「Yoga Slim 750i Carbon」は、名前のカーボンと入っている通り、筐体にカーボン素材を使用した超軽量ノートパソコンです。
1 kgを切る軽量ボディに、Tiger Lake世代のインテルCPU搭載で性能も(割と)パワフル。では詳しくベンチマーク & レビューします。
(公開:2021/5/18 | 更新:2021/5/18)
Yoga Slim 750i Carbonのスペックと概要
Yoga Slim 750i Carbon スペック表(雑にまとめた) | ||
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CPU |
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グラボ内蔵グラフィックス |
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メモリ |
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SSD |
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HDD | なし | |
ドライブ | なし | |
無線LAN | Wi-Fi 6(BT 5.0) | |
ディスプレイ | 13.3 インチIPSパネル / 2560 x 1600 / ノングレア | |
OS | Windows 10 Home 64bit | |
保証 | 1年間(引取修理保証) | |
価格税込み / 送料無料 |
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Yoga Slim 750i Carbon | ||
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モデル | FJP | HJP |
CPU | Core i5 1135G74コア8スレッド / 4.2 GHz | Core i7 1165G7 4コア8スレッド / 4.7 GHz |
グラボ | Iris Xe Graphics80コア / 1.3 GHz | Iris Xe Graphics96コア / 1.3 GHz |
メモリ | LPDDR4X-4266(オンボード) | |
8 GB | 16 GB | |
SSD | 512 GB | 1 TB |
HDD | なし | |
ドライブ | なし | |
無線LAN | Wi-Fi 6 (Bluetooth 5.0) | |
画面 | 13.3 インチIPSパネル / 2560 x 1600 / ノングレア | |
インターフェイス |
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カメラ | HD (1280 x 720) | |
バッテリー | 4セル(リチウムイオンポリマーバッテリー) | |
サイズ | 295.9 x 208.9 x 14.25 mm | |
重量 | 1.45 kg (ACアダプター:210 g) | |
OS | Windows 10 Home 64bit | |
保証 | 1年間(引取修理保証) | |
参考価格税込み / 送料無料 | 129488 円 | 163253 円 |
週末セール | 126742 円 | 159848 円 |
Yoga Slim 750i Carbonのスペックをザッとまとめました。超軽量なCarbonシリーズでは、Core i5またはCore i7の2モデルのみラインナップ。モデルごとにスペックは固定です。
- Core i5 / 8 GB / 512 GB ← 微妙・・・
- Core i7 / 16 GB / 1 TB ← おすすめ
スペックが固定されているため、基本的にCore i7モデル一択です。メモリはオンボード実装で、あとから追加もできません。
メモリ容量は8 GBあれば十分と考えている人ならCore i5モデルも良いのですが、ぼくは少なくとも16 GBは欲しい派なのでCore i7モデルがベストです。
価格と納期について
Yoga Slim 750i Carbon | ||
---|---|---|
モデル | FJP | HJP |
CPU | Core i5 1135G74コア8スレッド / 4.2 GHz | Core i7 1165G7 4コア8スレッド / 4.7 GHz |
グラボ | Iris Xe Graphics80コア / 1.3 GHz | Iris Xe Graphics96コア / 1.3 GHz |
メモリ | LPDDR4X-4266(オンボード) | |
8 GB | 16 GB | |
SSD | 512 GB | 1 TB |
参考価格税込み / 送料無料 | 129488 円 | 163253 円 |
週末セール | 126742 円 | 159848 円 |
納期 | 2~3日 | 3~4週間 |
CPUのスペックはほぼ同じ。メモリとストレージ(SSD)の容量が大きな違いです。Core i7モデルはそこそこ人気で納期は3~4週間。一方Core i5は2~3日掛かります。
