AMD Ryzenは、インテルのCoreブランドとマトモに戦える唯一のライバルCPUです。しかし選択肢が増えたものの、一方で自作PC初心者に「Ryzen 7とCore i7のどっちを選べばいい?」という悩みも与えた。
本記事では実際に検証してデータを集め、両者の「違い」について解説したい。
Ryzen 7とCore i7:スペックの違いを確認
CPU | Ryzen 7 2700X | Core i7 9700K | Core i7 8700K |
---|---|---|---|
ロゴ | |||
世代 | 2nd Zen+ | 9th Coffee Lake R | 8th Coffee Lake |
プロセス | 12 nm | 14 nm++ | 14 nm++ |
TIMCPU内部の熱伝導材 | ソルダリング | ソルダリング | サーマルグリス |
ソケット | Socket AM4 | LGA 1151 (v2) | LGA 1151 (v2) |
チップセット | AMD 300 / 400 | Intel 300 | Intel 300 |
コア数 | 8 | 8 | 6 |
スレッド数 | 16 | 8 | 12 |
ベースクロック | 3.70 GHz | 3.60 GHz | 3.70 GHz |
ブーストクロックシングルコア使用時 | ~ 4.25 GHz | 4.90 GHz | 4.70 GHz |
ブーストクロック全コア使用時 | ~ 4.25 GHz | 4.60 GHz | 4.30 GHz |
手動OC | 可能 | 可能 | 可能 |
L1 Cache | 768 KB | 512 KB | 384 KB |
L2 Cache | 4 MB | 2 MB | 1.5 MB |
L3 Cache | 16 MB | 16 MB | 12 MB |
対応メモリ | DDR4-2933 | DDR4-2666 | DDR4-2666 |
チャネル | x2 | x2 | x2 |
最大メモリ | 64 GB | 64 GB | 64 GB |
ECCメモリ | ECC U-DIMMのみ | 不可 | 不可 |
PCIeレーン | 16 + 4 | 16 | 16 |
レーン構成 | 1×16 + 1×4 | 1×16 | 1×16 |
2×8 + 1×4 | 2×8 | 2×8 | |
– | 1×8 + 2×4 | 1×8 + 2×4 | |
内蔵GPU | なし | UHD 630 | UHD 630 |
GPUクロック | – | 350 ~ 1200 MHz | 350 ~ 1200 MHz |
TDP | 105 W | 95 W | 95 W |
MSRP | $ 329 | $ 385 | $ 359 |
参考価格国内Amazonの価格 | 29710 円 | 52950 円 | 45360 円 |
RyzenとCore i7の代表的CPU「Ryzen 7 2700X」「Core i7 9700K」、そして1世代前でありながら今もBTOメーカーでは採用されている「Core i7 8700K」のスペックをまとめた。
PC初心者から見ると分かりづらいと思うので、重要なポイントを順番に解説していく。
コア数は同じだがスレッド数は違う
CPUの性能に大きく関わる「コア数」。Ryzen 7と最新のCore i7は、どちらも8コアです。しかしスレッド数は違っていて、Core i7が8スレッドに対してRyzen 7は2倍の16スレッドを備えます。
- Ryzen 7 2700X:8コア / 16スレッド
- Core i7 9700K:8コア / 8スレッド
この時点でスペック的にはRyzen 7 2700Xが有利です。特にマルチスレッド性能という、すべてのコアを使ったときの性能は非常に強い。
同時に複数のタスクを進行したり、複数のCPUコアを効率よく使ってくれるアプリケーションにおいて、Ryzen 7の16スレッドは猛威を振るう。動画エンコードはもちろん、CGレンダリングにもめっぽう強い。
ブーストクロック周波数と伸びしろが違う
「ブーストクロック周波数」とは、CPUに重たい処理をさせている時に、もしクロック周波数を定格よりも高くできる「余裕」があるなら自動的にクロック周波数を高めてくれる機能のこと。
インテルは「Turbo Boost Technology」という名称で、AMDは「XFR」という名称でそれぞれ搭載しています。
ブーストクロック周波数の違い | |||
---|---|---|---|
CPU | Ryzen 7 2700X | Core i7 9700K | クロック差 |
1コアのみ | 4.25 GHz | 4.90 GHz | 15.3% |
2コア使用 | 4.20 GHz | 4.80 GHz | 14.3% |
3コア使用 | 4.10 GHz | 4.70 GHz | 14.6% |
4コア使用 | 4.10 GHz | 4.70 GHz | 14.6% |
5コア使用 | 4.10 GHz | 4.60 GHz | 12.2% |
6コア使用 | 4.00 GHz | 4.60 GHz | 15.0% |
7コア使用 | 4.00 GHz | 4.60 GHz | 15.0% |
8コア使用 | 4.00 GHz | 4.60 GHz | 15.0% |
それぞれのブーストクロックの仕様をまとめた。
見ての通り、Ryzen 7とCore i7は同じ8コアだけれど、クロック周波数の上がり方には大きな違いがあります。要点だけサックリ言うと、Core i7の方が高クロックで動作できるのです。
逆にRyzen 7はなかなかクロック周波数が上がりにくい。すべてのコアに負荷が掛かっている状態だと、せいぜい4 GHzちょっとが限界。一方で、Core i7 9700Kは4.6 GHzまで上昇します。
このクロック周波数の違いは、
- シングルスレッド(CPU1個あたり)性能に影響する
- マルチコアに対応していないアプリケーションで性能を発揮
という具合に現れます。
まだまだマルチコアを使いこなせるソフトは意外と少なく、シングルスレッドなソフトの方が多いのが現実なので、高クロックなCore i7はいろいろなアプリで効率よく性能を発揮できる。
たとえば、身近なソフトで言うなら「Microsoft Office」や「Adobe Photoshop」です。後ほど、こういったソフトでどれくらいの性能差があるかを検証する。
Ryzen 7はすべてのモデルが手動オーバークロックに対応しています。Core i7はアンロック版(型番にKが付与されている)に限って、手動のオーバークロックが可能です。
ブーストクロックはいわゆる自動オーバークロックで、仕様上の上限クロックが限度になっていますが、手動のオーバークロックなら自分の好きなクロックに設定ができる。
しかし、この手動オーバークロックで実際にどこまでクロック周波数を伸ばせるかどうかにも、大きな違いがある。
