ASUSより革新的なガジェット「ROG BEZEL FREE KIT(ABF01)」が登場。マルチディスプレイ環境でありがちな「ベゼル」を、キレイに消してしまうガジェットです。ASUSさんに貸し出してもらったので、使ってみた感想をレビューするよ。
ベゼルが消える「ROG BEZEL FREE KIT(ABF01)」
- ROG Bezel-Free Kit(asus.com)
- ROG Bezel Free Kit ABF01(amazon)
「ROG Bezel Free Kit」は、マルチディスプレイ環境でほぼ必ず発生する、ディスプレイ間の「ベゼル」を見えなくするガジェットです。
透過率90%のプラスチック製の板を、120 ~ 130°の角度で屈折させて中央にあるベゼルを視覚的に見えないようにする仕組みです。
「ROG Bezel Free Kit」の仕様と互換性
ROG Bezel Free Kit ABF01 | |
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互換性 | 27インチ未満で平面であること |
モニターのベゼル幅は13 mm未満 | |
モニターの厚みは20 mm以上 | |
ユニットサイズ | 幅102 mm × 奥行き549 mm × 高さ557 mm |
クリップサイズ | 幅74 mm × 奥行き1.3 mm × 高さ402 mm |
保証 | 1年間(日本国内) |
参考価格 | 16020 円(北米109ドル) |
注意点は「互換性」です。
120 ~ 130°の角度で屈折させてベゼルを見えなくする。という仕組みなので、わずかな角度の違いがベゼルフリー効果に大きく影響します。
- モニターの画角は「27インチ未満」
- モニターの形状は「平面」
- 各モニターのベゼル幅は「13 mm未満」
- モニターの厚みは「20 mm以上」
スペックによれば、ベゼルフリー効果を最大限に発揮できるモニターは以上のとおりです。意外と条件が多く、使っているモニターによってはベゼルフリー効果を上手く発揮できない可能性があります。
対応モデルASUS公式サイトより | |
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24インチ | VG245G / VG245HE / VG245HE-J / VG245HY / VG245Q / VG248QG / MG248QR / MG248QE |
24.5インチ | VG255H / VG258Q / VG258QR / VG258QR-J / VG259Q / VG259QM / XG258Q / PG248Q / PG258Q |
27インチ | VG278Q / VG278QE / VG278QF / VG278QR / VG278QR-J / VG279Q / VG279QM / VG27AQ / VG27AQE / VG27BQ / PG278Q / PG278QR / PG278QE / PG279Q / PG279QE / PG279QZ / PG27AQ |
なお、ASUSブランドのゲーミングモニターは基本的に対応しています。
パーツの素材はプラスチック製で、透過率90%をアピールする屈折ユニットも、基本的にはプラスチック製です。しかし価格設定は109ドルで、日本国内の想定予価は「16020 円」でかなり強気。
アイディアは非常に良いガジェットではあるものの、何かと条件も多く、価格設定もちょっと割高感があります。
「ROG Bezel Free Kit」をレビュー
パッケージと付属品
パッケージはASUS ROGらしく、シンプルデザインです。
シールが貼ってある方から開封して、中身を引っ張り出す感じ。
- 固定用のクリップ(4個)
- 透過プラスチック板(2枚)
- 紙製の分度器(角度を測るやつ)
- 説明書
付属品は必要最低限の内容です。
透過プラスチック板を、モニターに固定するためのクリップです。
説明書は「イラスト」で、取り付け方法を分かりやすく解説してます。
モニターに取り付ける
付属品の「分度器」を使って、モニターとモニターの間にある角度を合わせます。ただし、あくまでも目安で、分度器にピッタリ合わせたからと言ってベゼルフリー効果が100%発揮されるわけではないです。
実際には、自分の目で見ながら角度を調整する必要があります。
- 分度器で角度を合わせる
- モニター本体をなるべく垂直にする
- ベゼルとベゼルが平行になるように
上記3つのポイントに気をつけながら、3枚のマルチディスプレイ環境を調整しました。モニターサイズは24インチです。
クリップでモニターをガチっと挟み込むように取り付けます。そして透過プラスチック板を、クリップの穴に挿し込みます。
反対側から見ると、なぜモニターの厚みが20 mm以上も必要なのかが、よく分かります。20 mm以下だとしっかり挟めない構造です。
今回使ったモニターは「Pixio PX247」と「ASUS VZ239」ですが、どちらも上下非対称な厚みのモニターです。下の方は分厚くて、上の方はものすごく薄い・・・けれど何とかなるでしょう。