価格は週末セール(金~日曜)があります。 Core i5モデルは129488 → 126742円(-2746円)、おすすめなCore 7モデルは163253 → 159848円(-3405円)です。
Yoga Slim 750i Carbonのデザイン
サラサラな感触と上品な白色デザイン
デザインは白色で統一されてます。あまりにも白すぎて、普段使っている撮影用デスクだと背景に埋もれて姿が見えない・・・ので、ウッド天板を敷いて撮影しました。
めちゃくちゃモダンです。ほぼ全面が白色デザインのノートパソコンは珍しいので、白色を好む傾向が強い国内ユーザーにとって嬉しいデザインだと思います。
あと、よく見ると気づくと思いますが、画面のアスペクト比は「16 : 10」です(※16 : 9が一般的)。画面の性能については後ほど測定したデータを掲載します(→ Yoga Slim 750i Carbonのディスプレイ品質)。
Yoga Slim 750i Carbonの天板デザイン※クリックで画像拡大します | ||||
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天板(YOGAロゴのある面)はカーボン繊維、キーボード面と底面はマグネシウムとアルミの合金素材が使われています。
にも関わらず、すべての面が白色に塗装されており手触りもサラサラ、だから面ごとに違う素材が使われているとは気づきにくいです。
フットレストの左側に「Intel Evo」シールが貼ってあり、右側に「Lenovo」のロゴがデザインされています。
画面の開口角度はほぼ174°です。ヒンジ(画面の付け根部分)の硬さは60°くらいまでスムーズですが、残りはノートパソコンが軽すぎて動いてしまいます。
片手でフットレストをちょっと抑えながらだと画面を開きやすいです。コツをつかめば片手で開けます。
Yoga Slim 750i Carbonの重量 | |
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本体重量:960 g | アダプタ:179 g |
Yoga Slim 750i Carbonの重量はとても軽量です。本体が1 kgを切る960 gで、ACアダプターは約179 gほど、合計1.14 kgで持ち運びは簡単。
大きさ比較の参考写真です。13.3インチはA4用紙よりわずかに小さい面積。ほとんどのバッグにすっぽりと収まりがよく、モバイルブックとして活躍できます。
13.3インチでコンパクト、合計で1.14 kgの軽さ、清潔感のある全面ホワイト塗装のシャーシデザイン。見た目の評価は高いです。
Yoga Slim 750i Carbon
インターフェイス
Thunderbolt 4(USB4)ポートを2つ装備
- USB 3.1 Type-C対応:DIsplayPort / USB PD / DC-in
- イヤホン入出力(3.5 mm)
- 電源ボタン
右側にUSB 3.1 Type-C(DisplayPort出力 / USB PDに対応)が1ポート、イヤホン入出力(3.5 mm端子)、電源ボタンがあります。
オーディオ端子は一般的な3.5 mm端子で、イヤホンの出力やマイクの入力、ヘッドセットの入出力が可能です。
- Thunderbolt 4対応:DIsplayPort / USB PD / DC-in
- Thunderbolt 4
対応:DIsplayPort / USB PD / DC-in
左側はThunderbolt 4(DisplayPort出力 / USB PDに対応)が2ポートです。
2021年5月時点、Thunderbolt 4(= 今のところ一番ハイスペックかつ互換性も優秀なUSB規格)は第11世代インテルCPUでしか対応できません。AMD Ryzenノートパソコンに対する明確なメリットです。
各IOポートの転送速度 ※クリックで画像拡大 | |
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Thunderbolt 4ポート、右側のUSB 3.1 Type-Cポートに、ポータブルNVMe SSDを挿し込んで転送速度をチェック。左右どちらのUSBポートでも、1000 MB/s超えの性能を確認できます。
少なくとも10 Gbpsの転送速度があるので、よほどハイエンドなポータブルSSDを使わない限り、Yoga Slim 750i CarbonのUSBポートは十分すぎる性能です。
Webカメラはディスプレイ上部にあります。スペックはごく普通の92万画素(1280 x 720)です。
ウェブカメラの画質は「映ればOK」レベルです。画質にこだわるなら別売りのウェブカメラを買ってください。
Yoga Slim 750i Carbonのキーボード
ペチペチとした打ち心地のパンタグラフ方式
キーボードは「ペチペチ」とした打ち心地が特徴的なパンタグラフ方式です。薄型シャーシですが、タイピングでキーの底が凹むような感覚はありません。
キー配列やキーピッチは以前レビューした「IdeaPad Slim 550 14」とほぼ同じ。右側のエンターキー周辺が、普通のフルキーボードより詰まっていて若干「慣れ」が必要です。
