スペックの割に価格が安い外資系BTOゲーミングPCの中でも、特に「短納期」で入手できるのがレノボの「Legion T550(AMD)」です。「価格が安くても3~4週間も待ってられない。」方に、Legion T550(AMD)が魅力的です。
(公開:2022/9/12 | 更新:2022/11/1)
「Legion T550(AMD)」仕様とスペック
Legion T550(AMD) | ||||
---|---|---|---|---|
CPU | Ryzen 7 5800 8コア16スレッド | Ryzen 9 5900 12コア24スレッド | ||
クーラー | 150 W airflow CPUクーラー 120 mmサイドフロー型ファン | |||
マザーボード | AMD B550チップセット | |||
メモリ | DDR4-3200 8GB x2 | DDR4-3200 16GB x2 | ||
グラボ | RTX 3060 12GB | RTX 3060 Ti | RTX 3070 | RX 6800 XT |
SSD | 256 GB(NVMe) | 512 GB(NVMe) | ||
HDD | 2 TB | |||
電源 | 容量650 W(80 PLUS GOLD) | |||
保証 | 1年間(引取修理保証) Legion Ultimate Support(1年間)が無料で付属 | |||
価格 | 154880 円 (送料:0円) | 172260 円 (送料:0円) | 204710 円 (送料:0円) | 259600 円 (送料:0円) |
納期 | 最短1~2日 |
今回レビューするゲーミングPC「Legion T550(AMD)」は、外資系の超大手BTOメーカーLenovoが手掛ける、コストパフォーマンスに特化したゲーミングPCブランドです。
レビュー時点で、Ryzen 7(8コア)とRTX 3060の組み合わせが約15万円、RTX 3060 Ti版が約17万円で価格設定がかなり割安です。
- 【おすすめ】
Ryzen 7 + RTX 3060:約15.5万円(製品ページ) - 【在庫切れ】
Ryzen 7 + RTX 3060 Ti:約17万円(製品ページ) - 【おすすめ】
Ryzen 7 + RTX 3070:約20.5万円(製品ページ) - 【在庫切れ】
Ryzen 9 + RX 6800 XT:約26万円(製品ページ)
割安だからといってCPUとグラボ以外のパーツをケチっているわけでもなく、メモリ容量は最初から16 GBあり、ストレージは256 GBのNVMe SSDと容量2 TBのHDDを搭載しています。
欲を言えば、HDDは無くてもいいから代わりにSSDを容量500 GB以上にしてくれるとベストですが、それでも日本の定番BTOメーカーよりはるかに安いのでコスパに問題なし。
Legion T550はパーツを増設しやすいPCケースを使っているため、SSDの容量が足りなければAmazon等でSSDを買ってきて自分で増設をおすすめします。
他社より安くすんだ差額分(※ドスパラやG-Tuneと比較して、同等スペックで4~5万円安い)で、容量1~2 TBのSSDを増設できます。
高速な無線LAN「Wi-Fi 6」を標準バンドル
「Legion T550(AMD)」はすべてのモデルで、最大2.4 Gbpsの通信速度に対応する高速な無線LAN「Wi-Fi 6」をサポート。標準でWi-Fi 6モジュールを搭載済みです。
遅延が致命傷になりやすいFPSゲームだと、普通に有線LANポートを使うべきですが、なんらかの事情で部屋にLANケーブルがなくてもWi-Fiルーターがあれば割りとなんとかなります。
比較的コンパクトなPCケースと「コスパ」が魅力
「Legion T550(AMD)」の魅力はおもに3つです。
- スペックの割に価格が安い(= コスパがいい)
- 容量26リットルの省スペース性なPCケース
- 品質の高いPCパーツを標準で搭載
先に説明した通り、スペックの割に価格が安くてコストパフォーマンスが高いです。
PCケースは容量26リットルで比較的コンパクト。いわゆるミニタワーサイズに分類される、省スペース性に優れたPCケースを採用しています。日本の狭い住宅事情にマッチしやすいです。
そして、ケースの中に入っているPCパーツが意外といいクオリティしています。Lenovoさんは値段が安い割にけっこう良いパーツを搭載している傾向があり、お得感がさらにマシマシです。