クリップが挟みきれず、ちょっとグラついてます。モニターとクリップの間に紙粘土などを挟んで、厚みを追加すれば問題ないと思います(少なくとも、モニターを買い換えるよりは安く済むでしょう)。
取り付け完了です。
もう一方も同じ流れで取り付けます。
なお、透過プラスチック板をよく見ると、向きが書いてあるので取り付ける位置に注意してください。「左用」「右用」に分かれています。
ROG Bezel Free Kitの取り付けが終わりました。
ベゼルフリー効果を試してみる
画面をつけると、透過プラスチック板が光を屈折させて、モニター間の「ベゼル」を割といい感じにステルス化。
見る角度によってベゼルフリー効果の効き方はかなり変わるので、普段のポジションに合わせて画面の角度を調整する必要はありそうです。
透過率は90%なので、モニターの発色は若干ながら色あせた感じになります。
モニターとクリップが上手く固定できていないと、写真のように上下でズレる場合も。
- モニターとクリップの間に「何か」を挟んで固定をしっかり
- 上下ともに厚みが20 mm以上のモニターを用意する
上下でズレる原因は、クリップの固定不足です。きちんと固定できるように、紙粘土を挟んだり、厚みが20 mm以上のゲーミングモニターを用意しましょう。
対応モデルASUS公式サイトより | |
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24インチ | VG245G / VG245HE / VG245HE-J / VG245HY / VG245Q / VG248QG / MG248QR / MG248QE |
24.5インチ | VG255H / VG258Q / VG258QR / VG258QR-J / VG259Q / VG259QM / XG258Q / PG248Q / PG258Q |
27インチ | VG278Q / VG278QE / VG278QF / VG278QR / VG278QR-J / VG279Q / VG279QM / VG27AQ / VG27AQE / VG27BQ / PG278Q / PG278QR / PG278QE / PG279Q / PG279QE / PG279QZ / PG27AQ |
ASUSの製品ページによれば、基本的にASUSブランドのゲーミングモニターであれば対応しているようです。ちもろぐでレビュー済みの「VG259Q」「VG279QM」も対応してます。
NVIDIA Surroundでフル3画面ゲーミング
NVIDIAの設定画面から「Surround、PhysXの設定」を開きます。「Surroundを使用してディスプレイをスパンする」にチェックを入れ、すぐ下にある設定をクリック。
トポロジを「1 x 3」に変更して、Surroundを適用するモニターにチェックを入れます。有効化をクリックで設定が確定し、ゲームプレイ時に「5760 x 1080」としてモニターを認識できるように。
NVIDIA Surroundを有効化して「黒い砂漠」を起動してみた。見ての通り、3画面すべてにゲーム画面がつなぎ目なく表示され、ROG Bezel Free Kitと相性抜群です。
Surroundを適用したゲーム画面は、画面の左右端に近いほど画面の動きが激しくなります。だからBezel Free Kitの透過率90%の「色あせ」は、思ったよりも気にならないですね。
ベゼルフリー効果を「動画」でチェック
写真だとなかなか伝わりにくい部分も多いです。動画をいくつか撮影したので、参考にどうぞ。
Windows上でウィンドウを動かしたり、ブログやウェブサイトを閲覧する場合は、上下のズレやカーソルのわずかな移動ズレが気になります。
ROG Bezel Free Kitはゲーム専用に設計されており、ウェブの閲覧やスプレッドシートの操作などの一般的なコンピューティングタスクには推奨されません。
ROG Bezel Free Kit ABF01 | Monitor Accessories | ASUS USA より引用
公式サイトにも「普段使いには向かない。」と書いてあるので、ゲーム専用と割り切った方が良いでしょう。
こちらはゲームプレイを撮影した動画です。全画面ゲームプレイだと、視点が画面中央に偏りやすいのもあって、上下のわずかなズレはほとんど気にならないです。
より画面移動が激しいレーシングゲームなら、ROG Bezel Free Kitのベゼルフリー効果はかなり実用性の高いガジェットに仕上がっていると思います。
まとめ:機能はOK・・・あとは互換性が改善されれば良し
「ROG Bezel Free Kit」の微妙なとこ
- ほぼプラスチック製で約1.6万円は高い
- もっぱら「ゲーム専用」
- モニターの互換性がちょっと厳しい
- プラスチック板の透過率は90%
「ROG Bezel Free Kit」の良いところ
- ベゼルが本当に消えます
- フル3画面ゲーミングの没入感アップ !!
