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ようやく登場「Core i5 9400F」をレビュー:i5 8400の後継モデルを試す

コスパを重視するゲーマーや自作erから高い支持を得ていた、インテルのコスパ最強CPU「Core i5 8400」。その後継モデルに位置づけられるCore i5 9400から内蔵GPUを消したバージョンが「Core i5 9400F」。本記事ではi5 8400と比較して、どう変わったのか。実際にレビューする。

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Core i5 9400Fの仕様とスペック

Core i5 9400Fのスペック

簡単にCore i5 9400Fの仕様(スペック)について、解説しておきます。第8世代のCore i5から飛躍的に進化したわけではないが、一応「違い」はあるので。

CPUCore i5 9400FCore i5 9400Core i5 8400
世代9th Coffee Lake R8th Coffee Lake
プロセス14nm++14nm++
TIMCPU内部の熱伝導材サーマルグリス(?)ソルダリング採用品は極めて稀だそうです。サーマルグリス
ソケットLGA 1151 v2LGA 1151 v2
チップセットIntel 300Intel 300
コア数66
スレッド数66
ベースクロック2.90 GHz2.80 GHz
ブーストクロックシングルスレッド動作時4.10 GHz4.00 GHz
ブーストクロック全マルチスレッド動作時3.90 GHz3.80 GHz
手動OC不可不可
L1 Cache384 KB384 KB
L2 Cache1.5 MB1.5 MB
L3 Cache9 MB9 MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666
チャネルx2x2
最大メモリ64 GB64 GB
ECC対応不可不可
PCIe1616
構成1×16 + 2×81×16 + 2×8
1×8 + 2×41×8 + 2×4
内蔵GPUなしUHD 630UHD 630
GPUクロック350 ~ 1050 MHz350 ~ 1050 MHz
TDP65 W65 W
MSRP$ 182$ 182
参考価格– 円29900 円

変わったポイントはやはり「クロック周波数」です。第8世代のi5 8400では、最大4.00 GHzで動作し、全コアに負荷が掛かっている状態だと3.80 GHzでした。

今回の第9世代のi5 9400からは、クロック周波数が+100 MHzされて、最大4.10 GHz / 全コア時3.90 GHzで動作するようになっている。+100 MHzしか上昇していない理由は、「TDP : 65 W」を維持するためでしょう。

第8世代も第9世代も、使われている設計そのものは全く同じですから、CPUとしての性質に変わりがないためです。

熱伝導材に「ソルダリング」を再び採用

追記

第9世代は基本的に「ソルダリング」を採用しているが、アンロック版(オーバークロックに対応した高クロック版)のみが、ソルダリングを採用している可能性が極めて高いです。

コメントで頂いた情報では、Core i5 9400Fは第8世代で使われている従来通りの「サーマルグリス」でほぼ確定。稀にソルダリング版も流れているようですが、ほとんどがグリス版になります。

第9世代のCoreシリーズは、TIM(熱伝導材)使われている素材が「ソルダリング」(はんだ付け)に変更されている。

TIM「サーマルグリス」の図解

従来の3~8世代までは、このイラストのようにCPUの殻と、CPU本体(ダイ)の間には熱伝導率があまり良くない「サーマルグリス」を使っていました。そのため冷えにくいのが欠点になっていた。

TIM「ソルダリング」の図解

一方、第9世代から復活した「ソルダリング」では、ダイの直上に保護層(チタンや金)を生成してインジウムではんだ付けしている。インジウムの熱伝導率はそれほど良くないが、グリスと比較すれば遥かに良いです。

従来のチップセットで利用可能

第9世代は、第8世代から始まったチップセット「Intel 300」シリーズとの互換性を維持している。

  • Intel Z390(正式な第9世代対応チップセット)
  • Intel Z370(BIOS更新で利用可)
  • Intel H370(BIOS更新で利用可)
  • Intel B360(BIOS更新で利用可)
  • Intel H310(BIOS更新で利用可)

互換性のあるチップセットは以上の通り。「Z390」が正式な対応チップセットで、「Z370」や「H370」はBIOSを更新することで第9世代を使えるようになります。

