BenQ MOBIUZ EX251:レビューまとめ

(公開:2025/10/31 | 更新:2025/10/31)
「BenQ MOBIUZ EX251」の微妙なとこ
- 平凡なコントラスト比
- パネル均一性が良くない
- 「PS5 VRR」非対応
- 色域が広くない(DCI P3 < 90%)
- MOBIUZの象徴
「リモコン」がなくなった - 内蔵スピーカーの音質
- エルゴノミクスは角度調整のみ
- 初期設定の色温度がズレてる
(かんたんに修正できます) - sRGBモードが不正確
- 最低限のHDRモード
「BenQ MOBIUZ EX251」の良いところ
- 24.5インチでフルHD(ちょうどいい)
- 最大220 Hzに対応
- PS5で120 Hz対応
- 応答速度が速い(IPSパネルとして)
- 入力遅延が非常に少ない
- 実用的なゲーマー向け機能
- 残像軽減「ブレ削減」モード
- 美しい「白色」デザイン
- メーカー3年保証
(液晶パネルは1年のみ)
「BenQ MOBIUZ EX251」は非オタク(一般ゲーマー)から支持が熱い、ド定番のフルHDゲーミングモニターです。
しかし、約3万円後半の定価に見合う性能や価値はもう残されていません。
価格が高い代わりにライバル他社を上回る性能と機能がウリだったのに、EX251は一部の機能や独特の味付けを除いて価格に見合う価値がないです。
分かりやすくいえば「MOBIUZだから買う」製品です。
いわゆる指名買いが人気(売れ筋)を支えている状態で、その人気の根源を地道なPR活動とブランディングで供給し続けています。
ひとつの製品単品で見て、決してそこまで悪くないゲーミングモニターですが、かつてのイケイケなMOBIUZ黎明期を知っている筆者にとって寂しさだけが残ります。
| 参考価格 ※2025/10時点 | ![]() |
|---|---|
| Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |

「BenQ MOBIUZ EX251」の用途別【評価】
| 使い方 | 評価※ |
|---|---|
| FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大220 Hz対応で応答速度もそこそこ速いです。残像感を抑える「ブレ削減」モードも対応します。 | |
| ソロプレイゲーム(RPGなど) そこそこ色鮮やかな映像でソロプレイゲームに没入できます。「Color Vibrance」を使うと、鮮やかさを多少マシにできます。 | |
| 一般的なオフィスワーク 文字がそれなりにクッキリと見え、完全なフリッカーフリーに対応。「sRGB」モードはグレースケールが寒色にズレていて役に立たないです。 | |
| プロの写真編集・動画編集 プロの写真編集や動画編集に必要な色域を満たさないうえ、「DCI P3」と「Adobe RGB」モードが未実装です。自分でキャリブレーションが必要です。 | |
| HDRコンテンツの再現性 Display HDR 400認証にギリギリ合格できる最低限のHDR性能です。根本的に明るさが不足しているうえ、ローカル調光をほぼ使わないからコントラスト比も低いです。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
「BenQ MOBIUZ EX251」レビューは以上です。
もっと詳しく測定データや比較データを見れば、他の代替案にするか、このままEX251を買ってしまうか決めるヒントになるかもしれません。
BenQ MOBIUZ EX251:画質レビュー

初期設定の画質とおすすめ設定
BenQ MOBIUZ EX251の初期設定はBenQ独自チューニングでクセが強いです。
異様なほど黒色が深く、明るい部分を明るく目立たせ、それでいて白飛びはしっかり抑制する「S字型ガンマカーブ」モデルを搭載します。
限られたコントラスト比しか出せない液晶パネルを使いながら、人間の目で主観的に見る分には不思議とコントラスト感が増して見える効果が強いです。
大手ライバル(MSIやASUS)がなかなか真似をしない技法なので、おそらくBenQが特許を抑えているんでしょう。
なお、S字型ガンマカーブが内蔵されているモニターを手動設定で矯正するのは不可能です。
キャリブレーター(測定機材)を使って数値を見ながら、あれこれOSD設定をいじくり回しましたが、徒労に終わりました。

