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Core i9 10850Kをレビュー:i9 10900Kが1万円も安くなったよ。

「Core i9 10850K」をベンチマーク & レビューします。

i9 10850Kは、i9 10900Kほど品質は良くない選別落ちチップを、約1万円も値下げした「廉価版」です。1万円の値引き分は性能や品質にどう反映されているのか、検証です。

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Core i9 10850Kの仕様とスペック

Intel / コア : 10 / スレッド : 20 / ソケット : LGA 1200 / チップセット : Intel 400 Series / 付属クーラー : なし / 内蔵GPU : Intel UHD 630 / 備考 : i9 10900Kの廉価版(選別落ち)
CPUCore i9 10850KCore i9 10900KRyzen 9 3900X
ロゴ
世代10th Comet Lake S10th Comet Lake S3rd Zen 2
プロセス14 nm+++14 nm+++7 nm
TIMCPU内部の熱伝導材ソルダリング薄化ダイ & IHSを分厚くソルダリング薄化ダイ & IHSを分厚くソルダリングIHSは金メッキ仕様
ソケットLGA 1200LGA 1200Socket AM4
チップセットIntel 400Intel 400AMD 400 / 500
コア数101012
スレッド数202024
ベースクロック3.60 GHz3.70 GHz3.80 GHz
ブーストクロックシングルコア使用時5.20 GHz5.30 GHz~ 4.60 GHz
ブーストクロック全コア使用時4.80 GHz4.90 GHz~ 4.60 GHz
手動OC可能可能可能
L1 Cache640 KB640 KB768 KB
L2 Cache2.5 MB2.5 MB6 MB
L3 Cache20 MB20 MB64 MB
対応メモリDDR4-2933DDR4-2933DDR4-3200
チャネルx2x2x2
最大メモリ128 GB128 GB128 GB
ECCメモリ不可不可U-DIMMのみ
PCIeレーンGen3Gen3Gen4
161616 + 4
レーン構成1×16 + 2×81×16 + 2×81×16 + 1×4
1×8 + 2×41×8 + 2×42×8 + 1×4
1×8 + 2×4 + 1×4
内蔵GPUUHD 630UHD 630なし
GPUクロック350 ~ 1200 MHz350 ~ 1200 MHz
TDP125 W125 W105 W
MSRP$ 464$ 499$ 499
参考価格62000 円71980 円60280 円

Core i9 10850Kのスペックは、上位モデルのCore i9 10900Kとほぼ同じです。ベースクロックとブーストクロックが100 MHz低いだけで、マルチスレッド時のクロックは4.8 GHzで同様。

それでいて日本国内の販売価格は10900Kの約7.2万円から、ほぼ1万円値引きされて約6.2万円です。i9 10900Kとほぼ同スペックのCPUが1万円も安く買えるので、コストパフォーマンスは良さそうに見えます。

「選別落ち」が10900Kとの大きな違い

i9 10850Kが安い理由:選別落ちだから

「普通に使えれば問題なし。」と考えている大多数のPCユーザーにとっては正直どうでも良いレベルの違いですが、i9 10850Kが1万円も安い理由は「選別落ち」だからです。

ブーストクロックが100 MHz低いことが示唆しているのは、要するに高いクロックで動作しにくい・・・ということ。あるいは、動作は可能だけど必要な消費電力が多く、温度が高い可能性もあります。

特にオーバークロックをしたいコアな自作ユーザーにとって、選別による品質差は(割と)重要だったりします。

やかもち
定格でそのまま使う場合、ほとんど体感できない差です。

LGA 1200とIntel 400チップセットが必要

第10世代Comet Lake Sでは、CPUソケットが従来のLGA 1151 (v2)からLGA 1200に変更されました。

新型ソケット「LGA 1200」

接点が1151個から1200個に強化され、見た目で分かりやすいように「切り欠き」の位置は反対側に移動してます。物理的な互換性はもちろん皆無です。

対応チップセットも「Intel 300シリーズ」から、新型チップセット「Intel 400シリーズ」に変更。ただし、チップセットの機能はほとんど変わっていません。

Core i9 10850Kを使うには、

  • Intel 400シリーズ(Z490 / H470 / B460 / H410)搭載マザーボード
  • LGA 1200対応マザーボード

以上が必要です。第9世代から乗り換えようと思っている人にとっては、大問題でしょう。

一方で、古いシステムを数年ぶりに更新する人、これから新しいパソコンを組む(または購入する)人にとっては大したデメリットではないです。

CPUの消費電力増加に対応するため、Intel 400シリーズ対応マザーボードは、従来のマザーボードと比較してVRMフェーズ電源も大幅に強化されています。

極端な地雷マザーボードはほぼなくなり、PC初心者にとってはかえって選びやすい状況です。とはいえ、電源部を強化した分だけコストに反映されるので、価格は値上がり気味・・・。

チップセットIntel Z490Intel Z390
PCIe 3.0x24x24
USB 3.1 Gen2x6x6
USB 3.1 Gen1x10x10
SATA 3.0x6x6
PCIe構成x16x16
x8 / x8x8 / x8
x8 / x4 / x4x8 / x4 / x4
メモリチャネルデュアルデュアル
対応Wi-FiWi-Fi 6Wi-Fi 5
DMI3.03.0
HSIOレーンx30x30
ME Firmware1412

大きな違いは、内蔵ワイヤレスLANがWi-Fi 5からWi-Fi 6にアップグレードされたことくらい。PCIeレーン数や、USBポートの数はまったく同じです。

Core i9 10850KのCPU性能:10900Kと同じじゃないか?