Legion T550(AMD)の梱包と付属品
Lenovoにお願いしてお借りしたサンプルですので、箱の状態は気にしないでください。新品で購入した場合はもっときれいな状態で届きます。
梱包用のダンボールは厚み5 mm台のAフルートダンボールです。重量30 kg程度までのゲーミングPCの梱包によく使われているダンボールです。
Legion T550(AMD)の梱包はしっかりしてます。ポリ製の白い布で本体を包み、分厚い高密度発泡スチロールの緩衝材でハンバーグです。よほど配送で雑に扱われても、そう簡単には中身にキズはつかないでしょう。
- セットアップガイド
- サポートマニュアル
- 保証書
- 電源ケーブル
付属品はあっさりした内容です。ゲーミング性能に関係ないムダな部分をちゃんとコストカットしているのが、よく分かります。
Legion T550(AMD)のPCケースデザイン
分厚いガラスパネルのスタイリッシュなデザイン
LEGIONの透かしロゴが入った分厚いガラスパネルを使った、スタイリッシュなオリジナルPCケースを採用。容量26リットルの比較的コンパクトなサイズ感で、設置場所に困りづらいです。
外装にプラスチックを多用しているものの、内部フレームは頑丈なスチール製で意外と重量感もあります。過去にレビューした「G-Tune」とそう変わらない重さです。
「ガレリア」や「OMEN by HP 25L」より若干軽いイメージ。
サイドパネルは左側がスチール製、反対側は厚み4.8 mmの強化ガラス製です。
重たいサイドパネルです。表面に保護フィルムが貼ってあります(※今回はお借りした機材なので剥がしません)。
フロントパネル(前面)は通気性の良いメッシュグリルを使って、外気を取り込みやすく工夫しています。LEDライティング対応の120 mmケースファンが2つ取り付け済み。
リアパネル(背面)には排気用の120 mmサイズケースファンが1つ取り付け済み。きちんとマットブラック調に塗装が施され、高級感と統一感のあるデザインにまとまっています。
トップ(天面)は細かい穴あき過去が施されたメッシュ構造で、通気性を確保しつつ、防塵フィルターの機能も果たします。
プラスチック製のベラを隙間に差し込んで、テコの原理で力を入れるとトップパネルを取り外せます※。水洗いできそうです。
※いくら力を入れてもなかなか外れない場合は、ケースの内側からトップパネルの「ツメ」を指で押し出してください。
ケース底面には、電源ユニットやPCケース内部に冷気を取り込むための吸気口が空いています。ホコリが入り込まないように防塵フィルターも付いています。
底面の防塵フィルターはネジを1本はずすと、スライドして取り外しできます。
底面の前後2箇所に取り付けてある「ゴム足」は、底面の高さを確保して外気を取り込みやすくする効果と、振動吸収(制振)の役割も果たします。
横長いゴムが付いているおかげで、滑り止め効果は強いです。ケース本体の非常に重たい重量も相まって、置いた場所にしっかりと鎮座します。
Legion T550(AMD)専用ケースのデザインをまとめて掲載します。
ゲーミングPCのトレンドデザイン(RGBライティングや中身が見える透明デザイン)を抑えつつ、スチール製フレームと4.8 mm厚の強化ガラスを使ってケースの剛性を両立しています。
Legion T550(AMD)はRGB LEDライティング対応です。
フロントパネルのLEGIONロゴや、ケース内部のアドレッサブルLEDが光ります。標準搭載のCPUクーラーと3つの120 mmケースファンも光っています。
プリインソフト「Lenovo Vantage」から、LEDライティングの調整や消灯を設定できます。
インターフェイスの内容
フロントパネル(前面) |
---|
|
トップパネルの前方にインターフェイスが配置されています。床置きが前提の位置です。デスク上に設置するとインターフェイスが見えません。
ポータブルSSDで使いやすいUSB 3.0ポート(最大5 Gbps)が2つあります。ヘッドセットやマイクをそのままつないで使える3.5 mmオーディオ端子も備えます。
リアパネル(背面) |
---|
|
リアパネル(背面)のインターフェイスは必要最低限の内容です。USB 3.0ポートが合計3ポート(内1つがType-C)、USB 2.0が2ポートで合計5ポート。
マウスとキーボードはもちろん、ポータブルストレージやUSBタイプのキャプチャボードも使えます。
