Amazonタイムセールで「Acer Predator GM7(容量2TB)」が約12000円で売っているのを発見。
Acerの知名度が低すぎてまったくレビューが付いていないものの、基板のレイアウトをひと目見て例のOEMだと直感。さっそく1枚買って徹底的に詳しく検証します。
(公開:2023/11/4 | 更新:2023/11/4)
Acer Predator GM7のスペックと仕様
Acer Predator GM7 SSD スペックをざっくりと解説 | ||||
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容量 | 512 GB | 1024 GB | 2048 GB | 4096 GB |
インターフェイス | PCIe 4.0 x4(NVMe 1.4) | |||
フォームファクタ | M.2 2280(片面実装) | |||
コントローラ | 12 nmコントローラ | |||
NAND | 3D NAND TLCを採用 | |||
DRAM | なし | |||
– | – | – | ||
SLCキャッシュ | 非公開 | |||
読込速度 シーケンシャル | 7200 MB/s | 7400 MB/s | ||
書込速度 シーケンシャル | 3800 MB/s | 6300 MB/s | 6500 MB/s | |
読込速度 4KBランダムアクセス | 968K IOPS | 990K IOPS | 925K IOPS | 950K IOPS |
書込速度 4KBランダムアクセス | 724K IOPS | 997K IOPS | 974K IOPS | 980K IOPS |
消費電力(最大) | 3.6 W | 5.2 W | 5.7 W | 3.2 W |
消費電力(アイドル) | 46 mW | 48 mW | 14 mW | |
TBW 書き込み耐性 | 300 TB | 600 TB | 1200 TB | 2400 TB |
MTBF 平均故障間隔 | 150万時間 | |||
保証 | 5年 | |||
MSRP | $ 45 | $ 60 | $ 110 | $ 250 |
参考価格 2023/11時点 | – | 9980 円 | 14580 円 | – |
GB単価 | – | 9.7 円 | 7.1 円 | – |
台湾の大手PCメーカー「Acer(宏碁)」が販売しているPCIe 4.0 x4対応のハイエンドNVMe SSDです。
日本国内での知名度はほぼゼロに近く、Amazonや楽天でも特に売れていません。しかし、最大7400 MB/sをアピールしつつ容量2 TBで約1.4万円は現時点で最安値クラスです。
知名度が低いうえにスペック表で搭載しているコントローラとNANDを公開していないため、ややガチャ要素が強いかもしれませんが、実際に使ってみないと実力が分かりません。
SSD | 500 GB | 1 TB | 2 TB |
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Acer Predator GM7 | – | 600 TBW | 1200 TBW |
HIKSEMI FUTURE SSD (HIKSEMI FUTURE SSD:レビュー) | – | 1800 TBW | 3600 TBW |
Lexar NM790 (Lexar NM790:レビュー) | – | 1000 TBW | 1500 TBW |
Samsung 990 PRO (990 PRO:レビュー) | – | 600 TBW | 1200 TBW |
SSD | 500 GB | 1 TB | 2 TB |
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KIOXIA EXCERIA PLUS G3 (KIOXIA EXCERIA G3 PLUS:レビュー) | – | 600 TBW | 1200 TBW |
CFD SFT6000e (CFD SFT6000e:レビュー) | – | 600 TBW | 1200 TBW |
Samsung 990 PRO (990 PRO:レビュー) | – | 600 TBW | 1200 TBW |
Samsung 980 PRO (980 PRO:レビュー) | 300 TBW | 600 TBW | 1200 TBW |
Solidigm P44 Pro (Solidigm P44 Pro:レビュー) | 500 TBW | 750 TBW | 1200 TBW |
Crucial P5 Plus (Crucial P5 Plus:レビュー) | 300 TBW | 600 TBW | 1200 TBW |
Lexar NM790 (Lexar NM790:レビュー) | – | 1000 TBW | 1500 TBW |
HIKSEMI FUTURE SSD (HIKSEMI FUTURE SSD:レビュー) | – | 1800 TBW | 3600 TBW |
SK Hynix Gold P31 (SK Hynix Gold P31:レビュー) | 500 TBW | 750 TBW | 1200 TBW |
WD_BLACK SN770 (WD_BLACK SN770:レビュー) | 300 TBW | 600 TBW | 1200 TBW |
