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IdeaCentre T540 Gamingをレビュー:コスパ、小型、高性能

Lenovoの家庭向けのパソコン「IdeaCentre T540」をゲーミング化し、驚異的なコスパのままパワーアップを果たした「IdeaCentre T540 Gaming」。国内BTOすら抑える「安さ」が魅力的ですが、果たして性能や中身のパーツは?

実際にレビューしてみた。

IdeaCentre T540 Gamingのスペックと概要

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingのレビューまとめ
IdeaCentre T540 Gamingモデル:90LW0017JP
CPUCore i5 9400
冷却小型空冷クーラー※82 mm小型空冷ファン
グラボGTX 1650 4GB
※2スロット占有の内排気モデル
メモリDDR4-2666 8GB x1
マザーボードIntel B365搭載
SSD256 GB(NVMe SSD)
HDD1 TB
ドライブ
電源310W 小型電源メーカー不明 / 80+ Platinum認証
OSWindows 10 Home 64bit
保証1年間(引取修理保証)
参考価格87859 円(税込み・送料無料)最新価格をチェックする
スペック表は2020/3時点の製品ページに基いてまとめたモノです。最新のスペック状況は、必ず公式サイトで確認してください。

Lenovoの格安ホームユース向けパソコン「IdeaCentre」を、ゲーミング仕様に特化させたのが「IdeaCentre T540 Gaming」です。価格は約8.8~12万円で、スペック違いの4モデルがラインナップされています。

モデル90LW0017JP※今回のレビュー90LW0019JP90LW001AJP90LW0018JP
CPUCore i5 94006コア6スレッドCore i7 97008コア8スレッド
グラボGTX 1650 4GBGTX 1660 6GBGTX 1660 Ti 6GB
メモリ8GB x18GB x2(合計16GB)
SSD256 GB512 GB256 GB
HDD1 TB2 TB
価格87859 円税込み & 送料無料110141 円税込み & 送料無料114224 円税込み & 送料無料120274 円税込み & 送料無料

やはり、パッと見て驚くのが価格設定です。税抜ではなく、税込みかつ送料無料の価格ですから、スペックに対するコストパフォーマンスは驚異的にすごい。

Lenovoに代表される外資系メーカーは、国内の大手BTOメーカーと比較してコスパで劣る印象がありますが、IdeaCentre T540 Gamingに関しては例外。約8.8~12万円の4モデル、どれをとっても相場より1~2万円は安いです。

しかし、国内BTOと比較しても目立って安いため「マトモに使える製品かどうか?」は、初めてゲーミングPCを買う人によっては重要な問題でしょう。今回は実際に、一番安いモデルについて、詳しくレビューします。

やかもち
Lenovoさんに貸し出して頂いた製品でレビューを進めました。

IdeaCentre T540 Gamingを実機レビュー

付属品とパッケージ

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(付属品)

パソコン本体は、発泡スチロールの分厚い梱包材にがっちり挟まれ、保護用ビニールがかぶせてあります。IdeaCentre T540 Gamingは小型で軽量なので、配送時に故障する確率は極めて低く、安心です。

付属品は茶色の段ボール2つに入っていました。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(付属品)

小さい箱には、電源ケーブルや説明書、付属マウスが入っています。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(付属品)

もう一方の箱には、パンタグラフ式の付属キーボードでした。パンタグラフ式でペチペチとした浅いキーストロークが目立つキーボードです。ゲーミングにはあまり向かないので、キーボードとマウスは別途用意するのがオススメ。

やかもち
格安パソコンの付属品なので、「質」に期待できないのは当たり前ではあります。

外観とデザイン

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(外観デザイン)

IdeaCentre T540 Gamingは、Lenovo特注のコンパクトPCケースを採用。ミッドグレーのマット塗装で、意外と安っぽさは感じられません。サイドパネル(側面)には、細長い長方形のメッシュ(通気孔)も設けられ、通気性も問題ないです。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(外観デザイン)

反対側はサイドパネル一面がミッドグレーのマット塗装のみ。吸気用のメッシュなどは一切ない、シンプルなデザインです。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(外観デザイン)

外資系PCメーカーにありがちな、まったく塗装されていないリアパネル(背面)。あまり目につかないところで、コストカットを行い、価格を少しでも抑える努力と言えます。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(インターフェイス)

