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Zen+世代「Ryzen 2000」シリーズの仕様や価格まとめ

コードネーム「Pinnacle Ridge」を持つ、Ryzen第二シリーズ「Zen+」世代の製品スペックや希望小売価格がリークした。AMD RyzenはIntelから大きくシェアを奪い取った大ヒット作。その次世代型がどれくらい進化したのか、スペックから確認してみよう。

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Ryzen 2000シリーズの詳細カタログスペック

Ryzen 7 2700X

CPURyzen 7 1700XRyzen 7 2700X
イメージ
世代ZenZen+
プロセスルール14nm12nm
コア数88
スレッド数1616
ベースクロック3.40 Ghz3.70 Ghz
ブーストクロック3.80 Ghz4.35 Ghz
L1 Cache768 KB768 KB
L2 Cache4 MB4 MB
L3 Cache16 MB16 MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2933
対応チャネルDual-ChannelDual-Channel
最大メモリ64GB64GB
最大帯域幅39.74 GiB/s43.71 GiB/s
PCIe最大20レーン最大20レーン
TDP95W105W
MSPR$ 399$ 369

プロセスルールは14nmから更に縮んで12nmになった。そしてRyzenの課題だった低いクロック周波数がZen +世代から、やや改善される。ベースクロックは300Mhz上昇し、ブースト時は550Mhzも上昇した。

まだコアごとのブーストクロック周波数は不明だが、最大4.35GhzということはRyzen特有の「4Ghzの壁」がようやく取り払われた可能性が高く、オーバークロックの余地がZen世代が改善されていると思われる。

対応しているメモリも2666Mhzから2933Mhzへアップグレード。TDPは10W増えて105Wになったが、クロック周波数が10%程度伸びてしまったので仕方がないところか…(省電力性が向上していない)。

希望小売価格(MSRP)は399ドルから更に30ドルも下がって369ドルへ。確実に性能が伸びているのにも関わらず10%近い値下げは素直に嬉しい。同時に、今Ryzenを買うのは得策でないことも分かる。

  • ブーストクロック時に4Ghz超え
  • ベースクロックは約10%アップの3.8Ghz
  • Precision Boost Overdrive搭載
  • メモリコントローラの強化
  • 希望小売価格の値下げ
  • TDPは若干上昇

総じて「正統進化」です。カタログスペックを見る限り、Ryzen 7 2700Xは非常に魅力的ですね。「i7 8700Kを倒してやる。」というAMDの強い意志が感じられて快感。

Ryzen 7 2700

CPURyzen 7 1700Ryzen 7 2700
イメージ
世代ZenZen+
プロセスルール14nm12nm
コア数88
スレッド数1616
ベースクロック3.00 Ghz3.20 Ghz
ブーストクロック3.70 Ghz4.10 Ghz
L1 Cache768 KB768 KB
L2 Cache4 MB4 MB
L3 Cache16 MB16 MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2933
対応チャネルDual-ChannelDual-Channel
最大メモリ64GB64GB
ECCメモリ対応対応
最大帯域幅39.74 GiB/s43.71 GiB/s
PCIe最大20レーン最大20レーン
TDP65W65W
MSPR$ 329$ 299

Ryzen 7 2700も正統進化している。ベースクロックは200Mhz上昇、ブーストクロックは400Mhz上昇して4Ghz超えを果たしています。価格は329ドルから299ドルへ値下げ…すごいな、高性能な8コアが300ドル以下って。

  • ブーストクロック時に4Ghz超え
  • ベースクロックは約10%アップの3.2Ghz
  • メモリコントローラの強化
  • 希望小売価格の値下げ
  • TDPは変わらず
  • Precision Boost Overdriveは搭載しない

真面目に進化してます。

Ryzen 5 2600X

CPURyzen 5 1600XRyzen 5 2600X
イメージ
世代ZenZen+
プロセスルール14nm12nm
コア数66
スレッド数1212
ベースクロック3.60 Ghz3.60 Ghz
ブーストクロック4.00 Ghz4.25 Ghz
L1 Cache576 KB576 KB
L2 Cache3 MB3 MB
L3 Cache16 MB16 MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2933
対応チャネルDual-ChannelDual-Channel
最大メモリ64GB64GB
ECCメモリ対応対応
最大帯域幅39.74 GiB/s43.71 GiB/s
PCIe最大20レーン最大20レーン
TDP95W95W
MSPR$ 249$ 249