映像出力端子はHDMI 2.1(4K 144 Hz対応)が1つ、Display Port 1.4(4K 144 Hz対応)が3つです。「DELL G3223Q」や「MOBIUZ EX3210U」など、4K 144 Hzゲーミングモニターを問題なく使えます。
Legion T550(AMD)のパーツ拡張性
ケースを開けて中身を見てみよう
Legion T550(AMD)のケースは、リアパネルにある2本のネジを取り外すとサイドパネルを開封できます。
サイドパネルを後ろへスライドすると、勝手にパタンと倒れて開封できます。
Legion T550(AMD)はミニタワーサイズのPCケースで、内部スペースがやや狭いです。
反対側は裏配線スペースです。LEDライティングを制御する専用コントローラや、各種ケーブルがぎっしりと詰まっています。
SATA HDDを取り付け可能な「3.5インチマウントベイ」は2つあり、指でつまむだけで取り出しできます。
SATA SSDを取り付けられる「2.5インチマウントベイ」は1つだけあります。
いったん取り外してから、SATA SSDをマウントベイにネジ止め(4本)します。SSDの固定に必要な小ネジや、SATAケーブルは付属しないので自分で用意する必要あり。
マザーボードの拡張性 |
---|
|
マザーボードはMicro-ATX規格(中サイズ)で、Lenovo特注のオリジナルモデルです。Micro-ATXゆえに拡張性は少なめですが、必要最低限の拡張性をなんとか確保しています。
あとから増設できるパーツは・・・
- M.2 SSD:あと1個
- キャプチャボードやサウンドカードなど:あと1枚
- HDDやSATA SSD:あと3個(1個使用済み)
以上となります。
なお、PCケースのサイズ的にHDDはあと1台まで、SATA SSDもあと1台が限界です。SSDに関しては固定しなくても使えるため、ケース内にそのまま置いておくなら最大2台まで増設できます。
メモリスロットは4本あり
メモリを増設できるメモリスロットは4本あります。
最初から付いている2枚に加えて、あとから2枚足すだけでかんたんにメモリの容量を増やせます。
ケースファンは標準で3つ取り付け済み
PCケース内部のエアフローを作り出す「ケースファン」は標準で3つ付いています。リアパネルに120 mmサイズのファンが1つ取り付け済み。
フロントパネルに120 mmケースファンが2つ取り付けてあります。ケースファンの増設(追加)はできませんが、フロントに2個、リアに1個あれば十分なエアフローを確保できるはずです。
搭載パーツを詳しく見てみる
CPUクーラーは「150W airflow CPUクーラー」を搭載。格安なゲーミングPCとしては珍しく、ヒートパイプを5本も通したヒートシンクに、120 mmサイズのファンを搭載した比較的しっかりしたCPUクーラーです。
たとえば同じ価格帯の「HP OMEN 25L」だと、ファンのサイズが92 mmで、ヒートパイプは2本だけでした。
グラフィックボードは「RTX 3070 8GB」を搭載します。グラボ本体の重みでバックプレートやマザーボードが歪まないように、重量を支えるサポートステイを取り付け済みです。
電源ユニットは「FSP650-70ALA」を搭載します。
大手電源ユニットメーカーFSP Technologyが製造する、80 PLUS Gold認証(90%以上の変換効率)を取得している、高効率な電源ユニット。標準的な120 mmサイズファンを搭載し、ほどほどの静音性です。
なお、最近の電源ユニットでは珍しく、12Vレールの出力が3系統に分かれています。それぞれ228W / 396 W / 312 W(3系統をあわせた上限は650 W)です。
せいぜい200 Wも消費しないRyzen 7~Ryzen 9と、RTX 3070を組み合わせて使う分には問題ありません。
無線LAN(Wi-Fi)カードは、Realtek製「RTL8852AE」を標準で搭載します。最大2.4 Gbpsの通信速度に対応する高速なWi-Fi 6カードです。
Legion T550(AMD)のゲーム性能を検証
「Legion T550(Ryzen 7 + RTX 3070)」のゲーミング性能を実際にテストします。
ゲーミングモニターは「DELL G3223Q(4K 144 Hz)」、メモリは初期設定(DDR4-3200)で各種ベンチマークを行いました。
定番ベンチマークで性能チェック