もちろん、普段使っているキーボードや、そもそものタイピングの習熟度によって個人差は大きいです※。
※フルキーボードでブラインドタッチに慣れている筆者としては、ノートパソコン特有の詰まったキー配置はかなり違和感があります。2年使っている内に多少はマシになったけれど、フルキーボードほどの早打ちはできないです。
キーボード1列目の「ファンクションキー」は、キーに刻印されているアイコン通りの機能を持っています。F1はミュート、F2とF3が音量調整、F5とF6は画面の明るさ調整など。
普通のFキーとして使う場合は、キーボード左下に位置するFnを同時に使います。ファンクションキーの機能を反対にするなら、Fn + EscでFnロックを有効化します。
Yoga Slim 750i Carbonの拡張性
開封はかんたんですが拡張性は皆無
本体底面は合計5本のネジで固定されています。ネジの規格は一般的なプラスやマイナスではなく、
六芒星のような形状が特徴の「トルクス5(T5)」です。Yoga Slim 750i Carbonをはじめ、IdeaPad Slim 550 14など薄型ノートパソコンやSSDの筐体などでよく見かけます。
5本のトルクスネジを外して、底面カバーの隙間に「分解ベラ」を挿し込みカバーをめくり上げていけば、あっさりと開封できます。
フタを開けてすぐに、M.2スロットやWiFiスロットが見える位置に。しかし、すでにスロットは使用済みで、他に空いているスロットはありません。
Yoga Slim 750i Carbonの拡張性 ※クリックで画像拡大 |
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なし |
メンテナンス性そのものはレノボらしく優秀・・・しかし、肝心の拡張性は皆無です。
Yoga Slim 750i Carbonのディスプレイ
AU OptronicsのIPSパネルは高画質
実際に数々のゲーミングモニターをレビューしてきた経験上、Yoga Slim 750i Carbonはディスプレイは普通にキレイです。
13.3インチに2560 x 1600も詰め込まれているので、画素ピッチが狭くて映像はとても精細。黒色はしっかり、明るい部分はそこそこ明るく、コントラスト比も悪くなさそうです。
では、主観的な感想文はこれくらいにしておいて・・・測定器を使ったパネルのベンチマーク結果は以下を掲載します。
Yoga Slim 750i Carbonのパネル性能パネル型番:B133QAN02.0 | |||
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均一性平均 : -4.42% | -5.63 % | -4.97 % | -4.8 % |
-7.24 % | 0 % | -0.11 % | |
-9.11 % | -2.75 % | -5.2 % | |
色の正確さ初期設定(明るさ90%) |
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コントラスト比 | 1668 : 1 | ||
明るさ |
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色域 |
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応答速度WQXGA @60 Hz | 平均値:10.45 ms | ||
最速値:4.39 ms | |||
最遅値:16.02 ms | |||
明るく:10.11 ms | |||
暗く:10.80 ms | |||
エラー:0% | |||
フリッカーフリー200 kHz以下の検出 |
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応答速度 | 0 | 50 | 100 | 150 | 200 | 255 |
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0 | – | 14.50 ms | 11.76 ms | 9.91 ms | 9.91 ms | 11.35 ms |
50 | 11.15 ms | – | 12.44 ms | 6.73 ms | 11.16 ms | 10.88 ms |
100 | 7.32 ms | 12.56 ms | – | 11.03 ms | 11.51 ms | 4.39 ms |
150 | 9.55 ms | 12.15 ms | 10.75 ms | – | 12.07 ms | 6.58 ms |
200 | 16.02 ms | 12.00 ms | 11.83 ms | 11.27 ms | – | 7.42 ms |
255 | 11.58 ms | 5.82 ms | 6.93 ms | 11.11 ms | 11.95 ms | – |
搭載パネルはAU Optronics社「B133QAN02.0」です。AUOが作っているIPSパネルだけあって、測定された結果はなかなか優秀。
色の精度を見てみると、グレーとカラーともにΔE = 2.0未満で問題なし。色温度はやや暖色系です。
