GTX 1080 Tiの後継は一応2080 Tiですが、性能やスペックから見ると実質的な後継モデルは「RTX 2080 8GB」になる。さて、実際にRTX 2080を入手したので、どこまで性能が進化しGTX 1080 Tiと戦えるのか…検証してみたい。
「RTX 2080」のスペックを解説
RTX 2080の仕様(スペック)について、先代のGTX 1080に加えて、希望小売価格が一致するGTX 1080 Tiと比較しながら確認しておく。
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|---|
ダイ | |||
世代 | Turing | Pascal | Pascal |
プロセス | 12nm LP製造 : GLOBALFOUNDRIES | 16nm製造 : TSMC | 16nm製造 : TSMC |
トランジスタ数 | 136億 | 72億 | 118億 |
ダイサイズ | 545mm2 | 314mm2 | 471mm2 |
CUDAコア数CPUのコア数に相当 | 2944 | 2560 | 3584 |
TMU数Texture Mapping Unitのこと | 184 | 160 | 224 |
ROP数Render Output Unitのこと | 64 | 64 | 88 |
Tensorコア数機械学習の処理に特化したコア | 368 | 0 | 0 |
演算ユニット数 | 23 | 20 | 28 |
クロック周波数 | 1515 MHz | 1607 MHz | 1481 MHz |
ブーストクロック | 1710 MHz | 1733 MHz | 1582 MHz |
VRAM容量 | 8 GB | 8 GB | 11 GB |
VRAM規格 | GDDR6 | GDDR5X | GDDR5X |
VRAMバス | 256 bit | 256 bit | 352 bit |
VRAM帯域幅 | 448.0 GB/s | 320.3 GB/s | 484.4 GB/s |
理論性能(FP32) | 10.068 TFLOPS | 8.873 TFLOPS | 11.340 TFLOPS |
光線描写数Ray Tracingの処理性能 | 80 億本/s | – | – |
TDP | 215 W | 180 W | 250 W |
補助電源 | 8pin + 6pin | 8 pin | 8pin + 6pin |
MSRP | $ 699 | $ 599 | $ 699 |
参考価格 | 107980 円 | 67890 円 | 82980 円 |
仕様それ自体は、確実にGTX 1080と比較すると大幅にアップグレードされている。プロセスが16nmから12nmへ縮小化されたことで、より大量のチップを載せられるようになったためです。
ダイサイズはGTX 1080が314mm2に対して、RTX 2080は約73%も多い545mm2にまで拡大しており、確実にチップは巨大化を果たしている。ただ、その割にはコア数の増加に乏しいのがRTXシリーズの特徴。
面積が70%も増えたのに、ゲーミング性能に影響するCUDAコア数は2560個から2944個へと、わずか15%しか増えていません。理由は今までのGeForceには搭載されていなかった、新しいコアが追加されたからです。
新機能に対応するべく追加された、新しいコア
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 | 増加率 |
---|---|---|---|
面積 | 545mm2 | 314mm2 | +73.6% |
CUDAコア数CPUのコア数に相当 | 2944 | 2560 | +15.0% |
TMU数Texture Mapping Unitのこと | 184 | 160 | +15.0% |
ROP数Render Output Unitのこと | 64 | 64 | 0.0% |
Tensorコア数機械学習の処理に特化したコア | 368 | 0 | 新設コア |
RTコアレイトレ専用コア | 46 | 0 | 新設コア |
演算ユニット数 | 23 | 15 | +15.0% |
今までのGTX 10XXシリーズには無かった新しいコア。「Tensorコア」と「RTコア」の2つがそうです。前者は機械学習に特化したコアで、後者はレイトレ特化コアになります。
- RTX:光をリアルタイムに計算して、臨場感あふれる映像を表現(略 : レイトレ)
- DLSS:従来の重たいアンチエイリアシング処理を、超高速化するAA技術
この2つの技術を効率化するために、RTX 2080のチップは巨大化してしまった。どちらも記事を書いた時点では対応しているゲームは非常に少ないので、恩恵が少ない。
恩恵が少ないうちは、TensorもRTも完全にお荷物なコアでしかなく、従来のGTX 10XXシリーズと比較して無駄に割高な価格になってしまった感の強いGPUですね。
一応、今後の最新AAAタイトル(例:Battlefiled VやFinal Fantasy XVなど)ではレイトレやDLSSに対応する予定になっているので、最新ゲームをプレイするつもりならRTXシリーズの新機能は価値がある。
「RTX 2080」のスペックをまとめると
- メモリの性能が大幅に上昇(GTX 1080の約1.5倍)
- 新しい機能「レイトレ」「DLSS」を使用可
- 理論性能はGTX 1080を13%上回る