- モード:カスタム
- 明るさ:86
- Light Tuner:+7
- Color Vibrance:9
- コントラスト:61
- ガンマ:5
- 色温度:ユーザー
- 赤:99
- 緑:94
- 青:99
※画面の明るさは好みに合わせて調整してください。明るさ86%だと約350 cd/m2前後に達し、人によっては眩しく感じるレベルです。
手動調整後のガンマカーブとグレースケール(色温度)グラフです。
悪くない具合に調整できたように見えますが、ピークホワイト(RGB255)だけピンク色に変色します。実用性に難ありだから真似しなくてOKです。
基本的な「画質」を測定して比較

ちもろぐでは、2種類の測定機材を使って今回レビューする「BenQ MOBIUZ EX251」の画質を深堀りします。
- 分光測色計:X-rite i1 Pro2
(Spectrophotometer) - 比色計:Calibrite Display Plus HL
(Colorimeter)
分光測色計は、数値が書いてある正確な定規だとイメージしてください。単品でモニターの色や明るさを正確に測定できます。しかし、黒色の測定が不正確だったり、暗い色の測定がすごく遅いです。
だから比色計もセットで使います。比色計は単品だと誤差が大きく使いづらいですが、分光測色計を使って誤差を修正可能です。
Matrix補正と呼ばれる誤差修正を掛けたあとの比色計なら、分光測色計と大差ない精度を得つつ、もっと深い黒色の測定と暗い色の高速測光が可能です。
| 色域カバー率(CIE1976) | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 規格 | CIE1931 | CIE1976 |
| sRGBもっとも一般的な色域 | 100.0% | 99.9% |
| DCI P3シネマ向けの色域 | 83.6% | 89.9% |
| Adobe RGBクリエイター向けの色域 | 78.1% | 88.1% |
| Rec.20204K HDR向けの色域 | 60.1% | 65.7% |
BenQ MOBIUZ EX251で表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。
もっとも一般的な規格「sRGB」で約100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」では89.9%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は88.1%です。
過去の傾向からして、色の広さは量子ドット液晶 > 量子ドットVA = QD-OLED > 広色域な液晶 = OLED > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並びます。
「色域」は色の鮮やかさに深く関係する性能で、多くの一般人が「画質」だと感じ取っている重要なスペックです。
BenQ MOBIUZ EX251の色域は、値段を考えれば「もう一息」欲しいレベル。
同じ価格帯でDCI P3:95%超が珍しくない中、今どき90%すら超えない色域は平凡です。
「Color Vibrance」機能を使えば多少マシに改善できますが、あくまでも見た目だけ。Color Vibranceを入れても色域は変わらないから注意。
コントラスト比(実測)は852:1(ネイティブ)です。IPSパネルの平均値(約1100:1)にすら届かない、イマイチなコントラスト比が出ています。
黒色がハッキリ白浮きします。暗い部屋でコントラスト比の高い映像を見ると、画面全体が白っぽく見え、コントラスト感を大きく損ないます。
色が均一の静止画コンテンツを見ている時間が長いオフィスワークで、気にする人が多い「色ムラ」をチェック。
色ムラ(輝度ムラ)の測定結果は平均値で約9.5%に迫り、ちもろぐレビューの平均値を上回ります。
パネルの四隅で約20%もの輝度低下です。約1~2万円台の安価なフルHDモニターと同じく、エッジライト方式バックライトを使っています。
実際の映像コンテンツやゲームプレイシーンで色ムラに気づく可能性は低いものの、画面全体に同じような色を表示するシーンを表示すれば色ムラに気づきます。
画面の明るさは100%設定で約400 cd/m2を超え、SDRコンテンツを見るのに十分な明るさです。
最低輝度(0%設定)は約44 cd/m2とそこそこ暗くできます。眼精疲労などが理由で、夜間に暗い画面を好む人にとって嬉しい仕様です。
目にやさしいらしい120 cd/m2前後は設定値20%でほぼ一致します。
HDRモード時の画質を詳しく測定

