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DELL S2725QC-Aレビュー:4万円台で話題の4K 120Hzモニター【5年保証】

DELL S2725QC-A:レビューまとめ

画面サイズ:27インチ |
解像度:4K
パネル:IPS |
リフレッシュレート:120 Hz |
HDR:10 |
バックライト:シングル |
保証:5年

(公開:2025/10/28 | 更新:2025/10/28

「DELL S2725QC-A」の微妙なとこ

  • 平凡なコントラスト比
  • パネル均一性が良くない
  • 応答速度も普通
  • 色域が広くない(DCI P3 < 90%)
  • やや弱いゲーマー向け機能
  • Display Portなし
    (USB-C → DP変換ケーブル必要)
  • ヘッドホン端子なし
  • 初期設定の色温度がズレてる
    (かんたんに修正できます)
  • sRGBモードが不正確
  • HDRモードのひどい実装

「DELL S2725QC-A」の良いところ

  • 27インチで4K(細かいドット感)
  • 最大120 Hzに対応
  • PS5で120 Hz(VRR)対応
  • 入力遅延が非常に少ない
  • 意外と高音質な内蔵スピーカー
  • USB Type-Cポート
    (DP Alt Mode & USB PD 65W)
  • OSDソフト
    「Dell Display and Peripheral Manager」
  • フル装備のエルゴノミクス機能
  • 美しい「白色」デザイン
  • メーカー5年保証

「DELL S2725QC-A」はタイムセール時4万円台で話題になる、超売れ筋4K 120 Hzゲーミングモニターです。

4K 120 Hz(4万円台)が激戦区の中、DELLがほぼ一人勝ちしてます。そこそこ高画質なIPSパネルに、そこそこの応答速度、オフィスワークから軽いゲームまで余裕です。

加えて驚異のメーカー5年保証が無料で付いてきて、多機能USB Type-Cポートや音質のいいステレオスピーカー(5Wを2台)まで内蔵します。

きちんと日本語訳された使いやすいOSDメニューに、Windowsで使える専用OSDソフト「Dell Display and Peripheral Manager」も対応。

絶対的な画質評価こそイマイチですが、お値段以上の付加価値(機能)を盛り付けられていて、全体的なコストパフォーマンスに優れます

安くてそれなりに使える大手メーカー製4Kモニターを買うなら、「DELL S2725QC-A」をおすすめできます。

DELL / サイズ : 27インチ / 解像度 : 3840 x 2160 / リフレッシュレート : 120 Hz / パネル : IPS / 保証 : 5年
参考価格
※2025/10時点
Amazon
やかもち
定価は高いけどタイムセール価格は十分にアリ。保証5年も嬉しいです。

「DELL S2725QC-A」の用途別【評価】

使い方評価※
FPSやeSports(競技ゲーミング)
最大120 Hzしかなく、応答速度も平凡です。競技ゲーミングに適していません。
ソロプレイゲーム(RPGなど)
そこそこ色鮮やかな映像でソロプレイゲームに没入できます。
一般的なオフィスワーク
文字が滑らかクッキリ見え、完全なフリッカーフリーに対応。4K解像度で作業性も優れますが、「sRGB」モードはグレースケールが緑色にズレていて役に立たないです。
プロの写真編集・動画編集
プロの写真編集や動画編集に必要な色域を満たさないうえ、「DCI P3」と「Adobe RGB」モードが未実装です。自分でキャリブレーションが必要です。
HDRコンテンツの再現性
Display HDR 400認証にすら合格できない最低限以下のHDR性能です。対応していないも同然・・・、期待しないでください。

※用途別評価は「価格」を考慮しません。用途に対する性能や適性だけを評価します。

「DELL S2725QC-A」レビューは以上です。

もっと詳しく測定データや比較データを見れば、他の代替案にするか、このままS2725QC-Aを買ってしまうか決めるヒントになるかもしれません。

DELL S2725QC-A:画質レビュー

初期設定の画質とおすすめ設定

初期設定
(クリックで画像拡大)
手動で調整
(クリックで画像拡大)

DELL S2725QC-Aの初期設定は・・・、相変わらず「藻が繁殖した薄暗い川水」です。先日レビューした「DELL AW2725QF」もそうですが、なぜか緑がかっています。

さっそくキャリブレーター(測定機材)を使って数値を見ながら、モニターのOSD設定を手動で調整した画質が右側です。

手動でキャリブレーション(調整)する設定
  • モード:ユーザーカラー
  • 明るさ:100
  • 色温度:ユーザー
  • 赤:96
  • 緑:92
  • 青:98
  • オフセット:49 / 48 / 50
  • 暗さスタビライザー:1

※画面の明るさは好みに合わせて調整してください。明るさ100%だと約300 cd/m2前後に達し、人によっては眩しく感じるレベルです。

マニュアル調整後
※クリックすると画像拡大
手動で調整後のガンマカーブ手動で調整後の色温度

手動調整後のガンマカーブとグレースケール(色温度)グラフです。

ガンマカーブが少し白飛び気味ですが、グレースケールはおおむね悪くない状態まで調整できます。

広色域IPSパネルは測定機の数値がややズレるため、sRGBリファレンスモニターを見ながら目視補正済みです。目視補正をしないと、藻のような緑色にズレてしまいます。

基本的な「画質」を測定して比較

X-rite i1 Pro 2 + Calibrite Display Plus HL
X-rite / タイプ:分光測色計(分解能:3.3 nm) / 輝度:0.200~5000 cd/m²
calibrite / タイプ:比色計 / 輝度:0.002~10000 cd/m² / 備考:i1 Pro 2でMatrix補正済み

ちもろぐでは、2種類の測定機材を使って今回レビューする「DELL S2725QC-A」の画質を深堀りします。

  1. 分光測色計:X-rite i1 Pro2
    (Spectrophotometer)
  2. 比色計:Calibrite Display Plus HL
    (Colorimeter)

