Samsung 870 EVOをレビュー:SATA SSD最強の座を3年ぶりに更新

長らくSATA SSDの定番モデルに君臨しつづけたサムスンの「860 EVO」に、3年ぶりの新モデル「870 EVO」が登場。

860の時点で既にSATA規格の限界性能に到達してしまった感があるものの、サムスンは870でさらなる飛躍を狙うようです。では、遠慮なく860 vs 870のベンチマークバトルを始めます。

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Samsung 870 EVO【仕様】

Samsung / NAND : Samsung製128L TLC NAND / 性能 : 最大560 MB秒 / 容量 : 500 GB / 耐久性 : 300 TBW / 保証 : 5年
Samsung 870 EVO
スペックをざっくりと解説
製品名870 EVO 250 GB870 EVO 500 GB870 EVO 1 TB870 EVO 2 TB870 EVO 4 TB
容量250 GB500 GB1000 GB2000 GB4000 GB
インターフェイスSATA 3.0(6 Gbps)
フォームファクタ2.5インチ(7 mm厚)
コントローラSamsung MKX Metis
NANDSamsung 128層 3D TLC NAND
DRAMSamsung LPDDR4
512 MB512 MB1024 MB2048 MB4096 MB
SLCキャッシュ12 GB22 GB42 GB78 GB78 GB
読込速度
シーケンシャル
560 MB/s560 MB/s560 MB/s560 MB/s560 MB/s
書込速度(SLC)
シーケンシャル
530 MB/s530 MB/s530 MB/s530 MB/s530 MB/s
書込速度(TLC)
シーケンシャル
300 MB/s300 MB/s530 MB/s530 MB/s530 MB/s
読込速度
4KBランダムアクセス
13000 IOPS13000 IOPS13000 IOPS13000 IOPS13000 IOPS
書込速度
4KBランダムアクセス
36000 IOPS36000 IOPS36000 IOPS36000 IOPS36000 IOPS
消費電力(最大)2.2 W2.2 W2.5 W2.5 W2.5 W
消費電力(アイドル)30 mW30 mW30 mW35 mW35 mW
TBW
書き込み耐性(JESD218標準)
150 TB300 TB600 TB1200 TB2400 TB
保証5年
MSRP$ 40$ 70$ 130$ 250$ 480
参考価格4980 円6980 円11480 円27280 円不明
GB単価19.9 円14.0 円11.5 円13.6 円

Samsung 870 EVOのスペック表です。容量は250 GB ~ 4 TB(4000 GB)の5つをラインナップ。耐久性能と価格は従来モデルの860 EVOとほぼ同じです。

500 GBモデルで両者を比較
SSD870 EVO860 EVO
NAND128層 TLC NAND64層 TLC NAND
SLCキャッシュ22 GB22 GB
読込速度
シーケンシャル
560 MB/s550 MB/s
書込速度(SLC)
シーケンシャル
530 MB/s520 MB/s
書込速度(TLC)
シーケンシャル
300 MB/s300 MB/s
読込速度
4KBランダムアクセス
13000 IOPS10000 IOPS
書込速度
4KBランダムアクセス
36000 IOPS42000 IOPS
MSRP$ 70$ 70
参考価格6980 円6490 円

スペック上の性能はやや改善されています。NANDフラッシュメモリが64層から一気に2倍の128層まで積み上げられ、読み込み速度はそれぞれ10 MB/sずつ向上。

ただし、キャッシュ超過後の書き込み性能(素の性能)は、どちらも変わらず300 MB/sです。64層 → 128層まで積み上げたのに素の性能が変わらないなんて、にわかに信じがたいですね。

4KBランダムアクセス速度は読み込みが約30%も伸びている一方で、書き込みは約14%下がっています。サムスンいわく、860 EVOのスペックシートはWindows 7で測定した結果。

870 EVOのスペックシートはWindows 10で測定した結果とのこと。つまりランダム書き込みが遅くなっているのはWin 10が原因であって、OSを揃えれば性能差は無いらしい。

「870 EVO」でサムスンは何を訴求したいの?