- Ryzen 7:4.3 GHz以上は極めて困難
- Core i7:5.2 GHzくらいまでなら現実的
Ryzen 7は世代更新でクロックが伸びやすく改善されたが、それでも4.3 GHz以上までクロックを伸ばすには極めて難しい(※本格水冷を用いて、やっと4.3 GHzで運用できるかどうか…)。
一方のCore i7はクロックが非常に伸びやすく、しっかりとした冷却環境(140 mmの大型空冷や280 mm以上の簡易水冷)があれば5.0 ~ 5.2 GHzで運用も可能なほど伸びやすい。
クロックを伸ばせばシングルスレッド性能が改善されるため、マルチコアにあまり最適化されていないソフト※で凄まじい性能アップが可能です。
※特にAdobe Photoshopなど。Adobe系のソフトと高クロックは非常に相性が良い。
実はECCメモリーに対応している
コンシューマ向けのCPUとしては非常に珍しく、Ryzen 7は「ECCメモリ」を仕様上サポートしています。ただし「ECC Registered DIMM(RDIMM)」には対応しておらず、「ECC Unbuffered DIMM(ECC UDIMM)」だけな点は注意。
Core i7はもちろんECCメモリを全くサポートしていません。インテルCPUでECCメモリを使うには、XeonブランドのCPUを使うか、性能を求めないならCore i3が選択肢になる。
プラットフォームの互換性にも違いがある
プラットフォームの互換性。とは、新しいCPUを同じマザーボードで利用し続けることができかどうかのこと。
Ryzen 7には「Socket AM4」と呼ばれるCPUソケットを使用していて、初代Ryzenから第2世代Ryzenまで継続して使うことが可能(ただし古いマザーボードはBIOSの更新が必要)。
一方のインテルは、世代を更新するたびにCPUソケットを新しい規格へと変更してしまう。
- 4世代~5世代:LGA 1150
- 6世代~7世代:LGA 1151
- 8世代~9世代:LGA 1151 (v2)※
現時点で、2回目以降の世代更新でインテルがソケットを維持したことはない。7世代から8世代は、ソケットの名称こそ同じですが、実際には互換性が全くないので注意が必要です。
AMD Ryzenは少なくともあと4年(2021年まで)は、Socket AM4を継続させていくという方針をAMDが示している。同じマザーボードのまま、新世代のCPUにアップグレードしたいなら、Ryzenが有利ですね。
※実際には「v2」という表記はありません。表記は「LGA 1151」のままですが、完全に別物なので当ブログでは区別するためにあえて「v2」を付け加えています。
今のところ価格はRyzen 7の方が安い
Amazon価格の比較(2019/05時点)
「Core i7とRyzen 7のどちらがいいのか?」
この疑問の根底にあるのが、おそらく「Core i7よりスペック上は有利なRyzen 7の方が4割も安い。」という事実でしょう。あまりにもRyzen 7が価格的に有利過ぎるのが現状です。
しかし、それでも悩むのもまた事実。Ryzenは確かに停滞していたCPU界を大きく動かした革命的な製品ですが、インテルが約10年にわたって築き上げたCoreシリーズのブランド力も極めて強力です。
はじめての自作であればあるほど、はじめてのBTOゲーミングPCの購入であればあるほど、「安物買いの銭失い」は避けたいと考えてしまうのがある意味自然。
というわけで、いかにもコスパが良さそうなRyzen 7を買ったほうがいいのか。あるいは割高だけどCore i7を買うべきなのか。実際に検証して調べ、データに基づいて判断してみましょう。
CPU性能の違いを検証
テスト環境を紹介
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
---|---|---|
PC | ver.Intel | ver.AMD |
CPU | Core i7 9700K | Ryzen 7 2700X |
Core i7 8700K | ||
冷却 | NZXT X62280 mm簡易水冷ユニット | 風魔弐120 mmトリプル空冷ファン |
グラボ | RTX 2080 Ti使用モデル「MSI Gaming X Trio」 | |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2使用モデル「G.Skill SniperX C19」 | DDR4-2866 8GB x2使用モデル「G.Skill SniperX C19」 |
マザーボード | ASRock Z390 Extreme4 | ASRock B450 Steel Legend |
SSD | SATA 250GB使用モデル「Samsung 860 EVO」 | SATA 500GB使用モデル「Samsung 860 EVO」 |
SATA 2TB使用モデル「Micron 1100」 | ||
電源ユニット | 1200 W(80+ Platinum)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit使用バージョンは「1809」 | |
ドライバ | NVIDIA 419.35 | |
ディスプレイ | 1920 x 1080 @240 Hz使用モデル「BenQ XL2546」 |
※「青字」は該当するレビュー記事へリンクしています。
検証に使うPCスペックをまとめた。Core i7は最新世代の「Core i7 9700K」と、先代の「Core i7 8700K」を検証する。Ryzen 7は最上位の「Ryzen 7 2700X」を検証します。
グラフィックボードはゲーミング用グラボで最強の「RTX 2080 Ti」を使用し、CPUのボトルネックを調査する。メモリは価格の割に品質が高い「G.Skill SniperX C19」で揃えた。
ストレージはOS用、ゲーム用。ともにSSDを使っているのでストレージ由来のボトルネックはほぼ発生しない。おおむね、CPUの性能をなるべく忠実に検証できる環境が揃っていると思って大丈夫です。
レンダリング性能
国内だけでなく、国際的にもCPUの定番ベンチマークとなっている「Cinebench R15」。内容はレンダリングなので、CPUの持つ理論上の性能がしっかりと反映されやすい。
ただし、あくまでも理論上の性能が再現されるだけであって、Cinebenchで出てきたスコアがCPUの性能を代表するわけではない点に注意。「100%の性能を出せるとしたらどれくらい強いのか?」ということです。
Cinebench R15 / シングルスレッド性能
1コアあたりの性能は、ほぼブーストクロック周波数に比例した結果になりました。
i7 9700Kは最大4.9 GHzで動作し、Ryzen 7 2700Xはシングルスレッドだと4.15 GHzくらいで動作する。クロック差とスコアの差は16~17%なので、ほぼクロックに比例した結果です。
