パン作りが好きなリア友に、キッチンで音楽を聴く用に「Bose SoundLink Mini II」を買いました。手のひらサイズで人気のあるBluetoothスピーカーです。先に結論を言っておくと、音質は悪くない・・・手のひらサイズの割には。という条件付きです。
Bose SoundLink Mini IIのスペックと仕様
Bose SoundLink Mini II | |
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タイプ | アクティブ |
筐体 | 密閉型 |
ドライバー |
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接続 |
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周波数帯域 | 不明 |
USB | Micro USB |
無線 | Bluetooth対応しない:aptX / NFC |
バッテリー | 10時間(最大で12時間) |
寸法 | 18 cm(W) x 5.1 cm(H) x 5.8 cm(D) |
重量 | 680 g |
参考価格 | 19800 円 |
SoundLink Mini IIはPCスピーカーではなく、「Bluetoothスピーカー」に分類されるポータブルなスピーカーです。
高さと奥行きが5 cm台、横幅18 cmのコンパクトな筐体に、ステレオ再生を可能にする2つの小型ドライバと低音を補うパッシブラジエーターが詰め込まれています。
重量はわずか680グラムです。軽くて小さいサイズに実質2.1チャンネルなサウンドシステムを詰め込んだ、高音質志向のポータブルスピーカーです。
ラインナップと価格について
ラインナップは「カーボン」「ラックスシルバー」「トリプルブラック」「ブラックカッパー」の色違いが4種類。価格は1.8~2.1万円の幅があります。
時期によってコロコロと値段が3000円くらい変わるので、2万円を超えている時はとりあえず欲しいものリストに入れておいて、2万円を下回った時が狙い目です。
Bose SoundLink Mini IIを開封レビュー
パッケージと付属品
シンプルなパッケージです。外側をスライドして引っ張り出すと中身が見えます。中身は2段式で、上の段に付属品が、下の段にBose SoundLink Mini IIが梱包されてます。
付属品は「USB Type-A → USB Type-C変換ケーブル」と「説明書」です。USB Type-C変換ケーブルは、本体の充電に使います。フル充電にだいたい4時間くらい掛かります。
本体デザインとインターフェイス
本体正面デザインは、メッシュパネルにBOSEロゴが描かれただけのシンプルデザイン。
反対側も同じくメッシュパネルになっていて、スピーカー全体から音が出るような設計です。
本体の左側に「3.5 mmアナログ端子」と「USB Type-C」コネクタが配置されています。
3.5 mmアナログ端子は、Bluetoothを使用せずに、スマートフォンやDAPをそのまま本体に接続して音を出すときに便利です。USB Type-Cコネクタはもっぱら充電用です。
本体のトップ(天板)にボタンが5つあります。ボタンの内容は左から順番に
- 電源ボタン
- 音量を下げる
- マルチファンクション
- 音量を上げる
- Bluetoothにつなぐ
です。
マルチファンクションボタンは、曲の再生や一時停止、次の曲へスキップしたり前の曲に戻したり。基本的な操作をひとつのボタンでこなします。
スマートフォンと接続したBose SoundLink Mini IIはそのまま通話もできます。マルチファンクションを使って、通話に出たり拒否したり、通話をスピーカーからスマホに切り替えたり色々とできます。
重量とサイズ感
Bose SoundLink Mini IIの重量を実測すると「652 g」でした。メーカー公称値の680 gより、さらに28 gも軽いです。
サイズ感は「手のひらサイズ」。652 gの手のひらサイズで持ち運びはとても簡単。
とてもコンパクトなので置き場所を選びません。無線(Bluetooth)接続なら、配線も節約できてスッキリとしたデスク周りにしやすいです。
マンガ本やスマートフォン(Galaxy S10)、小型パソコン(ThinkCentre M75q Tiny Gen2)などと大きさを比較してみた。安価なUSBスピーカーより一回りも小さいサイズ感です。
Bluetooth接続について
Bose SoundLink Mini IIの電源を入れて、日本語を選ぶ初期設定を終えたら、Bluetoothに対応したスマホやパソコンから「Bose SoundLink Mini II」が接続可能な端末に表示されるようになります。
手持ちのスマートフォン(Galaxy S10)と、Bose SoundLink Mini IIを接続した様子です。
USBタイプのBluetoothドングルを使えば、パソコンとBose SoundLink Mini IIを接続してPCスピーカーとして使えます。もちろん、3.5 mmアナログ端子に直接つないでAUXモードで音出しも可能です。
