TITAN ARMY P275MS:レビューまとめ

(公開:2025/11/26 | 更新:2025/11/26)
「TITAN ARMY P275MS」の微妙なとこ
- 平凡なコントラスト比
- 平均的な応答速度(IPSパネルとして)
- 初期設定の色温度がズレてる
(かんたんに修正できます) - sRGBモードがやや不正確
- OSDソフトが正常に動かない
- VESAマウントの設計が悪い
- HDMI 2.0(144 Hz)は古い
- メーカー保証1年
「TITAN ARMY P275MS」の良いところ
- 27インチでWQHD(ちょうどいい)
- 最大240 Hzに対応
- PS5で120 Hz(VRR)対応
- 入力遅延が非常に少ない
- パネルの均一性が高い
- 量子ドットで色域が広い(DCI P3:98%)
- 使えるゲーマー向け機能
- Display HDR 1000相当(確認済み)
- 扱いやすいOSD設定画面
- フル装備のエルゴノミクス機能
- コストパフォーマンスが高い
「TITAN ARMY P275MS」は、WQHD市場を不健全にしつつある「P275MS+(S級)」の前世代モデルです。
前世代だからといって侮れない性能をしています。わずか3万円台の驚異的な安さですが、上位モデルと同じく量子ドット + Fast IPSパネルでほぼ同等の画質です。
明るく鮮やかな画質に、Mini LEDらしい輝度ムラの少ない均一な表示品質が持ち味。5~6万円級の画質が3万円台に降りています。
HDR 1000相当の優れたHDRモードも大きな魅力。
上位機種より半分少ない576分割Mini LEDバックライトながら、HDRモード時に約5000:1超のコントラスト比を叩き出し、平均的な1000分割モデルをやや上回ります。
・・・どうりで後継モデル「P275MS+」が強いわけです。前世代の時点でこれほどの完成度を作り上げられるなら、後継モデルがあの性能に達するのも納得です。
約3万円台で買える今なら、P275MS(無印)のコストパフォーマンスは非常に高いです。
上位モデルと同等とまでは行かないものの、十分にお値段以上の内容が揃っています。そもそも上位版は約6万円近い価格で、高くて検討できない人が少なくない様子。
まとめると、手頃な価格で優れた画質を堪能できる魅力的なオプションが「P275MS(無印)」です。
| 参考価格 ※2025/11時点 | ![]() |
|---|---|
| 楽天市場 Yahooショッピング |

「TITAN ARMY P275MS」の用途別【評価】
| 使い方 | 評価※ |
|---|---|
| FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大240 Hz対応で、応答速度は平均的です。 | |
| ソロプレイゲーム(RPGなど) 色鮮やかな映像でソロプレイゲームに没入できます。 | |
| 一般的なオフィスワーク 文字がそれなりにクッキリと見え、完全なフリッカーフリーに対応。透過性の高いノングレア加工も評価点。ただし「sRGB」モードはグレースケールがズレています。 | |
| プロの写真編集・動画編集 プロの写真編集や動画編集に耐えうる広大な色域と輝度を備え、「DCI P3」と「Adobe RGB」モードが用意されています。しかし「DCI P3」と「Adobe RGB」モードどちらもグレースケールがズレていて、結局は自分でキャリブレーションが必要です。 | |
| HDRコンテンツの再現性 Display HDR 1000認証を軽々と合格できる強力なHDR性能です。Mini LEDモニターとして非常に明るく、輝度の安定性も優秀。精度(PQ EOTF)も平均以上です。576ゾーン分割だからシーン次第でコントラスト比が伸びび限界があるものの、パワフルな明るさで明暗差のあるHDRを表示でき、おおむねHDRコンテンツの再現性が高いです。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
「TITAN ARMY P275MS」レビューは以上です。
もっと詳しく測定データや比較データを見れば、他の代替案にするか、このままTITAN ARMY P275MSで 即決するかヒントになるかもしれません。

TITAN ARMY P275MS:画質レビュー

初期設定の画質とおすすめ設定
左側が箱から出してばかりの初期設定です。
P275MSは最初から割と合ってるほうで、わずかに赤みが強い気もしますがさっぱりしたクリアな色合いです。そのまま使って違和感なさそうなら、初期設定のままで問題なし。
ただし、ローカルディミングもなぜか有効化されています。オフィスワークなど、動きの少ない作業で「ちらつき」に気づきやすいため、ローカルディミング:オフがおすすめ。
いつもどおり、キャリブレーター(測定機材)を使った手動調整も用意しました。真似してみて好みに合わなかったら、初期設定(ローカルディミング:オフ)で大丈夫です。
- モード:標準
- 明るさ:63
- ガンマ:2.2
- 色温度:ユーザー1
- 赤:46
- 緑:45
- 青:48
- ローカルディミング:オフ
※画面の明るさは好みに合わせて調整してください。明るさ63%だと約348 cd/m²前後に達し、人によっては眩しく感じるレベルです。
手動調整後のガンマカーブとグレースケール(色温度)グラフです。
他のTITAN ARMYシリーズと同様に、妙なクセが少なく手動で調整しやすい特性です。グレースケールがほぼ完璧に一致し、ガンマカーブはやや暗めですが実用上そこまで問題ないラインまで修正。
基本的な「画質」を測定して比較

