半端なく洗練されたモダンなデザイン、マルチタスクに対応する高い性能、そしてコンバーチブル(2 in 1)。HP最上位ブランド「Spectre」シリーズの15.6型モデルである「HP Spectre x360 15」をレビュー。とにかく…めちゃくちゃデザインがカッコいいです。
HP Spectre x360 15の仕様やスペック

HP Spectre x360 15-df0000 | |
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OS | Windows 10 Pro 64bit |
CPU | Core i7 8750H6コア / 12スレッド / 2.2 ~ 4.1 GHz |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2 |
GPU | GeForce GTX 1050 Ti Max-Q |
SSD | NVMe 512GB |
HDD | – |
サウンド | Realtek High Definition Audio |
スピーカー | 4個搭載B & O Play製 / デュアルマイク内蔵 |
光学ドライブ | – |
各種ポート |
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無線LAN |
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ディスプレイ |
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キーボード | 日本語(テンキー付き)バックライト機能あり |
カメラ | HP Wide Vision HD Webcam(200万画素) |
バッテリー | 82.8 Whリチウムイオン |
サイズ | 19.0 x 359 x 249 mm最厚部の厚みは21.0 mm |
重量 |
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保証 | 12ヶ月 |
価格 | 175000 円(税抜)最新価格をチェックする |
HP Spectre x360 15はHPブランドのマスターピースに位置づけられる最上位ブランドにふさわしい、(主観的な感想ですが)最高のデザインと、マルチタスクに対応する高いパフォーマンスを実現するノートパソコンです。
ディスプレイは応答速度がやや遅いものの、対応色域はsRGBをほぼカバーしAdobeRGBも7割カバーしているため、クリエイティブなタスクに十分使えます。応答速度はゲーム以外の用途で困ることはありません。
なお、性能はすでにパワフルですが、Thunderbolt 3コネクタに対応している「外付けGPU」を挿し込むことで更にグラフィックス性能を拡張することが可能。
性能を拡張できるというのも、HP Spectre x360 15の大きなメリットです。まとめると、「最高のデザイン」と「圧倒的パフォーマンス」の両立を求める人にぴったりなノートパソコンでした。
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ラインナップとカスタマイズ
「HP Spectre x360 15-df0000」は1種類のみ。ただしストレージだけカスタマイズ可能です。
- 512GB SSD (PCIe NVMe)
- 1TB SSD (PCIe NVMe)
標準で512 GBの高速SSD(PCIe接続)を搭載。+10000円で、容量を1 TBに変更できます。今回レビューするのは普通に512 GB版の方です。
HP Spectre x360 15を開封レビュー
パッケージング(梱包)

ブラックにゴールドなパッケージ。「Spectre」はHPノートパソコンでは最上位に位置するプレミアムブランドなので、スタンダードなPavilionシリーズとはまったく雰囲気が違います。

中身を出してみると、更にパッケージが出てきた。二重の梱包でしっかりと中身を保護してあります。

ブラックの背景に、金色のフォントで「Spectre」と刻印。

表面はブラックで統一。側面にSpectre HPロゴがあります。

裏面はゴールドで統一。HPロゴがうっすらと入っています。

パッケージを開封すると、Spectre x360 15本体が登場。斜め4本の抽象的なデザインは「Spectre HP」ロゴ。ただ、この抽象さを「HP」と認識できるかどうかは、個人差がありそうですね。
もちろん、ぼくは好きです。このデザイン。

ノートパソコンを取り出すと付属品が登場です。中身でこれで全部でした。
付属品をチェック

- 電源ケーブル & 充電アダプター
- USB Type C変換ケーブル
- 「HP Tilt Pen」
- セットアップ手順
- 速効!HPパソコンナビ特別版
- 専用スリーブケース
付属品は以上6つで全部です。

HP Tilt Pen(Spectreアクティブペン2)は、Bluetooth(無線)で本体に接続して使えるワイヤレスなペンです。筆圧感知に対応しているので、Photoshopなどで絵を描くことが可能。
充電は付属のUSB Type C変換ケーブルで、本体とペンをつないで行います。1時間くらいでフル充電になり、割と長時間使えました(6時間経っても使えるので、かなり長持ちかも)。