Bose SoundLink Mini IIの音質
スマートフォン(Galaxy S10)とスピーカー本体をBluetooth接続して、音域ごとにいくつか曲を鳴らして主観的なレビューをします。
なお、ぼくが普段使っているスピーカーは「Yamaha NS-1000M」です。40 Hz ~ 18000 Hzくらいまで一貫した音が出るスピーカーを使っているので、主観的な評価はやや辛口になる傾向があります。
高音域:伸びの悪いこもった感じ
- 火炎(女王蜂)
- 白日(King Gnu)
SoundLink Mini IIに限らず、Bose系スピーカーは高音域の伸びがあまり良くない上に、カーテン越しに音を聴いているような「こもった」音です。
基本的にスピーカーはサイズが小さければ小さいほど、良い音を出すのが難しくなるため、手のひらサイズの割には悪くないとも言える音です。
中音域:割と空気感が出てて驚き
- Get Up(EVO+)
- 残酷な天使のテーゼ(高橋洋子)
歌い手「EVO+」さんのアルバム「Methuselah」は、歌い手さんの音源では別格の高音質です。とても良心的な収録がなされていて、スピーカーの性能が出やすい音源です。
手のひらサイズの超小型デザインにも関わらず、意外と空気感を再現できていて驚きました。
音を鳴らしながら、スピーカー本体を観察すると本体の表面がブルブルと振動している様子でした。本体の振動すら、音を出すために利用しているようです。
残酷な天使のテーゼ(1995年の高橋洋子盤)は、それなりの鳴り方です。こちらは空気感の再現がイマイチ、ドコドコドンッといった楽器の定位感や、お腹にズシッと深く来るギター音も今ひとつ再現性に欠けています。
低音域:筐体を震わせてもそれなりの低音・・・
- Your Voice So… (PSYQUI)
- FACE OFF(やまだ豊)
低音域はPSYQUI氏「Your Voice So…(M-Project Remix)」と、やまだ豊氏「FACE OFF」でテスト。どちらも低音域に驚くほど空気感あふれる独特な低音が収録されていて、スピーカーの性能がとても分かりやすいです。
序盤を再生してすぐにサラウンド感あふれる低音が始まりますが、残念ながらSoundLink Mini IIは「なんか鳴ってるような・・・」程度の低音しか出せなかったです。
音量を上げても出せる低音には限界があり、手のひらサイズの物理的な限界を確認する形に。本体表面はブルブルと振動していて必死に低音を出そうとする様子が伝わってくるものの、やはり物量投入型のNS-1000Mと比較すると雲泥の差です。
しかし、Amazonのレビューを見ていると「しつこいほどの低音」「Boseらしい低音」という評価が普通に見られます。後ほど測定結果を出しますが、200 Hzくらいから低音がマトモに鳴っているので、どの程度を低音とするかで評価は変わります。
今回使った2曲はNS-1000Mでなければマトモに再現できない※から「なんか鳴ってるような・・・」程度の評価ですが、Bose SoundLink Mini IIは手のひらサイズの割にはよく鳴っている方です。
※筆者が持っているスピーカーの中ではNS-1000Mじゃないと全部出ない。ごく普通のブックシェルフスピーカーだと、なかなか下から全部は出てくれないです。
Bose SoundLink Mini IIの音の特徴
スピーカーの測定方法
主観的な感想の次は、測定機材を使って客観的にBose SoundLink Mini IIの音質、というよりは音の特徴をチェックします。
- 測定ソフト:Room EQ Wizard
- 測定マイク:Dayton Audio EMM-6
- マイク入力:Focusrite Scarlett Soro 3rd Gen
測定はフリーソフト「Room EQ Wizard」を使いました。無料とは思えない高機能なオーディオ測定ソフトで、周波数応答(音の周波数ごとの音圧)やインパルス応答(スピーカーの箱鳴りなど)を数秒で測定できます。
あくまでも目安程度の測定であって、厳密な測定はできません。本気で測定をするなら無響室でEarthworksのマイクを使ったり、Harmanの論文に基づいて作られたKlippel社の測定器を使う必要があります。
周波数応答をチェック
スピーカーの基本性能「周波数応答」をチェックします。低音域、中音域、高音域のそれぞれが、どれくらいの音圧で出ているかを測定しました。
60 Hz以下の低音はほとんど出ていません。60 ~100 Hzまではかろうじて出ているレベルで、マトモな低音は200 Hz台から。
中音域(200 ~ 2000 Hz)はそこそこ普通に鳴っていて、高音域はフラフラと不安定で安定しません。15000 Hz以上はひたすら減衰しつづけてほとんど鳴っていないので、高い音の多い音楽と相性は悪いです。
Boseは小型サイズでも割とちゃんとした音を出せる設計が強みのメーカーですが、さすがに手のひらサイズにすべてを詰め込んだSoundLink Mini IIは、物理的に厳しい感があります。
他のスピーカーと比較すると?