- GTX 1080から100ドル値上がり
- RTXシリーズでもっともスペックの伸びが悪い
カタログスペックを見る限り、RTX 2080は先代GTX 1080と比較して約13%の性能アップに成功しているはず。しかし、MSRP(希望小売価格)は17%の値上がりなので、コスパは悪化していると言える。
「RTX 2080」の性能を検証
今回、RTX 2080の性能を確かめるために用意したのは「ASUS Turbo RTX 2080」です。いわゆる外排気ファンを採用するグラボで、大手BTOで採用されているモノになります。
外排気グラボはPCケースのエアフローが無くても冷えやすいのがメリットですが、普通の内排気ファンのグラボと比べると冷却性能が低めで、ブーストクロックも伸びにくい。
なので、長尾製作所の「グラボ用拡張ファン」を使って、冷却性能を水増しした。検証中に判明したことだが、こうでもしないとRTX 2080の性能を出しきれなかったからです。
テスト環境 | パーツ | 備考 / 詳細 |
---|---|---|
CPU | Core i7 8086K @4.3GHz | Core i7 8700を想定してクロック固定 |
冷却 | NZXT X62 | 280mm簡易水冷ユニット |
グラボ | RTX 2080 Ti | MSI Gaming X Trio(3連ファン) |
RTX 2080 | ASUS Turbo(外排気) | |
GTX 1080 Ti | MSI Gaming X(2連ファン) | |
メモリ | DDR4-2666 8GB x2 | G.Skill Sniper X |
マザーボード | Intel Z370 | Gigabyte AORUS Ultra Gaming |
SSD | SATA 250GB | Samsung 860 EVO M.2 |
SATA 2TB | Micron 1100 2TB | |
電源ユニット | 750W(80+ GOLD) | Toughpower Grand RGB 750W |
OS | Windows 10 Pro 64bit | Ver 1803 |
ドライバ | NVIDIA 411.63 WQHL | RTXシリーズ対応ドライバ |
ディスプレイ | 3840 x 2160 @60Hz | Acer KT430 |
※ 太字は該当パーツのレビュー記事へリンクしています。
テスト環境は以上の通り。CPUはCore i7 8086Kを、4.3GHzに固定して運用。多くのゲーミングPCで「i7 8700」が採用されているので、その想定で4.3GHzに固定しています。
冷却は簡易水冷を使って、CPU性能を安定化。メモリーはゲーミング用途なら十分な「16GB」搭載。ストレージはSATA SSD。電源ユニットは750Wなので、今回の検証内容なら余裕で足ります。
よって、ボトルネックとなり得る要因はほぼ排除しているので、RTX 2080とGTX 1080 Tiの持つ本来のグラフィック性能を検証可能になっているはずです。
定番ベンチマークで見る
RTX 2080の理論性能
グラフィックボードの理論性能をそのまま再現する傾向があるのは、やはりベンチマークソフト。定番のベンチマークを回してみて、スペック通りの性能アップが実現できているかをチェック。
3DMark – FireStrike
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
26640 | 29427 | |
性能差 | -9.5% |
フルHD向けのベンチマーク「FireStrike」では…イマイチ優れない結果に。先代GTX 1080が21500点くらいだったので、それと比較すれば…性能アップを果たしていると言えますが。
3DMark – TimeSpy
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
10312 | 10114 | |
性能差 | +1.96% |
更に負荷の重たいDirectX12を採用する「TimeSpy」になると、RTX 2080の方が高いスコアを記録。GTX 1080 Tiに追いつくことができた。
FINAL FANTASY XV
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
7683 | 7996 | |
性能差 | -3.9% |
FF15のベンチマークはほぼ同じスコア。なお、設定は可能な限り最高にしている。NVIDIA GameWorks系の設定もすべて有効化しているので、RTXシリーズにとってスコアを出しやすい環境です。
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
3307 | 3613 | |
性能差 | -8.5% |
それでも4K画質にすると…ベンチマークの終盤にかけてクロックを維持できなくなってしまい、結果的にGTX 1080 Tiに約9%も劣る結果に。やはりサーマルスロットリングは外排気グラボの宿命。
BIOHAZARD 6
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
28554 | 30182 | |
性能差 | -5.4% |
バイオハザード6はDirectX9の古いベンチマークです。スコアはほぼ同じに留まっている。DX9のベンチマークでは、もともとRTXシリーズの成績は良くない。