ペンの長さは普通のボールペンとそう変わりませんが、重量は14 gあるのでややずっしりと来る。タブレットモードで使うだけなら快適な使い心地です。

充電アダプターと電源ケーブル。長さはだいたい1.5メートルほど。

充電アダプターの給電性能は最大で135 W(19.5 V x 6.9 A)です。Spectre x360 15はCPUにCore i7、グラボにGTX 1050 Tiを搭載しているため、135 Wもあれば十分な余裕が確保されています。
圧倒的なシャーシデザイン

宝飾品のようなカッティングが施された、幾何学的なデザインがとてつもなく特徴的です。天板はマットブラック塗装で、中央にロゴを配置しています。手触りはサラサラ。

天板のロゴはピカピカの鏡面仕上げが施され、周囲が映り込むほどです。色はアッシュグレーで落ち着いた印象。

シャーシ(筐体)はアルミニウムを全体に使用し、2 kgを超える重量でありながら端っこだけで持ち上げても「しんなり感」は一切ない。とても頑丈なシャーシです。

サイズはA4用紙より一回り大きめ。横幅が361 mmで、奥行きは250 mmです。厚みは19~21 mmで、「Core i7 + GTX 1050 Ti」にしてはそれなりに薄型に分類されます。

底面には大きな「吸気用スリット」と、前後に厚みが約1 mmのゴム足を設置。

吸気用スリットはその名前の通り、外気を取り込んで内部を冷やすためにあるので、布団など柔らかいものの上において使わないように。塞いでしまうと熱処理が悪化します。

底面の吸気用スリットから吸い込んだら、左右にある排気用スリットから熱を排出する。ゲーミング時は左右から激しく熱が吐き出されるので、冷えた飲み物を置かないほうが良いですね。

ヒンジの開口角度は360°です。製品名の「HP Spectre x360 15」の「x360」には、要するに「画面が一回転するよ。」という意味が込められているのです。
200°くらいまで角度を付けると、Windowsがタブレットモードに切り替わり、キーボードの操作が無効化される。だから画面だけで操作ができる状態になります。

ノートパソコンとしても使えるし、タブレットとしても使える。コンバーチブルタイプのノートパソコンです(=2 in 1とも呼ぶ)。

本体重量は「2102 g」です。ノートパソコンとしては重たい方なので、家の中で使うなら問題ないですけど外出先に持ち出すのはちょっと面倒くささがあります。
ケーブル類は「441 g」なので、両方あわせて約2.5 kgにもなる。
シャーシデザインを360°観察
マットブラック基調に、エッジ部分のアッシュグレーがアクセントになった、極めてモダンで先進的なシャーシデザインです。一般向け(ゲーミングではない)ノートパソコンとしては、最高のデザインだと感じます。

スピーカーはHP御用達のオーディオメーカー「Bang & Olufsen(バングアンドオルフセン)」製を、合計で4つ搭載するクアッドスピーカーです。
5000円くらいのPCスピーカーと比較すると劣るけれど、ノートパソコン付属スピーカーとしてはかなり良い音質でした(最大音量も非常に大きい)。Youtube視聴ならそれほど不満することはないでしょう。
キーボードを触ってみた感想

キーボードはテンキー付きのフル仕様。Fnは1個だけなので一番下の段もやや余裕あり。Enterキーとテンキーの距離は若干開いているので、Enterの押し間違えがしにくい。
おおむね打ちやすいキーボードでした。