テスト環境

Core i9 10850Kを検証するPCスペック
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」
PCver.Intelver.AMD
CPUCore i9 10850KRyzen 9 3900X
冷却Corsair H100i Pro240 mm簡易水冷クーラー
マザーボードASUS ROG STRIXZ490-E GAMINGASUS ROG STRIXX570-E GAMING
メモリDDR4-2666 8GB x2使用モデル「G.Skill FlareX C14」
グラボRTX 2080 Ti使用モデル「MSI Gaming X Trio」
SSDSATA 500GB使用モデル「Samsung 860 EVO」
SATA 2TB使用モデル「Micron 1100」
電源ユニットシステム全体1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」
電源ユニットCPUのみ850 W(80+ Gold)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」
OSWindows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1909」
ドライバNVIDIA 445.87

Core i9 10850Kの性能をベンチマークしていく、ちもろぐ専用ベンチ機のPCスペックです。比較に使うCPU以外は、可能な限り同じPCパーツで揃え、CPUの性能だけを比較検証できます。

メモリは容量8 GBを2枚で合計16 GB、メモリクロックはBTOパソコンで一般的なDDR4-2666です。

グラフィックボードはレビュー時点で最強性能の「RTX 2080 Ti」を使用しました。CPUのゲーミング性能を計測するのが目的なので、検証に使うグラフィックボードはなるべく高性能な方が良いです。

システムストレージはどちらもSSDで揃え、アプリケーションやベンチマークはSATA接続の2TB SSDから起動しています。おおむね、CPU本体の性能差をテストできるスペック環境です。

i9 10850Kと性能比較するCPUを紹介
「i9 10850K」と比較するCPUたち
Core i9 10900Ki9 10850Kの上位モデル(10コア20スレッド)
Ryzen 9 3900XT同価格帯のライバル(12コア24スレッド)

比較に使うCPUは主に2つ。i9 10850Kの一応は上位モデルにあたる「i9 10900K」と、同じ価格帯のライバル「Ryzen 9 3900XT」です。加えて、参考程度に他のCPUのデータも掲載します。

Intel / コア : 10 / スレッド : 20 / ソケット : LGA 1200 / チップセット : Intel 400 Series / 付属クーラー : なし / 内蔵GPU : Intel UHD 630 / 備考 : i9 10900Kの廉価版(選別落ち)
Intel / コア : 10 / スレッド : 20 / ソケット : LGA 1200 / チップセット : Intel 400 Series / 付属クーラー : なし / 内蔵GPU : Intel UHD 630
AMD / コア : 12 / スレッド : 24 / ソケット : Socket AM4 / チップセット : AMD 400~500 / 付属クーラー : Wraith Prism with RGB
ASUS / チップセット : Intel Z490 / フォーム : ATX / ソケット : LGA1200 / フェーズ数 : 16(DrMOS) / マルチGPU : SLI or CF / M.2 : 2スロット / LAN : 2.5 GbE / 無線 : Wi-Fi 6
ASUS / チップセット : AMD X570 / フォーム : ATX / ソケット : Socket AM4 / フェーズ数 : 12+4 / マルチGPU : SLI対応 / LAN : 1.0 + 2.5 GbE
MSI / ブーストクロック : 1755 MHz / ファン : トリプル内排気 / 厚み : 2スロット(55.6 mm) / TDP : 300 W / 備考 : 8 + 8 + 6 pinが必要

レンダリング性能

CPUの性能をはかるベンチマークとして、「CPUレンダリング」は定番の方法です。ちもろぐでは、下記3つのソフトを用いてCPUレンダリング性能をテストします。

  • Cinebench R15
  • Cinebench R20
  • Blender(BMW)

日本国内だけでなく、国際的にも定番のベンチマークソフトです。なお、CPUレンダリングで調べた性能はあくまでも目安であり、CPUの性能を代表するスコアではない点は注意してください。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Cinebench R15(マルチスレッド)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Cinebench R15(シングルスレッド)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Cinebench R20(マルチスレッド)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Cinebench R20(シングルスレッド)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Blender(BMWレンダリング)

すべてのコアを使用した場合の「マルチスレッド性能」は2591 cbで、Core i9 10900Kとほぼ同じです。1コアあたりの性能「シングルスレッド性能」もi9 10900Kとほとんど差はありません。

Cinebench R20のテスト結果も、Cinebench R15とまったく同じです。無料のCGソフト「Blender」で、BMWプリセットをレンダリングするのに掛かる時間も同様でした。

