当ブログはWeb広告を導入しています(景表法による表示)

Razer Blade 15は、世界最薄で性能も妥協ゼロな凄まじいゲーミングノート!!

ゲーミングノートとしては小型な15.6インチ。そして薄さはわずか18mmな、小型で薄型なモノリスのようなシャーシの中に。Razerはi7 8750HとGTX 1070を詰め込んだ。「薄型」で「パワフル」の2つは両立が難しいが、新型のRazer Blade 15はどこまで実現するのか?

実際に試してみた。

Razer Blade 15の仕様やスペック

Razer Blade 15の仕様
Razer Blade 15タイプ : RZ09-02386J92-R3J1
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCore i7 8750H6コア / 12スレッド / 2.2 ~ 4.1 GHz
メモリDDR4-2666 8GB x2
GPUGTX 1070 8GB Max-Q
SSDSamsung PM981 512GBNVMe SSD / M.2 2280
HDD
サウンドRealtek ALC 298
スピーカー2個搭載Dolby Atmos対応
光学ドライブ
各種ポート
  • USB 3.1 Gen1 x3
  • USB 3.1 Gen2
  • Thunderbolt
  • HDMI
  • DisplayPort x2
  • ケンジントンロック
  • 3.5mmプラグ
無線LAN
  • Intel Wireless-AC 9260
  • Bluetooth 5.0
ディスプレイ
  • サイズ : 15.6 inch
  • 解像度 : 1920 x 1080
  • リフレッシュレート : 最大144 Hz
  • パネル : IPS(LG製)
  • 表面加工 : ノングレア
キーボードRazer Synapse 3対応キー単位で1680万色のRGBライティングが可能
カメラ100万画素(720p)
バッテリー80 Wh5209 mAh / リチウムポリマー
サイズ17.3 x 355 x 235 mm滑り止めゴムを含めると厚みは18.0 mm
重量
  • 本体 : 2.07 kg
  • 電源 : 0.67 kg
保証12ヶ月
価格289800 円(税抜)最新価格をチェックする

今回レビューするRazer Blade 15のスペックは以上の通り(2018年12月時点)。

カンタンに言ってしまうと、ハイエンドな構成というだけでなく、「IPSパネルの144 Hz」や「Intel製NUC」など。プレミアムな仕様を詰め込んでいるのがRazer Blade 15の魅力的なところ。

そしてRazer Blade 15の最大の強みが、「GTX 1070搭載ゲーミングノートとしては、世界で最も薄い」とされる厚さ17.3(滑り止め含めて18.0)mmです。

本体の厚みがたったの17.3mmで、本当にCore i7 8750HとGTX 1070の性能をマトモに発揮できるほど冷却できるのかどうか。注目です。

「Razer Blade 15」シリーズ
タイプRZ09-02385/ J92-R3J1RZ09-02386/ J91-R3J1RZ09-02386/ J92-R3J1
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCore i7 8750H6コア / 12スレッド / 2.2 ~ 4.1 GHz
メモリDDR4-2666 8GB x2
GPUGTX 1060 6GB Max-QGTX 1070 8GB Max-Q
SSDNVMe SSD 512GBNVMe SSD 256GBNVMe SSD 512GB
HDD
サウンドRealtek ALC 298
スピーカー2個搭載Dolby Atmos対応
光学ドライブ
各種ポート
  • USB 3.1 Gen1 x3
  • USB 3.1 Gen2
  • Thunderbolt
  • HDMI
  • DisplayPort x2
  • ケンジントンロック
  • 3.5mmプラグ
無線LAN
  • Intel Wireless-AC 9260
  • Bluetooth 5.0
ディスプレイ
  • サイズ : 15.6 inch
  • 解像度 : 1920 x 1080
  • リフレッシュレート : 最大144 Hz
  • パネル : IPS(LG製)
  • 表面加工 : ノングレア
キーボードRazer Synapse 3対応キー単位で1680万色のRGBライティングが可能
カメラ100万画素(720p)
バッテリー80 Wh5209 mAh / リチウムポリマー
サイズ17.3 x 355 x 235 mm滑り止めゴムを含めると厚みは18.0 mm
重量
  • 本体 : 2.07 kg
  • 電源 : 0.67 kg
保証12ヶ月
価格239800 円(税抜)264800 円(税抜)289800 円(税抜)