シングルスレッドが重視される単純なアプリケーションなら、やはりCore i7の方が優位でしょう。
Cinebench R15 / マルチスレッド性能
すべてのコア(スレッド)をフルに活用するマルチスレッドは、当然ながら16スレッドを備えるRyzen 7 2700Xが圧勝です。レンダリング系の処理なら、Ryzenにおまかせで大丈夫。
Blender 2.78 / 「BMW」の生成時間
と思いきや、実際にレンダリングで使われているソフトのひとつ。「Blender」でBMWのレンダリングを実行すると、なぜかCinebenchに比例した処理速度にはならなかった。
Ryzenはメモリクロックを速くするほど性能が改善する性質があるので、メモリクロックを2866 MHzに設定しているのが原因だと推測しています。
計算速度
Geekbench 4.1はマルチプラットフォーム対応のベンチマーク。内容は多種多様なテストなパッケージとなっているが、中身はAESなど暗号処理系の計算速度が問われているので、CPUの計算速度をスコア化することになります。
Geekbench 4.1 / シングルスレッド性能
そのため、CPUのスレッドの多さよりクロック周波数の高さが影響しやすい。シングルスレッド性能はCore i7がやはり強い。
Geekbench 4.1 / マルチスレッド性能
マルチスレッド性能はCore i7 8700Kと互角ですが、同じ8コアで更にクロックが高いCore i7 9700Kには一歩出し抜かれる結果です。
Eular3Dは流体力学の計算をCPUに実行させる。Geekbench以上にCPUの計算速度が問われるベンチマークです。単位はHz(ヘルツ:1秒あたりの計算回数)で示され、数値が大きいほど速いことを示す。
Euler3D / 1秒あたりの計算速度
こういった単純な計算処理は、クロック周波数が高いほど有利な結果になります。
動画エンコード
定番の無料動画エンコードソフト「Handbrake」を使って、エンコード性能を検証する。内容は約1 GBのアニメファイル(.mkv)を、mp4形式にエンコードし、ログに記録される「平均処理速度」で比較する。
Handbrake x264 / 平均処理速度
「x264」エンコードでは、Ryzen 7 2700XがCore i7 9700Kを少し上回った。ただ、16スレッドの割にはちょっと遅い印象を受けます。更に複雑な「x265」エンコードを実行してみよう。
Handbrake x265 / 平均処理速度
一気に性能が落ちました。
実は、Ryzenは多くのエンコードソフトで本来の性能を発揮できません。動画エンコードでは「SIMD拡張命令※」と呼ばれる機能を利用して高速化するのですが、この機能を実行する際の計算量に違いがあるのです。
インテルCPUなら「一度に256 bitずつ」計算できる。一方のAMD Ryzenは「一度につき半分の128 bitずつ」しか計算できません。だからSIMD拡張命令を駆使する内容であればあるほど、性能差はおどろくほど開きます。
※動画エンコードで使われているのが「AVX2」と呼ばれる拡張命令です。名称はインテルとAMDで同じですが、上記で解説したとおり実装方法に違いがあることが、Ryzenがエンコードで性能を発揮できない原因になっている。
ただし、一度につき128 bitずつの計算でもソフトウェアの最適化次第では、きちんと性能を発揮できる実例がある。その代表例が「Aviutl」の拡張プラグイン「x264guiEx」です。
Aviutlを使ったことがある人なら、かなりの割合で「x264guiEx」にお世話になっているユーザーは多いはず。
Aviutl / x264guiExエンコード
まずは普通に「x264」エンコードを試してみる。するとビックリ、16スレッドに見合った性能を発揮することに成功。Ryzenはしばしば最適化に問題があると言われており、Aviutlは最適化問題を実証する例になる。
Aviutl / x265guiExエンコード
では「x265」エンコードだとどうなるのか。残念ながらCore i7 9700Kと並ぶ結果になってしまったが、Handbrakeよりは遥かにマシな速度が出ています。
AMD RyzenはAviutlのプレビューが重たい。
という問題があったが、今回の検証では再現できなかった。ぼくの周りでは「RyzenってAviutlのプレビュー重くない?」と報告を受けていたので調査したかったのだが、どうやっても再現できない。
まだ原因を特定できていないので、特定できればあらためて記事にする予定。
ゲーム実況配信
「8コア16スレッド」もあれば、ゲーム配信に向いている可能性が高いので、ゲーム配信ソフトで特に有名な「OBS(略:Open Broadcaster Software)」を使って検証してみる。
検証方法はFF14(紅蓮のリベレーター)をOBSを使ってフルHD配信する。同時に録画も行い、コマ落ちせずに配信できているかどうかをチェックします。
コマ落ちの頻度(=ドロップフレーム率)はOBSの標準機能を使って計測する。ドロップフレーム率を抑えられているほど、CPUのゲーム配信性能が高いことを意味します。
OBS録画配信 / Fast設定 / 60fps制限
OBS録画配信 / Faster設定 / 60fps制限
OBS録画配信 / Veryfast設定 / 60fps制限
残念ながら、Ryzen 7はCore i7を圧倒する配信性能を発揮できません。
OBS録画配信 / Fast設定 / 144fps制限
OBS録画配信 / Faster設定 / 144fps制限
OBS録画配信 / Veryfast設定 / 144fps制限
更に条件を厳しくします。ゲームプレイ時のフレームレートを144 fpsに引き上げて、配信と録画を行う。すると60 fpsの時よりもRyzen 7が性能を発揮しています。
それでも0%には全く届かないので、優位というわけではない。Core i7より多少マシなだけで、16スレッドの割に性能を発揮できていないことに変わりはないですね。
つまり、Veryfast設定で配信と録画をする前提なら、約3万円で購入できるRyzen 7 2700Xは非常に魅力的なCPUです。
圧縮と解凍
ファイルの圧縮と解凍のスピードを、有名なフリー解凍ソフト「7-Zip」を使って計測。付属のベンチマークツールで、圧縮と解凍のスピードを「MIPS」という単位で出してくれる。
7-Zip Benchmark / 圧縮
「圧縮」はRyzenだとイマイチ性能が出づらい。
7-Zip Benchmark / 解凍
圧縮よりも日常的に出番が多いと感じる「解凍」では、Ryzenが圧倒的なスピードを叩き出した。解凍はマルチスレッド性能がキレイに効きやすい処理のようです。
ブラウザの処理速度
ブラウザ上で動作するベンチマーク「mozilla kraken 1.1」を使って、CPUがブラウザ上のWebアプリをどれだけ速く処理できるかを検証する。単位はミリ秒なので、短いほど処理が速い。
