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SSDの選び方:SLC、MLC、TLC、QLC、PLCの違いを解説

SSDの選び方でぜひ知っておきたい、NANDフラッシュメモリの種類について解説します。

現在は「TLC」「QLC」が主流で、以前は「SLC」「MLC」が占めていました。本記事では、5種類のメリットや弱点について、PC初心者にも分かりやすく解説です。

(公開:2017/07/05 | 更新:2020/09/08)

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SSDの中身「NANDフラッシュメモリ」

SSDの部品「NANDフラッシュメモリ」とは?

SSDは主に3つの部品で構成されます。写真に示したとおり、左から順番に「コントローラ」「DRAMキャッシュ」、そして本題の「NANDフラッシュメモリ」です。

コントローラSSDの基本的な動作を処理するCPU的な部品。SSDの性能、寿命、耐久性など、スペックに大きく影響します。
DRAMキャッシュSSDの性能を大幅に底上げするために使われるメモリです。TLCやQLC NANDでよく使われます。
NANDフラッシュメモリデータを実際に保存する場所であり、SSDの基本性能を決定づけるパーツです。

「コントローラ」はザックリと言えば、SSDの基本的な処理をこなす「CPU」です。スペックシートに掲載されるシーケンシャル性能、耐久性(TBW)、動作温度など。主要なスペックはだいたいコントローラで決まります。

「DRAMキャッシュ」は、低速化してしまったSSDの性能を手っ取り早く底上げするために使われます。ちなみに、格安SSDはコストカットのためにDRAMキャッシュを省略しているので、使い方によってHDD以下の性能に落ち込む場合があります。

データの貯蔵庫「NANDフラッシュメモリ」

NANDフラッシュメモリは「データの貯蔵庫」

本題の「NANDフラッシュメモリ」は、いわゆる「データの貯蔵庫」です。

NANDフラッシュメモリにデータを記録するイメージ

NANDフラッシュメモリ上には無数の「セル(Cell)」と呼ばれる小さな箱があり、その小さな箱の中に「0」と「1」を使って、データを記録します。

セル(箱)が多いほど容量も大きくできる

セルをただ増やすだけでは「高コスト」

「SSDの大容量化」の基本は、とにかくセル(箱)をたくさん作ること。しかし、ただ箱を増やすだけではNANDフラッシュメモリの面積が大きくなるだけで、とても一般人が買える値段まで低コスト化ができません。

技術者たちが解決策を色々と考えた結果、ザックリ3つの方法が考えられました。

  • 箱のサイズを小さくする(プロセスの微細化
  • 箱を横だけでなく垂直に重ねる(3D NAND技術)
  • 1つの箱にデータをたくさん入れる(マルチレベルセル)

セル1つあたりの大きさを小さくして、同じ面積でも大容量を目指すのが「プロセスの微細化」です。

プロセスの微細化は行き詰まり気味

途中までは上手く行っていた方法ですが、プロセスの微細化は年々難易度が増していて、コストとの釣り合いが取りにくい状況に陥ります。

3D NAND(垂直NAND)の登場

東芝メモリが考案、サムスンが一般ユーザー向けに一気に普及を進めたのが「3D NAND」技術です。

箱を小さくするのが難しいなら、いっそのこと横方向だけでなく垂直方向にもセルを重ねてしまえば解決。ゴリ押しなアイディアですが現在も有効な方法で、各社「うちは96層」「こっちは144層だよ」と、ビルの高さで競争してます。

1つの箱にたくさんのデータを入れる技術

3D NAND技術と並行して現在も競争が続いている大容量化の方法が、1つの箱にデータをたくさん入れる「マルチレベルセル技術」です。

セル(箱)には本来「0」と「1」の2つの数値でしかデータを記録できません。しかし、コントローラの技術進化やNANDフラッシュメモリの製造技術が発展した結果、1つの箱にもっとたくさんのデータを記録できるように。

マルチレベルセルが1段進むだけで、記録できるデータ量は2倍に倍増です。2段進むと4倍、3段で8倍へと倍々ゲーム※でSSDの大容量化が可能な、革新的なやり方です。

「記憶密度」の比較SLC比較1段比較
SLC(1-bit)1.0 倍1.00 倍
MLC(2-bit)2.0 倍2.00 倍
TLC(3-bit)3.0 倍1.50 倍
QLC(4-bit)4.0 倍1.33 倍
PLC(5-bit)5.0 倍1.25 倍