KIOXIA EXCERIA PLUS G2 (KIOXIA EXCERIA G2 PLUS:レビュー) | 200 TBW | 400 TBW | 800 TBW |
KIOXIA EXCERIA G2 (KIOXIA EXCERIA G2:レビュー) | 200 TBW | 400 TBW | 800 TBW |
WD Blue SN570 (WD Blue SN570 NVMe:レビュー) | 300 TBW | 600 TBW | – |
Crucial MX500 (Crucial MX500:レビュー) | 180 TBW | 360 TBW | 700 TBW |
FireCuda 530 (FireCuda 530:レビュー) | 640 TBW | 1275 TBW | 2550 TBW |
WD Black SN850 (SN850:レビュー) | 300 TBW | 600 TBW | 1200 TBW |
書き込み保証値(TBW)は平均的です。有名メーカーのハイエンドモデルと同等の書き込み保証値を提供します。中華ハイエンド組と比較すると少なく見えるものの、実用上は十分です。
仮にゲーミングPCでシステムストレージとして使った場合、かなり過剰に見積もっても1日あたり平均50 GB程度の書き込みです。
- 普通に使った場合:約65.8年
(1日あたり平均50 GBの書き込みを想定) - 毎日AAAゲームをDLする:約32.9年
(1日あたり平均100 GBの書き込みを想定) - 毎日一眼レフの写真を入れる:約13.2年
(1日あたり平均250 GBの書き込みを想定) - 毎日一眼レフの4K素材を入れる:約3.3年
(1日あたり平均1000 GBの書き込みを想定)
今回買った2 TB版だと1200 TBWもあり、50 GB(0.050 TB)で割ると24000日で、耐久値を使い切るのに約66年もかかる計算に。NANDメモリの寿命が尽きるより先に、買った本人が死んでしまう可能性があります。
ライバル製品と価格設定の比較
PCIe 4.0対応のハイエンドNVMe SSDと価格を比較したグラフです。
2023年11月時点、Acer Predator SSDの1 TB版が約10000円、2 TB版で約14600円です。最大7000 MB/s超えをアピールするPCIe 4.0対応SSDとして、Lexar NM790に並んでトップクラスの安さです。
Acer Predator GM7を開封レビュー
パッケージデザイン & 開封
マットブラックな背景に「Acer Predator」ロゴが入った、シンプルなパッケージで到着。
今回レビューで使うサンプルはAmazon.co.jpにて12140円(ポイント込みで11270円)で購入しました。
パッケージの裏と表、どちらも代理店や販売店のシールが貼られていません。
AmazonまたはYahooショッピングで購入した場合、保証を受けるなら「嘉年華株式会社(JNH)」に問い合わせる必要がありそうです。
楽天市場で購入した場合は「SPD株式会社」がおそらく輸入代理店です。
保証書とM.2スロット用の小ネジ(1本)が付属します。プラスチック製のケースに、SSD本体がすっぽりと収まっています。
基板コンポーネント
ハイエンドらしい雰囲気がただよう真っ黒なプリント基板上に、SSDを構成するコンポーネントを覆い隠すように製品ラベルシールが貼られています。
ラベルシールを剥がすと5年間の製品保証が無効になるリスクが高いため、別途M.2ヒートシンクを取り付ける場合はシールを剥がさずにそのまま取り付けましょう。
裏面にコンポーネントはありません。各国の認証ロゴや、交換保証(RMA)申請時に必要となるシリアルナンバー(S/N)は表面に記載されています。
表面だけにコンポーネントが実装されているシンプルな片面実装のNVMe SSDです。取り付けスペースが狭いノートパソコンで問題なく使えます。
ラベルシールを剥がして、基板のコンポーネントを目視で確認します(※5年間の製品保証が切れる行為ですので、真似しない方が安全)。
- コントローラ:Maxio Tech MAP1602A
MAP1602A-F3C AAM2H434313 2316 - DRAM:なし
- NAND:YMTC 232層 3D TLC NAND
BWN09TC1B1JCAD 232121011
SSDコントローラがMaxioTech社のMAP1602A、NANDメモリは刻印から予想がつかないです。DRAMキャッシュは搭載せず、最大64 MBのHMB(ホストメモリバッファ)方式※で代用します。
※ホストメモリバッファ方式:メインメモリのごく一部を拝借してDRAMキャッシュの代わりに使う技術
SSDコントローラは「HIKSEMI」や「Lexar NM790」でおなじみ、Maxio Techが自社で開発するARM Cortexベースの「MAP1602A」を搭載。
台湾TSMC 12 nm製ARM Cortex-R5をベースにしたシングルコアSoCです。最大4チャネルのNANDメモリを束ねられ、各チャネルごとに最大2400 MT/sもの極めて高いスループットで接続できます。
高帯域なNANDメモリと組み合わせて、最大7400 MB/sのシーケンシャル性能を可能にする高性能なSSDコントローラです。