870 EVOと860 EVO

ここまで870 EVOと860 EVOのスペック比較を書いていて、ふと「3年も待たせた割には性能差が地味すぎないか?」と疑問が湧いてきました。

結局、サムスンは3年ぶりに出した「870 EVO」で何を目指したいのか。Samsung Newsroom(英語サイト)のプレスリリースより、一番強く主張されている一文を引用します。

New 870 EVO is ideal for both general and professional use
38% higher random read performance speeds up everyday computing tasks
30% improved sustained performance further extends SSD endurance

Samsung Newsroom より

DeepL翻訳で日本語化して以下にまとめます。

  • ランダムリード性能が38%高速化
  • 日常的な使い方で性能アップ
  • 持続的な性能は30%向上

ランダムリード性能の改善によって、日常的なタスクで性能アップを実現。そして持続的な性能は30%も向上した、とのこと。

見かけのスペックはSATA規格が壁になって伸びしろが無いですが、サムスンとしては実用性能のさらなる改善で860 EVOと差別化を狙っているようです。

ライバル製品と価格設定の比較

Samsung 870 EVOの価格を比較

870 EVOの価格設定はかなり競争力が強いです。

サムスンによる完全なメーカー純正品かつ、128層まで積み上げたTLC NAND搭載モデルが、他社の似たようなスペック品より数%高い価格で購入できます。

しかし、あと1000円足すとNVMe SSDの「WD Blue SN550」に手が届いてしまうため、システムストレージとして買うならSN550を選ぶユーザーが多数派になりそうな予感。

Samsung 870 EVOを開封レビュー

パッケージデザイン & 開封

Samsung 870 EVOをレビュー(パッケージデザイン)

Samsung 870 EVOのパッケージデザインは「縦型」に刷新され、ロゴがよく目立つ背景色に変更されてます。

Samsung 870 EVOをレビュー(パッケージデザイン)

パッケージの表と裏です。裏面に国内代理店ITGマーケティング社の保証シールが貼ってあります。

Samsung 870 EVOをレビュー(付属品など)

中身はスライドして引っ張り出すタイプ。860 EVOと同じく、プラスチック製のケースにマニュアルとSSD本体が収まっている形式です。

Samsung 870 EVOをレビュー(付属品など)

付属品はマニュアルのみ。

Samsung 870 EVOをレビュー(外観デザイン)

870 EVOの筐体デザインは、860 EVOと瓜二つ。細かい違いはありますが、パッと見だとほとんど違いが分かりません。

Samsung 870 EVOをレビュー(外観デザイン)

正面から見ると870と860の見分けがつかないです。

基板コンポーネント

Samsung 870 EVOの内部写真(基板コンポーネント)

筐体は3箇所のネジによって封印されています。ネジの規格は「4IPF(5角トルクス)」です。

Samsung 870 EVOの内部写真(基板コンポーネント)

870 EVO(500 GB版)の基板はたったのコレだけ。2.5インチ筐体の半分も埋まってません。

Samsung 870 EVOの内部写真(基板コンポーネント)

裏面に主要なコンポーネントの実装なし。とても少ない部品数で容量500 GBを実現しており、製造技術の進歩をひしひしと感じます。

Samsung 870 EVOの内部写真(基板コンポーネント)
  • SSDコントローラ:Samsung MKX(Metis)
  • DRAM:Samsung LPDDR4(512 MB)
  • NAND:Samsung 128層 3D TLC NAND

主要コンポーネントはすべてサムスン製です。SSD製品として極めてまれな「完全メーカー純正品」です。

Samsung 870 EVOの性能をベンチマーク

テスト環境を紹介

テスト環境
「ちもろぐ専用:SSDベンチ機」
CPURyzen 9 5950X16コア32スレッド
CPUクーラーCorsair H100i Pro RGB240 mm簡易水冷クーラー
マザーボードASUS ROG STRIXX570-E GAMING
メモリDDR4-3200 16GB x2使用メモリ「G.Skill Trident Z C16」
グラフィックボードRTX 3070 8GB
SSDSamsung 870 EVO 500 GB
電源ユニット1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」
OSWindows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1909」
ドライバNVIDIA 461.40
ディスプレイ3840 x 2160@60 Hz使用モデル「BenQ EL2870U

SSDをテストする新しいベンチマーク機です。PCIe 4.0に対応するプラットフォーム「Ryzen 5000」と「AMD X570」をベースに、適当なパーツを組み合わせます。