分かりやすさ重視で「倍々ゲーム」と表現しましたが、記憶密度(= メモリ面積あたりのbit数)の増え方は上記の通りです。

やかもち
では「マルチレベルセル」を段階ごとに解説していくよ。

マルチレベルセルは現在「5段階」まで

2020年時点で、マルチレベルセル技術は5段階まで来ました。

SLCシングルレベルセルSingle Level Cell
MLCマルチレベルセルMulti Level Cell(2-bit MLC)
TLCトリプルレベルセルTriple Level Cell(3-bit MLC)
QLCクアッドレベルセルQuad Level Cell(4-bit MLC)
PLCペンタレベルセルPenta Level Cell(5-bit MLC)

SLC、MLC、TLC、QLC、そしてPLCについて。それぞれのメリット・短所を順番に解説します。


SLC:シングルレベルセル

SLC(シングルレベルセル)の図解
書き換え回数18000~
書き込み速度とても速い
読み出し速度とても速い
レイテンシとても速い
保存期間極めて長い
価格恐ろしく高価

SLC(シングルレベルセル)は、もっともシンプルなタイプです。

箱に入れるデータは「0」と「1」の2つだけ。非常に扱いやすく、超高速な記録スピードを維持したまま極めて正確な記録を可能にします。

「SLC」のメリット「SLC」の弱点
  • 耐久性が極めて高い
  • 性能は超高速
  • 劣化しづらい性能
  • あまりにも値段が高い
  • SLC採用SSDはほぼ絶滅

一般ユーザーが使うには、SLC NANDは完全にロマン枠です。そもそもSLC NAND採用SSDが少ない上に、価格があまりにも高すぎて手が出せません。

あと・・・いくら性能が良くても実際に使ってみるとイマイチ体感しづらい、という問題もあります。容量960 GBで約20万円に見合った性能か、と言われると首を縦に振りにくいです。

取り柄の耐久性(10000回以上の書き換え回数)も、結局のところ経年劣化には勝てない※残酷な現実が待っており、SLC NANDの存在意義はかなり薄れています。

※Googleの研究によれば、SSDの故障にもっとも影響する要因は「温度」や「使い方」ではなく「使用時間」です。どれだけ高耐久でも経年劣化には勝てません。


MLC:マルチレベルセル(2-bit MLC)

MLC(マルチレベルセル / 2-bit MLC)の図解
書き換え回数1200~
書き込み速度とても速い
読み出し速度とても速い
レイテンシやや速い
保存期間長い
価格高い

MLC(マルチレベルセル、または2-bit MLC NAND)は、主に業務向けのプロ製品でよく使われています。

箱に入れるデータはSLCの2倍になり、「00」「01」「10」「11」の4つを使って記録します。SLC NANDとほぼ同じ性能を維持しつつ、価格は半額以下です。

「MLC」のメリット「MLC」の弱点
  • 耐久性が高い
  • 性能は超高速
  • 劣化しづらい性能
  • かなり値段が高い
  • MLC採用SSDはレア

常に安定した性能と、過酷な使い方に耐えられる高い耐久性がMLC NANDの大きなメリット。価格はまだまだ高いですが、SLC NANDの半額以下で一般ユーザーでも十分に手が届きます。


TLC:トリプルレベルセル(3-bit MLC)

TLC(トリプルレベルセル / 3-bit MLC)の図解
書き換え回数600~
書き込み速度速い
読み出し速度とても速い
レイテンシやや速い
保存期間長い
価格やや安い

TLC(トリプルレベルセル、または3-bit MLC NAND)は、今のところコンシューマ向けSSDでもっとも普及しているNANDタイプです。

箱に入れるデータはSLCの4倍にまで増え、「000」や「011」など8段階のビットでデータを記録します。

「TLC」のメリット「TLC」の弱点
  • 十分な耐久性
  • 性能はかなり速い
  • TLC採用SSDは多い
  • 手頃な価格
  • 品質はピンキリ
  • 書き込み速度が遅い
  • 耐久性はMLCの半分

