LG 27GX700A-B:レビューまとめ

(公開:2025/11/19 | 更新:2025/11/19)
「LG 27GX700A-B」の微妙なとこ
- 明るいHDRには輝度が不足
- 物足りないゲーマー向け機能
- 価格の割にUSB Type-Cなし
- 内蔵スピーカーなし
- 低fps時にVRRフリッカーあり
- 黒に近い色で「DSE」あり
- OLEDは焼き付くリスクあり
「LG 27GX700A-B」の良いところ
- 27インチでWQHD(ちょうどいい)
- 最大280 Hzに対応
- PS5で120 Hz(VRR)対応
- 常に無限のコントラスト比
- 神速の応答速度(0.2ミリ秒)
- 入力遅延が非常に少ない
- パネルの均一性が高い
- BGBR発光層で色域が広い
(DCI P3:ほぼ100%) - テキストフリンジが目立たない
- Display HDR TB 500認証
- ほぼ正確なsRGBモード
- 扱いやすいOSD設定画面
- OSDソフトウェア対応
- ハードウェア校正に対応
- フル装備のエルゴノミクス機能
- 驚異のメーカー保証4年
(2025/11時点:製品登録で+2年) - コストパフォーマンスが高い
「LG 27GX700A-B」は予算10万円以内で買える、過去もっとも高性能なOLEDゲーミングモニターです。
旧世代(MLA OLED)パネルよりも、明るくパワフル、色も鮮やか。ライバル(QD-OLED)よりも、文字を正確に表示でき、クセの強い表面加工もありません。
従来のOLEDで指摘されていた問題をかなり解消し、OLEDを次の段階へと進めるマイルストーン的なゲーミングモニターです。
「普通に使っていても画面が暗い・・・」なんて時代がようやく終わります。「QD-OLEDより色がくすむ・・・」も終わりです。
明るいHDRゲーミングに強いこだわりがある方を除き、ほとんどのPCゲーマーがLG 27GX700A-Bの画質に満足できる可能性が高いです。
悩みの種だったOLEDの焼き付き問題に関しても、LGは通常2年(製品登録で+2年)の合計4年保証を提供しています。
もはや液晶パネルよりも長い保証年数です。モニターに組み込まれているOLED焼き付き防止機能を適切に使っていれば、焼き付く危険性を大幅に減らせます。
| 参考価格 ※2025/11時点 | ![]() |
|---|---|
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「LG 27GX700A-B」の用途別【評価】
| 使い方 | 評価※ |
|---|---|
| FPSやeSports(競技ゲーミング) 最大280 Hzで応答速度も最速クラス(0.21ミリ秒)です。競技ゲームで気になるかもしれない「ピクセルシフト」も設定で無効化できます。 | |
| ソロプレイゲーム(RPGなど) 無限のコントラスト比と色鮮やかな映像で、ソロプレイゲームに没入できます。 | |
| 一般的なオフィスワーク 実質フリッカーフリー対応、やや透過性の高いノングレア加工で評価点あり。「sRGB」モードもそこそこ正確(ΔE < 2.0)です。ただし、文字ぼやけ(テキストフリンジ)がまだわずかに見つかります。 | |
| プロの写真編集・動画編集 プロの写真編集や動画編集に耐えうる広大な色域と輝度を備え、ほぼ正確(ΔE < 2.0)な「DCI P3」モードが用意されています。しかし、「Adobe RGB」モードはありません。自分でキャリブレーションが必要です。 | |
| HDRコンテンツの再現性 Display HDR True Black 500認証に合格できる性能です。OLEDモニターとして過去もっとも明るく、輝度の安定性も優れます。HDRモード時の明るさ(PQ EOTF)精度は及第点ですが、ブラックスタビライザー機能を調整すれば、黒潰れをかなり修正できました。HDR 600クラスの明るさと、無限のコントラスト比が両立し、明暗差の大きいHDRを楽しめます。なお、ピーク輝度と精度はまだまだ改善の余地あり。 |
※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。
「LG 27GX700A-B」レビューは以上です。
もっと詳しく測定データや比較データを見れば、他の代替案にするか、このままLG 27GX700A-Bで 即決するかヒントになるかもしれません。

LG 27GX700A-B:画質レビュー

初期設定の画質とおすすめ設定
まず最初に感心したのが初期設定の画質です。
過去レビューした110台近いゲーミングモニターの多くが、藻のような緑だったり青すぎたり・・・とにかくズレた色合いが多く占めます。
一方、今回のLG 27GX700A-Bは最初からマトモな画質です。OLED(有機EL)らしさを主張するために、黒色を潰し過ぎなぐらいで、ちょっと調整すれば直せます。
- モード:ゲーマー1
- 明るさ:100
- 最大輝度:オフ
- ブラックスタビライザー:60~65
- 色温度:ユーザー設定
- 赤:50
- 緑:50
- 青:51
※画面の明るさは好みに合わせて調整してください。明るさ100%だと約320 cd/m²前後に達し、人によっては眩しく感じるレベルです。
手動調整後のガンマカーブとグレースケール(色温度)グラフです。
ブラックスタビライザー(暗所補正)をあえて強く設定して、黒つぶれを修正します。これでも基準値より黒いですが、OLEDパネルなら横一直線のガンマ2.2が好ましいです。
基本的な「画質」を測定して比較

