「ASUS TUF RTX 3060 Gaming OC」をASUS Japanさんよりお借りしてレビューします。TDPが170 WのRTX 3060を、分厚いヒートシンクと大口径トリプルファンでぜいたくに冷やす仕様です。
(公開:2021/3/4 | 更新:2021/7/17)
スペックと仕様を解説
RTX 3060 TUF GAMING OCのスペック
製品 | ASUS TUF RTX 3060 GAMING OC | NVIDIA RTX 3060 |
---|---|---|
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 3584 | 3584 |
RTコア数レイトレ用の特化コア | 28 | 28 |
ブーストクロックデフォルト設定 | 1852 MHz(+4%) | 1777 MHz |
VRAM | GDDR6(Samsung)12 GB | GDDR612 GB |
VRAMクロック | 15 Gbps | 15 Gbps |
PCIe | Gen 4.0 | Gen 4.0 |
TDP | 170 W | 170 W |
補助電源 | 8 pin | 12-pin |
寸法(cm) | 30.1 x 14.3 x 5.4 cm | 24.2 x 11.2 x 3.9 cm |
占有スロット | 2.7 | 2 |
US価格 | $ 519.99 | $ 329 |
参考価格 | 64799 円 | 49980 円 |
「ASUS TUF RTX 3060 GAMING OC」は、ASUSが展開する空冷オリファンモデルの中で、ROG STRIXの次に高いグレードのハイエンドシリーズです。
NVIDIA公式のリファレンスモデルよりも、ずっと大きく分厚いデザインで、冷却ファンを3つも搭載します。ブーストクロックは1852 MHz(+4%)に設定されており、ややオーバークロック済みです。
価格はおよそ520ドル、国内では約64800円で購入できます。安価なモデルと比較すると割高に見えますが、実は換算レートは驚くほど良心的だったり。
たとえばZOTACさんのRTX 3060 Twin Edgeは329ドルなのに、国内だと約58000円です。200ドルも高いはずのTUF RTX 3060 Gaming OCとの差額は7000円ほど。他と比較するとコスパは良い感じです。
外観とデザインをチェック
パッケージデザインは従来どおり、シンプルなフォントで「TUF GAMING」とだけ描かれただけの簡素な内容です。
付属品は「マニュアル」「MIL認証の証明書」「コレクションカード」など、必要最低限です。
全長30.1 cmの大型なボードデザインです。シュラウド(外装)やバックプレートは金属製で、「TUF」シリーズの名前通りの頑丈な仕上がりです。
カードの厚みは54 mm(2.7スロット占有)で、TDPが170 Wのグラフィックボードとしては相当に分厚い部類。
冷却ファンは「Axial-Tech Fan」を採用。90 mmサイズの大口径ファンで、中央のファンのみ逆回転する設計です。
実際に測るとほぼ90 mmで、ブレードの枚数は9枚、上位モデルのRTX 3080 TUF Gaming OCとまったく同じ冷却ファンが使われているようです。
PCIeスロット | 最大75 W |
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補助電源(8ピン) | 最大150 W |
合計 | 最大225 W |
補助電源コネクタは「8ピン」です。PCIeスロットと合わせて、仕様上は最大225 Wの給電能力が確保されています。
映像出力端子は5つあります。
- HDMI 2.1 x2(4K @120 Hz / 8K @60 Hz)
- DisplayPort 1.4a x3(4K @120 Hz / 8K @60 Hz)
同時出力は4画面まで対応。HDMI 2.1とDisplayPort 1.4aは、4K @120 Hzまたは、8K @60 Hzに対応可能です(参考:HDMI規格と対応してるリフレッシュレートを解説)。
バックプレート前方に位置するスイッチは「BIOS切り替えボタン」です(※出荷時はP MODEにスイッチが入っています)。
- P MODE:Performance Mode(ファンを回して性能を重視)
- Q MODE:Quiet Mode(ファン回転数を抑えて静音性アップ)
スイッチをスライドして切り替えるだけで、性能重視 or 静音特化のBIOSに切り替えができます。
先にネタバレしておくと、性能重視(P MODE)の時点で、静音性は非常に優秀でした。だからQ MODEの方はあえて検証していません。
「ASUS TUF RTX 3060 GAMING OC」の性能テスト
テスト環境(スペック)
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
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CPU | Core i9 10900K | |