キーの大きさは16 mm前後で普通のサイズ。キーピッチは約18.4 mmを確保し、十分な間隔です。キーストロークは約1.5 mmで標準的。
F5キーでキーボードのバックライト機能を切り替え可能。明るさは2段階で調節できます。豊富なインターフェイス
インターフェイス | |
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インターフェイスは必要十分な内容が揃っています。USB 3.1 Gen2(最大10 Gbpsの転送速度)を1個備え、最大36 Wの給電能力を持つThunderbolt 3コネクタが2個もある。
Thunderbolt 3コネクタはDisplayPort 1.4もサポートしているため、HDMIと合わせて最大3画面の出力に対応しています。
なお、Webカメラの電源ボタンを搭載しているのは意外にユーザーフレンドリーな仕様。Webカメラの電源を落としておけば、手違いで勝手にカメラに撮影される心配もないです。

無線LANの通信速度
インテル製のWiFiモジュール「Wireless-AC 9560」が搭載されています。最大で1.73 Gbpsの通信速度に対応するハイエンドWiFiモジュールです。

帯域幅 | iperf3(受信) | iperf3(送信) |
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0.00-1.00 | 83.6 MBit/s | 64.9 MBit/s |
1.00-2.00 | 83.3 MBit/s | 76.6 MBit/s |
2.00-3.00 | 81.0 MBit/s | 67.0 MBit/s |
3.00-4.00 | 80.6 MBit/s | 66.1 MBit/s |
4.00-5.00 | 80.0 MBit/s | 69.2 MBit/s |
5.00-6.00 | 73.2 MBit/s | 69.2 MBit/s |
6.00-7.00 | 76.4 MBit/s | 63.9 MBit/s |
7.00-8.00 | 76.3 MBit/s | 44.1 MBit/s |
8.00-9.00 | 86.3 MBit/s | 65.0 MBit/s |
9.00-10.00 | 81.3 MBit/s | 68.2 MBit/s |
平均 | 80.2 MBit/s | 65.4 MBit/s |
通信速度のベンチマークを行いました。受信で73.0 MBit/s、送信が78.6 MBit/sでした。インターネットしたりYoutubeを見るのに全く不便しない、必要十分な性能です。
SDカードリーダーの性能

MicroSDカードスロットがあります。しかし、筆者がテスト用に使っているのは普通のSDカードで物理的に挿し込むができず、カードリーダー性能の検証はできなかった。
メンテナンス性とパーツの増設について
メンテナンス性は良好ではない。
見えてるネジを外すだけでは開封できず、ゴム足の裏側に隠されたネジも外す必要があります。加えてメモリスロットはすでに使い切ってあるため、パーツの増設もほとんど出来ません。
HP Spectre x360 15のディスプレイ品質

分光測定器「X-rite i1 Pro 2」でディスプレイ品質を検証
HP Spectre x360 15には台湾の一級メーカー。AU Optronics製のIPSパネルを採用。型番は「AUO30EB」です。
AU OptronicsはBenQの子会社で、ゲーミングモニター向けの高品質な低遅延パネルを製造している技術力の高いメーカー。表示色域もかなり広いのでクリエイティブな用途にも耐えられます。
色再現と輝度
色再現と輝度※クリックで画像拡大します | |
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コントラスト比 | ガンマカーブ |
![]() | ![]() |
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コントラスト比は表面にタッチパネル面がある影響なのか、IPSパネルにしては高い数値を出しています。色の正確性に関わるガンマカーブは、赤色はほぼ忠実ですが、緑と青はやや弱い出力でした。

出荷設定の時点で色は十分にキレイです。ハードウェアキャリブレーションを施すとより鮮やかな色になります。ただ、このくらいの差だとどちらが良いかは「好み次第」ですね。
一応、ぼくが作成したカスタムプロファイル(.icm)を配布しておきます。使いたい方は自由に使ってください。

ディスプレイの明るさ(輝度)を、10%ずつ明るさの設定を変えながら計測しました。
一番暗い設定で「13 cd/m2」で、最大設定にすると「270 cd/m2」に達し非常に明るいです。目にちょうど良いとされる「120 cd/m2」は、設定値50%ピッタリで一致します。
色域カバー率
ディスプレイ上に実際に表示できる色の範囲を示す「色域カバー率」をチェック。
基本的な規格sRGBでは、97%のカバー率を示した。大抵の色はほぼ表示できる。更に厳しいAdobeRGBだと、カバー率は76.5%でした。クリエイティブな用途にも耐える、広い色域を誇るディスプレイです。
「ペンタブレット」としての性能は?
HP Spectre x360 15のディスプレイは「タッチパネル対応」で、しかも筆圧感知は1024レベルです。安物のペンタブレット並の筆圧感知があるので、イラストが得意な友人に描いてもらいました。