ちもろぐでは、2種類の測定機材を使って今回レビューする「TITAN ARMY P275MS」の画質を深堀りします。
- 分光測色計:X-rite i1 Pro2
(Spectrophotometer) - 比色計:Calibrite Display Plus HL
(Colorimeter)
分光測色計は、数値が書いてある正確な定規だとイメージしてください。単品でモニターの色や明るさを正確に測定できます。しかし、黒色の測定が不正確だったり、暗い色の測定がすごく遅いです。
だから比色計もセットで使います。比色計は単品だと誤差が大きく使いづらいですが、分光測色計を使って誤差を修正可能です。
Matrix補正と呼ばれる誤差修正を掛けたあとの比色計なら、分光測色計と大差ない精度を得つつ、もっと深い黒色の測定と暗い色の高速測光が可能です。
| 色域カバー率(CIE1976) | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| sRGBもっとも一般的な色域 | 100.0% | 99.9% |
| DCI P3シネマ向けの色域 | 97.1% | 98.4% |
| Adobe RGBクリエイター向けの色域 | 99.8% | 99.4% |
| Rec.20204K HDR向けの色域 | 84.2% | 84.8% |
TITAN ARMY P275MSで表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。
もっとも一般的な規格「sRGB」で約100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」は約98%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は驚異のほぼ100%です。
過去の傾向からして、色の広さは量子ドット液晶 > タンデムOLED > 量子ドットVA = QD-OLED > 広色域な液晶 = OLED > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並びます。
「色域」は色の鮮やかさに深く関係する性能で、多くの一般人が「画質」だと感じ取っている重要なスペックです。
TITAN ARMY P275MSは約3万円台の激安モニターながら、「量子ドット」フィルターによる純度の高い色彩を容赦なく放ちます。
測定によると同じ価格帯の「Fast IPS」をはるかに上回る広大な色域を持ち、DCI P3色域とAdobeRGB色域の両方をほぼ完璧にカバーします。
AdobeRGBから来る純度の高い緑色と、DCI P3から来る純度の高い赤色を両立します。まだ量子ドットを見た経験がなければ、「これが量子ドット・・・」と体感できるビビットな色彩です。
数年ぶりの買い替えはもちろん、2~3年ぶりの更新でも、鮮烈なビビットカラーから色の違いを体感できる可能性が高いです。
特にデスクトップ画面やHDRコンテンツで分かりやすいでしょう。

コントラスト比(実測)は920:1です。初期設定(ローカルディミング:オン)なら約4200:1まで伸びます。
素の性能で平均的なIPSパネル(約1100:1)を下回るものの、Mini LED(576分割)を使った「部分駆動」がかなりアグレッシブに効いていて、約1500~4000:1前後まで伸びました。
しかし、ピーク値ですら平均的なVAパネル程度のコントラスト比に過ぎず、白浮きがまだまだ目立ちます。

色が均一の静止画コンテンツを見ている時間が長いオフィスワークで、気にする人が多い「色ムラ」をチェック。
色ムラ(輝度ムラ)の測定結果は平均値でわずか2.8%です。
たった3万円台で平均的な液晶パネル(エッジライト方式)をはるかに上回る数値を出されたら、とある日本メーカー(EIZO)が泣きたくなりそうな状況です。
なお、過去レビューを見る限り、Mini LEDパネル(直下型LED)は輝度ムラを抑えるのに効果的です。
パネルの四隅に近いほど輝度が下がる「グロー」現象もよく抑えらていて、実際のコンテンツでほとんど気にならない程度。
画面全体に同じような色を表示するシーンを凝視してようやく色ムラの存在に気づきます。
画面の明るさは100%設定で約476 cd/m²に達し、SDRコンテンツを見るのに十分すぎる明るさです。
最低輝度(0%設定)は約22 cd/m²まで下げられ、明るい部屋だと非常に暗く見えます。平均的なモニターが約40 cd/m²だから、20 cd/m²台はなかなか優秀なクラスです。
眼精疲労などが理由で、夜間に暗い画面を好む人にとって嬉しい仕様です。目にやさしいらしい120 cd/m²前後は設定値17~18%でほぼ一致します。
HDRモード時の画質を詳しく測定