ちもろぐでは、2種類の測定機材を使って今回レビューする「LG 27GX700A-B」の画質を深堀りします。
- 分光測色計:X-rite i1 Pro2
(Spectrophotometer) - 比色計:Calibrite Display Plus HL
(Colorimeter)
分光測色計は、数値が書いてある正確な定規だとイメージしてください。単品でモニターの色や明るさを正確に測定できます。しかし、黒色の測定が不正確だったり、暗い色の測定がすごく遅いです。
だから比色計もセットで使います。比色計は単品だと誤差が大きく使いづらいですが、分光測色計を使って誤差を修正可能です。
Matrix補正と呼ばれる誤差修正を掛けたあとの比色計なら、分光測色計と大差ない精度を得つつ、もっと深い黒色の測定と暗い色の高速測光が可能です。
| 色域カバー率(CIE1976) | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 規格 | CIE1931 | CIE1976 |
| sRGB | 100.0% | 99.9% |
| DCI P3 | 100.0% | 99.9% |
| Adobe RGB | 93.3% | 96.0% |
| Rec.2020 | 80.1% | 85.0% |
LG 27GX700A-Bで表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。
もっとも一般的な規格「sRGB」で約100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」も約100%カバーします。
印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は約96%です。
過去の傾向をざっくりまとめると、量子ドット液晶 > Tandem OLED > 量子ドットVA = QD-OLED > 広色域な液晶 = OLED > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並びます。
LGが開発したTandem OLEDパネルは従来比で大幅な色域向上を実現し、ライバル製品だったSamsung QD-OLEDを上回ります。
「色域」は色の鮮やかさに深く関係する性能で、多くの一般人が「画質」だと感じ取っている重要なスペックです。
LG 27GX700A-Bは量子ドット級の広大な色域を持ち、DCI P3色域とAdobeRGB色域の両方をほぼ完璧にカバーします。
量子ドットを使っていないのに、AdobeRGBから来る純度の高い緑色と、DCI P3から来る純度の高い赤色を伏せ持ちます。
量子ドット搭載OLED(QD-OLED)パネルを上回る色の鮮やかさで、本当にLG製 W-OLEDパネルなのかと目を疑う画質です。
しかも、LG社はライバルSamsung社のように、偏光板を取り除く暴挙※1 に出てません。QD-OLED超の画質を実現しつつ、PCモニターとして使いやすい特性をきちんと維持します。
数年ぶりの買い替えなら当然、ビビットな画質をかんたんに体感できます。
すでに主流の「Fast IPS」パネルのゲーミングモニターから買い替えても、無限のコントラスト比と明るく鮮やかな色を実感できるはずです。
特に、HDRコンテンツなら平均的な液晶パネルをはるかに超える画質です。

※1:偏光板の除去は「ピンクティント」「パープルティント」と呼ばれる、赤紫色の酷い反射光を発生させるうえ、反射光が大きいゆえに部屋が少しでも明るいと著しくコントラスト比を喪失する構造上の欠陥を生み出す要因です。
コントラスト比(実測)はInf:1(∞)です。
表示するコンテンツに関係なく、無条件で無限のコントラスト比を実現します。1ドット1ドットが独立して点灯できる「OLED(有機EL)パネル」だから可能な芸当です。
平均的なIPSパネル(約1100:1)をはるかに凌駕する、圧巻のコントラスト比です。黒色が真っ暗(消灯)に見えます。
(コンテンツ側に収録されていない限り)白浮きがほとんど見当たらず、映像の立体感が増し、ゲームや映像への没入感が高まります。

色が均一の静止画コンテンツを見ている時間が長いオフィスワークで、気にする人が多い「色ムラ」をチェック。
色ムラ(輝度ムラ)の測定結果は平均値で2.5%です。Mini LED液晶パネルを超える、非常に良好な色ムラ具合に抑えます。
自発光型だから、パネルの四隅が暗く見える「グロー」現象もありません。実際のゲームプレイやコンテンツ視聴で、色ムラが気になるシーンはほとんど無いです。

ただし、グレー2~5%くらいの薄暗い階調に「DSE(Dirty Screen Effect) 」が頻出します。
1ドット単位で明るさを電圧制御するOLEDパネルに特有の症状です。PS5のロビー画面、ホラーゲームの薄暗いシーン、画面を暗くするなど。
ある程度まとまった面積に薄暗い階調があると、DSEがほぼ100%発生します。残念ながら、特に打てる解決策はありません。
強いて言えば、やたらと黒が潰れる初期設定がヒントです。
ブラックスタビライザーを下げて、黒に近い階調をすべて真っ黒に潰してしまえば、薄暗い階調をスキップして物理的にDSEを回避できるかもしれないです。

画面の明るさは100%設定で約328 cd/m²に達し、SDRコンテンツを見るのに十分な明るさです。
最低輝度(0%設定)は約17 cd/m²まで、かなり暗めに下げられますが・・・、画面を暗くすると「DSE」が発生するため視認性が悪化します。
せいぜい50~60 cd/m²程度が実用ラインです。平均的な液晶(40 cd/m²台)より高く、夜間に暗い画面を求めている方は買わない方が無難でしょう。
目にやさしいらしい120 cd/m²前後は設定値32%でほぼ一致します。