Hinalineさんに「やかもち(筆者)」を描いてもらったよ。

イラストを描けないことは無いけれど、どうもペンで描いてから実際に画面に反映されるまでに「遅延」があるそうで、本気でイラストを描くのには向かないという評価でした。

ここで「遅延」というワードを聞いて、ふとディスプレイの応答速度を確認してみたところ、残像がちょっと目立ちます。少なくとも30ミリ秒くらいはズレてる残像です。
このくらいの遅延は普通に使う分にはそれほど問題ないけれど、ゲーミングには向かない。
4K表示はスゴイけど利用シーンは限定される

HP Spectre x360 15のディスプレイ解像度は最大で「3840 x 2160」に対応。Windowsの設定から「1920 x 1080」にすると、見やすさ的にちょうど良い。普段のタスクならフルHDで運用することになります。

4K設定(3840 x 2160)にするとフルHDと比較して4倍の情報量に跳ね上がるけれど、見ての通りアイコンなどUIデザインはものすごく小さく表示される。15インチで4K解像度は万人向けではない。
高解像度の写真や動画素材などを原寸で直接確認するシーンなら、4K表示に出番はありそうですが、普通の使い方だとフルHD表示で使うことのほうが多いと思われます。
HP Spectre x360 15のシステム性能
定番ベンチマーク
めちゃくちゃ速い。一般向けノートパソコンとして、トップクラスに位置づけられるパフォーマンスを発揮した。6コア12スレッドのCore i7 8750Hはやはり速いです。
Windowsの起動時間
「起動」は起動ボタンを押してからデスクトップ画面が立ち上がるまで。「シャットダウン」はシャットダウンを押してから動作音が消えるまで、をデジカメで撮影して計測しました。
Windows 10の起動時間
シャットダウンは非常にスピーディーですが、起動はちょっと遅いです。
Microsoft Officeの処理速度
Microsoft Officeの処理速度 | ||
---|---|---|
![]() | ||
Word | Excel | Power Point |
0.88 秒 | 0.79 秒 | 2.72 秒 |
さすがにOffice系ソフトの処理速度は非常に速い。WordとExcelは平均で1秒以下の処理速度。パワポは3秒を割り込み、かなり速い動作を実現しています。
CGレンダリングの処理速度

CGレンダリングの処理速度を「Blender 2.78」を使って計測。BMWを描写するのに掛かった時間が速いほど優秀という意味です。
Blender 2.78 / BMWの生成タイム
8分でクリアしてしまった。ノートパソコンにしてはトップクラスの処理速度。3DCG系のタスクもそこそこできる性能があります。
写真編集とRAW現像