インターフェイスパネル(リアパネル)の内容を確認します。

  1. オーディオポート(3.5 mm)
  2. D-Sub
  3. HDMI
  4. USB 2.0 x2
  5. USB 2.0 x2
  6. LANポート
端子解説
WiFiアンテナWiFiモジュールを取付可能
USB 3.1 Gen1約500 MB/sの速度で転送できるUSBポート
USB 3.1 Gen2 TypeA約1000 MB/sの速度で転送できるUSBポート
USB 3.1 Gen2 TypeCTypeAと違って、左右対称・小型なポート
LANポートここにLANケーブルを挿すとネットにつながる
オーディオ入出力緑が「出力」で、ピンクが「マイク入力」
PS/2超古いキーボードやマウスを使うための端子
HDMI最近のモニターなら大抵はついてる端子
Display Port値段が高めのモニターについてる端子
DVI-D安物のモニターに多い端子(最近は減ってきた)
D-Sub安物のモニターで見かける端子(最近は減ってきた)

USBポートは4つありますが、全てUSB 2.0です。逆にUSB 3.0など、高速なUSBポートはフロントパネル側に設けられているので、リアパネルにはマウスやキーボードをつないで使ってください。

という考えにもとづいた設計といえます。やはりLenovoによる専用設計のパソコンだけあって、普通のBTOパソコンとは違ったデザインや仕様が出てきて素直に面白いです。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(インターフェイス)
  1. Display Port
  2. Display Port
  3. HDMI

グラフィックボード側のコネクタは、最近のモニターでもっぱら主流になりつつある「HDMI」や「Display Port」を合計で3つ備えます。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(外観デザイン)

フロントパネルはマットブラックで統一。ケース表面は三角形を組み合わせたフラクタルな凹凸デザインが施されていて、安っぽく感じやすいプラスチックな素材感を「高級な感じ」に演出しています。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(インターフェイス)

リアパネルとは打って変わって、フロントパネル側のインターフェイスはとても豊富な内容です。

  1. 電源ボタン
  2. SDカードスロット(の痕跡?)
  3. マイク入力
  4. ヘッドセット出力
  5. USB 3.0 Type-C
  6. USB 3.0 x2
  7. USB 3.0 x2

USB 3.0が合計で5ポートあります。高速なポータブルSSDも安心して使える仕様です。

なお、SDカードスロットらしき部分は一応取り外して確認しましたが、中には何もありませんでした。メーカーの仕様表を見ても特に記載がないため、特に意味のないスロットでしょう。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(外観デザイン)

天板(トップパネル)は、ほぼ完全な平面デザインになっていて、メッシュなどは一切ありません。ポータブルストレージやパソコン周辺機器など、軽いモノを置く収納スペースとして使えそうです。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(外観デザイン)

底面(ボトムパネル)には、滑り止めと振動吸収を兼ねる4本の足が取り付け済み。外の空気を取り込む吸気用メッシュもあります。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(外観デザイン)

フロントパネルの底と、サイドパネルの側面にある吸気用メッシュから外気を取り込み、リアパネル側のケースファンでPCケース内部の暖まった空気を吐き出すエアフロー設計です。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingの凹凸デザイン

三角形を細かく組み合わせた凹凸デザイン

やかもち
格安な割には意外と悪くないデザインと設計です。フロントパネルの高級感を演出するための「凸凹デザイン」は特に良いアイディアだと思います。

中身とパーツをチェック

サイドパネル(フタ)を開けて、IdeaCentre T540 Gamingの内部コンポーネントをレビューしていく。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

リアパネル側からネジ2箇所を取り外すと、サイドパネルは簡単に外れます。次に、フロントパネルを手で引っ張って取り外します。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

そしてストレージインレー(壁みたいな部分)を手前に引くと、ドアが開くように動いて、内部コンポーネントへアクセスできるように。ネジは2箇所だけで、その後はツールレスに開けられる親切な仕様です。

IdeaCentre自体は、元がホームユース向けのデザインなので、メンテナンスしやすいように保守性の高い設計になっているのかもしれません。

やかもち
こ…これならメモリの増設や、グラフィックボードの交換も簡単です。
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