色域は一般的な規格のsRGBで98.3%をカバー。AdobeRGBでは73%もカバーしてあり、普段使い ~ イラスト制作(デジタル絵)まで対応できる色の広さがあります。
パネルの応答速度は、フルHD @60 Hz時で平均10.45 ミリ秒。60 Hzに必要な応答速度は16.67 ミリ秒ですので、応答速度は必要十分な速さを満たします。
フリッカーフリーの動作テストは、画面の明るさ0 ~ 100%すべてで、200 kHz(200000 Hz)以下のフリッカー検出ゼロ。誰が見てもフリッカーフリーです。
Yoga Slim 750i CarbonのCPU性能
Tiger Lake世代Core i7(4コア)の性能とは
プリインアプリ「Lenovo Vantage」からCPUの動作モードを「エキストリームパフォーマンス」に変更。さらに、最初から入ってるセキュリティソフト「マカフィー(30日体験版)」を削除してから、各種ベンチマークを実行しました。
まったくの初期設定から、雑に10%くらい性能アップです。もちろん性能を上げた分だけ、冷却ファンの騒音も増加するので、CPUの動作モードは好みにおまかせします。
ベンチマーク | 結果 | 画像※クリックで画像拡大します |
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Cinebench R20シングルスレッド性能 | 512 cb速い | |
Cinebench R20マルチスレッド性能 | 1869 cb普通 | |
Cinebench R23シングルスレッド性能 | 1397 cb速い | |
Cinebench R23マルチスレッド性能 | 4551 cb普通 | |
Blenderレンダリング時間 | 9分9秒やや遅い |
レンダリング系の処理はCPUのコア数が多いほど有利です。今回のYoga Slim 750i CarbonのCPU「Core i7 1165G7」は、第11世代Tiger Lakeを搭載した4コア8スレッドCPUです。
Cinebench R20(マルチスレッド)
4コア8スレッドゆえに、CPUのコア数が求められる用途だと苦戦します。マルチスレッド性能は必ずしも体感性能と一致しない場合も多々ありますが、ベンチマークの数値的には印象が悪いです。
動画エンコード※クリックで画像拡大します | |
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x264(Fast 480p) | x265(MKV 480p) |
平均56.45 fps | 平均27.63 fps |
動画エンコードの性能も、4コア8スレッドらしく大人しい性能です。
動画エンコードの処理速度(x264)
ちもろぐで過去レビューしたパソコンと比較しました。Core i7 1165G7は4コアの割には高性能。
Microsoft Officeの性能 | |
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Edge(ブラウザ) | 10015 |
PowerPoint(プレゼン作成) | 10832 |
Excel(表計算) | 16326 |
Word(文書作成) | 8133 |
総合スコア | 10955 |
PCMark 10 Professional Editionを使って、オフィスワークの代表例「Microsoft Office」の処理速度をチェックします。
総合スコアはまさかの10955点。PCMark 10の開発元によると、4500点が快適に感じる目安ですので、軽く10000点を超えたYoga Slim 750i Carbonのオフィス処理性能は圧倒的にスムーズです。
Adobe Photoshop CC「写真編集」の性能をベンチマーク | |
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総合スコア | 864 /1000 |
一般処理のスコア | 73.3 /100 |
フィルタ系のスコア | 93.4 /100 |
Photomergeのスコア | 98.6 /100 |
GPUスコア | 76.1 /100 |
マシン | Yoga Slim 750i Carbon |
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CPU | Core i7 1165G7 |
GPU | Xe Graphics 96EU |
RAM | 16GB |
総合スコア | 864 |
一般処理のスコア | 73.3 |
フィルタ系のスコア | 93.4 |
Photomergeのスコア | 98.6 |
GPUスコア | 76.1 |
テストの詳細結果 | |
RAW画像の展開 | 3.36 |
500MBへのリサイズ | 2.43 |
回転 | 1.7 |
自動選択 | 12.3 |
マスク | 3.38 |
バケツ | 1.9 |
グラデーション | 0.62 |
塗りつぶし | 11.1 |
PSD保存 | 14.82 |
PSD展開 | 2.75 |
Camera Raw フィルタ | 6.63 |
レンズ補正フィルター | 15.82 |
ノイズ除去 | 18.83 |
スマートシャーペン | 32.69 |
フィールドぼかし | 16.2 |