やかもち
100 MHzしか差がないから、同じ性能になるのは当然ですね。これはコスパ良いかも。

計算速度

計算速度は、マルチプラットフォーム対応のベンチマークソフト「Geekbench 4.1」で検証です。内容はAES(暗号処理)やGEMM(行列乗算)、FFT(フーリエ変換)などのワークロードを実行し、CPUの計算性能をスコア化します。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Geekbench 4(計算性能・マルチスレッド)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Geekbench 4(計算性能・シングルスレッド)

基本的にはCinebenchと似たようなスコア傾向です。マルチスレッドはクロックの差分だけ、i9 10850Kが低いです。シングルスレッド性能もi9 10850Kとi9 10900Kはほぼ同じ。

動画エンコード

CPUレンダリングと並んで、動画エンコードはCPUの性能を調べる定番の方法です。

ちもろぐでは、フリー動画エンコードソフト「Handbrake」と、日本国内で人気の動画編集ソフト「Aviutl」における動画エンコード速度をテストします。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Handbrake(動画エンコード・Fast 480p)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Handbrake(動画エンコード・Fast 480p)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Handbrake(動画エンコード・MKV 1080p)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Handbrake(動画エンコード・MKV 480p)

処理が軽い「Fast 480p」は10コア以上で性能が飽和してしまい、i9 10850Kはi9 10900KやRyzen 9 3900XTと横並びに。もう少し負荷の重たい「Fast 1080p」で、コア数に比例した性能差です。

圧縮率の高い「MKV 480p(x265)」の処理性能はi9 10900Kに迫り、「MKV 1080p(x265)」もやはり同じような結果になりました。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Aviutl(x264guiEx)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Aviutl(x265guiEx)

Aviutlにて、拡張プラグイン「x264guiEx」「x265guiEx」を使って動画エンコードをしました。

Handbrakeと似たような傾向で、Core i9 10850Kのエンコード性能はi9 10900Kとほとんど違いがありません。

動画編集

Davinci Resolve(動画編集)

「Davinci Resolve」はフリー動画編集ソフトとして、Aviutlと並んで完成度の高いソフトです。カラーグレーディングやVFX合成などプロ仕様な機能に加え、PCスペックをフルに活用できる洗練された設計が大きな強み。

ちもろぐでは、Puget Systems社のベンチマークプリセットを使って、Davinci Resolve 16における動画編集のパフォーマンスを計測します。バッチ処理でDavinci Resolveを動かして、それぞれの処理にかかった時間からスコアを出す仕組みです。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:4K動画編集(Davinci Resolve)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:4K動画編集(Davinci Resolve Fusion)
Davinci Resolve / 4K動画編集
テスト内容Core i9 10850KCore i9 10900KRyzen 9 3900XRyzen 9 3900XT
Overall Score954 /1000965 /1000958 /1000985 /1000
Basic Grade94.296.893.698.1
OpenFX – Lens Flare
+ Tilt-Shift Blur + Sharpen
89.292.289.694.8
Temporal NR – Better 2 Frames92.1939698.1
3x Temporal NR – Better 2 Frames95.294.894.595.3
Optimized Media106.2105.6105106.1
テスト内容Core i9 10850KCore i9 10900KRyzen 9 3900XRyzen 9 3900XT単位
4KOverall Score954965958985Score
4K Test AverageBasic Grade94.296.893.698.1Score
4K Test AverageOpenFX – Lens Flare + Tilt-Shift Blur + Sharpen89.292.289.694.8Score
4K Test AverageTemporal NR – Better 2 Frames92.1939698.1Score
4K Test Average3x Temporal NR – Better 2 Frames95.294.894.595.3Score
4K Test AverageOptimized Media106.2105.6105106.1Score
4K CinemaRAW LightCodec Average97.399.2102.9105.2Score
4K H264 150Mbps 8bit89.189.690.593.5Score
4K ProRes 42295.196.495.997.7Score
4K ProRes 444491.892.183.989.2Score
4K RED103.6105.1105.6106.8Score
4K CinemaRAW LightBasic Grade44.0544.7345.3947.67FPS
OpenFX – Lens Flare + Tilt-Shift Blur + Sharpen16.9417.7717.9818.21FPS
Temporal NR – Better 2 Frames13.5213.6516.2416.43FPS
3x Temporal NR – Better 2 Frames7.527.487.367.44FPS
Optimized Media106.17109.18108.97112.02FPS
4K H264 150Mbps 8bitBasic Grade46.0646.0646.0449.99FPS
OpenFX – Lens Flare + Tilt-Shift Blur + Sharpen16.8317.4517.4318.09FPS
Temporal NR – Better 2 Frames18.3318.3417.8818.11FPS
3x Temporal NR – Better 2 Frames7.777.737.687.72FPS
Optimized Media60.5360.5865.9767.61FPS
4K ProRes 422Basic Grade44.6245.324648.35FPS
OpenFX – Lens Flare + Tilt-Shift Blur + Sharpen17.0317.8718.0818.79FPS
Temporal NR – Better 2 Frames18.3318.3318.5618.56FPS
3x Temporal NR – Better 2 Frames7.817.857.857.89FPS
Optimized Media154.95154.89146.43146.83FPS
Basic Grade21.4222.7718.6419.94FPS
OpenFX – Lens Flare + Tilt-Shift Blur + Sharpen16.0816.6413.5116.82FPS
Temporal NR – Better 2 Frames14.6115.2315.7216.07FPS
3x Temporal NR – Better 2 Frames7.417.377.297.4FPS
Optimized Media112.55100.8391.1291.13FPS
4K REDBasic Grade27.5628.6628.3628.36FPS
OpenFX – Lens Flare + Tilt-Shift Blur + Sharpen13.6213.6213.8813.88FPS
Temporal NR – Better 2 Frames12.812.812.2513.02FPS
3x Temporal NR – Better 2 Frames6.486.426.536.56FPS
Optimized Media49.1750.9252.7552.56FPS