写真編集は「Photoshop CC」で処理速度をテスト。Puget Systems社が配布しているベンチマーク用のバッチファイル※を使い、実際にPhotoshopを動かして性能をスコア化します。
マシン | HP Spectre x360 15 | HP Pavilion 15 cs-0000 タイプ : スタンダードモデル |
---|---|---|
CPU | Core i7 8750H | Core i5 8250U |
GPU | GTX 1050 Ti Max-Q | Intel UHD 620 |
RAM | 16GB | 8GB |
総合スコア | 734.4 /1000 | 440 /1000 |
一般処理のスコア | 64.6 | 37.1 |
フィルタ系のスコア | 77.3 | 41.1 |
Photomergeのスコア | 83.4 | 63.6 |
GPUスコア | 73.4 | 22.8 |
やっぱりCore i7 8750Hは速い。特にPhotoshopの場合はシングルスレッド性能の高いCPUと相性が良いため、i7 8750Hのようなクロックの高いCPUだと処理が非常に高速化される。
普通のノートパソコン(HP Pavilion 15-cs0000)と比較すると、性能は60%以上も速いという結果になっています。
比較表のテンプレ | ||
---|---|---|
マシン | HP Spectre x360 15 | HP Pavilion 15 cs-0000 |
CPU | Core i7 8750H | Core i5 8250U |
GPU | GTX 1050 Ti Max-Q | Intel UHD 620 |
RAM | 16GB | 8GB |
総合スコア | 734.4 | 440 |
一般処理のスコア | 64.6 | 37.1 |
フィルタ系のスコア | 77.3 | 41.1 |
Photomergeのスコア | 83.4 | 63.6 |
GPUスコア | 73.4 | 22.8 |
テストの詳細結果 | ||
RAW画像の展開 | 4.5 | 12.17 |
500MBへのリサイズ | 2.73 | 23.28 |
回転 | 1.15 | 2.32 |
自動選択 | 17.22 | 27.27 |
マスク | 4.77 | 7.63 |
バケツ | 2.76 | 4.5 |
グラデーション | 0.47 | 0.69 |
塗りつぶし | 16.42 | 23.51 |
PSD保存 | 10.28 | 11.92 |
PSD展開 | 3.01 | 5.68 |
Camera Raw フィルタ | 7.12 | 15.26 |
レンズ補正フィルター | 18.07 | 24.71 |
ノイズ除去 | 21.63 | 28.95 |
スマートシャーペン | 27.51 | 153.07 |
フィールドぼかし | 18.13 | 60.51 |
チルトシフトぼかし | 17.46 | 33.72 |
虹彩絞りぼかし | 19.2 | 53 |
広角補正フィルター | 24.26 | 27.81 |
ゆがみツール(Liquify) | 12.84 | 21.7 |
Photomerge(2200万画素) | 93.85 | 121.79 |
Photomerge(4500万画素) | 129.23 | 171.41 |
※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。

次はRAW現像(Raw写真をjpeg画像に書き出し)を「Lightroom Classic CC」で検証。使ったRaw写真は全部44枚(合計1.18 GB)です。比率50%、解像度144 ppiで書き出しを実行。
- 書き出しに掛かった時間:51秒15
結果は1分を割り込みました。速い。写真編集は余裕です。
動画エンコード

動画エンコードは無料ソフト「Handbrake」を使って検証する。容量が約1 GBのフルHDアニメを「Fast 480p30(x264)」と「H.265 MKV 480p30(x265)」プリセットでエンコード。
動画エンコード※クリックで画像拡大します | |
---|---|
x264 | x265 |
![]() | ![]() |
平均65.70 fps | 平均33.92 fps |
動画エンコードは…速いですね。ノートパソコンでこれだけの速度が出たら十分というか、ほぼトップクラスに位置する処理速度です。
Handbrake x264(動画エンコード)
過去のノートパソコンレビューと比較してみると、HP Spectre x360 15のエンコード速度はNo.1に位置する。デスクトップPCだとCore i5に匹敵する性能ですね。
軽めのゲーミング
搭載されているグラボは「GTX 1050 Ti Max-Q」。軽いゲームなら余裕でこなす性能があります。標準設定のFF14なら平均100 fps以上で動作するほどの性能なので、ゲーミングPCとしても活躍する。
ストレージの性能と搭載パーツ
SSDは東芝製「KXG50ZNV」の512 GB版を搭載。PCIe x4接続の超高速SSDです。読み込みは3000 MB/sオーバー、書き込みは500 MB/sを少し超える程度で大人しいですが、おおむね速いSSDといえます。
HP Spectre x360 15の熱と動作音
サーモグラフィーで表面温度をチェック

サーモグラフィーカメラで本体の発熱をチェック。キーボード面の発熱は中央に偏り、手のホームポジションになりがちな左右はほとんど発熱しませんでした。

底面の発熱は、吸気用スリットの中央と左右の排気用スリットが激しい。

排気用スリットの発熱を見てみると、55~60℃でなかなかの熱風です。これだけの熱風を吐き出せるなら、内部パーツをよく冷やせそうです。HP Spectre x360 15の熱処理は問題なし。
高負荷時の動作温度

