暗号通貨「イーサリアム」のマイニングに最適なグラフィックボード

暗号通貨(仮想通貨)のマイニングは電気代が安く、ASICを駆使する中国勢のせいで「オワコン」化したと思っていましたが。ここ最近はビットコイン以外のアルトコインが急激に値上がりし、BTC以外のマイニング需要が急激に高まりました。

1000近い存在するアルトコインの中でも、本命と言われているのが「XEM」「XRP」「ETH」の3種。この記事ではその一つ「ETH」(イーサリアム)のGPUマイニングにおいて、パフォーマンスが高いGPUについてまとめてみる。

 更に詳細な記事を書いた

→ ベンチマークで分かる、イーサリアムのマイニングに最適なGPUまとめ

2017年7月時点で、イーサリアムのマイニングは事情が少し変化しました。なので、上記の記事を読んで下さい。

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GPUごとにイーサリアムのマイニングを調査

基本スペック
CPUCore i7 6800K@2C/4T 1.2 Ghz
RAMCorsair Vengeance DDR4-2133 32GB
マザーボードASUS X99A-II
SSDCrucial MX100 512GB
HDDSeagate 2TB
電源Cooler Master V1200 Platinum

グラフィックボード側の性能を最優先するために、i7 6800Kは動作コアを2つに落とし、クロック周波数も1.20 Ghzまでダウンクロックされている。

  1. GTX 1080 8GB
  2. GTX 1070 8GB
  3. GTX 1060 6GB
  4. GTX 1050 2GB
  5. R9 Fury X 4GB
  6. R9 Nano 4GB
  7. R9 390 8GB
  8. RX 480 8GB
  9. RX 570 4GB
  10. RX 470 4GB
  11. RX 460 4GB

マイニング性能の検証に使われたGPUは以上の11点。

各GPUのハッシング性能

NVIDIA系のGPUは持っている性能の割にはハッシング性能が振るわない。逆に、AMD Radeon系は全体を通して高いパフォーマンスを見せつけた。

GTX 1080がそれ以下のGPUに負けているのは、おそらくはVRAM規格が「GDDR5X」だからかもしれない。GTX 1050のスコアが0になっているのは単に、イーサリアムのマイニングをするにはVRAMが足りていないからです。

各GPUの消費電力

次に見るのが効率的かどうか。いくらイーサリアムを掘る性能が良くても、掛かっているコスト(消費電力)が大きすぎると意味がありません。

消費電力を見ていくと、Radeon R9 390は電力を食い過ぎることが分かります。逆にNVIDIA GeForce勢は概ね省電力で悪くはない。

GPU1枚あたりの月間収益

グラフィックボード1枚が、イーサリアムマイニングで1ヶ月に生み出した利益をまとめたグラフ。基本的にはハッシング性能に完全に比例していますね。

なお、このグラフは「ETH/USD = 169USD」(2017年5月26日時点)という前提で作ったので、単にグラボ自体の収益性を比較できるだけ。という点に注意。なぜならETH1枚あたりの価格は常に変動していますから。

ハッシング性能と消費電力の比較

消費電力は10倍にして表示させている。そのほうが視覚的な比較がしやすいからね。

これを見て驚くのは、意外にもRadeon系もGTX系も、どちらかが目立って省電力に優れているわけではないということだ。Radeon系は確かに消費電力が大きいものの、その分きちんとハッシング性能が付いている。

そして、グラフィックボードの購入単価も考えなければならない。このグラフを見て分かることは、初期コストを考えた時にRadeon系の方が圧倒的に有利ということだ。

例えば「Radeon RX 470」は22.4 MH/sというハッシング性能で、希望小売価格は179ドルだ。対する「GTX 1060」は18.7 MH/sで、希望小売価格は249ドルもする。

初期コストが安くて、かつイーサリアムを掘り出す性能が高いRadeon系は、マイニング事業が黒字化するまでの時間を短くしてくれる。

マルチGPUのマイニング性能を見る

グラフィックボード1枚でマイニングをするよりも、複数枚使ったほうが掘り出せるイーサリアムは当然のことながら多い。ということで、複数のグラフィックボードを組み合わせた時のマイニング性能を見ていこう。