分光測色計は、数値が書いてある正確な定規だとイメージしてください。単品でモニターの色や明るさを正確に測定できます。しかし、黒色の測定が不正確だったり、暗い色の測定がすごく遅いです。

だから比色計もセットで使います。比色計は単品だと誤差が大きく使いづらいですが、分光測色計を使って誤差を修正可能です。

Matrix補正と呼ばれる誤差修正を掛けたあとの比色計なら、分光測色計と大差ない精度を得つつ、もっと深い黒色の測定と暗い色の高速測光が可能です。

色の鮮やかさを比較
※クリックすると画像拡大
DCI P3色域
(カバー率で比較)
Rec.2020色域
(カバー率で比較)
DELL S2725QC-Aレビュー(DCI P3カバー率の比較)DELL S2725QC-Aレビュー(Rec.2020カバー率の比較)
色域カバー率(CIE1976)
DELL S2725QC-Aレビュー(色域カバー率)
規格CIE1931CIE1976
sRGBもっとも一般的な色域99.7%98.7%
DCI P3シネマ向けの色域82.2%88.9%
Adobe RGBクリエイター向けの色域77.8%88.6%
Rec.20204K HDR向けの色域59.3%65.8%

DELL S2725QC-Aで表示できる色の広さ(色域カバー率)を測定したxy色度図です。

もっとも一般的な規格「sRGB」で約100%をカバー。HDRコンテンツで重要なシネマ向けの規格「DCI P3」ではたった88.9%カバーします。

印刷前提の写真編集で重視される「AdobeRGB」規格のカバー率は88.6%です。

過去の傾向からして、色の広さは量子ドット液晶 > 量子ドットVA = QD-OLED > 広色域な液晶 = OLED > 普通の高色域パネル > 平凡な液晶パネル > TNパネルの順に並びます。

「色域」は色の鮮やかさに深く関係する性能で、多くの一般人が「画質」だと感じ取っている重要なスペックです。

DELL S2725QC-Aの色域はさほど褒められない数値。DCI P3カバー率が90%すら超えません

格安sRGBモニターに毛が生えた程度の色域しかなく、体感できるほどの画質向上や鮮やかさを得られないです。

ここ最近のゲーミングモニターを使っている人が、うっかりS2725QC-Aに乗り換えると、かえって画質が下がったように感じるリスクすらあります。

経年劣化が進み、バックライト焼けを起こした古い液晶テレビやPCモニターを数年ぶりに買い替える場合に限り、鮮やかさを体感できるはずです。

コントラスト比を比較
※クリックすると画像拡大
チェッカーパターン
(Inf : 1)
マダムヘルタ
(50000 : 1)
測定グラフ測定値
DELL S2725QC-Aレビュー(コントラスト比の比較)
  • コントラスト比:1086
    設定による変動幅:1000~1380

コントラスト比(実測)は1086:1(ネイティブ)です。画面を明るくすると、メーカー公称値の1500:1に到底届かないです。

IPSパネルの平均値(約1100:1)に匹敵する、平凡なコントラスト比が出ています。

黒色がうっすらと白浮きして見え、暗い部屋でコントラスト比の高い映像を見ると、コントラスト感を大きく損ないます。

色ムラ(輝度ムラ)
※クリックすると画像拡大

色が均一の静止画コンテンツを見ている時間が長いオフィスワークで、気にする人が多い「色ムラ」をチェック。

均一性(色ムラ)
※クリックすると画像拡大
色ムラを比較色ムラを測定
DELL S2725QC-Aレビュー(色ムラ)DELL S2725QC-Aレビュー(色ムラ)
  • 最大:303 cd/m2
  • 最低:256 cd/m2
  • 平均値:8.97%

色ムラ(輝度ムラ)の測定結果は平均値でなんと約9.0%を叩き出し、ちもろぐレビューの平均値を上回ります。

単純なエッジライト方式LEDバックライトを使っているから、パネルの四隅に近いほど暗くなりやすいし、経年劣化に伴う輝度低下と色焼けが目立ちやすいです。

価格が安いなりのパネル均一性です。

実際の映像コンテンツやゲームプレイシーンで色ムラに気づく可能性は低いものの、画面全体に同じような色を表示するシーンを表示すれば色ムラに気づきます。

画面の明るさ
※クリックすると画像拡大
明るさ:0%明るさ:100%
測定グラフ測定値
DELL S2725QC-Aレビュー(画面の明るさ)
  • 最大輝度:304 cd/m2
  • 最低輝度:31 cd/m2
  • 43%で:120 cd/m2

画面の明るさは100%設定で約304 cd/m2程度にとどまり、SDRコンテンツを見るのにとりあえず十分な明るさです。ただ、個人的に350 cd/m²欲しいので暗く感じます。

そもそも、メーカー公称値は350 cd/m²だったはず。スペックシートに書いた約束を守らない製品です。

最低輝度(0%設定)は約31 cd/m2とそこそこ暗くできます。眼精疲労などが理由で、夜間に暗い画面を好む人にとって嬉しい仕様です。

目にやさしいらしい120 cd/m2前後は設定値43%でほぼ一致します。

HDRモード時の画質を詳しく測定

Colorimetry Research CR-100
Colorimetry Research / タイプ:比色計 / 輝度:0.0007 ~ 5140 cd/m² / 備考:i1 Pro 2でProbe Matching補正済み

モニターの色と明るさを超高速かつ正確に測定できる機材「CR-100」を使って、「DELL S2725QC-A」のHDR性能をテストします。

やかもち
「CR-100」は約100万円もする超ハイエンド機材です。
HDRの明暗差を比較
※クリックすると画像拡大
HDRの明るさ
(全画面で比較)
HDRコントラスト比
(リアル値で比較)
DELL S2725QC-Aレビュー(HDRの明るさ)DELL S2725QC-Aレビュー(HDRのコントラスト比)