CPUに負荷をかけた状態で、CPU温度を計測すると平均86℃、最大温度は96℃に達した。高熱になると動作クロックを200 MHz落として温度を90℃以下に抑えています。
Core i7 8750Hはノートパソコン用CPUとしては、ほぼ最高に近い性能を発揮するけれど、熱に関してもトップクラスの水準ですね。

グラフィックボードの温度は平均80℃、最大89℃でした。動作に支障をきたすことはなかった。高性能ノートパソコンの温度はだいたい高めですが、心配する必要はあまり無いので安心を。
静音性能を騒音計で検証
本レビューより新しい騒音テストを導入しました。校正済みの騒音メーターを使って、ノートパソコンから15cmくらいの距離で騒音値(dB)を記録し、その平均値を求めます。

- 周辺騒音:38.8 dBA(極めて静か)
- アイドル時:40.0 dBA(静か)
- CPU負荷:40.9 dBA(まぁ静か)
何もしていない状態だと、わずかにファンの音が聞こえるだけでおおむね静かです。CPUに負荷を掛けると冷却ファンの風切り音で動作音が上昇しますが、それほどうるさい音ではなかった。
CPU温度が高熱になって突発的に「ヒューーーーン」と騒音が大きくなるときもありますが、すぐに収まります。
バッテリー駆動時間を計測
公称値(スペック)は13時間45分ですが非常にゆるーい条件で計測されているので、ベンチマークと実際の使用シーンを想定してバッテリー駆動時間を計測しました。

バッテリー駆動時間 | |
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公称値 | 825.0 分 |
PCMark 8 Work | 367.5 分 |
Google Chrome | 446.7 分 |
充電 | 170.3 分 |
やや負荷が大きいPCMark 8 Workモードでバッテリー駆動時間を計測すると約6時間でした。ブラウザで調べ物をしたり、Youtubeを見たりするだけなら約7時間半に達しました。
さすがに82.8 Whの大容量バッテリーは長持ちです。
- プロセッサの状態:5~100%
- 音量:10%
- 輝度自動調節:なし
- 画面の暗転:なし
- 画面の明るさ:120 cd/m2
- バッテリー:バッテリー節約機能(一番左)
- 計測:Passmark BatteryMon(5秒ずつ)
HP Spectre x360 15:レビューまとめ

