SLC、MLC、TLC、QLC、4種類のSSDについて徹底解説

SSDを選ぶ時に一応知っておきたい知識として、使われているNANDフラッシュの種類という要素がある。現在は「SLC」「MLC」「TLC」「QLC」の4種類があって、それぞれ長所と短所を備えている。順番に解説します。

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SSDの中身「NANDフラッシュ」

最初にSSDの中身について確認しておく。SATA接続のSSDはプラスチックや金属で出来たパッケージの中に入っていますが、PCI Expressで接続するNVMe SSDの場合は見ての通り、中身がむき出しです。

  • A:コントローラ
  • B:DDRメモリ
  • C:NANDフラッシュ

SSDは基本的に以上の3つのパーツを搭載している。接続部分に最も近い場所に「コントローラ」、その次に「DDRメモリ」、そして「NANDフラッシュ」です。

コントローラは使う人の命令を処理してNANDにあれこれと仕事をさせる部分。SSD黎明期には、このコントローラの性能が甘かったためプリフリという現象が多発していたが、今は滅多に見れられない。

DDRメモリは、SSDの速度を改善するために、データを一時的にキャッシュする場所。そしてNANDフラッシュが、まさしくデータが実際に格納されている場所になります。

「SLC」や「TLC」は、このNANDフラッシュの種類を指している(と思えば大丈夫)。

NANDフラッシュとは

NAND型フラッシュメモリは、セルと呼ばれる小さな区画に、ビット単位の情報を保存することが出来る。そして保存された情報は、電気の流れ(強さ)を使ってオンオフを切り替え、コピーしたり削除したり出来るという仕組み。

でですね…。SSDの容量はこのNANDフラッシュに刻み込まれている「セルの数」で決まるわけです。セルの数が多ければ多いほど、より大容量のSSDを作れますが、その分面積も大きくなってしまう。

必然的に大量のNANDフラッシュが必要になるため、コストがかさばり一般向けに販売されてばかりのSSDはとても高価なPCパーツでした。

大容量化、低コスト化に貢献「マルチレベルセル」

対処法として生み出されたのが、1つのセルにたくさんのビットを入れるという方法。初代のSSDは、1つのセルに対して「1ビット」の情報しか保存できなかった。それを「2ビット」ずつ保存できるようにしよう。

そうすることで、同じ面積のNANDフラッシュでも単純に2倍の容量を実現可能ってことになる。これが「マルチレベルセル」と呼ばれる形式、略して「MLC」ですね。

4種類の「レベルセル」

技術は一旦進歩したら、簡単に足を止めることはない。「MLC」誕生後もNANDフラッシュの改良は続き、「TLC」(トリプルレベルセル)も生まれた。2017年時点、一般向けで最も主流のNANDフラッシュです。

  1. SLC(シングルレベルセル)
  2. MLC(マルチレベルセル)
  3. TLC(トリプルレベルセル)
  4. QLC(クアッドレベルセル)

2017年現在は、以上の4つのレベルセルが存在する。それぞれ、長所と短所がハッキリしてるのが特徴。

1. SLC(シングルレベルセル)

シングルレベルセルでは、1つのセルに1ビットの情報を保存できる。オンオフの2種類だけでデータの管理が出来るため、データの読み書きが極めて正確であり、書き換え回数の上限も9~10万回程度と非常に長い。

SLCを採用しているSSDは、優れた堅牢性、寿命、精度を誇る一方で、非常に広い面積のNANDフラッシュを必要とするため一般向けには価格が高すぎる。もっぱら、現状ではエンタープライズ市場向けに多用されている。

メリット – 長所
  • もっとも寿命が長い
  • 読み書き時、エラーが発生する確率が低い
  • 幅広い温度環境で動作可能
デメリット – 短所
  • 一般向けSSDでは最も高価なタイプ
  • 大容量化はあまり進んでおらず、低容量の製品が多い

一般人向けではなく、完全に企業向けです。SLCタイプのSSDは。

2. MLC(マルチレベルセル)

マルチレベルセルは、1つのセルに2ビットの情報を保存可能。データの管理に使われる電荷は4種類(4段階のオンオフというイメージ)になるため、堅牢性はSLCと比べて一気に劣る。しかし、一般向けSSDの普及に大きく貢献した技術です。

メリット – 長所
  • SLCと比べて、かなり低コストになった
  • 主流のTLCよりも堅牢性に期待できる
デメリット – 短所
  • SLCほどの精度と耐久性は期待できない