PSO 2
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
64753 | 59841 | |
性能差 | +8.2% |
PSO 2は8%のスコア上昇を確認。
Monster Hunter Frontier
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
60527 | 70138 | |
性能差 | -13.7% |
モンスターハンターフロンティアのベンチマークは最適化が優秀にも関わらず、RTX 2080はGTX 1080 Tiに劣る結果になってしまった。
Unigine Heaven
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
136.7 fps | 153.9 fps | |
性能差 | -11.2% |
フルHD向けの高負荷ベンチマーク「Unigine Heaven」では、平均154fpsから平均137fpsへ逆戻り。おおむねFireStrikeと同じ結果になっている。
Unigine Superposition
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
12349 | 9462 | |
性能差 | -10.5% |
Heavenの続編にあたる「Unigine Superposition」にて、「4K Optimize」を実行して4Kゲーミングの性能をチェック。スコアは-10%の低下で、1080 Tiにあと一歩です。
SteamVR
GPU | RTX 2080 | GTX 1080 Ti |
---|---|---|
結果 | ||
20693 | 22192 | |
性能差 | -6.8% |
最後にVRゲーミングのベンチマークも確認。どちらも再現度はMAXの11をつけたが、生成フレーム数は22192枚から20693枚へと減少した。
※ 検証に使った「ASUS Turbo RTX 2080」は、比較対象の「MSI GTX 1080 Ti Gaming X」より冷却性能が大きく劣り、クロック周波数も出づらい。
実測ゲーミングで検証
RTX 2080の実性能
ベンチマークの次は理論性能よりずっと大事な「実性能」を検証していく。いくつかのゲームを実際にプレイして、MSI Afterburnerで動作フレームレートを記録します。
Excelでフレームレートを収集し「平均値」を出すことで、RTX 2080の実ゲーミング性能をあぶり出せる。
Battlefield 1
プレイ画面 | 設定内容 |
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キャンペーン序盤にて計測 |
Battlefield 1 / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
1920 x 10802560 x 14403840 x 2160
BF1はすべての画質で余裕の動作。フルHDとWQHDの性能が若干アップし、4Kゲーミングでは概ね互角の結果になった。
CS:GO
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
マップ「Dust II」にて、BOTと1回戦 |
CS:GO / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
軽いゲームに分類されるCSGOでは、フルHDとWQHDで若干の性能アップ。4K画質はほぼ同じになっており、GTX 1080 Ti相当の性能を確保した形になります。
Rainbow Six Siege
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
マップ「ファベーラ」にて、BOTと1回戦 |
Rainbow Six Siege / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
レインボーシックスシージ(ロケ地 : ファベーラ)では割と順当な性能アップを確認できる。
PUBG
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
トレーニングマップにて1周ランニング |
PUBG / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
PUBG(ロケ地:トレーニング)もレインボーシックスシージとほぼ同様の傾向。RTX 2080はGTX 1080 Ti相当の性能です。
Fortnite : Battle Royale
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
ロビーからトマト遺跡周辺に着地するまで |
Fortnite : Battle Royale / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
フォートナイト(ロケ地:ロビー)はこんな感じ。GTX 1080 TiとRTX 2080 Tiのちょうど中心に位置する性能になっている。
Overwatch
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
練習場にて1周ランニング |