DRAMキャッシュは非対応なので、DRAMレス(HMB:ホストメモリバッファ)方式を使います。メインメモリから最大64 MBを拝借してDRAMキャッシュの代用にします。
NANDメモリは刻印から読み取れませんが、Flash IDで照合すると「YMTC製 232層 3D TLC NAND」と判明。
2つのウェハを重ね合わせて多層化を可能にする「Xtacking 3.0」技術で製造され、200層超えのNANDメモリで最高の記録密度(15.03 Gbit/mm²)を実現します。
今回のAcer Predator GM7では、記憶密度が1024 Gb(= 128 GB)のチップを4枚重ね、かつ4個使って合計16384 Gb(= 2048 GB)の容量に。
どうやら同じYMTC 232層品でも、製品やOEM先によって8枚重ねと4枚重ねの2種類あるようです。以前レビューした「Lexar NM790」は8枚重ねバージョンでした。
- Ch0CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
- Ch1CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
- Ch2CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
- Ch3CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
Flash IDによる照合結果で「YMTC 3dv4 TLC」と表示されます。有志の調査により、「3dv3」が128層品、「3dv4」が232層品と判明しています。
Acer Predator GM7の性能をベンチマーク
テスト環境を紹介
テスト環境 「ちもろぐ専用:SSDベンチ機」 | ||
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CPU | Core i7 13700K16コア24スレッド(TDP:125 W) | |
CPUクーラー | 虎徹Mark III120 mmサイドフロー空冷 | |
マザーボード | BIOSTARZ790 Valkyrie | |
メモリ | DDR5-6000 16GB x2G.Skill Trident Z5 Neo RGB | |
グラフィックボード | RTX 4060 Ti | |
テスト対象 | Acer Predator GM7 2TB | |
システムSSD | HIKSEMI FUTURE70-02TB 2TB | |
電源ユニット | 850 WCorsair HX850i 2021 | |
OS | Windows 11 Pro検証時のバージョンは「22H2」 | |
ドライバ | NVIDIA 536.40 WHQL | |
ディスプレイ | 3840 x 2160@160 Hz使用モデル「Innocn 27M2V」 |
SSDベンチマークに使用する専用の機材です。
最大15.76 GB/sまで対応できるPCIe 5.0世代の「Intel Z790」マザーボードに、シングルスレッド性能が非常に速い「Core i7 13700K」を搭載。
Ryzen 9 5950X超えのマルチスレッド性能と、現行最強クラスのシングルスレッド性能で、最大14000 MB/s超えの次世代Gen 5 SSDも難なく処理できます。
原則として、CPUに直結したM.2スロットまたはPCIeスロットにテスト対象のSSDを接続します。チップセット経由だと応答速度が低下※してしまい、SSD本来の性能を検証できません。
ベンチ機に採用した「Z790 Valkyrie」は、PCIe 5.0対応のM.2スロットを1本、PCIeスロットを2本備えます。複数の爆速SSDをCPUに直結できる稀有なマザーボードです。
※チップセット経由による性能低下はAMDチップセットだと緩和されますが、CPU直結時と比較して性能が下がる傾向自体は同じです。
SSDを熱から保護するサーマルスロットリングによって性能に悪影響が出ないように、以下のような手段でテスト対象のSSDを冷却しながらベンチマークを行います。
- M.2ヒートシンク「Thermalright HR-09」を装着
- 120 mmケースファンを至近距離に設置して冷却
SSDを徹底的に冷やして、サーマルスロットリングがテスト結果に影響を与えないように対策しています。
なお、10分間の温度テスト時のみM.2ヒートシンクとケースファンを取り除いて、温度の上昇を観察します。
SSDドライブ情報と利用できる容量
- インターフェース:NVM Express
- 対応転送モード:PCIe 4.0 x4
- 対応規格:NVM Express 1.4
- 対応機能:S.M.A.R.T. / TRIM / VolatileWriteCache
「Acer Predator GM7」の初期ステータスをCrystal Disk Infoでチェック。特に問題なし。
ファームウェア名が「SN10191」で、以前レビューしたHIKSEMI FUTURE SSDの「SN08193」から新しくなっている可能性があります。
フォーマット時の初期容量は「1.86 TB」でした。
Crystal Disk Mark 8