OSD設定 > 画像調整 > 最大輝度モードで、表示するコンテンツに合わせてピーク輝度を変動させます。
最大輝度:高モードならピーク時560 cd/m²まで跳ね上がり、低モードはピーク時420 cd/m²まで明るさが向上します。
ただし、コンテンツに合わせて変動するから、静止画が占める割合が多いオフィスワークとの相性は最悪です。短時間に何度も明るさが変わって疲れます。
オフィスワーク時は「最大輝度:オフ」を推奨です。ゲームや映像なら好みに合わせて使います。
HDRモード時の画質を詳しく測定

モニターの色と明るさを超高速かつ正確に測定できる機材「CR-100」を使って、「LG 27GX700A-B」のHDR性能をテストします。

LG 27GX700A-Bはメーカー仕様表で「Display HDR True Black 500」認証をとアピールしているように、液晶パネルのHDR 400相当の明るさを出せます。
シーン次第でHDR 600クラスの明るさがあり、加えて無限のコントラスト比も組み合わさり、思っている以上に高いHDR効果を体験できます。
| HDRコントラスト比Colorimetry Research CR-100で測定した結果 | |
|---|---|
| 全画面 | Inf : 1 |
| 10%枠 | Inf : 1 |
| 3×3パッチ | Inf : 1 |
| 5×5パッチ | Inf : 1 |
| 7×7パッチ | Inf : 1 |
| 9×9パッチ | Inf : 1 |
テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースでInf : 1(∞)でした。
表示するシーンに関係なく、常に無限のコントラスト比を維持します。明るい部分はピンポイントに明るく、黒いエリアは1ドット単位で完全消灯です。
1ドット1ドットが独立して点灯できる自発光型パネルの強みを、惜しみなく発揮します。
HDRモード時の明るさが正しいか、PQ EOTF追跡グラフで測定します。
LG 27GX700A-Bは初期設定だと、追跡グラフの精度が悪いです。異常なほど黒色が真っ黒に塗りつぶされていて、違和感が大きいHDR表示でした。
幸い、HDRモード有効でも「プリセットモード」「明るさ」「色温度」「ブラックスタビライザー」「最大輝度」を調整できます。
- モード:ゲーマー1
- 色温度:マニュアル(C0)
- ブラックスタビライザー:75
- 最大輝度:低
以上の設定で、黒く潰れたPQ EOTFを大幅に改善できます。
それでもピーク輝度にかけて、緩やかにグラフが暗くズレる傾向は直せなかったです。わざと「ロールオフ」処理を入れて、白飛びを防ごうとする狙い※2 が見えます。
※2:PQ EOTF的に理想的なカットオフ処理を使った場合、明るさが不足するシーンで白飛びが頻発してディティールが失われます。緩やかなロールオフなら、ある程度は白飛びを誤魔化せます。輝度性能が足りないモニターでよく使われる苦肉の策です。
HDRの持続性能は過去レビューしてきたOLEDゲーミングモニターで最高です。
輝度の安定性に優れ、かつてライバルだったQD-OLEDや旧世代のW-OLEDパネルを上回ります。経過時間の影響も面積比に関係なく特に見られなかったです。

HDR規格(Rec.2020色域)に対する色精度はやや平凡。最大ΔE = 6.6、平均Δ = 3.79でした。
PQ EOTF追跡グラフがややロールオフ気味な傾向と、グレースケール(D65)がやや暖色に偏っている影響で、色精度が伸びなかったです。

| 明るいシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (LG 27GX700A-B) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
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| 比較:HDR 1000 (Titan Army P275MV-A) | 比較:HDR 1400 (TCL 32R84) |
HDRゲームの代表例「FF16」で、明るいHDRシーンを比較しました。
LG 27GX700A-Bは当該シーンで430~450 cd/m²にとどまり、Mini LEDパネルとの性能差をまだまだ埋められないです。
といっても、旧世代のOLEDパネルより明るさと安定性がきちんと改善され、フェニックスのりんかく周辺の階調表現をそこそこ再現可能です。
HDRゲーム時の明るさを測定しました。
恐ろしく明るいフェニックス戦(FF16)でピーク時に435 cd/m²程度です。ピーク時1500 cd/m²を超えるシーンを正確に再現するには、まだまだ足りないです。
優れたHDR効果で知られるGhost of Yōteiだと、ピーク時に600 cd/m²前後。約1600 cd/m²近いシーンの再現には至らないですが、HDR効果は確かに感じられます。
| 暗いシーンで比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (LG 27GX700A-B) | 比較:IPS (KTC H27P6) |
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![]() | ![]() |
| 比較:IPS + Mini LED (Titan Army P275MV-A) | 比較:VA + Mini LED (TCL 32R84) |
黒色の面積が多い「暗いHDR」は、OLEDパネルの独壇場です。
たいていのMini LED液晶パネルより、ハッキリと黒色がよく締まり、安定して高いコントラスト比を維持できます。