Overwatch / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
オーバーウォッチ(ロケ地:トレーニング)は最適化が洗練されているゲームですが、あまり伸びていない。
ARK : Survival Evolve
プレイ画面 | 設定内容 |
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海辺の周辺をぐるりと移動 |
ARK : Survival Evolve / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
登場して以来、依然としてPCゲームで最も重たい動作を持つ「ARK : Survival Evolve」。結果はこの通りで、GTX 1080 Tiとほとんど同じ水準を維持。
黒い砂漠
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
都市カルフェオンの内部と近郊を馬でスプリント移動 |
黒い砂漠(ウルトラ) / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
MMORPG史上、最高のグラフィックを誇る「黒い砂漠」。もっとも重たい「ウルトラ」画質にて検証したところ、やっぱりGTX 1080 Tiとそう変わらない結果になってしまった。
黒い砂漠(リマスター) / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
ウルトラ画質より軽いリマスター画質では、GTX 1080 Tiに一歩劣る。ひとえにクロック不足です。外排気グラボはどうもクロックが上がりにくいので、ダイの質が悪そうな予感。
DOOM
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
マップ「UAC」にて序盤プレイ |
DOOM / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
DOOMでは伸びているが、ほとんど同じ性能と言える結果。
Deus Ex : Mankind Divided
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
都市プラハを1周ウォーキング |
Deus EX : Mankind Divided / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
ARKほどではないが、非常に重たいと有名な「DXMD」。今ひとつな結果です。
Fallout 4
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
工場みたいな地域の周辺を1周散策 |
Fallout 4 / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
Fallout 4は平均140fps前後に壁がある様子。肝心の4K画質でGTX 1080 Tiに約10%ほど出し抜かれている。
The Forest
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
自前のセーブデータをロードして周辺を1周散策 |
The Forest / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
硬派なサバゲー「The Forest」ではこの通り。うーん…芳しくない。
Grand Theft Auto V
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
トレバーの自宅からビル街まで車で移動 |
Grand Theft Auto V / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
GTA Vは、ほぼGTX 1080 Tiと同じ性能を発揮。
Monster Hunter World
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
マップ「古代樹の森」にて、スポーン位置から樹木中心まで移動 |
Monster Hunter World / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
モンスターハンターワールドは割と順当にRTX 2080がGTX 1080 Tiをやや上回る結果になった。
NieR : Automata
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
廃墟エリアを1周ランニング |
NieR : Automata / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
ニーアオートマタはほぼ同じ。
Quake Champion
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
チュートリアルマップを途中まで進める |
Quake Champion / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
スポーツFPSとして比較的ユーザーがまだ多いQuakeはこの通り。ほぼGTX 1080 Tiと同格。