モニターの色と明るさを超高速かつ正確に測定できる機材「CR-100」を使って、「BenQ MOBIUZ EX251」のHDR性能をテストします。

BenQ MOBIUZ EX251のHDRモード時の明るさは必要最低限のライン(HDR 400)を突破します。400 cd/m²を超えていれば「まぁまぁ」なHDR映像を見られます。
ただし、LEDバックライトがシングル(1分割)方式です。
| HDRコントラスト比Colorimetry Research CR-100で測定した結果 | |
|---|---|
| 全画面 | 4694.5 : 1 |
| 10%枠 | 978.0 : 1 |
| 3×3パッチ | 977.3 : 1 |
| 5×5パッチ | 977.6 : 1 |
| 7×7パッチ | 971.2 : 1 |
| 9×9パッチ | 970.7 : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースで971 : 1でした。
全画面パターンのみ、コントラスト比が約5000:1まで伸びます。バックライトがシングルでもローカル調光を使えば、全画面に限りコントラスト比を稼げます。
もちろん、実際のゲームシーンでまったく意味がなく、Display HDR 400認証に合格するためだけの小細工です。
HDRモード時の明るさが正しいか、PQ EOTF追跡グラフで測定します。
暗い部分は白浮き気味、明るいシーンは実際より暗くズレる「ロールオフ」処理をわざと入れて、ピークハイライトの白飛びを回避する小細工がなされています。
「ファンタジーHDRi」や「Sci-Fi HDRi」など、全部で5種類のHDRモードがあり、「HDRモード」が比較的マシな精度です。
シングルバックライトだから明るさの一貫性には優れます。表示する面積、時間経過に関係なく、同じ明るさです。
HDR規格(Rec.2020色域)に対する色精度は普通です。
最大ΔE = 12.0、平均Δ = 5.69でした。PQ EOTF曲線があまり一致しないし色域も狭いから、HDR色精度が低く出ます。
グレースケール(D65)の精度も良くないです。ターゲット(D65)より全体的に寒色気味にズレています。
ちなみにBenQ独自の「HDRi」モード時なら、明るさ調整や暗所補正を同時に使えます。にもかかわらず肝心の色温度(グレースケール)だけロック(固定)され、色ズレを修正できないです。
| 明るいシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (BenQ MOBIUZ EX251) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
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| 比較:HDR 1000 (Titan Army P275MS+) | 比較:HDR 1400 (TCL 32R84) |
BenQ MOBIUZ EX251は必要最低限のHDR表現性能。
そこそこ明るく映るし、ロールオフ処理による白飛び回避でディティールの再現もギリギリなんとか耐えます。
しかし、量子ドットを搭載するHDR 1000以上のゲーミングモニターと比較すると、残酷な性能差が明らか。
HDRゲーム時の明るさを測定しました。
恐ろしく明るいフェニックス戦(FF16)は、ピーク時に450 cd/m²前後に達します。実際は1500 cd/m²を超えるシーンなので、まったく再現できてないです。
優れたHDR効果で知られるGhost of Yōteiも、ピーク時に430 cd/m²台でストップします。実際は1600 cd/m²に迫るハイライトだったはずです。
| 暗いシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (BenQ MOBIUZ EX251) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
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| 比較:IPS + Mini LED (Titan Army P275MS+) | 比較:VA + Mini LED (TCL 32R84) |
BenQ MOBIUZ EX251のLEDバックライトはシングル(1枚)です。
パネルの部分駆動(ローカルディミング)を実装できず、黒いエリアがすべて白浮きします。Mini LEDモデルと比較して、コントラストの性能差は明らかです。

| VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
|---|---|---|
| 比較 | テスト対象 BenQ MOBIUZ EX251 | ターゲット規格 Display HDR 400 |
| 画面の明るさ |
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| 黒色輝度 |
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| コントラスト比 |
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| 色域 |
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| 色深度 |
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| ローカル調光 |
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最後に、VESA Display HDR認証を満たしているか測定チェック。
BenQ MOBIUZ EX251は最低グレード規格「Display HDR 400」にギリギリ合格できる最低限の性能です。
全画面パターン限定でローカル調光も機能するため、コントラスト比の要件が厳しくなった「CTS 1.2」以降の基準もパスします。
パネルの反射加工と文字の見やすさ
BenQ MOBIUZ EX251に施されたパネル表面加工は、PC用モニターで定番の「ノングレア加工(アンチグレア)」です。
若干ざらつきの強い加工が施されているため、拡散効果が強すぎて背景が映り込みやすいです。部屋をうっすら暗くしても、わずかに背景が映り込みます。
文字のドット感(見やすさ)は平凡です。
テキスト表示に有利な縦に一直線の直列RGB配列パネルですが、画素密度が100 ppiを大きく割って89 ppiしかないです。
裸眼視力が高い人なら普通の距離感(50~60 cm)でドット感に気づく可能性があり、30 cmくらいならつぶつぶしたテキスト表示です。
マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。
PCモニター用途(Windows)に相性がいい、RGBストライプ配列の画素レイアウトです。ドットがボヤけて見えるのは、パネル表面のノングレア加工が原因です。
パネル技術をスペクトラム波長分析※で調べます。
三原色のうち、赤色に凹みが見られる波長パターンから、「KSF蛍光体(KSF Phosphor)」だと分かります。量子ドット技術の次くらいに色域を広くできます。
ついでにブルーライト含有量を調べたところ約32%でした。「プリセットモード:sRGB」で、TUV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成できます。
※ 分光測色計「X-rite i1 Pro 2」を使って、3.3 nm単位で波長を分析します。
パネルの視野角(見える範囲)チェック
BenQ MOBIUZ EX251は、典型的なIPSパネルを使っています。普通のIPSパネルと同じく、視野角はそこそこ広いです。
隣の席から見たり、リクライニングで傾ける程度なら、気にならない色褪せ具合です。
BenQ MOBIUZ EX251:ゲーミング性能
ゲーム性能(応答速度)の測定と比較
↑こちらの記事で紹介している方法で、BenQ MOBIUZ EX251の「応答速度」を測定します。
| 60 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 残像感 (UFO追尾ショット) | 30パターン測定 (10~90%範囲を測定) |
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| |
60 Hz時の応答速度は平均3.85ミリ秒を記録します。
60 Hzに必要十分な応答速度(< 16.7ミリ秒)を大幅に超える余裕の性能ですが、60 Hz程度だとホールドボケ現象(= 60 Hzそのもの)に邪魔されて残像感をさほど減らせないです。
しかも、オーバードライブを効かせすぎて、かえって「にじみ」「逆残像」が発生しています。EX251を60 Hzで使うなら、OSD設定 → AMA:0 がおすすめ。
| 120 Hz時の応答速度 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 残像感 (UFO追尾ショット) | 30パターン測定 (10~90%範囲を測定) |
![]() | ![]() |
| |
120 Hz時の応答速度は平均3.69ミリ秒を記録します。120 Hzに必要十分な応答速度(< 8.33ミリ秒)を軽くクリアし、残像感もそこそこ抑えられます。
220 Hz時の応答速度は平均3.70ミリ秒を記録します。220 Hzに必要十分な応答速度(< 4.55ミリ秒)をきっちり満たし、残像感を抑えられます。
ここからさらにオーバードライブ機能「BenQ AMA」モードを調整して、応答速度と残像感を改善できないかチェックします。
| OD機能の効果 ※クリックすると画像拡大 | ||||
|---|---|---|---|---|
![]() | ||||
| 平均値 | 3.70 ms | 2.75 ms | 2.25 ms | |
| 最速値 | 2.87 ms | 1.57 ms | 0.88 ms | |
| 最遅値 | 5.15 ms | 4.10 ms | 4.08 ms | |
| 平均エラー率 | 0.0 % | 11.1 % | 32.2 % | |
| 累積遷移 (変動電圧 x 時間) | 16.9 mVs | 15.3 mVs | 18.0 mVs | |
BenQ MOBIUZ EX251のオーバードライブ機能は、3段階(AMA Lv1 → Lv2 → Lv3)から調整できます。
OD設定を上げるほど、応答速度はたしかに改善されます。一方で、累積遷移をほとんど縮小できず、実際の見え方がかえって悪化します。
BenQ MOBIUZ EX251は「AMA Lv1(初期設定)」モードがおすすめです。
| 残像感を比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (BenQ MOBIUZ EX251) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
| 比較:Fast IPS (KTC H27E6) | 比較:Fast HVA (TCL 32R84) |
過去レビューしてきたゲーミングモニターたちと、200 Hz付近で比較した残像感(モーション)写真です。
応答速度が0ミリ秒近いOLEDパネルだけ別次元のクッキリ感で、同じ液晶パネル(IPSパネル)が相手なら、ほぼ同等のモーション感です。
ちもろぐに記録した過去100件近いレビューから、BenQ MOBIUZ EX251の応答速度(220 Hz)はほぼ平均値に匹敵する性能です。
ゲーム性能(入力遅延)の測定と比較
BenQ MOBIUZ EX251で、左クリック100回分の入力遅延を測定しました。
リフレッシュレート60 ~ 220 Hzまで、安定して目標の16ミリ秒を下回る良好な入力遅延です。ほとんどの人が入力遅延を体感できません。
VRR(G-SYNC互換モード)の影響もなかったです。