CPUクーラー | Corsair H100i Pro RGB240 mm簡易水冷クーラー | |
マザーボード | ASUS ROGZ490 Maximus XII Apex | |
メモリ | DDR4-3200 16GB x2使用メモリ「G.Skill Trident Z C16」 | |
グラフィックボード | ASUS TUF RTX 3060 GAMING OC | |
SSD | NVMe 500GB使用SSD「Samsung 970 EVO Plus」 | |
SATA 2TB使用SSD「Micron 1100」 | ||
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1909」 | |
ドライバ | NVIDIA 461.72 | |
ディスプレイ | 3840 x 2160@60 Hz使用モデル「BenQ EL2870U」 |
「ASUS TUF RTX 3060 GAMING OC」をテストする、ちもろぐ専用ベンチ機の最新スペックです。
CPUはゲーミング最強クラスの「Core i9 10900K」です。マザーボードは、10900Kを定格で問題なくぶん回す「Z490 Maximus XII Apex」を使ってます。メモリは容量を32 GB、クロックはDDR4-3200です。
その他のパーツは適当に組み合わせています。テスト時のグラフィックドライバは、NVIDIA 461.72(RTX 3060対応ドライバ)です。
ゲーム向け定番ベンチマーク
3DMarkベンチマークの「FireStrike(DX11)」「TimeSpy(DX12)」をテスト。RTX 2060より約13~18%高いスコアで、RTX 2060 Superに肉薄する性能です。
VRゲーム性能:VRMark
VRゲーム向けの性能を評価する「VRMark」のテスト結果です。Cyan Roomだけ2060 Superを上回りますが、OrangeとBlueでは伸び幅が今ひとつな印象。
【1920 x 1080】フルHDゲーミングの性能
「TUF RTX 3060 GAMING OC」のフルHDゲーミング性能は約115 fpsで、RTX 2060から着実な性能アップを見せます。
RTX 3060平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
フルHDゲーム(1920 x 1080)における、検証したそれぞれのデータをまとめた↑スライドです。
【2560 x 1440】WQHDゲーミングの性能
「TUF RTX 3060 GAMING OC」のWQHDゲーム性能は平均79.9 fpsで、RTX 2060 Superを超える性能です。
RTX 3060平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
WQHDゲーミング(2560 x 1440)における、検証したそれぞれのデータはこちら↑のスライドをじっくり見てください。
【3840 x 2160】4Kゲーミングの性能
「TUF RTX 3060 GAMING OC」の4Kゲーム性能は平均42.2 fpsで、快適とされる平均60 fpsに届かないです。4Kゲーミングをするなら、RTX 3070以上が欲しいです。
RTX 3060平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
4Kゲーミング(3840 x 2160)における、検証したそれぞれのデータはこちら↑のスライドをじっくり見てください。
なお、RTXシリーズならではの独自機能「NVIDIA RTX(レイトレ)」や「NVIDIA DLSS」を使用したときの性能については、↑こちらのレビュー記事で詳しくデータを解説しています。
熱と消費電力を実測テスト
ゲーミング時の実効GPUクロック
検証タイトル | FF15 | Shadow of the Tomb Raider | Monster Hunter World |
---|---|---|---|
最大値 | 1950 MHz | 1942 MHz | 1942 MHz |
平均値 | 1931 MHz | 1935 MHz | 1936 MHz |
中央値 | 1935 MHz | 1942 MHz | 1942 MHz |
ブーストクロック | 1852 MHz |
ゲーム中のGPUクロックは、中央値で1935 ~ 1942 MHzです。
TUF RTX 3060 GAMING OCの出荷時のブーストクロック設定は1852 MHzで、実際のGPUクロックは問題なく仕様値を上回っています。
グラボ温度とファンの動作音(騒音)
グラフィックボードの温度(GPUコア温度)は、FF15ベンチマーク(4K)実行中で最大58.9℃(平均56.7℃)です。
RTX 3060の消費電力はせいぜい160 Wを超える程度でしかなく、厚み54 mmのヒートシンクと3つのAxial-Techファンを備えるTUF Gaming OCにとっては、余裕すぎる相手です。
では動作音はどうでしょうか?