グラフィックボードが「GTX 1060 / GTX 1070」の違い。SSDが「256 / 512 GB」の違いでしか無い。なお、下位エディションに「Base Model」があるが、シャーシデザインが若干変更され、冷却機構も弱体化しているため、本記事では扱わない。

Razer Blade 15を開封レビュー

Razerらしいグリーン基調のパッケージ

Razer Blade 15を開封レビュー

Razer Blade 15は2つのパッケージに分けられている。大きいパッケージがRazer Blade 15本体、小さいパッケージの方には充電アダプタと電源ケーブルが入っています。

Razer Blade 15を開封レビュー

本体パッケージは、パッと見で分かる「Razer」グリーン。Razerの蛇ロゴも刻印されており、左右にRazerのロゴ。裏面にはスペック表が小さく書かれているだけのシンプルなデザインです。

Razer Blade 15を開封レビュー

下から引き上げるようにして開封。紙製の保護フィルムの下に、Razer Blade 15本体が収められている。

付属品をチェック

Razer Blade 15を開封レビュー

小さいパッケージの中に、電源ケーブルなどの付属品が入っている。充電アダプタも見ての通り、モノリスのようなシンプルなデザイン。

Razer Blade 15を開封レビュー

もう一つのレターボックスのような付属品の中には、

  1. Razer CEO(社長)からのメッセージ
  2. Razer Bladeスタートブック
  3. 製品情報ガイド
  4. Razer特製ステッカー
  5. マイクロファイバー製クリーニング布

全部で5つの付属品が入っていました。クリーニング布は画面を拭いたり、Razer Bladeに付着した指紋を拭き取るのに重宝する。

Razer Blade 15を開封レビュー

説明書はRazer Bladeの基本的な使い方や、パッケージ内容について記載されている。

Razer特製ステッカーは、パソコンのケースパネルに貼り付けたり、Razer Blade本体に直接貼り付けることが出来る。ただ、素の状態で十分にデザインは良いので、(個人的に)使う出番は無さそう。

薄さ17.3mmの筐体(シャーシ)と重量

Razer Blade 15を開封レビュー

新型Razer Blade 15のシャーシデザインは非常に洗練されている。マットブラックにRazerの蛇ロゴが彫り込まれていて、シャーシの素材そのものはアルミユニボディを採用しています。

Razer Blade 15を開封レビュー

天面から見ると真っ黒な美しい長方形。

Razer Blade 15を開封レビュー Razer Blade 15を開封レビュー

底面からは2個の冷却ファンと、熱排気用のスリットが確認できる。前後に取り付けられているのは、厚み0.7mmの滑り止めゴム。

Razer Blade 15を開封レビュー

重量はRazer Blade 15本体が2074 gで、充電アダプタと電源ケーブルは715 gでした。両方合わせて約2.8 kgもあるので、持ち運べないことは無いけれど苦労しそうな重量ですね。

シャーシデザインを360°観察

Razer Blade 15を開封レビュー

完全にモノリスデザイン。無駄な凹凸は全く無く、シンプルでスタイリッシュなデザイン。ここにCore i7 8750HとGTX 1070(Max-Q)が詰め込まれている。

Razer Blade 15を開封レビュー

ヒンジは適度な硬さで、片手でディスプレイを開けることが可能。

Razer Blade 15を開封レビュー

ディスプレイは画面占有率85%を実現する、フレームレスデザイン。

Razer Blade 15を開封レビュー

ベゼル幅はトップ側が10 mmで、左右は5 mmしか無い。

Razer Blade 15を開封レビュー

ただしボトム側のベゼルは1 cmオーバーと分厚い。Razerのロゴが刻印されている。

Razer Blade 15を開封レビュー

Razer Blade 15のシャーシはアルミユニボディで作られていて、剛性はしっかりしている。本体の端っこの方だけを持って、持ち上げても、シャーシ全体がしなるようなことは全く無い。

ファンの排気口を除いて、力を入れてもシャーシを曲げるのはかなり難しい。バッグに入れて持ち運んでいる間に、曲がって画面が割れたりするような心配は無いでしょう。

Razer Blade 15を開封レビュー

ディスプレイは最大で135°くらいまで開きます。

Razer Blade 15を開封レビュー

天板にはRazerロゴが約0.3mmくらいの深さで彫り込まれている。

Razer Blade 15を開封レビュー

ちなみに、電源を入れると天板のロゴはグリーン色に光ります(Razer Synapseから色の調整はできない)。

Razer Blade 15を開封レビュー Razer Blade 15を開封レビュー

デジタルノギスで計測したところ、ディスプレイ側の厚みは約5.3mmで、ボディ側の厚みが約12mmで合計17.3mmでした。ゴム足の0.7mmを含めて、18.0mmの薄さを実現している。