「4K Test(4K動画編集)」の総合スコアは、i9 10850Kが954点、i9 10900Kは965点でした。ライバルのRyzen 9 3900Xは958点で、4K動画編集の性能は横並びです。

圧縮と解凍

ファイルの圧縮と解凍のスピードを、有名なフリー解凍ソフト「7-Zip」を使って計測。付属のベンチマークツールで、圧縮と解凍のスピードを「MIPS」という単位で分かりやすく表示してくれます。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:7-Zip Benchmark(圧縮)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:7-Zip Benchmark(解凍)

マルチスレッド性能に比例した結果です。Core i9 10850Kは、圧縮と解凍の両方ともi9 10900Kと互角の性能。

ブラウザの処理速度

ブラウザ上で動作するベンチマーク「mozilla kraken 1.1」を使って、CPUがブラウザ上のWebアプリをどれだけ速く処理できるかを検証します。単位はミリ秒なので、短いほど処理が速いです。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:mozilla kraken(ブラウザの処理速度)

シングルスレッド性能が反映されやすいテストです。Core i9 10850Kとi9 10900Kはまったく同じ処理性能。上位はRyzen XT勢が占めます。

とはいえ、mozilla krakenは1000 ミリ秒が大きな目標のひとつで、ここでテストしたCPUはすべて1000 ミリ秒を下回っています。つまり、どれを選んでも実用上はまったく問題ない性能です。

Photoshop CC

写真編集の定番ソフト「Adobe Photoshop CC」の処理速度をテストします。Puget Systems社のプリセットを用いて、Photoshopを実際に動かして、各処理にかかった時間からスコアを算出する仕組みです。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Photoshop CCの処理速度
テスト内容Core i9 10850KCore i9 10900KRyzen 9 3900XRyzen 9 3900XT
総合スコア1037.8 /10001039.4 /1000980.4 /1000975.2 /1000
一般処理のスコア100.2100.697.196.5
フィルタ系のスコア106.6106.197.196.3
GPUスコア112.6108.695.795.4
Photomergeのスコア105.3106.3101.8102
CPUCore i9 10850KCore i9 10900KRyzen 9 3900XRyzen 9 3900XT
総合スコア1037.81039.4980.4975.2
一般処理のスコア100.2100.697.196.5
フィルタ系のスコア106.6106.197.196.3
GPUスコア112.6108.695.795.4
Photomergeのスコア105.3106.3101.8102
テストの詳細結果(単位:秒)
RAW画像の展開1.261.060.90.95
500MBへのリサイズ1.121.151.181.19
回転0.760.790.80.85
自動選択9.269.618.678.64
マスク2.622.653.022.95
バケツ1.281.341.291.28
グラデーション0.250.250.280.29
塗りつぶし4.364.365.55.02
PSD保存5.935.786.716.05
PSD展開2.462.392.72.91
Camera Raw フィルタ4.234.254.34.37
レンズ補正フィルター13.6113.8714.1214.02
ノイズ除去16.6116.251615.72
スマートシャーペン12.4112.4714.2614.09
フィールドぼかし11.8912.4114.7914.8
チルトシフトぼかし11.612.1714.3514.5
虹彩絞りぼかし12.4313.2115.215.39
広角補正フィルター16.2517.517.0917.9
ゆがみツール(Liquify)3.73.083.693.8
Photomerge(2200万画素)64.4263.9769.2469.06
Photomerge(4500万画素)90.2289.289.989.79

Core i9 10850Kは1038点で、1000点オーバー。Core i9 10900Kの1039点とほぼ完全に横並びで、1万円安く同等のパフォーマンスを提供します。

Microsoft Office

パソコンの一般的なワークロードといえば、Microsoftの「Office」ソフトが代表例です。しかし、Microsoft Officeにベンチマークモードはありませんので、ちもろぐでは「PCMark 8 Advanced Edition」を使います。

単なる再現テストではなく、PCMark 8が実際にMicrosoft Office(Word / Excel / PowerPoint)を動かして、各処理にかかった時間を計測します。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Wordの処理速度
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:Excelの処理速度
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:PowerPointの処理速度

Wordは0.6秒台に突入し、i9 10850Kはi9 10900Kの次に速いです。Excelは0.4秒を割り込み、PowerPointは1.8秒台でCore i9 10900Kにつづく性能。