定番ベンチマーク 「3DMark」 | ||
---|---|---|
設定 | スコア | 画像 |
FireStrike フルHDゲーミング向け | 32382 上位5% | |
TimeSpy かなり重たいゲーム向け | 12897 上位24% | |
Port Royal レイトレ対応ゲーム向け | 7858 上位71% |
ゲーム性能をチェックする定番ベンチマークソフト「3DMark」でざっくり性能をスコア化します。
フルHDゲーム向けの「FireStrike」は約32400点で、フルHDゲーミングなら平均144~165 fps以上のハイフレームレートなプレイが可能です。
重量級ゲーム向けの「TimeSpy」は約12900点、WQHDゲーミングで60~70 fps超えも狙えます。ただし4Kゲーミングは設定をやや妥協しなければ60 fpsすら難しいです。
レイトレの性能をはかる「Port Royal」は約7860点で平凡なスコア。NVIDIA DLSS機能と併用するなら、フルHDやWQHDでのレイトレゲーミングはできます。
「FireStrike」のスコアで他のグラフィックボードを比較してみた。RTX 3070の性能はRTX 3060 Tiを上回り、おおむねRTX 2080 Tiに相当する性能です。
VRベンチマーク 「VRMark」 | ||
---|---|---|
設定 | スコア | 画像 |
Orange Room ライトなVRゲーム向け | 13041 平均284 fps | |
Cyan Room 重量級のVRゲーム向け | 6604 平均144 fps | |
Blue Room 5K解像度VRゲーム向け | 3941 平均86 fps |
VRゲームの性能をチェックする「VRMark」の結果です。
ライトなVRゲーム向けの「Orange Room」テストでは平均284 fpsを叩き出し、余裕の動作です。やや重たい「Cyan Room」テストも平均144 fpsで十分に快適です。
5K解像度の「Blue Room」は平均86 fpsでなんとか遊べる程度の性能。
定番ベンチマーク 「FF14:暁月のフィナーレ」 | ||
---|---|---|
設定 | スコア | 画像 |
1920 x 1080 最高品質 | 18899 平均139 fps | |
2560 x 1440 最高品質 | 16447 平均119 fps |
「FF14:暁月のフィナーレ」を最高品質でベンチマーク。フルHDは約18900点(平均139 fps)、WQHDで約16450点(平均119 fps)で快適な動作ですが、RTX 3070の割にはスコアが出ていません。
実は、今回お借りしたレビュー機に入っているCPU「Ryzen 7 5700G」はFF14がやや苦手です。現在販売中の「Ryzen 7 5800」搭載モデルであれば、スコアはさらに2~3割ほど伸びるので安心を。
【フルHD~WQHD】実際にゲームを動かしてみる
Apex Legends 射撃訓練場でテスト | |
---|---|
フルHD(中設定) | 平均152 fps |
フルHD(最高設定) | 平均137 fps |
WQHD(最高設定) | 平均109 fps |
Apex Legendsは中設定で平均152 fps、最高設定で平均137 fpsです。WQHDでも平均109 fpsで普通にプレイできます。
フォートナイト 公式ベンチマークマップでテスト | |
---|---|
フルHD(中設定) | 平均198 fps |
フルHD(最高設定) | 平均119 fps |
WQHD(最高設定) | 平均91 fps |
フォートナイトは中設定なら平均198 fps、最高設定で平均119 fpsです。WQHDだと91 fpsに下がりますが、DLSSを使えば120 fps以上に伸びます。
Escape from Tarkov マップ「WOODS」でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均110 fps |
WQHD(最高設定) | 平均75 fps |
タルコフは最高設定で平均110 fpsです。WQHDで平均75 fpsとなんとか。NVIDIA DLSSを有効にすると1.4~1.5倍増しで一気に平均100 fpsを超えます。
VALORANT マップ「フラクチャー」でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均502fps |