2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。

- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
フリッカーフリー(画面のちらつき)を測定
実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%までフリッカーが一切検出されません。
「0 Hz」だから一般的な基準とTUV Rheinland基準どちらも合格できます。
| VRRフリッカーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
|
VRR(G-SYNC互換モードなど)有効時に発生する「VRRフリッカー」もテストします。
BenQ MOBIUZ EX251はVRR有効時も、ほぼ完璧なフリッカーフリー動作です。目視で確認できる「ちらつき」が一切見えません。

VRRフリッカー(VRR Flicker)は、画面が暗いシーンでフレームレートが激しく変動すると発生する確率が大幅に跳ね上がります。
ちもろぐでは、アクションRPG「鳴潮」にてフレームレートを10 fpsからモニター側の最大fpsまで動かします。
モニターの至近距離に設置された光学センサーを経由して、オシロスコープが明るさの変化をマイクロ秒(10万分の1秒)単位で記録する仕組みです。
記録されたグラフが乱高下していれば「VRRフリッカー」の検出に成功です。逆に、何もなく平坦で一直線なグラフが記録されればフリッカーは皆無と判断できます。
ゲーム機の対応状況(PS5とSwitch 2)
| PS5の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:不可 | 対応PS5 VRR:不可 |
| WQHD2560 x 1440 | なしPS5 VRR:不可 | なしPS5 VRR:不可 |
| 4K3840 x 2160 | 対応PS5 VRR:不可 | なしPS5 VRR:不可 |
PS5でフルHD(最大120 Hz)または4K(最大60 Hz)に対応します。
ただし、WQHD表示は非対応なうえ、HDMI VRRを搭載していないから「PS5 VRR」もすべて不可です。
| Switch 2の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応HDR:対応 | 対応HDR:対応 |
| WQHD2560 x 1440 | なし HDR:不可 | なし HDR:不可 |
| 4K3840 x 2160 | なし HDR:不可 | Switch 2は非対応 |
有料ソフト「Nintendo Switch 2 のひみつ展」で実際に120 Hz + HDR(10 bit)信号を出力させて、モニターが暗転せずにゲーム画面を表示できるかをチェックします。
暗転しなければ問題なし、暗転して解像度が下がってしまったら互換性なし、と判断します。
Nintendo Switch 2(ドックモード)で、フルHD(最大120 Hz)のみ対応。
OSD設定から4Kモードを有効化すると、Switch 2のディスプレイ設定から4K解像度を選べますが、実際にゲームで表示するとフルHDに戻ってしまいます。
HDR(10 bit)を無効化してもフルHDに戻ります。Switch 2はDSC(圧縮転送)ができないから、BenQ MOBIUZ EX251のHDMI 2.0ポートだと帯域幅が不足して表示できない※です。
※4K 60 Hz(10 bit)に必要な帯域幅は15.68 Gbit/sです。HDMI 2.0が14.40 Gbit/sだから、帯域幅が足りてません。