GTX3種を使った時のスコアはとりあえず無視して、下の2つの組み合わせについて考える。

ゲーミング性能は優秀な「GTX 1080 + GTX 1070」のハッシング性能は46.8 MH/sです。対して、ゲーミング性能では当然負けてしまっている「RX 470 + RX 570」のハッシング性能は、まさかの47.0 MH/sだ。

  • GTX 1080 + GTX 1070:599ドル + 379ドル → 46.8 MH/s
  • RX 470 + RX 570:179ドル + 169ドル  → 47.0 MH/s

いかにRadeon RX系がイーサリアム採掘に関して、天性の才能を持っているかがよく分かる(作った側のAMDに、その気が無くとも…)。

複数枚にした時の消費電力も確認。ここも驚異的なところで、Polaris世代のAMD GPUはだいぶ消費電力が効率化されているんですよ(ゲーミング性能では負けるけど)。

組み合わせMH/s消費電力希望小売価格Mhs/USD
GTX 1080 + 107046.8326$ 9780.048
RX 470 + 57047.0335$ 3480.135

ハッシング性能も消費電力も、ほぼ同格。違うのは初期コストだけ。希望小売価格で比較すると、NVIDIAの組み合わせは180%も割高だ。選択肢は……ほぼ決まったかな。

ETH/USD : $169(2017/05/26)

1ヶ月あたりの収益(米ドル)を確認。まぁ、だいたい決着は付きましたね。初期コストは中長期的にマイニングを行っていく上でとても重要な要素になる。「コスパがいいグラボ」を使うに越したことはない。

イーサリアム採掘には「Radeon RX」系

以前、暗号通貨マイニングが人気すぎてRadeon RXが品切れ状態に。という記事を書いたのだが、今回の記事をまとめ、改めてその理由が納得できた。

Radeon RXは基本的に、ゲーミング性能においてはNVIDIAのGTX系に負けている傾向にあります。しかもPolaris世代のGPUは、DX12やVulkan API環境では本来の性能を発揮するが、DX11環境では発揮しづらいんですよね。

しかし、暗号通貨「イーサリアム」のマイニングに関しては頭一つ違うパフォーマンスを叩き出せる。同じハッシング性能で比較したときに、Radeon RX系の方が圧倒的に初期コストが安く済むため採算を取りやすいのだ。

今は「RX 570」や「RX 580」が現実的

5月末の時点では、Sapphireが「RX 470」の在庫処分セールをやっていて、1枚あたり17000円程度で入手できたもの…。その後は、ETHを含む各種暗号通貨が高騰し、それに息を合わせるようにRX 470 / 480も高騰してしまった。

ドスパラから姿を消す、RX 470 / 480

中古市場でも買い漁られるAMD製GPU

価格コムではレビューや口コミがまったくつかないのに、なぜか売れ筋ランキング上位を独占するRX 470や480を目撃される事態に。ドスパラ中古でも、5月頃は潤沢だった、R9 380など一昔前のAMD GPUが今は在庫が枯渇している。

2017年6月時点では、RX 570 / 580の方が入手は現実的。それでも、Amazonでは発送が1~2ヶ月先と表示されるなど、依然として在庫は不足している。

ついでにこれも紹介。

グラフィックボードを最大6枚差せるにも関わらず、12000円前後というコスパの良いマザーボード。製品名「TB250-BTC」(BTC = Bitcoin)から分かる通り、マイナー(採掘者)向けのマザボということだ。

AMDには嬉しい誤算だが

おそらく、AMDにとっては本来の用途とは違うものの在庫が順調に消化されていくのは良いことだと思います。しかし、マイニング目的ではなく純粋にゲーミング目的のユーザーにとっては迷惑な話だ。

チャート:Coingecko ETH/USD

5月26日以降も、イーサリアムの価値は順調に伸びている。少なくとも夏頃まではプラスサム気味※の状況が続きそうだ…。

※暗号通貨市場全体の時価総額が伸び続けているため、バイ・アンド・ホールド戦略で十分に利益が上がってしまう。ゼロサムな為替市場とくらべて、随分と難易度が低いのだ。

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