なお、BIOSの更新にはCPUが必要なので、手持ちの第8世代CPUが無い人はPCパーツショップで購入することをおすすめする。店員に頼んでBIOS更新をしてもらえば、CPUを用意する必要がない。

内蔵グラフィックスと一部機能を省いた

「i5 9400」はいつも通り内蔵グラフィックスの「Intel UHD 630」を搭載しているが、今回レビューしていく「i5 9400F」には内蔵グラフィックスが入っていません。

そのため、

  • QSVエンコードを使いたい人
  • オフィス目的でグラボを必要としない人
  • 企業などで大量導入したい人

こういったユーザーはターゲットにされていない。では、なぜ無印とは別に「F」版を作ったのか。理由はシンプルで、現状の供給不足な状況を(少しでも…)改善する狙いがあるとされている。

機能を絞れば、それだけ需要(ターゲット層)を絞ることが出来る。需要が減れば売れにくくなるから、在庫が枯渇して値上がりするのを防ぐことができる(はず)、というわけですね。

ちなみに「F」版で省かれている機能は3つある。

  • Intel vPro Platform Eligiblity
  • Intel Stable Image Platform Program
  • Intel Trusted Execution Technology

どれも普通の個人ユーザーには全く馴染みの無い機能ですね。「なにこれ?」と思ったなら、「F」版を選んで特に問題ないですよ。

「i5 9400F」のスペックまとめ

  • 希望小売価格は「据え置き」
  • クロック周波数はわずかに改善
  • 従来のチップセットを利用可
  • 需要を絞って価格高騰を防ぐ狙い
  • 内蔵GPUは無い

カタログスペック上の問題点はほとんど無い。内蔵グラフィックスが削られていることは弱点に見えるかもしれないが、内蔵GPUを搭載する無印版もあるので、全く問題ではない。

従来のi5 8400と比較すると、おおむね順当な進化を遂げていると言えます。

Core i5 9400Fを実機レビュー

テスト環境(スペック)を紹介

Core i5 9400Fのテスト環境
テスト環境パーツ備考 / 詳細
CPUCore i5 9400F出荷設定のままテスト
冷却無限五 Rev.B120mmデュアルファンの中型空冷
グラボRTX 2080 TiMSI Gaming X Trio
メモリDDR4-2666 8GB x2G.Skill Sniper X
マザーボードIntel Z390ASRock Z390 Extreme4
SSDSATA 250GBSamsung 860 EVO M.2
SATA 2TBMicron 1100 2TB
電源ユニット1200W(80+ Platinum)Toughpower iRGB PLUS 1200W
OSWindows 10 Pro 64bitVer 1803
ドライバNVIDIA 416.34 WQHLRTXシリーズ対応ドライバ
ディスプレイ1920 x 1080 @144HzBenQ EX3200R

Core i5 9400Fの検証には、普段通り「ちもろぐ専用ベンチ機」を用いる。マザーボードには第9世代対応の「Z390」搭載ボードで、フェーズ回路が堅牢なASRock Extreme4を使っています。

グラボはボトルネックが非常に出やすい「最速のRTX 2080 Tiを採用。6コアのCore i5がどこまでゲーミング性能を発揮できるのか検証します。メモリはDDR4-2666で、合計16 GB搭載。

なお、比較対象は1世代前のCore i5 8400です。Core i7 8086Kのハイパースレッディングを無力化して、ブースト時のクロック周波数をi5 8400にピッタリ合わせることで、i5 8400を再現する。

「i5 9400F」のCPU性能

レンダリング性能

Cinebench R15

Cinebench R15はCPU用の定番ベンチマーク。CPUに物量タスクである「レンダリング」を実行させて、掛かった時間からスコアを算出する。CPUの持っている理論上の性能を最大限に引き出してくれるため、傾向が分かりやすい。

Cinebench R15 / マルチスレッド性能

  • Core i9 9900K
    2062 cb
  • Core i7 9700K
    1537 cb
  • Core i7 8700K
    1421 cb
  • Core i5 9400F
    926 cb
  • Core i5 8400
    904 cb