| VESA Display HDR HDR性能のテスト結果 | ||
|---|---|---|
| 比較 | テスト対象 LG 27GX700A-B | ターゲット規格 Display HDR TB 500 |
| 画面の明るさ |
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| 黒色輝度 |
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| コントラスト比 |
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| 色域 |
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| 色深度 |
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| ローカル調光 |
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|
最後に、VESA Display HDR認証を満たしているか測定チェック。
LG 27GX700A-Bは「Display HDR True Black 500」認証に合格でき、実際に取得済みです。
パネルの反射加工と文字の見やすさ
LG 27GX700A-Bに施されたパネル表面加工は、そこそこ透明度が高い「ノングレア加工(アンチグレア)」です。
最新世代のタンデムOLEDパネルでは、従来世代で使われていたマイクロレンズアレイ(μm単位の小さな穴)が撤廃され、透明度が向上します。
ぼんやりと背景を拡散し、周囲が多少明るくてもコントラスト比を維持しつつ、映り込みをいい具合に防ぎます。

ライバル製品「QD-OLED」パネルと比較して、赤紫反射も一切ないです。反射に伴うコントラスト比の低減も少ないです。
文字のドット感(見やすさ)はそこそこに明瞭です。
OLEDパネル共通の問題が、文字の縁に現れる「フリンジ」現象ですが、最新のタンデムOLEDは「RGWB」配列( 写真)の採用でフリンジ現象を軽減します。
画素密度が111 ppi程度しか無いため、27インチ4K版と比較してフリンジを見つけやすいものの、従来世代より確かな改善です。
特に目立つ箇所は「黄色」です。
一般的なWebサイトやオフィスワークでよく見られる、白い背景に濃い黒色のテキストでは、ほとんど目立たないです。

マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。
LG製W-OLEDパネルの特徴である、「白色」ドットが混じった「RGWBストライプ配列」の画素レイアウトです。
RGB配列にWが混ざっているため、Windows(ClearType)環境だとテキストフリンジが発生するパターンが出てきます。
次に、パネル技術をスペクトラム波長分析※で調べます。
三原色のうち、青色が非常に鋭く突き立ち、緑色と赤色の分離が大幅に向上した波長パターンから、「BGBR発光層(Tandem OLED)」だと分かります。

BGBR = Blue(青)+ Green(緑)+ Blue(青)+ Red(赤)、計4層も使った豪華な発光層です。
従来世代(MLA OLED以前)は、BYB = Blue(青)+ Yellow(黄)+ Blue(青)の3層構造で、赤色と緑色がぐちゃっと混ざって著しく色の純度を損なう構造でした。
BGBR発光層による赤色と緑色の出力向上、および分離により、量子ドット級の色域が可能になりました。
現時点でもっとも色域が広いOLED技術です。
ついでにブルーライト含有量を調べたところ、約26.5%でした。色温度をユーザー設定に切り替え、青色:48~49に下げるだけで、TUV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成できます。
※ 分光測色計「X-rite i1 Pro 2」を使って、3.3 nm単位で波長を分析します。
パネルの視野角(見える範囲)チェック
OLEDパネルの視野角は非常に広いです。急な角度でわずかに青みが強くなる程度。
湾曲型QD-OLEDパネルには一歩及ばないものの、液晶(IPSパネル)と比較して雲泥の差。
隣の席から覗き込んだり、リクライニングで傾けても、まったく気にならない色褪せ具合です。
LG 27GX700A-B:ゲーミング性能
ゲーム性能(応答速度)の測定と比較
↑こちらの記事で紹介している方法で、LG 27GX700A-Bの「応答速度」を測定します。
60 Hz時の応答速度は平均0.91ミリ秒を記録します。
60 Hzに必要十分な応答速度を満たしますが、ホールドボケ現象(= 60 Hzそのもの)が原因で、残像感がそれほど減らないです。
120 Hz時の応答速度は平均0.23ミリ秒を記録します。120 Hzに必要十分な応答速度(< 8.33 ms)を完璧に達成します。
尾を引く残像感がほとんど見られません。
240 Hz時の応答速度は平均0.24ミリ秒を記録します。
240 Hzに必要十分な応答速度(< 4.17 ms)をほとんど完全にカバーし、残像感の少なさも見事です。
LG 27GX700A-Bで設定できる、最大リフレッシュレート280 Hz時の応答速度は平均0.21ミリ秒です。
280 Hzに必要な応答速度(> 3.57 ms)をほぼ完全に満たし、まるで静止画のようなレベルで残像感を抑制します。
参考程度に、累積遷移はわずか2.5ミリボルト秒を叩き出していて、最速クラスのIPSパネルと比較して約4~5倍も少ないです。
| 残像感を比較 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| レビュー対象 (LG 27GX700A-B) | 比較:OLED (Sony INZONE M10S) |
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| 比較:Fast IPS (AW2725QF) | 比較:Fast HVA (TCL 32R84) |
別次元の明瞭感(モーション性能)です。
リフレッシュレートが1.5倍くらい多い「DELL AW2725QF」と並べても、くっきりした明瞭感、残像感の少なさは圧倒的な差が開いています。
ゼロミリ秒に近い応答速度は、リフレッシュレートの差を超越できます。当然ながら、VALORANTなどガチめのeSportsタイトルに最適な性能です。
- 実績平均値:3.84ミリ秒
- レビュー機:0.23ミリ秒
ちもろぐに記録した過去110件近い大量のデータから、LG 27GX700A-Bの応答速度(120 Hz)は最強格の1台です。
- 実績平均値:3.13ミリ秒
(OLED込み:2.01ミリ秒) - レビュー機:0.21ミリ秒
240~280 Hz時の応答速度もトップクラスです。競技向けで有名なFast TNパネルですら、到底追いつけないです。
ゲーム性能(入力遅延)の測定と比較
LG 27GX700A-Bで、左クリック100回分の入力遅延を測定しました。
リフレッシュレート60 ~ 280 Hzまで、安定して目標の16ミリ秒を下回る良好な入力遅延です。ほとんどの人が入力遅延を体感できません。
VRR(G-SYNC互換モード)の影響もなかったです。
ただし、プリセット「パーソナル」や「sRGB」モードなど、一部のモードは低遅延(DAS)機能が無効化されます。
DAS無効だと入力遅延が約2.5倍(60 Hz時なら26.5ミリ秒)に跳ね上がるので、必ず「ゲーマー1~2」や「FPS」モードなど、DAS有効モードを使ってください。

