「ROG STRIX RX 6800 Gaming OC」をASUS Japanさんよりお借りして、詳しくレビューしました。従来の良さをそのままに、更に静音性と冷却性能に磨きをかけた「新型ROG STRIX」の勇姿を見られます。
(公開:2021/1/7 | 更新:2021/2/5)
スペックと仕様を解説:2.2 GHzにOC済み
ASUS ROG STRIX RX 6800 GAMING OCのスペック
製品 | ASUS ROG STRIX RX 6800 GAMING OC | ASUS RX 6800 |
---|---|---|
シェーダー数CPUのコア数に相当 | 3840 | 3840 |
RTコア数レイトレ用の特化コア | 60 | 60 |
ブーストクロックデフォルト設定 | 2190 MHz(+4%) | 2105 MHz |
VRAM | GDDR6(Samsung)16 GB | GDDR616 GB |
VRAMクロック | 16 Gbps | 16 Gbps |
PCIe | Gen 4.0 | Gen 4.0 |
TDP | 250 W | 250 W |
補助電源 | 8 x 2 pin | 8 x 2 pin |
寸法(cm) | 32 x 12.9 x 5.7 cm | 26.7 x 12 x 4 cm |
占有スロット | 2.9 | 2 |
US価格 | $ 699 | $ 579 |
参考価格 | 113939 円 | 84800 円 |
「ASUS ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」は、ASUSが展開する空冷オリファンモデルの中で、最高グレードに位置づけられるハイエンドシリーズです。搭載するGPUは「Radeon RX 6800」です。
AMD公式のリファレンスモデルより大幅に大きいデザインと、従来モデルより更に磨きをかけた新しい設計により、2190 MHz(+4%)のブーストクロックと驚異的な冷却性能の両立を狙います。
もちろん価格も相応に高いです。RX 6800の希望小売価格が579ドルに対して、ROG STRIX RX 6800 GAMING OCの北米価格はなんと699ドル・・・、国内価格は約11.4万円です。
外観とデザインをチェック
パッケージデザインはいつもと変わらない「ROG STRIX GAMING」なデザインです。
パッケージは外箱と内箱に分かれています。
内箱は下からめくって開封するタイプ。ROG STRIX RX 6800 Gaming OC本体は、静電気除去袋に包まれ、型抜きされた分厚い発泡スチロール製の緩衝材で保護されています。
付属品はASUS ROG STRIXにしては、若干おとなしい内容です。主な内容は「マニュアル」「コレクションカード」「結束バンド(ROGロゴ)」「ものさし(ROGロゴ)」です。
特徴的な付属品は、やはり「ものさし(ROGデザイン)」です。マットブラックの背景に、金色のROGフォントでデザインされています。長さは11 cmです。
今回の新ROG STRIXシリーズのデザインは、従来モデル(RTX 20世代)よりもプラスチック感を削減し、金属のようなメタル感を一層押し出しています。
造形そのものは少々ゴツくて好みが分かれそうで、個人的にも従来モデルの流線型フォルムも好みですが、高級感は新デザインに分があると思います。明らかに「お金が掛かってる感」が強いです。
カードの厚みは57 mm(2.9スロット占有)に大型化。
ものさしで実際に測ると、部位によって56 ~ 57 mm(ネジの頭を含めると最大57.3 mm)でした。これだけ分厚いとよく冷えそうです。
冷却ファンはデザインに改良を加えた「新型Axial-Tech Fan」を搭載します。ファンの口径は95 mmサイズに大型化し、左右の左回転ファンは11枚ブレード、中央の右回転ファンは13枚ブレードです。
従来モデルと比較するとこの通り。サイズが88 mm → 95 mmに大型化した上、ブレードの枚数が9枚 → 11枚(中央のみ13枚)に増えていますから、冷却性能と静音性は確実に向上します。
バックプレートは1.15 mm厚 → 2.20 mm厚へ、しれっと重さによる「たわみ」に対する強度をバックプレートを分厚くして改善します。もちろん、バックプレートは金属製で、基板との間にサーマルパッドを挟んでいます。
バックプレート前方に意図的な吹き抜け(穴あき)デザインが施され、ヒートシンクの熱を効率よくカード外部へと放出する狙いです。
従来モデルと並べて、サイズ感を比較してみた。
写真に並べた2つのROG STRIXは、どちらもTDP : 250 W対応モデルです。にも関わらず、新モデルの方が明確に「巨大化」しており、冷却性能の改善はほぼ確実と予想できます。
横から見ると・・・厚みは同じに見えます。しかし実際に測ると旧モデルは54 mmで、今回の新モデルは57 mmと、3 mm(+5.6%)分厚いです。
カード内部の隙間スペースも新型の方が広々としており、ヒートシンクの熱風がカード外部へ逃げやすいデザインに改良されています。
PCIeスロット | 最大75 W |
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補助電源(8 x 2ピン) | 最大300 W |
合計 | 最大375 W |
補助電源コネクタはリファレンスモデルと同様、「8 x 2ピン」です。vBIOSの制限があるせいで、消費電力は+10%しか増やせません。だから8ピンが2本(= 300 W)で給電能力は十分です。
映像出力端子は4つあります。
- HDMI 2.1(4K @120 Hz / 8K @60 Hz)
- DisplayPort 1.4a x3(4K @120 Hz / 8K @60 Hz)
同時出力は4画面まで対応。HDMI 2.1とDisplayPort 1.4aは、4K @120 Hzまたは、8K @60 Hzに対応可能です(参考:HDMI規格と対応してるリフレッシュレートを解説)。