WQHD(最高設定) | 平均398fps |
4K(最高設定) | 平均215fps |
VALORANTOは最高設定で平均502 fps、余裕すぎる動作です。WQHDですら平均400 fps近く、4Kは平均200 fps以上です。
Dead by Daylight マップ「バダム幼稚園II」でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均120 fps |
WQHD(最高設定) | 平均119 fps |
デドバはフルHD、WQHD、ともにほぼ上限(120 fps)に張り付いた状態です。
サイバーパンク2077 ベンチマークモードでテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均81 fps |
WQHD(最高設定) | 平均75 fps |
サイバーパンク2077(最高設定 + レイトレ:中 + DLSS:パフォーマンス)はフルHDで平均81 fps、WQHDで平均75 fpsでした。NVIDIA DLSS機能のおかげで平均60 fps以上を保っています。
Forza Horizon 5 ベンチマークモードでテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均84 fps |
WQHD(最高設定) | 平均80 fps |
Forza Horizon 5(エキストリーム設定 + レイトレ)はフルHDで平均84 fps、WQHDで平均80 fpsとおおむね余裕のあるレイトレレーシングを楽しめます。
Microsoft Flight Simulator 2020 国会議事堂から成田空港でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均50 fps |
WQHD(最高設定) | 平均49 fps |
Flight Simulator 2020(ULTRA設定)は、フルHDで平均50 fps、WQHDも同じく平均49 fpsで60 fpsを割り込みます。
ELDEN RING マップ「リムグレイブ」でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均82 fps |
WQHD(最高設定) | 平均80 fps |
フレームレート上限を解除したエルデンリング(最高設定)は、フルHDで平均82 fps、WQHDで80 fpsでした。
モンスターハンターワールド マップ「古代樹の森」でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均108 fps |
WQHD(最高設定) | 平均90 fps |
モンスターハンターワールド(最高設定)はフルHDで平均108 fps、WQHDで平均90 fpsでした。
NVIDIA DLSSを有効化するとWQHDで120 fps以上が可能です。
原神(Genshin Impact) マップ「璃月」でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均60 fps |
WQHD(最高設定) | 平均60 fps |
4K(最高設定) | 平均60 fps |
原神(最高設定1.5)はフルHDから4Kまで、60 fps上限にほぼ張り付いた動作です。
マインクラフト:RTX 「Neon District RTX」でテスト | |
---|---|
フルHD(最高設定) | 平均55 fps |
WQHD(最高設定) | 平均48 fps |
4K(最高設定) | 平均38 fps |
マインクラフト(Windows 10版 / レイトレ + DLSS / 描画距離16チャンク)は、フルHDで平均55 fps、WQHDで平均48 fpsでした。4Kだと平均38 fpsです。
Legion T550(AMD)のクリエイティブ性能
レンダリング / 動画エンコード
CPUの定番ベンチマーク「Cinebench R23」の比較です。
Legion T550(AMD)に入っている「Ryzen 7 5700G」は8コア16スレッドを搭載した省エネなCPUです。Core i7 11700より高性能で、Ryzen 7 5800Xに少し劣るくらいの位置づけ。