モニターの色と明るさを超高速かつ正確に測定できる機材「CR-100」を使って、「TITAN ARMY P275MS」のHDR性能をテストします。

TITAN ARMY P275MSはメーカー仕様表で「HDR 1000相当」とアピールしているように、Display HDR 1000認証クラスの眩しい明るさに達します。
同時に、576個のMini LEDを駆使する部分駆動(ローカル調光)で、HDRコントラスト比を向上させます。
| HDRコントラスト比Colorimetry Research CR-100で測定した結果 | |
|---|---|
| 全画面 | Inf : 1 |
| 10%枠 | 5093 : 1 |
| 3×3パッチ | 4727 : 1 |
| 5×5パッチ | 2323 : 1 |
| 7×7パッチ | 1509 : 1 |
| 9×9パッチ | 1483 : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースで1483 : 1でした。
シーンによりコントラスト比が約1500~5100:1の幅で変動します。たった500分割しかないMini LEDバックライトで、かなり頑張っている数値です。
たとえば、価格が2倍近い「GA27T1M(1152分割)」だと約1400~4300:1に過ぎず、分割ゾーンが2倍あってもP275MSに劣っています。
TITAN ARMYは黒色をなるべく黒くしようと積極的に消灯を駆使する、アグレッシブなMini LED制御で知られ、今回の下位モデル「P275MS」でも果敢に黒を攻めています。
素のコントラストが900:1程度しかないIPSパネルを、わずか576分割でここまでコントラスト比を向上できるなんて・・・素直にびっくりです。
それでもピーク時に5000:1程度ですから、OLEDテレビ用のサンプル動画で白浮きが目立ちやすいです。大きなオブジェクトの周辺にうっすら光が漏れます。
Mini LED分割数が2倍に増えた上位モデル「P275MS+」は、ピーク時7700:1まで伸びました。予算に余裕があれば検討する価値あり。
HDRモード時の明るさが正しいか、PQ EOTF追跡グラフで測定します。
TITAN ARMY P275MSは「HDRムービー」モードに限り、追跡グラフの精度がかなり高いです。暗部階調の浮き方もかなり抑えつけていて、コントラスト比も高いです。
特筆すべき点が、表示面積によるブレ幅の少なさ。TITAN ARMYはMini LEDの制御技術において、かつて本家ブランドだったINNOCNすら超える領域に達しています。

価格が2倍、Mini LED分割数も2倍ある「GA27T1M」のグラフがこちら。
平均的なMini LEDゲーミングモニターなら、表示面積ごとにPQ EOTFがブレてしまいます。一方、TITAN ARMYシリーズはブレ幅が少ないパターンが多く、制御技術の差が明らかです。

HDRの持続性能はDisplay HDR 1000認証ラインを軽々と超えていきます。非常に明るいHDRゲーミングを楽しめます。
面積25~50%で1250 cd/m²前後に達し、並のOLEDパネルをゴボウ抜きです。面積50%以上の持続輝度は、P275MS+やEX-GDQ271JLAQと(主観的には※)大差ありません。
経過時間の影響は面積50%以上から目立ちます。フラッシュ輝度を数秒しか持続できないですが、実用上、数秒も持つなら十分です。
※数値が大きくなればなるほど、人間の感覚で差を感じづらいです。100 → 200 cd/m²はとても大きな差に見えますが、1100 → 1200 cd/m²は同じ差分(+100 cd/m²)でも大差ない印象です。
HDR規格(Rec.2020色域)に対する色精度は驚異的。最大ΔE = 5.2、平均ΔE = 2.15でした。
面積に関係なく一貫性の高いPQ EOTF追跡グラフと、ターゲットに近いグレースケール(D65)が効いて色精度を高く維持します。
ただし、ごくわずかなトーンジャンプが入っていて、まれに違和感のある表示が出る可能性があります。