mozilla kraken / Webアプリの処理速度
クロック周波数の高いCore i7勢が有利です。ただし、mozilla krakenは目安として1000 msを割り込めば十分に速いと判断できるので、Ryzen 7も十分に速い水準に達しています。
Photoshop CC
写真編集の定番ソフト「Photoshop CC」を検証。バッチファイルを使って実際にPhotoshopを動かして、それぞれの処理に掛かった時間からスコアを算出する。
Adobe Photoshop / 総合スコア
やはりPhotoshopの動作はクロック周波数が高いほど有利でした。Ryzen 7には16スレッドもあるのに、8~12スレッドしか無いCore i7に対してかなり遅れを取っています。
日常的にPhotoshopなどのAdobe系ソフトウェアを使っている人なら、Core i7を選んだほうが間違いないです。
Microsoft Office
PCMark 8を使って、Microsoft Officeの処理速度を計測する。オフィスソフトはそれほど複雑なタスクではないため、おそらくクロック周波数の高いCore i7の方が、より速く処理できると思われます。
Microsoft Word / 平均処理時間
見事にクロック周波数に比例する結果になりました。最大4.9 GHzで動作するCore i7 9700Kは、圧倒的なスピードでWordを動かせる。
Microsoft Excel / 平均処理時間
Excelもほとんど同じ傾向になった。クロック周波数が高いほど、速く処理できます。
Microsoft PowerPoint / 平均処理時間
PowerPointもクロック周波数の高いほど速く処理できた。
Word、Excel、パワポ。検証したすべてのOfficeソフトでCore i7が圧倒的に速い結果になった。ただし、普通の使い方では体感できるほどではないため、Ryzen 7でも十分に満足な性能だとは思います。
ストレージ性能への影響
SSDをどれだけ速く動かせるのか。これもCPUに依存している部分があるので検証します。
驚くべきことに、SSDの性能をより引き出せているのはAMD Ryzenでした。パッと見では大きな差がないように見えますが、一番下の項目(4KiB Q1T1)に注目してください。
SSD | AMD Ryzen | Intel Core | 性能差 |
---|---|---|---|
970 EVO Plus4KiBランダム読み込み速度 | 49.03 MB/s | 39.21 MB/s | +25.0% |
970 EVO Plus4KiBランダム書き込み速度 | 174.10 MB/s | 128.30 MB/s | +35.7% |
Optane 900p4KiBランダム読み込み速度 | 215.50 MB/s | 204.10 MB/s | +5.6% |
Optane 900p4KiBランダム書き込み速度 | 198.90 MB/s | 193.90 MB/s | +2.6% |
もっともランダムアクセス速度が速いOptane 900pではそれほど大きな差は出ていないが、2017年頃ならインテルCPUで300 MB/s前後という圧倒的な速度を叩き出せていました。
しかしその後判明した脆弱性に対するセキュリティパッチの影響で、インテルCPUは昔ほど速くSSDを動かせなくなり、AMD Ryzenと同じくらいのランダムアクセス速度しか出ない状態に。
NVMe SSDの場合だと書き込みが36%も速くなっており、Ryzen環境の優位性を確認できますが、正直なところ…それほど差を体感できない。SSDのためにRyzenを選ぶべきかどうかは、非常に微妙なところです。
ゲーミング性能の違いを検証
ゲーミングで高いフレームレートを出すためには、グラフィックボードが一番重要。ですが、グラフィックボードが高性能であればあるほど、CPUに求められる性能も高くなる。
現時点で最強のグラボである「RTX 2080 Ti」を使って、FF15ベンチマークを実行してみると、同じグラボなのに実際の性能はかなり違っているのが分かります。これが「CPUボトルネック」と呼ばれる現象です。
速すぎるグラボに対してCPUが追いつけないと、グラボが持っている本来の性能を出せなくなる現象です。FF15以外のゲームでも「違い」はあるのかを、以下より検証していく。
Apex Legend
Apex Legends1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
Apex Legendはかなり洗練されています。シングルスレッド性能ではなく、マルチスレッド性能がやや効いている結果になったため、非常に最適化がうまく行っているようです。
Apex Legendをプレイするなら、Core i7でもRyzen 7でも、目的に合った方を選べば問題ない。
CS : GO
Counter Strike : Global Offensive1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
CS:GOはかなり古いゲームなので最適化はイマイチ。ただし、Ryzen 7でも十分すぎるフレームレートが出るので、240 Hzのゲーミングモニターを使っていないならどちらでも良い状況です。
Call of Duty : Black Ops IV
Call of Duty : Black Ops IV1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
コールオブデューティー最新作は驚くほどシングルスレッドに偏重した結果になった。Ryzen 7だとCore i7に対して、16~25%もフレームレートを失ってしまった。
言い方を変えれば、4万円くらいの無駄を生じさせることになる。RTX 2080 Tiはだいたい16万円くらいですから、25%の性能を失うということは4万円相当の損失に匹敵します。
Rainbow Six Siege
Rainbow Six Siege 1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
レインボーシックスシージも今ひとつな結果です。最大で20%もフレームレートを失いました。しかし、240 Hzゲーミングモニターを使っていない限りは、体感上の問題は無い。
PUBG
PUBG1920 x 1080 / ウルトラ設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
PUBGもシングルスレッド重視のゲームで、Ryzen 7だと最大31%のフレームレートを失った。PUBGでゲーミングモニターを使うつもりなら、Ryzen 7は避けたほうが無難ですね。
Assassin’s Creed Odyssey
