Book Proに入ってるCPUは基本的にインテル製なので大きな違いはないと思います。ただ、筐体が薄すぎてサーマルスロットリングに難ありだった記憶なので、あまり高性能過ぎるCPUは選ばないほうが良い思います。
HQシリーズですがVAIOのオーダーメイドS15で入手可能です。値引きして販売しています。
[…] 参考にしたサイト: ももろぐ「分かりにくい、インテルのノートパソコン用CPUの種類と性能まとめ」 […]
九種類ではない。
ちゃんと調べてください。
F付もありますよ
現に、CORE i3-9100Fがあります。
[…] ちもろぐ分かりにくい、インテルのノートパソコン用CPUの種類と性能まとめノートパソコン向けのインテルCPUはデスクトップ向けと違い、種類(シリーズ)が細かく分かれている。同じC […]
[…] 参考文献:分かりにくい、インテルのノートパソコン用CPUの種類と性能まとめ […]