240 mm水冷式クーラーと合計6つのLED対応ファンを搭載する、レノボのハイエンドゲーミングPC「Legion T750i」をレビューします。
世界最大級のBTOメーカーが作る水冷式ハイエンドゲーミングPCを隅々まで見てみましょう。
(公開:2022/2/21 | 更新:2022/2/21)
「Legion T750i」のスペックを解説
Lenovo Legion T750i 2022年2月時点 | |
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CPU | Core i9 10900K 10コア20スレッド |
CPUクーラー | 水冷式クーラー 240 mmラジエーター搭載 |
マザーボード | Intel Z490チップセット |
メモリ | DDR4-3200 16GB x2(合計32GB) |
グラフィックボード | RTX 3080 10GB |
SSD | 512 GB(NVMe) |
HDD | 2 TB |
電源ユニット | 容量850 W 80 PLUS Gold |
OS | Windows 10 Home |
納期 | 最短翌日 |
参考価格 | 400844 円(送料:無料) 最新価格をチェックする |
今回レビューする「Legion T750i」のスペックです。CPUにCore i9 10900K(10コア20スレッド)、グラフィックボードにRTX 3080 10GBを搭載します。
CPUとグラボの割に価格が約40万円とお高いですが、標準で240 mm水冷式クーラーや、合計6つのRGB LED対応のケースファンが付いてくるのである程度は妥当な価格です。
しかし、もともとは27~31万円くらいで買えた(※2022年1月初頭ごろ)ため、値上げ後の価格だとやはり割高に思えてしまうのが筆者の正直な感想です。
実際に使ってみた感想【シンプルに結論】
良かった点 | ダメな点 |
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「Legion T750i」を使ってみた率直な感想です。スペックが非常に強いので性能面で不満はありません。
10コア20スレッドでクリエイティブタスクも余裕、実質最強クラスのグラボRTX 3080のおかげで200 fps超えのハイフレームレートや、大画面で高画質な4Kゲーミングも可能です。
冷却性能もさすがに問題なし。合計6つのLEDケースファン、240 mm水冷式クーラーで、標準スペックの時点で十分なエアフローが構築されています。ちゃんと冷えます。
大型PCケース(ミドルタワー)で拡張性も十分。HDDやSSDをあとから増設、キャプチャボードやサウンドカードの追加、メモリの増設など。たいていのパーツ増設・交換に対応可です。
全体的によくできたマトモなゲーミングPCですが、価格だけが弱点です。値上げする前の価格(27~31万円)だと破格のコストパフォーマンスを誇るゲーミングPCでしたが、40万円では並のコスパでしょう。
「Legion T750i」の梱包と付属品
Lenovoにお願いしてお借りしたサンプルですので、箱の状態は気にしないでください。新品で購入した場合はもっときれいな状態で届きます。
梱包用のダンボールは厚み5 mm台のAフルートダンボールです。重量30 kg程度までのゲーミングPCの梱包によく使われているダンボールです。
Legion T750iの梱包はしっかりしてます。ポリ製の白い布で本体を包み、分厚い高密度発泡スチロールの緩衝材でハンバーグです。よほど配送で雑に扱われても、そう簡単には中身にキズはつかないでしょう。
- セットアップガイド
- サポートマニュアル
- 保証書
- 電源ユニットの余りケーブル
- 電源ケーブル
付属品はあっさりした内容です。ゲーミング性能に関係ないムダな部分をちゃんとコストカットしているのが、よく分かります。
謎のケーブルは電源ユニットの余ったケーブルです。Legion T750iでは、フルプラグイン方式(ケーブルの着脱ができるタイプ)の電源ユニットを採用しているため※、ユニットに取り付けずに余ったケーブルが出てきます。
※レビューした2022年2月時点の情報。いつも同じ電源ユニットを使っているとは限りません。
「Legion T750i」のPCケースデザイン
ガラスパネル搭載のスチール製ケース
PCケースはかなり重たいです。梱包から引っ張り出すときは落とさないように注意してください。
Legion T750i専用ケースはサイドパネルに強化ガラス(厚み5.1 mm)を、他の面にスチールを採用した頑丈なPCケースです。