(記事執筆時点)GTX 1070を搭載するゲーミングノートPCとしては、今のところ世界でもっとも薄い。

Razer Blade 15を開封レビュー

というわけで、デザインは文句なしにカッコイイし、剛性も良好。価格なりにしっかりしています。

キーボードはRazer Synapse 3に完全対応

Razer Blade 15を開封レビュー

キーボードは日本語タイプだが、Fnが一番下の列に2個追加されているので、一部のキーが一つ上の列に押し出されてしまうデザインになっています。

そのため、ゲームプレイ自体はそれほど問題なく使えるが、普段のフルキーボードに慣れていればいるほどタイプミスしやすい。

Razer Blade 15を開封レビュー

キーの大きさは約15.5 mmで、キーピッチ幅は約18.3 mmでした。キーストロークは約2 mmなので、薄型ノートパソコンの割には結構深い。

Razer Blade 15を開封レビュー

Razer Blade 15のキーボードは「Razer Synapse 3」に完全対応。キー1個ずつにRGBカラーを設定でき、キーの割り当て(HyperShift機能も)まで使えるようになっている。

Razer Synapse 3
キー割り当て対応HyperShiftも対応RGBライティングはキー1個ずつに可能

同時押しは両手の指では足りないくらい使えたので、実質的に無制限と言えます。だから、体を傾けながら撃つ(リーンしながらエイム)も余裕ですし、走りながらジャンプといったアクションも問題なし。

豊富なインターフェイス

Razer Blade 15は薄型ノートパソコンの割には、インターフェイスを犠牲にしていないところに好感が持てる。

Razer Blade 15を開封レビュー
  1. Thunderbolt 3
  2. USB 3.1 Gen1(Type-A)
  3. HDMI
  4. Mini DisplayPort 1.4
  5. ケンジントンロック

右側は5つのポーツを備える。HDMIとMini DPを装備しているので、他のモニターに接続してマルチディスプレイ環境を構築することもカンタンです。

Thunderbolt 3端子は(ほとんど存在しないけど)対応しているモニターに映像を出力したり、別売りの外付けGPUボックス「Razer Core X」や「Razer Core V2」を使うために存在します。

かなりマニアックな製品です(画像 : Razer Core V2

ただ、今回のRazer BladeはGTX 1070搭載なので、あえてRazer Coreを購入する必要はゼロ。

Razer Blade 15を開封レビュー
  1. 電源コネクタ
  2. USB 3.1 Gen1(Type-A)
  3. USB 3.1 Gen1(Type-A)
  4. 3.5mmプラグ

左側のインターフェイスは、イヤホンやヘッドホンを使える3.5mmプラグ、ポータブルSSDを高速に使えるUSB 3.1 Gen1コネクタが2つです。

無線LANの性能について

Razer Blade 15には有線LANコネクタが無いが、最大で1.73 GBitの帯域幅に対応するIntel製のハイエンドNUC「Wireless-AC 9260」を搭載することで、無線でも高速ネットワークを可能にしている。

Razer Blade 15の無線LANの通信速度
帯域幅iperf3(受信)iperf3(送信)
0.00-1.0066.1 MBit/s83.3 MBit/s
1.00-2.0079.6 MBit/s85.4 MBit/s
2.00-3.0071.3 MBit/s76.3 MBit/s
3.00-4.0072.3 MBit/s85.8 MBit/s
4.00-5.0081.8 MBit/s88.5 MBit/s
5.00-6.0083.9 MBit/s86.2 MBit/s
6.00-7.0070.2 MBit/s83.3 MBit/s
7.00-8.0043.0 MBit/s95.1 MBit/s
8.00-9.0040.8 MBit/s89.3 MBit/s
9.00-10.0064.0 MBit/s87.9 MBit/s
平均67.3 MBit/s86.1 MBit/s

ベンチマークを行ったところ、受信で67.3 MBit/s、送信が86.1 MBit/sでした。最大1.73 GBitまで対応しているにも関わらず、実際の速度が遅いのはなぜか…要するにぼくの家のネット環境が悪いんですよね。