チルトシフトぼかし | 16.1 |
虹彩絞りぼかし | 18.65 |
広角補正フィルター | 14.68 |
ゆがみツール(Liquify) | 6.99 |
Photomerge(2200万画素) | 78.27 |
Photomerge(4500万画素) | 110.99 |
※「Puget Systems Adobe Photoshop CC Benchmark」を使用しました。
写真編集は「Photoshop CC」で処理速度をテスト。Puget Systems社が配布しているベンチマーク用のバッチファイル※を使い、実際にPhotoshopを動かして性能をスコア化します。
総合スコアは1000点満点で、Yoga Slim 750i Carbonの結果は「864」です。
Tiger Lake世代のCPUはシングルスレッド性能(= 1コアあたりの性能)がものすごく速いため、Photoshopのようなソフトだと4コアでも驚くほど高いパフォーマンスを発揮できます。
内蔵グラフィックスの性能アップ、オンボードメモリの高速化など。コア数以外の細かい改善がPhotoshopの処理性能に効いています。
PCMark 10の「Video Conference(ビデオ会議)」モードを使って、ビデオチャットの快適さをテストしました。
PCMark 10でテスト | |
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総合スコア | 82535000点以上ならOK |
ビデオチャットの快適度 | 28.58 /30.00 fps |
結果は8253点で、5000点以上を余裕でクリア。複数人とビデオチャットを同時に行った場合の、映像のスムーズさ(フレームレート)はほぼ30 fpsで、上限の30 fpsに迫ります。ビデオ通話は余裕で動きます。
Yoga Slim 750i Carbonのゲーム性能
「Xe Graphics 96EU」はローエンドGPUクラス
インテルの新型内蔵グラフィックス「Xe Graphics(96コア版)」は、内蔵GPUとしては最強のゲーム性能です。
3DMark FireStrike(GPUスコア)
3DMarkのベンチマークスコアで比較してみた。Xe Graphics(96コア版)は、ローエンドGPUの代表例GeForce GT 1030以上の性能を発揮します。
CS:GOやVALORANTは画質を落とせば普通に動いてプレイも可能で、激重マップで16チャンク読み込んだマイクラも平均60 fps以上でプレイできます。
流行りのMMORPG「原神」は、低設定なら平均45 fpsです。割と快適にプレイできます。軽いゲームやレトロゲームをプレイする分には十分なGPU性能です。
Yoga Slim 750i Carbonストレージ性能
速くて高信頼なNVMe SSDを搭載
Yoga Slim 750i Carbonの標準ストレージは、容量512 GBまたは1 TBのNVMe SSDです。今回はCore i7モデルをレビューしているので、標準ストレージは容量1 TBのNVMe SSDです。
ストレージ | 詳細 | ベンチマーク |
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SSD |
標準搭載のSSDは、Samsung製のOEM向けSSD「MZVLB1T0HBLR-000L2」です。Samsung純正品で信頼性はまったく問題ありません。
ベンチマークは読み込みが約3540 MB/s、書き込みは3024 MB/sで、市販のハイエンドNVMe SSD並の性能です。普段使いは余裕ですし、クリエイティブな用途も対応できる性能です。
Yoga Slim 750i Carbonの温度と騒音
薄型なのに意外と静音性に優れています
Lenovo Vantageの設定「エクストリーム・パフォーマンス」、電源モード「高いパフォーマンス」にて、Yoga Slim 750i Carbonの冷却性能をテストしました。
CPU使用率100%のレンダリングで、CPU温度をテストした結果です。開始直後に96℃に達した後、ゆっくりと温度が80℃台へ下がっていきます。
CPU温度が高すぎると自動的にクロック周波数を抑える挙動です。開始直後に4.0 GHzだったクロックは、じわじわと2.4 GHz前後へと低下しました。
Yoga Slim 750i Carbonの動作音デジタル騒音ロガーで測定 | ||
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30.7 dBアイドル時 | 33.4 dB軽めの作業 | 34.5 dBゲーミング時 |
アイドル時(何もしていない状態)はまったくファンが回っていないので無音です。ChromeでYoutubeを見たり、同時にExcelやWordを起動して文書を編集すると、少しファンが回って33 ~ 34 dB前後の動作音でした。
ゲーミング時も思ったほどファンは回っておらず、動作音は34 ~ 35 dBにとどまっています。
動作音の比較(ゲーム中)
騒音値(dBA) | 評価 | 目安 |
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30 ~ 32.49 | 極めて静か | 耳を近づければ聞こえるレベル |