剛性は十分で、RTX 3080のような重量物を搭載しても変形の心配はほとんどありません。将来的なパーツ増設もなんなく対応できます。
通気孔の空いたフロントパネル(前面)は強化プラスチック製です。うっすらと中身が見えるシースルーデザインで、フロントパネルに搭載された3つのケースファンがよく見えます。
リアパネル(背面)には、排気用の120 mmサイズケースファンが1つ取り付け済み。
トップ(天面)は特に何もないフラットなデザインですが、通気孔がたくさん空いています。水冷式クーラーの熱気(排熱)が出てくる場所になるので、物置きスペースにしないように。
底面は電源ユニットに冷気を吸わせるための吸気用スリット(通気孔)が空いています。ホコリの侵入を防ぐ防塵フィルターが付いています。
防塵フィルターはネジを外すと取り外しが可能。水洗いもできます。
底面4箇所に付けてある吸振性のゴム足は、底面の高さを確保して外気を取り込みやすくする効果と、滑り止めと振動吸収(制振)の役割も果たします。
Legion T750iのデザイン※クリックで画像拡大します | |||
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Legion T750i専用ケースのデザインをまとめて掲載します。
さすがにハイエンドモデルだけあって、高品質なPCケースです。あえて言うなら、若干ネジの使用量が多いような気がしますが、パーツの増設交換はめったに無いので大きな問題ではないです。
インターフェイスの内容
フロントパネル(前面) |
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フロントパネルのインターフェイスは必要十分な内容です。USB 3.0(Type-A)が2つあり、ヘッドセットをそのままつないで使える3.5 mmオーディオ端子も備えます。
リアパネル(背面) |
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リアパネル(背面)のインターフェイスは充実の内容です。USB 3.0ポートが合計5つ、USB 2.0が合計4つもあります。マウスとキーボードや、外付けポータブルストレージも余裕です。
「Legion T750i」のパーツ拡張性
ケースを開けて中身を見てみよう
ガラスサイドパネルは四隅をネジで固定しています。ネジを外すだけでかんたんにサイドパネルが取り外せます。なお、ガラスパネルは重たいので落とさないように注意してください。
エアフローを整えるために取り付けられているシュラウドは、ネジを2箇所外すと取り外しできます。
シュラウドを取ると中がよく見えるように。
裏配線スペースはかなり余裕があります。ケーブルマネージメント用の穴があちこちに空いているので、メンテナンス性に優れています。
電源ユニット周辺のスペースはやや狭いものの、ユニットがフルプラグイン式(ケーブル着脱式)なので比較的スッキリとした状況です。
PCパーツの拡張性は十分
HDDを取り付けられる3.5インチベイ(2台)は指で引っ張るだけのツールレス設計を採用。すぐ近くにHDD用のケーブルも用意されているので、HDDを3.5インチベイに挿し込み、ケーブルを取り付けるだけで増設できます。
SATA SSDを取り付けられる2.5インチベイはネジで固定するタイプです。最大2台まで増設できます。
マザーボードの拡張性 |
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M.2 SSDやキャプチャボードなどを増設できるマザーボードの拡張性は標準的(ATXサイズ)です。
あとから増設できるパーツは・・・
- M.2 SSD:あと1個
- キャプチャボードやサウンドカードなど:あと2個
- HDDやSATA SSD:あと5個
以上となります。ほとんどの人にとって、使い切ることは多分ないくらいの十分な拡張性です。
HDDやSATA SSDは最大5台まで対応していますが、ケース側に入るのはSATA SSDが最大2台、HDDが最大2台までなので注意。固定せずPCケースの中に置きっぱなしにするなら5台まで可です。
M.2 SSDを増設するM.2スロットに、標準でヒートシンクが付属します。効率よく熱を伝えるサーマルパッドも付いていて、よく冷えます。無いよりはあった方がいいので地味に嬉しいです。
メモリスロットが4本あり
メモリの増設に使うメモリスロットは4本です。空きが2本あり、あとからメモリの増設ができます。
レノボの公式サイトからメモリの容量をカスタマイズできますが、Amazonなどの通販サイトで買った方が安いのでコスパ重視なら「セルフ増設」をおすすめします。