TLC NAND採用SSDは製品ラインナップがとても豊富で選びがいがあります。裏を返せば「HDD以下のゴミ」から「MLC並の一級品」まで色々とあるわけですが、自作ユーザー的には楽しいです。

平均的な性能としては、読み出し速度はMLC NANDに匹敵します。書き込み速度はキャッシュが効いている範囲なら、MLC NANDクラスの製品もあります。でも所詮はTLC NANDで、キャッシュが切れると一気に性能が落ちます。

TLC NANDの詳しい性能については、当ブログちもろぐのSSDレビューで確認してください。製品によってホントに性能がガラッと変わります。

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QLC:クアッドレベルセル(4-bit MLC)

QLC(クアッドレベルセル / 4-bit MLC)の図解
書き換え回数200~
書き込み速度とても遅い
読み出し速度速い
レイテンシ遅い
保存期間普通
価格やや安い

QLC(クアッドレベルセル、または4-bit MLC NAND)は、2019年頃からコンシューマ向けに普及し始めた4段目のマルチレベルセルです。

箱に入れるデータはSLCの8倍で、「0000」「0001」「0010」などなど16段階のビットを使ってデータをぎっしり記録します。あまりにも詰めすぎて、性能は過去最悪です。

「QLC」のメリット「QLC」の弱点
  • 読み出し性能は速い
  • ゲーム機には十分
  • QLC SSDはまだ少ない
  • HDD以下の書き込み速度
  • 耐久性が少ない
  • 価格が安くない

QLC NANDのアピールポイントは「TLC NANDの半額以下」だったのに、いざ製品が登場するとTLC NANDとあまり変わらない価格にガッカリです。

性能はおおむね劣化し、耐久性能も半分以下。キャッシュが効いている範囲ならTLC並の性能ですが、キャッシュが切れると一気にHDD以下の性能に劣化します。

あまりにも弱点が多いにも関わらず、値段がTLCとほとんど変わらないのが最大の問題点です。1 TBモデルが5000 ~ 6000円まで値下がりしたら、ゲーム用SSDにちょうど良いと思います。

やかもち
今のところ、PS4用に使うくらいしか用途がないです。

PLC:ペンタレベルセル(5-bit MLC)

PLC(ペンタレベルセル / 5-bit MLC)の図解
書き換え回数100以下(?)
書き込み速度とても遅い
読み出し速度速い
レイテンシとても遅い
保存期間普通
価格とても安い(願望)

PLC(ペンタレベルセル、または5-bit MLC NAND)は、QLCをさらに進化させた5段目のマルチレベルセルです。

箱に入れるデータはSLCの16倍で、「00000」「00001」「00100」など、32段階ものビットを使ってデータを超過密に記録。実用化されれば、QLCをさらに下回る性能になります。

「PLC」のメリット「PLC」の弱点
  • 読み出し性能は速い
  • 価格はQLCの8割くらい
  • まだ研究段階
  • QLC以下の最悪な性能
  • 耐久性が少ない

2020年時点で、PLC NANDはまだ研究段階です。

マルチレベルセルの進化にともない、性能は劣化し、価格は安くなりました。おそらく5段目のマルチレベルセル「PLC」も、実用化されればQLC以下の最悪な性能と・・・QLCより安い価格を実現するはずです。

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まとめ:TLC NANDが無難な選択

NANDSLCMLCTLCQLCPLC
書き換え回数18000~1200~600~200~~100
書き込み速度とても速いとても速い速いとても遅いとても遅い
読み出し速度とても速いとても速いとても速い速い速い
レイテンシとても速いやや速いやや速い遅いとても遅い
保存期間極めて長い長い長い普通普通
価格恐ろしく高価高いやや安いやや安いとても安い

2020年時点で、コンシューマ向けのSSDで普及しているNANDタイプは「TLC(トリプル)」か「QLC(クアッド)」です。

そして詳しく解説した通り、QLCはまだ発展途上で価格も言うほど安くないため、SSDを選ぶ場合は実質的に「TLC NAND」1択と言っていい状況です。

TLCの1つ上位にあたる「MLC」は一般用途向けではなく、4K ~ 8K動画編集など過酷なワークロードに適したNANDタイプで、普通はあまり選択肢に入れる必要はありません。