Ryzen 5 2600Xは大きく変化していない。ベースクロックは据え置きで、ブーストクロックが250Mhzだけ上昇したのみ。TDPや希望小売価格も据え置きでほとんど変わっていないため、あまり伸びは感じられない。

  • ブーストクロック時に4Ghz超え
  • Precision Boost Overdrive搭載
  • メモリコントローラの強化
  • TDPは変わらず
  • 希望小売価格は変わらず
  • ベースクロックも変わらず

オーバークロックの伸びしろ次第では、Core i5 8600Kに対する良い競合CPUになるかも。

Ryzen 5 2600

CPURyzen 5 1600Ryzen 5 2600
イメージ
世代ZenZen+
プロセスルール14nm12nm
コア数66
スレッド数1212
ベースクロック3.20 Ghz3.40 Ghz
ブーストクロック3.60 Ghz3.90 Ghz
L1 Cache576 KB576 KB
L2 Cache3 MB3 MB
L3 Cache16 MB16 MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2933
対応チャネルDual-ChannelDual-Channel
最大メモリ64GB64GB
ECCメモリ対応対応
最大帯域幅39.74 GiB/s43.71 GiB/s
PCIe最大20レーン最大20レーン
TDP65W65W
MSPR$ 219$ 199

Ryzen 5 2600Xより旨味が多いのがRyzen 5 2600です。ベースクロックは200Mhz、ブーストクロックは300Mhz強化された上、TDPは65Wのまま変化せずに価格は20ドル低下して200ドルを割り込んだ。

  • ベースクロックは約10%アップの3.2Ghz
  • 4Ghzは超えないが、ブーストクロックも約10%上昇
  • メモリコントローラの強化
  • 希望小売価格の値下げ
  • TDPは変わらず
  • Precision Boost Overdriveは搭載しない

神コスパCPUになりそうな予感。価格的にはCore i5 8400(6コア / 最大4Ghz)と競合するが、Ryzen 5 2600はオーバークロック可能。よってOCを含めれば総合的に「6コアのCore i5」を脅かす存在になるのは明白ですね。

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Ryzen 2000シリーズまとめ

Ryzen 2000 (Zen+)シリーズ
CPURyzen 5 2600Ryzen 5 2600XRyzen 7 2700Ryzen 7 2700X
イメージ
世代Zen+Zen+Zen+Zen+
プロセスルール12nm12nm12nm12nm
コア数6688
スレッド数12121616
ベースクロック3.40 Ghz3.60 Ghz3.20 Ghz3.70 Ghz
ブーストクロック3.90 Ghz4.25 Ghz4.10 Ghz4.35 Ghz
L1 Cache576 KB576 KB768 KB768 KB
L2 Cache3 MB3 MB4 MB4 MB
L3 Cache16 MB16 MB16 MB16 MB
対応メモリDDR4-2933DDR4-2933DDR4-2933DDR4-2933
対応チャネルDual-ChannelDual-ChannelDual-ChannelDual-Channel
最大メモリ64GB64GB64GB64GB
ECCメモリ対応対応対応対応
最大帯域幅43.71 GiB/s43.71 GiB/s43.71 GiB/s43.71 GiB/s
PCIe最大20レーン最大20レーン最大20レーン最大20レーン
TDP65W95W65W105W
MSPR$ 199$ 249$ 299$ 369

コストパフォーマンスは確実に「Zen」世代を超えている。そしてどのRyzenもオーバークロック可能(それも安価なB350チップセットで)という優位性により、「Zen+」世代のRyzen 2000シリーズは間違いない無くCoffee Lakeを脅かしています。

CPUMSRPブーストクロックコア / スレッドOC
i5 8400$ 1824.00 Ghz6 / 6不可
R5 2600$ 1993.90 Ghz6 / 12可能
i5 8600K$ 2574.30 Ghz6 / 6可能
R5 2600X$ 2494.25 Ghz6 / 12可能
i7 8700$ 3034.60 Ghz6 / 12不可
R7 2700$ 2994.10 Ghz8 / 16可能
i7 8700K$ 3594.70 Ghz6 / 12可能
R7 2700X$ 3694.35 Ghz8 / 16可能