Assassin’s Creed Odyssey1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
超重量級ゲームの代表格「アサクリオデッセイ」では大きな差がでないと予想していましたが、残念ながら最大20%の差が出ました。
傾向を見ると、シングルスレッドも重視されているし、マルチスレッド性能も必要という結果ですね。
FF14
Final Fantasy 14 : 紅蓮のリベレーター 1920 x 1080 / 最高品質 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
FF14では、Ryzen 7はCore i7に対して最大15%の性能差に。MMORPGなのでFPSゲームほど気にする必要はないけれど、やはり気になる性能差が出ています。
特に最低フレームレート(下位3%)は27%も失っており、Ryzen 7はFF14を安定して動かせていないことも示唆している。突発的にフレームレートが落ちたりする可能性が高いです。
Final Fantasy XV
Final Fantasy XV : Benchmark 1920 x 1080 / 高品質 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
FF15はマルチスレッドよりもシングルスレッド重視のゲームです。ハイパースレッディング(=コア数を2倍に見せる機能)が無い方が伸びるゲームは、少ないですがこうして存在します。
Grand Theft Auto V
Grand Theft Auto V1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
グランドセフトオート5は、予想よりも落ち着いた結果になった。平均フレームレートは落ち込みが大きいですが、最低フレームレート(下位3%)は影響が小さい。
Rise of the Tomb Raider
Rise of the Tomb Raider 1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
トゥームレイダーはRyzenとの相性が非常に悪い。
このゲームはVRAMやメモリへの負荷が大きいため、Ryzenのようにメモリ速度に依存しているCPUだと影響が大きくなりやすい。その証拠に、最低フレームレートの性能差がひどいことになってます。
Core i7と比較して最大40%もの差です。フレームレートが安定していない証拠で、実際のゲームプレイにも支障をきたすレベル。
The Witcher 3
The Witcher 3 : Wild Hunt1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
ウィッチャー3はRyzen 7だとフレームレートが低下するが、そこまで大きい性能差ではなかった。オフラインRPGですし、Ryzen 7でWitcher 3をプレイするのは問題ない。
モンスターハンターワールド
Monster Hunter World1920 x 1080 / 最高設定 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
モンスターハンターワールドはかなりの性能差が出ます。Ryzen 7とCore i7で、平均フレームレートは最大30%、最低フレームレートは最大35%とひどい状態。
モンスターハンターワールドを「ゲーミングモニター」を使ってプレイしたい、と考えている人はRyzen 7を選択肢から外すべきです。
黒い砂漠
黒い砂漠 1920 x 1080 / リマスター品質 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
黒い砂漠はハイパースレッディングが無い方が伸びやすい性質が強いため、Ryzen 7との相性は最悪です。
平均フレームレートは最大で44%も失い、安定性を示す最低フレームレート(下位3%)も40%近く失っている。黒い砂漠をプレイするならRyzen 7は選択肢としてありえない状態ですね。
平均パフォーマンス
平均フレームレート 1920 x 1080 |
平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
結果を平均してまとめると、Ryzen 7 2700Xのゲーミング性能はCore i7にはまだまだ追いつけません。
メモリをオーバークロックすれば一定の改善は見込めますが、Ryzen環境で安定してメモリオーバークロックをするには、相応の品質のメモリとマザーボードを必要とするため「コスト増」要因になります。
結論として、ゲーム用CPUを選ぶならCore i7の方が良いです。特にハイエンドなグラボを使おうと考えているなら、なおさらのことCore i7の方が安定した結果を得られるでしょう。
消費電力とコスパの違い
CPUの消費電力の違いにも着目する。なお、ここでいう消費電力とはスペック表に掲載されている「TDP」のことではなく、実際に計測した結果で比較を行います。
TDPはあくまでも「これくらいの発熱があるから、発熱をしっかり処理できるクーラー使ってね。」という意味合いの方が強く、イコール消費電力ではない※。
※半導体の場合は、TDPと消費電力は一致しやすいので「だいたい同じ」と思っても構わない。ただし、インテルCPUはTDPとはかけ離れた結果を示しやすいので参考程度に。
ワットパフォーマンスの比較
消費電力(Package Power)
動画エンコード実行時のCPU消費電力は、Ryzen 7 2700Xは103 W前後、Core i7 9700Kは118 Wくらいになった。
Ryzen 7 2700XとCore i7 8700Kは、スペック通りの結果ですがCore i7 9700Kは見事にTDP 95Wを上回る結果になりました。第9世代以降のインテルは、多コア化と高クロック化で消費電力がうなぎのぼりです。
ワットパフォーマンス(動画エンコード時)
Handbrakeの動画エンコード(x264)処理速度を消費電力で割り算して、1 Wあたりの処理速度を計算してワットパフォーマンスを求めました。
求めたワットパフォーマンスによると、Ryzen 7 2700XのワッパはCore i7 9700Kより良好ですが、Core i7 8700Kには劣ることが判明。やはりAVXを使う場合は分が悪いです。
コストパフォーマンスはRyzenが優位
Ryzen 7 2700Xは現在29700円で購入でき、Core i7 8700Kは45000円、Core i7 9700Kは53000円と4割も販売価格が高い。そのため、単純なコストパフォーマンスを求めると当然Ryzenは優位になります。
コストパフォーマンス(レンダリング)
マルチスレッド性能のコストパフォーマンスは、Ryzen 7とCore i7の比較で最大2.1倍にもなった。
コストパフォーマンス(ゲーミング)