配線は結束バンドが軽くまとめてあります。必要最小限の配線で、メンテナンス性は良好です。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

CPUクーラーは82 mmサイズの小型空冷ファンで、リアパネル側のケースファンも同じく82 mmサイズの小型ファンです。スペースが非常に限られているため、あまり大きいファンは搭載できません。

メモリの増設は可能?
メモリを増設してみた
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(メモリの増設)Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(メモリの増設)

可能です。

試しに空いているメモリスロットに、適当なメーカーのメモリ(容量4 GB)挿し込んだところ、合計12 GB(8 + 4 GB)として認識されています。最初から16 GBのモデルを選んだほうが賢いですが、一応「増設はできます」。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

グラフィックボードは、シングルファン仕様の「GTX 1650 4GB」を搭載。ボードの長さはわずか145 mmしか無い、コンパクトなグラフィックボードです。

グラボの交換は可能?

可能です。

電源ユニットから「6 + 2」ピンの補助電源コネクタが1つだけ出ているため、上位のグラフィックボードへ交換はできます。ただし、ケース内部は非常にスペースが狭いので、小型で厚みの薄いグラフィックボードしか使えません。

自分が試した範囲では、長さは170 mm、横幅が125 mmがIdeaCentre T540に入り切るギリギリの大きさでした。市販されているグラボだと、Palit Microsystemsのシングルファングラボが該当します。

「Palit GTX 1660 Ti STORMX」は、長さが168 mm、横幅が122 mmです。補助電源コネクタは「6 + 2」ピンで、問題なく使えます。

やかもち
まじめな話、最初からGTX 1660 / GTX 1660 Tiを搭載した上位モデルのIdeaCentreを選んだほうが良いですよ。
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

マザーボードは「Lenovo I365MS(ver 1.0)」が採用されています。普通のBTOパソコンや自作PCでは見かけない、極めて特殊な規格のマザーボードです。

  1. PCI Express x16(グラボで使用済み)
  2. PCI Express x1
  3. SATA 3.0(空き1本)
  4. SATA 3.0(空き1本)

小型PCケースゆえ、マザーボードも小型です。当然ながら拡張性はかなり限定的で、あとからパーツを増設したりするには限界があります。あくまでも、完成品の時点で満足できる人向けのパソコンですね。

スロット解説
PCI Express x16グラフィックボードや高性能なLANカードを増設できる
PCI Express x8ローエンドなグラボや高性能なLANカードを増設できる
PCI Express x4LANカードやサウンドカードを増設できる
PCI Express x1主にサウンドカードやキャプチャカードの増設に使う
PCI スロットものすごく古い拡張カードなら出番があるかも…(化石)
M.2 ソケットM.2規格の小型SSDやWiFiモジュールを増設できる
SATA 3.0主にSATA規格のHDD / SSD / 光学ドライブの増設に使う
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

マザーボードの右下に、M.2 SSDとWiFiカードを発見。SSDはSamsung製のOEM向けモデルで、信頼性は問題なし。WiFiカードは定番のインテル製です(※802.11 acとBluetooth 4.0に対応)。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

ストレージインレーには、3.5インチのHDDが取り付け済み。Seagate製のデータ保存用HDD「ST1000DM003」です。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(分解 & 内部コンポーネント)

搭載されている電源ユニットは、AcBel製「PCJ007」でした。容量310 Wで、効率は80 Plus Platinumを取得している電力効率に優れた電源ユニットです。

今回のIdeaCentre T540 Gamingでは、せいぜい消費電力は約170 Wが関の山。容量310 Wに対して55%程度の負荷率なので、余裕は十分に確保されており、必要十分な電源ユニットと言えます。

PCJ00765 x 86 x 150 mm
SFX規格125 x 63.5 x 100 mm
ATX規格150 x 86 x 140~ mm

ただし、PCJ007はLenovo向けにカスタムされた特殊規格の電源ユニットなので、代用品を探すのに苦労するのは難点です(※というより、同じ電源ユニットしか選択肢がない)

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(LEDで光る)

起動すると、フロントパネルの凹凸デザインとインターフェイスの間から、IdeaCentreをイメージした青白いLEDライティングで大人しく穏やかに光ってくれます。

ゲーミング性能を徹底検証

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(テスト環境)