DELL S2725QC-AのHDRモード時の明るさは絶望的。LEDバックライトがシングル(1分割)で、コントラスト比もまったく増えません。

HDRコントラスト比Colorimetry Research
CR-100で測定した結果
全画面1193.8 : 1
10%枠1122.5 : 1
3×3パッチ1185.3 : 1
5×5パッチ1190.5 : 1
7×7パッチ1187.1 : 1
9×9パッチ1183.6 : 1

テストパターン別にHDRコントラスト比を測定した結果、ワーストケースで1122 : 1でした。

シングル方式バックライトでもローカル調光を導入すれば、もう少しコントラスト比を稼げますが、コストカットのため省略されました。

HDRの明るさ精度
※クリックすると画像拡大
モード別に比較
(APL 25%で比較)
APL別に比較
(ベスト設定で比較)
DELL S2725QC-Aレビュー(PQ EOTF)DELL S2725QC-Aレビュー(PQ EOTF)

HDRモード時の明るさが正しいか、PQ EOTF追跡グラフで測定します。

話にならないHDR品質です。暗いゾーンで白浮きしすぎ、明るいシーンは実際より暗くしすぎ、明暗が締まらないHDR映像を見られます。

最初からHDRモードを実装しないほうが、まだ良かったです。

HDRの持続性能
※クリックすると画像拡大
面積比と輝度
(APL別に比較)
経過時間と輝度
(APL別に比較)
DELL S2725QC-Aレビュー(APL別のHDR輝度)DELL S2725QC-Aレビュー(APL別のHDR持続輝度)

ローカル調光を導入していないため、明るさの一貫性には優れます。表示する面積、時間経過に関係なく、同じ明るさです。

HDRの色精度
※クリックすると画像拡大
Rec.2020
(彩度ポイント)
D65
(グレースケール)
DELL S2725QC-Aレビュー(HDR時の色精度)DELL S2725QC-Aレビュー(HDR時の色精度)

HDR規格(Rec.2020色域)に対する色精度も悲惨です。

最大ΔE = 18.8、平均Δ = 11.69でした。PQ EOTF曲線が派手にズレているし、色域も狭いせいで、HDR色精度が著しく低く出ます。

グレースケール(D65)の精度もイマイチ。ターゲットを大きくズレて、全体的に緑色を帯びています。

HDRモード時はほとんどのOSD設定がロック(固定)され、自分で好みの色に調整もできません。

明るいシーンで比較
※クリックすると画像拡大
レビュー対象
(DELL S2725QC-A)
比較:OLED
Sony INZONE M10S
DELL S2725QC-Aをレビュー(HDRを試して比較写真)HDRを試して比較写真
HDRを試して比較写真HDRを試して比較写真
比較:HDR 1000
Titan Army P275MS+
比較:HDR 1400
TCL 32R84

DELL S2725QC-AはマトモなHDR映像を表示できません

HDR 1000以上のゲーミングモニターと比較すれば、違いが一目瞭然・・・。OLEDモニターと比較しても、コントラスト比で派手に負けます。

HDRゲームの明るさ測定
※クリックすると画像拡大
Final Fantasy XVI
(フェニックス戦)
Ghost of Yōtei
(羊蹄平)
DELL S2725QC-Aをレビュー(HDRを試して比較写真)DELL S2725QC-Aをレビュー(HDRを試して比較写真)
DELL S2725QC-Aレビュー(HDR時の色精度)DELL S2725QC-Aレビュー(HDR時の色精度)

HDRゲーム時の明るさを測定しました。

恐ろしく明るいフェニックス戦(FF16)は、ピーク時に260 cd/m²前後に達します。実際は1500 cd/m²を超えるシーンなので、まったく再現できてないです。

優れたHDR効果で知られるGhost of Yōteiも、ピーク時に200 cd/m²台でストップします。実際は1600 cd/m²に迫るハイライトだったはずです。

暗いシーンで比較
※クリックすると画像拡大
レビュー対象
(DELL S2725QC-A)
比較:OLED
Sony INZONE M10S
DELL S2725QC-A 比較写真(ローカル調光)HDRを試して比較写真
HDRを試して比較写真HDRを試して比較写真
比較:IPS + Mini LED
Titan Army P275MS+
比較:VA + Mini LED
TCL 32R84

DELL S2725QC-AのLEDバックライトはシングル(1枚)です。

パネルの部分駆動(ローカルディミング)を実装できず、黒いエリアがすべて白浮きします。Mini LEDモデルと比較して、コントラストの性能差は明らかです。

やかもち
HDRの強烈な「明暗差」を楽しむなら、Mini LED(1000分割以上)モデルをおすすめします。
VESA Display HDR
HDR性能のテスト結果
比較テスト対象
DELL S2725QC-A
ターゲット規格
Display HDR 400
画面の明るさ
  • ピーク時
    359 cd/m2
  • 全白フラッシュ
    358 cd/m2
  • 全白持続
    358 cd/m2
  • ピーク時
    400 cd/m2 以上
  • 全白フラッシュ
    400 cd/m2 以上
  • 全白持続
    320 cd/m2 以上
黒色輝度
  • 0.30 cd/m2
  • 0.4 cd/m2 以下
コントラスト比
  • 1194:1
  • 1300 : 1 以上
色域
  • sRGB:99.7%
  • DCI P3:88.9%
  • sRGB:99%以上
  • DCI P3:90%以上
色深度
  • 10 bit
    (8 bit + FRC方式)
  • 10 bit
    (8 bit + FRC方式)
ローカル調光
  • エッジライト方式
    (シングル)
  • 主にエッジライト方式