メンテナンス性とパーツの増設について

Razer Blade 15を開封レビュー

Razer Blade 15のボトムカバー(底面のフタ)は、10箇所の「T5トルクスネジ」を取り外すだけでカンタンに開封できる。

Razer Blade 15を開封レビュー

500円くらいで売っているT5トルクスドライバーと、分解用のピックがあれば開封は容易です。ただ、今回お借りしたサンプルは1箇所だけネジが開かなかったため、他サイトより参考画像を引用します。

  1. M.2 2280ソケット
  2. SO-DIMMスロット
  3. SO-DIMMスロット

ストレージ部分にはボトムカバーを開封してすぐにアクセス出来る、親切な設計。なお、ボトムカバーを開封するだけなら、保証が切れないところもユーザーフレンドリー。

Razer Blade 15のゲーミング性能を徹底検証

「ゲーミング」モードについて解説

ゲーミングノートPCですから、ゲームがきちんと動くのは当たり前。しかし、Razer Blade 15はスペックの割にシャーシが非常に薄いので、マトモに性能を出せるのかが懸案事項。

さっそく検証を行いますが、その前にRazer Synapse 3から設定できる「ゲーミング」モードについて解説しておきます。

Razer Synapse 3の「パフォーマンス」から、バランスモードとゲーミングモードの切り替えが出来る。初期設定ではバランスモードが有効化されているので、性能重視なら必ずゲーミングモードにしよう。

バランスモードゲーミングモード

ゲーミングモードを有効にすると、CPUのクロック周波数が4.0 GHz前後で安定するようになり、CPU性能は約14%ほど上昇します。グラフィック性能も約5%アップする。

ゲーミングモードの内容
GPUベースクロック +100 MHz
ブーストクロック +100 MHz
メモリークロック +600 MHz
CPUなるべく4.1 GHzで動作90℃前後でクロック調整有り

決して無視できないほどの性能差が出るので、本記事のゲーミング性能検証では、Razer Synapse 3のゲーミングモードを有効化して行います。

初心者もち
でもさ~、静音性が無くなるんじゃないの?
やかもち
微妙に大きくなるが、そもそも元から動作音が大きいので、大した問題では無かったりする。

定番ベンチマーク

ベンチマーク結果画像
3DMarkFireStrike16437総合 : 14372 / 上位22%
3DMark
TimeSpy
5330
総合 : 5214 / 上位65%
FINAL FANTASY 14紅蓮のリベレーター : 1920×108012632
評価 : 非常に快適
Final Fantasy XVベンチマーク : 1920×10805860
評価 : やや快適
BIOHAZARD 618735
ランク : S(快適)
PSO 2PHANTASY STAR ONLINE 225213
評価 : 快適
モンスターハンターフロンティア36941
評価 : 快適
SteamVR10.4点
生成フレーム : 10421
UnigineHeaven Benchmark2106
平均fps : 83.6

フルHD向けのベンチマークを一通り試した。結果はおおむね良好で、Unigine Heavenでは平均83.6 fpsを記録している。大抵のゲームで、フルHDなら平均60 fpsを叩き出せそうな雰囲気です。

フルHDゲーミングのfpsを実測

Razer Blade 15のフルHDゲーミング性能

Razer Blade 15 / フルHDゲーミング

  • Unigine Heaven
    83.6 fps
  • CS:GO
    139.4 fps
  • Rainbow Six Siege
    117.8 fps
  • PUBG
    96.4 fps
  • Call of Duty : BO4
    94.4 fps
  • Fortnite : Battle Royale
    86.8 fps
  • Overwatch
    143.5 fps
  • ARK Survival Evolve
    40.8 fps
  • 黒い砂漠 – ウルトラ
    26.7 fps
  • 黒い砂漠 – リマスター
    66.0 fps
  • Dead by Daylight
    61.9 fps
  • DOOM
    146.0 fps
  • Deus EX : Mankind Divided
    54.2 fps
  • Fallout 4
    99.7 fps
  • Grand Theft Auto V
    89.0 fps
  • Monster Hunter World
    56.9 fps
  • Minecraft K32
    44.4 fps
  • NieR : Automata
    58.4 fps
  • Quake Champion
    116.0 fps
  • Rise of the Tomb Raider
    83.6 fps
  • SCUM
    52.3 fps
  • The Forest
    77.2 fps
  • Watch Dogs 2
    53.9 fps
  • Witcher 3
    60.3 fps
  • 平均フレームレート
    75.7 fps