CPUは16コア32スレッドの「Ryzen 9 5950X」です。16コア32スレッドの圧倒的なCPU性能があれば、SSDに対してボトルネックになる可能性はほぼ皆無です。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(Crystal Disk Info)
  • インターフェース:Serial ATA
  • 対応転送モード:SATA / 600(6 Gbps)
  • 対応規格:ACS-4
  • 対応機能:S.M.A.R.T. / NCQ / TRIM / DevSleep

「Samsung 870 EVO(500 GB)」の初期ステータスをCrystal Disk Infoでチェック。特に問題なし。

Crystal Disk Mark 8

「Crystak Disk Mark 8」は、日本どころか世界で一番有名と言っても過言ではない、定番のSSDベンチマークソフトです。性能の変化をチェックするため、初期設定の「1 GiB」に加え、最大設定の「64 GiB」もテストします。

Crystal Disk Mark 8の結果※クリックで画像拡大します
Samsung 870 EVO(Crystal Disk Mark 8で応答時間を比較)Samsung 870 EVO(Crystal Disk Mark 8で応答時間を比較)
テストサイズ:1 GiB(MB/s)テストサイズ:64 GiB(MB/s)
Samsung 870 EVO(Crystal Disk Mark 8で応答時間を比較)Samsung 870 EVO(Crystal Disk Mark 8で応答時間を比較)
テストサイズ:1 GiB(レイテンシ)テストサイズ:64 GiB(レイテンシ)

1 GiBサイズでも読み込みが550 MB/s、書き込みは488 MB/s程度でした。どちらもメーカー公称値に届かない結果です。

実はSATAポート接続だとマザーボードによって10 MB/sくらいは簡単に変動してしまうので、特に気にしてません。もっと重要なのは「ランダムリードが38%高速化」の方です。

Crystal Disk Mark 8の結果※クリックで画像拡大します
Samsung 870 EVO(Crystal Disk Mark 8で応答時間を比較)Samsung 860 EVO(Crystal Disk Mark 8で応答時間を比較)
870 EVO(64 GiB)860 EVO(64 GiB)

テストサイズ64 GiBで870 EVOと860 EVOを比較した結果がこちら。870 EVOは38.46 MB/s、860 EVOは27.37 MB/sで、性能差はなんと40.6%に達します。

初期設定の1 GiBだと大差無いのに、64 GiBまで広げてようやく性能差が出た理由。おそらく、870 EVOのキャッシュ超過後の性能に違いが生じているから、と予想できます。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(Crystal Disk Mark 8)

体感性能に影響が大きい、4KBランダムアクセスのレイテンシ(応答時間)を比較したグラフです。テストサイズ1 GiBだと、レイテンシは両者ともに僅差です。

やかもち
「ランダムリードが38%高速化」をとりあえず確認できました。

ATTO Disk Benchmark

Samsung 870 EVOをベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

ATTO Disk Benchmarkは、512 B~64 MB(合計21パターン)のテストサイズでスループットを測定し、SSDの性能が安定しているかどうかを視覚的に示してくれるベンチマークソフトです。

ベンチマーク結果からSSDの評価が非常に分かりにくいので、表計算ソフトを使ってグラフ化して他のSSDと比較します。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

読み込み速度は500 MB/s台でどちらもほとんど性能差がありません。SATA 3.0の帯域上限です。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

書き込み速度もまったく同じです。ピーク到達後は520 MB/s前後の書き込み性能です。

やかもち
シーケンシャル性能では、870 EVOと860 EVOに性能差がほぼ出ません。

HD Tune Pro

HD Tune Proは有料のSSDベンチマークソフトです。SSDの容量全域に渡ってテストを実行して、SSDの性能変化(SLCキャッシュの有無や、キャッシュが剥がれた後の性能など)を手軽に調べられます。

HD Tune Proの結果※クリックで画像拡大します
Samsung 870 EVOをベンチマーク(HD Tune Pro)
  • 読み込み速度:437.3 MB/s
  • アクセスタイム:0.065 ms
Samsung 870 EVOをベンチマーク(HD Tune Pro)
  • 書き込み速度:362.4 MB/s
  • アクセスタイム:0.038 ms
Samsung 870 EVOをベンチマーク(HD Tune Pro)
  • 読み込み速度:534 MB/s
  • 書き込み速度:338 MB/s
  • SLCキャッシュ:22 GB