パーツチェックの次は、IdeaCentre T540 GamingがゲーミングPCとしてどこまで優れた性能を発揮できるのか。詳しい動作検証を行います。

  • 定番ベンチマークだけでなく
  • 実際のゲームプレイで実測検証もする

直感的に性能が分かりやすいように、実際にゲームを動かしてどれくらいの平均フレームレートを出せるのかを確認していく。ベンチスコアよりも平均fpsの方がずっと重要です。

定番ベンチマーク

ベンチマーク結果画像
3DMarkFireStrike9086総合 : 7947 / 上位66%Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)
3DMark
TimeSpy
3439
総合 : 3593 / 上位82%
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)
FINAL FANTASY 14漆黒の反逆者 : 1920×10809260
評価 : 非常に快適
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)
Final Fantasy XVベンチマーク : 1920×10803728
評価 : 普通
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)
PSO 2PHANTASY STAR ONLINE 228488
評価 : 快適
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)
SteamVR5.4 点
生成フレーム : 9796
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)
UnigineHeaven Benchmark1017
平均fps : 40.4
Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)

グラフィックボードが「GTX 1650」なので、フルHD向けのベンチマーク結果は平均よりは少し劣るレベルです。ゲームによっては、グラフィック設定を落とさないとスムーズな動作ができません。

フルHDゲーミングのfpsを実測

ゲーム内のグラフィック設定を「最高」にして、MSI Afterburnerを使ってフレームレートを記録します。そして記録から平均フレームレートを計算して、以下グラフにまとめました。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(フルHDゲーミング)IdeaCentre T540 Gaming
フルHD(1920 x 1080) / 最高設定
  • Apex Legends
    58.3 fps
  • Call of Duty : BO4
    67.2 fps
  • CS:GO
    208.4 fps
  • Overwatch
    81.8 fps
  • PUBG
    56.3 fps
  • Rainbow Six Siege
    58.3 fps
  • Fortnite : Battle Royale
    60.9 fps
  • Final Fantasy 14
    62.6 fps
  • Assassin’s Creed Odyssay
    30.0 fps
  • ARK Survival Evolved
    30.4 fps
  • Deus EX : Mankind Divided
    42.0 fps
  • Grand Theft Auto V
    50.0 fps
  • Monster Hunter World
    36.3 fps
  • Shadow of the Tomb Raider
    44.0 fps
  • Witcher 3
    38.9 fps
  • 黒い砂漠
    44.7 fps
  • 平均フレームレート
    50.8 fps

平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満

現在のゲームプレイでもっとも一般的な「フルHD(1920 x 1080)」は、最新のFPSゲームならなんとか平均60 fps前後をうろつく性能です。

ARKやアサシンクリードのような超重量級ゲームはだと、平均30 fpsがやっとの結果。基本的にほとんどのゲームが動作しますが、スムーズな動作にはグラフィック設定の妥協は避けられません。

CPU性能とコンテンツ作成能力

ベンチマークソフトに加え、実際にソフトを動かしてIdeaCentre T540 Gamingのクリエイティブ性能を検証してみます。

定番ベンチマーク

ベンチマーク結果画像
Cinebench R15シングルスレッド性能179 cbやや速いLenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
Cinebench R15マルチスレッド性能957 cb普通
Cinebench R20シングルスレッド性能428 cbやや速いLenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
Cinebench R20マルチスレッド性能2200 cb普通
Blenderレンダリング性能6分49秒やや遅いLenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
CPU-Zシングルスレッド性能476.5やや速いLenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
CPU-Zマルチスレッド性能2563.1普通
Geekbench 4シングルスレッド性能4669やや速いLenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
Geekbench 4マルチスレッド性能17540普通
PCMark 8Home / 日常的なアプリ5099上位6%Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
PCMark 8Creative / 写真や動画編集7228上位13%Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
PCMark 8Work / オフィスワーク5346上位7%Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
x264 Handbrake平均処理フレーム数59.91 fps普通Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
x265 Handbrake平均処理フレーム数33.30 fps普通Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
7-Zip / 圧縮20798 MIPS普通Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)
7-Zip / 解凍22898 MIPS普通
Mozilla Kraken 1.1Webアプリの処理速度1021.6 ms普通Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(CPU性能とベンチマーク)