ケースファンは6個(余裕のエアフロー)
PCケース内部のエアフローを作り出す「ケースファン」は標準で6個付いてきます。リアパネル側に120 mmサイズが1つ、トップパネル側に120 mmサイズが2つ。
フロントパネル側に120 mmサイズが3つ取り付け済み。通気性のいいPCケースかつ、6個のケースファンでかなり効率よくエアフローをかせげます。
搭載パーツを詳しく見てみる
Legion T750iに標準搭載される水冷式クーラーです。ポンプ部分は丸いフォルムが特徴的なAsetek OEMを搭載。Asetekは水冷式クーラーの老舗で定番メーカー。信頼性が高いのがメリットです。
ラジエーターは240 mmサイズで、120 mmファンの2つ取り付け済み。最大200 Wにも達するCore i9 10900Kの熱を、効率よくPCケース外へと排出します。
搭載グラフィックボードは台湾メーカーのMSI製「RTX 3080 10G/D6X/3DP/H/LHR」でした。厚み2スロット(実測で52 mm)で、90 mmサイズのトリプルファンを搭載する大型設計のグラフィックボードです。
重量級のグラフィックボードは時間の経過とともに少しずつバックプレートが変形するので、変形を防ぐためにグラフィックボードを物理的に支える「サポートステイ」が取り付けられています。
なお、サポートステイはグラフィックボード側に固定されているので、グラボを取り外すときはサポートステイもセットで取り外してください(※3箇所がネジで固定されています)。
電源ユニットはケーブルの着脱ができるフルプラグイン式です。
搭載されている電源ユニットはFSP製「Hydro G PRO HG2-850」でした。最大850 Wの電力供給に対応します。効率認証は80 PLUS GOLD(= 90%以上の変換効率)を取得済み。
- FSP Hydro G Pro HG2-850(Cybenetics Labs認証レポート)
認証レポートを見ての通り、普通に良い電源です。
日本メーカー製の定格105℃個体コンデンサを使っているし、冷却ファンは静音性に優れるとされるFDBファン(120 mmサイズ)を採用します。BTOの標準電源ユニットとしては申し分ないです。
「Legion T750i」のゲーム性能を検証
「Legion T750i」のゲーミング性能を実際に試してみよう。
CPUはCore i9 10900K(10コア20スレッド)、グラフィックボードが「RTX 3080」です。一般的なフルHD(1920 x 1080)ゲーミングは余裕すぎるので、4Kゲーミング(3840 x 2160)もテストします。
定番ベンチマークで性能チェック
定番ベンチマーク 「3DMark」 | ||
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設定 | スコア | 画像 |
FireStrike フルHDゲーミング向け | 39807 上位3% | |
TimeSpy かなり重たいゲーム向け | 15962 上位11% | |
Port Royal レイトレ対応ゲーム向け | 10982 上位38% |
ゲーム性能をチェックする定番ベンチマークソフト「3DMark」でざっくり性能をスコア化します。
フルHDゲーム向けの「FireStrike」は約39800点で、上位3%に入ります。フルHDゲーミングなら基本的に快適なプレイが可能です。
重量級ゲーム向けの「TimeSpy」は約15960点、上位11%です。フルHDより大きいWQHD解像度(2560 x 1440)や4K(3840 x 2160)も快適にプレイできます。
レイトレの性能をはかる「Port Royal」は約10980点で、レイトレを動かすのに十分な性能があります。ただし、4K解像度だとDLSSを使わないと60 fpsを出せない場合もあるので注意。
「FireStrike」のスコアで他のグラフィックボードを比較してみた。2022年の今も、RTX 3080はトップクラスの性能を持つハイエンドグラボです。
VRベンチマーク 「VRMark」 | ||
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設定 | スコア | 画像 |
Orange Room ライトなVRゲーム向け | 14671 平均320 fps | |
Cyan Room 重量級のVRゲーム向け | 16119 平均351 fps | |
Blue Room 5K解像度VRゲーム向け | 5346 平均117 fps |
VRゲームの性能をチェックする「VRMark」の結果です。