最後に、VESA Display HDR認証を満たしているか測定チェック。

残念ながら、DELL S2725QC-Aは最低グレード規格「Display HDR 400」にすら合格できない、最低限以下の性能です。

やかもち
「HDR10」対応としか書いてないモニターは、HDRを正常に表示できない、と考えたほうが安全ですね。

パネルの反射加工と文字の見やすさ

パネルの反射加工
(クリックで画像拡大)
明るい部屋暗い部屋
パネルの反射加工パネルの反射加工

DELL S2725QC-Aに施されたパネル表面加工は、PC用モニターで定番の「ノングレア加工(アンチグレア)」です。

ぼんやりと背景がしっかり拡散され、周囲が明るくても映り込みをかなり防いでいます。部屋を暗くすると、映り込みがさらに軽減されます。

テキストの視認性
(クリックで画像拡大)
文字のドット感
(密度:163 ppi)
実際の表示例
(距離:30 cm)
DELL S2725QC-Aレビュー(テキストのくっきり感)

文字のドット感(見やすさ)はとても鮮明です。

テキスト表示に有利な縦に一直線の直列RGB配列パネルに、160 ppi前後ものギチギチに詰め込んだ画素密度を備えます。

普通の距離感(50~60 cm)で見てもドット感が分かりづらいし、30 cmくらいから見ても滑らかなテキスト表示です。

パネルの物理的特性
(クリックで画像拡大)
ピクセル拡大図
(ピクセル配列:RGB)
スペクトラム分析
(確定:KSF蛍光体)
DELL S2725QC-Aレビュー(画素ドット)DELL S2725QC-Aレビュー(スペクトラム)

マクロレンズでパネルの表面を拡大した写真です。

PCモニター用途(Windows)に相性がいい、RGBストライプ配列の画素レイアウトです。ドットがボヤけて見えるのは、パネル表面のノングレア加工が原因です。

パネル技術をスペクトラム波長分析※で調べます。

三原色のうち、赤色に凹みが見られる波長パターンから、「KSF蛍光体(KSF Phosphor)だと分かります。量子ドット技術の次くらいに色域を広くできます。

ついでにブルーライト含有量を調べたところ約30.1%でした。「プリセットモード:暖色」で、TUV Rheinlandブルーライト認証に必要な25%未満を達成できます。

※ 分光測色計「X-rite i1 Pro 2」を使って、3.3 nm単位で波長を分析します。

パネルの視野角(見える範囲)チェック

視野角の広さ
※クリックすると画像拡大
縦方向(垂直)横方向(水平)
DELL S2725QC-Aレビュー(視野角)DELL S2725QC-Aレビュー(視野角)

IPSパネルの視野角はそこそこ広いです。

隣の席から見たり、リクライニングで傾ける程度なら、気にならない色褪せ具合です。

DELL S2725QC-A:ゲーミング性能

ゲーム性能(応答速度)の測定と比較

↑こちらの記事で紹介している方法で、DELL S2725QC-Aの「応答速度」を測定します。

60 Hz時の応答速度
※クリックすると画像拡大
残像感
(UFO追尾ショット)
30パターン測定
(10~90%範囲を測定)
DELL S2725QC-Aレビュー(応答速度の比較)DELL S2725QC-Aレビュー(応答速度の比較)
  • 平均:8.04ミリ秒
  • 最速:4.86ミリ秒
  • 最遅:10.09ミリ秒
  • エラー:7%

60 Hz時の応答速度は平均8.04ミリ秒を記録します。

60 Hzに必要十分な応答速度(< 16.7ミリ秒)を難なく満たすものの、ホールドボケ現象(= 60 Hzそのもの)が原因で、残像感がそれほど減らないです。

60 Hzが重要な用途:Nintendo Switch、Play Station 4(PS4)など、最大60 Hz対応のゲーム機
120 Hz時の応答速度
※クリックすると画像拡大
残像感
(UFO追尾ショット)
30パターン測定
(10~90%範囲を測定)
DELL S2725QC-Aレビュー(応答速度の比較)DELL S2725QC-Aレビュー(応答速度の比較)
  • 平均:6.26ミリ秒
  • 最速:4.74ミリ秒
  • 最遅:8.02ミリ秒
  • エラー:0.3%

120 Hz時の応答速度は平均6.26ミリ秒を記録します。120 Hzに必要十分な応答速度(< 8.33ミリ秒)を余裕でクリアし、残像感もそこそこ抑えられます。

120 Hzが重要な用途:Nintendo Switch 2、Play Station 5(PS5)など、最大120 Hz対応のゲーム機

ここからさらにオーバードライブモードを調整して、応答速度と残像感を改善できないかチェックします。

OD機能の効果
※クリックすると画像拡大
DELL S2725QC-Aレビュー(応答速度の比較)
平均値6.26 ms5.49 ms4.73 ms
最速値4.74 ms3.67 ms1.74 ms
最遅値8.01 ms7.94 ms7.94 ms
平均エラー率0.3 %8.5 %27.0 %
累積遷移
(変動電圧 x 時間)
22.6 mVs23.2 mVs28.2 mVs

DELL S2725QC-Aのオーバードライブ機能は、3段階(通常 → 高速 → 最速)から調整できます。

OD設定を上げるほど、応答速度はたしかに改善されます。一方で、累積遷移がじわじわと増えてしまい、実際の見え方がむしろ悪化します。

DELL S2725QC-Aは「通常(初期設定)」モードのままでOKです。

累積遷移:オーバードライブ時のエラー(オーバーシュート等)も含んだ、次世代の応答速度指標。
残像感を比較
※クリックすると画像拡大
レビュー対象
(DELL S2725QC-A)
比較:OLED
Sony INZONE M10S
残像感の比較写真残像感の比較写真
残像感の比較写真残像感の比較写真
比較:Fast IPS
KTC H27E6
比較:Fast HVA
TCL 32R84