平均100fps超平均60fps以上平均60fps未満

実測ゲーミングの結果は、平均75.7 fpsでフルHDゲーミングはだいたい行けます。最高設定が極めて重たい一部のゲーム(DXMDやARKなど)では、平均60 fpsに届いていない。

一方でCS:GOやR6Sのような軽いゲームなら、設定を妥協しなくても100 fps超え。100 fpsに届いていないゲームも、少し設定を妥協するだけでカンタンにフレームレートが伸びる。

Razer Blade 15の強みの一つである、144 Hz対応のディスプレイをしっかりと活用するなら、グラフィック設定の妥協は多少必要です。

フレームレートは至って安定動作しています。

初心者もち
めっちゃ薄型なのに、こんなに動くんだねぇ。
やかもち
予想以上に動きました。グラボの冷却性能が非常に優秀なおかげです。

Razer Blade 15のコンテンツ性能を検証

ベンチマーク結果画像
Cinebench R15シングルスレッド性能173 cb
Cinebench R15マルチスレッド性能1144 cb
CPU-Zシングルスレッド性能460.4
CPU-Zマルチスレッド性能3427.5
Geekbench 4シングルスレッド性能4970
Geekbench 4マルチスレッド性能22086
PCMark 8Home / 日常的なアプリ5467上位5%
PCMark 8Creative / 写真や動画編集5055上位37%
PCMark 8Work / オフィスワーク4254上位25%
x264 Handbrake平均処理フレーム数61.23 fps
x265 Handbrake平均処理フレーム数31.42 fps
7-Zip / 圧縮32348 MIPS
7-Zip / 解凍33688 MIPS
Mozilla Kraken 1.1Webアプリの処理速度997.4 ms

6コア12スレッドの「i7 8750H」はさすがに優秀。ノートパソコンでCinebench R15のマルチスレッド性能が1000 cb超えは、ほぼトップクラスの性能です(頂点はi9 8950HK)

クロック周波数が4.0 GHz前後で動作するので、オフィスワークや一般的な処理もサクサクと良好。PCMark 8のHomeモードでは、上位5%に食い込む性能を魅せつけている。

レンダリング時間「Blender」

無料で使える有名なレンダリングソフト「Blender」にて、BMWプリセットを読み込んでレンダリングを行い、処理が終わるまでの時間を計測してみた。

  • 8分04秒(484秒)

Razer Blade 15のi7 8750Hは、CPU温度を90℃前後に抑えつつ動作するので、常にフルスピードで処理できるわけではない。時間の掛かる処理だと、熱の問題で処理時間はやや伸びてしまいます。

それでも8分台ですから、なかなか速い方。ちなみにデスクトップ版のCore i7だと、5~6分くらいで終わります。

画像編集「Photoshop CC」

クリエイティブなタスク、と言えばやっぱりAdobe系ソフト。その代表格である「Photoshop CC」のテストも行った。バッチファイルを使って実際にPhotoshopを動かして、処理時間からスコア化します。

マシンRazer Blade 15
CPUCore i7 8750H
GPUGTX 1070 Max-Q
RAM16GB
総合スコア724
一般処理のスコア58.4
フィルタ系のスコア81
Photomergeのスコア83.2
GPUスコア72.6
テストの詳細結果
RAW画像の展開5.37
500MBへのリサイズ6.14
回転1.41
自動選択18.86
マスク5.27
バケツ3.12
グラデーション0.48
塗りつぶし14.19
PSD保存10.23
PSD展開3.08
Camera Raw フィルタ7.13
レンズ補正フィルター17.92
ノイズ除去21.46
スマートシャーペン24.69
フィールドぼかし17.27
チルトシフトぼかし16.17
虹彩絞りぼかし17.67
広角補正フィルター23.38
ゆがみツール(Liquify)12.26
Photomerge(2200万画素)94.32
Photomerge(4500万画素)129.45

総合スコアは724点でした。ノートパソコンとしては、かなりの高速処理です。

たとえば最近レビューを行った、似たスペックのデスクトップ(ガレリアXF)だと、総合スコアは約850点だった。Razer Blade 15は薄型ノートパソコンでありながら、デスクトップより約15%遅いだけにすぎない。