SLCでは最大10万回程度の書き換え回数があったが、MLCではその10分の1である1万回程度しか無い。だから数年ごとに乗り換えるという選択肢は(リスクを避けるなら)回避できないだろう。

3. TLC(トリプルレベルセル)

トリプルレベルセルでは、その名の通り1つのセルに3ビットの情報が保存可能に。データの管理に使われる電荷は更に増えて8種類になる。理論上の耐久性能はMLCから更に劣ることになった。

と同時に、一般向けSSDはTLCの登場によって一気に低価格化と大容量化が進んだ。「システムドライブにSSD」は当たり前という時代になってしまうほど、そのインパクトは大きい。

メリット – 長所
  • 一般人が入手できるSSDでは、最も安価なタイプ
  • 大容量SSDも、十分に手が届く価格になった
デメリット – 短所
  • MLCよりも耐久性能は悪く、エンタープライズ市場では見向きもされない

書き換え回数は、3000~5000回程度とされている。初代SLCと比べて20分の1にまで落ち込んだわけだが…。後述する通り、これだけ耐久性能が落ちても実用上は全く問題ないから安心して大丈夫。

4. QLC(クアッドレベルセル)

クアッドレベルセルは2018年から製造が開始される予定。1セルに4ビットもの情報が保存可能で、さらなるSSDの低価格化と大容量化を進める可能性を持つ。電荷は更に倍の16種類。

メリット – 長所
  • おそらく、SSD史上もっとも安価な製品が登場する
デメリット – 短所
  • TLCよりも悪化するであろう耐久性能

実際に、QLC形式のNANDフラッシュを採用したSSDが登場してみないことに分かりませんが、基本的には更に安くなって、耐久度は落ちるというイメージです。

まとめ

NANDタイプSLCMLCTLCQLC
書き換え回数90000~1000008000~100003000~50001000
ビット数/セル1234
耐久性★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆★☆☆☆☆
価格★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆★☆☆☆☆
用途企業向け一般向け

SLCタイプのSSDは完全に企業向けのパーツで、一般人に手が届く価格ではない。一般人がPCパーツとして選択肢に入るのは「MLC」か「TLC」の2択です。

MLCタイプの場合、TLCと比べて同じ容量でも3~4割ほど価格が高いものの、依然として耐久性に信頼を置けるという理由でシステムドライブにMLCを選ぶ人が多い。

システムドライブ用途なら、少なくとも128GBくらいあれば十分だし、余裕を持って250GB程度で必要十分。

ただ、ぼくはTLCタイプで全然大丈夫だと思ってますけどね。Crucial、Sandisk、CFD、Samsungと、色々なメーカーのTLC型SSDを使っていますが故障したことは一度もない。むしろ、HDDが先に不具合を起こす有様ですよ。

  • SSDに対して「不安」を持っている人:OS用にはMLCタイプ、ゲーム用にはTLCタイプを
  • SSDはHDDよりも頑丈なストレージと思っている人:常にTLCタイプで良い(事実、ぼくはTLCしか採用していない)

確かに2008~2009年ごろのSSDは、まだまだ新しいハードウェアで不安定な部分もあった(突然死したり、プチフリしたり)。しかし、最近のSSDは非常に洗練されていて、突然死はめったにしないし耐久性もHDDよりはるかに高い。

SSDの頑丈さや寿命については以下の記事にまとめておいたので、寿命について興味がある人はついでにどうぞ。

「MLC」でオススメなSSD

CFDの有名モデル。使われているNANDは東芝製です。「国産」というワードに惹かれる人には非常にオススメなSSD。250GBで14000~15000円は少々割高だが、安心を買うと思えば良いかと。一応、国産ですし。

Amazonで驚異的な人気を誇る、Transcend製のSSD。ちゃんと高性能だし、無難な出来栄え。

「TLC」でオススメなSSD

TLCタイプで常にオススメしてるのが、Samsung製の850 EVOだ。普通のNANDは完全に2次元方向にセルが敷かれているんだが、このSSDは3D V-NANDという3次元構造のセルを使っている。

限られた面積にセルを詰め込めば詰め込むほど、発熱や故障のリスクを抱えてしまう。3D V-NANDはセルを敷き詰めるのではなく、ある程度敷いたら上に重ねていくという方法です。だから安心して使えるんですよね。

2017年3月より、日本で人気のCrucialからも3D NANDを採用したSSDが登場。850 EVOよりも若干コスパが良いのがメリット。知り合いに依頼された自作PCに搭載していますが、高性能だし安定しています。

以上、「SLC、MLC、TLC、QLC、4種類のSSDについて徹底解説」でした。

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