ゲーミング性能のコストパフォーマンスを求めると、あれだけ性能が悪くてもコスパ自体はやっぱりCore i7よりRyzen 7の方が優位な結果になりました。
ただし、CPUそのもののコスパだけに目を向ければRyzenの方が割安というだけであって、目的や使用するグラフィックボードによっては話が違ってくるので注意してください。
特にハイエンドなグラボを組み合わせる予定の人は、フレームレートを失えば失うほど実際の価値を大きく目減りさせることになるので本当に注意が必要です。
今回の検証ではRTX 2080 Tiの場合、最大で40%もフレームレートを失っていました。16万円のグラボの性能を6割しか出せていないため、ザックリ6.4万円の損失となります。
Core i7 9700KとRyzen 7 2700Xの価格差は2.3万円ですから、6.4万円の損失よりは小さいです。目に見える価格だけでなく、実質的な価値にも気をつけて選び分けたいです。
Ryzen 7とCore i7の違いをまとめると
早見表 | Ryzen 7 | Core i7 |
---|---|---|
CPU性能 | ||
レンダリング | ○ | – |
計算 | – | ○ |
動画エンコード(x264) | ○ | ○ |
動画エンコード(x265) | – | ○ |
ゲーム実況 | ○ | ○ |
Photoshop | – | ○ |
Office | ○ | ○ |
ゲーム性能 | ||
普通のモニターで | ○ | ○ |
ゲーミングモニターで | – | ○ |
RTX 2060まで | ○ | ○ |
RTX 2070以上 | – | ○ |
Ryzen 7は価格の安さがとても魅力的ですが、残念ながら「オールマイティー」ではない。用途によってはCore i7より低い性能になることもあるので、適材適所といったところです。
想定している使い方や、組み合わせるグラフィックボードなど。総合的なバランスを考えながらCPUを選べるなら、おそらくRyzen 7は後悔のないCPUになると思います。
用途を絞り、コスパを重視するなら:「Ryzen 7」
- コスパ重視で多少の性能差は気にしない
- 使うグラボはミドルクラスまで
- 普通のモニター(60 Hz)を使う予定
- 低予算でレンダリング性能が欲しい
29700円という価格を考えると、なかなか驚異的な性能を出せるのが「Ryzen 7 2700X」。
「Core i7ほど性能は一貫していないが、4割も安いのだから多少の性能差なんて気にしない。それに使う予定のグラボは良くてもRTX 2060くらいだし、モニターは普通(60 Hz)のを使う予定。何よりコスパを重視したいし。」
こういうスタンスのユーザーにとって、Ryzen 7は非常に満足できるCPUです。
ぼくのように日頃からCPUの性能比較をしているようなタイプだと、多少の性能差を体感できるので気になるところですが、普段使いレベルならほとんど気にならないはず。
多少高くてもオールマイティーな性能を:「Core i7」
- 多少高くてもパフォーマンスを重視したい
- ハイエンド級のグラボを使いたい
- ゲーミングモニター(144~240 Hz)を使う
- 日常的にAdobe系のソフトを使う
インテルのCPUは今のところ供給不足が続いており、本来なら4万円くらいで流通するはずが45000~53000円にまで高騰してしまっている。
それでもCore i7にはあらゆるアプリケーションでスペック通りの性能をきちんと出せるという、オールマイティー的な強さがあります。
「Ryzenより1段と高いけど、Adobeソフトでしっかりと性能を出して欲しいし、グラボはRTX 2080や2080 Tiを使う予定。モニターはもちろん144 Hz対応の強いやつ、でも2080 Tiなら240 Hzモニターでも良いかも。だからフレームレートは可能なかぎり無駄にはしたくない。」
BenQ XL2546といった240 Hzモニターを使っているようなハードコアゲーマーや、Adobeソフトを日常的にガッツリ使い込むクリエイターさんにCore i7は最適です。
以上「Ryzen 7とCore i7の違いを初心者向けに分かりやすく解説」でした。
内容からして書きだめてたやつっぽいけど機能発表されたzen2とかintelの10nmの発表とか見比べて思いますか?
Zen 2を実際に触ってみるまでは何とも言えないですね。発表どおりなら普通に強そうですし、本当に期待してる通りの性能が出るなら、第9世代Coreシリーズの存在価値は大幅になくなると思ってます。
Adobe系っていってもPhotoshopで実際使ってる最中は思考時間も挟むから大量にバッチ処理かけない限りは実用上の差はそこまで気にする必要はないですねぇ。
待ち時間長めのPhotomergeやフィルタを多用するならCore i7が良いですが、イラストを描くような基本的なツールを使った使い方なら好きな方で…って感じですね。
何でワッパを出すときに
AVX2を使用してより消費電力が大きい状態の消費電力と
AVX2などを使用していないCinebench R15のスコア
で計算しているのでしょうか?
私の記憶が正しければAVX2は256bit幅の演算器を使用しているので通常の計算などをさせているときよりも消費電力が上がっていたような気がするのですが・・・・
これは凡ミスですね(苦笑)。ご指摘ありがとうございます。後ほど該当の内容を修正 & 見直します。
お疲れ様です。修正確認しました。
やはりCore i7 9700kはクロックが高い分ワッパはよくないですね・・・
ふと気になったのですが、ゲームなどではすべてのコアを使い切るようなことは少ないと思うのですが、その時の消費電力はどうなっているのでしょうね?
私は今Core i9 7920Xを使用しているのですが、このCPUだと負荷のかかっているコア以外はクロックが下がっているのですが、同じような挙動なのかなと・・・
あとはSunny Coveが発表されましたけどどれぐらい性能向上しているのか気になりますね。
COMPUTEXではSkylake比で約18%性能が向上していると発表しているのですが、アプリによってだいぶ変化すると思うので・・・
(供給不足でintelのCPUが高騰していなければCPUの機能とかも充実しているのでintel一択なのですが・・・)
「intelのCPUが高騰していなければCPUの機能とかも充実しているのでintel一択なのですが・・・」
とあるが、その「CPUの機能とかも充実しているので」の中にはIntel製Processorに設計段階から存在する脆弱性への対策も含まれていての事だろうか?
PCを使えば当然Processorも使う訳だからこそ、セキュリティ面も性能(CPUの機能)を担保し構成する要素として捉えるべきと考える。
いま9700kfとrtx2070で自作PC 組もうとしてるんですけど、この記事見てたら8700kでもそんなに変わらない気がして迷ってしまいました。決めきれないのでなんかひと押しください!