2台セットで約2.5万円から買える、コスパの良いモニタースピーカー「REVEAL 402」と音の特徴を比較した結果がこちらです。
REVEAL 402は60 Hzからマトモに音が鳴り始め、20000 Hzまできっちり安定した音を出せています。モニタースピーカーらしく、下から上まで一貫した音を出せるスピーカーです。
ただし、モニタースピーカーと持ち運び前提のポータブルスピーカーの比較はあまりフェアでは無いです。
REVEAL 402はたしかに低価格の割には、良い音を出せるスピーカーですが、Bluetoothによる無線接続はできないし手軽に持ち運べるサイズではありません。
デスクトップ環境で良い音を求めるならモニタースピーカーを選び、予算に余裕があるならパッシブスピーカーとプリアンプの組み合わせをオススメします。
持ち運びが目的、あるいはスッキリしたデスク周りを目指すなら、手のひらサイズかつ重量が650 gちょっとの軽量。しかもBluetooth接続もできるBose SoundLink Mini IIが有利です。
まとめ:手のひらサイズとしては高音質
「Bose SoundLink Mini II」の微妙なとこ
- 低音域の量感はかなり不足
- 高音域の伸びはイマイチ
- aptXに対応していない
- Bluetooth接続で音ゲーはやや厳しい
- 防水・防塵なし
「Bose SoundLink Mini II」の良いところ
- すぐに使えるアクティブスピーカー
- 手のひらサイズの小型サイズ
- コンパクトなキャビネット(筐体)
- ポータブルスピーカーとしては高音質
- パワフルな音量
- Bluetooth対応
- カラーリングは4色
Boseのポータブルスピーカー「SoundLink MIni II」は、手のひらサイズの小型スピーカーとしてはマトモな音が鳴る良いスピーカーです。
最近トレンドな気がする、スッキリとしたデスク周りに、小型で高音質な無線スピーカーがほしい人。アウトドア趣味で外に持ち出したり、カーナビにBluetooth接続して音楽を鳴らしたい人におすすめ。
単純な音質だけでなく、かんたんに持ち運びができるのが大きなメリットですので、用途に刺さるならSoundLink Mini IIはアリ。
以上「Bose SoundLink Mini II レビュー:手のひらサイズとは思えない音質」でした。
そこまで小型にこだわらない人は、Audioengineの「A2+」の方がハズレ無い可能性が高いです。
置き場所に余裕がある場合は、途中で紹介した「REVEAL 402」もオススメ。2.5万円としては良い音が鳴ります。
低音はスピーカーのサイズが影響するからちゃんとした低音を出力しようとすると手乗りサイズなんて無理になっちゃうのだ……
どれくらいの値段のディスプレイのスピーカーよりは良いのだろう?
物理的にスピーカーの低音の出方というは、箱容量と振動版の大きさで決まる
どうしてもサイズ以上の低音を出そうとする場合は、バスレフなどホーンを使った共鳴効果や、もしくは入力信号の低音域を増幅するバスブーストなどといった、ある意味”ごまかし”の方法を使わざるを得ない
特にこの手の小型スピーカーであるならなおさら
このサイズでこの周波数特性ならまー頑張ってる方なんだろうけど、さすがに1000Mと比較するのは酷かもしれないw
ただ、どーしてもこのサイズでという理由が無い限りは、積極的に買いたいものではないが
「低音用ユニット」「トランスデューサー」と表現を変えているので恐らく2.1chではなく2chなのではないかと思います
それとパッシブスピーカーと組み合わせるのはプリメインアンプですね