Rise of the Tomb Raider
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
マップ「地熱谷」を1周散策 |
Rise of the Tomb Raider / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
トゥームレイダーはこんな感じ。すべての画質において、GTX 1080 Tiとほぼ同じ性能。
SCUM
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
南西の海辺に近い街の周辺を1周ウォーキング |
SCUM / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
最近流行りつつあるサバゲーの一種「SCUM」。4K画質でのみ、性能の向上を確認。
Watch Dogs 2
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
カリフォルニアの1ブロックを1周ランニング |
Watch Dogs 2 / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
ウォッチドッグス2は、85fps前後に壁があるようで、フルHDとWQHDでほとんど変化しなかった。4K画質もGTX 1080 TiとRTX 2080の性能は同格。
Witcher 3
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
場所は分からんが、とある村の周辺をグルリと1周ウォーキング |
Witcher 3 / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
NVIDIA HairWorksを最大限まで有効化して、Witcher 3を検証。結果はこの通りで、すべての画質でGTX 1080 Tiと同じ性能でした。
Minecraft & KUDA
プレイ画面 | 設定内容 |
---|---|
クリエイティブモードで筆者作のマップを1周飛行する |
Minecraft 1.12.1 / RTX 2080 vs GTX 1080 Ti
最後はマインクラフトで。バージョンは1.12.1で、OptifineとKUDAシェーダーを導入しています。筆者が作成したマップで、チャンクを90%以上読み込んでから計測を行いました。
結果は驚くほどピッタリと、GTX 1080 Tiと並ぶ結果になった。
RTX 2080のまとめ
GTX 1080 Tiとの性能差
先代1080を超え、1080 Tiと「同格」につける
検証タイトル | 解像度 | RTX 2080 | GTX 1080 Ti | 性能差 |
---|---|---|---|---|
Battlefield 1 | FHD | 165.9 | 153.1 | 8.3% |
WQHD | 139.4 | 134.1 | 4.0% | |
4K | 79.2 | 81.0 | -2.2% | |
CS:GO | FHD | 274.1 | 261.0 | 5.0% |
WQHD | 271.9 | 262.6 | 3.5% | |
4K | 229.2 | 228.4 | 0.3% | |
Rainbow Six Siege | FHD | 201.3 | 196.4 | 2.5% |
WQHD | 133.0 | 129.5 | 2.7% | |
4K | 67.2 | 66.2 | 1.5% | |
PUBG | FHD | 134.9 | 137.3 | -1.7% |
WQHD | 116.2 | 112.4 | 3.4% | |
4K | 67.1 | 66.6 | 0.7% | |
Fortnite : Battle Royale | FHD | 162.0 | 141.5 | 14.5% |
WQHD | 133.8 | 140.8 | -4.9% | |
4K | 83.1 | 85.4 | -2.6% | |
Overwatch | FHD | 246.0 | 246.5 | -0.2% |
WQHD | 163.7 | 168.5 | -2.8% | |
4K | 86.1 | 91.4 | -5.7% | |
ARK : Survival Evolve | FHD | 73.8 | 74.2 | -0.5% |
WQHD | 51.0 | 51.5 | -0.8% | |
4K | 29.1 | 28.4 | 2.3% | |
黒い砂漠 – ウルトラ | FHD | 62.1 | 64.4 | -3.6% |
WQHD | 42.5 | 44.3 | -4.1% | |
4K | 17.0 | 15.2 | 11.6% | |
黒い砂漠 – リマスター | FHD | 118.1 | 127.1 | -7.1% |
WQHD | 82.4 | 93.6 | -11.9% | |
4K | 39.5 | 43.7 | -9.8% | |
DOOM | FHD | 171.1 | 162.6 | 5.2% |
WQHD | 176.1 | 171.0 | 3.0% | |
4K | 119.0 | 116.8 | 1.9% | |
Deus Ex : Mankind Divided | FHD | 100.3 | 95.0 | 5.5% |