グラフィックボードから50 cmの距離で、デジタル騒音ロガーを使って動作音(騒音値)を1秒ずつ測定します。ファン回転数は平均1241 rpmで、騒音値は33.7 dbでした。
一瞬39 dBに達するシーンがありますが、ベンチマークを通して32~33 dB程度で落ち着いており、恐ろしく静かです。
消費電力を実測してテスト
FF15ベンチマーク(高品質)を実行中に、電源ユニットの消費電力ロガー機能(1秒ずつ)を使って、グラフィックボード単体の消費電力を測定した結果です。
- フルHD:147.5 W
- WQHD:153.5 W
- 4K:159.5 W
TUF RTX 3060 GAMING OCはTDP : 170 W(公称値)です。実際の消費電力はフルHDで約148 Wほど、4Kゲーミング時に約160 WでTDP以下に収まる結果です。
今回のTUF Gaming OC(トリプルファン)は、若干物量の違いはあれど、基本的なデザインはTDP : 200 W台の上位モデルゆずりです。160 W程度が相手なら余裕過ぎます。
1時間のストレステストを試す
3DMark TimeSpy StressTest(GPU使用率は常時100%近い状態)を使って、「TUF RTX 3060 GAMING OC」に1時間ほどストレスを掛け続けてみます。
抜群の安定性と冷却性能です。
1時間ずっとGPU使用率100%の負荷で、GPU温度は57℃前後(ホットスポットで最大71℃)です。TimeSpy Stress Testの安定性評価は99.4%で余裕のクリア(※3DMarkによると97%以上で合格)。
GPUクロックも安定した動作です。1時間のグラフだとデータが多すぎて見づらいので、20分間に拡大したグラフをチェック。
20分間のGPUクロックは最大1950 MHz、中央値は1935 MHzです。
サーモグラフィカメラで表面温度を撮影
ストレステストを開始して50分あたりで、サーモグラフィカメラを使って「TUF RTX 3060 GAMING OC」の表面温度を撮影しておきました。
バックプレートの温度は40℃前後で、チップの密集地帯は56~58℃ほど、特に問題なく冷えている様子です。
ファン側から撮影したヒートシンクは32 ~ 39℃前後です。
側面から基板本体の温度を見てみると、44 ~ 50℃前後で推移しています。
補助電源コネクタの接続部は43℃程度でした。消費電力がせいぜい160 Wちょっとなので、全体的に発熱は大人しいです。
オーバークロックを検証
手動オーバークロックで2 GHz動作を狙う
RTX 3060を手動でオーバークロックして、2 GHz台の動作を狙います。使用したソフトは「MSI Afterburner」です。スライドを動かし、以下のような設定を施しました。
手動オーバークロック | Power Limit:110% Temp Limit:83℃(変更なし) Core Clock:+98 MHz(1950 MHz) Memory Clock:+1000 MHz(16 Gbps) |
---|
コア電圧は追加できなかったので、電力制限のみ110%に引き上げます。GPUコアクロックは+98 MHz(1950 MHz)、メモリクロックは+1000 MHz(= 16 Gbps)です。
オーバークロックと性能
定番ベンチマークの3DMarkとVRMarkでは、オーバークロックで5.2~6.3%の性能アップを達成します。
Watch Dogs Legion、Shadow of the Tomb Raider、FF15、Assassin’s Creed Odysseyの4タイトルを4K解像度でベンチマーク。
オーバークロックの伸び幅は最大11.5%です。平均すると約6.9%の性能アップで、ブーストクロックの伸び幅(1852 MHz → 1950 MHzで約5.3%)に比例した効果が得られています。
GPUクロック、温度、消費電力
FF15ベンチマーク(高品質)を4K解像度でテスト中に、HWiNFOを使って「GPUクロック」「GPU温度」「消費電力」の変化を記録。GPUコアクロックから見ていきます。
GPUクロック(中央値)はオーバークロック時で平均2029 MHz、出荷設定だと1931 MHzでした。
設定した+98 MHzがそのままクロックに反映されており、伸び率は5.1%です。FF15ベンチで得られた約4.8%の性能差とほぼ一致します。2.0 GHz台の動作は余裕のようです。
同じグラフィックボードの比較ですので、実測ではなくソフト読みで比較します。
グラボ本体の消費電力は160 W → 167 Wへ、約4.4%増えました。電力制限は+10%ですが、実際には4%程度しか増えていません。
RTX 3060を2.0 GHz台で動かすくらいなら、わずかな消費電力の増加で事足りる可能性が高いですね。
GPU温度はほとんど変化なし。最大59.8℃(平均57.4℃)です。
2.0 GHz台のオーバークロックなら、TUF RTX 3060 GAMING OCの冷却性能で十分に間に合います。しかし、ファンの回転数はほんのわずかに(50~70 rpmほど)増加します。
まとめ:やはり優等生なTUFグラボ
