【検証】グラボ用の「拡張ファン」は空冷SLIを冷やせるか?

【検証】グラボ用の「拡張ファン」は空冷SLIを冷やせるか?

グラフィックボードを2枚以上使って性能アップを目指す「SLI」を、普通の空冷ファンのグラボで行おうとすると…1枚目の熱処理が問題になる。だから「外排気 + 内排気」が解決策の一つだが、Amazonを彷徨っているとグラボ用拡張ファンという面白いパーツを発見。

さっそく入手してみて、冷却性能や空冷SLIへの効果を検証してみた。

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長尾製作所のVGA拡張ファン

長尾製作所 / 80mmファン x3 / N-VGACOOLER-80F3

グラボ用の拡張ファンというユニークなPCパーツを製作したのは、M.2 SSD用ヒートシンクVGAサポートを作っている国内メーカー「長尾製作所」です。価格は約3000円なので、まぁまぁリーズナブルな印象。

付属品をチェック

さっそく開封して中身をチェック。

  1. 分岐ケーブル
  2. 80mmファン
  3. 80mmファン
  4. 80mmファン
  5. 固定ネジ
  6. フレーム

説明書は入っていなくて、本当に必要なものしか入っていなかった。

付属ファンはX-FAN製の「RDL8015S」でした。80mmの小型ファンで、軸受は一応「FDB」です。期待寿命30000時間、回転数2000rpmとそれなりにしっかりしたファンですね。

ただ、80mmで2000rpmだと甲高い風切音が鳴りそうではある。

フレームにファンを固定する

取り付けはとてもカンタンで、フレームのネジ穴に合わせて3つの80mmファンを固定するだけ。向きは長尾製作所の製品画像と同じ方向にしておいた。

完成。あとはグラフィックボードの直下に、フレームを固定するのみ。

こんな感じ。

3つのファンから伸びているコネクタを分岐ケーブルにまとめ、電源ユニットから伸びているペリフェラル4pinコネクタと接続します。これで拡張ファンが勝手に回転するようになる。

シングルボードで拡張ファンの冷却性能を検証

グラフィックボードのファンに加えて、更に80mm x3ファンを増設することでどこまで冷却性能が改善するのか。まずはシングルボードの場合で検証してみる。

  • ファンなし:最大76℃
  • 拡張ファン使用時:最大71℃
  • 拡張ファンを逆に:最大83℃

ファンがない普通の状態だと、GTX 1070 Tiは最大76℃まで上昇した。次に、拡張ファンを取り付けて実行すると最大71℃に収まり、標準ファンと比較して5℃もよく冷えるように。

逆向きにすると「排気」になる

しかし、意外だったのが拡張ファンの向きを逆にすると、温度は83℃まで上昇してしまったこと。逆にすると排気になるのだが、どうやら吸気じゃないとマトモに冷えないようだ。

気になって排気状態で拡張ファンの近くに手を当てると、驚くことに風があまり出ていなかった。結局のところ、内排気グラボはファンで吸気を行っているので、排気してしまうとエアフローが入らなくなってしまう。

内排気グラボのエアフロー

一応、典型的な内排気グラボのエアフローを分かりやすく図解しておくと、こんな感じ。グラボ周辺の冷気を吸気ファンで回収し、内部のヒートシンクに溜まった熱を側面から吐き出します。

というわけで、拡張ファンは「吸気」方向にして使うのがベスト。

初心者もち
拡張ファンで風を吹き当てるだけで5℃も冷えるなんて、意外とスゴイ。
自作歴23台のやかもち
グラボ1枚なら、VGA拡張ファンは「有用」です。

SLIで2枚挿しにして拡張ファンの冷却性能を検証

次はGTX 1070 Tiを「2-way SLI」にして検証する。画像を見ての通り、2枚のグラボの間に、VGA拡張ファンが挟まった状態です。果たして内排気SLIを適切に冷やすことが出来るのか…?

残念な結果になりました。

  • ファンなし:最大81℃
  • 拡張ファン使用時:最大83℃
  • 拡張ファンを逆に:最大83℃

拡張ファンを使用すると逆にGPU温度は上昇してしまい、しかもGPUを使っていない時の冷え方も悪化している。空間が狭くなったことでエアフローが悪化したのが原因ですね。

ちなみに、下段のGTX 1070 Tiは、拡張ファンを取付けることで冷えやすくなっている。バックプレートの熱を排除するだけで、意外とGPU温度は落とせるんですね。

エアフローの改善で内排気SLIは可能になるか?