WQHD | 75.2 | 80.8 | -6.9% | |
4K | 40.6 | 44.6 | -9.1% | |
Fallout 4 | FHD | 145.6 | 141.5 | 2.9% |
WQHD | 142.9 | 140.8 | 1.5% | |
4K | 79.5 | 86.7 | -8.4% | |
The Forest | FHD | 159.6 | 171.1 | -6.7% |
WQHD | 109.3 | 118.3 | -7.6% | |
4K | 67.2 | 65.8 | 2.0% | |
Grand Theft Auto V | FHD | 99.6 | 98.2 | 1.4% |
WQHD | 95.1 | 94.2 | 0.9% | |
4K | 59.1 | 57.2 | 3.4% | |
Monster Hunter World | FHD | 93.6 | 86.2 | 8.6% |
WQHD | 64.1 | 61.4 | 4.4% | |
4K | 33.7 | 34.4 | -1.9% | |
NieR : Automata | FHD | 59.3 | 58.9 | 0.7% |
WQHD | 59.3 | 59.0 | 0.5% | |
4K | 43.2 | 42.3 | 2.1% | |
Quake Champion | FHD | 227.3 | 211.8 | 7.3% |
WQHD | 184.5 | 178.9 | 3.1% | |
4K | 99.1 | 101.9 | -2.8% | |
Rise of the Tomb Raider | FHD | 127.8 | 129.8 | -1.5% |
WQHD | 87.5 | 88.7 | -1.4% | |
4K | 48.8 | 49.8 | -2.0% | |
SCUM | FHD | 112.5 | 116.2 | -3.1% |
WQHD | 74.6 | 73.3 | 1.8% | |
4K | 39.5 | 34.8 | 13.7% | |
Watch Dogs 2 | FHD | 86.4 | 85.2 | 1.4% |
WQHD | 85.6 | 85.5 | 0.2% | |
4K | 64.7 | 64.7 | -0.1% | |
Witcher 3 | FHD | 110.7 | 109.6 | 1.0% |
WQHD | 76.3 | 83.3 | -8.4% | |
4K | 47.4 | 49.3 | -3.9% | |
Minecraft & KUDA | FHD | 29.8 | 29.2 | 2.1% |
WQHD | 29.5 | 29.5 | 0.0% | |
4K | 28.1 | 28.0 | 0.4% | |
平均性能 | FHD | 134.6 | 131.7 | +2.2% |
WQHD | 108.8 | 109.2 | -0.3% | |
4K | 66.7 | 67.4 | -1.0% |
ここまでの結果をまとめました。
RTX 2080は100ドル値上がりして、GTX 1080 Tiと同じ価格設定へ格上げされた。そして、検証した実際の結果はGTX 1080 Tiと同格であり、一応は「価格相応」の仕事をしたことになる。
先代のGTX 1080との比較はしていないが、GTX 1080 Tiと同格なので25~30%程度の性能アップを果たしている計算。値上がりしているので正当進化とは言いにくいところですけどね。
消費電力とワットパフォーマンス
残念ながら筆者には、グラフィックボード単体の消費電力を計測する機材※が無いので、海外データでRTX 2080の消費電力を確認します。
RTX 2080の消費電力
上段:RTX 2080下段:GTX 1080 Ti
Tom’s Hardware – RTX 2080 Review
RTX 2080のTDPは215Wでした。対するGTX 1080 Tiは250Wで、実際のゲーミング時の消費電力は以上の通り。ほぼ公称値のTDP通りの結果になっていることが分かります。
RTX 2080はGTX 1080 Tiと互角の性能を持ちながら、消費電力を約50W(約18%)も削減することに成功したため、ワットパフォーマンスは向上している。
ゲーミング時のワットパフォーマンス
上段:RTX 2080下段:GTX 1080 Ti
消費電力1ワットあたりのフレームレートを求めると、RTX 2080はGTX 1080 Tiに対して21~25%の省エネ化です。
※ DSP内蔵のデジタル電源ユニットなど。
課題は「価格」と「新機能」の対応状況
RTX 2080の性能は先代GTX 1080より確実に向上しており、上位モデルのGTX 1080 Tiに追いつくまでに進化した。確かに、性能の伸びだけを見れば「進化した」と言っていいのかもしれない。
ただ、希望小売価格は100ドルプラスの699ドルで、GTX 1080 Tiと同価格。肝心の性能もGTX 1080 Tiと同等であり、要するに「価格相応の仕事」しかしていない。
グラフィックボードのようなPCパーツは、基本的にコストパフォーマンス(同じコストで得られる効果)が進化しなければ、あまり褒められたモノではありません。
コストパフォーマンスの比較(1fpsあたりの価格)
1フレームレートを得るために必要な値段を求めたグラフがこちら。希望小売価格は同じですが、実際に出回っている価格はGTX 1080 Tiより2~3割高価です。