マルチスレッド性能は、クロック周波数が100 MHz(+2.6%)増えた分だけ改善しています。

Cinebench R15 / シングルスレッド性能

  • Core i9 9900K
    213 cb
  • Core i7 9700K
    205 cb
  • Core i7 8700K
    188 cb
  • Core i5 9400F
    171 cb
  • Core i5 8400
    166 cb

シングルスレッド性能も同様に、100 MHz増えた分だけ向上した。166 cb→171 cbなので、だいたい3%くらいシングルスレッド性能が速くなっている。

Blenderは無料で使える国際的に知名度の高い、3Dレンダリングソフト。「BMW」プリセットを読み込んで、生成に掛かった時間でCPUの性能を計測できます。

Blender / BMWの生成時間

  • Core i9 9900K
    218.19 秒
  • Core i7 9700K
    302.11 秒
  • Core i7 8700K
    313.95 秒
  • Core i5 9400F
    492.82 秒
  • Core i5 8400
    493.52 秒

内容はレンダリングなので、Cinebench R15と同じような傾向になりました。どちらも約490秒くらいで、BMWの生成を終えています。

最後はグラフィックボード用のベンチマークである「3DMark – FireStrike」の物理演算スコア(Phisycs)から、CPUの処理性能を測ってみる。

FireStrike / Physics Score

  • Core i9 9900K
    23953
  • Core i7 9700K
    18910
  • Core i7 8700K
    18457
  • Core i5 9400F
    12416
  • Core i5 8400
    12365

先代のCore i5 8400と、ほぼ同じスコアになっています。

計算速度

Geekbench 4はマルチプラットフォーム対応のベンチマークで、内容は様々なテストのパッケージとなっている。その中身は、AESなどの暗号処理の計算速度などが問われていて、シンプルな計算速度が重視されています。

Geekbench 4 / マルチスレッド

  • Core i9 9900K
    29620
  • Core i7 9700K
    28446
  • Core i7 8700K
    22520
  • Core i5 9400F
    20355
  • Core i5 8400
    19512

だから基本的にはスレッド数より、クロック周波数の高さが効きやすいテストです。マルチスレッドのスコアは約4%の改善。

Geekbench 4 / シングルスレッド

  • Core i9 9900K
    5880
  • Core i7 9700K
    5883
  • Core i7 8700K
    5308
  • Core i5 9400F
    4979
  • Core i5 8400
    4964

シングルスレッドスコアはほとんど変化なし。

動画エンコード

動画エンコードソフト「Handbrake」

無料の動画エンコードソフトで特に有名な「Handbrake」。約1GBのアニメファイル(.mkv)をエンコードし、ログに残された「平均フレームレート」でCPU性能を比較できます。

Handbrake x264 / 平均処理速度

  • Core i9 9900K
    115.97 fps
  • Core i7 9700K
    95.34 fps
  • Core i7 8700K
    83.82 fps
  • Core i5 9400F
    64.01 fps
  • Core i5 8400
    61.68 fps

おおむねクロック周波数の分だけ伸びている。

Handbrake x265 / 平均処理速度

  • Core i9 9900K
    58.81 fps
  • Core i7 9700K
    54.48 fps
  • Core i7 8700K
    43.59 fps
  • Core i5 9400F
    35.92 fps
  • Core i5 8400
    35.39 fps

より圧縮率の高いx265エンコードでは、大きな差にならない様子。

圧縮と解凍

7-Zip(圧縮 & 解凍)

7-Zipは非常に有名なフリー解凍ソフト。付属のベンチマークツールを使って、CPUの解凍と圧縮の処理スピードを計測する。単位はMIPSですが、スコアのようなものと思えばOK。

7-Zip Benchmark / 圧縮

  • Core i9 9900K
    41097 MIPS
  • Core i7 9700K
    39657 MIPS
  • Core i7 8700K
    34523 MIPS
  • Core i5 9400F
    26560 MIPS
  • Core i5 8400
    27788 MIPS

ほぼCore i5 8400と変わらないスコアをマークした。若干i5 9400Fの方が低いスコアになっているが、元々ブレ幅の大きいテストなので似た性能だとズレやすい。

7-Zip Benchmark / 解凍

  • Core i9 9900K
    53429 MIPS
  • Core i7 9700K
    37775 MIPS
  • Core i7 8700K
    37277 MIPS
  • Core i5 9400F
    24180 MIPS
  • Core i5 8400
    23281 MIPS