HD Tune Proで注目するのは「書き込み速度の変化」です。3枚目のファイルベンチマーク(125 GB分)で、22 GB書き込んだあたりで書き込み速度が300 MB/s前後に落ちています。

メーカーの公称値どおり、870 EVO(500 GB)のSLCキャッシュは22 GB前後です。

Samsung / NAND : Samsung製128L TLC NAND / 性能 : 最大560 MB秒 / 容量 : 500 GB / 耐久性 : 300 TBW / 保証 : 5年

Samsung 870 EVOを実運用で試す

ゲームのロード時間を比較

FF14:漆黒のヴィランズ(ベンチマークモード)で、ゲームロード時間を測定します。ベンチマーク終了後に、ログファイルからロード時間を読み取ります。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(FF14のゲームロード時間)

Samsung 870 EVOのロード時間は「9.19 秒」で、先代の860 EVOより1割もロード時間を削減します。

比較できるデータが少ないので、SATA SSDとしてどれくらい速いのかはなんとも言い難いですが、少なくとも860 EVOより高速化しています。

ファイルコピーの完了時間

今回のテストから「DiskBench」を使って、ファイルコピーに掛かった時間を計測します。

  • ゲームフォルダ(容量65 GB / 76892個)
  • 写真ファイル(容量113 GB / 6000枚)
  • 圧縮データ(容量128 GB / zip形式)

ファイルコピーに使う素材は以上の3つ。ファイルコピーの基準となるストレージは、PCIe 4.0対応かつ書き込み性能が高速なSamsung 980 PRO(1 TB)です。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(ファイルコピーに掛かった時間)

読み込み(870 EVO → 980 PRO)は若干870 EVOが速いものの、大きな性能差は見られません。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(ファイルコピーに掛かった時間)

書き込み(980 PRO → 870 EVO)は誤差とは言えないレベルの大きな性能差です。ゲームフォルダ、写真、zipファイルどれをとっても870 EVOの方が明らかに速いです。

サムスンのスペックシートいわく、素の書き込み性能はどちらも300 MB/sだったはず。しかし実際のファイルコピーでは870 EVOの方が、より速く書き込みます。

Premiere Pro:4K素材プレビュー

動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」で、1秒あたり448 MBの4K動画素材をプレビューします。Premiere Proのプレビューは、素材を配置しているストレージの性能に影響を受けやすく、SSDの性能が不足すると「コマ落ち」が発生しやすいです。

コマ落ちしたフレーム数はPremiere Proの標準機能「コマ落ちインジケータ」で3回測定して平均値を出し、動画素材の総フレーム数で割り算してドロップフレーム率を計算します。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(Premiere Pro 4Kプレビュー)

870 EVOは約67%もフレームを落とします。一方、860 EVOは約69%コマ落ちしていて、870 EVOよりもドロップフレーム率が高いです。

Samsung 870 EVOをベンチマーク(Premiere Pro 3Kプレビュー)
Samsung 870 EVOをベンチマーク(Premiere Pro 2Kプレビュー)

1秒あたり251 MBの素材だと約40%のドロップフレーム率、1秒あたり176 MBの素材では約16%のドロップフレーム率で、どちらも860 EVOより抑えられています。

サムスンの主張通り、日常的なワークロードにおける性能は確かに860 EVOより改善されている様子がうかがえます。

PCMark 10:SSDの実用性能

PCMark 10 Storage Testについて

PCMark 10 Professional Editionの「Storage Test」を使って、SSDの実際の使用シーンにおける性能を測定します。

Storage Testには23種類のテストパターン(Trace)が収録されており、パターンごとの転送速度や応答時間を測定し、SSDの実用性能をスコア化します。

なお、SSDは空き容量によって性能が大きく変化する可能性があるため、空き容量100%だけでなく容量を80%埋めた場合のテストも行いました(※2回:約2時間)

Samsung 870 EVOの実用性能をPCMark 10でテスト
Samsung 870 EVOの実用性能をPCMark 10でテスト
Samsung 870 EVOの実用性能をPCMark 10でテスト