Razer Blade 15は写真編集は余裕でこなせます。

ストレージの性能と詳細

ストレージ詳細ベンチマーク
SSD

搭載されているSSDはSamsung製「PM981」でした。PM981はいわゆるOEM向けモデルというやつで、一般向けに流通しているSSDでは「Samsung 970 EVO」に該当するSSDです。

512GB版の場合、耐久性能は300 TBにもなるため、ゲーミング用途ではまず壊れない(少なくとも5年は余裕で持つと思って良い)。

そして肝心の性能は、読み込みが約2500 MB/sで、書き込みは約2000 MB/sと圧巻のスピードを記録。ランダム速度はごく平均的なスピードを出しており、非常に速いレスポンスを実現していました。

Razer Blade 15の冷却機構を試す

Razer「Vapor Chamber」の冷却性能とは

Razer Blade 15のハイエンド版に採用されている冷却機構は「Vapor Chamber」と名付けられている。「は?なにそれ。」って感じなので、Wikipediaより概要を引用する。

その原理は、ヒートシンクのベースを中空構造にし、その中に揮発しやすい液体を封入する。すると、熱源からの熱でその液体が気化した蒸気(vaper)がその空間(chamber)内を移動し、ヒートシンク側に到達すると熱が放出されて液体に戻る。この繰り返しで、普通のヒートシンクよりも熱抵抗値が下がる[1]。ヒートパイプと大まかな原理は同じものである。ヒートパイプよりも小型化が可能な反面、コストが高いと言われている。

ベイパーチャンバー(英: vapor chamber)とは

要するに、普通のヒートパイプを更に効率化した仕組みです。わずか18 mmという圧倒的な薄さでありながら、マトモにゲーミングが出来るほどの冷却性能を得られているのはそういう理由。

では、実際にこのベイパーチャンバーを用いた冷却機構がどれくらいRazer Blade 15を冷やせているのか。確認していく。

サーモグラフィーで筐体の発熱をチェック

Razer Blade 15の発熱をサーモグラフィーで検証

キーボード面の発熱は、かなり特徴的です。ヒンジ中央が45~48℃でもっとも熱くなる一方、WASDキーやEnterキー周辺はわずか20~22℃程度で気温とほぼ同じ発熱でした。

Razer Blade 15の発熱をサーモグラフィーで検証

近づいて見ると、更に分かりやすい。やはりキーボードの中央だけが熱くなり、左右はほとんど熱くならない。ゲーム中に手元が熱くなって困る…なんてことにならないですね。

Razer Blade 15を開封レビュー

左右側が極端に冷えやすい理由は、冷却ファンの設置位置に答えがある。キーボードをLEDで光らせたままファンを見ると、キーボードのLEDが見えている。

そしてファンは激しく吸気しており、キーボード側から冷気を吸い込んでいます。キーボードから底面へ、空気が一直線に抜けているから、WASDキーやEnterキー周辺は異様なほど冷えるというわけ。

Razer Blade 15の発熱をサーモグラフィーで検証

底面のサーモグラフィーを見ると、やはりファン周辺はよく冷えている。ヒンジ直下にある排気口(スリット)は、約50℃ほどでした。ベイパーチャンバーが送ってくる熱を、ガンガン排熱している。

ゲーミング時の動作温度

Razer Blade 15の動作温度

CPU負荷が大きいFinal Fantasy XVのベンチマークを実行し、MSI AfterburnerでCPU温度を計測した。瞬間的に100℃に達することもあるが、すぐに調整されて90℃前後で推移している。

熱いと言えば高温ですが、薄型ノートパソコンの宿命という感じもする。

Razer Blade 15の動作温度

グラフィックボードの方は、ピーク時に80~81℃で推移しました。CPUがカンタンに100℃を付ける割には、随分とグラボは冷えている。もしかして、グラボの冷却を優先していてCPUの方は妥協しているのかもしれない。

CPUが熱の影響で多少クロックダウン(=サーマルスロットリング)しても、フレームレートが大きく落ちることはない。しかし、グラボがクロックダウンすればガクッとフレームレートが落ちてしまう。

Razer Blade 15はれっきとしたゲーミングノートPCであり、フレームレートが出ないのは大問題。そう考えれば、グラボの冷却にリソースを割いているのは不思議ではないと思います。