| 明るいシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (TITAN ARMY P275MS) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
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| 比較:HDR 1000 (Titan Army P275MV-A) | 比較:HDR 1400 (TCL 32R84) |
HDRゲームの代表例「FF16」で、明るいHDRシーンを比較しました。
フェニックスが光り輝く当該シーンにて、P275MSは軽く1350 cd/m²に達し、フェニックスの細かい階調表現をかなり正確に映し出せる輝度性能です。
比較写真を見ての通り、明るさが足りないOLEDパネルなら白飛びが頻発してディティールを失いますが、輝度性能の高いMini LEDは問題なく階調表現を再現します。
HDRゲーム時の明るさを測定しました。
恐ろしく明るいフェニックス戦(FF16)でピーク時に1280~1360 cd/m²ほど。ピーク時1500 cd/m²を超えるシーンを、おおむね再現可能です。
優れたHDR効果で知られるGhost of Yōteiだと、ピーク時に1200 cd/m²ほど。約1600 cd/m²近いシーンにやや不足する明るさですが、実用上はかなり再現できていて、羊蹄平の太陽の明るさを十分に感じられます。
| 暗いシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (TITAN ARMY P275MS) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
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| 比較:IPS + Mini LED (Titan Army P275MV-A) | 比較:IPS + Edge LED (KTC H27P6) |
TITAN ARMY P275MSは、576分割(24個 x 24個)したMini LEDバックライトを搭載します。
パネルの部分駆動(ローカルディミング)を効果的に機能させるうえで心細い分割数です。VAパネルならともかく、素のコントラストが低いIPSパネルにとって、不十分です。
ローカル調光のアルゴリズム次第である程度なんとかなる部分もありますが、物理的に576個しかない以上、やはり限界が見えるシーンは数多く出てきます。
TITAN ARMYは果敢に黒を攻める制御を取り入れたものの、明るい物体の周辺にふんわりと光が漏れ出てしまい、1000~2000分割クラスと比較してコントラスト感が劣ります。
もちろん、普通の液晶パネル(エッジライト方式)と比較すれば、ないよりあった方が圧倒的にマシです。
| VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
|---|---|---|
| 比較 | テスト対象 TITAN ARMY P275MS | ターゲット規格 Display HDR 1000 |
| 画面の明るさ |
|
|
| 黒色輝度 |
|
|
| コントラスト比 |
|
|
| 色域 |
|
|
| 色深度 |
|
|
| ローカル調光 |
|
|
最後に、VESA Display HDR認証を満たしているか測定チェック。
TITAN ARMY P275MSは、HDR 1000認証を取得していないけど、「Display HDR 1000」規格におおむね合格できる性能です。
なお、色精度がΔE > 2.0をわずかに超えているため、厳密には合格できない(XRITE COLOR TEST PATCHESが厳しい)可能性が多少残されています。
ローカル調光(部分駆動)の挙動チェック
(部分駆動:24 x 24 = 576分割)
TITAN ARMY P275MSのローカル調光(部分駆動)は、強度を調整できません。有効かオフか、二択です。
576分割でコントラスト比を高めようとする制御だから、明るいエリアの周囲が黒い背景(消灯エリア)に強く引っ張られます。
ウィンドウの四隅や、マウスカーソルなど小さなオブジェクト(光点)がうっすらと暗く映ります。まさに、オフィスワーク時に「オフ」をおすすめする理由です。
(※ちらつきに感じるかは個人差あり)
ウィンドウを不規則に動きしたときに発生する「ちらつき(LDフリッカー)」は・・・そこそこ目立っています。
1エリアあたりのMini LED面積が大きく、遷移時の光点距離が長いせいで、フリッカーとして認識されやすいです。
認識しやすいLDフリッカーも、オフィスワーク時に「オフ」をおすすめする理由です。
HDRゲームやHDR配信コンテンツを見るときだけ、ローカル調光「高」モードを使うといいでしょう。
パネルの反射加工と文字の見やすさ
TITAN ARMY P275MSに施されたパネル表面加工は、INNOCNやTITAN ARMYモニターで典型的な、やや透過性の強い「ノングレア加工(アンチグレア)」です。
ASUSやBenQのマットコーティングほど、ザラつき粒度が強くなく、少しグレア寄りの透明感あるノングレア加工です。
ぼんやりと背景を拡散し、映り込みを防ぎますが、周囲が明るすぎると・・・映り込みがやや目立ちます。
部屋を少し暗くしたり、背後に明るい反射物を置かない工夫で映り込みを大きく軽減できます。
文字のドット感(見やすさ)はそこそこ鮮明です。
テキスト表示に有利な縦に一直線の直列RGB配列パネルに、110 ppi前後のスタンダードな画素密度を備えます。