870 EVOの実用性能スコアは1078点、旧モデルの860 EVOは794点で、両者のスコア差は約36%に達します。応答時間と実効帯域幅も高速化しました。

「日常的な使い方で性能アップ」・・・という漠然としたサムスンの謳い文句を、PCMark 10の実用性能テストで確認できた形です。サムスンは具体的な数値を挙げていませんが、今回のテストではおよそ3割です。

SATA SSDの最高峰として長らく君臨してきた860 EVOを、さらに3割以上も上回る実用スコアはなかなかインパクトがあります。空き容量による性能変化も870 EVOでは全く見られず、安定性も良好です。

Samsung 870 EVOの実用性能をPCMark 10でテスト
Samsung 870 EVOの実用性能をPCMark 10でテスト
Samsung 870 EVOの実用性能をPCMark 10でテスト
Samsung 870 EVOの実用性能をPCMark 10でテスト

Adobe系ソフト、ゲームロード時間の評価スコア、ファイルコピー性能のスコア、Microsoft Office系ソフトの評価スコア。それぞれの実用性能スコアは以上の通りです。

4パターンすべてのスコアで、870 EVOは860 EVOを上回ります。シーケンシャル性能などの分かりやすい性能に変化は無くても、実用性能は明らかに改善されています。

実用スコアの内訳
Full System Drive Benchmark
Adobe ScoreAdobe Acorbatの起動
Adobe After Effectsの起動
Adobe Illustratorの起動
Adobe Premiere Proの起動
Adobe Lightroomの起動
Adobe Photoshopの起動
Adobe After Effets
Adobe Illustrator
Adobe InDesign
Adobe Photoshop(重たい設定)
Adobe Photoshop(軽量設定)
Game ScoreBattlefield Vの起動(メインメニューまで)
Call of Duty Black Ops 4の起動(メインメニューまで)
Overwatchの起動(メインメニューまで)
Copy Score合計20 GBのISOファイルをコピー(書き込み)
ISOファイルを作成してコピー(読み込みと書き込み)
ISOファイルをコピー(読み込み)
合計2.37 GBのJPEGファイルをコピー(書き込み)
JPEGファイルを作成してコピー(読み込みと書き込み)
JPEGファイルをコピー(読み込み)
Office ScoreWindows 10の起動
Microsoft Excel
Microsoft PowerPoint

15分間の連続書き込みテスト

約1 MBのテストファイルを15分間に渡って、ただひたすら書き込み続ける過酷な検証方法です。

一般向けに販売されているほとんどのSSDは、数分ほど連続して書き込むだけで「素の性能」を明らかにできます。SLCキャッシュの有無やサイズ、キャッシュが切れた後の性能低下などなど。

15分の連続書き込みテストによって、SSDのいろいろな挙動が判明します。

Samsung 870 EVOの連続書き込み性能(15分)をテスト

870 EVOと860 EVOの比較グラフです。

どちらもキャッシュが効いている間の性能はほぼ同じ、SLCキャッシュサイズも約22 GBでスペック通り。しかし、キャッシュが切れた後の書き込み性能は870 EVOの方が優秀です。

素の書き込みを平均すると870 EVOは平均367 MB/sで、860 EVOは平均310 MB/sです。性能差は約18%ほど、サムスンの言う「持続的な性能は30%アップ」に届かないものの、性能は明らかに上がってます。

Samsung 870 EVOの連続書き込み性能(15分)をテスト

時間あたりの書き込み量を比較したグラフです。当然ながら、素の書き込み性能が速い870 EVOの方が、同じ時間でよりたくさんのデータを書き込めます。

やかもち
データシート上は同じ300 MB/sなのに、実際には870 EVOの方が速くて少しホッとしました。

SSDの動作温度をテスト

高負荷時のセンサー温度

モニターソフト「HWiNFO」で表示できる温度センサーは1つです。

  • Drive Airflow Temperature:NANDの温度

一般的な他のSSDと同じく、NANDフラッシュメモリの温度を表示するセンサーが搭載されています。

Samsung 870 EVOのSSD温度をテスト(高負荷時)

ヒートシンクとエアフローの無い環境で、SSDが発熱しやすい「連続書き込みテスト」を5分間実行しました。

温度は29℃ → 43℃へ上昇します。SATA SSDらしい、ごく普通の温度です。サーマルスロットリングらしき性能低下も特に確認できず、安定した動作です。

サーモグラフィーで表面温度を確認

Samsung 870 EVOの表面温度(サーモグラフィー)