最近はTLC NANDの技術進化に伴い、まるでMLC NANDかのような性能を見せるTLC NAND採用SSDもありますので、なおさらMLC NANDの立場は苦しいです。

「TLC」タイプでおすすめなSSD

Samsung 860 EVO(M.2)
Samsung / NAND : 第4世代V-NAND(64層TLC) / 容量 : 500GB / 耐久性 : 300TBW / 保証 : 5年

SATA接続のTLC NAND SSDで筆者イチオシは「Samsung 860 EVO」です。コンポーネントはすべてSamsung純正で統一され、極めて高い信頼性が大きな魅力。

性能はSATA SSDの中でどんぐりの背比べ状態ですが、一応860 EVOがトップクラスです。製品保証も5年あるし、とりあえず迷ったら「860 EVO」で間違いなし。

WD Blue SN550(レビューまとめ)
Western Digital / NAND : KIOXIA製96L TLC NAND / 性能 : 最大2400 MB秒 / 容量 : 1TB / 耐久性 : 600 TBW / 保証 : 5年

PCIe接続(NVMe SSD)でコスパ最高は「WD Blue SN550 NVMe」です。860 EVOと同価格ながら、読み込みは2400 MB/s、書き込みは1 TBモデルで1950 MB/sを叩き出します。

SSDを何十台もベンチマークしてきた、筆者やかもちのおすすめSSDまとめは↓こちらの記事をどうぞ。

「MLC」タイプでおすすめなSSD

クリエイターにベストなNVMe「Samsung 970 Pro」
Samsung / NAND : Samsung製64層MLC / 容量 : 1 TB / 耐久性 : 1200 TBW / 保証 : 5年

MLC NANDといえば「Samsung 970 Pro」がベスト。どれだけ書き込んでも落ち込まない、極めて一貫した性能が最大の魅力です。耐久性も1 TBモデルで1200 TBWも確保され、過酷なワークロードに耐え抜きます。

「SLC」タイプは「Optane」に脅かされる?

最強の性能と最高の信頼性「Intel Optane 900P」

インテルが次世代メモリ「Optane Memory」を投入して以降、SLC NAND SSDの立場は大きく脅かされています。

コンシューマ向けで最高性能のSLC NAND SSD「983 ZET」ですら、「Intel Optane 905P」の異次元クラスのレイテンシと耐久性能には届かないです。価格も厳しい戦いを強いられ、最強争いはOptane一強です。

以上「SSDの選び方:SLC、MLC、TLC、QLC、PLCの違いを解説」でした。

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48 件のコメント

  • 要は壊れないからメーカーが困ってるんですよ。
    複雑にすれば壊れやすくなります。セル数を減らして情報を増やせば当然セルへの負荷(電流?電荷?電子?)が多くなり熱量が増えます。熱は大敵ですから。(信頼性試験の経時変化は高温多湿を加えた環境での劣化を逆算してます。そうもしないと5年保証品は5年前に作って試験確認後となりますから、完成5年後に量産?)
    MLCが流通しそろそろ5年経ちますが、2,3年でHDDは壊れたクレーム?は多いですがSSDは殆ど無く、せいぜい速度落ちくらいです。 それもPC使い道が無い人のクレーム
    SATA3に対するSSDの速度は頭打ちです。 
    PCIeに増設のSSDが速度を上げてますね。これは転機に壊れやすい高速のSSDをボードで提供し買い替えと短寿命での売り上げを上げたいのでしょう。
    (それがダメならOSメーカーにライセンス?で6年以上前のディバイスは認識させない)
    このままSSDの高速が進むとRAMは不要になります。 
    CPUは5年前から5GHzで頭打ち。もうPC市場は価値が稀少でスマホに変わりますかな?