価格帯ごとにCoffee LakeとZen+をまとめると、今年もAMDはIntelに対して徹底抗戦するという意志が明確に伺える。特に6コア帯はRyzenを買ったほうがお得という状況が濃厚になっています。

ブーストクロックは確かにあと一歩及ばないものの、価格はほぼ同じですし、何よりRyzenはCore i5と違って「12スレッド」備える点が強い。IntelはケチらずにCore i5にハイパースレッディングを載せるべきでしたね。

8コア帯は依然としてライバル不在ですが、価格的に競合するのはCore i7だろう。現状、Ryzen 7がCore i7に対して負けてしまうのは「シングル性能」「ゲーミング性能」ですが、Ryzen 7 2700Xはこの課題をどこまで解決しているのか。

AMDの公式発表では、Ryzen 7 2700XはCore i7 8700Kに対して7.7%フレームレートが少なく、Ryzen 7 1800Xに対しては5%フレームレートが増えたとのこと。これは…ちょっとCore i7も分が悪そう。

  • 8%ゲーミング性能が遅い
  • コア数は2個多い
  • スレッドは4個多い
  • 価格はほぼ同じ
  • 廉価なマザーボードでもオーバークロック可能

ゲーミング性能はまだIntelに追いつかないが、それ以上のメリットがRyzen 2000には備わっているように見える。実際にモノが出てこないと分からない部分は多いし断定はできないが、Ryzen 2000が期待できるのは「確定」だと思います。

「X470」チップセットの登場

現行のRyzen向けチップセットで最上位は「X370」ですが、その後継として「X470」が登場する見込み。

  • Precision Boost Overdriveをサポート
  • XFR2 Enhancedをサポート
  • より最適化されたメモリルーティング
  • オーバークロックのために最適化されたVRMと電源周り
  • より低電力なアイドル電力(2W以下)
  • 2019年のCECエネルギー要件に備えた設計
  • USBポートを介したデータ転送速度が改善
  • NVMe RAIDストレージからOSがブート可能に
  • Enmotus FuzeDrive技術を標準でバンドル

ざっとこんな感じ。RAID化したNVMeストレージからブート可能になったのは人によっては嬉しいところ。そしてIntel Optane Technologyに相当する「Enmotus FuzeDrive」技術が標準バンドルされるのも改善ポイント。

Ryzen 2000は4月19日に発売予定

AMDの公式プレゼンテーションをリークした「El Chapuzas Informatico」によれば、Ryzen 2000シリーズ4種は4月19日に市場へ投下される予定。

Intelの次の世代が出るまでは、「i7ばかり売れるIntel」と「Ryzen 3~Ryzen 7まで、全体的に売れるAMD」という構図が更に進行していきそうだ。非常に楽しみです。

以上「Zen+世代「Ryzen 2000」シリーズの仕様や価格まとめ」でした。

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6 件のコメント

  • ゲーム用途に自作しようとしているのですが、i5 8400か、ryzen5を待とうか迷っています。どちらのほうがいいんですかね…

    • i5 8400と新型Ryzen 5のもっとも大きな違いは「6スレッド」か「12スレッド」かという点です(クロック周波数はだいたい同じ水準で、Ryzen 5はオーバークロック可能という点も見逃せない)。

      ・ゲームだけでなく、なるべく幅広い用途に対応したマシンを作りたい
      ・使う予定グラフィックボードが「GTX 1070 Ti」以下
      ・どちらかと言えばAMD Ryzenを使ってみたいという好奇心がある

      もし、これらに該当するなら第2世代のRyzen 5を待ってみるのもアリだと思います。リーク情報通りなら、あと1ヶ月弱の話ですし。

  • オフセットがあるうちは買えないな
    みんな気にしてないけど、あれは酷いチートだからな

    • オフセットは確かにややこしい仕様ですね。CPUクーラーの口コミにも「Ryzen7 1800Xが冷えない。どうすれば…」というコメントを割りと見かけますし。
      AMDとしては「温度管理に気を使ってほしいので、温度を高めに表示する仕様にした。」ということらしいですが、本来の温度を表示してくれたほうが助かります。

  • Intelはcpuに爆弾抱えてる時点で選択肢に入らないのでは?
    対策版が出る秋以降なら、ベンチなどを参考に検討する方がよいと思う。

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