- 取り付けは簡単
- ある程度は調整も効きます
ROG Bezel Free Kitは、きちんと目的を果たすガジェットです。オフィス用途やWeb閲覧だと、ベゼル間のわずかなズレが気になりますが、NVIDIA Surroundを適用した全画面ゲーミングなら没入感は抜群に良いです。
透過率90%はもう少し改善して95%くらいにして欲しいですが、画面の移動が速いゲーム(主にレーシングやフラシミュ)なら意外と気にならないです。目的とマッチすれば、Bezel Free Kitは問題なく機能します。
あとは価格設定と互換性をもうちょっと頑張ってほしいです。クリップと屈折板はどちらもプラスチック製で、取り付けられるモニターが限定的な柔軟性のないクリップ設計にも関わらず、約1.6万円は割高に感じます。
以上「ASUSベゼルフリーキットをレビュー:ベゼルは消えるけど完成形ではない?」でした。
想定より一万円くらい高い…
そのうち問屋さんが一個2000円くらいで作ってくれそう。
こんなの売れるわけねーだろ
現在主流のゲームジャンルが「FPS」「TPS」で3画面もいらなから、まぁニッチなアイテムなのは間違いないですね。
中国製の安価な製品が出てくるのを待ちます…
普通にAliexpressとかで半額以下で売ってそうですよね・・・
こんにちは!
このセットは海外某大手テクノロジー系Youtuberさんもレビューしていましたが、FPSやTPSには向かないらしいです。敵がちょうどベゼル付近にいると見えなくなってしまう現象が稀に起きてしまうそうです。レーシング系のForzaなどの、「没頭感」を演出するアイテムとして開発されたそう(確信は持てなけど、)
なんかまだ完成は遠いようですが、光の屈曲で「柱を消す」特許をいくつかはトヨタが抑えてるとは聞きますね
あちらは運転席からの死角を消すためだそうですが
面白かったです!
頑張れば普段使いできそうな気もしました。
貧乏くさい割に高いw
この製品は出た時から気にしていました。
記事中にも書かれていますが、この値段だと確かに95%より上いってほしいですね。
ディスプレイ3つある、新しいのを買うほどお金をかけたくない、黒い砂漠のようなゲームをやる。この3点そろって初めて買おうかと言う・・・うーん値段。
アクリルって透明度高かったはずだしそっちで出せなかったのかと疑問に思いました。
ベゼルが気になる人間が、こんな上下にはみ出す板を気にしないか?
完成形云々以前にコンセプトから見直した方が良い
初動価格も祝儀込みに考えても高すぎる
意欲的でとても面白い製品ですね
しかし製品の完成度は試作品相当で思う以上に低く感じます
ただこれをきっかけに、ベゼルフリーキットが他でも
どんどん開発され完成度の高い製品が出てくると嬉しいです
ベゼルは消えているのに、ピラーが目立つのは本末転倒な気がします。
透明度をいくら上げても厚みのあるカット部分が見えなくなる事はないので、汎用性と低コストを保ちつつ、高い効果を望むのは難しそうです。
ディスプレイの一部でなく全面を覆うような仕組みだと、透明度は現在のままでも効果は高そうです。
各ディスプレイ専用品かつ大掛かりな物になるので、個人向けではなくアミューズメント施設やシミュレーター等、業務用に適しているのではないでしょうか。
こういうとんでも商品のレビューは面白いです!
お疲れさまです!