ライトなVRゲーム向けの「Orange Room」テストでは平均320 fpsを叩き出し、余裕の動作です。5K解像度の超重量級VRゲーム向けの「Blue Room」は平均117 fpsで、たいていのVRゲームを普通にプレイできます。
定番ベンチマーク 「FF14:暁月のフィナーレ」 | ||
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設定 | スコア | 画像 |
1920 x 1080 最高品質 | 19345 平均188 fps | |
3840 x 2160 最高品質 | 19345 平均96 fps |
「FF14:暁月のフィナーレ」を最高品質でテストした結果、スコアは約25700点(平均188 fps)でした。4Kだと約14200点(平均96 fps)です。
【フルHD~4K】実際にゲームを動かしてみる
Apex Legends 射撃訓練場でテスト | |
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フルHD(中設定) | 平均217 fps |
フルHD(最高設定) | 平均191 fps |
WQHD(最高設定) | 平均154 fps |
4K(最高設定) | 平均97 fps |
Apex Legendsは最高設定で平均191 fps、中設定で平均217 fpsでプレイできます。4Kでも平均97 fpsです。
フォートナイト クリエイティブ(重量級)でテスト | |
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フルHD(中設定) | 平均176 fps |
フルHD(最高設定) | 平均151 fps |
WQHD(最高設定) | 平均112 fps |
4K(最高設定) | 平均65 fps |
フォートナイトは最高設定で平均151 fps、中設定なら平均176 fpsでゲーミングモニターも余裕です。
なお、フォートナイトは「DLSS」に対応しているので、DLSSを使うと1.1~1.4倍までフレームレートを伸ばせます(4Kで100 fps超えも可能)。
Escape from Tarkov マップ「WOODS」でテスト | |
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フルHD(中設定) | 平均143 fps |
フルHD(最高設定) | 平均133 fps |
WQHD(最高設定) | 平均119 fps |
4K(最高設定) | 平均65 fps |
タルコフは最高設定で平均133 fps、中設定なら平均143 fpsでプレイ可能でした。「WOODS」以外のマップはもっと負荷が軽いので平均144 fps(タルコフの上限)も狙えます。
VALORANT トレーニングマップでテスト | |
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フルHD(最高設定) | 平均645 fps |
WQHD(最高設定) | 平均557 fps |
4K(最高設定) | 平均293 fps |
VALORANTOは最高設定で平均645 fps、余裕すぎる動作です。ノートパソコンでも動くように設計されているライトゲームなので、RTX 3080にとって相手にならないゲームです。
Dead by Daylight マップ「バダム幼稚園II」でテスト | |
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フルHD(最高設定) | 平均120 fps |
WQHD(最高設定) | 平均120 fps |
4K(最高設定) | 平均106 fps |
Dead by Daylightは4K(最高設定)で平均106 fps、WQHDとフルHDだと平均120 fpsです(※ゲーム側の上限値が120 fps)。
サイバーパンク2077 マップ「Vの自宅周辺」でテスト | |
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フルHD(レイトレ + DLSS) | 平均98 fps |
WQHD(レイトレ + DLSS) | 平均82 fps |
4K(レイトレ + DLSS) | 平均52 fps |
サイバーパンク2077(レイトレ + DLSSモード)はフルHDで平均98 fps、4Kだと平均52 fpsで60 fpsに届かず。レイトレ品質をもう少し妥協しないと4K 60 fpsは厳しそうです。
Forza Horizon 5 ベンチマークモードでテスト | |