2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。
クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。

- マウスから左クリック
- CPUが信号を受信
- CPUからグラフィックボードへ命令
- グラフィックボードがフレームを描画
- ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
- 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)
新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。
なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。
フリッカーフリー(画面のちらつき)を測定
実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%までフリッカーが一切検出されません。
「0 Hz」だから一般的な基準とTUV Rheinland基準どちらも合格できます。
| VRRフリッカーを検証 ※クリックすると画像拡大 |
|---|
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|
VRR(G-SYNC互換モードなど)有効時に発生する「VRRフリッカー」もテストします。
LG 27GX700A-Bは、フレームレートが急激に下がったときに、目視で見えるほどの「ちらつき」が発生します。
フレームレートが低くなるほど、暗部階調の明るさが上昇(ガンマが低下)する症状があり、おそらくVRRフリッカーの原因です。
- フレームレート上昇:暗部が暗くなる
- フレームレート下落:暗部が明るくなる
上記の流れを短時間に繰り返せば、画面が明滅しているように見える仕組みです。
OLEDパネルのVRRフリッカーを解消する方法は主に2つです。
- PCスペックの改善
(またはゲームの画質設定を妥協) - VRRを無効化
フレームレートが常に安定できるように、PCスペックの強化、もしくはゲーム側のグラフィック設定を妥協します。
お金をかけずに解決するなら、VRR(G-SYNCやFreeSync)の無効化もおすすめです。

VRRフリッカー(VRR Flicker)は、画面が暗いシーンでフレームレートが激しく変動すると発生する確率が大幅に跳ね上がります。
ちもろぐでは、アクションRPG「鳴潮」にてフレームレートを10 fpsからモニター側の最大fpsまで動かします。
モニターの至近距離に設置された光学センサーを経由して、オシロスコープが明るさの変化をマイクロ秒(10万分の1秒)単位で記録する仕組みです。
記録されたグラフが乱高下していれば「VRRフリッカー」の検出に成功です。逆に、何もなく平坦で一直線なグラフが記録されればフリッカーは皆無と判断できます。
ゲーム機の対応状況(PS5とSwitch 2)
| PS5の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
| WQHD2560 x 1440 | 対応PS5 VRR:対応 | 対応PS5 VRR:対応 |
| 4K3840 x 2160 | 対応PS5 VRR:対応 | –PS5 VRR:- |
PS5でフルHD~WQHD(最大120 Hz)または4K(最大60 Hz)に対応します。
HDMI 2.1端子にHDMI VRR機能が搭載されているため、「PS5 VRR」もすべて対応可能です。
| Switch 2の対応状況 | ||
|---|---|---|
![]() | ||
| 設定 | 60 Hz | 120 Hz |
| フルHD1920 x 1080 | 対応HDR:対応 | 対応HDR:対応 |
| WQHD2560 x 1440 | 対応HDR:対応 | 対応HDR:対応 |
| 4K3840 x 2160 | 対応HDR:対応 | Switch 2は非対応 |
有料ソフト「Nintendo Switch 2 のひみつ展」で実際に120 Hz + HDR(10 bit)信号を出力させて、モニターが暗転せずにゲーム画面を表示できるかをチェックします。
暗転しなければ問題なし、暗転して解像度が下がってしまったら互換性なし、と判断します。
Nintendo Switch 2(ドックモード)では、一部120 Hzで動作しないです。

(EDID一覧を120 Hzに置き換える機能)
モニターの設定画面から入力互換性を「HDMI 2.1(PC)」から「HDMI 2.1(AV)」に切り替えると、フルHD~WQHD(最大120 Hz)または4K(最大60 Hz)に対応します。
HDR(10 bit)出力も問題なし。
さすがフル帯域(48 Gbps)のHDMI 2.1ポートです。Switch 2の互換性を難なくクリアできます。
PS5 / PS5 Pro / Nintendo Switch 2など。120 Hz対応ゲーム機で、実際にゲーム側が120 Hz(120 fps)で動くかどうかは、もっぱらゲーム次第です。
ゲーム側が120 Hzをサポートしていなかったら意味がありません。プレイする予定のゲームが120 Hzに対応しているか、事前によく調べてください。
ゲーミングPCで使えるリフレッシュレート