テスト開始から4分あたりをサーモグラフィーカメラを使って撮影しました。表面温度は34~35℃くらいで穏やか、コネクタ部分は36℃前後です。全体的におとなしい発熱です。

まとめ:依然としてSATA SSDの最高峰

870 EVOと860 EVO
Samsung / NAND : Samsung製128L TLC NAND / 性能 : 最大560 MB秒 / 容量 : 500 GB / 耐久性 : 300 TBW / 保証 : 5年

「Samsung 870 EVO」のデメリットと弱点

  • 見かけの性能は860 EVOと大差なし
  • 860 EVOより価格がわずかに高い

870 EVOの弱点はほとんど無いです。見かけの性能・・・つまりシーケンシャル性能の変わり映えのしなさは、製品の問題ではなくSATA 3.0という更新する気のない規格側の問題です。

価格設定は希望小売価格ベースだと860 EVOとまったく同じ。国内価格はわずかに高いですが、860 EVOの在庫状況や販売店の施策次第で変化します。

「Samsung 870 EVO」のメリットと強み

  • SATA 3.0の上限性能
  • 実用性能は36%アップ
  • SATAとしてはロード時間が速い
  • 必要十分な耐久性(150 ~ 2400 TBW)
  • 空き容量による性能変化が小さい
  • おとなしい温度
  • コストパフォーマンスOK
  • 5年保証

870 EVOは「3D NANDの積層数を増やすと性能アップが可能」を分かりやすく示す、良い見本です。NANDを64層 → 128層まで積み上げたおかげで、素の書込性能が改善し、レイテンシも短縮化。

PCMark 10で測定した実用性能において、870 EVOは860 EVO比較で約36%も性能アップ。SATA SSDとしておそらく最高クラスの性能を実現します。

そして価格設定は860 EVOと同じで、耐久評価(TBW)は860 EVOと同等、5年間の製品保証も付いてきます。SATA SSDとしてコストパフォーマンスも文句なし。

Samsung 870 EVOの評価まとめ

860 EVOの後継モデルにふさわしい出来栄えと評価できます。依然としてSATA SSDの最高峰であり、とりあえず迷ったらコレといえる高品質 & 高コスパなSATA SSDです。

以上「Samsung 870 EVOをレビュー:SATA SSD最強の座を3年ぶりに更新」でした。

やかもち
ちもろぐの個人的な評価は「A+ランク」で決まりです。

870 EVOを入手する

Samsung / NAND : Samsung製128L TLC NAND / 性能 : 最大560 MB秒 / 容量 : 500 GB / 耐久性 : 300 TBW / 保証 : 5年
Samsung / NAND : Samsung製128L TLC NAND / 性能 : 最大560 MB秒 / 容量 : 1 TB / 耐久性 : 600 TBW / 保証 : 5年
Samsung / NAND : Samsung製128L TLC NAND / 性能 : 最大560 MB秒 / 容量 : 2 TB / 耐久性 : 1200 TBW / 保証 : 5年

Samsung 870 EVOはAmazonやツクモ通販、パソコン工房などで購入できます。500 GB版が6980円、1 TB版は11480円、2 TB版は27280円です。容量単価は1 TBがもっとも安価です。

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22 件のコメント

  • ゲームでのロード時間ってどうなんですかね?
    YouTubeでSATA接続とNVMe接続の比較ですらゲームロード時間だと1割くらいしか違わなかったりしてますけど

    • ゲームのロード時間はFF14ベンチやPCMark 10 Storage Testなど、決まったパターンで比較するなら、SLCキャッシュの使いこなし等で「差」がつけやすい傾向があります。

      実際のゲームプレイだと読み込まれるデータの傾向が毎回若干変わってくる影響で、性能差が出づらいと思われます。

  • 最近見かけた衝撃的なレビューでゲームとかのロード速度はCPUにも依存しているよって書かれていたこと、確かに考えればわかることなのに色んなレビュー見てこっちの方が速いじゃないか!って思ってた時が、相変わらず俺ってアホだなって。
    まぁだから過去のSSDと見比べる時、ベンチは同じ環境で比べないといけないので毎回測定しなおしてると考えるとレビューする人はすごいなぁ。

