一般向けNVMe SSDで唯一の2TB、「Samsung 960 PRO」をレビュー




SATA SSDなら一般向けで割りと2TBモデルがありますけど、NVMe SSDだと中々無くて2017年の時点で「Samsung 960 PRO」の1品だけ。単価15~17万円なので、一般向けに販売されているSSDとして最も高価。

そんな大容量 & 最高級なSSD、Samsung 960 PRO 2TBをレビューしてみる。

Sponsored Link

Samsung 960 PROのカタログスペック

スペック960 PRO 2TB850 EVO 4TB
規格M.2 2280SATA 2.5inch
コントローラSamsung PolarisMHX
インターフェイスPCIe 3.0 x4SATA 3.0
NANDSamsung 48層 256Gb MLC V-NANDSamsung 48層 256Gb TLC V-NAND
読み込み(Seq)最大3500 MB/s最大540 MB/s
書き込み(Seq)最大2100 MB/s最大520 MB/s
4kB Random Read QD114000 IOPS10000 IOPS
4kB Random Write QD150000 IOPS40000 IOPS
4kB Random Read QD32440000 IOPS98000 IOPS
4kB Random Write QD32360000 IOPS90000 IOPS
TBW1200 TB300 TB
保証5年5年
MSRP$ 1299$ 1499

Samsungが一般向けに売っているSSDでは、今のところ最高峰に位置します。

NANDには32層V-NANDと比較して、ダイあたり2倍の容量を誇る48層V-NANDが使われている。そのため、SSDの片面にわずか4つのNANDチップを載せるだけで2TBもの大容量を実現してしまった。

960 PROは圧倒的な大容量だけでなく、耐久性も実現している。850 EVOと違い、NANDはMLCタイプなので期待できる耐久性能が高くなりやすい。公称値のTBWは1200TBに達していることからも、それが分かります。

ストレステストを行うと1日あたり1TB以上のTBWを消費できるが、これでもTBWを使い切るのに約800日(2年弱)掛かる計算に。(参考:SSDの寿命はHDDより頑丈だよ

従来の950 Proから変わったのはそれだけでなく、コントローラも強化された。従来はARM製コアを3つ搭載していたが、960 PROの「Polaris」コントローラには5つのARM製コアに拡張され、その内1コアはホストシステムとのやり取り専用に充てられる。

その結果、カタログスペック上ではサムスンのSATA SSDと比較して、ランダムアクセス速度は20~40%上昇。キューの深さを32まで引き上げると、4倍にまで読み書き速度が向上している。

現在、大抵のSSDは普通のシーケンシャルアクセスで500 MB/sを叩き出せるのは当たり前になってきた。NVMe SSDなら読み込み3000 MB/s以上、書き込み1500 MB/s以上で争われているが。

もっとも性能差が出やすいのが小さいサイズのアクセス速度だ。普通に使う分には4KBサイズの読み書き速度は、ほぼ問題にならないが、レンダリングや3DCGではパフォーマンスに影響が出るとされている。

だから960 PROは、一般向けに開放されているとは言え…ややエンタープライズ向けなSSDと言ってしまって良い。ベンチマークスコアに興奮する一部の人を除き、ゲームをしたり、イラスト製作や簡単な写真編集をする分にはオーバースペック気味だ。

というわけで、前置きが長くなってきたのでそろそろ960 PRO 2TBの実機レビューに移りますね。

Samsung 960 PRO 2TBの外観

外箱。シンプルなデザインです。

表面、背面ともに日本語はどこにもなく、完全英語デザインなパッケージ。

価格に見合った安全梱包と、保証書や説明書が入っているだけ。他は特にない。

SSD本体のデザイン。なかなかイケてるデザインのシールが貼られている。シールには保証を受ける時に必要なシリアルコードが書かれているので、基本的には付けっぱなしで。

ヒートシンク化する場合は剥がすことになるが、一応捨てずにPCケース内のどこかに貼っておくなど。とは言え、高性能コントローラに1200TBもある莫大なTBW…、5年内に壊すのは至難の業だと思いますが。

驚きなのはチューインガムと同じくらいのコンパクトサイズ。技術革新って凄いね。このペラペラの薄キレ板に、2TBもの大容量とSSDで最高クラスの性能が詰まっていると思うと…不思議。

重さは計測していないが、公称値は10g以下。金は1gあたり4900~5000円くらいなので、仮に960 PRO 2TBを10gと仮定するなら、1gあたり15000~17000円になる。金やプラチナやパラジウムよりも高価な物質ということに。

パッケージ内容はこんな感じで、片面実装のSSDになります(裏面には何も実装されていない)。512GB NANDチップが4個(あの中に512GBも入るのか…!!)、随分とデカイ「Polaris」コントローラが確認できる。

960 PRO 2TBの性能を検証(ベンチマーク)

Crystal Disk Mark 6

国内で定番のストレージ向けベンチマーク「Crystal Disk Mark 6」から試してみた。

テストの内容は、指定したサイズのファイルをSSDに読み書きを行い、その速度を計測するというもの。サイズを変えることにより、テスト対象のSSDが持つ特徴を確かめたり出来るので便利。