6コア6スレッドのCore i5 9400らしく、おおむね「普通」なパフォーマンスです。高画質なゲーム配信や、4K動画編集など、重たいクリエイティブタスクでなければ割と間に合う性能があります。

画像編集「Photoshop CC」

ガレリアZGを実機レビュー(写真)

クリエイティブなタスクと言えばAdobeが有名。その中でも特に有名な「Photoshop CC 2018」の処理速度を、バッチファイルを使い実際に動かして計測しました。

マシンIdeaCentre T540 GamingGALLERIA RJ5
CPUCore i5 9400Ryzen 5 2600
グラボGTX 1650 4GBGTX 1660 6GB
メモリ8GB8GB
総合スコア638.6 /1000589.6 /1000
一般処理のスコア52.447.9
フィルタ系のスコア67.261.9
Photomergeのスコア80.175.2
GPUスコア54.762.0

IdeaCentre T540 GamingのPhotoshopの総合的な処理性能は「638.6 点」で、普通です。Photoshopはメモリ容量によって性能が左右されやすく、メモリが8 GBしかない今回のPCでは、やや苦戦します。

マシンIdeaCentre T540 GamingGALLERIA RJ5
CPUCore i5 9400Ryzen 5 2600
GPUGTX 1650GTX 1660
RAM8GB8GB
総合スコア638.6589.6
一般処理のスコア52.447.9
フィルタ系のスコア67.261.9
Photomergeのスコア80.175.2
GPUスコア54.762
テストの詳細結果
RAW画像の展開4.815.93
500MBへのリサイズ6.862.13
回転1.842.23
自動選択19.1421.53
マスク5.777.97
バケツ33.03
グラデーション0.621.25
塗りつぶし13.6118.63
PSD保存15.4615.28
PSD展開3.553.77
Camera Raw フィルタ1111.48
レンズ補正フィルター19.0321.69
ノイズ除去25.0925.22
スマートシャーペン33.634.53
フィールドぼかし23.124.89
チルトシフトぼかし21.5522.46
虹彩絞りぼかし23.8824.45
広角補正フィルター23.9522.68
ゆがみツール(Liquify)11.3617.35
Photomerge(2200万画素)97.5104.95
Photomerge(4500万画素)135.18142.22

※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。

ゲーム配信「OBS」

ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って、IdeaCentre T540 Gamingの配信性能を検証します。

OBSの設定画面
ガレリアZGを実機レビュー(写真)ガレリアZGを実機レビュー(写真)ガレリアZGを実機レビュー(写真)

検証方法はFinal Fantasy 14:紅蓮のリベレーター(最高設定)の序盤1分を、フルHD(1080p 60fps)で配信と録画を行い、どれだけのゲーム映像をちゃんと配信できたかをチェック。

検証は2パターン行います。CPUで録画配信をした場合(設定は4つ)と、グラボで録画配信をした場合(設定は2つ)の2パターンで、合計6つの設定です。

なお、ゲームプレイ時のフレームレートは240 fpsを上限に設定して、快適なゲームプレイと配信の両立ができるかどうかをチェックします。

OBSで録画と配信(240 fps制限)
設定レンダリングラグエンコードラグ平均fps
CPUでsuperfast13.7%0.2%49.8 fps
veryfast9.1%0.0%46.5 fps
faster18.1%57.2%52.6 fps
fast15.5%61.1%48.8 fps
グラボでMax Quality17.4%0.0%46.8 fps

ゲーム配信をするには、残念ながら性能が足りません。さすがに約8.8万円の安価なゲーミングPCには、ゲーム実況配信は少し負荷が大きすぎるタスクです。

配信を安定させるなら、Core i7とGTX 1660 / 1660 Tiを搭載している上位モデルを強くオススメします。

ストレージ性能と詳細

IdeaCentre T540 Gamingの標準ストレージは「256 GB NVMe SSD + 1 TB HDD」です。搭載されているSSD / HDDの詳しい情報や、その性能を検証します。

ストレージSSDHDD
詳細情報Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(ストレージ性能とベンチマーク)Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(ストレージ性能とベンチマーク)
ベンチマークLenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(ストレージ性能とベンチマーク)Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(ストレージ性能とベンチマーク)