RANK:S
- 所有欲を満たせる最高級のデザイン
- クリエイティブ用途に耐えるディスプレイ
- 軽いゲームも行ける高性能
- 360°のヒンジ角度
- 問題ない冷却性能
- 最大で3画面の出力に対応
- 「外付けGPU」に対応
- 使いやすいキーボード
- 音質の良いスピーカー
- 「Spectreアクティブペン2」付属
- 難易度の高いメンテナンス性
- 持ち運びにはギリギリな重さ
- ディスプレイの応答速度がやや遅い
- 「高性能」に投資したい人
- 所有欲を満たしたい人
- 性能の拡張性を重視したい人
HP Spectre x360 15はHPブランドのマスターピースに位置づけられる最上位ブランドにふさわしい、(主観的な感想ですが)最高のデザインと、マルチタスクに対応する高いパフォーマンスを実現するノートパソコンです。
ディスプレイは応答速度がやや遅いものの、対応色域はsRGBをほぼカバーしAdobeRGBも7割カバーしているため、クリエイティブなタスクに十分使えます。応答速度はゲーム以外の用途で困ることはありません。
なお、性能はすでにパワフルですが、Thunderbolt 3コネクタに対応している「外付けGPU」を挿し込むことで更にグラフィックス性能を拡張することが可能。
性能を拡張できるというのも、HP Spectre x360 15の大きなメリットです。まとめると、「最高のデザイン」と「圧倒的パフォーマンス」の両立を求める人にぴったりなノートパソコンでした。
以上「HP Spectre x360 15をレビュー:クリエイター向けの最高級コンバーチブル」でした。
ゲーミング目的でハイパフォーマンスなノートパソコンを探している方は、こちらの「HP Pavilion Gaming 15」も要チェック。意外とコスパが高いのが大きなメリットです。
最近HPのノートパソコンのレビューが多いですね、それほどHPのノートパソコンは評価が高いのでしょうか?
> それほどHPのノートパソコンは評価が高いのでしょうか?
まだ他社のノートパソコンをレビューしていないので、相対的な評価は出来ないです。LenovoやDELLなど、いろいろなメーカーをレビューしていけば評価も変わってくると考えてます。
Thunderbolt3あるしGPUもそこそこなのあるしデザイン高級感あるなと思ったけど遅延、残像ひどいのか・・・
IPSはこういうのあるから公式でGTG5msとか100~144Hz言ってるやつじゃないと安心できないや折角拡張できる機能あるのに残念。
「慣れ」にもよりますが、日頃240 Hzモニター使っている自分から見ると目視できるレベルの残像だったので、かなり遅いパネルなのが惜しいですね。「これ、ゲーミング用じゃないから。」と言われればそこまでですが、もう少し応答速度は頑張って欲しいところかも。
> 公式でGTG5msとか100~144Hz言ってるやつじゃないと安心できないや
公称値も、平均値だったり最速値だったり決まった表示法がないので、鵜呑みにしづらいですね。TNなら間違いないですけど、IPSやVAはそういうリスクが高そうです。
ハイエンドですねえー
斜めにThunderbolt3ついてるのはなかなかいいアイデアですよね笑笑
ブランドならではの高級感とコスパが両立されてるのっていいですよね
私はASUSのUX331UN使ってますが笑笑
i5-8250U,MX150,Micron1100,sRGB比100%(公称) full HDなど。。。。最高です
1.14kgだったかな
学校で大活躍です
13〜17インチで2in1のノーパソは大手ならほとんど出してますけど
実際この大きさのをタブレットモードで使うことはほとんどないのでは?
とよく考えています。
でも継続して新製品は出ていますし、売れているんでしょうね。
ディスプレイの遅延気になる場合は外付けディスプレイ必要ですね…
Ryzen搭載したENVYが気になります
セール中なのもあってコスパすごそうです
Ryzen Mobile搭載のノートパソコンは、Intel系と比較してOfficeソフトの処理速度が遅いので、用途次第ですね。でも安い割に性能は良いのでコスパ重視ならそちらの方がいいのも事実。
こんにちは、やかもちさんのご意見を聞かせて欲しいのですが
以前、スマホ購入でアドバイスを頂いた者です。
HUAWEI NOVAlight3を新品購入しました。
初期設定を終えてAnTuTuをインストール、ストレステストをしてみるとグラフがガタガタに上下し80~60%位しか上がりません。コアクロックも同様です。二年前に購入したNOVAlightは同じテストをするとスタート後一気に100%に上がり小刻みに揺れながら100%を維持します。HUAWEI社にNOVAlight3を送ると❮ベンチマークは故障の対象でない、検査結果異常なし❯新品なので特別に交換で端末は戻って来ました。再度ベンチマークをまわすとさらにひどい値を記録しました。
公表値のクロック周波数が出ない
グラフが安定しない
どのように推測されますか?
端末は2台とも新品、開封してすぐの計測です。
宜しくお願いいたします。
US配列ならなー
日本語配列でクリエイティブ系のソフトは扱いづらい…
US配列が標準になればいいのに!
i7-9750Hが出ましたが、どうなんでしょう?イマイチな感じの様ですが。8750Hとほぼ変わらない印象です。
ブーストクロック周波数を400 MHz引き上げているので、ノートパソコンの冷却性能によっては性能が伸びる可能性があります。しかし体感できるほどの性能差は…無いかも。
4kにおいてアイコンなどが小さく表示される問題については、windowsの設定>システム>ディスプレイ>拡大縮小のレイアウトから「テキスト、アプリその他の項目のサイズを変更する」を200%に設定すると解決されると思います。