過去レビューしてきたゲーミングモニターたちと、120 Hz設定で比較した残像感(モーション)写真です。

正直なところ、液晶パネル同士は多少の性能差があってもホールドボケ現象に埋もれて差が小さくなります。明らかに違いが見えるのは「OLED」パネルのみ。

DELL S2725QC-AはFPSゲームやeSportsに適さないです。

応答速度を比較
※クリックするとグラフ拡大
60~90 Hz100~220 Hz240 Hz以上
DELL S2725QC-Aレビュー(60Hz 応答速度の比較)DELL S2725QC-Aレビュー(120Hz 応答速度の比較)DELL S2725QC-Aレビュー(240Hz~ 応答速度の比較)

ちもろぐに記録した過去100件近いレビューから、DELL S2725QC-Aの応答速度(120 Hz)は平均を下回る微妙な性能です。

ゲーム性能(入力遅延)の測定と比較

入力遅延を比較
※クリックすると画像拡大
比較グラフ測定値
(クリック100回の平均値)
DELL S2725QC-Aレビュー(入力遅延の比較)
  • 120 Hz:
    4.8ミリ秒
  • 60 Hz:
    8.9ミリ秒

DELL S2725QC-Aで、左クリック100回分の入力遅延を測定しました。

リフレッシュレート60 ~ 120 Hzまで、安定して目標の16ミリ秒を下回る良好な入力遅延です。ほとんどの人が入力遅延を体感できません

VRR(G-SYNC互換モード)の影響もなかったです。

2024年7月より「入力遅延(Input Lag)」の新しい測定機材を導入しました。

クリック遅延がわずか0.1ミリ秒しかないゲーミングマウス「Razer Deathadder V3」から左クリックの信号を送り、画面上に左クリックが実際に反映されるまでにかかった時間を測定します。

入力遅延の測定範囲
  1. マウスから左クリック
  2. CPUが信号を受信
  3. CPUからグラフィックボードへ命令
  4. グラフィックボードがフレームを描画
  5. ゲーミングモニターがフレーム描画の命令を受ける
  6. 実際にフレームを表示する(ここは応答速度の領域)

新しい機材は1~6の区間をそれぞれ別々に記録して、1~4区間を「システム処理遅延」、4~5区間を「モニターの表示遅延(入力遅延)」として出力可能です。

なお、5~6区間は「応答速度」に該当するから入力遅延に含めません。応答速度と入力遅延は似ているようでまったく別の概念です。

フリッカーフリー(画面のちらつき)を測定

フリッカーフリーを検証
※クリックすると画像拡大
DELL S2725QC-Aレビュー(フリッカーフリー)
  • 明るさ100%:0 Hz(フリッカーフリー)
  • 明るさ75%:0 Hz(フリッカーフリー)
  • 明るさ50%:0 Hz(フリッカーフリー)
  • 明るさ25%:0 Hz(フリッカーフリー)
  • 明るさ0%:0 Hz(フリッカーフリー)
フリッカーの基準結果
一般的な基準
0 Hz または 300 Hz以上
問題なし
(0 Hz)
TUV Rheinland認証
0 Hz または 3000 Hz以上
問題なし
(0 Hz)

実際にオシロスコープを使ってフリッカーの有無をテストした結果、明るさ0~100%までフリッカーが一切検出されません

「0 Hz」だから一般的な基準とTUV Rheinland基準どちらも合格できます。

VRRフリッカーを検証
※クリックすると画像拡大
DELL S2725QC-Aレビュー(VRRフリッカー)
  • VRR有効時:フリッカーフリー
  • VRRなし:フリッカーフリー

VRR(G-SYNC互換モードなど)有効時に発生する「VRRフリッカー」もテストします。

DELL S2725QC-AはVRR有効時も、ほぼ完璧なフリッカーフリー動作です。目視で確認できる「ちらつき」が一切見えません。

応答速度が遅いモニターのメリットです。

VRRフリッカーをテスト

VRRフリッカー(VRR Flicker)は、画面が暗いシーンでフレームレートが激しく変動すると発生する確率が大幅に跳ね上がります。

ちもろぐでは、アクションRPG「鳴潮」にてフレームレートを10 fpsからモニター側の最大fpsまで動かします。

モニターの至近距離に設置された光学センサーを経由して、オシロスコープが明るさの変化をマイクロ秒(10万分の1秒)単位で記録する仕組みです。

記録されたグラフが乱高下していれば「VRRフリッカー」の検出に成功です。逆に、何もなく平坦で一直線なグラフが記録されればフリッカーは皆無と判断できます。

ゲーム機の対応状況(PS5とSwitch 2)

PS5の対応状況
DELL S2725QC-Aをレビュー(PS5の対応状況)
設定60 Hz120 Hz
フルHD1920 x 1080対応PS5 VRR:対応対応PS5 VRR:対応
WQHD2560 x 1440対応PS5 VRR:対応対応PS5 VRR:対応
4K3840 x 2160対応PS5 VRR:対応対応PS5 VRR:対応

PS5でフルHD~4K(最大120 Hz)に対応します。

HDMI 2.1端子にHDMI VRR機能が搭載されているため、「PS5 VRR」もすべて対応可能です。

Switch 2の対応状況
DELL S2725QC-Aをレビュー(Nintendo Switch 2の対応状況)
設定60 Hz120 Hz
フルHD1920 x 1080対応HDR:対応対応HDR:対応
WQHD2560 x 1440対応HDR:対応対応HDR:対応
4K3840 x 2160対応HDR:対応Switch 2は非対応
「Nintendo Switch 2 のひみつ展」
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有料ソフト「Nintendo Switch 2 のひみつ展」で実際に120 Hz + HDR(10 bit)信号を出力させて、モニターが暗転せずにゲーム画面を表示できるかをチェックします。

暗転しなければ問題なし、暗転して解像度が下がってしまったら互換性なし、と判断します。

任天堂 / 対応ハード:Nintendo Switch 2 / タイプ:オンラインコード版

Nintendo Switch 2(ドックモード)で、フルHD~WQHD(最大120 Hz)または4K(最大60 Hz)に対応します。HDR(10 bit)出力も問題なし