「TUF RTX 3060 GAMING OC」のデメリットと弱点
- 全長30 cm(PCケースに注意)
- 分解すると保証無効(封印シールあり)
- LEDライティングは控えめ
- 国内1年保証
「TUF RTX 3060 GAMING OC」のメリットと強み
- 標準で+4%のオーバークロック
- オーバークロックの余地あり
- RTX 3060を余裕で冷やし切る性能
- 54 mm厚 & 大口径トリプルファン
- とても静かな動作音(32~33 dB)
- 無骨でシックなデザイン
- HDMI 2.1が2つある
- デュアルBIOS仕様
「TUF RTX 3060 GAMING OC」は、優等生的な性能を持つ万人向けなグラボです。
価格はRTX 3060搭載モデルとしては中くらいですが、冷却性能と静音性はトップクラス。160 Wの熱を大型デザインで抑え、さらにRTX 3060の性能もきちんと引き出します。
GPU温度の上昇を許容できる人なら、ファンの設定をもっと低く抑えて、無音に近い静音性も可能です。細かい設定が面倒なら、BIOS切り替えスイッチで「Q MODE」に変更してしまえばOKです。
RTX 3060そのものの魅力は置いておくとして、ガワである「TUF Gaming OC」は特に目立った弱点のない優れたデザインと評価できます。あえて弱点があるとすれば、全長30 cmでPCケースを若干選ぶくらいです。
とはいえ、最近のPCケースは大型グラフィックボードを前提にした設計になっているので、新しく自作PCを組む場合は大した問題ではありません。
以上「RTX 3060 TUF GAMING OCをレビュー:圧倒的な静音性と冷却性能」でした。
トリプルファンモデルだから最安クラスにはもともとならなかったろうけど、60番台の価格ではないよなあ……
これで4万台後半くらいならいいグラボ扱いだったろうに実に惜しい
うーん、なぜ前世代の2060SUPERとどっこいどっこいなんだろうw
結果的に前評判の2070S以上!というリークは大嘘だったわけですが残念です
それはともかくなぜ12nmから8nmへ製造プロセスが大幅に微細化されたはずなのに、2060SのTDP(TGP)175Wに対してほぼ同性能の3060が170Wとまるで改善されていないのが謎すぎますね
そしてこの性能にまるで高価格・・・うーん
2070S以上というリークはあったっけ?初耳だ。
3060Tiが2080Superレベルだったので例えフルの3840SPでも2070SUPER未満は確定で、2070より少し速い程度が普通に想像できたはずで、偽情報というのは分かるはずだが・・・
流石にTUFやROGの冷却機構だとオーバースペックだと思う
このクラスはDUALで低価格を求める層が多いのでは?
(基本価格が高騰してるのは目を瞑る)
○○というゲームで設定△で勝率が□%上がったとか具体例に乏しくて、
何を参考にすればいいのか分からない。
グラボもそうだけどPCの性能上げたからといって自分の腕が良くなるわけじゃないぞ
勝つために良いパーツを選ぶんじゃないの?
自分腕か上がったと錯覚するような良いパーツを選ぶんじゃないの?
初心者なのですみません。
グラフィックのクオリティを気にするプレイヤーも勝負にこだわるプレイヤーと同じくらいいるんやで
高画質でリアルなゲームを動かすにはハイエンドパーツでも全然性能が足りないんや
もし勝ち負けにどんだけ影響がでるかだけを知りたいならモニターの選び方の記事を読んでくるんや
ゲームタイトルにかかわらずリフレッシュレート30.60.144でどれだけ有利不利がでるのか検証されとる
勝ちたいならいいモニター買って反応のいい入力機器買ってグラボなんかその後や
やりたいゲームの最低画質で手持ちのモニターのリフレッシュレートに張り付く程度のもんを選べばええ
勝つならゲーム内の画質は当然最低設定推奨や
ノイズになる情報が減って敵を視認しやすくなる
そのゲームでどの設定でどれだけfps出したいかで決めるんやで。
いろんなグラボでベンチマーク取った記事このちもろぐにもたくさんあるから性能とお財布との相談やね。
まあ仮に最高設定で200fpsとか出せても60Hzのモニター使ってたら意味ないけども。
コロナでオンライン化、マイニング、こう言った要因で、一般のグラボがクアドロみたいな価格になってる。
タフな仕様だと思う
特にHDMI端子ふたつがVRや配信にぴったりで尊いんだ絆が深まるんだ
冷却まわりもマイクへノイズが入らなそうな感じだし消費電力もまともな範囲だし
動画編集もするVTuber入門モデルに最適かもしれない
でも怒らないで聞いてくださいね
実売価格がアホほど高いじゃないですか
それでも今からグラボを買いたいなら土下座してでもこれを買わせてもらうしかないんだ
悔しいだろうが仕方がないんだ
あなただけで土下座して
買われると良いと思います
在庫はあるみたいですよ
店頭在庫が3060しかないってこと言ってるんじゃないの?
各ゲームのベンチマークのとこApexが非採用になってしまったのはどうしてですか。需要ないのかな。
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