「Crystak Disk Mark 8」は、日本どころか世界で一番有名と言っても過言ではない、定番のSSDベンチマークソフトです。性能の変化をチェックするため、初期設定の「1 GiB」に加え、最大設定の「64 GiB」もテストします。
Crystal Disk Mark 8の結果※クリックで画像拡大します | |
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テストサイズ:1 GiB(MB/s) | テストサイズ:64 GiB(MB/s) |
テストサイズ:1 GiB(レイテンシ) | テストサイズ:64 GiB(レイテンシ) |
シーケンシャル読み込み速度が約7100 MB/s前後で、メーカー公称値の7200 MB/sに迫ります。シーケンシャル書き込みは6300 MB/sで、メーカー公称値通りです。
テストサイズを64 GiBに変更すると、シーケンシャル性能がやや下がり、ランダムアクセス性能(RND4K Q1T1)が50%以上も下がります。
ほぼ同じ部品を使っているLexar NM790やHIKSEMI FUTUREとまったく同じ傾向です。なお、この症状自体はDRAMレスSSDで広く見られる一般的なモノで、実用上の問題は未確認です。
体感性能や実用性能に影響が大きい、4KBランダムアクセスのレイテンシ(応答時間)の比較グラフです。
Acer Predator GM7は43.11 μsを記録し、他のハイエンドNVMe SSDや中華DRAMレスSSDと横並びの性能です。
書き込みレイテンシも同等クラスに並びます。
ATTO Disk Benchmark
ATTO Disk Benchmarkは、テストファイルを小刻みに分割してSSDのスループット(シーケンシャル性能)を測定し、SSDがピーク性能を出しやすいファイルサイズを探るベンチマークソフトです。
ベンチマーク結果からSSDの評価が非常に分かりにくいので、表計算ソフトを使ってグラフ化して他のSSDと比較します。
512 Bから512 KBまで、同じパーツ構成を使っているLexar NM790とほぼ一致する性能を示します。
書き込み速度も小I/Oサイズで同等の性能を示しますが、1024 KB以上のI/Oサイズでは、なぜかLexar NM790に遅れを取る傾向が・・・。
Acer Predator GM7を実運用で試す
FF14のロード時間を比較
FF14:暁月のフィナーレ(ベンチマークモード)で、ゲームロード時間を測定します。ベンチマーク終了後に、ログファイルからロード時間を読み取ります。
Acer Predator GM7のロード時間は「5.67秒」でした。競合する他のハイエンドNVMe SSDや、中華DRAMレス組に匹敵します。
FPSタイトルのロード時間を比較
PCMark 10 Professional Edition(有償版)で利用できる機能を使って、「Battlefield V」「Call of Duty Black Ops IV」「Overwatch 2」のロード時間を測定します。
なお、測定されたロード時間は各スコアから逆算された概算値(ざっくりとした予想値)です。実際のロードとは異なっているので注意してください。
テストした3タイトルすべてで、おおむねAcer Predator GM7 = Lexar NM790です。GM7より値段が高いSamsung 990 PROやCrucial P5 Plusを軽く上回ります。
「原神」のロード時間を比較
大人気RPGタイトル「原神」のロード時間を実際にテストします。
- 初回ロード(データロード0%からクリック可能になるまで)
- 初回ロード(クリックしてから操作可能になるまで)
- モンドから千尋の砂漠へワープ
- 千尋の砂漠からスメールシティへワープ
- スメールシティから稲妻城へワープ
- 稲妻城からモンドへワープ
上記6パターンを録画ソフト(120 fps)を使って記録し、動画編集ソフトに取り込んでフレーム単位でロード時間を比較しました。
Acer Predator GM7は「40.61秒」でした。HIKSEMI FUTUREやLexar NM790より約21%も遅い、やや不可解な結果に。再テストしても1秒未満の誤差が出るのみで、NM790に届きません。
各シーン別のロード時間(※グラフの左から順番にパターン1~6並び)です。
HIKSEMI FUTUREやLexar NM790と比較すると、初回ロードタイムに大きな差はなく、むしろマップ間のロードタイムで大きく差がついています。
DirectStorageのロード時間を比較
Windows 11はゲームのロード時間を大幅に短縮する「DirectStorage API」に対応しています。
SSDに保存されているゲームデータをメインメモリに送り込み、メインメモリからVRAMに流し込みます。入ってきたデータをGPUの凄まじい演算性能で展開(解凍)し、ゲームロード時間を短縮する技術です。
NVMe SSDからメインメモリにデータを転送する部分で、SSDのシーケンシャル性能が重視されます。SATA SSDよりNVMe SSD、同じNVMe SSDでもPCIe 4.0やPCIe 5.0の方が有利になる可能性が高いです。
CPUで展開する場合はCPUの演算性能がボトルネックになってしまい、SSDの性能差がそれほど確認できません。
GPU展開(RTX 4060 Tiで展開)では、シーケンシャル性能に比例した性能差がハッキリと出ます。