    • RTX 2060からRTX 3070に切り替えた結果、FF14ベンチのロード時間が全体的に短縮化され、SSDの性能差も若干出やすくなった感じがありますね・・・。
      超高帯域なGDDR6Xメモリを積んでるRTX 3080以上だと更に差が出やすいかもしれません。

      • GPUも関係するのか(白目)
        良いSSD使って速くロードしたいならRTX3090も無ければいけないとか…くっころ案件かな?w

  • 最近購入して使用中ですが、温度が凄く低く安定しています。
    MX500と比較して常に10℃程度低く寒いと結露するのでは?と不安に感じました。
    性能は頭打ちですが使い勝手の良いSSDだと思います。

  • 最大の進化は1TBモデルが15,000円もして高性能高価格だった860EVOから一転、他社製品と同程度の価格を維持しつつ高性能を実現したことだよなあ。まさしく最優のSSD

    • あー…これは掲載方法に問題があったかも。

      FF14ベンチ以外のゲームロード時間については、「PCMark 10:SSDの実用性能」にある「ゲームロード時間の評価スコア」を見てくれれば。

      評価スコアの内訳は以下のようになってます。
      ・Battlefield Vの起動(メインメニューまで)
      ・Call of Duty Black Ops 4の起動(メインメニューまで)
      ・Overwatchの起動(メインメニューまで)

      なお、自分で用意したセーブデータで検証する方法は、ちょっと検討中です。MMOPRGだと他プレイヤーの状況やゲーム鯖の影響で検証に使えず、Cyberpunk 2077などの最新ゲームも、毎回ロードされる天候、NPCの人数やテクスチャに違いが大きく、SSDだけの性能比較になりづらいのが難点・・・なんですよね。

  • 確か64層以上のTLCは、1TB以上のモデルだと
    キャッシュ切れによる速度低下が起こらない(SATAの場合)らしいです。
    128層でも500GBモデルだと速度低下が起こるのは参考になりましたが、
    それが起こらない1TBモデル同士の比較だと、870が「完全勝利」になるのか
    気になりますね。容量単価最強も1TB級にシフトしましたし。


    • ぼくが持ってる860 EVO 1TB(M.2版)だと、15分テストやHD Tune Proの書き込みテストで、一貫して500 MB/s台を維持してます。1TB版もグラフをよく見るとキャッシュ切れによる性能低下が見られますが、SATA 3.0の帯域上限(6 Gbps)を大幅に下回るほどではないようです。
      1TB版の870 EVOが860 EVOに対して勝てる要素は、実用性能の高さやランダムリード性能ですね。最近は差額が300円まで縮小することも多いので、どうせ買うなら870 EVOで良いかなと思います。

  • サムスンのSSDのmtbfが一律150万時間なのは何故なのでしょうか。
    TLC系はまだ分かりますが、MLCの970proや860proもそうです。
    ほかのメーカーのフラッグシップだと200万時間が多いような気がしますが、あえて控えめな設定にしてる?

  • 最近は同じような価格帯でnvmeTLCが売ってあるけど、それを考えるとこの製品はm.2を付けられないpc向けということでしょうか?それとも何か優位性があるのか…素人な私にはわかりません…

    • このブログでもよく書かれてるように、基本的にsamsungSSDは全自社製で高品質製品なので。他の安いNVMeとかだといわゆるガチャなどと言うように、使用パーツが個体によって違うので不安定やスペックシートからかけ離れた製品を掴む可能性もあります。
      あとは基本的にSataのほうが低発熱、基板が一切露出してないので持ち運びも非常に容易と使い勝手に勝ります。(個人の感想ですが)
      また仰るとおり、スロット制限の問題もありますね。特にローエンドではM.2スロットがないマザーボードもまだまだ現用されていますし、今のミドル~ハイ価格帯などでも、M.2スロットは2~3個が大半で、多ストレージ運用するユーザーならSataを使うことになるでしょう。

      • 返信ありがとうございます。なるほど、自社パーツで固めて生産している品質を保証できるということですか。教えてくださりありがとうございます。参考になりました。

  • コメント失礼します。
    4月18日現在価格.comで、870EVO 500GB とSanDisk ウルトラ 3D SSD との
    価格差が900円ほどあるのですが、870EVOが少しだけ高い分の価値ってありますか?

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