- フルHD:27%割高
- WQHD:31%割高
- 4K:32%割高
すべての画質において、RTX 2080は27~32%も割高なグラフィックボードであり、今後の新機能「RTX」「DLSS」対応ゲームが増えていかなければ微妙な立ち位置になってしまう。
NVIDIAとしては「確かに値上がりしたけど、増加コストの分だけ新しい機能が使えるし、その機能を使えばもっとフレームレートが伸びるよ。」という言い分なんだろうけど、肝心の新機能がまだまだ浸透していない。
特にDLSSは原理上、ほぼ確実にフレームレートが伸びる優秀な機能なので、DLSS対応ゲームが増えれば増えるほどRTX 2080は1080 Ti以上の性能を発揮できるようになります。
そうなれば、コスパも向上することになるので本当の意味で「進化した。」と言える。
RTX 2080の評価
とりあえず…「Aランク」
以上の検証結果より、ちもろぐにおけるRTX 2080の評価格付けは「Aランク」に決定。
既にGTX 1080や1080 Tiを持っているゲーマーに積極的にオススメできるグラボではないが、まだハイエンドグラボを持っていないユーザーにはオススメできます。
RTX 2080のメリットと強み
- 実質的なGTX 1080 Tiの後継モデル
- GTX 1080より2~3割性能が高い
- 消費電力はGTX 1080 Tiより25%効率が良い
- 4Kゲーミングができる(設定の妥協は必要かも)
- 「RTX」「DLSS」などの新技術が使える
GTX 1080 Tiと同じ性能でありながら、消費電力は25%少ないという点は素直に高評価。新しい機能を今後使うことができる、という付加価値もあるため、価格が落ち着けば1080 Tiを買う理由は無い。
RTX 2080のデメリットと弱点
- 国内価格はGTX 1080 Tiより2~3割高い
- 新技術に対応しているゲームはまだ多くない
- 「NV-Link」は2-wayまで
現状のデメリットは、国内の販売価格が本来同じ値段であるはずのGTX 1080 Tiより2~3割高いこと。同じ値段なら「1080 Ti + 新機能」なグラボになるので素直にオススメできる。
ただ、少なくともGTX 1080 Tiがまだ売っている現状では、「新機能は使わないし、安価にフレームレートが欲しい。」というゲーマーにとってRTX 2080はあまり魅力に映らないでしょう。
「GTX 1080 Ti」搭載のおすすめグラボ
筆者が愛用しているGTX 1080 Tiです。2連ファンモデルの中では、トップクラスの静音性と冷却性能を両立する空冷グラボ。ただし、排熱がスゴイのでケース内のエアフローはしっかりと。
2枚で「SLI」を構成するなら、外排気ファンを採用する「ASUS Turbo」シリーズをおすすめする。普通の内排気グラボでSLIを組むと、片方の熱が大変なことになるので(※本気でやるなら水冷化がベスト)。
「RTX 2080」搭載のおすすめグラボは?
RTX 2080搭載のおすすめグラボは、やはり空冷ボードとして最高の冷却性能と誇る「MSI Gaming X Trio」を挙げる。
今回検証に使ったASUS Turboのブーストクロックが1710 MHzに対して、Gaming X Trioは150 Mhzも高い1860 MHzに設定されています。価格設定はやや高いが、1080 Ti以上の性能を求めるなら非常におすすめです。
注意点は長さ33cmなので、PCケースによって入り切らない可能性がある。事前にチェックを忘れずに。
次におすすめは「ZOTAC AMP Edition」。トリプルファン搭載のオリファンモデルで、ブースト時のクロックは120 MHz高い1830 MHzに設定されている。その割に価格はGaming X Trioより1万ほど安いので、コスパもやや良好。
最後はコストパフォーマンスに特化したPalit製のグラボを紹介。ブーストクロックは1815 MHzと大人しいが、10万円台から入手できる最も安価なRTX 2080搭載ボードです。コスパ重視なら、おすすめできる。
販売店 | RTX 2080 |
---|---|
Amazon | RTX 2080を検索する |
ドスパラ | RTX 2080を検索する |
TSUKUMO | RTX 2080を検索する |
PCショップアーク | RTX 2080を検索する |
Yahoo Shopping | RTX 2080を検索する |
他のRTX 2080については、各PCショップにて確認してください。わざわざショップページで検索する手間を省けるよう、表にサーチリンクをまとめておきました。
以上「RTX 2080はGTX 1080 Tiと同性能だが、高評価は難しい。」でした。
筆者が実際に試して推奨できる、RTX 2080を搭載ゲーミングBTOは「ガレリアZG」。RTX 2080搭載BTOの中ではトップクラスの安さを実現しつつ、一定の信頼性も確保した優等生的なマシンです。
RTXシリーズ最上位の「RTX 2080 Ti」のレビューはこちら。値段がぶっ飛びすぎなのでRTX 2080よりオススメしにくい…が、シングルボードで最高の性能を求めるなら十分に価値はあります。
ベンチマークのRTX 2080 Tiは2080の間違いですかね
自分の環境だとTimeSpyのグラフィックススコアは11000超出てるけど
MSI GeForce RTX 2080 GAMING X TRIO だからなのかな?