ビデオチャット(VC)の処理性能

コロナウイルスの流行によって、テレワーク(在宅勤務)の導入が進み、ビデオ通話(VC)ソフトも出番が増えています。

PCMark 10でビデオチャットの性能をテスト

検証は「PCMark 10」のビデオ会議テストを使います。ビデオ通話のフレームレート、顔認識の処理速度、エンコード(アバター着用など)の処理速度から、ビデオ通話の性能をスコア化します。

Core i9 10850Kのベンチマーク比較:PCMark 10(ビデオ通話の処理性能)
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:グループ通話の平均フレームレート
Core i9 10850Kのベンチマーク比較:「顔識別」の平均フレームレート

PCMark 10のスコアは9000点超えで、Core i9 10850Kとi9 10900Kはほぼ同じ性能。グループ通話のフレームレートは、どのCPUも上限30 fpsに張り付いており、実用上はどれを選んでも問題なし。

「顔識別」のフレームレートだけはCPU性能の差がハッキリと出ていますが、i5 10400Fですら60 fpsを超えているので、やはり実用上は十分な性能に達しています。

やかもち
なお、PCMark 10公式いわく「4100点以上」でおおむねOKとのこと。

ゲーム実況配信

最近になって、CPUで「ゲーム実況配信」ができるかどうかが重要視されるようになりました。しかし、実際のところは「ゲーム配信ならグラボ(NVEnc)が有利」です。特にNVIDIAのTuring世代のグラボは、高画質かつ安定性に優れています。

とはいえ、ぼく自身の好奇心の観点から、一応CPUの性能評価として「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使った配信性能を検証しておきます。参考程度に見てください。

配信中のドロップフレーム率設定 : Medium / 144 fps
CPUレンダリングラグエンコードラグ平均fps
Core i9 10900K0.0%3.0%112.1 fps
Core i9 10850K0.0%3.2%111.7 fps
Core i7 10700K0.0%37.2%131.6 fps
Core i9 9900K0.0%39.9%131.0 fps
Core i7 9700K0.0%82.8%182.4 fps
Ryzen 9 3900XT0.0%0.0%96.0 fps
Ryzen 9 3900X0.0%0.0%94.5 fps
Ryzen 7 3800XT0.0%16.7%85.6 fps
Ryzen 7 3700X0.0%39.1%109.0 fps
配信中のドロップフレーム率設定 : Medium / 60 fps
CPUレンダリングラグエンコードラグ平均fps
Core i9 10900K0.0%0.3%58.7 fps
Core i9 10850K0.0%0.3%58.4 fps
Core i7 10700K0.0%27.1%59.8 fps
Core i9 9900K0.0%29.1%59.8 fps
Core i7 9700K0.0%69.5%59.9 fps
Ryzen 9 3900XT0.1%0.0%59.1 fps
Ryzen 9 3900X0.0%0.0%59.5 fps
Ryzen 7 3800XT0.0%11.8%58.5 fps
Ryzen 7 3700X0.0%33.7%58.5 fps

さすが10コア20スレッドのパワー。かなり重たいMedium設定の配信なのに、コマ落ちはほとんどしません。144 fps制限の配信ですらコマ落ちはたった3%です。

とはいえ、今はNVIDIAの「NVEnc」やRadeonの「VCE」を使ったほうが、遙かに低コストでスムーズなリアルタイム配信が可能な時代です。あえてCPUで頑張ってOBS配信をするメリットは、ほとんどありません。

「IPC」でCPUの真の進化をチェック

IPC(クロックあたりの処理性能)をCinebench R15でテスト

最後は「IPC(クロックあたりの処理性能)」をテストします。IPCが高いとは、つまるところ「同じクロックなのに性能が高い」わけですから、CPUのクロック周波数を固定してベンチマークを行えばある程度は明らかにできます。

方法はシンプルで、クロック周波数を3.5 GHzに固定してCinebench R15をシングルスレッドモードで実行するだけ。

Cinebench R15 / シングルスレッド性能@3.5 GHz

  • Ryzen 9 3950X
    166 cb
  • Ryzen 9 3900XT
    166 cb
  • Ryzen 9 3900X
    166 cb
  • Ryzen 3 3300X
    166 cb
  • Ryzen 7 3800XT
    166 cb
  • Ryzen 5 3600XT
    166 cb
  • Ryzen 7 3700X
    165 cb
  • Ryzen 5 3600
    164 cb
  • Ryzen 5 3500
    163 cb
  • Ryzen 3 3100
    163 cb
  • Core i9 10900K
    156 cb
  • Core i9 10850K
    156 cb
  • Core i7 10700K
    156 cb
  • Core i5 10400F
    155 cb
  • Core i9 9900K
    155 cb
  • Core i7 9700K
    155 cb
  • Core i3 9100F
    155 cb
  • Core i3 10100
    154 cb
  • Core i5 9400F
    154 cb
  • Core i7 8700K
    152 cb
  • Ryzen 7 2700X
    148 cb
  • Ryzen 5 2600
    147 cb
  • Ryzen 5 1600 AF
    147 cb
  • Ryzen 5 3400G
    143 cb
  • Ryzen 3 3200G
    143 cb
  • Core i7 4790K
    133 cb
  • Core i7 950
    104 cb