PS5 / PS5 Pro / Nintendo Switch 2など。120 Hz対応ゲーム機で、実際にゲーム側が120 Hz(120 fps)で動くかどうかは、もっぱらゲーム次第です。
ゲーム側が120 Hzをサポートしていなかったら意味がありません。プレイする予定のゲームが120 Hzに対応しているか、事前によく調べてください。
ゲーミングPCで使えるリフレッシュレート

ゲーミングPCの映像端子(HDMIやDisplay Port)にBenQ MOBIUZ EX251を接続して、ディスプレイの詳細設定から使えるリフレッシュレート一覧をチェックします。
| 対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| HDMI 2.0 (14.40 Gbps) | Display Port 1.4 (25.92 Gbps) |
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| |
BenQ MOBIUZ EX251がパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。
HDMI 2.0で最大220 Hzまで、Display Port 1.4も最大220 Hzに対応します。
レトロなゲーム機で役に立ちそうな23.98 ~ 24 Hz範囲も使えます。
BenQ MOBIUZ EX251は、圧縮転送モード「DSC(Display Stream Compression)」切り替えに非対応です。
| DSC無効時 対応リフレッシュレート | ||
|---|---|---|
| 端子 | SDR (8 bit @ RGB) | HDR (10 bit @ RGB) |
| HDMI 2.1 | – | – |
| DP 1.4 | – | – |
CRU(Custom Resolution Utility)によるカスタム解像度や、NVIDIA DSR(DLDSR)をどうしても使いたいマニア志向のユーザーにとって不便な仕様です。
| VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
|---|
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|
フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はDisplay Portのみ使用可能です。動作範囲は48~220 Hzです。
LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。
競技ゲーマー向け機能をチェック
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能
BenQ MOBIUZ EX251は、3つある主要な競技ゲーマー向け機能のうち3つすべて対応です。加えて、画面上に十字線を表示する「クロスヘア」も使えます。
MOBIUZに組み込まれた「S字型ガンマカーブ」モデルの曲線をコントロールする、暗所補正システム(全20段階:-10 ~ +10)です。
暗い部分のガンマカーブを押し下げて、明るい部分の中間階調を持ち上げつつ、ピークホワイトのみ一気に基準点へ戻す独特のチューニングです。
おかげで強力な暗所補正(暗部持ち上げ効果)を得ながら、白飛びをうまく回避できます。BenQの競技向けモデル「Zowie」に搭載されているBlack eQualizerに迫る効果です。