    • マルチコアと同じ様に、SLC(=シングル=単数)の次に出たダブル(≒マルチ=複数)と言う意味で、自作PC界では一般的にMLCはダブルレベルセルの事をさします。
      本来の意味ではTLCやQLCもマルチ(=複数)と呼ばれますが、実際に使われる意味とは異なります。
      巷で誤用が多発している、上位互換や壁ドンなんかと同じパターンです。

  • はじめまして。
    >SSDに対して「不安」を持っている人:OS用にはMLCタイプ、ゲーム用にはTLCタイプを
    これ、逆だと思いますよ。
    信頼性の面ではMLC>TLC
    そして、データの重要性は、止まることが許されないエンタープライズのサーバーでもない限り、OSよりもゲーム+その他の方が高いです。
    OSのデータなんてものは、たとえセルの電圧に不具合があってエラーしたり消失したりしても、再インストールすれば直せます。
    でもゲームのセーブデータやその他のユーザーデータは消えれば終わりです。

    • NANDの仕組みによって、SLCですら数年以上通電しない状態で放置するとデータがロストになるので、SLC MLC TLCに関わらず、壊れるまでどんどん使っていくの方が正解だと思います。
      その代わりにアーカイブ化データの保存先にはどれでも不向きです。
      OPTANEのデータ記録方式はNANDと違い、電子の電圧ではなく相転移による材料の物理的な状態の違いであるので、コントローラーが壊れない限り、データの長時間保存の性能については期待出来るものだと思います。

    • なるほど~。個人的に、ゲームのインストールよりWindowsの再インストールの方が敷居が高いのでは…と思っていました。
      セーブデータはゲームにもよりますが、Steamのゲームならサーバー側に保存されているのであまり気にしてなかったです。
      ただ、撮影したスクリーンショットや動画は消えてしまうので、データ類はやはりHDDに移すなど対策したほうが良いですね。

      • yacamochiさん構成を支持

        modの設定はゲーム本体の場所が多いと思いますがSSや設定のファイルはCドライブ内に保存されたりするのでは?
        なので何やかやで読み書きされるCドライブはTLCよりMLCだと考えます.

  • はじめまして。

    SSDを探してるんですが、表の中の「書き換え回数 90000~100000、8000~10000、3000~5000、1000」や「〇〇TBW」という部分が分かりません(>_<)

    書き換え回数というのは実際にどういうことを言うのでしょうか?
    基本的にデータは溜めっていく、もしくはいらなくなったものを削除するということしか分からないのですが、これらもそれぞれ1カウントしてるんでしょうか?

    HDDの書き換え回数とかあれば、教えてください。

    • 何をもって書き換え回数「1回」と定義するのかは実はあまり決まっていません。そこでもっと分かりやすい指標として「TBW」(=書き込み可能な容量という意味)が作られ、SSDメーカー各社はカタログスペックに「120TBW」という具合に、寿命となる指標を掲載するようになった。

      で、このTBWはCrystal Disk Infoというソフトを使うと確認可能なんですよね。実際にぼくが9300時間ほど使っているSAMSUNG 750 EVO 250GBのTBWを確認してみます。

      総書き込み量に23243GB(約23TB)とあります。サムスンが公表しているTBWは70TBWなので、あと47TB書き込めば、理論上の寿命に到達する計算ですね。

      今のペースで使い続けると残り19000時間で70TBWに到達するので、792日(2年強)は持ちそう。ただ、1日あたり60GBも書き込む人はかなりハードな使い方です。

      ゲーム用に使っているSSDだと、1日あたり9.3GBくらいしか書き込まない。これなら計算上は20年は持つことになります。その前に電源ユニットだったり、マザーボードだったり。他のパーツが故障しそうな勢い…。

      ちなみにTBWを突破したとしても、普通に使える事例はありますが…。SSDの性質上「データ保持エラー」が急増する可能性が高いので、TBWに達して普通に動いていても、データが勝手に破損したり消えたりするリスクがあるので、その場合は新品のSSDにデータを移すか、HDDにバックアップを取ったほうが良いです。

      結論をまとめると、SSDは非常に壊れにくいストレージと言えます。

      ※最近発売されたSAMSUNG 860 EVO(500GB)だと、TBWは300TBもあります。1日60GBも書き込むハードな使い方をしても、約13.6年は持つ計算に。

      < HDDの書き換え回数とかあれば、教えてください。

      HDDに書き込み容量の制限はありません。SSDよりも寿命を予測しにくいですね(ただし壊れそうになると前兆があるので事前に回避しやすい)。

      • 普段は9-15時までトレード、それ以外の2-3時間でYouTubeを見る程度ですが、ほとんどシャットダウンとかスクリーンセーバーとかにせず、画面を表示させたままです。

        トレードでは数十銘柄の株価データを一画面で表示させ、頻繁に表示は変わりますが、同時にYouTubeを見れて全く支障がないので、ほとんど使用していないのかな??