サクサクとした体感性能に影響が大きいシングルスレッド性能の比較です。「Ryzen 7 5700G」のシングルスレッド性能は、最新世代のIntel CPUと比較すると若干劣ります。
価格なりの性能です。
ベンチマーク | 結果 | 画像※クリックで画像拡大します |
---|---|---|
Cinebench R15シングルスレッド性能 | 243 cbやや速い | |
Cinebench R15マルチスレッド性能 | 2412 cbやや速い | |
Cinebench R23シングルスレッド性能 | 1489 cbやや速い | |
Cinebench R23マルチスレッド性能 | 14578 cbやや速い |
レンダリング系のベンチマーク結果まとめです。
動画エンコードは無料ソフト「Handbrake 1.42」を使って検証します。容量が約1 GBのフルHDアニメを「Fast 480p30(x264)」「Fast 1080p30(x264)」プリセットでエンコード。
Ryzen 7 5700Gの動画エンコード性能は・・・、Core i7 12700の一歩手前にとどまります。Core i7 11700を余裕で超えている性能です。
ベンチマーク | 結果 | 画像※クリックで画像拡大します |
---|---|---|
Fast 480p30軽い動画エンコード | 平均159.9 fps | |
Fast 1080p30重たい動画エンコード | 平均73.1 fps |
動画エンコードの結果まとめです。
オフィスワーク
Microsoft Officeのベンチマーク | |
---|---|
Edge | 14048 |
Word | 9511 |
Excel | 25055 |
PowerPoint | 13711 |
総合スコア | 14641 |
PCMark 10 Pro版を使って、オフィスワークの代表例「Microsoft Office」の処理速度をチェック。
Legion T550(AMD)の結果は「14641点」です。PCMark 10公式の目安である4500点を大幅に超えています。
PCMark 10 Video Conference(ビデオ会議) | |
---|---|
総合スコア | 79155000点以上ならOK |
ビデオチャットの快適度 | 29.9 /30.00 fps |
PCMark 10の「Video Conference(ビデオ会議)」モードを使って、ビデオチャットの快適さをテストしました。
結果は7915点で、5000点以上を余裕でクリア。複数人とビデオチャットを同時に行った場合の、映像のスムーズさ(フレームレート)はほぼ30 fpsで、上限の30 fpsに迫ります。ビデオ通話も余裕です。
写真編集
写真編集は「Photoshop CC」で処理速度をテスト。Puget Systems社が配布しているベンチマーク用のバッチファイルを使い、実際にPhotoshopを動かして性能をスコア化します。
Adobe Photoshop ベンチマーク | |
---|---|
総合スコア | 975.8/1000 |
一般処理のスコア | 88.7 |
フィルタ系のスコア | 96.7 |
Photomergeのスコア | 117.1 |
GPUスコア | 92.3 |
Legion T550(AMD)のPhotoshopスコアは「975.8点」です。ほぼ1000点満点に近いスコアで、Photoshopの基本的なタスクをサクサクとこなせます。
現在販売中のRyzen 7 5800搭載モデルなら、1000点以上のスコアを狙えます。
ゲーム実況配信
ゲーム実況配信の定番ソフト「OBS Studio」を、グラフィックボードを使って快適に動くかどうかをチェックします。
OBSの録画配信は非常に負荷が重たいリアルタイムエンコードですが、グラボに搭載されているハードウェアエンコード機能を使うと、CPUにほとんど負荷をかけずに快適な録画と配信が可能です。
GeForce系のグラボは「NVEnc」、Radeon系だと「VCE」と呼ばれるハードウェアエンコード機能でリアルタイムなエンコードができます。
解像度はフルHD(1920 x 1080)、フレームレートは60 fps、ビットレートは9000 kbpsです。録画と配信どちらも同じ設定で、同時に実行します。
テストに使用するゲームは「Apex Legends(最高設定)」で、ゲーム側に144 fpsのフレームレート上限をかけています(※上限なしだとエンコードが安定しない場合があるため)。