彩度ポイントを拡張、または縮小させる「Color Vibrance」システムです。 -10 ~ +10の範囲で細かく調整できます。
調整次第で色のついた部分を見やすく強調できる便利な機能で、BenQモニターが強く支持される理由のひとつです。
ただし、2024年以前より競争が進んでいて、中華メーカーがColor Vibranceを真似し始めています。SONY「INZONE」はColor Vibranceの完全な上位互換モードも開発しました。
MOBIUZを選ぶ特別な理由では・・・なくなりつつ。
残像軽減(黒挿入)モードをチェック
残像感を軽減させる、黒挿入モード「ブレ削減(BenQ)」に対応します。
もともとMOBIUZシリーズのブレ削減は、ZowieシリーズのDyAc+と比較して性能面で劣る機能でしたが、最近のMOBIUZはまっとうな性能を備えます。
そこそこ強力な残像軽減を得ながら、画面の明るさを300 cd/m²前後に維持できます。もちろん、ブレ削減を入れたまま画面の明るさも調整(14 ~ 300 cd/m²)可能です。
リフレッシュレート220 ~ 100 Hzで、黒フレーム挿入時間は全体の約65%を占めます。
| ベンチマークと比較 Zowie「DyAc+」以上を目指す | ||
|---|---|---|
| 黒挿入モード | 明るさ | 黒挿入時間 |
| DyAc 2:プレミアム (ベンチマークNo.1) | 約330 cd/m² | 91 % |
| DyAc+:プレミアム (ベンチマークNo.2) | 約320 cd/m² | 84 % |
| DyDs:高 | 約280 cd/m² | 79 % |
| ブレ削減 | 約300 cd/m² | 65 % |
| ELMB Sync | 約250 cd/m² | 70 % |
「DyAc+」より性能がやや低くて、中華メーカーが開発した「DyDs」システムにも負けています。
ASUSが搭載する「ELMB」や「ELMB Sync」より高性能です。
BenQ MOBIUZ EX251:クリエイター適性
BenQ MOBIUZ EX251は初期設定の時点で、グレースケールも色の精度も合ってない(ΔE > 2.0)です。
OSD設定から「プリセットモード:sRGB」を適用して、どれくらい精度が向上するか測定します。
「sRGB」モードと色精度(dE2000)
「DCI P3」と「AdobeRGB」は・・・?
「DCI P3」モードは非対応です。
「AdobeRGB」モードは非対応です。
BenQ MOBIUZ EX251:本体デザインと機能
パッケージ開封と組み立て工程
簡素な段ボール風なパッケージに、MOBIUZのイメージ線画が印刷されています。サイズは69 x 45 x 16 cm(140サイズ)です。
箱に書いてある「TOP」マークを天井に向けてから開封して、梱包材まるごと全部引っ張り出します。
再生紙でできた頑丈な梱包材であっさり梱包されています。上の段に付属品、下の段にゲーミングモニター本体が収まってます。
| 組み立て工程 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
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| |
ネジがすべて手回し式で、各パーツは「サクッ」と挿し込むドッキング方式です。プラスドライバーを一切使わないツールレス設計です。
付属品をざっくり紹介
モニター裏面のVESAマウントを隠す「目隠しカバー」が付属します。HDMIケーブルはQRコード付属の認証品です。
外観デザインを写真でチェック
スペックの割に価格が高い理由が、おそらくデザインです。
曲線美とハニカム模様を組み合わせた、SFライクな宇宙船を思わせる美しいモノクロ調デザインで高級感を演出しています。
素材自体は普通にプラスチック製なのに、優れたデザイン性のおかげで安っぽさを大幅に緩和します。

エルゴノミクス機能とVESAマウント
BenQ MOBIUZ EX251は最低限のエルゴノミクス機能を備えます。
前後チルト(角度)だけです。高さ調整や首振りを省略し、徹底的にコストカットしています。
別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。
パネル本体の重量は約3.50 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。
モニター本体に付属するネジで、エルゴトロンLXを正常に取り付けられます。
対応インターフェイスをチェック
| 各種インターフェイス ※クリックすると画像拡大 |
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映像端子は全部で3つあり、どれを使っても最大220 Hz(1920×1080)に対応します。
本体裏面にUSB Type-Cポートを1個、本体底面にUSB 5 Gbpsポートを2個搭載します。
画面中央に大きく目立つ「照度センサー※」は、周囲の明るさを検知するセンサーです。
自動調光「B.I.+」システムに使っています。周囲の明るさに合わせて、ゆっくりと画面の明るさを変動させるアイケア機能のひとつです。
※ 実機で検証したところ、どうやら赤外線センサーは省略されました。別売りのMOBIUZリモコンを買っても機能しないので注意。

臨場感のない内蔵スピーカー(2.5 W)
BenQ MOBIUZ EX251は出力2.5 Wのステレオスピーカーを内蔵します。
肝心の音質は・・・普通(★3)でした。全体的にスカスカで臨場感の欠片もない音質。中途半端なスピーカーを付けるくらいなら、最初から付けずに価格を下げて欲しいくらい。
一応「ゲーム」「シネマ」「ライブ」の3種類からサウンドプロファイルを選べますが、音の悪さは変わりません。「シネマ」が一番マシです。

モニターの設定画面(OSD)