        ゲームの方が圧倒的に重たいんですよね? HDDではカクカクして全く使えないとか聞きますし。。。 それにしても1日60GBって何をやったらそんなになるんですか?

        記載のあるゲーム用で1日あたり9.3GBというのは24時間フルでゲームしまくっての推測値でしょうか? それであれば、今の使い方でも十分な長持ちしそうな感じですね。

        • 確かに60GB /dayは変だな~と、言われてみて改めて調べてみました。

          タスクマネージャーを見ると、常時書き込みが行われているようです。いったい何のアプリがこんなことを…w

          リソースモニターで見ると、Google Chromeが犯人だと判明。履歴やキャッシュを生成するために、延々と書き込みを実行しているみたい。
          履歴を消せば一時的に解消されるけれど、結構面倒くさい。どちらにせよ、TBWに達した時どうなるか個人的に興味があるのでこのペースで使っていくつもりです(苦笑)。

          < 記載のあるゲーム用で1日あたり9.3GBというのは24時間フルでゲームしまくっての推測値でしょうか?

          ぼくは割りと24時間稼働です。黒い砂漠やマビノギが9割を占めていると思います。

  • 日常レベル、通常業務levelならSSDで問題ないかと。
    開発とかになると書き込み頻度が高すぎて、3年と持たずに問題出ますね。
    メーカー次第でしょうけど。

  • この記事で当ブログに出会い、少し感動したのでコメントを。。。

    サイト全体の配色や細かい部分のデザインが丁寧なのも好感が持てますが、何より記事の文章構成が良く、非常に読みやすかったです。

    個人ブログは数年前から
    「ほら役立つ情報だろ?おっと広告挟むぜ。オススメ商品のリンクも追加だ。押せ!そこのバナーを押せオラァ!」
    みたいなレイアウトが多く、文書構成も広告クリックを着地点にしている事が丸わかりのスカスカな記事ばかりで辟易していましたが、このブログで久々にほっこりしました。

    プロフィールから予想するに、今年成人式の学生さんかな…。上から目線の長文で大変失礼しました。これからも頑張ってください。

  • 一概に、SSDの寿命が長いとか、HDDより寿命が長いというのはちょっと…
    BGAチップのハンダ不良で僅かな通電期間で壊れたこと数回(crucial,intel)
    コントローラー不良で壊れたこと1回(ADATA)
    箱に入れて保管してるだけで、壊れた512Gのcrucial
    (期限切れに付き、起動回数、時間考慮されず保証してくれないゴミ)
    HDDと違い、データの復旧難易度は上がってますし、修理は自前で基板買って作ったSSDでないならほぼ不可能(コントローラ、チップの本物の入手難易度が高い)

    crucialは対応が遅いので、基本的に買わないほうが良い
    質問だけでも一月以上待たされることもある。
    あとは、使い捨てのつもりで買わないなら、保証期間優先で買うしかない。

  • 電源管理が頻繁な最近のPCで一般用途に使われるストレージは、例え3年使ったとしても実働時間は1年分あるか無いか程度です
    つまり9年使えば実稼動時間は概ね2.7万時間程度であり、最近のHDDが連続で動かしてれば6万時間を当たり前に越える事を考えても、最低20年持つのが当たり前なのですが最新のQLCでTLCの5分の1耐久で

  • 電源管理が頻繁な最近のPCで一般用途に使われるストレージは、例え3年使ったとしてもストレージの実働時間は1年分あるか無いか程度です
    つまり9年使えば実稼動時間は概ね2.7万時間程度であり、HDDto最低20年は経たない
    最新のQLCでTLCの5分の1耐久に刻んで来てますから、良くても4年連続で使うとその3分の1で壊れる大容量タイプが出回り出してます
    このタイプはMLCの10分の1、TLCの5分の1耐久しか無い分、記録可能容量が4倍に膨れて居ます