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フルHD(最高設定) | 平均106 fps |
WQHD(最高設定) | 平均94 fps |
4K(最高設定) | 平均71 fps |
Forza Horizon 5は最高設定で平均106fps、4Kで平均71 fpsでプレイできます。
Microsoft Flight Simulator 2020 国会議事堂から成田空港でテスト | |
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フルHD(最高設定) | 平均69 fps |
WQHD(最高設定) | 平均64 fps |
4K(最高設定) | 平均43 fps |
Flight Simulator 2020は最高設定(ULTRA)で平均69 fps、4Kで平均43 fpsでフライト完了。
モンスターハンターワールド マップ「古代樹の森」でテスト | |
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フルHD(最高設定) | 平均162 fps |
WQHD(最高設定) | 平均125 fps |
4K(最高設定) | 平均67 fps |
モンスターハンターワールドは最高設定で平均162 fps、4Kで平均67 fpsでした。なお、最新作のモンハンライズはワールドより約2倍も動作が軽いので余裕で動きます。
原神(Genshin Impact) マップ「璃月」でテスト | |
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フルHD(最高設定) | 平均60 fps |
WQHD(最高設定) | 平均60 fps |
4K(最高設定) | 平均60 fps |
原神は最高設定(精度1.5)で平均60 fpsです(※原神はゲーム側で60 fpsに上限がかかっています)。
マインクラフト:RTX 「Neon District RTX」でテスト | |
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フルHD(16チャンク) | 平均56 fps |
WQHD(16チャンク) | 平均55 fps |
4K(16チャンク) | 平均47 fps |
マインクラフト(Windows 10版 / レイトレ + DLSS / 描画距離16チャンク)はGPU使用率があまり伸びず、60 fps手前で頭打ちです。
「Legion T750i」のクリエイティブ性能
レンダリング / 動画エンコード
CPUの定番ベンチマーク「Cinebench R23」の比較です。
Legion T750iに入ってるCPU「Core i9 10900K(10コア20スレッド)」は今でもかなり高性能です。
サクサクとした体感性能に影響が大きいシングルスレッド性能の比較です。「Core i9 10900K」のシングルスレッド性能は割と平凡ですが、普通にサクサクと動きます。
ベンチマーク | 結果 | 画像※クリックで画像拡大します |
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Cinebench R15シングルスレッド性能 | 218 cbやや速い | |
Cinebench R15マルチスレッド性能 | 2574 cbとても速い | |
Cinebench R23シングルスレッド性能 | 1323 cbやや速い | |
Cinebench R23マルチスレッド性能 | 15192 cbとても速い | |
Blenderレンダリング時間 | 142.8秒とても速い |
レンダリング系のベンチマーク結果まとめです。
動画エンコードは無料ソフト「Handbrake 1.42」を使って検証します。容量が約1 GBのフルHDアニメを「Fast 480p30(x264)」「Fast 1080p30(x264)」プリセットでエンコード。
動画エンコード性能も、先にテストしたマルチスレッド性能とだいたい同じです。同世代のCore i5と比較すると性能は2倍以上。
ベンチマーク | 結果 | 画像※クリックで画像拡大します |
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Fast 480p30軽い動画エンコード | 平均175.8 fps | |
Fast 1080p30重たい動画エンコード | 平均98.1 fps |
動画エンコードの結果まとめです。
オフィスワーク
Microsoft Officeのベンチマーク | |