Acer Predator GM7は平均0.22秒でロードを完了、実効帯域幅は平均19.64 GB/sに達します。HIKSEMI FUTURE SSDとほぼ同じDirectStorage性能です。
とはいえ、すでに十分すぎるほどロード時間が速いため、絶対値で見るとコンマ秒レベルの差しかつかないです。
ファイルコピーにかかった時間
Windows標準のコピペ機能と目視によるストップウォッチでは正確性に欠けるので、ファイルコピーに便利なフリーソフト「DiskBench」を使って、ファイルコピーに掛かった時間を計測します。
- ゲームフォルダ(容量85.3 GB / 81424個)
- 写真ファイル(容量113 GB / 5012枚)
- 圧縮データ(容量256 GB / zipを2個)
以上3つの素材をファイルコピーテストに使います。ソース(基準となるストレージ)は安定した性能に定評がある「Optane SSD P5810X 400GB」です。
書き込み(Optane P5810X → Acer Predator GM7)のコピペ時間です。
すべてのテストファイルでAcer Predator GM7は、他のハイエンドNVMe SSDと何ら変わらない書き込み性能を見せます。256 GBのZipファイルですら吸収するため、非常に広大なSLCキャッシュを展開できる様子です。
次は読み込み(Acer Predator GM7 → Optane P5810X)のコピペ時間です。
書き込みと同様にハイエンド製品と大差ないトップクラスの読み込み性能を示します。
比較グラフをよく見ると、シーケンシャル性能の割にコピー時間が遅いSSDがポツポツと見られます。
なぜシーケンシャル性能の割に遅いSSDが出てしまうのか。理由は単に「間髪入れずに次のコピーテストを実行」しているからです。
- Zip(256 GB)→ 写真(113 GB)→ ゲーム(85.3 GB)の順番
SSDは書き込み性能を稼ぐためにSLCキャッシュを使って耐える製品が多いですが、このSLCキャッシュの回復が遅いと・・・次のコピーテストに間に合わずTLC NAND本来の性能でテストが実行されます。
SLCキャッシュをスピーディーに再展開できるかかどうかも実力の内と(筆者は)考えているので、コピーテストは間髪入れず次から次へと実行します。
Premiere Pro CC:4K動画プレビュー
動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro CC」に、4K動画素材(448 MB/s)と2K動画素材(175 MB/s)を読み込み、2つの動画を同時にプレビューします。
Premiere Proの動画素材プレビューは、素材を配置しているストレージの性能に影響を受けやすく、SSDの性能が不足すると「コマ落ち」が発生しやすいです。
Premiere Proの標準機能「コマ落ちインジケータ」で落としたフレームを測定し、動画素材の総フレーム数で割ってドロップフレーム率を計算します。
4K + 2K動画プレビューのドロップフレーム率は約10.9%です。
なんとなく収集したデータを見ていると、Premiere ProのプレビューはDRAMレス(HMB方式)の方が有利です。あの990 PROですら13.5%が限界な中、Acer Predator GM7は軽々と10%台に到達します。
4K動画プレビューではなんと0%で完封して見せました。Optane SSDやSLC NAND型を除き、TLC NAND型で0%の領域に達したSSDはすべて中華ハイエンドDRAMレス組です。
恐るべきMAP1602A + YMTC 232層 TLC NANDの性能特性。
PCMark 10:SSDの実用性能
PCMark 10 Professional Editionの「Full System Drive Benchmark」を使って、SSDの実際の使用シーンにおける性能を測定します。
- PCMark 10(UL Benchmarks)
Full System Drive Benchmarkには23種類のテストパターン(Trace)が収録されており、パターンごとの転送速度や応答時間を測定し、SSDの実用性能をスコア化します。
なお、SSDは空き容量によって性能が大きく変化する可能性があるため、空き容量100%だけでなく容量を90%埋めた場合(= 空き容量10%)のテストも行いました(※2回:連続で約2時間のワークロード)。
Acer Predator GM7のストレージスコア(空き容量10%時)は「3603点」です。空き容量100%なら3791点で、空き容量による性能低下はわずか5%に抑えています。
Solidigm P44 ProやP41 Platinumなど、名だたるハイエンドNVMe SSDに匹敵する実用スコアです。
PCMark 10ストレージテストの細かい内訳を確認します。
Adobeスコアは400点超えで990 PROにあと一歩のライン。ゲームロードは900点近く、Lexar NM790やP44 Proと同等です。
ファイルコピーもかなり優秀で、P41 PlatinumやP44 Proを抑えてHIKSEMI FUTUREやNM790に並びます。Officeスコアでは定番のSSDをすべてゴボウ抜きにして、HIKSEMIやNM790と同等です。