ゲーミングPCの映像端子(HDMIやDisplay Port)にLG 27GX700A-Bを接続して、ディスプレイの詳細設定から使えるリフレッシュレート一覧をチェックします。
| 対応リフレッシュレート ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| HDMI 2.1 (41.89 Gbps) | Display Port 1.4 (25.92 Gbps) |
![]() | ![]() |
| |
※4:入力互換性「HDMI 2.1(AV)」モード時に使用可能
LG 27GX700A-Bがパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。
HDMI 2.1で最大280 Hzまで、Display Port 1.4も最大280 Hzに対応します。
レトロなゲーム機で役に立ちそうな23.98 ~ 24 Hz範囲は非対応です。
LG 27GX700A-Bは、圧縮転送モード「DSC(Display Stream Compression)」の切り替え非対応です。
| DSC無効時 対応リフレッシュレート | ||
|---|---|---|
| 端子 | SDR (8 bit @ RGB) | HDR (10 bit @ RGB) |
| HDMI 2.1 | – | – |
| DP 1.4 | – | – |
CRU(Custom Resolution Utility)によるカスタム解像度や、NVIDIA DSR(DLDSR)を使いたいマニア志向のユーザーにとって、やや不便な仕様です。
| VRR機能(可変リフレッシュレート) ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
|
フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はHDMIとDisplay Portどちらも使用可能です。動作範囲は48~280 Hzです。
LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。
競技ゲーマー向け機能をチェック
- 暗所補正
暗い部分を明るく補正する機能 - 鮮やかさ補正
色の付いた部分を強調する機能 - 残像軽減
残像をクリアに除去する機能
LG 27GX700A-Bは、3つある主要な競技ゲーマー向け機能のうち1つだけ対応します。そのほか、クロスヘア(十字線)やフレームレートを表示する機能もあります。
「ブラックスタビライザー」モードは、暗い部分を見やすく視認性を向上するモードです。
0~100の範囲で5ずつ調整でき、数値を高くするほど暗部ガンマカーブを引き下げ、白に近いガンマカーブをなるべく維持します。
最大値100でも画像全体が白っぽく破綻せず、かなり使いやすいです。
eSports専業メーカー(Zowie)や、ASUS Shadow Boost AIには及ばないですが、十分に使えるレベルに達しています。
「疑似24インチモード」を検証
設定の切り替えはほぼ瞬時です。
しかし、肝心の効果が微妙でした。表示解像度を減らしてドットバイドット表示にすると思いきや、単に24インチにWQHDを圧縮するだけです。
ドットが潰れてディティールが損なわれてしまい、実用性に疑問が残ります。
LG 27GX700A-B:クリエイター適性
LG 27GX700A-Bは初期設定のままでも、グレーの精度がかなり良好(ΔE < 2.0)です。
一方で、ネイティブ色域がsRGB領域をはるかに逸脱するため、色の精度は悪い(ΔE > 2.0)です。
幸い、色の精度を必要とするクリエイター用に、「sRGB」「DCI P3」モードが実装されています。どれくらい色精度が向上するのか、実際に測定します。
「sRGB」モードと色精度(dE2000)
「DCI P3」と「AdobeRGB」は・・・?
LG 27GX700A-Bは「AdobeRGB」モード非対応です。
LG 27GX700A-B:本体デザインと機能
パッケージ開封と組み立て工程
定価10万円超えの高級モデルなのに、1~2万円の格安機と大差ない簡素な段ボール風パッケージです。サイズは82 x 53 x 18 cm(160サイズ)です。
箱に書いてある「↓」のロゴを床に向けてから開封して、梱包材から付属品を取り出します。
厚みのある高密度発泡スチロールでできた梱包材で、がっちり梱包されています。上の段に付属品、下の段にゲーミングモニター本体が収まってます。
ゲーミングモニターで定番のドッキング方式です。プラスドライバーが不要なツールレス設計でかんたんに組み立てられます。
付属品をざっくり紹介
| 付属品 ※クリックすると画像拡大 | |
|---|---|
| 一覧 | ACアダプター |
![]() | ![]() |
|
|
付属品として珍しく、HDMIライセンスを取得したHDMI 2.1ケーブルが同封されています。
外観デザインを写真でチェック
スタイリッシュな印象を与える極狭ベゼルデザインです。厚みわずか5.5 mmの薄いパネル本体に、六角形フォルムのバックパネルが組み付けられています。
六角形部分にLEDライティング機能「Hexagon Lighting」が入っています。OSD設定から点灯パターンを設定したり、消灯もできます。