これでIPCの違いをキレイに抽出できます。グラフを見て分かる通り、CPUの世代や設計が新しいほどIPCは改善されます。

Core i9 10850Kはi9 10900Kの単なる廉価版ですから、クロックを3.5 GHzに揃えた場合の性能(IPC)は当然i9 10900Kとぴったり同じになります。

なお、IPCトップクラスは第3世代Ryzen(Zen2)シリーズが独占的です。

Intel / コア : 10 / スレッド : 20 / ソケット : LGA 1200 / チップセット : Intel 400 Series / 付属クーラー : なし / 内蔵GPU : Intel UHD 630 / 備考 : i9 10900Kの廉価版(選別落ち)
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Core i9 10850Kのゲーミング性能

ゲームで100 fpsを軽く超えるハイフレームレートを出すなら、グラフィックボードの性能が重要です。と同時に、グラフィックボードが高性能であればあるほど・・・CPUの性能も影響が大きくなります。

CPUボトルネック(ゲーミング性能)をテスト

現時点で最強のグラボである「RTX 2080 Ti」を使って、PUBG(ERANGELの水没都市あたり)でフレームレートを測定した結果です。グラフを見ての通り、同じグラボなのに性能に差が出るのが分かります。

これが「CPUボトルネック」と呼ばれる現象です。

今回テストするCore i9 10850Kは、基本的にはCore i9 10900Kと同性能のCPUです。検証するまでもなくゲーミング性能は最高クラスを期待できますが、実際にくわしく検証します。

  • Battlefield V:原因を特定できない謎のフレームレート変動現象があり、正確性を確保できない
  • CS:GO:フレームレートがほぼ頭打ち
  • Overwatch:フレームレートがほぼ頭打ち

上記の理由により、検証タイトルから「Battlefield V」「CS:GO」「Overwatch」を外しました。

検証タイトルがかなり減ったので、新たに「Microsoft Flight Simulator 2020」を追加します。

フルHDゲーミング(10個)のテスト結果

測定方法を一部刷新したので、以前のCPUレビューに掲載していたデータはのせません。今回はi9 10850K、i9 10900Kをはじめ、6つのCPUについて改めて測定したデータを掲載します。

Core i9 10850Kはさすが100 MHz違いだけあって、実際のゲームプレイにおいて体感できる性能差は皆無です。ゲーム最強クラスのi9 10900Kと、ほぼ同じゲーミング性能を提供でき、コストパフォーマンスは改善されます。

そしてデータを見てわかる通り、依然としてAMD Ryzenのゲーミング性能は高クロックな「XTシリーズ」ですら・・・Core i9と比較するとイマイチです。

メモリをオーバークロックすれば性能差を埋められる可能性はありますが、それを言い出すとCore i9側もメモリクロックを盛れば、さらに伸ばせる余地はあります。

平均パフォーマンス

測定した10個のデータを平均パフォーマンスとしてまとめました

Core i9 10850Kの平均フレームレートは、上位モデルのCore i9 10900Kとまったく同じです。クロックが1.0 GHz違えば、性能差はもっと出ると思います。しかしi9 10850Kとi9 10900Kは、わずか100 MHzしか違いません。

100 MHz程度のクロック差がゲーミング性能に与える影響は、実用上はほぼ完全に無視できると言っていいでしょう。

やかもち
「i9 10850K」はi9 10900と並んでゲーミング最強CPUの座につきます。

消費電力とCPU温度

Ryzen 7 3700Xのテスト環境

※写真は過去記事より使い回しです

ちもろぐのCPUレビューでは、電力ロガー機能が付いた電源ユニットを2台使って、CPU単体の消費電力を実際に測定します。

テスト環境
電源ユニット #1システム全体1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」
電源ユニット #2CPUのみ850 W(80+ Gold)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」

電源ユニットを2台に分けて電力供給を分割しているため、CPUに電力供給している電源ユニットの計測値(+12V Power)を見れば、CPU本体の消費電力が明らかになる仕組みです。

消費電力とワットパフォーマンス

Core i9 10850Kの消費電力を測定する

消費電力は、Handbrakeで「Fast 1080p(x264)」プリセットでエンコードしながら測定します。10コア20スレッドCPUまでなら、この方法でCPU使用率は常時100%に張り付き、CPU本体の消費電力をほぼフルに引き出せます。

Core i9 10850Kの消費電力を比較

動画エンコード中の消費電力は平均値で216 Wでした。マルチスレッド時のクロックは4.8 GHzで、i9 10900Kより100 MHz低いにも関わらず、消費電力はCore i9 10900Kとおおむね同じです。