解凍も似たような傾向のスコアです。

ブラウザの処理速度

ブラウザ上で動作するベンチマーク。Javascriptの処理速度で、CPUがどれだけブラウザの処理やWebアプリを高速に実行できるかをスコア化する。単位はミリ秒なので、小さいほど高速です。

Kraken / Webアプリの実行速度

  • Core i9 9900K
    822.2 ms
  • Core i7 9700K
    768.7 ms
  • Core i7 8700K
    928.3 ms
  • Core i5 9400F
    939.1 ms
  • Core i5 8400
    943.2 ms

スペック通りの結果になった。ひとつの大きな基準である1000 msを割り込んでいるので十分に速い。概ねクロック周波数に沿った速度を記録している。

Photoshop CC 2018

バッチファイルを用いて、Photoshop CC 2018を実際に動作させる。それぞれの処理に掛かった時間から、スコアを算出してCPUがどれくらいPhotoshopを速く動かせるかを比較できます。

Photoshop CC 2018 / 総合スコア

  • Core i9 9900K
    1051.6
  • Core i7 9700K
    1036.2
  • Core i7 8700K
    849.6
  • Core i5 9400F
    865.2
  • Core i5 8400
    820.6

全てのスコアをまとめた総合スコアは、シングルスレッド性能(=クロック周波数)が高い8コアCPUたちが猛威を振るうが、Core i5 9400Fはi7 8700Kに迫るスコアを記録している。

Photoshop CC 2018 / GPUスコア

  • Core i9 9900K
    109.7
  • Core i7 9700K
    106.7
  • Core i7 8700K
    82.1
  • Core i5 9400F
    89.4
  • Core i5 8400
    85.7

特にGPUスコアの伸びが良いようだが、クロック周波数が高いのはi7 8700Kの方なので、なぜi5 8400やi5 9400Fの方が高いスコアを出せるのか。その点はちょっと謎な傾向。

「i5 9400F」のゲーミング性能:ボトルネック検証

次はGPUボトルネックを調査する。現行、最速のグラボである「RTX 2080 Ti」の性能を、Core i5 9400Fはどこまで引き出せるのかを試します。

CS:GO

CS:GO / 最高画質 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    280.8
  • Core i7 9700K
    271.0
  • Core i7 8700K
    265.0
  • Core i5 9400F
    240.7
  • Core i5 8400
    235.7

さすがにCore i7 8700Kや9700Kに届かないが、クロックが上がってシングルスレッド性能が改善した分だけ、Core i5 8400より若干フレームレートを引き出せるようになった様子がよく分かる。

Rainbow Six Siege

Rainbow Six Siege / 超高設定 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    287.0
  • Core i7 9700K
    290.2
  • Core i7 8700K
    276.1
  • Core i5 9400F
    277.5
  • Core i5 8400
    272.1

レインボーシックスシージはi5 8400と比較して、微増。

PUBG

PUBG / ウルトラ設定 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    233.3
  • Core i7 9700K
    232.8
  • Core i7 8700K
    200.1
  • Core i5 9400F
    185.0
  • Core i5 8400
    180.3

PUBGでも同様に、クロック周波数が伸びた分だけ、平均フレームレートが若干ですが微増している。

Overwatch

Overwatch / エピック設定 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    299.6
  • Core i7 9700K
    298.7
  • Core i7 8700K
    298.9
  • Core i5 9400F
    298.7
  • Core i5 8400
    298.2

オーバーウォッチは300 fps制限にぶつかってしまい、ボトルネックを有無を確認するのは困難でした。

Call of Duty : Black Ops IV

Call of Duty : BO4 / 最高設定 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    238.0
  • Core i7 9700K
    246.5
  • Core i7 8700K
    215.7
  • Core i5 9400F
    202.7
  • Core i5 8400
    196.7

CoD : BO4では、約3%のフレームレート向上。

FINAL FANTASY 14 : 紅蓮のリベレーター

FF14 : 紅蓮のリベレーター / 最高品質 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    180.9
  • Core i7 9700K
    177.0
  • Core i7 8700K
    163.1
  • Core i5 9400F
    150.8
  • Core i5 8400
    147.1