  • SSDはHDDと違い物理的なデリケートさが皆無ですから、HDDのように地震やハードの滑落・転倒で壊れたりはしません
    ですが物理的な耐久性が良いのと記録面での耐久性が良いと言われるのは大きな勘違いで、HDDと同時に同じ時間単位の書き込み耐久を慣行すると、間違えなく先に壊れます
    それは何故かと言いますと、その高速性故にHDDの4倍から20倍短い期間で大量に書き込みを繰り返してしまう為です
    ですから外部からの書き込みを許容する用途に使用すると、そのパフォーマンスを制限無く他者に提供する事で、HDD拠り遥かに高速な寿命の浪費が発生します
    つまりSSDは”書き込みさえ抑えれば何LCであろうと何時までも壊れ無い”と言う、特殊なハードウェア的堅牢性で元よりHDDに勝るのです

    • MLCは「Multi Level Cell」の略語です。だから意味的に「2-bit MLC」を含まないのですが、今では「MLC = 2-bit MLC」という扱いになってますね。

      SamsungはTLCなら「3-bit MLC」、QLCなら「4-bit MLC」と。Amazonの商品ページなどで記載しているようです。公式サイトはどの製品のことなのか分からないので、ちょっとわかんないです。

  • PLCってwそれもうSSHDでよさそうw中の面積減るだけしかメリットないのでは?
    RAIDしたらキャッシュが結果的に増えたりするのかな?やったことないからわからないけど。でもQLCで値段安くならなかったけしどうなることやら。

    TLCで作られたMLCってのがそういやあったなぁ3bitを2bitにしてコスト安くしましたなんちゃってMLCってのが・・・どこメーカーの製品だったかな?

  • 最近はMLCと書いてマルチレベルセルという意味合いでとって、2bitや3bit, 4bitの場合もあるそうです。情報ソースが思い出せないのですが確かサムソンあたりがそんな感じにしてたと思いますので、少し調べていただけるといいかもしれません。

    • 「multi」の意味は、weblio辞書によれば「何倍もの…」だそうです。
      つまり、「2倍」を意味するわけではありません。

      なぜかSSD業界ではMLC = 2段階のレベルセルという意味で通っていますが、正しく表記するなら「2-bit MLC」の方がしっくりと来ると思います。

      だからMLCでも3-bitや4-bitがあっても、言葉の意味的には間違いではないです。サムスンの場合は、Triple Level Cell(TLC)を「3-bit MLC」、Quad Level Cell(QLC)を「4-bit MLC」と表記していますね。

    • 『セル(箱)が多いほど容量も大きくできる』と『マルチレベルセルは現在「5段階」まで』で書かれてますよ。
      もし私に対してならありがとうございます。書いてくれたおかげでなんちゃってMLC作ったのはサムスンだと思い出しました。TLC(3bit)のをMLC(2bit)にしたほうがコストが下がると私が見た記事(ちもろぐではない)ではそう書かれていました、でも今回この記事見たら誤情報で単にTLC(3-bit MLC)をそう解釈して書かれてたのかな?

  • QLCはデータバックアップ用途には良さそうなんだけど、価格がネックでなあ
    4TBで2万、HDD比で倍額くらいの価格差まで落ちたらバックアップ用のEドライブを交換したい

  • SLCが2bitMLCやTLCに比べて2倍や3倍どころではないぐらいコスパが悪いのは製造ラインが異なっていて生産数が少ないからなのかなあ

  • Samsungは最近コスパ悪いので、こだわりが無い人にはWDやCrucialやKIOXIAの方がいいと思うのですが。

  • Addlink見てるとNVMeの2TBクラスになるとQLCの利点を感じられるんじゃないかって思ってきた

  • TLCの説明なのですが自分なりに解釈したところ図の数字は以下のようになるかと思ったんですが…
    1セルあたり3bit入るということは0と1の組み合わせが三回、2^3=8パターンあるのではと思いました。

    111
    110
    101
    100
    011
    010
    001
    000

  • […] OSドライブは割と頻繁に書き込みを行うので書き込みの規格なども一応気にしています。本当はSLCがベストなんだけど、価格と容量、また現実的に入手できるかどうかも考えたらMLCタイプ(書き込み方法の違いについてはこちらが詳しく分かりやすかったです)しかないかなと。容量的に2TBが安心と思いがちですが、コスト以上に記録媒体の数や電力数、破損劣化のリスクなど考えるとできるだけ必要最低限が望ましいかと思います。 […]

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