Core i9 10850Kのワットパフォーマンス

消費電力1ワットあたりの動画エンコード速度(= ワットパフォーマンス)も、i9 10900Kと一致します。

なお、ワットパフォーマンスは動画エンコード速度を計算に使っているので、参考程度に見てください。

CPU温度

Core i9 10850KのCPU温度を比較

Core i9 10850KのCPU温度は中央値で80.2℃に達します。240 mmサイズの簡易水冷ユニット「Corsair H100i Pro RGB」を持ってしても、200 W級のCPUを冷却するのは一苦労です。

一方、Ryzen XT勢は消費電力の割にはCPU温度が80℃に迫りますが、80℃前後までなら自動オーバークロックをガンガン掛けていく仕様なので問題ありません。

まとめると、i9 10850Kを冷やすには少なくとも大型空冷(NH-D15や忍者五)、可能なら240 mmサイズ以上の簡易水冷ユニット(Corsair H100i ProやFractal Design Celsius+など)が欲しいところです。

電力制限インテルの推奨値本レビューでは
PL1Power Limit 1125 WPL1 = TDP4095 W※事実上の無制限
PL2Power Limit 2156 WPL2 = PL1 *1.25
TauTurbo Time Parameter56 秒56 秒
ブーストクロック全10コア負荷時4.35 GHz4.8 GHz

Core i9 10850KのTDP(公称値)は「125 W」ですが、56秒間は125 Wの制限を超えて動作する「Tau(ターボタイム)」が設定されています。

今回のレビューではスペック通りの4.8 GHzブーストクロックでテストしたかったので、マザーボードのBIOS設定から、TDP制限を推奨値の125 Wから4095 Wに引き上げています。消費電力が4095 Wに達しない限り、Tauが発動しないので事実上のTDP無制限です。

もし、インテルの公称値「125 W」で大人しく使いたい人は、BIOS設定に目を通しておきましょう。Z490-E GAMINGはデフォルトで行儀よくインテルの推奨値が設定されていますが、Z490 Taichiのように最初から4095 W設定のマザーボードもあります。

Scythe / ソケット : LGA 115X・2011・Socket AM4 / ファン : 120 mm x2 / 全高 : 155 mm / 備考:奥行きが180 mmもある
Corsair / ソケット : LGA 115X・2011・Socket AM4 / ラジエーター : 240 mm / ファン : 120mm x2 / 備考:5年保証

オーバークロックを検証:選別落ちはホント?

Core i9 10900Kより約1万円も安いCore i9 10850Kですが、安さの理由は「選別落ち」だからです。実際にどの程度オーバークロックがやりづらいのかどうか、5.0 GHzオーバークロック試してみた。

動画エンコードテストで5.0 GHzオーバークロックを通すのに必要なコア電圧※は、

  • Core i9 10900K:1.250 V
  • Core i9 10850K:1.335 V

選別落ちとされるi9 10850Kの方が圧倒的に要求電圧が高いことが判明。4.9 GHzですら動画エンコードをパスするのに1.285 Vが必要で、i9 10900Kと比較して明らかにオーバークロックしづらいです。

※OC設定は「クロック倍率:50(All Core Sync)」「Load Line Calibration:Level 7(最大)」で共通。CPU Vcore Voltageを「Manual(固定)」にてテストしました。

コア電圧が多いほどCPUの消費電力は増加し、結果的にCPU温度もムダに出てしまいます。

Core i9 10850Kのオーバークロック耐性(5.0 GHz)

同じ5.0 GHzでも、i9 10850Kはi9 10900Kよりピーク時に14℃もCPU温度が高いです。

Core i9 10850Kの要求電圧は大きい

消費電力はi9 10900Kが平均209.6 W、i9 10850Kは約65 Wも多い平均264.3 Wでした。

オーバークロックの難易度は非常に高く、Core i9 10850Kは「定格」で使うためのCPUです。オーバークロックを楽しむつもりで買うなら、選別テストを一応はパスしているCore i9 10900Kをオススメします。

やかもち
1万円の差額はホントに「選別落ち」が原因です。

まとめ:i9 10850Kは実質10900Kの値下げ版

Core i9 10850のレビューまとめ
Intel / コア : 10 / スレッド : 20 / ソケット : LGA 1200 / チップセット : Intel 400 Series / 付属クーラー : なし / 内蔵GPU : Intel UHD 630 / 備考 : i9 10900Kの廉価版(選別落ち)

「Core i9 10850K」のデメリットと弱点

  • 選別落ちはホントで「OCに不向き」
  • クリエイティブ性能は3900XTに劣る
  • LGA 1200とIntel 400シリーズが必要
  • TDP制限を掛けないと発熱が大きい
  • PCIe 4.0をサポートしない
  • 付属クーラーなし

「Core i9 10850K」のメリットと強み

  • 定格だとCore i9 10900Kと同性能
  • ゲーミング最強CPUの一角
  • Adobeソフトは極めて高速
  • 内蔵グラフィックスを搭載
  • i9 9900Kよりは冷えやすく改善
  • 5.0 GHzオーバークロックが可能
  • i9 10900Kよりコスパが良い

Core i9 10850Kを検証した率直な感想。「選別落ちとはいえ、定格で使う分にはi9 10900Kの1万円安いバージョンだよ」です。

要求電圧は明らかにi9 10900Kより高く、手動でオーバークロックを楽しむコアなユーザーにはオススメしません。一方、定格動作だと1万円安くi9 10900Kと同等の性能を得られるので、定格派にはオススメできます。