FF14の公式ベンチマークも、若干フレームレートが向上しました。

Final Fantasy XV : Benchmark

FF15 : ベンチマーク / 高品質 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    129.5
  • Core i7 9700K
    130.6
  • Core i7 8700K
    118.9
  • Core i5 9400F
    115.7
  • Core i5 8400
    114.7

グラボへの負荷が大きいFF15では、クロック周波数が100 MHz上昇した程度では、大きな効果はなかった。

黒い砂漠

黒い砂漠 / リマスター画質 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    115.0
  • Core i7 9700K
    141.3
  • Core i7 8700K
    110.3
  • Core i5 9400F
    120.9
  • Core i5 8400
    115.6

グラフィックが圧倒的に美麗な黒い砂漠にて、2番目に重たい「リマスター品質」でフレームレートを計測。結果は見ての通り、Core i5 9400Fはなかなか健闘しています。

黒い砂漠はシングルスレッド性能が高く、かつハイパースレッディングが有効化されていない状態の方が、効率よく性能を叩き出せる性質がある。だから6コアのCore i5が、上位のi7 8700Kを超えられる。

黒い砂漠 / ウルトラ画質 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    77.4
  • Core i7 9700K
    78.9
  • Core i7 8700K
    73.3
  • Core i5 9400F
    77.6
  • Core i5 8400
    76.9

一番重たい「ウルトラ画質」にすると、ボトルネックは消失する。RTX 2080 Tiにとっても、黒い砂漠のウルトラ画質はあまりにも重たい。

Monster Hunter World

モンスターハンターワールド / 最高設定 / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    133.8
  • Core i7 9700K
    140.6
  • Core i7 8700K
    124.2
  • Core i5 9400F
    121.0
  • Core i5 8400
    116.2

モンハンワールドはi5 8400で平均116 fpsから、i5 9400Fで平均121 fpsまで上昇。Core i7には及ばないが、クロック向上の恩恵は見て取れる。

Witcher 3

Witcher 3 / 最高設定(+HairWorks) / 1920 x 1080

  • Core i9 9900K
    156.2
  • Core i7 9700K
    157.0
  • Core i7 8700K
    149.8
  • Core i5 9400F
    148.8
  • Core i5 8400
    149.8

Witcher 3はほとんど変化なし。i7 8700Kもほとんど変わっていないため、6コアか8コアか。コア数の違いとクロック周波数で、ゲーミング性能が違うようです。

平均パフォーマンス

Core i5 9400F1920 x 1080 / RTX 2080 Tiに対するボトルネック
  • Core i9 9900K
    193.8
  • Core i7 9700K
    196.8
  • Core i7 8700K
    181.4
  • Core i5 9400F
    176.3
  • Core i5 8400
    173.0

まとめると、Core i5 8400から順当に性能アップを果たしていることが分かった。8世代から乗り換える必要性は非常に低いが、古いシステムを新しく組み直すなら魅力的。

CPU温度と消費電力

CPU温度はやや低下

Core i5 9400FのCPU温度

CPU温度 / Blender実行時の平均値

  • Core i5 9400F
    50.9 ℃
  • Core i5 8400
    52.2 ℃

レンダリングソフト「Blender」で負荷を掛けている状態で、CPU温度を計測しました。

Core i5 8400は平均52℃前後に対して、Core i5 9400Fは平均51℃前後となった。9400Fの方が1℃低いが、50℃前後という低い温度では、ソルダリングの効果が劇的に出ることは無いようです。

今回検証したCore i5 9400Fは、残念ながらソルダリング版ではありません。よって、温度が低下した理由は「誤差」か、(この後の項目で解説する)消費電力が低かったことに起因します。

消費電力はやや改善

Core i5 9400Fの消費電力

消費電力 / Blender実行時

  • Core i5 9400F
    61.7 W
  • Core i5 8400
    64.5 W

消費電力は4%低下した。CPUの消費電力はCPUが冷えているかどうかによっても変化するため、i5 8400より冷えやすいi5 9400Fの方が、少しだけ消費電力が上昇しにくい可能性があります。