表面にハニカム構造のような細かな装飾が彫り込まれ、プラスチック製シャーシの安っぽさを隠す工夫が施されています。

エルゴノミクス機能とVESAマウント
LG 27GX700A-Bはフル装備のエルゴノミクス機能を備えます。
滑らかに動かせるスムーズなエルゴノミクス設計ですが、可動域がやや不自由です。たとえば、高さ調整はデスクから距離120 mm前後しか下げられません。
前後チルトも下向き(マイナス)角度に非対応で、常に上向きです。ピボットは対応するものの、右回転のみ対応です。
もっと自由な可動域が必要なら、別売りのモニタースタンドが必要です。
別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。
パネル本体の重量は約4.76 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。
固定用のネジが4本すでに取り付けてあり、そのまま再利用してエルゴトロンLXを正常に取り付けられます。
対応インターフェイスをチェック
| 各種インターフェイス ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
|
映像端子は全部で3つあり、どれを使っても最大280 Hz(2560×1440)に対応します。
USB Type-Bポートを接続して、2個あるUSB 5 GbpsポートをUSBハブとして利用可能です。USB Type-Bケーブルも1本付属します。
高音質な「4極ヘッドホン端子」を測定
| 4極ヘッドホン端子 ※クリックすると画像拡大 |
|---|
![]() |
LG 27GX700A-Bの「4極ヘッドホン端子」は、バーチャルサラウンド機能「DTS:X Headphone」に対応します。
- ゲーム
- エンターテインメント
- スポーツ
- なし(サラウンド無効)
4種類のサウンドプロファイルから、好みの音を選べます。

DTS:X Headphoneの影響で、周波数特性は正確に測定できないです。S/N比(ノイズ)は-85 ~ -86 dB前後で、平均を下回ります。
解像度の高いピュア的なサウンド作りではなく、サラウンド機能による広い音場と臨場感を楽しむIMAXシネマ風なサウンドです。
モニターの設定画面(OSD)

モニター本体の中央底面にある「5方向ボタン(ジョイスティック型)」を使って、OSD設定を割とスムーズに操作できます。
ゲーミングな雰囲気のUIデザインです。
典型的なフォルダ階層型のOSDレイアウトを採用しつつ、必要最低限の項目数に抑え、テーマごとに設定を適切に振り分けています。
OSD画面のレスポンスは良好ですが、5方向ボタンが少し硬くて使いづらいです。
設定を確定するためにボタンを押し込むアクションも多く、操作性を損ないます。ASUSやBenQのように、そのまま右に倒して確定(決定)が良かったです。
- ショートカットボタン(最大2個まで)
- プリセットごとに調整(設定値の保存も可能)
最短2回の操作で任意の項目を開けるショートカットボタンを最大2個まで登録できます。
ただし、「入力切替」「ゲームモード」「OLEDクリーニング」「音質」「クロスヘア」「ブラックスタビライザー」「FPS表示」「Hexagon Lighting」の8項目しか登録できないです。
プリセットと入力端子ごとに最後の設定値を保存されるため、各プリセットを用途ごとに使い分ける運用も可能です。
特に、入力端子(HDMIやDP)ごとに設定を覚えている仕様は意外と便利かも。パソコン用、PS5用といった具合に使い分けられます。

OSDソフト「LG Switch」
LGモニター専用OSDソフトが新しくなりました。従来の「On Screen Control」が使えなくなり、代わりに「LG Switch」にリニューアル。
OSDソフトから、プリセットの切り替え、画面の明るさ変更、画面分割(PIP)の設定のほか。起動するアプリに応じて自動でカラープリセットを割り当てる機能もあります。
ファームウェアの更新もできます。
ゲーミングモニター本体とパソコンを、付属品のUSB Type-B to Aケーブルで接続してから、OSDソフトウェアから「ファームウェア・アップデートの実行」を行うと更新できます。
基本的に無いよりあった方が便利ですが、相変わらず対応メニューが少ないです。ブラックスタビライザーや最大輝度モードなど、ソフトからアクセスできない項目が半分くらいあります。

校正ソフト「LG Calibration Studio」

LG 27GX700A-Bは、LGが無料で公開している校正ソフト「LG Calibration Studio」によるハードウェアキャリブレーションに対応します。
別売りのキャリブレーター(最低でもDisplay Pro Plus以上)が必要なため、ほとんどの人は使わない機能です。
具体的な解説は以下に折りたたみます。興味のある方だけどうぞ。

別売りのキャリブレーター(比色計)や分校測色計を使って、モニターをハードウェア校正する機能です。
たとえば、表示する色域をsRGBやDCI P3に制限して、色温度とガンマを規定どおりに一致させたいときに便利です。

「LG Calibration Studio」で作成した校正プロファイルは、プリセット「キャリブレーション設定」に保存されます。全部で2スロットの空きがあります。

校正先のターゲットとなる「色域」を選べます。自分で作成したICCプロファイルを選んで、オリジナルの色域へ校正も可能です。
輝度、色温度、ガンマもスライダーを動かして自由に選択可能。

定期的なキャリブレーションに便利なスケジュール機能に対応。
校正プロファイルのファイル形式も選べます(特に理由がなければICC Version 4 Matrix形式で大丈夫)。キャリブレーション時のカラーパッチ数も選べます。
基本モードは合計45パッチ、ISO 12646基準は合計144パッチです。測定の精度を上げたい場合はISO基準を使ってみてください。