普通の距離感(50~60 cm)で見てもドット感が分かりづらいし、30 cmくらいから見ても十分に滑らかなテキスト表示です。
マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。
PCモニター用途(Windows)に相性がいい、RGBストライプ配列の画素レイアウトです。粒度の細かい透過性に優れたマット加工だからか、画素ドットが割と鮮明に見えます。
パネル技術をスペクトラム波長分析※で調べます。
三原色のうち、緑色と青色がピンと突き立つ分離のいい波長パターンから、「量子ドット(Quantum Dots)」だと分かります。
現時点でもっとも色域を効率よく拡張できる先端技術です。
ついでにブルーライト含有量を調べたところ、約29%でした。「色温度:ウォーム」や「リーディング」「アイケアー」モードなどを選べば、TUV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成できます。
※ 分光測色計「X-rite i1 Pro 2」を使って、3.3 nm単位で波長を分析します。
パネルの視野角(見える範囲)チェック
QD Fast IPSパネルの視野角はそこそこ広いです。
当然ながらOLEDパネルと比較して途方もない差が開いていますが、リクライニングで傾ける程度なら、さほど気にならない色褪せ具合です。
TITAN ARMY P275MS:ゲーミング性能
ゲーム性能(応答速度)の測定と比較
↑こちらの記事で紹介している方法で、TITAN ARMY P275MSの「応答速度」を測定します。
60 Hz時の応答速度は平均5.44ミリ秒を記録します。
60 Hzに必要十分な応答速度を満たしますが、ホールドボケ現象(= 60 Hzそのもの)が原因で、残像感がそれほど減らないです。
120 Hz時の応答速度は平均5.51ミリ秒を記録します。120 Hzに必要十分な応答速度(< 8.33 ms)をかんたんに達成します。
OSD設定 → ダイナミックOD:Lv3に切り替えれば、さらに平均3.85ミリ秒まで改善できます。
本機のHDMIポートで設定できる最大値144 Hz時の応答速度は平均5.46ミリ秒を記録します。144 Hzに必要十分な応答速度(< 46.94 ms)を満たします。
OSD設定 → ダイナミックOD:Lv3に切り替えて、平均3.86ミリ秒まで改善できます。
TITAN ARMY P275MSで設定できる、最大リフレッシュレート240 Hz時の応答速度は平均5.36ミリ秒です。
240 Hzに必要な応答速度(< 4.17 ms)を大幅に超過してしまい、不合格です。
なら、オーバードライブ機能「ダイナミックOD」を調整します。必要な応答速度をきっちりパスして、残像感を改善できないかチェックします。
| OD機能の効果 ※クリックすると画像拡大 | ||||
|---|---|---|---|---|
![]() | ||||
| 平均値 | 5.36 ms | 4.63 ms | 4.11 ms | |
| 最速値 | 2.88 ms | 3.17 ms | 2.71 ms | |
| 最遅値 | 7.83 ms | 6.84 ms | 6.22 ms | |
| 平均エラー率 | 0.0 % | 0.0 % | 0.4 % | |
| 累積遷移 (変動電圧 x 時間) | 16.8 mVs | 15.2 mVs | 14.3 mVs | |
TITAN ARMY P275MSのオーバードライブ機能は、4段階(Lv1 ~ Lv TopSpeed)から調整できます。
初期設定「Lv0」だと、オーバードライブがほとんど効いてないです。「Lv1」「Lv2」も効果が弱く、「Lv3」からマトモに機能します。
最大設定「TopSpeed」がもっとも効果が強く、240 Hz時で平均4.11ミリ秒(累積14.3ミリボルト秒)へ性能を向上できます。
TITAN ARMY P275MSは「Lv TopSpeed」がおすすめOD設定です。
| 残像感を比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (TITAN ARMY P275MS) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
| 比較:Fast IPS (P275MS+) | 比較:Fast HVA (TCL 32R84) |
最大320 Hzで動作する上位モデル「P275MS+」ほど、明瞭感がよくないものの、P275MSで想定されるグラフィック重視のソロゲーにとって十分なモーション性能です。
少なくとも、旧世代の古いIPSパネルや、応答速度の遅いVAパネルよりずっとマシです。eSportsタイトルもできなくはない程度の性能があります。
- 実績平均値:3.83ミリ秒
- レビュー機:3.86ミリ秒
ちもろぐに記録した過去110件を超える大量のデータから、TITAN ARMY P275MSの応答速度(120~144 Hz)はほぼ平均値に一致します。
- 実績平均値:3.13ミリ秒
(OLED込み:2.12ミリ秒) - レビュー機:4.11ミリ秒
240 Hz時の応答速度は平均以下です。
ゲーム性能(入力遅延)の測定と比較
TITAN ARMY P275MSで、左クリック100回分の入力遅延を測定しました。
リフレッシュレート60 ~ 240 Hzまで、安定して目標の16ミリ秒を下回る良好な入力遅延です。ほとんどの人が入力遅延を体感できません。
VRR(G-SYNC互換モード)の影響もなかったです。