モニター本体の底面にある「5方向ボタン」を使って、OSD設定を操作できます。
BenQのOSDレイアウトは見やすく整理された、お手本のようなフォルダ階層型で、後追いの他社メーカーからよく参考にされています。
5方向ボタンを右に倒して進む、左に倒して戻る・キャンセル、上下で項目の調整ができます。項目の決定も、右に倒して確定できて便利です。
ユーザー側で任意の設定を保存できる、カスタムプロファイルは全3スロットあります。他のカラーモードから、ダイレクトに任意のスロットへコピペする機能もあり、利便性が素晴らしいです。
ショートカット機能も充実しています。
全部で4スロット(ALPHA / BRAVO / CHARLIE / DELTA)のパターンを登録でき、入力ポートごとにスロットを割り当てる機能まで。
たとえば、USB Type-CならBRAVOスロットを割り当て、HDMIポートにALPHAスロットを割り当てるなど。使うハードに合わせた柔軟なショートカット設定が可能です。
USB Type-AポートでUSB給電を使った場合、さらに最大6 Wくらい増えます。
BenQ MOBIUZ EX251:価格設定と代替案
| 参考価格 ※2025/10時点 | ![]() |
|---|---|
| Amazon 楽天市場 Yahooショッピング |
2025年10月時点、BenQ MOBIUZ EX251の実売価格は約2.8万円(定価3.6万円)です。
軽自動車なのに良い値段する「デリカミニ(2025)」的なモデルに見えて、実態は真逆です。
価格に見合わない中身を、ブランド力とガワの良さでなんとか誤魔化そうと必死。かつてのMOBIUZシリーズを立ち上げた責任者が、今はもうBenQ社を去ったあとなのかも。

ゲーム性能はそれなりに優秀

でもMOBIUZの要件に届かない印象

おすすめ代替案(他の選択肢)を紹介
同じ価格帯で最大400 Hz対応のフルHDモニター「H25X7」が買えます。
応答速度が速く、400 Hzの効果ですごくキレのある映像です。DCI P3:約93~94%カバーするから、画質もEX251以上です。
もっと手頃な価格で、PS5やSwitch 2に適したフルHDモニターなら「VG259Q3A」がおすすめ。
PS5で120 Hz(VRR)対応、Switch 2で最大120 Hz(HDR)対応です。応答速度が3ミリ秒台に達するFast IPSパネルで競技性もそこそこ充実。
フルHDでおすすめなゲーミングPC【解説】
基本的に「RTX 4060 Ti」がコスパ良し。
予算をもう少し節約するなら「RTX 4060」がおすすめです。
おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】
























































































































































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レビュー評価【特におすすめ】
レビュー評価【おすすめ】
レビュー評価【目的にあえばアリ】
5年くらい前からBenQは『BenQだから』っていうブランドマージン取ってるだけの普通製品多い気がするんだよなぁ
発表していないだけでコロナ禍入ったあたりにレイオフでも起きてたのかなーと思ってしまう
昔はどうだったの?
あくまで記憶している範囲でですが…
2020年頃はFHDならEX2510(記事の機種の2つ前のモデル)がド定番でしたね。2万5千円〜3万円で買えて、応答速度が十分でクセはあるものの発色の良いIPSパネル+スピーカーやその他機能も豊富ということでかなり優秀なモニターでした。
しかし、物価高の影響や主流がFHDからWQHD以上へ移行しつつある事、そして従来製品を圧倒するコスパを誇る中華メーカー製品の台頭により、ゲーマー視点でのBenQ製品はただ高いだけでブランド買いする以外の理由が見当たらないところまで落ちぶれてしまっています。一応FPSガチ勢にはZOWIEの需要がまだありますが、そちらも高速な有機ELモニターの影響で油断出来ない状況になっています。
書いてて思いましたが昔の日本メーカーと似たような道を辿っていますね。
物自体は悪くないのよね。
5年前にモニター買換えた身からすればこの性能でもここまで言われてしまうのかと新興企業の躍進を実感します。
だからこそブランドに胡坐を書いてると言わざるを得ないのでしょうが
Light Tunerが優秀だから今も現役で使ってる。特に目立った不満点も無いし、価格は高めだけどその価値はある良いモニターだと思う
BenQはリモコンを使えるのが便利で買っていましたが、本製品は無いんですね…
かつては品質とコスパで既存のブランドに挑戦していたメーカーが人気になると「既存のブランド側」に行ってしまう、色んな業界で繰り返されてそうな流れです
初期設定とはカラーモード カスタムの初期設定のことですか?