OBSでゲーム配信と録画 | ||
---|---|---|
ドロップフレーム率 | 評価 | |
Legion T550 (60 fps制限) | 0 % | 快適 |
Legion T550 (144 fps制限) | 0 % | 快適 |
Legion T550 (無制限) | 0 % | 快適 |
Legion T550(AMD)の配信性能は非常に快適です。
OBSでゲーム配信と録画 | |||
---|---|---|---|
フレームレート | 配信中 | 減少率 | |
Legion T550 (60 fps制限) | 60 fps | 60 fps | 0 % |
Legion T550 (144 fps制限) | 137 fps | 111 fps | -19.5 % |
Legion T550 (無制限) | 137 fps | 113 fps | -17.9 % |
配信中のフレームレートは無制限だと平均113 fpsまで下がります(約18%の低下)。ドロップフレーム率はほぼ0%で安定しています。
OBSはアップデートを何度も重ねており、NVEncで高画質配信しながら100 fps超えの負荷をかけても、コマ落ち(ドロップフレーム)がほとんど発生しなくなりました。
平均100 fps超えのフレームレートを維持しつつ、フルHD(60 fps)の安定した録画配信を難なくこなします。
Legion T550(AMD)のストレージ性能
Legion T550(AMD)に標準で入ってるストレージは「SAMSUNG MZVLB512GBJQ」の512 GBモデルです。SamsungがOEM向けに出荷している、ミドルクラスNVMe SSDです。
ベンチマークの結果は読み込みが約3570 MB/s、書き込みが約2940 MB/sで非常に速いです。一般的なSATA SSDの6~7倍も高性能です。
HDDは東芝製「DT01ACA200(容量2 TB)」を搭載。旧HGSTの工場で製造されている信頼性の高い3.5インチSATA HDDです。性能は読み書きどちらも200 MB/s前後でそこそこの速さ。
Legion T550(AMD)の温度とエアフロー
Legion T550(AMD)のエアフロー設計はシンプルです。フロントパネルの通気性に優れたメッシュグリルと2つの120 mmケースファンで外気を取り込み、リアパネルのケースファンと、メッシュ構造のトップパネルから熱気をケース外へ排出します。
では、PCケースのエアフローがどれほど機能しているか検証しましょう。
30分間ずっとゲームを起動したまま放置した結果、グラフィックボードの温度は77℃前後で飽和し、CPUの温度は57°くらいで安定しています。
3つの120 mmケースファンで必要十分なエアフローを確保できています。
動作温度をチェック
CPU温度をテスト (気温:27.9℃) | |
---|---|
レンダリング中 (CR23ベンチマーク) | ゲームプレイ中 (FF14:暁月のフィナーレ) |
最大:88℃ 平均:81℃ | 最大:77℃ 平均:63℃ |
ベンチマーク中のCPU温度は平均81℃(最大88℃)で、ゲームプレイ中だと平均63℃(最大77℃)でした。
120 mmサイズのCPUクーラーはRyzen 7 5700Gを冷やすのに十分な性能です。CPUに100%の負荷がかかった状態で80°前後なら、特に問題なく使えます。ゲーミング時の温度は65℃前後です。
グラフィックボードの温度をテスト (気温:27.9℃) |
---|
ゲームプレイ中 (FF14:暁月のフィナーレ) |
最大:79℃ 平均:69℃ |
FF14ベンチマーク中のグラボの温度は平均69℃(最大79℃)です。長時間プレイしつづけると77℃前後に落ち着きます。
RTX 3070の消費電力はせいぜい200 Wちょっとです。厚み54 mm(2.7スロット)のヒートシンク、90 mm径のデュアルファン、全長270 mmほどのグラフィックボードで問題なく冷やせます。
静音性能を騒音計で検証
動作音(騒音)をテスト (本体から50 cmの距離で測定) | ||
---|---|---|
シャットダウン (電源オフ時) | インターネット (Youtubeを表示) | ゲームプレイ中 (FF14:暁月ベンチ) |
31.2 dB | 33.9 dB | 39.3 dB |