7/7に発売予定の「Zen 2」を待ってからでも遅くはないです。次の新型Ryzenはゲーミング性能が改善される可能性が高いので、各レビューが出てから判断しても遅くはないです。せっかくの自作ですし、できれば同じ予算でさらなる高性能を狙いたいところですよね。
Call of Duty : Black Ops IVの検証結果が露GameGPUのそれと完全に乖離しているのが気になるところ………
https://gamegpu.com/action-/-fps-/-tps/call-of-duty-black-ops-4-test-gpu-cpu
GameGPUの方はRTX2080ti・Intel第9世代Coreシリーズが出てない(もちろんドライバ類も古い)頃の検証結果なので一概に比較できないとはいえ、2080tiと1080tiの性能差を勘案しても8700K比で14フレーム程度だった落ち込みが倍以上に跳ね上がっているとはこれ如何に
うーむ、確かにそのデータと比較すると真反対な結果になってるんですよね。念のため再計測してみます。
再計測しましたが、やっぱり結果はほとんど変わらず。検証するマップによって傾向が変わる可能性があります。
検証ありがとうございます。
ライゼンはメモリ早くすれば大分追いつきますよね?メモリ早いバージョンも1部だけでいいので付け足してくれるといいかなー思います。最近は恐ろしい程にメモリ安いですからね。
B450 Steel Legendが2933 Mhz以上で回ってくれなくて…(´・ω・`)
3600 MHzくらいが簡単に回る環境を揃えたら、別記事として検証してみたいところです。
検証お疲れ様です。
やっぱりRyzenはゲーミングでの伸びがそれほど良くないですね……
かなり面白い内容でした!
Zen2と9世代intelの比較記事も楽しみにしてます。
説得力のある内容でいつも参考にさせてもらっています。ryzen7とi5の同価格帯での比較に興味あります。ぜひお願いします!
検証お疲れさまです
ゲームに関してはハイスペGPU使うと体感できるほどryzenとcore iで差がありそうですね
自分が気になったのはphotoshop/アプリ/OSとかの起動速度ですかね
少し使って(軽めに画像加工→書き出しぐらいして)閉じる、みたいな感じだとシングルコアが高い方(core i)が有利なんでしょうか
起動速度に関してはストレージの比重が大きそうですがryzenとcore iで違いあるのかなとふと思いました
RyzenでECCメモリに対応している必要ってあるんですかね?
対応していないよりは対応している方が良いと思いますが、実用上のメリットは薄いはず…
2700X+RTX2080tiと9700K+RTX2080tiの環境だと確かにベンチ回すと負けますね。(両環境持ちです)
けど実際ゲームやってる最中の快適さはぶっちゃけFPSと睨めっこしてないと変わらないレベルです。
“今”なら2700Xを選んで9700Kの差額でGPU一段階上のもので組むことを勧めるかなぁ~特に初心者には。
zen2発表きたけど3900Xが12c24tでTDP 105w、3700Xが8c16tでTDP 65w
この両方がバケモノの予感はするのですが、間の3800Xだけ微妙過ぎません?
8ⅽ16tなのに105w…さっぱり分からん…
最近Intelのcpu高いですよね
同価格帯モデで比較するのも現実的かと思います。
Ryzen 7 2700Xについてはタスクマネージャ->詳細タブ->右クリック関係の設定からCCXを跨がないようにゲームのプロセスに設定して再レビューしてみてください。
(CPU0~7のみかCPU8~15のみにチェックを入れる)
これで黒砂で最高130fps程度だったのが180~200fps前後出るようになるぐらいには改善されますよ。たぶん他のゲームでも効果あります。
コメント失礼いたします。
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さて、2080TiだとたしかにCPUのボトルネックが観測しやすいのですが、自作erのうち、0.1%未満の使用者しかいない超高性能グラボである点も記載していただきたいです。
最も使用者の多いGT1060を用いて検証すると、フレームレートの差は5%前後だったと思います。
初心者の方への解説記事なのであれば、このページ記載のデータは、検証用の特殊な環境であることを説明しておいた方が良いと思います。
ある程度自作経験があれば、RTX2080Tiを使用しているのはCPUのボトルネックを観測するためだと分かりますが、予備知識がゼロで、これからパソコンを自作したり、BTOでゲーミングマウスマシンを注文する方には、『Ryzen7 2700Xはゲーミング性能がすごく悪い』という様に見えてしまうのではないでしょうか。
そもそもCPUがボトルネックになると理解しているのは、自作に明るい方に限られると思います。
GT1060のデータも併記してあげた方が親切なのかなーと思いました。
あるいはグラボのランクで、9900Kと2700Xの差がどの程度目立たなくなるのか、といった情報にも興味があります。
1070TiやRTX2060以上から顕著な差が出てくると思うのですが、それ以下のグラボだと、グラボの性能がボトルネックとなってフレームレートの差が大きくならないのではないでしょうか。
ここまで理解している方は初心者ではないですし、どちらかというと玄人寄りでしょうね。
新しいRyzenについてPC Watchにこのような記事がありました。
(引用元:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1187086.html)
>もっとも目立つ拡張は、SIMD(Single Instruction, Multiple Data)ユニットを
>従来の128-bit幅から256-bit幅に拡張し、ベクタ演算のスループットを2倍に
>引き上げたことだ。
この性能アップは、今回の記事で検証されている「動画エンコードのSIMD拡張命令」において、
新Ryzenと現intelが同じ土俵にたったと考えられますでしょうか?