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Edge | Error |
Word | 8888 |
Excel | 24484 |
PowerPoint | 11387 |
総合スコア | – |
PCMark 10 Pro版を使って、オフィスワークの代表例「Microsoft Office」の処理速度をチェック。
Word、Excel、PowerPointすべてPCMark 10公式の目安である4500点を軽く超えています。Legion T750iのオフィスワーク性能は非常に高いです。
PCMark 10 Video Conference(ビデオ会議) | |
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総合スコア | 76685000点以上ならOK |
ビデオチャットの快適度 | 29.9 /30.00 fps |
PCMark 10の「Video Conference(ビデオ会議)」モードを使って、ビデオチャットの快適さをテストしました。
結果は7668点で、5000点以上を余裕でクリア。複数人とビデオチャットを同時に行った場合の、映像のスムーズさ(フレームレート)はほぼ30 fpsで、上限の30 fpsに迫ります。ビデオ通話も余裕です。
写真編集
写真編集は「Photoshop CC」で処理速度をテスト。Puget Systems社が配布しているベンチマーク用のバッチファイル※を使い、実際にPhotoshopを動かして性能をスコア化します。
Adobe Photoshop ベンチマーク | |
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総合スコア | 1083.6/1000 |
一般処理のスコア | 103.6 |
フィルタ系のスコア | 116.3 |
Photomergeのスコア | 102 |
GPUスコア | 122 |
Legion T750iのPhotoshopスコアは「1083.6点」です。1000点満点を軽く超えるスコアで、Photoshopの基本的なタスクをサクサクとこなせます。
今回のLegion T750iは標準でメモリが32 GBも入ってるので、一眼デジカメで撮影した高解像度な写真も割と編集できる余裕があります。
ゲーム実況配信
ゲーム実況配信の定番ソフト「OBS Studio」を、グラフィックボードを使って快適に動くかどうかをチェックします。
OBSの録画配信は非常に負荷が重たいリアルタイムエンコードですが、グラボに搭載されているハードウェアエンコード機能を使うと、CPUにほとんど負荷をかけずに快適な録画と配信が可能です。
GeForce系のグラボは「NVEnc」、Radeon系だと「VCE」と呼ばれるハードウェアエンコード機能でリアルタイムなエンコードができます。
解像度はフルHD(1920 x 1080)、フレームレートは60 fps、ビットレートは9000 kbpsです。録画と配信どちらも同じ設定で、同時に実行します。
テストに使用するゲームは「Apex Legends(最高設定)」で、ゲーム側に144 fpsのフレームレート上限をかけています(※上限なしだとエンコードが安定しない場合があるため)。
OBSでゲーム配信と録画 | ||
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ドロップフレーム率 | 評価 | |
Legion T750i (144 fps制限) | 1.3 % | 快適 |
Legion T750i (無制限) | 5.9 % | やや快適 |
RTX 3050の配信性能は快適です。無制限だとドロップフレームが若干目立ちますが、144 fps制限だと1%台まで抑えられます。
OBSでゲーム配信と録画 | |||
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フレームレート | 配信中 | 減少率 | |
Legion T750i (144 fps制限) | 144 fps | 144 fps | 0 % |
Legion T750i (無制限) | 192 fps | 174 fps | -9.4 % |
配信中のフレームレートは無制限だと平均174 fps、1割ほど下がります。144 fps制限時は上限に貼り付く安定した動作です。
※高性能なGeForce(RTX 3060以上)で見られる定番のバグです。GPU使用率を90%程度に抑えないと、OBS側の処理が詰まってコマ落ちが発生します。