全体的に文句なしの性能を見せており、破壊的コストパフォーマンスと評価できます。
※PCMark 10 Proのコピーテストは基本的にキャッシュの範囲内に収まるため、SLCキャッシュが狭いSSDでもハイスコアを出しやすいです。
実用スコアの内訳 Full System Drive Benchmark | |
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Adobe Score | Adobe Acorbatの起動 Adobe After Effectsの起動 Adobe Illustratorの起動 Adobe Premiere Proの起動 Adobe Lightroomの起動 Adobe Photoshopの起動 Adobe After Effets Adobe Illustrator Adobe InDesign Adobe Photoshop(重たい設定) Adobe Photoshop(軽量設定) |
Game Score | Battlefield Vの起動(メインメニューまで) Call of Duty Black Ops 4の起動(メインメニューまで) Overwatchの起動(メインメニューまで) |
Copy Score | 合計20 GBのISOファイルをコピー(書き込み) ISOファイルを作成してコピー(読み込みと書き込み) ISOファイルをコピー(読み込み) 合計2.37 GBのJPEGファイルをコピー(書き込み) JPEGファイルを作成してコピー(読み込みと書き込み) JPEGファイルをコピー(読み込み) |
Office Score | Windows 10の起動 Microsoft Excel Microsoft PowerPoint |
15分間の連続書き込みテスト
1 MBのテストファイルを15分間に渡って、ただひたすら連続して書き込み続ける過酷な検証方法です。
一般向けに販売されているほとんどのSSDは、数分ほど連続して書き込むだけで「素の性能」を明らかにできます。SLCキャッシュの有無やサイズ、キャッシュが切れた後の性能低下などなど。
15分の連続書き込みテストによって、SSDのいろいろな挙動が判明します。
(1枚目:比較グラフ / 2枚目:強調グラフ)
Acer Predator GM7はどうやら極めて広大なSLCキャッシュを展開できるようです。グラフの中身をざっくりと解説します。
- SLCキャッシュで爆速(約251 GBまで)
- SLCキャッシュからTLC NANDへのデータ移動モードに変化
- SLCキャッシュが枯渇してTLC NAND本来の性能に
- テスト終了前にふたたびSLCキャッシュが回復
約251 GBまで平均4147 MB/sもの爆速領域を維持します。TLC NANDへのデータ移行モードと混合した状態でも、平均3239 MB/sと非常に速い書き込み性能です。
約1600 GB(残り400 GB)まで書き込んで、ようやくSLCキャッシュが完全に枯渇しますが、それでも平均1050 MB/sを出せており、実用上まだまだ十分な性能を維持します。
あまりに性能がいいので、ブロックファイルを用いたさらに強制的なキャッシュ剥がしを検証しました。
結果、SLCキャッシュモード(4000 MB/s領域)がなんと約618 GB、SLC + TLCモード(3000 MB/s領域)が約312 GB、合計939 GB近く書き込んでやっと完全なTLCモードに移行すると判明。
テスト序盤の様子を見る限り、SLCキャッシュの再展開も非常識なレベルでスピーディーです。間髪入れずに次から次へと新しいブロックを書き込んでいるにも関わらず、あっさり4000 MB/sまで戻してきます。
当然ながら、TRIM GCコマンドやシステムの再起動を実行すると容易に4000 MB/s超えの爆速SLCキャッシュをふたたび展開可能です。
時間あたりの書き込み量を比較したグラフです。
基本的な傾向はLexar NM790とほぼ同じです。若干SLCキャッシュの使い方が改善されている気がします。ファームウェアの違いか、実装チップ数(4個)の違いが原因かは分かりません。
SSDの動作温度をテスト
高負荷時のセンサー温度
モニターソフト「HWiNFO」で表示できる温度センサーは3つです。
- ドライブ温度:NANDメモリの温度
- ドライブ温度2:NANDメモリの温度
- ドライブ温度3:SSDコントローラの温度
センサー1と2は常に同じ温度を表示するため、実質的に2つのセンサーです。
ヒートシンクを取り外し、ケースファンによるエアフローを一切与えない環境で、SSDが激しく発熱しやすい「連続書き込みテスト」を10分間実行しました。
テスト開始から1分ほどでSLCキャッシュが切れてSLC + TLCモードに移行しますが、センサー読みで80℃を超えるとサーマルスロットリングらしい挙動が発生します。
とはいえ平均2000 MB/s前後の書き込み性能を維持しているので、実用上さほど困らない程度です。
サーモグラフィーで表面温度を確認
テスト開始から約8~9分経過したあたりで、サーモグラフィーカメラを使ってSSDの表面温度を撮影します。
- SSDコントローラ:90 ~ 91℃
- NANDメモリ(右):80 ~ 81℃
- NANDメモリ(左):71 ~ 73℃
SSDコントローラ周辺は90℃超えまで、NANDメモリはコントローラに近いほど温度が高いです。