消費電力が低いのは、単なる個体差の可能性がある。消費電力がやや低い結果、CPU温度も若干低くなったということ。

ワットパフォーマンス(CR15 / 消費電力)

  • Core i5 9400F
    15.01
  • Core i5 8400
    14.02

マルチスレッド性能に対するワットパフォーマンスを求めると、i5 8400と比較して7%程度のワッパ改善を実現している。劇的な進化ではないが、十分に「順当な性能アップ」と評価できる。

まとめ:依然として「コスパ派」におすすめ

「i5 9400F」のデメリットと弱点

  • 「Z390」以前のマザーボードはBIOSのバージョンに注意

「ゲーマー向けCore i5」としての弱点は特にない。あえて言うなら、H370やB360などの安いマザーボードと組み合わせて使いたい場合は、BIOSのバージョンに注意すること。

メーカーの公式サイトで対応BIOSを確認すること

Z390なら確実に使えるけれど、それ以前のチップセットを搭載するマザーボードでは、時期によって第9世代に対応していないBIOSが入ったままになっています。Z390以前のマザボを買うなら、実店舗をおすすめする。

「i5 9400F」のメリットと強み

  • 「i5 8400」から順当な性能アップ
  • より改善されたゲーミング性能
  • ソルダリング化で冷えやすくなった
  • 依然としてコスパ優秀(MSRPは182ドル)

CPUとして、ちゃんと改善されています。

価格を据え置いているため、コストパフォーマンスもCore i5 8400より若干改善することになった。先代のi5 8400と同様、コスパ重視でゲーミングPCを組みたいユーザーにおすすめなCPUです。

ただ、第9世代のアピールポイントであった「ソルダリング」が施されていないのは、i5 9400Fの数少ない残念なところ。

米国では既に価格が沈静化している。

なお、内蔵GPUを省いた「F」版を投入した目的は、価格の安定化が大きいとされている。実際その効果が影響しているかは断定できないが、とりあえず米国市場ではすでに価格が沈静化している。

199ドルという価格はMSRPの182ドルより高いけれど、だいぶ落ち着いた方です。国内価格はまだ約3万円と、価格下落が波及していないようにみえるけれど、時間の問題だと思われます。

というわけで、ぼくの個人的な評価は「A+」ランクで決まり。世代更新としては地味、Core i5 8400の改善版としては「合格」です。古い世代から更新するなら、極めて魅力的な選択肢になるのは間違いない。

以上「ようやく登場「Core i5 9400F」をレビュー:i5 8400の後継モデルを試す」でした。


Core i5 9400Fを入手する

Intel / コア : 6 / スレッド : 6 / ソケット : LGA 1151(v2) / チップセット : Intel 300 Series / 付属クーラー : PCG 2015C(65W) / 内蔵GPU : なし

本日(1/25)より、国内で流通が始まったようです。単品だとまだ通販にはほとんど並んでいないものの、BTO各社では既にCore i5 9400Fを採用したゲーミングマシンを販売し始めた。

ドスパラ / CPU : Core i5 8500 / メモリ : DDR4-2666 4GB x2 / グラボ : GTX 1060 6GB / SSD : 250GB

i5 9400F搭載で、コスパの良いゲーミングBTOは「ガレリアDT」です。早くもi5 8400 / 8500から、9400Fに置き換えが進んでいる。

追記:Intel Club Extremeでキャンペーン中

  • キャンペーン期間:2019年2月6日~4月30日
  • 引き換え期間:2019年5月26日まで(コードがなくなり次第終了)
  • 応募資格:日本在住の13歳以上の方

毎月先着300コード限定ですが、Steamウォレットが1000円分もらえるキャンペーンを実施中。Core i5 9400Fを対象の店舗で購入するともらえるので、購入を考えている方はぜひ。

関連レビュー

現行最強の8コアCPUです。品薄の影響で実売価格がなかなかしますが、相対的に見るとリアルタイム配信用のCPUとしては、コスパに優れています。

配信も実況もしないゲーマーには、Core i7 9700K(あるいは9700KF)の方が適任。

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24 件のコメント

  • 昔のリークで9000番台のKシリーズのみ半田とあったのですがどうなんでしょう
    よく見るとi9 9900kやi7 9700kのヒートスプレッダと違い7000.8000番台のものに戻ってますね