2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。

- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
フリッカーフリー(画面のちらつき)を測定
実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%までフリッカーが一切検出されません。
「0 Hz」だから一般的な基準とTUV Rheinland基準どちらも合格できます。
| VRRフリッカーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
|
VRR(G-SYNC互換モードなど)有効時に発生する「VRRフリッカー」もテストします。
TITAN ARMY P275MSは、一貫して安定したフリッカーフリー状態を維持します。
VRRフリッカーが発生しやすい、暗部階調やLFCしきい値(< 48 Hz)に突入しても、グラフが微動だにせず完全なフリッカーフリーです。
不得意な暗部階調やパネルの端っこを、目を細めて凝視しても、まったく「ちらつき」が見えませんでした。素晴らしいVRR性能です。

VRRフリッカー(VRR Flicker)は、画面が暗いシーンでフレームレートが激しく変動すると発生する確率が大幅に跳ね上がります。
ちもろぐでは、アクションRPG「鳴潮」にてフレームレートを10 fpsからモニター側の最大fpsまで動かします。
モニターの至近距離に設置された光学センサーを経由して、オシロスコープが明るさの変化をマイクロ秒(10万分の1秒)単位で記録する仕組みです。
記録されたグラフが乱高下していれば「VRRフリッカー」の検出に成功です。逆に、何もなく平坦で一直線なグラフが記録されればフリッカーは皆無と判断できます。
ゲーム機の対応状況(PS5とSwitch 2)
| PS5の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
| WQHD2560 x 1440 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
| 4K3840 x 2160 | 対応PS5 VRR:対応 | –PS5 VRR:- |
PS5でフルHD~WQHD(最大120 Hz)に対応します。OSD設定 > Dual Game Mode > sPXモードで、4K(最大60 Hz)も対応できます。
HDMI 2.1端子にHDMI VRR機能が搭載されているため、「PS5 VRR」もすべて対応可能です。
| Switch 2の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応HDR:対応 | 対応HDR:対応 |
| WQHD2560 x 1440 | 対応HDR:対応 | 対応 HDR:不可 |
| 4K3840 x 2160 | 対応HDR:不可 | Switch 2は非対応 |
有料ソフト「Nintendo Switch 2 のひみつ展」で実際に120 Hz + HDR(10 bit)信号を出力させて、モニターが暗転せずにゲーム画面を表示できるかをチェックします。
暗転しなければ問題なし、暗転して解像度が下がってしまったら互換性なし、と判断します。
Nintendo Switch 2(ドックモード)で、フルHD(最大120 Hz)またはWQHD(最大60 Hz)に対応します。OSD設定 > Dual Game Mode > sPXモードで、4K(最大60 Hz)も対応できます。
ただし、一部のリフレッシュレートでHDMI 2.0ポートの帯域幅が不足して、HDR(10 bit)出力ができないです。
PS5 / PS5 Pro / Nintendo Switch 2など。120 Hz対応ゲーム機で、実際にゲーム側が120 Hz(120 fps)で動くかどうかは、もっぱらゲーム次第です。
ゲーム側が120 Hzをサポートしていなかったら意味がありません。プレイする予定のゲームが120 Hzに対応しているか、事前によく調べてください。
ゲーミングPCで使えるリフレッシュレート

ゲーミングPCの映像端子(HDMIやDisplay Port)にTITAN ARMY P275MSを接続して、ディスプレイの詳細設定から使えるリフレッシュレート一覧をチェックします。
| 対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| HDMI 2.0 (14.40 Gbps) | Display Port 1.4 (25.92 Gbps) |
![]() | ![]() |
| |
TITAN ARMY P275MSがパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。
HDMI 2.0で最大144 Hzまで、Display Port 1.4なら最大240 Hzに対応します。
レトロなゲーム機で役に立ちそうな23.98 ~ 24 Hz範囲は非対応です。
TITAN ARMY P275MSは、圧縮転送モード「DSC(Display Stream Compression)」自体がおそらく未実装です。
| DSC無効時 対応リフレッシュレート | ||
|---|---|---|
| 端子 | SDR (8 bit @ RGB) | HDR (10 bit @ RGB) |
| HDMI 2.0 | WQHD @ 144 Hz | WQHD @ 60 Hz |
| DP 1.4 | WQHD @ 144 Hz | WQHD @ 144 Hz |
CRU(Custom Resolution Utility)によるカスタム解像度や、NVIDIA DSR(DLDSR)をそのまま適用可能です。
| VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
|
フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はHDMIとDisplay Portどちらも使用可能です。動作範囲は48~240 Hzです。
LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。
競技ゲーマー向け機能をチェック
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能
TITAN ARMY P275MSは、3つある主要な競技ゲーマー向け機能のうち2つ対応します。そのほか、クロスヘア(十字線)を表示する機能もあります。
「ナイトビジョン」モードは、暗い部分を見やすく視認性を向上するモードです。Lv0~Lv2(3段階)から調整できます。
そこそこ効果が強いですが、少しやりすぎで画面全体がかえって白っぽく見えるシーンも出てきます。それなりに使えますが、eSports専業メーカー(Zowie)には負けます。
暗い部分を明るく補正できる「シャドウバランス」モードです。
- オフ
- 1 ~ 100(刻み:1ずつ)
全100段階、かなり細やかに調整できます。
しかし70以上から画面全体が白飛び気味、40以下から黒つぶれ気味だから、実用上は41~69(約30段階)相当です。それでも30段階、割と十分な設定値です。
補正の掛かり方はやや大雑把な傾向があり、やはりBenQの本家「Black eQualizer」には届いてません。
eSports系タイトルだとそこそこ、画面全体がうっすら暗いホラーゲームなら使える機能です。