校正済みのデジタル騒音メーターを使って「Legion T550(AMD)」の動作音(騒音レベル)を、シーン別に測定しました。それぞれの結果は中央値です。
動作音の比較(ゲーム中)
騒音値(dBA) | 評価 | 目安 |
---|---|---|
30 ~ 32.49 | 極めて静か | 耳を近づければ聞こえるレベル |
32.5 ~ 34.9 | 静か | ファンが回っているのが分かる |
35 ~ 39.9 | やや静か | 扇風機を「小」で回したくらい |
40 ~ 42.49 | 普通 | エアコンよりは静かな音 |
42.5 ~ 44.99 | やや騒音 | エアコンの動作音に近い |
45 ~ 50 | 騒がしい | 扇風機を「中~大」で回した音 |
50 ~ | うるさい・・・ | 換気扇を全力で回した音 |
オフィスソフトを使ったり、インターネットでYoutubeを見るくらいなら「静か」な動作音です。低負荷時はケースファンとCPUクーラーどちらも回転数が低く抑えられ、騒音が目立ちません。
ゲームプレイでは、主にグラフィックボードとケースファンの回転数が上昇しますが、それでも騒音値は40 dB前後に抑えられており、ややハイエンド構成の割には静かです。
39.3 dBは「やや静か(35~39.9 dB)」に分類され、個人的に聞いてもゲーミングPCの割には静かだと感じます。
Legion T550(AMD)のレビューまとめ
- フルHDで144 fps超えのゲームプレイ
- WQHDで120 fpsも可
- 写真編集や動画編集もOK
- パーツの増設・交換自体は保証に影響なし
- メンテナンス性に優れたケース
- LEDライティング対応
- 納期が速い(1~2日)
- コストパフォーマンスが高い
- カスタマイズがほぼできない
(※自分でやる前提) - PCケースの拡張性が少ない
「Legion T550(AMD)」は国内の大手BTOと比較して、低価格な割にハイスペックでありながら、目立った欠点(デメリット)を最小限に抑えている「コスパの良い優等生ゲーミングPC」です。
容量26リットルのコンパクト設計ゆえに、パーツの拡張性はやや少なめ。とはいえ、HDDやSSDをあと3台、キャプチャボードやサウンドカードをあと1枚まで増設できます。ゲーミングPCとして使うなら、割りと十分な拡張性を確保しています。
エアフロー設計と冷却性能もコンパクトな割にしっかりとしていて、より発熱の少ないRTX 3060 / RTX 3060 Tiモデルではほとんど問題にならないでしょう。
PCケースのメンテナンス性も良好で、防塵フィルターの掃除や、パーツの交換や増設がかんたんにできます。同じ価格帯で人気のある「HP OMEN 25L」より使い勝手がいいPCケースです。
全体的に欠点が少なく、ハイスペックで低価格なゲーミングPCです。最短で1~2日で届く短納期もLegion T550(AMD)の大きなメリット。短納期でコスパのいいゲーミングPCがほしい方におすすめです。
以上「Legion T550(AMD)レビュー:短納期で欠点の少ない良コスパゲーミングPC」でした。
レノボ「Legion」シリーズレビュー
RTX 3000搭載のおすすめゲーミングPC
①3060と3060Tiの性能差が価格以上に大きい=3060単品の魅力が薄い
②3060(50000円強)と3060Ti(65000円強)の単品価格差が15000円
③該当BTOの同価格差が22000円
・3060モデルを選ぶと、①②の理由により、なんとなく後悔が残る
・3060Tiモデルを選ぶと、②③の理由により、どうしても理不尽に感じる
PC全体のコスパを考えれば同3060モデルが絶対的に買いなのは解っていても、
それでも相対評価で減点する癖が染みついちまってて、我ながら嫌です。
3060はグラフィックメモリを多く使いたい人向け。VRCみたいな最適化されていないプラットフォームでは大容量メモリが必須
LenovoはBTOにありがちな謎メーカーを使わない姿勢も評価点だったんたけどメモリとかSSDってどこ製のでした?
SSDは書いてるでしょ。
HDDの冷却はどんな感じですか?空気が流れないエリアに見えますが…
SSDがSAMSUNG MZVLB512GBJQとのことでしたが、拡張するならSAMSUN使っとけば平気ですかね?
スリープ時に点滅する前面ロゴLEDを消灯する方法をご存じの方おられましたらご教示いただけますと幸いです。
2.5インチベイに繋ぐSATA電源ケーブルがないから分割ケーブル買ってこないと駄目だなこれ