      • 測ってみると、約30グラムでした。ソルダリング版は約26グラムになるので、高確率でi5 9400FのTIMはグリスなのかも。もう少し調べてから、「追記修正」するか判断します。

        • どうやらソルダリングとグリス版の基盤やヒートスプレッダの厚さも違うみたいですね
          9600kはsandybridgeに近い厚さに戻ってるみたいです

  • F 版って並列処理投機実行時のメモリコピー保証無いんですよね、余程メモリが足りなくてbusyじゃないと体験する事はないかもですがこの1点だけはビジネスユース関係なく気になるオミットだなって思いましたw

  • 前世代もそうでしたが優秀ですね
    価格が落ち着けばベストな選択肢の一つでしょう

  • >グラボはボトルネックが非常に出やすい「最速のRTX 2080 Ti」を採用。

    ボトルネックが非常に「出にくい」の誤字かと思います。

    あとこの値段帯なら対抗のRyzen2600との比較も見たかったです。

    • cpu が足を引っ張っていることがわかりやすいということを言いたいんじゃないですか?(もし上から目線だったら失礼

    • ちょっと分かりにくい表現ですかね。意味としては、「性能の良いグラボほどCPUが原因で性能低下が発生しやすい」から、一番性能の良いRTX 2080 Tiを「一番ボトルネックが出やすい。」と書いています。

  • 9400Fの正体を見破る参考にステッピングを調べるのが有効かもしれないです。
    https://www.gigabyte.com/Motherboard/Z390-AORUS-ULTRA-rev-10#support-cpu

    必ずしもそうというわけではないですがほとんどの場合ステッピングが同じ=同じダイを利用しているらしいのでこれによりこのチップの正体を見破ることが出来ます。
    例えばですが9600KのステッピングはP0、これは9900Kや9700Kと同じなので9600Kは9900Kと同じ8コアダイを利用していて2コア無効にしているんだということが読み取れます(実際殻割りするとダイのサイズが同じ)
    そしてこのページによると9400FのステッピングはU0となっています。これは8700Kや8400と同じです。つまり、9400FはCoffee lakeの6コアダイを利用しているチップだと推測することができます。
    ダイと熱伝導体が必ず一致するわけではないですが、同じダイを利用しているということはチップそのものの設計も同じである可能性が高く、ここからも9400Fは8世代と同じサーマルグリスを利用していると推測できるのです。

    • すごく参考になりました。情報ありがとうございます。

      おそらく第8世代と同じダイを使った製品なのは間違いないですが…後はインテルや、信頼できるメディアの詳細な発表待ちです。

  • カタログスペックは地味な改善かもしれませんがspectre、meltdownパッチを当てて性能が下がった8世代とはどんなもんなんでしょ?
    i7 9700K と 8700K もそれを加味したら結構変わるような

    • Z390なのでBIOSレベルのパッチでmeltdownは適応済みで、spectreはi5 9400Fの場合関係ないですがSMT絡みのものまで当たった状態でのテスト結果だと思われます。
      ストレージ性能のピーク以外はあまり変わらないようではありますが。

  • ヒートスプレッダを剥がしてグリスだったという報告がちらほら出てきてますが、まだ修正してないんですね・・・

  • どうやら9400FはU0品とP0品があるみたい

    で、U0品はグリスでP0品はハンダというおみくじ状態

    大多数はU0品らしいけどね

  • どうやら9400FはU0品とP0品があってグリスとハンダが混在してるみたいですね
    大多数がU0みたいですが、おみくじで当たりを引いた人もいるっぽい

    • 混在・・・ですか(厄介な仕様過ぎる)。

      Intelのプレスリリースも出てこないし、大手メディアのIntel発表も全く流れてこないですが、ほぼほぼグリスで確定で良さそうですね。

  • こちらの9400FはRTX2060、2070、2080ならゲームや設定によりますが
    どの位までボトルネックなしで(もしくは数%程度)動かせるのでしょうか?
    2080tiは流石に不足してる感が記事から伝わりました

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