SSDは内部コンポーネントでも紹介したとおり、Samsung製のOEM向けモデルが搭載されています。読み込みは約3550 MB/s、書き込みが約2340 MB/sで、性能はとても高速です。ゲーミングPCには十分です。

HDDはSeagateの「ST1000DM003」が入っています。読み込みが約211 MB/s、書き込みは約199 MB/sでHDDにしては意外と速いです。とはいえ、データ保存用(倉庫)のHDDなので、ゲームや動画編集などで酷使はしないように※。

※使用頻度の低いデータを入れて放置するような使い方に向いているアーカイブ用途のHDDなので、動画編集やゲーミングなど、頻繁にアクセスするような用途には向かないHDDです。

エアフロー

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(サーモグラフィーカメラ)

サーモグラフィーカメラを使って「IdeaCentre T540 Gaming」の内部温度を撮影しました。リアパネル側の82 mmファンと、電源ユニットが排気を行い、一応はエアフローが生成されています。

が、PCケースが小型でスペースが狭い分だけ熱がこもりやすく、中の温度はやや高めです。念のため12時間連続で、ゲームベンチマーク(Unigine Heaven)を起動しっぱなしにするストレステストを行いました。

結果は問題なく、至って安定した動作です。

内部コンポーネントの温度

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(サーモグラフィーカメラ)

マザーボードのVRMフェーズ回路まわりの表面温度は、ゲーミング時で60~65℃でした。低いわけでもなく、高いわけでもない、ごく普通な温度です。安定性に問題はありません。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(サーモグラフィーカメラ)

電源ユニットの内部温度は39~41℃前後で、それなりに大人しい温度です。80 Plus Platinum認証の高効率な電源ユニットなので、電源本体の発熱は少なく済みます。

ゲーミング時の動作温度をチェック

ゲームにしてはCPUへの負荷が大きい「FINAL FANTASY XV」を実行している時に、CPUの温度を計測してみました。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(動作温度をチェック)

Ryzen 7 3700Xの温度は最大80℃(平均68℃)でした。82 mmの小型ファンとして、普通な冷却性能です。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(動作温度をチェック)

グラフィックボード(GTX 1650 4GB)は、最大75℃(平均72℃)で特に問題ありません。シングルファンかつ狭い空間の割には、必要十分な冷却性能が得られています。

静音性能を騒音計で検証

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(騒音・動作音)

校正済みのデジタル騒音メーターを使って、IdeaCentre T540 Gamingの動作音(騒音レベル)を計測します。ケースパネルを閉じて、50 cmくらい距離をとって計測を行いました。

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingをレビュー(騒音・動作音)
  • PC起動前:31.3 dBA(極めて静か)
  • アイドル時:33.9 dBA(静か)
  • ゲーミング:38.0 dBA(やや静か)

それぞれの中央値(平均ではなく、真ん中に位置する数値)をまとめました。アイドル時は約34 dBAで、ほとんど無音に近い静音性です。ゲームを始めると動作音が上昇し続け、38 dBA前後で落ち着きます。

ハッキリ言って「静か」です。

動作音の比較(ゲーム中)

  • IdeaCentre T540 G
    38.0 dB
  • ガレリアAXV
    41.4 dB
  • ガレリアAXZ
    41.8 dB
  • ガレリアXF
    39.9 dB
  • ガレリアRV5
    44.8 dB
  • ガレリアAXF
    40.5 dB
  • ガレリアXV
    44.3 dB
  • ガレリアRJ5
    45.0 dB
  • Legion Y540
    49.9 dB

過去にレビューしたゲーミングPCと、ゲーム中の動作音を比較してみた。

IdeaCentre T540 Gamingは、Core i5 + GTX 1650というパーツ構成のおかげで、そもそも発熱が大人しいです。ケースファンが1つしか付いていないこともあり、動作音が小さくなりやすいです。