静音性能を騒音計で検証

Razer Blade 15の静音性
  • 周辺騒音:39.9 dBA(静寂)
  • アイドル時:40.7 dBA(極めて静か)
  • ゲーミング:55.7 dBA(騒々しい)

「フォーーーーン」という高音より甲高いファンの音によって、騒音レベルは50 dBAを突破して55~58 dBAくらいで推移しました。部屋の隅に置いていても、部屋に入った瞬間「なんか鳴ってるな…。」と分かるレベル。

スピーカーでゲームをするのは非常に厳しい。とはいえ、後ほど解説する通りRazer Bladeのイヤホン出力はとても優秀なので、ヘッドセットを装着してゲームをする前提になっているのは間違いない。

初心者もち
言われてみれば、Razerのノーパソ買うくらいの大ファンなら、Razerのヘッドセット持っててもオカシクないね。
やかもち
そういうことです。

Razer Blade 15のディスプレイ品質

Razer Blade 15に採用されているディスプレイパネルは、LG製のIPSパネルです。公称値では、sRGBを100%サポートする高品質なパネルとのことだが、実際のところはどうなのか。

「X-Rite i1 Pro 2」(分光測定器)を用いて、実測検証を行った。

色再現と輝度

Razer Blade 15のディスプレイ品質

黒色輝度は0.615 cd/m2でやや明るい。コントラスト比は約196 : 1で、IPSパネルらしい数値。ちなみにゲーム用途なら大きな問題では無い。むしろコントラスト比が高すぎても、ゲームによっては困る※ぐらいです。

※ 黒が引き締まるVAパネルのモニターでDead by Daylightをプレイしたら、暗すぎて目が死んでしまいました。

Razer Blade 15のガンマカーブ

ガンマカーブはなかなかキレイ。微妙にゆらぎはあるが、概ね直線です。暗い部分(0~32)だけ、3色すべてがやや歪んでいるくらいです。

Razer Blade 15のディスプレイ品質

「X-Rite i1 Pro 2」でハードウェアキャリブレーション(調整)を行うと、出荷設定は微妙に白っぽい出力になっているのが分かる。しかし、正直に言って好みのレベルで済ませられる程度の歪みだと思います。

「自分は鮮やかな方が好きです。」という人向けに、ぼくが作成したカスタムプロファイルを念のため配布しておく(上記リンクをクリックするだけでDLできます)

Razer Blade 15の輝度

設定ごとの「輝度」は、最低15 cd/m2で、最高298 cd/m2でした。設定値39%で、人間の目にちょうど良いとされる120 cd/m2になります。日光の下で使うには不足だが、室内なら十分な輝度を持っている。

色域カバー率

色域カバー率※クリックで拡大します
Razer Blade 15のsRGBカバー率Razer Blade 15のAdobeRGBカバー率
sRGB : 96.4%AdobeRGB : 72.2%

優秀です。Razerの公称値100%は言い過ぎですが、sRGBで96.4%カバー、AdobeRGBで72.2%もカバーしているのはノートパソコン用パネルとしては非常に優れている

クリエイター向けのノートパソコンなら、AdobeRGBを99.9%カバーする凄まじい製品も存在するが、ゲーミングノートなら十分過ぎる色域カバー率です。

144 Hz駆動と応答速度

Razer Blade 15を開封レビュー

間違いなく144 Hzで駆動している。

Razer Blade 15を開封レビュー

応答速度もそこそこ速い。21ミリ秒の「BenQ EX3200R」と比較すると、その差は歴然としている。多分、Razer Blade 15の応答速度は12~14ミリ秒くらいかな。

144 Hzモニターなら、7ミリ秒は欲しいところですが、ノートパソコンのパネルにその水準を求めるのは酷な話です。しかもIPSパネルなので、原理的に難易度が高い。

スピーカーは優秀だがゲームはヘッドセット推奨

キーボードを挟むように位置するスピーカー

Razer Blade 15を開封レビュー

キーボードの左右に配置されている細長い四角形はDolby Atmos対応の高品質スピーカー。かなりの大音量なので、スピーカー音量は常に30%くらいで使っていました(100%だと近所迷惑になりかねない)