それが結構厳しい。今回用意したVGA拡張ファンを、グラボの間ではなく手で持って側面に添えたところ、若干冷えやすくなった。しかし、効果は2~3℃くらいで劇的なものではなかった。

JayzTwoCents」より

で…色々と世界を見渡してみると、内排気SLIでもエアフローを確保すればどうにかなるという人を発見。ただし、見ての通り本格的な送風機を使ってグラボの発熱を一瞬で吹き飛ばすやり方なので、現実的では無いですね。

まとめ:空冷グラボをもっと冷やすならアリ

当初の目的だった「内排気SLIを冷やす」は実現出来なかったが、VGA拡張ファンとしての機能は十分でした。

「空冷グラボを使っていて、空冷のまま低コストで更なる冷却性能を得たい。」

というニーズに、長尾製作所が作ったこのVGA拡張ファンは応えてくれる。筆者の場合はGTX 1070 Tiで最大5℃、RTX 2080 Tiの場合は最大8℃と、それなりに大きい効果を得られました。

グラボ用拡張ファンのメリット
  • グラボ1枚ならよく冷える
  • 簡易水冷化キットより遥かに安価
  • 組み立てと取り付けがカンタン
  • 付属ファンは「FDB」なので高寿命
  • 国内生産の長尾製作所

よく冷えるのが最大のメリットでしょう。一番冷えるのは本格水冷化や、「NZXT G12」などに代表される簡易水冷化キットを使う方法だが、少なくとも2万円前後のコストが掛かります。

他にはグラボのファンを別のファンに取り替えてしまう方法も有効だが、グラボの分解が必要なのと、固定に結束バンドを使うため見た目が少々ダサイ。

そういった都合を考えると、3000円で買えるVGA拡張ファンは、手軽かつコストパフォーマンスに優れる手法。空冷グラボを手っ取り早くそこそこ冷やしたいなら非常にオススメです。

長尾製作所 / 80mmファン x3 / N-VGACOOLER-80F3
グラボ用拡張ファンの弱点
  • SLIを冷やすのはムリ
  • ファンが小さいので風切音がする
  • 1スロット占有

コスパが良いのがメリットだったが、弱点はある。まず、SLI使用時に上段のグラボを冷やせないということ。次に、ファンが80mmと小さいため、ファンの動作音がまぁまぁする。

そしてファンはPWM制御が出来ないので、常時2000rpmで回転し続けている。静音性を重視するなら微妙かもしれません。

以上「【検証】グラボ用の「拡張ファン」は空冷SLIを冷やせるか?」でした。

他にもある「長尾製作所」のレビュー

GTX 1080 TiやRTX 2080 Tiなど。ハイエンドGPUを搭載するオリファングラボは重量が1kgを超えていることが多く、強化されたPCIeスロットでも簡単にたわんでしまう。

そこで重宝するのがVGAサポート。グラボの本体価格の2~3%程度の値段で買えるので、非常にオススメ。

M.2 SSD用ヒートシンクのレビューはこちら。発熱の大きい超高速NVMe SSDを使うなら、割りと必須アイテムになりつつある感。

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12 件のコメント

    • 部屋にパソコンが4台くらいあると、この季節でも妙に熱いです。
      だいたい外の気温+4~6℃くらいになるんですよね…自分の部屋。

  • >グラボの排気を拡張ファンでもっと排気しようと思ったわけだが
    え?
    いやグラボって吸気でしょ
    ファンで吸い込んでフィンに当てて
    そのまま横から抜け出させるんですよ
     
    排気状態で追加ファンを当てたらそりゃぁ
    吸い込むはずのエアを吸い込ませないんですから
    ファンが止まっているような状態になるので
    温度が上がるでしょう。
     
    https://image.ebuyer.com/customer/promos/RichMedia3/756319/08.jpg

    • 返信無しで記事書き換えやがった……
       
      間違ってたなら間違ってたと
      ちゃんと書いて修正しなされ
      (無理やり書き換えてるから日本語おかしくなってるけどなw)

    • 今まで勘違いしてたけど内排気オリファングラボって吸気だった?そのギガバイトのイメージ図を見ると、確かに外からグラボ側に空気送りそうな羽形状してるけど。メーカーによって違うのかしら…

  • SLIの場合上と下のボードで温度露骨に変わりますし素直に水冷化するか側面から吸気ファンつけるのがもっとも効果的で温度が下がります、ファンを増やす方向なら素直に横に増やしましょう。
    エアフローに関して色々と理屈やらメソッドはあるんですけど結局yu_yuさんが書いてる通りホコリ無視した冷却効果だけなら開けちゃって全力送風が一番冷えるんですよね

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