HWiNFOに表示されるセンサー1とセンサー2がどこの温度を示しているのか、やや不明瞭です。センサー3はおそらくSSDコントローラの温度だと推測できます。
サーモグラフィーカメラとの誤差が10℃近いので精度はあまり良くないものの、80℃に達したらサーマルスロットリングを発動させているので、温度制御に大きな問題はないでしょう。
Acer Predator GM7にM.2ヒートシンクが必要か聞かれれば「不要」です。
一般的な使い方なら温度が低いですし、連続書き込みのようなハードな用途でも平均2000 MB/sを維持しています。
マザーボードにM.2ヒートシンクが付属しているなら取り付ける程度で大丈夫でしょう。さらにケースファンで風をゆるく当てると余裕です。
まとめ:Maxio + YMTC = 安くて高性能の権化
「Acer Predator GM7」のデメリットと弱点
- DRAMキャッシュなし
- スペックシートに「非公開」が多い
- いつも同じ部品なら嬉しい
※ADATAのトラウマを引きずる筆者 - 素の書き込み性能は平凡
- 高負荷時の温度が高い
「Acer Predator GM7」のメリットと強み
- 最大7400 MB/sのシーケンシャル性能
- 低価格ながらハイエンド級の性能
- 空き容量による性能変化が少ない
- かなり速いランダムアクセス速度
- ゲームロード時間が速い
- 広大かつ迅速なSLCキャッシュ
- 書き込みに強いキャッシュ構造
- 十分な耐久性(600 ~ 2400 TBW)
- 大容量モデルあり(最大4 TB)
- YMTC製232層 3D TLC NAND搭載
- 5年保証
上記の文章は以前レビューした「Lexar NM790」とまったく同一の内容をコピーして貼り付けました。
依然として、MAP1602A + YMTC 232層 TLCの組み合わせは非常識なほど強力な性能を発揮しており、コストパフォーマンスも群を抜いて優秀です。
ただし、データシートに非公開事項が多いうえに、Acer(宏碁)自体はよくある大手PCメーカーに過ぎません。部品の供給状況によって、あとから別の部品に置き換える「おみくじ商法」を取るリスクを否定できないです。
2023年11月時点で、Maxio MAP1602A + YMTC 232層の組み合わせを確認しただけで、これから将来に渡ってずっとコンポーネント構成が固定されるかどうかは予測できません※。
レビューで測定された性能にもとづいて、Acer Predator GM7を強くおすすめできます。低価格で大容量かつハイエンド級の性能が欲しいコスパ派に最適です。
信頼性に関してはまだまだ未知数ですが、筆者が持っているHIKSEMIとLexarはとりあえず初期不良エリア(バスタブ曲線の序盤)を突破したと評価できます。壊れやすい傾向を特に感じられません。
※参考程度に、2023年1月時点でNANDメモリはYMTC 128層品でしたが、今回のレビューではYMTC 232層品に置き換わっています。消費者にとってメリットのある部品変更です。他の部品候補はTeneFe TC2201 + Micron B58R(232層品)も考えられますが、現時点の販売価格だと難しいかもしれません。
現状のTBWはメーカーがどこまで製品保証を提供するかを示す目安です。実際の製品寿命を保証しません。だから用途に合わせて都合のいい方を選び分けてください。
1日中ずっと書き込む使い方なら、保証値の多いSSDの方が保証を受けられる可能性が高いと言えます。一般的な使い方であれば、3600 TBWだろうと1200 TBWでも得られる効用に大きな差はありません。
以上「Acer Predator GM7 SSDレビュー:またYMTC 232層がハイエンドを蹂躙する展開」でした。
Acer Predator GM7を入手する
2023年11月時点、Acer Predator GM7はAmazonやYahooショッピングで嘉年華が、楽天市場ではSPDが輸入代理店です。
買うならセール価格がおすすめ。ふだんの14000円超えなら、あと1000~2000円足して「P44 Pro」や「P41 Platinum」など、NANDメーカー純正の高性能モデルが買えます。
タイムセール時にポイント還元も狙って、2 TB版を実質11000~12000円なら文句なしのコストパフォーマンスです。
なお、以前レビューしたHIKSEMIやLexarは中華メーカー品ですが、Acerは台湾メーカー品となります。中華はちょっと・・・と思う人でもAcerなら買いやすいかもしれません。
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Acerは割と知名度はある方かと
(他のYMTC採用品よりは)
大手からなら保障とか安心できそうですね
PC詳しいおじさんなら聞き覚えはあるけれど
興味ない人ならまず知らないマイナーメジャーどころだよね
国内では最安値のVR機を売っていたことと
Chromebookで結構頑張ってたことと
ごく短い期間だけ家電屋にここの商品が置かれていたことくらいしか知られてない
昔、地元の家電量販店でグラボ積んだハイスペックPC買おうとすると「Acer(Gatewayブランド)」しか選択肢ありませんでした。
「ゲームしたいけどいきなり自作は不安」ていう当時の自分みたいな人はお世話になったことあるのでは?