32.5 ~ 34.9 | 静か | ファンが回っているのが分かる |
35 ~ 39.9 | やや静か | 扇風機を「小」で回したくらい |
40 ~ 42.49 | 普通 | エアコンよりは静かな音 |
42.5 ~ 44.99 | やや騒音 | エアコンの動作音に近い |
45 ~ 50 | 騒がしい | 扇風機を「中~大」で回した音 |
50 ~ | うるさい・・・ | 換気扇を全力で回した音 |
参考までに、過去レビューしたBTOパソコンとの比較データを掲載します。Yoga Slim 750i Carbonは32.5 dB以上、35 dB未満なので「静か」に入ります。
日常的な使い方やオフィスワーク、原神やマイクラなどライトゲームをプレイする程度なら、かなり静音性に優れたノートパソコンです。
Yoga Slim 750i Carbonの表面温度は思ったより大人しい温度です。キーボードは33~34℃(ピークエリアは45℃)で、リストレスト部分は27℃です。
底面カバーは吸気用スリットのある場所だけ50℃近く、大部分は35~40℃以内に収まります。デスク置き、膝置きのどちらでも不快なく使える表面温度です。
なお、底面カバーの吸気スリットを塞がないように気をつけてください。
Yoga Slim 750i Carbonのバッテリー時間
バッテリー持続時間はおよそ9時間
電源モード「より良いバッテリー」、画面の明るさを77%(ほぼ120 cd/m2)にて、PCMark 10のバッテリーテストを用いてYoga Slim 750i Carbonのバッテリー時間を検証します。
バッテリー持続時間PCMark 10 Pro : Modern Office Battery Life | |
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バッテリー持続時間 | 8時間52分 |
結果は「8時間と52分(532分)」でした。とても長いわけでも無いバッテリー時間ですが、それなりに持つ方です。ディスプレイがWQXGA(2560 x 1600)だからバッテリーをやや消費しやすい可能性があります。
バッテリー充電 | 充電スピード | 充電時間 |
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80%まで充電 | 43.98 W | 53 分 |
100%まで充電 | 17.04 W | 87 分 |
バッテリー充電は、残りバッテリーが80%になるまで53分でした。100%充電は合計で87分(1時間半)掛かります。
「Yoga Slim 750i Carbon」レビューまとめ
- ほぼ全面が白色の珍しいデザイン
- 本体重量は1 kgを下回る
- メンテナンス性は良好
- 冷却性能に問題なし
- オフィスワークがとても速い
- 最強クラスの内蔵GPU
- 高画質なWQXGAディスプレイ
- そこそこ長持ちなバッテリー
- 比較的コスパが良い(同等スペック比較で)
- パーツの増設はできない
- マルチスレッド性能はイマイチ
- Webカメラの画質が悪い
- スピーカーの音質が普通
- 納期がやや遅い(2~3週間)
今回レビューした「Yoga Slim 750i Carbon」は、本体重量が1 kgを切る(= 960 g)超軽量ノートパソコンで、さらに全面が白色の珍しいデザインです。
スッキリとした見た目でものすごくコンパクトかつ軽量。つまり、大学生やオフィスワーカーに相性の良いノートパソコンです。
ディスプレイは13.3インチに2560 x 1600を詰め込んでいるので、高精細でドットの粗さを感じさせません。色は正確、明るさ十分、コントラスト比も高くて応答速度はそれなり。
なお、CPUは決して性能が悪いわけではないし、内蔵GPUは現行トップクラスの性能です。しかし、ライバルのRyzen 7 4700Uなどと比較するとマルチスレッド性能の低さは気になります。
CG系やレンダリング系のソフトでゴリゴリとクリエイティブな作業をしないなら、超高速な4コア8スレッドで特に問題ないとはいえ・・・インテルにも6~8コア版を出して欲しいところです。
ベンチマークのスコア以外の部分でノートパソコンを選ぶなら「Yoga Slim 750i Carbon」をオススメできます。単純にベンチスコアとコスパで選ぶなら、以前レビューした「IdeaPad Slim」のほうが良さそうです。
以上「Yoga Slim 750i Carbonレビュー:白くてオシャレ & 超軽量で高性能」でした。
レノボの学割ストアについて
もし、本記事を読んでいる学生さんがいるなら、レノボの学割ストアもついでにどうぞ。
今回レビューしたYoga Slim 750i Carbonが必ずしも学割対象品に入っているかどうかは分かりませんが、普通に買っても安いLenovoノートパソコンがいろいろと学割に含まれています。
接続端子がUSB-Cだけって滅茶苦茶攻めたデザインだなー
パワポをモニタに出力するためのHDMIどころかマウスの接続すら危ういとなるとちょっと仕事で使いたくはないけど、たまにLenovo(というか大和総研)が作る変態実験機だと思えばあり