50MB

50MBだと、シーケンシャルリードは公称値から600MBも遠い2900 MB/sに留まった。シーケンシャルライトは問題なく公称値に迫る2042 MB/sを叩き出した。このサイズで2000MB超えの書き込み速度。恐ろしい。

1GB

1GBまでファイルが大きくなれば余裕の様子。シーケンシャルリードは公称値まであと100MBの、3387 Mb/sを出した。シーケンシャルライトは2095 MB/sなので、ほぼ公称値。

4GB

4GBも特に目立った変化なし。

16GB

16GBも変化なし。

32GB

32GBにすると、読み書き両方が概ね公称値通りの速度に達した。

ちなみに、「960 EVO」と比較すると4Kランダムアクセス速度と、書き込み速度に大きな差が出ているのが分かる。Q = 1で約20~30%程度、Q = 32で2.0~2.5倍ほど違う。5コア搭載のコントローラの性能は伊達じゃない。

AS SSD Benchmark 2.0

AS SSDは非圧縮データをテストに使うのが特徴。結果、シーケンシャルリードが公称値から大幅に離れてしまったが、これでもトップクラスの性能です。シーケンシャルライトは非圧縮を用いてもだいたい公称値通りです。

ATTO Disk Benchmark

様々なテストサイズで一括テストができるATTO Disk Benchmark。SSDの良し悪しが分かりやすいソフトです。

128KBまでは中々転送速度が出てくれないが、256KBを超えてくると3000 MB/s以上の速度を出せています。それ以降は乱高下すること無く、一貫して高いパフォーマンスして叩き出しているので、やはり高品質なSSDと言えます。

安物だと、サイズによって結果がばらついたり、最高速度に達するサイズが異様に大きかったりする。960 PROは立ち上がり(=最高速度に達するサイズが小さい)が早く、一貫した性能を持ってます。

定評のある、高いSSD温度:ヒートシンクは必要

長尾製作所が約1500円で売っている、M.2 SSD用のヒートシンク「M2S-HS01」を用意した。このヒートシンクを取り付けた場合とそうでない場合で、どれくらいSSD温度に差が出るのかチェックしてみよう。

Crystal Disk Markで負荷を掛けてSSD温度を引き上げる。ヒートシンクが無いと最大61度まで上昇してしまうが、ヒートシンクがあると最大54度に抑えられました。温度差は最大で7度に達しており、ヒートシンクの有用性を確認できたことになる。

サーモグラフィーを見てみると、ヒートシンクをつけることで熱の出方が変わっていることも分かる。未装着時はコントローラの発熱が目立つが、ヒートシンクをつけることで熱が全体的に広がっています。

熱を発散できる面積が広がることで、冷却性能が上がったと考えられる。CPUクーラーに空冷を使っていれば、更に性能に期待ができるかと(=ヒートシンクを使った冷却はエアフローが大事)。

なお、SSD温度が50度を超えたくらいではサーマルスロットリングは確認できず。だいたい70~75度を超えると発生しやすいので、7度も差をつけられるヒートシンクは付けておいたほうが安心かもね。

ヒートシンク未装着時で最大61度だったけれど、夏場になれば70度もそう難しくないはず。必須とまでは言わないけれど、個人的には「必要」だと感じました。

まとめ「960 PRO 2TBの性能は圧倒的」

さすがに優秀ですね。2000 MB/s超えの書き込み速度は圧巻だし、960 EVOと比較して最大2.5倍も違うランダムアクセス速度も凄いです。依然として、既存のNAND技術を用いたSSDでは「最高峰」だろう。

ただ、ほとんどのユーザーにとっては過剰な性能だと思います。確かにゲームのローディング時間は、SATA SSDと比較して数秒ほど速くなります(黒い砂漠では11秒 → 4秒くらいだった)。

しかし…いささか、そのためだけにSATA SSDと比較して2倍~3倍も高い容量単価を持つ960 PROを手にとるべきかどうかは疑問符がつきまとう。熱狂的なベンチマークマニアか、プロのクリエイター向けと言える。

動画編集やレンダリングソフトの作業用フォルダとして利用するなら、それなりの価値はあると思います。プロではない一般の方は、SSDではなくCPUGPUにお金を掛けたほうが対費用効果は大きい点を忘れずに。

960 PRO国内価格※容量(GB)1GBあたり単価2TB版と比較
2TB169800204882.910.0%
1TB71397102469.72-15.9%
512GB3943851277.03-7.1%

※2017年2月時点のAmazon国内価格を参考にした。

なお、容量あたり単価は1TBモデルの方が約16%ほど安価なので「2TBはいらない、1TBで事足りる。」という場合は1TB版を選べば良い(512GB版はイマイチお得感に欠けますね…)。

以上「一般向けNVMe SSDで唯一の2TB、Samsung 960 PROをレビュー」でした。

SSDな記事たち

Sponsored Link

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。