もちろん、同価格帯のライバル「Ryzen 9 3900XT(3900X)」をどう捉えるかによって、評価は変わるでしょう。単なるクリエイティブ性能においては、10コアのi9 10850Kは12コアの3900XTに負けます。

しかし、メモリをオーバークロックせずとも競合Ryzenをいとも容易く打ち負かす強力なゲーミング性能は、依然として健在です。ゲームとクリエイティブタスク、両方をバランス良く求めたい人に適任なCPUと言えます。

Core i9 10850Kの評価(Aランク)

というわけで、ちもろぐの評価は「Aランク」で決まりです。

以前レビューした「i9 10900K」は値段に見合った価値を提供できているとは・・・まったく思えませんでしたが、同等のパフォーマンスで1万円も安くなった「i9 10850K」はマトモな価値と性能を提供しています。

レビュー記事を書いた時点ではボッタクリ気味の初値も落ち着きを見せ始め、5.7~6.2万円で購入できます。同価格帯のRyzen 9 3900Xほどマルチスレッド性能は優秀ではないけれど、圧巻のゲーミング性能と汎用性が強みです。

以上「Core i9 10850Kをレビュー:i9 10900Kが1万円も安くなったよ。」でした。

Intel / コア : 10 / スレッド : 20 / ソケット : LGA 1200 / チップセット : Intel 400 Series / 付属クーラー : なし / 内蔵GPU : Intel UHD 630 / 備考 : i9 10900Kの廉価版(選別落ち)
Intel / コア : 10 / スレッド : 20 / ソケット : LGA 1200 / チップセット : Intel 400 Series / 付属クーラー : なし / 内蔵GPU : Intel UHD 630

i9 10850Kは、i9 10900Kと比較してオーバークロックが伸びにくいです。しかし、どちらも定格の時点で既に消費電力と温度はかなり大きく、オーバークロックの伸びしろはせいぜい+200 MHzです。

500 ~ 1000 MHz伸びるなら話は別ですが、100 ~ 200 MHz程度の違いはベンチマークソフトでわずかに数値化できる程度の差でしかなく、実用上はほとんど意味がありません。

だからi9 10850Kの「OCに不向き」という弱点は、ぼくは言うほどデメリットと考えてないです。同価格帯のライバル「Ryzen 9 3900XT」も、OCの伸びしろはほとんど無いし、むしろシングルスレッドがかえって下がるオチが待ってます。

そういった意味でも「i9 10850K」はホントに「i9 10900Kの値下げ版」です。

ライバル「Ryzen 7 5800X」が登場

価格は5000円ほど高いですが、スペック的に十分ライバルになる「Ryzen 7 5800X」が登場。8コア16スレッドで、10コアのi9 10850Kに性能で互角のバトルができるのかどうか、詳しくベンチマークしました。


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11 件のコメント

  • 現状CPUボトルネックなくゲームするならコスパ的には10700Kかこれ(10850K)だな。
    CPUクーラーが空冷の人なら10900Kは冷やしきれないだろうから10850K定格で
    ってなるとなおコスパよさそう。

    ゲーム以外? Ryzenですかね…。

  • OCは封印して上限ブースト運用するだけなら10900Kより1万安く買えるこっちが良くみえる
    んだけども「選別落ち」っていう肩書のマイナスイメージはけっこうなものですわな

    ・・・超最上位以外のCPUなんて皆選別落ちみたいなもんだけど

  • 選別落ちとはいえ割とまともなバランスの商品が出てきたって感じ

    ただ、nVIDIAがバケモノグラボを発表してAMD共々PCIe4.0に対応したから、
    チップセットの都合ですぐ11世代に移り変わりそう・・・

  • ぶっちゃけゲーミング性能も次期RyzenでIntel以上出るし、何もかもが時代遅れ&殿様商売で買う気がしない。これで5万なら最強だけど、6万なら3900Xの方が優秀だし10世代が全然注目されてないから急ぎで出した感がある。

  •  インテルが殿様商売のままなら今の気持ちはこんな感じ。
    「nvidiaがPci-e4.0?フルHDで2.0も3.0も同じだから4.0も関係ねーよ。ゲーマーは絶対ウチしか買わないし、ゲーム会社も丸め込んでる。大丈夫だ問題ない。」

    • ベンチマークとか見ればあんまり差はないことはわかるけど、
      新しく買うなら世代合ってるほうと合ってないほう、どちらを選ぶかといえば…

  • こんにちは
    いつも楽しくTwitter、ブログを拝見
    させて頂いております。

    こちらのブログを拝見して
    10850kを購入し大変満足しております。
    いつも勉強になるツイートやブログ
    ありがとうございます

  • 記事とても参考になりました。
    ryzen9 5900xにしようとおもっていたのですが、
    5900Xは手に入らなく高価+10850Kはスグ手に入り安いということで10850K買いました。
    ゲーム用なら大して変わらないよねたぶん

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