やかもち
オフィス向けモニターなのに、意外とゲーム機対応がしっかりしてて凄い。
ゲーム機の120 Hz動作について

PS5 / PS5 Pro / Nintendo Switch 2など。120 Hz対応ゲーム機で、実際にゲーム側が120 Hz(120 fps)で動くかどうかは、もっぱらゲーム次第です。

ゲーム側が120 Hzをサポートしていなかったら意味がありません。プレイする予定のゲームが120 Hzに対応しているか、事前によく調べてください。

ゲーミングPCで使えるリフレッシュレート

ゲーミングPCの映像端子(HDMIやDisplay Port)にDELL S2725QC-Aを接続して、ディスプレイの詳細設定から使えるリフレッシュレート一覧をチェックします。

対応リフレッシュレート
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HDMI 2.1
(42.67 Gbps)
Display Port 1.4
(25.92 Gbps)
対応リフレッシュレート対応リフレッシュレート
  • HDMI 2.1
    (120 / 60 / 59 / 30 / 24 Hz)
  • Display Port 1.4
    (120 / 60 / 59 / 30 / 24 Hz)

DELL S2725QC-Aがパソコンで対応しているリフレッシュレートは以上のとおりです。

HDMI 2.1で最大120 Hzまで、Display Port 1.4も最大120 Hzに対応します。

レトロなゲーム機で役に立ちそうな23.98 ~ 24 Hz範囲も珍しく対応していて驚きました。

圧縮転送「DSC」切り替え機能

DELL S2725QC-Aは、圧縮転送モード「DSC(Display Stream Compression」切り替えに非対応です。

DSC無効時
対応リフレッシュレート
端子SDR
(8 bit @ RGB)
HDR
(10 bit @ RGB)
HDMI 2.1
DP 1.4

CRU(Custom Resolution Utility)によるカスタム解像度や、NVIDIA DSR(DLDSR)をどうしても使いたいマニア志向のユーザーにとって不便な仕様です。

VRR機能(可変リフレッシュレート)
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  • AMD FreeSync Premium
  • G-SYNC互換モード
    (HDMIとDisplay Portで使用可能)

フレームレートとリフレッシュレートを一致させて「ティアリング」を防ぐ効果がある、VRR機能はHDMIとDisplay Portどちらも使用可能です。動作範囲は48~120 Hzです。

LFC(低フレームレート補正)対応ハードウェアの場合は、48 Hzを下回ってもVRRが機能します。

競技ゲーマー向け機能をチェック

  • 暗所補正
    暗い部分を明るく補正する機能
  • 鮮やかさ補正
    色の付いた部分を強調する機能
  • 残像軽減
    残像をクリアに除去する機能

DELL S2725QC-Aは、3つある主要な競技ゲーマー向け機能のうち、1つだけ対応します。

機能チェック:暗所補正
「暗さスタビライザー」
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Apex LegendsEscape from Tarkov

先日レビューしてばかりの「DELL AW2725QF」とほぼ同じ効果です。

そこそこ白飛びを抑えつつ、暗い部分をほどほどにピンポイントで持ち上げて視認性を改善する「暗さスタビライザー」モードです。

Lv0~Lv3(4段階)から調整できます。

やかもち
割と使えるけど、BenQ MOBIUZ「Light Tuner」や「Shadow Phage」には少し劣るレベルです。

DELL S2725QC-A:クリエイター適性

色精度を比較
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グレーの精度
(dE2000で比較)
色の精度
(dE2000で比較)

DELL S2725QC-Aは初期設定のままだと、グレーの精度も色の精度もほとんど一致しない(ΔE > 2.0)です。

色域制限モードやガンマ調整もほとんどなく、申し訳程度の「sRGBモード」が用意されています。有効化してどれくらい精度が向上するか測定します。

「sRGB」モードと色精度(dE2000)

sRGBモードの精度
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テスト内容
(dE2000)
測定グラフ
グレースケール
色(彩度ポイント)
ガンマカーブ

DELL S2725QC-Aの「sRGBモード」はハッキリ言って使えません。

ガンマだけ正確(sRGB Gamma 2.2)に一致して、グレースケール(色温度)と色域制限がうまく合ってないです。

「DCI P3」と「AdobeRGB」は・・・?

DCI-P3モードの精度
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テスト内容
(dE2000)
測定グラフ
グレースケール
色(彩度ポイント)
ガンマカーブ

「DCI P3」モードは非対応です。

「AdobeRGB」モードは非対応です。

DELL S2725QC-A:本体デザインと機能

パッケージ開封と組み立て工程

開封の儀
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DELL S2725QC-A レビュー(開封)DELL S2725QC-A レビュー(開封)

DELL S2725QC-AのCGイメージ図が大きく印刷された、白色背景のシンプルなパッケージで到着。サイズは70 x 43 x 14 cm(140サイズ)です。

箱に書いてある指示に従い、フタを天井に向けてから開封して、梱包材まるごと全部引っ張り出します。

再生紙でできた頑丈な梱包材であっさり梱包されています。上の段に付属品、下の段にゲーミングモニター本体が収まってます。

組み立て工程
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DELL S2725QC-A レビュー(組み立て)DELL S2725QC-A レビュー(組み立て)
DELL S2725QC-A レビュー(組み立て)DELL S2725QC-A レビュー(組み立て)
DELL S2725QC-A レビュー(組み立て)DELL S2725QC-A レビュー(組み立て)
  1. 付属のモニタースタンドとアームを用意
  2. モニターアームを組み立てます
  3. 本体にアームを挿し込み固定
  4. アームの底面にスタンドを挿し込み
  5. 手回しネジでしっかり固定
  6. 組み立て完成(3分くらい)