いずれにせよ12c24t TDP105wが輝く未来に期待しています(願望
そうですそうです。次のRyzenはようやくボトルネックになっていた128 bit幅の演算が、インテルと互角の256 bit幅になるため、今まで速度が出づらかったエンコードソフト(HandbrakeやMedia Encoder)で相当の処理速度を発揮できるはずです。
記事お疲れさまです
しかし、記事の更新タイミングが悪かったですね
zen2の発表によって、既に2700Xの安売りが始まってしまって、マザーボード込みで三万円を切ったりしてます
そうなので2700Xに対するコスパの数値がかなりの過少評価になってしまってます
< 記事の更新タイミングが悪かったですね
そうですね…(苦笑)。でもCPU検証の予行演習になったかな、とポジティブに捉えておきます。どちらにせよ、第9世代インテルCPUと第2世代Ryzenのデータがなければ、第3世代Ryzenの検証やレビューも出来ないので…w
Ryzen 7 2700Xのコア数ですが構造忘れてしまいました4+4で8コア実現してるであってるでしょうか?
マザボで聞きたいことあるのですがIntelのZ390では最強なのはMSI Z390 MEG GodlikeでしたがAMDでの最強なのは何でしょう?AMD用のマザボ記事が見つかりませんでした・・・
そうですね。4コアのCCXを2個つないで8コアにしてます。
X570マザーボードの情報が出揃ったら、AMD用マザーボードのまとめ記事も書いてみようかな~と思ってます。X470で一番強いのは、今のところASRock Taichi Ultimate(= Taichi)くらいしか無いです。次点はASUS X470 Crosshair VII Heroかな。
なるほどじゃぁCCXからCCXまたいでコア使ってるかメモリにアクセスしてるか可能性もあるのかな?ゲームでXじゃない2700で1060つけてるけど60fpsでない言ってた人いてたので全部のメモリスロット埋めればまだワンちゃん残ってるのかな。
紹介してくれたものにMSI 見たいにKillerLANが2個搭載してるのでてほしい。
マザボのX570記事楽しみにしています。
Ryzenが出てから結構経ちますが、最適化は全く進んでいないに等しいようですね。悪い意味で驚きでした。
しかし価格差が大きいのでコストパフォーマンスでは大分有利と。これはいい意味で驚きでした。
性能差はかなりあるのに、それを軽くひっくり返すほど安いのですね。
必ずしもAviutlのプレビューが遅いわけではないというのも興味深い情報です。原因が特定できればいいのですが。
動画編集が云々って、多分加速動画の編集をすると現象っぽいのに出会えるかもしれない。
同種なソフトYMM上での話ですが、
背景素材動画を3分割して、真ん中を8倍速にして、連続する様再配置、
それからアテレコしてると、8倍速部分について、応答が悪くなります。
下手すると、プレビュー上だけ等速で表示とか始めたりします。
ただ、当方Ryzenしかないので、コレがソレかは如何とも。
尚、当然ながら、加速部分だけを個別にエンコして別の素材とすると、破綻は無くなります(当然っちゃ当然)
また、プレビュー表示がおかしいままでエンコしたとしても、成果物は正常です。
参考までに。
初めまして。
記事内容読ませていただきましたが、基本的に性能の話がメインで、現在のIntelCPUが抱える構造的な脆弱性については触れないのでしょうか?基本はWindowsパッチで対応される(もしくはされる予定)だから無問題という事でしょうか?
脆弱性に対するセキュリティアドバイザリが出ましたね。
ttps://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1189940.html
いや、実を言うと…その脆弱性の違いをどうやってレビューすればよいのか。全く検討がつかないので比較していないだけです。ぼくはセキュリティ専門家ではないし、プログラムにも疎いです。
< 基本はWindowsパッチで対応される(もしくはされる予定)だから無問題という事でしょうか?
少なくともぼくの見解はその通りです。基本的にBIOS側の対策パッチや、Windowsのアップデートで一応の対策はなされているので、それに委ねるしか無いかなと。
返信ありがとうございます。
一般の方にはあまり関係無い話ではありますし、ね。
お手数おかけしました。これからもブログ・動画の更新楽しみにしています。
AMD E3によると、Windows10 Version 1903はRYZENのCCX構造に最適化しました、ゲームパフォーマンスは少し上げたそうです。ZEN2のIPCや周波数をあげて、INTELと比べて負けないゲームパフォーマンスを期待することができると思います。マチュルパフォーマンスはより良い、コスパも良い、ZEN2の期待が高まっています。7月7日を待っています。
興味深く読ませて頂いた。
IntelからAMDに乗り換えを構想しているので、Ryzenはマルチスレッドに強いとはいえ実測値でどう違うのか
RyzenとCoreでのレンダリング速度比較で是非、比較的軽いBlenderではなく業界スタンダードのMaya、3ds Maxで検証を行って頂きたい。
マルチスレッドでの性能差が如実に出る部分であるし、そこが何より速度に直結するので。
自環境のXeon E5-1650 v3でのMaya、3ds Max使用と比較して4~8コアでどれだけ違いが出るのか知りたい。
Adobe製品もPhotoshopだけでなく、After EffectsやPremiere Proでも検証してもらえたらと思う。
いつも楽しく拝見してます。とてもありがたいです。
よくここの検証を活用させてもらっているのですがもし可能であるなら2つ教えて貰えると有難いのです。
①この検証はPCを動かすBIOSとWindowsが行ったRyzen CPUへの最適化アップデート前の検証ですか?それともあとの結果ですか?
②もし最適化前の検証なら再検証する様な予定はありますか?
また新しい記事を楽しみにしてます。
ようやくRyzen 7 3700Xが手に入ったので、本記事は更新を行う予定です。
わからないかもしれないですけど株やfxなどの投資用PCの場合ってインテルとAMDどちらの方がおすすめですか?
トレードの内容によりますが、基本的には第3世代Ryzenで大丈夫です。シングルスレッドが速いので、シングルスレッドでしか処理できない「MetaTrader 4」もサクサク動きます。安価に8コア16スレッドが用意できるので、MetaTrader 4を複数起動して同時にバックテスト…といった使い方も可能です。
黒マチャートやBitFlyer Lightningといった、ブラウザ上で動作するトレードツールを使う場合も、第3世代Ryzenで問題ありません。
[…] 「Core i5」「Core i7」のような形で数字が性能を表していて、3DCG用途であれば「Core i7」か「Rizen 7」のどちらかであれば問題無い。(「Ryzen 7とCore i7」の違いを初心者向けに分かりやすく解説) […]