色のついた部分を見やすく強調できる「色彩強調」機能です。Lv0~Lv10(11段階)の範囲で細かく調整して、彩度ポイントを拡張します。
鮮やかさ補正の先駆者「Color Vibrance(BenQ)」と比較して、彩度ポイントの広げ方が大味です。一応効果はあるものの、Color Vibranceほどピンポイントな見え方にならないです。
Sony Inzoneが導入した、個別RGB拡張モードもありません。

TITAN ARMY P275MS:クリエイター適性
TITAN ARMY P275MSは初期設定のままだと、グレーの精度も色の精度もまったく合っていない(ΔE > 2.0)ですが、なんと色域エミュレーション「sRGB」「DCI P3」「AdobeRGB」モードが実装されています。
わずか3万円台の激安ゲーミングモニターに、3タイプの色域エミュレーションが実装されているなんて・・・。校正済み(ΔE < 2.0)を示すキャリブレーションレポートも付属します。
レポート記載どおり、本当に色精度が高いのか、実際に測定します。
「sRGB」モードと色精度(dE2000)
「DCI P3」と「AdobeRGB」は・・・?
TITAN ARMY P275MS:本体デザインと機能
パッケージ開封と組み立て工程
ほとんど段ボールと変わらない簡素な茶箱に、「TITAN ARMY」のロゴが入ったパッケージで到着。サイズは89 x 45 x 18 cm(160サイズ)です。
なんと、以前レビューした上位モデル「P275MV-A」や「P275MV MAX」と寸分違わず同じサイズです。まったく同じパッケージを流用してコストカットします。
箱に書いてある「FRONT」のロゴを床に向けてから開封して、梱包材まるごと全部引っ張り出します。
厚みのある高密度発泡スチロールでできた梱包材で、がっちり梱包されています。上の段に付属品、下の段にゲーミングモニター本体が収まってます。
| 組み立て工程 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
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ゲーミングモニターで定番のドッキング方式です。プラスドライバーが不要なツールレス設計でかんたんに組み立てられます。
なお、パネルの表面にラベルシールがべったり貼ってあり、剥がすときにパネルを傷つけないよう注意です。
付属品をざっくり紹介
| 付属品 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 一覧 | ACアダプター |
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付属のキャリブレーションは3枚あり、「sRGB」「DCI P3」「AdobeRGB」規格に対してΔE < 2.0に校正済みと記載あり。
ただし、目視補正(メタメリズム障害の回避)を考慮しない、お飾りの校正レポートです。中華モニターに限らず、大手外資系メーカーも目視補正をしていないから、業界全体の問題です。
外観デザインを写真でチェック
IO-DATA版「LDQ271JAB」や、上位モデル「P275MS+」とほぼ同じ筐体デザインを使っています。
他の同型モデルと同様にプラスチック製の安っぽい素材を多用し、特に目立った装飾や模様もないザラザラとしたマットブラック塗装です。
ベゼル中央に「TITAN ARMY」のライムグリーン色のロゴマークが大きく目立ちます。付属スタンドは台座型で、手前の占有スペースを節約します。

エルゴノミクス機能とVESAマウント
TITAN ARMY P275MSはフル装備のエルゴノミクス機能を備えます。
ヌルヌルと滑らかに動いて調整しやすい、ていねいな作りのエルゴノミクス機能です。デスクから距離35 mmまで高さを下げられます。
高さ調整の動かし始めがちょっと硬いくらいで、角度やピボットはかんたんに動かせます。画面の水平(0°)も取りやすいです。
別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。
パネル本体の重量は約4.15 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。
・・・ですが「罠」だらけ。そのままエルゴトロンLXを取り付けようとしても、段差がジャマしてネジ穴が合わず、物理的にネジを固定できないです。
解決策が「M5スペーサー」と「M4 x 25mmネジ」のセットです。スペーサーで段差を回避し、長いネジでVESAマウントに固定すれば、エルゴトロンLXを正常に取り付けられます。
対応インターフェイスをチェック
| 各種インターフェイス ※クリックすると画像拡大 |
|---|
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映像端子は全部で3つあり、HDMIポートが最大144 Hz(2560×1440)まで、DPポートが最大240 Hz(2560×1440)に対応します。
USBポートは一切無し。
「明るさセンサー」と自動調光
| 明るさセンサー ※クリックすると画像拡大 |
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画面上部の右側に、周囲の明るさを検知する「照度センサー」を内蔵します。天井から入ってくる明るさを検知して、画面の明るさを自動的に調整する機能です。
OSD設定 → ピクチャー設定 → 「光センサー:オン」で、周囲の明るさに合わせて画面の明るさを変動させる「自動調光」モードが機能します。
明るさの変化に対して忙しなく変動しますが、BenQアイケアの「Brightness Intelligence(B.I. Gen2)」と比較して、中程度の明るさまでの応答性がやや鈍い傾向あり。
価格なりの調光機能です。
モニターの設定画面(OSD)