「IdeaCentre T540 Gaming」レビューまとめ

Lenovo IdeaCentre T540 Gamingのレビューまとめ
IdeaCentre T540 Gaming

CREATVEマルチタスク性能83/100

GAMINGゲーミング性能70/100

SILENCE静音性85/100

EXTENSION拡張性63/100

COSTコストパフォーマンス98/100

83
RANK:A+
PROSメリットと強み
  • 価格の割にはゲーム性能は良い
  • CPUとグラボの冷却性能はOK
  • コンパクトで軽くて省スペース
  • 動作音はゲーム中でも静か
  • コスパは文句なしに優秀
CONSデメリットと弱み
  • 拡張性は限定的
  • 特殊仕様のパーツが多い
  • 重たいゲームは設定を落とす必要あり
  • 発送まで「1週間」
CONCLUSIONGALLERIA AXV / レビューまとめ

当ブログ「ちもろぐ」のゲーミングPCレビューは、ゲーム性能が高く、PCケースが大きいほど有利なスコアが付きます。

だから今回レビューした最も価格の安いIdeaCentre T540 Gamingに限っては、平均的なCPUとゲーム性能の評価が反映され、総合スコアは83点になってしまいました。

約8.8万円という価格を考慮すると、非常に頑張っている性能ではありますが、どうせ買うならもう1ランク高い上位モデルを強くオススメします。そちらはCPUがCore i7 9700に格上げされ、グラボはGTX 1660でフルHDゲームも余裕です。

メモリは最初から16 GB入っていて、SSDは512 GBの大容量で安心。それでも価格は約11万円で、他の大手BTOに対してまったく劣らない驚異的なコスパを見せつけています。

性能以外の評価は「とても良い」です。PCケースのデザインは価格なりに一部安っぽさはあるものの、フラクタルな凹凸デザインで高級感を演出するなど、低価格なのに高級っぽく見えるアイディアは好みです。

ケース自体はコンパクトかつ軽量で、持ち運びは容易。あれだけ小さいケースにパーツを収めるため、Lenovo特注仕様のパーツが使われ、拡張性も失われていますが、小型化と拡張性はトレードオフの関係にあるので仕方がないでしょう。

「低価格でコスパ良く、そこそこ高級感があり、場所を取らないコンパクトゲーミングPC。」が欲しい人にとって、IdeaCentre T540 Gamingはとてもおすすめ。ただし買う際は一番安いモデルではなく、ひとつ上のモデルを選んでください。

以上「IdeaCentre T540 Gamingをレビュー:コスパ、小型、高性能」でした。

上位モデルはこちらから

Lenovo / CPU : Core i7 9700 / メモリ : DDR4-2666 8GB x2 / グラボ : GTX 1660 6GB / SSD : 512 GB

価格は約2.2万円増えますが、満足度は明らかに高いです。CPUは8コア8スレッドのCore i7 9700、メモリは16 GB、グラボはGTX 1660 6GB、SSDは512 GBにアップグレードされています。依然としてコスパは文句なし。

Lenovo / CPU : Core i7 10700 / メモリ : DDR4-2933 8GB x2 / グラボ : GTX 1660 Super / SSD : 256GB(NVMe) / 無線LAN : Wi-Fi 6(802.11ax)

ゲーム性能がさらに欲しい場合は、PCケースがやや大型になるものの「Legion T550i」がコスパ凄すぎでオススメです。拡張性とメンテナンス性にも優れ、パーツ増設・交換と相性が良いのもメリット。

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16 件のコメント

  • “PCJ007はLenovo向けにカスタムされた特殊規格の電源ユニット”とありますが、TFXというサイズのもののように思えます。とはいえマイナーであまり交換の選択肢がないのも事実ですが…
    とてもわかりやすい記事でした。ありがとうございます。

    • 恐らくですが電源コネクタ周りが違う感じかと(lenovoやNECの場合一昔前だと一般に24ピンチな部分が14ピン、最近だと10ピンになっていることが多い)
      逆にマザボ自体はmicroATXサイズなので各種ピン配列の特殊さに変換コネクタ等で対応できれば市販品の電源も使えるかと.