相変わらず蝉族は意味不明な優秀っぷりですね
次買うCドライブ用SSDはDRAM有りのハイエンド品を見繕おうと決めてたのに、現状手元にあるHIKSEMIを刺した方がパフォーマンス上がるのでは…と頭を抱えてます
中国深セン伯維のOEM製品です。
https://en.biwin.com.cn/
CrucialT500がたのしみですね。
コントローラーが違うみたいなので比較、解説があると嬉しいですね
4tbのモデルはないからコピペではまずいのでは…
これ昔ドスパラなんかで売ってたノートPCメーカーのエイサー(Acer)なのかしらん
まだ蝉族増えるんだ
どんだけ在庫あるの…
ツールで覗くと普通にNANDの製造日が23年7月とかのも出てるので、今出回ってるのは余剰在庫じゃないと思いますね
本当に在庫抱えてた時にあまりの安値でバラ撒いたせいで、今もこの価格で売らなきゃ売れなくなってるように見えます
最近の検証結果を見る限りDRAMレスの方が速いけど、DRAMにアクセスするのって何かしらオーバーヘッドが有るんですかね?素の性能を無視できてる辺りDRAMアクセスにも欠点が有りそうに見えます。
アメリカ様ありがとう
おかげでSSDが安く手に入ります
Lexar Professional NM800ProっうDRAM付きNM790?が発売されているのでレビューよろしくお願いします
2007年頃は各家電量販店ではacer(gateway)のPCたくさん売ってた
Acerといえばプロストグランプリが2001年F1参戦時のフェラーリエンジンにバッジネームでつけていたのでそっちの界隈では知っている人もいるでしょう。
eMachinesをGatewayが買収して更にAcerがGatewayを買収したんだよね。
Joshinだとこの3社のブランドは普通に売られてました。
4tbモデル公式見る限り存在自体はするみたいだけど日本だと結構入手難しそうだな
容量でっけえのが欲しいんだけど
wire bondingがたったの4-hiなら片面8TBモデル出ないのかねえ
GM7000っていうDRAMありのやつもあるみたいだけど、どうなんですかね?
エアプだけど12nmコントローラーとDRAM搭載をアピールしてることからよくある偽蝉な気がします
232層じゃなくてYMTC128層+MAP1602A+DRAMの構成で、爆熱かつNANDの信頼性も怪しいアレ
この製品はFlash IDで
1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
と出ているとレビューにあり、その表記のものは128層らしいんだけど本当ですか?このレビューで232層って書いてたから買ったんだけど…
※参考程度に、2023年1月時点でNANDメモリはYMTC 128層品でしたが、今回のレビューではYMTC 232層品に置き換わっています。消費者にとってメリットのある部品変更です。他の部品候補はTeneFe TC2201 + Micron B58R(232層品)も考えられますが、現時点の販売価格だと難しいかもしれません。
部品の供給状況によって、あとから別の部品に置き換える「おみくじ商法」を取るリスクを否定できないです。2023年11月時点で、Maxio MAP1602A + YMTC 232層の組み合わせを確認しただけで、これから将来に渡ってずっとコンポーネント構成が固定されるかどうかは予測できません。
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ちゃんと書いてあるでしょ。他所の古いレビューだと128層だったりするし、お宅はマイナーチェンジ前の売れ残りを引いたんじゃない?ご愁傷様。中華メーカーにはこういうリスクがあるって事ですわ。
Flash IDによる照合結果はこちら
Ch0CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
Ch1CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
Ch2CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
Ch3CE0: 0x9b,0xc5,0x29,0x49,0x30,0x0,0x0 – YMTC 3dv4 TLC 16k 1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/die
Flash IDによる照合結果で「YMTC 3dv4 TLC」と表示されます。有志の調査により、「3dv3」が128層品、「3dv4」が232層品と判明しています。
ってこのレビューに”ちゃんと書いてある”でしょ?
3dv4でも1024Gb/CE 512Gb/die 4Plane/dieは128層じゃないの?って指摘なのが理解できないのか、、ご愁傷様…