モニター本体の右側底面にある「物理ボタン(5個)」を使って、ちまちまとOSD設定を操作できます。とても面倒くさいです。
項目ごとに分かりやすく整理されたフォルダ階層型のOSDレイアウトを採用。レスポンスも良好でかなり快適。
しかし、設定できる項目があまりにも多すぎて、フォルダ階層型でも相当に入り組んだ構造です。UIデザイン担当者の苦悩が垣間見えます。
- ショートカットボタン(最大2個まで)
- プリセットごとに調整(設定値の保存も可能)
最短2回の操作で任意の項目を開けるショートカットボタンを最大4個まで登録できます。「輝度」や「入力切り替え」、「シャドウバランス」や「色彩強調」など、8割くらいの項目を登録可能です。
プリセットごとに好みの設定値を保存して、用途に使い分ける運用も一応できます。

OSDソフト「VIEW MORE WIDGET」
- TITAN ARMY 公式からダウンロード
(https://titanarmy.cn/portal/list/index/id/42.html)
「V1.0.2.6」と記載があるバージョンが、INNOCNとTITAN ARMY共通で使える汎用バージョンですが、P275MSだと正常に機能しません。

フリーソフト「Twinkle Tray」ならスピーディーに動きます。
HDRとSDRの明るさを個別に設定したり、時間帯ごとに明るさを自動で変更できて便利です。
表面温度(サーモグラフィー)は、FF16(HDRモード)を約1時間ほど掛け続けてから撮影しました。
TITAN ARMY P275MS:価格設定と代替案
| 参考価格 ※2025/11時点 | ![]() |
|---|---|
| 楽天市場 Yahooショッピング |
2025年11月時点、TITAN ARMY P275MSの実売価格は約2.8~2.9万円です。
リモコンと3年保証を除いて、約5万円近い「GDQ271JLAQ」とほぼ同じスペック、同等の性能で40%も安い価格設定です。
文句なしにコストパフォーマンスがぶっ飛んでいます。
「320 HzもDyDsモードも不要だから予算を抑えたい」
上記に当てはまるなら、P275MS(無印)が適任です。

576分割なのに黒をよく攻めてます

3万円台でも「量子ドット」だから・・・
ハイエンド級の色彩表現

おすすめ代替案(他の選択肢)を紹介
同じ価格帯の代替案が「KTC M27T6」です。
素のコントラスト比が高いVAパネルに、量子ドットとMini LED(1152分割)を組み込み、黒がよく締まるHDR映像を表示できます。
ただし、VAパネルだから応答速度が遅くて、FPSゲーム系との相性はイマイチ。色域(鮮やかさ)も少しだけP275MSに劣ります。
予算に余裕があれば、後継モデル「TITAN ARMY P275MS+」が魅力的です。
定価5万円ちょっとで量子ドット + Fast IPS + Mini LED(1152ゾーン分割)パネル搭載。HDR認証は取っていないけど、筆者の実測テストでDisplay HDR 1000に合格できる性能を確認済み。
選べる3つのHDRモードがあり、そのうち1つが恐ろしく高精度に校正済みで、箱から出してそのまま使えます。
映像美だけでなく競技性も攻めています。最大320 Hz対応、本物のHDMI 2.1(48 Gbps)ポートにより、PS5やSwitch 2対応もパーフェクト。
FPSゲームで重視される残像感の少なさを改善する、黒挿入モード「DyDs」に対応し、Zowie「DyAc+」に匹敵するクッキリさと明るさを実現します。
HDRに興味がなく、ふつうに万能タイプのWQHDゲーミングモニターが欲しい方は「ASUS XG27ACS」をどうぞ。
WQHDでおすすめなゲーミングモニター
最新のおすすめWQHDゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。
WQHDでおすすめなゲーミングPC【解説】
最新AAAゲームをWQHDかつ200 fps台(= フレーム生成込み)でプレイするなら、「RTX 5070 Ti」以上を搭載したゲーミングPCがおすすめです。
メーカー指名でおすすめなBTOマシンは「ツクモG-GEAR」です。
筆者と同じくオタク気質なパーツ選定がおもな魅力で、他社BTOよりちょっと高い価格も納得できます。他人に安心しておすすめしやすいマシンです。
Ryzen CPU搭載モデルにASUS製マザーボード(+ カスタムBIOS)を使っている点も、意外と知られていない大きな利点です。
予算的に5070 Tiが厳しいなら、「RTX 5070」を搭載したゲーミングPCが代替案です。
平均的にRTX 4070 Ti相当、相性の良いゲームならRTX 4070 Ti SUPERすら超えるゲーム性能を発揮でき、WQHDゲーミングモニター用にコスパよし。
フレーム生成(DLSS FG / MFG)と設定次第で、200 fps台も一応狙えます。
おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】










































































































































































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