そもそもな廉価なブロアクーラーですので2ファンになったリファレンス版に対してもしっかり劣りますね。
誤植だったので修正しました。
< MSI GeForce RTX 2080 GAMING X TRIO だからなのかな? だと思います。ブースト時のクロックが全然違いますね。
ほかの所のベンチマークも見てて思ったのが、同じGPUでもファンとクロックによって全然違うんですね。
なんだか別物みたいです。
懸念されていた通り、RTXシリーズで一番買う理由が見当たらないものになってしまったなぁ
GTX1080と比べてGTX1080tiクラスになったのはいいけど、レイトレといういらん付加価値つけて高くなっているのが問題なんだよなぁ
GTX1080tiを無視してでも数万追加する価値あるか?と言われると正直…
買うならコスパのいいRTX2070か性能が段違いのRTX2080tiのどっちかになるかな
RTX2080を買うならGTX1080tiの方がコスパいいというなんとも言えないグラボ
GTX 1080 Tiがまだ売っている内は、1080 Tiの方が良いでしょうね。
終息したら2080が1080 Tiの代替品なので、買わざるを得なくなると思います(あるいは2070で妥協するか、奮発して2080 Tiか)。
レビューお疲れ様です、次の世代に期待かな。
ラデとRTXで映像処理を比較してはどうでしょう?
GTXのゲーミング性能とRX並みの映像処理能力を備えているのだ! とかなれば、全てのRTXに価値が生まれる(といいなあ)
RTX 2080 Ti と2080で2080tiのほうが低いFPSでてるけど(BF1の検証から)
これは間違えではないんですか?
フルHDだと、RTX 2080 Tiはフレームレートが出にくいです。i7 8700Kを4.3 GHz固定なので仕方ありません。
5.0 GHzにすると改善します。今後出てくるi7 9700Kやi9 9900Kなら、更にフレームレートが伸びると思います。
asus rogに限定、今後10年変えないとして
1080tiと2080ならどっちがいいかな
特に限定しなくても今から買うなら1080Tiより2080でしょうね。
RTXとDLSSな機能と性能の飛躍的アップもありますが省電力になっていますし最新の方が後悔ないでしようから当然の答えですが。
1080Tiをコスパで納得させるとしても、今度は2070の7万円がちらつくことになるでしょうから選びにくいですね。(2070はNvlinkがない点とRTXとしての性能は微妙そうなところが1080Tiに追い風になりえるとは思いますが。)
RTX2000シリーズがなにか大きな問題が起こっていているようで
RTX2080TIシリーズが2枚しんだとか動画が投稿されたりしますね
海外でなんかメモリーまわりながにか問題あるとか・・・
NVIDIAの純正品(FE版)が主にダメっぽいですね。今のところNVIDIAは粛々とRMAに対応するのみで、大問題とは思って無さそうな雰囲気…
自分も手持ちの1080Tiと2080を比べしてみた。
1080Ti: Gigabyte AORUS (Extremeじゃない方)
2080: Inno3D X3
テストゲーム:ドラクエXI Steam版 @ 4K 6-3-3-100%(日本の垢では購入不可のため、香港の垢で購入して、プレイしました)
ゲーム内同じ場所の実際動作クロック&FPS(選定された場所:ユグノア地方(キャンプ)、視野角が同一にさせた)
1080Ti: 1915MHz 65fps
2080: 1920MHz 62fps
最大パワー上げによるオーバークロック能力
1080Ti: 最大150%に設定出来るけど、120%にVRel制限が掛かって止まった。この状態で1915→1961MHz
2080: 最大111%、この状態でもPwr制限が掛かるので、このカードは2080の本当の強さを発揮することが出来ない。この状態で1920→1980MHz
手持ちの 1080Ti と 2080 も 4K ビデオの再生を比べしてみました。
テストビデオ
Sony 4K HDR Demo Food Fizzle (HVC1 74.2Mb/s)
プレイヤー・デコーダー・レンダラー
MPC-HC/LAV (ハードウェアデコード方式はDXVA2 Native)/madVR (HDRはPassthrough、D3D11 Presentationはオン、他のオプションは変更しない)
モニター(テレビ)
Sony KZ-75Z9D
OS
Windows 7 Ultimate 64bit SP1
1080Ti
問題なく再生していました。
2080
ドロップフレームが多く、スムーズな再生を行けることが出来ない。
madVRにD3D11 Presentationをオフにするならこの問題は解決出来ます。
恐らくROP数が少ない故にmadVR経由でのレンダリングが遅くなるのせい?
Palit製の2080がドスパラで85000で売られてるんですけど、これは買い?
Palit Super JetStreamですよね?特に問題ないグラボなので、安くRTX 2080をゲットするならアリです。