一応、チュートリアル機能も用意されています。画面の指示通りに進めれば、素人でもある程度のキャリブレーションが可能です。
LG Calibration Studioで作成したプロファイルはゲーミングモニター側に格納されるため、出力ハードウェアを選ばない点が強いです。
たとえば、過去にブログで配布していた校正用3D LUTプロファイルは、フリーソフト「dwm_lut」を使わないとロードできません。Windowsでしか動作しないソフトだから、校正の効果を発揮できるハードはWindowsに限られます。
一方、ゲーミングモニター側にLUTプロファイルをロードできる場合、WindowsだろうとPS5だろうとXbox Series Xだろうとお構いなく校正の効果が出ます。
校正プロファイルはあくまでもモニター側に保存されていて、出力ハードウェア側でロードする必要性が無いです。
- ソフトウェア校正:出力ハードウェア先で校正を展開
- ハードウェア校正:ゲーミングモニター側で校正を展開
複数の異種なハードウェアをまたいでクリエイティブな作業をしているなら、ハードウェア校正に軍配が上がります。
OLEDパネルの「焼き付き防止」機能

| 保護機能 | 内容 | 無効化 |
|---|---|---|
| OLED画面の移動 (ピクセルシフト) |
| できます |
| OLEDスクリーンセーバー |
| できます |
| OLED画像のクリーニング |
| 不可 |
電源をオフにすると自動でクリーニング(約10分)が始まります。連続で4時間以上使うと、電源オフ時にクリーニングが始まるようです。
ピクセルシフト機能は無効化できます。原理的に気休め程度の効果なので、ピクッと動く挙動が煩わしく感じたなら「オフ」でもいいです。
OSD保護メニューに記載はないですが、画面に動きがない状態が一定時間つづくと、画面の明るさを自動で下げる機能も導入されてます。

「SMART ENERGY SAVING」は、かつて「Convex Power Control(LG CPC)」と呼ばれていた節電機能です。
パネルの四隅が異様に暗くなり、液晶のグロー症状に酷似した見た目になるせいで苦情が相次いだのか、デフォルト設定で無効化されてます。

パネル本体の通電時間は「表示情報」に記録され、OLEDクリーニングのフラグ管理にも(おそらく)使われるパラメータです。
表面温度(サーモグラフィー)は、FF16(HDRモード)を約1時間ほど掛け続けてから撮影しました。
従来世代(MLA OLED)と比較して、パネルから放たれる熱気が減った気がします。LGいわく、同じ明るさで電力効率は20%程度向上したらしいです。
LG 27GX700A-B:価格設定と代替案
| 参考価格 ※2025/11時点 | ![]() |
|---|---|
| Amazon |
2025年11月時点、LG 27GX700A-Bの実売価格は約8.7~8.9万円です。
画質(性能)と汎用性ともに過去もっとも優れたTandem OLEDパネルを搭載しつつ、従来世代と大差ない価格設定を維持します。
価格の絶対値はともかく、コストパフォーマンスは高いです。予算に余裕があるなら、買ってみて損はしないです。

コントラスト比は常に無限(Inf:1)

文句なしの競技性(0ミリ秒台)

おすすめ代替案(他の選択肢)を紹介
Tandem OLEDを代替するには、同じくTandem OLEDが必要です。
色の純度や透明感でMLA OLEDは及ばず、環境によるCR低減やテキストフリンジ頻度でQD-OLEDは届かず、やはり現時点でTandem OLEDは最高の有機EL技術です。
つまり、旧世代のQD-OLEDやMLA OLEDパネルでは、Tandem OLEDを代替できません。手頃な価格設定も加味すると、LG 27GX700A-Bの代替案はほぼないです。
あえて液晶パネルから代替案を挙げるなら、コントラスト比が高い「TITAN ARMY P275MV-A」はギリギリ検討する価値があるかも。
応答速度でOLEDにまったく勝てないですが、HDRモード時の優れたコントラスト比と、OLEDを凌駕する輝度性能は確かなメリットです。
競技性の強いゲームに興味がなく、グラフィック重視のゲームがメインなら・・・検討する余地あり。
同様の理由で、「P32A6V-PRO」も検討できる余地がギリギリ残されています。
なお、上記2台が挙げられて万能タイプのP275MV MAXやINNOCN GA32V1Mが挙げられていない理由は、もっぱらコントラスト比です。
WQHDでおすすめなゲーミングモニター
最新のおすすめWQHDゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。
WQHDでおすすめなゲーミングPC【解説】
最新AAAゲームをWQHDかつ200 fps台(= フレーム生成込み)でプレイするなら、「RTX 5070 Ti」以上を搭載したゲーミングPCがおすすめです。
メーカー指名でおすすめなBTOマシンは「ツクモG-GEAR」です。
筆者と同じくオタク気質なパーツ選定がおもな魅力で、他社BTOよりちょっと高い価格も納得できます。他人に安心しておすすめしやすいマシンです。
Ryzen CPU搭載モデルにASUS製マザーボード(+ カスタムBIOS)を使っている点も、意外と知られていない大きな利点です。
予算的に5070 Tiが厳しいなら、「RTX 5070」を搭載したゲーミングPCが代替案です。
平均的にRTX 4070 Ti相当、相性の良いゲームならRTX 4070 Ti SUPERすら超えるゲーム性能を発揮でき、WQHDゲーミングモニター用にコスパよし。
フレーム生成(DLSS FG / MFG)と設定次第で、200 fps台も一応狙えます。
おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】




























































































































































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