「Legion T750i」のストレージ性能
「Legion T750i」に入ってるストレージはSSDとHDDです。
SSDの型番は「WDC PC SN730」を搭載します。WD Black SN750のOEM向けモデルです。ベンチマーク結果を見ると読み込みが約3270 MB/s、書き込みが約2720 MB/sとSATA SSDより5~6倍も高速なNVMe SSDです。
HDDは「東芝DT01ACA200」を搭載。HGST系の工場で製造されている信頼性に優れたHDDです。性能は読み込みが約200 MB/s、書き込みもほぼ200 MB/sで2 TB HDDとしては十分な速さ。
「Legion T750i」の温度とエアフロー
「Legion T750i」のエアフロー設計をわかりやすく写真に書き込んでみた。
- 吸気:フロントパネルの3連ファン、通気孔、電源ユニットなど
- 排気:トップパネルの2連ファン、リアパネルのファン、電源ユニットなど
前面から冷気を取り込み、天面と背面から熱気を吐き出す一方通行のエアフローが作られています。
電源ユニットはケース内部でシュラウド(壁)によって仕切られているため、ユニットはケース内部の熱源(= 特にRTX 3080)にあまり影響を受けずほぼ独立した状態です。
合計6個のケースファンを搭載するため、ケース内部のエアフローは余裕で足りています。30分間のストレステストでも、グラボとCPUどちらの温度も一定時間が経過すると飽和(上昇が止まる)します。
サーモグラフィーカメラでケース内部の温度もチェック。CPU周辺は58~60℃でまったく問題なし。
水冷式クーラーは周辺にエアフローを与えないのでVRMは熱くなりがちですが、ヒートシンクとケース内部のエアフローのおかげで意外と冷えています。
グラフィックボードの表面温度も特に問題が見られません。
電源ユニット内部の温度はもっとも温度が高い部分でおよそ57℃程度です。
結論をまとめると、Legion T750iのエアフロー設計は問題なし。約300 Wのヒーター(RTX 3080)が入っていても適切に冷却できるだけの余裕が確保されています。
動作温度をチェック
CPU温度をテスト (気温:23.6℃) | |
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レンダリング中 (Blenderベンチマーク) | ゲームプレイ中 (FF15:4Kベンチマーク) |
最大:76℃ 平均:75℃ | 最大:77℃ 平均:66℃ |
ベンチマーク中のCPU温度は平均75℃(最大76℃)で、ゲームプレイ中だと平均66℃(最大77℃)でした。
標準搭載の240 mm水冷式クーラーの冷却性能はかなり強力です。Legion T750iのCore i9 10900Kは初期設定で180 W近い消費電力ですが、ちゃんと冷やせています。サーマルスロットリングも皆無です。
グラフィックボードの温度をテスト (気温:23.6℃) |
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ゲームプレイ中 (FF15:4Kベンチマーク) |
最大:72℃ 平均:71℃ |
FF15:4Kベンチマーク中のグラボの温度は平均72℃(最大71℃)です。長時間プレイしつづけても、部屋の気温が変わらない限りは72~73℃前後に落ち着きます。
PCケースに閉じ込めた状態で72℃に抑えられているのは感心です。筆者が持っている同じMSI製のRTX 3080 VENTUSよりも冷却性能が高いので、Legion T750iには改良モデルが搭載されている可能性が高そう・・・羨ましい限りです。
静音性能を騒音計で検証
動作音(騒音)をテスト (本体から50 cmの距離で測定) | ||
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シャットダウン (電源オフ時) | インターネット (Youtubeを表示) | ゲームプレイ中 (FF14:暁月ベンチ) |
31.3 dB | 33.5 dB | 36.9 dB |
校正済みのデジタル騒音メーターを使って「Legion T750i」の動作音(騒音レベル)を、シーン別に測定しました。それぞれの結果は中央値です。
動作音の比較(ゲーム中)
騒音値(dBA) | 評価 | 目安 |
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30 ~ 32.49 | 極めて静か | 耳を近づければ聞こえるレベル |
32.5 ~ 34.9 | 静か | ファンが回っているのが分かる |