モニターを固定する部分とアーム部分が別々に分かれています。付属品の手回しネジで組み立ててから、残りの作業に進みます。

ネジがすべて手回し式で、各パーツは「ガチャン」とはめ込むドッキング方式です。プラスドライバーを一切使わないツールレス設計です。

付属品をざっくり紹介

付属品
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一覧ACアダプター
DELL S2725QC-A レビュー(付属品)DELL S2725QC-A レビュー(ACアダプター)
  • 説明書
  • 取り付け金具
  • 手回しネジ
  • 電源ケーブル
  • USB Type-Cケーブル(100 W)
  • ケーブル目隠しカバー
  • 最大230 W
    規格:100 ~ 240 V
「付属品」についてメモ

モニター裏面のインターフェイス部分をすっぽり隠す「目隠しカバー」が付属します。

外観デザインを写真でチェック

外観デザイン
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DELL S2725QC-A レビュー(デザイン 実物写真)DELL S2725QC-A レビュー(デザイン 実物写真)
DELL S2725QC-A レビュー(デザイン 実物写真)DELL S2725QC-A レビュー(デザイン 実物写真)

プラスチック製で値段なりに安っぽさを感じる素材感ですが、美しい白色に塗装されているおかげで緩和されます。

やかもち
LEDライティング機能はありません。あくまでも、オフィス向けモニターです。

エルゴノミクス機能とVESAマウント

エルゴノミクス(調整機能)
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DELL S2725QC-Aレビュー(エルゴノミクス機能)DELL S2725QC-Aレビュー(エルゴノミクス機能)
  • 高さ調整:35 ~ 157 mm
  • 前後チルト:20° ~ -5°
  • 左右スイベル:±30°
  • ピボット:±90°

DELL S2725QC-Aはフル装備のエルゴノミクス機能を備えます。

少しぎこちない硬さを感じる調整機能ですが、ピボットも高さ調整もきちんと機能します。デスクから35 mmまで下げられる点もグッド。

画面の水平(0°)は少し取りづらいです。

VESAマウント
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DELL S2725QC-Aレビュー(VESAマウント)DELL S2725QC-Aレビュー(本体重量)
DELL S2725QC-Aレビュー(モニターアーム 付けてみた)
  • VESA規格:100 x 100 mm
  • パネル重量:4.73 kg
  • 固定ネジ:4本付属

別売りモニターアームを取り付けるのに便利なVESAマウントは「100 x 100 mm」に対応します。

パネル本体の重量は約4.73 kgで普通のモニターアームで持ち上げられます。

モニター本体に付属するネジで、エルゴトロンLXを正常に取り付けられます

エルゴトロン / 耐荷重:11.3 kg / VESA:100x100 or 75x75 mm / M4スペーサー付属
iggy / サイズ:17~49インチ / 耐荷重:2~20 kg / 画面:シングル用 / 方式:ガススプリング式

対応インターフェイスをチェック

各種インターフェイス
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DELL S2725QC-Aレビュー(インターフェイス)
  1. USB 5 Gbps
  2. HDMI 2.1
    (3840×2160 / 最大120 Hz)
  3. HDMI 2.1
    (3840×2160 / 最大120 Hz)
  4. USB Type-C
    (3840×2160 / 最大120 Hz)
    (DP Alt Mode / USB PD 65W)
  5. 電源ポート
DELL S2725QC-Aレビュー(インターフェイス)
  • USB 5 Gbps(Type-C)
  • USB 5 Gbps

映像端子は全部で3つあり、どれを使っても最大120 Hz(3840×2160)に対応します。

オフィスワーク向けに特化した「DELL QC」シリーズらしく、USBポートを多く備えます。

本体裏面にUSB 5 Gbpsポートを2個、本体底面のポップアップ(開閉式)にUSB 5 Gbpsポートを2個です。そのうち1つが多機能型Type-Cポートです。

DELL S2725QC-AのHDMI 2.1端子はFRL方式(最大48 Gbps)でHDMI VRR機能も対応します。いわゆる「真のHDMI 2.1」端子です。
StarTech.com / 規格:DP 1.4(25.92 Gbps) / DSC:対応 / 長さ:2.0 m / 型番:CDP2DP142MBD
やかもち
Display Port端子がないから、パソコンのDP端子とつなぎたいときは「USB-C → DP変換ケーブル」が必要です。今回のレビューではStarTech製の変換ケーブルを使いました。

USB Type-Cの仕様チェック

USB Type-Cポートの機能
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本体裏面にあるUSB Type-Cポートは、USB PD(USB Power Delivery)対応です。15 W(5.0 V x 3.0 A)~ 65 W(20.0 V x 3.25 A)まで対応。

映像出力モード(DP Alt Mode)も備え、対応するノートパソコンやタブレットを接続すれば、Type-Cケーブル1本で急速充電とマルチディスプレイ化が可能です。

ASUS Vivobook OLED 15で試した感じ、充電しながら最大4K 120 Hz(10 bit)まで確認できました。

NIMASO / 長さ:1メートル / USB PD:100 W / DP Alt Mode:4K@60 Hz / 転送レート:40 Gbps / 備考:USB IF認証取得
USB Type-Cポートの性能
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  • USB BC:対応(v1.2)
  • USB PD:最大65 W
  • DP Alt Mode:対応

負荷シミュレーターを挿し込み、電圧を20.0 Vに、電流を3.32 Aまで盛り付けるとメーカー公称値の65 Wを実際に出せます

やかもち
1本3役こなせる「Type-C」が付いてて便利です。

謎に高音質な内蔵スピーカー(5 W)

スピーカーの音質特性
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スタンダードカスタムオーディオ

DELL S2725QC-Aは出力5 Wのステレオスピーカーを内蔵します

Windowsの起動音が妙に豊かに聞こえて、デスクがわずかに揺れるほどの大音量です。マイクで音質を測定すると、なんと低音域は80 Hzから、高音域は15000 Hz前後まで出ています。