音質自体もノートパソコンとしては、そこそこ悪くない。小型な割には低音が驚くほどしっかりずっしりと出るので、音量を大きめにしておけば映画鑑賞にも耐える品質。

もちろん、デスクトップPC用の1~2万円するようなスピーカーと比較すると劣っている。あくまで、ノートパソコンのスピーカーとしては優秀というだけ。

「Dolby Atmos」とヘッドセットで高音質に

Razer Blade 15には、無料でDolby Atmosが付属していて、タスクバーの「サウンド」から「立体音響(Dolby Atmos for Headphones)」にチェックを入れるだけで使える

Dolby Atmosの立体音響を使うと、驚くほど「定位」が改善するので、FPS / TPSゲーマーにとってはかなり有用なソフトだと感じます。通常価格が1300円なだけのことはある。

Razer Blade 15:レビューまとめ

Razer Blade 15の仕様
Razer Blade 15

CHASSIS筐体デザイン98/100

CREATVEマルチタスク性能96/100

GAMINGゲーミング性能87/100

SILENCE静音性60/100

MAINTENANCEメンテナンス95/100

DISPLAYディスプレイ90/100

CONNECTOR接続性93/100

COOLING冷却機構88/100

COSTコストパフォーマンス78/100

87
RANK:S
PROSメリットと強み
  • フルHDゲーミングはおおむねOK
  • 144Hz対応のゲーミングモニター
  • 品質の高いLG製IPSパネル
  • スタイリッシュで頑丈な薄型デザイン
  • 優れたメンテナンス性
  • 多少のクリエイティブ作業も行ける
  • 3画面出力に対応するポート類
  • 音質に優れたヘッドホン出力
  • 「Razer Synapse 3」対応キーボード
CONSデメリットと弱み
  • CPU温度はやや高い
  • ゲーミング時の「騒音」
  • 合計2.8 kgはやや重たい
  • 有線LANコネクタは無し
  • タイピングには慣れが必要
  • コスパは…良くないね
CONCLUSIONRazer Blade 15 / レビューまとめ

ゲーミングブランド「Razer」は、Razer Blade 15という薄さ18 mmしか無いモノリスデザインのシャーシ(筐体)に、マトモに仕事をするCore i7 8750HとGTX 1070を詰め込んでみせた

冷却機構「Vapor Chamber」による効率の良い冷却と、キーボード面から底面へ貫通している冷却ファンによって、ゲーミング時に一度もサーマルスロットリングを発生させずにGTX 1070を100%機能させる。一方で、CPUの冷却はやや犠牲になっているもののゲーミング性能に与える影響は少ない。

ファンの騒音はかなり騒々しいけれど、そのかわりRazerはDolby Atmosに対応したオーディオチップ(ALC298)を搭載し、Dolby Atmosの立体音響を無料でバンドルしている。ヘッドホン出力は極めて優秀で、立体音響のおかげで「定位」も抜群に良い。

結論として、Razer Blade 15は価格に見合うだけの満足度を実現してくれる、極めて完成度の高い15.6インチのゲーミングノートPCと言える。

以上「Razer Blade 15は、世界最薄で性能も妥協ゼロな凄まじいゲーミングノート!!」でした。

やかもち
熱狂的なRazerファンはもちろん、マトモに高性能な薄型ノートパソコンが欲しい人も「Razer Blade 15」は検討の余地アリです。
Sponsored Link

7 件のコメント

  • すごいですね〜
    この薄さで冷えるのか?と思いましたが普通に使える範囲で驚きました
    個人的にはMSIさんのも気になっているんですけどね…
    どっちにしても30万円ほどなので手は届きませんけどね

  • >289800 円(税抜)
    30万近い値段を考えると実に悩ましい
    あと3ヶ月とか半年まてば
    モバイル用の9世代core や2000番代のgefoも出てくるだろう(とオレは勝手に予想)

    そうは言っても
    こいつを買う人は財力は無問題だから関係ないんだろうけど

    オレとしては半年以上待って
    次期モデルのDELLのGシリーズを検討しようと思う。

  • ディスプレイがLG製との事ですが、どうやって確認されたのでしょう?
    もしよろしければ、後学のために調べ方を教えて頂けると嬉しいのですが。

    • ハードウェア情報を取得すると、ディスプレイの型番が「LGD05C0」でした。この型番で検索をかけるとLG製のパネルという情報が得られます。型番を調べれば、大抵は何かしら情報が出てきます。

      • 貴重な情報、有難うございました。
        私のBLADE15「デバイスインスタンスパス」を見てみると、BOE07AFでした(アドバンストモデル1060ですが)
        複数メーカーのものが使われているようですね。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です