35 ~ 39.9 | やや静か | 扇風機を「小」で回したくらい |
40 ~ 42.49 | 普通 | エアコンよりは静かな音 |
42.5 ~ 44.99 | やや騒音 | エアコンの動作音に近い |
45 ~ 50 | 騒がしい | 扇風機を「中~大」で回した音 |
50 ~ | うるさい・・・ | 換気扇を全力で回した音 |
オフィスソフトを使ったり、インターネットでYoutubeを見るくらいなら、ファンはゆるりと回るだけで「静か」な動作音です。
ゲームプレイ中はグラフィックボードのファンが回り始めて動作音がじわじわ上昇し続け、騒音値が37 dB前後(ピーク時は38 dB近い)に達します。40 dB未満の騒音値は「やや静か」に分類されますが、実際の感じ方は個人差があります。
なお、比較グラフを見てもらえると分かる通り、騒音値が37 dBといってもゲーミングPCの中ではトップクラスに静かな方です。しかもT750iは300 W級のゲーミングPCですから、なおさら優秀です※。
※消費電力が高い = 発生する熱も比例して増えるので、消費電力が高いゲーミングPCほど、冷却性能と静音性は不利になります。
「Legion T750i」のレビューまとめ
- 頑丈で重たいPCケース
- 十分な拡張性
- メンテナンス性が良い
- 余裕の冷却性能
- 4Kゲーミングができます
- 写真編集や動画編集もOK
- パーツの増設・交換自体は保証に影響なし
- そこそこ静かな動作音
- LEDライティング対応
- 価格が高い
- カスタマイズが割高
(※自分でやる前提)
Legion T750iは「良いゲーミングPC」です。
搭載パーツは全体的に信頼性が高く、設計もしっかりしています。水冷式クーラーと合計6個のケースファンのおかげで、ピーク時に400~500 Wを超える消費電力でも適切に冷やせる冷却性能を確保しています。
静音性も優秀です。RTX 3080を搭載したゲーミングPCで、ゲーム中の騒音値を37~38 dBに抑えられるのはトップクラスの静音性です。
RGB LED対応のパーツも豊富で、プリインされたソフト「Lenovo Vantage」から光り方もコントロール可能。もちろん無点灯も対応します。
全体的に万人向けにおすすめしやすい優等生的なゲーミングPCで性能面や品質のデメリットはほぼないです。唯一の弱点は「価格」のみ。
T750iはたしかに良いモノですが、Core i9 + RTX 3080で約40万円は決して安いとは言いづらいです。裏を返せば、従来どおり「27~31万円」に戻ったら文句なしに「買い」と言っていいでしょう。
以上「Legion T750i レビュー:非常によくできたゲーミングPCですが高価・・・」でした。
レノボ「Legion」シリーズレビュー
RTX 3000搭載のおすすめゲーミングPC
この構築だと自作出来れば30万も行かないかな
12900kと3080でも22万位に収まる筈だから、やっぱり高い
今年1月ぐらいの価格(27~31万円)ならまだ良かったのですが・・・。40万超えはちょっと理解に苦しむ価格設定です。
なんで40万も出して、今更10900Kなのかって話だね。
不買一択。自作で12900Kか12700Kか5950Xあたりを買うべき。
1年前に紹介してた時は23万でしたよね
値上がりがすごい・・・
Lenovoと言えば自作より安い、しかも品質もいい、みたいなイメージだったけど旧世代のCPUとマイチェン前のグラボ使ってこの価格はなあ……12700Kと3080(12GB)を組み合わさってたとしても35万くらいでまとめてもらわんと
もともとLegion T750iはものすごくコスパの良いゲーミングPC筆頭だったのですが、今年の2月初旬に10万円くらい値上がりしてしまって買うメリットがかなり薄くなりました。
いつの間にこんなに値上がったんだ…
散々言われてるけど20万円台中盤だから価値があったモデルやろ
しかも他の記事で検証されてるようにこの世代のi9はもう型落ちでi7以下やん
記事書いてる途中で値段変わっちゃった感じかな…?
値上げするならわざわざレビューしなかっただろうから可哀想
25万なら「A」だけど40万なら「絶対買うな」でしょ
勘違いされてるようだけど割とLenovoのパソコンて当たり外れがあるよ
これがもてはやされてた時期も8世代cpuに型落ちグラボで割高なモデルも一緒に並んでた
わかってる人がセール中の優良モデルにカスタマイズがっちり決めると安くなるのがLenovo
何も調べないでイメージだけで飛びつくとぼられる
このモデルは人気が出すぎてよくわかんないけどこれ買えばいいんやろ状態になったからもあまり期待できない
Aはおかしいような。せめてBくらいだろ。