OSD設定 > オーディオプロファイル > カスタムオーディオから、イコライザー機能(EQ)を適用できます。

  • 低音:+3
  • 中低音:0
  • 中音:0
  • 中高音:+3
  • 高音:+5

以上のEQ設定で、スカスカ気味な低音域を多少マシに改善しつつ、曇りがちな高音域を透明度高めに晴らせます。

やかもち
モニター内蔵スピーカーとして、主観的スコアは★4です。やっぱり低音域を多少出せると一気にマシな音質に聴こえます。

モニターの設定画面(OSD)

モニター本体の裏面右側に「5方向ボタン」を使って、OSD設定を操作できます。

モニター設定画面(OSD)
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DELL S2725QC-Aレビュー(OSD設定画面)DELL S2725QC-Aレビュー(OSD設定画面)
DELL S2725QC-Aレビュー(OSD設定画面)DELL S2725QC-Aレビュー(OSD設定画面)
DELL S2725QC-Aレビュー(OSD設定画面)DELL S2725QC-Aレビュー(OSD設定画面)

5方向ボタンでスピーディーな操作性です。右に倒して決定・進む、左に倒してキャンセル・戻る、ボタンを押し込む動作をほとんど使わない設計です。

OSDレイアウトはASUSやBenQで見られる直感的に分かりやすいフォルダ階層型で、使いやすいです。

  • ショートカットボタン(最大5個まで)
  • 4方向トグルボタン

最短2回の操作で目当ての項目を開ける「ショートカット」が最大5個まで、最大1回の方向キーで目当てのメニューを開く「トグルボタン」が最大4方向まで対応。

上位モデル「Alienware」ブランドと同様に、使いやすく洗練されたOSDメニューです。

OSDソフト「Dell Display and Peripheral Manager」

「Dell Display and Peripheral Manager」
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DELL公式サイトからダウンロードできる、専用のフリーソフト「Dell Display and Peripheral Manager」に対応します。

パソコンから直接マウスやキーボードを操作して、OSD設定を変更できる便利なOSDソフトです。

たとえば、画面の明るさを時刻に合わせて設定できます。20時(夜8時)になったら明るさを30%に下げるなど、好みに合わせた柔軟な運用が可能です。

入力切替にショートカットキーの登録ができ、Shift + PageUpで次の入力に切り替えたり、任意のHDMIとUSB-Cポートを切り替えられます。

EasyArrange設定から、PIP / PBPの画面レイアウトの設定ができます。縦に3列や横に2行、同時に2画面や3画面まで、いろいろと設定できて感心です。

1台のマウスとキーボードで、複数のパソコンを行き来する「KVM」に関する設定も当然あります。

ソフトウェアの設定を外部ファイルに出力するエクスポート、出力したファイル(.json)から設定を読み込みインポートも対応。

全体的にオフィスワーク向けに最適化された便利なOSDソフトですが、OSD設定の細かい部分までは網羅できないです。

色温度のRGBバランスや、内蔵スピーカーのEQ設定など、ソフトウェアからアクセスできないOSD項目が体感3割くらいありました。

【おまけ】DELL S2725QC-Aの消費電力
消費電力
コンセントを経由して測定
表面温度
(サーモグラフィー)
SDRモード時消費電力
(平均値)
電力効率
(ワッパ)
最大輝度32.4 W9.4 cdm²/W
300 cd/m²32.7 W9.1 cdm²/W
120 cd/m²22.4 W5.4 cdm²/W
最低輝度18.1 W1.7 cdm²/W
HDRモード時消費電力
(平均値)
電力効率
(ワッパ)
ピーク輝度31.1 W11.5 cdm²/W
全白フラッシュ31.1 W11.5 cdm²/W
面積50%30.7 W11.7 cdm²/W
面積10%30.6 W11.7 cdm²/W

USB Type-CポートでUSB PD(USB給電)を使った場合、さらに最大75 Wくらい増えます。

DELL S2725QC-A:価格設定と代替案

DELL / サイズ : 27インチ / 解像度 : 3840 x 2160 / リフレッシュレート : 120 Hz / パネル : IPS / 保証 : 5年
参考価格
※2025/10時点
Amazon

2025年10月時点、DELL S2725QC-A実売価格は約4.6万円です。

4K 120 Hzゲーミングモニターとして平均的な価格設定ですが、DELL独自の「5年保証」や多機能なUSB Type-Cポート、意外と音質がいい内蔵スピーカーを考えると・・・。

コストパフォーマンスはかなり良いです。欲を言えば、DCI P3:95%程度の画質なら最高でした。

オフィス用途は不満なし

(競技ゲーを除けば)ゲームも楽しめます

やかもち
定価5万円台は高いけど、セール時の4万円台なら人気なのも納得。弱点を理解したうえで、安いときに狙ってみましょう。

おすすめ代替案(他の選択肢)を紹介

紹介できそうな代替案(レビュー記事)が無いです。

近いうちに、約4.6万円で4K 160 Hz(デュアルモード時320 Hz)に対応する「KTC H27P6」をレビューします。

期待どおりの性能なら、そちらを代替案にするかもしれません。ダメだったら4万円台の格安4K強者はDELL S2725QC-Aが制する予感。

4Kでおすすめなゲーミングモニター

最新のおすすめ4Kゲーミングモニター解説は↑こちらのガイドを参考に。

4KでおすすめなゲーミングPC【解説】

最新AAAゲームを4K画質でプレイするなら、RTX 5070 Ti」以上を搭載したゲーミングPCがおすすめです。

おすすめなゲーミングモニター【まとめ解説】

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3 件のコメント

  • 144Hz程度の使ってるけど、まあボケるな。
    数年前のMSIのフラッグシップだから色はいいけど。
    今度買うのが有機ELか、ちょっぱやIPSにするかスゲー悩む。
    新興勢力のメーカーのは買わんと思うけど、有機は高めだな。

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