  • 8万代とカジュアルゲーマーにはいい製品ですね。
    3万円ちょっとで4つの中の最上位まで手が届くというところで、
    一つ上や一番上のモデルでFPSがどこまで伸びるかの動作感も気になるところです。

  • 内部構造を見て真っ先に思ったのが「すごく…某D社のinspir○n3668です…」

    流石に完全に同じじゃないものの、シャシーの構造はおろかマザーボードの形状までそっくりとは思わなんだ

  • 今月に入ってしれっとメモリ半分(90L10064JP比)に減らしてるモデルですね・・・
    こんなところまでメモリの供給不足が影響してるんでしょうか?値段も上がってるし

  • HPのPC7%OFFをポチっと押しサイトを見てたんですが
    Windows 10 Pro (64bit)
    AMD Ryzen™7 3700X
    メモリ16GB
    AMD Radeon™ RX 5700 XT
    256GB SSD+2TB HDD
    が14万弱で売っておりました。
    これは!と思い詳細をみてたんですが、電源が500W ブロンズなんですよねー。
    電源はこれで大丈夫なんでしょうか(>_<)
    購入後自分で電源交換したほうが安全なんですかね?

    • HPのBTOパソコンは、AcBelやLiteOnなど、電源ユニットの超大手メーカーが供給している場合が多いので、仕様どおりに使う分には問題ないはずです。

      あと、HP Omen Obelisk Desktopは入ってる電源のサイズが特殊規格で、市販の電源だと交換できないのは注意点ですね。

  • 返信ありがとうございます。
    OMEN by HP Obelisk 875 だったので市販電源は交換不可なんですね。貴重な情報ありがとうございます。
    税込み15万~16万でGPU 2070SUPERかRX5700 XTのBTO 探してるんですけどなかなか条件あうのがないですねー>< RX5700XTのBTOがほぼないw

  • 去年の消費税増税前に9400F、GTX1650、SSD256GB、HDD1TB、メモリ16GBで税送料込みで80190円くらいで購入しました。HDDは購入後3か月くらいで異音がして壊れましたが、余っているSATAのSSD240GBに換装しています。主にProject Zomboid用に運用しています。60hz環境では十分なスペックですが、ちもろぐさんのレビューを見てVG259Qを導入して120hz環境で運用するとやはりグラボが力不足な気がします。これから購入する方はぜひGTX1660以上のグラボ搭載モデルを選んだほうが良いと思います。私はPalitのGTX1660SuperかTiのグラボに換装しようか悩んでいるところです。

  • 突然申し訳ありません。
    elgato game capture HD60 PROでPS4やSwitchのライブ配信をしたくて、
    そのTVゲームの配信に必要なスペックがCPU、メモリそれぞれ
    必須:i5、8GB
    おすすめ:i7、16GB
    とわかったのですが、
    ・レビューされた最安モデルで1080p60fpsを安定して出すことは可能でしょうか?
    この画質は妥協したくなくて、同時に攻略情報を調べたりSkype等で通話したりもしたいのと、
    さらに高スペックでやりたいことが出てくるかもしれないという将来性もふまえて
    1つ上の90LW0019JPも検討しているのですが、
    ・90LW0017JPと90LW0019JP、どちらがおすすめですか?
    ・それぞれに増設するのにおすすめなメモリとHDDはありますか?

    • Nintendo Switchのゲームプレイを「Elgato HD60 PRO」を使って配信。ということなら、レビューした最安モデルで問題ないですよ。
      キャプチャボードを使うなら、CPUやグラボへの負荷は大したことないです。ただ、マルチタスクを考えるとメモリは8GBではなく、16GB欲しいですね。

      > それぞれに増設するのにおすすめなメモリとHDDはありますか?

      ・メモリ → https://amzn.to/2XU77Or
      ・HDD(低予算) → https://amzn.to/2BkJ8QQ
      ・HDD(高予算) → https://amzn.to/36VjHRS

      • パソコンのことはあまりわからないので参考になりました。
        ありがとうございます。

  • 購入を検討している者です。
    スペックに関してはご紹介いただいたおかげで満足なのですが、本体サイズが気になっています。
    公式の製品情報として145x303x366mmとあったのですが、記事によって100x308x275mmと記載されているところもあったので、実際のサイズが知りたいです。

  • 個人的にはマザボや電源など、ここまで拡張性が悪いと買う気になれません。
    いくら安くても数年後にパーツ交換しようと思った時メモリ増設くらいしかできませんし(この構成でギリギリの電源容量なのでグラボ交換には電源交換も必要だと思います)
    それならわずかに高くても国内BTOの方が拡張性が高いしパーツも良いのを使っていますから、コスパとしては良いと思います。

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