ボード前方に「FANCONNECT II」と呼ばれる、ケースファン用のPWM 4 pinコネクタが2つ実装されています。GPU温度と連動してファン回転数を制御できるので、PCケース内のエアフロー管理に便利です。
バックプレート前方に位置するスイッチは「BIOS切り替えボタン」です(※出荷時はP MODEにスイッチが入っています)。
- P MODE:Performance Mode(ファンを回して性能を重視)
- Q MODE:Quiet Mode(ファン回転数を抑えて静音性アップ)
スイッチをスライドして切り替えるだけで、性能重視 or 静音特化のBIOSに切り替えができます。実際にどれくらい性能や動作音に差があるかどうか、後ほど検証します。
LEDライティング
LEDライティングはボード側面に集中しています。ファンとバックプレート側はまったく光らないです。
側面にLEDライティングを重点的に移動させた理由は、単にここ最近の魅せるPCケースを意識してのこと。
ライザーカードを使ってまでグラボを縦置きするユーザーよりも、普通にPCIeスロットに挿し込むユーザーの方が多いので、割と合理的・・・だと思います。結局デザインは好みの問題ですが。
電源ユニットから供給される+12 Vレールの電圧が低すぎると、側面のLEDライティングを強制的に「赤色」に点灯させ、電源ユニットの電圧不足を分かりやすく知らせる機能を搭載済みです。
「ASUS ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」の性能テスト
テスト環境(スペック)
テスト環境「ちもろぐ専用ベンチ機」 | ||
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CPU | Core i9 10900K | |
CPUクーラー | Corsair H100i Pro RGB240 mm簡易水冷クーラー | |
マザーボード | ASUS ROGZ490 Maximus XII Apex | |
メモリ | DDR4-3200 16GB x2使用メモリ「G.Skill Trident Z C16」 | |
グラフィックボード | ASUS ROG STRIX RX 6800 GAMING OC | |
SSD | NVMe 500GB使用SSD「Samsung 970 EVO Plus」 | |
SATA 2TB使用SSD「Micron 1100」 | ||
電源ユニット | 1200 W(80+ Platnium)使用モデル「Toughpower iRGB PLUS」 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit検証時のバージョンは「1909」 | |
ドライバ | AMD 20.12.1 | |
ディスプレイ | 3840 x 2160@60 Hz使用モデル「BenQ EL2870U」 |
「ASUS ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」をテストする、ちもろぐ専用ベンチ機の最新スペックです。
CPUはゲーミング最強クラスの「Core i9 10900K」です。マザーボードは、10900Kを定格で問題なくぶん回す「Z490 Maximus XII Apex」を使ってます。メモリは容量を32 GB、クロックはDDR4-3200です。
その他のパーツは適当に組み合わせています。テスト時のグラフィックドライバは、AMD Radeon Driverは20.12.1(RX 6800対応ドライバ)です。
ゲーム向け定番ベンチマーク
3DMarkベンチマークの「FireStrike(DX11)」「TimeSpy(DX12)」をテスト。
FireStrikeはRTX 3080すら超えるスコアで、TimeSpyはRTX 3080とRTX 3070のちょうど間に位置する性能です。
VRゲーム性能:VRMark
VRゲーム向けの性能を評価する「VRMark」のテスト結果です。
負荷が軽いOrange Roomはイマイチ伸び切らないですが、Cyan RoomはRTX 3080と互角のスコア、Blue RoomはRTX 2080 Tiの次に位置します。
【1920 x 1080】フルHDゲーミングの性能
「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」のフルHDゲーミング性能は約163 fpsで、意外にもRTX 3070に少し劣る性能。ゲームによってGPU使用率が安定しないのが主な原因です。
RX 6800平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
フルHDゲーム(1920 x 1080)における、検証したそれぞれのデータをまとめた↑スライドです。
【2560 x 1440】WQHDゲーミングの性能
「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」のWQHDゲーム性能は平均127.1 fpsで、RTX 3070より少しだけ高性能、RTX 2080 Tiと互角レベルです。
RX 6800平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
WQHDゲーミング(2560 x 1440)における、検証したそれぞれのデータはこちら↑のスライドをじっくり見てください。
【3840 x 2160】4Kゲーミングの性能
「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」の4Kゲーム性能は平均71.2 fps、快適な4Kゲーミングのターゲットとされる平均60 fpsを軽く上回ります。RTX 2080 Tiとほぼ同等の性能です。
RX 6800平均フレームレート最低フレームレート(下位3%)
4Kゲーミング(3840 x 2160)における、検証したそれぞれのデータはこちら↑のスライドをじっくり見てください。
なお、RX 6000シリーズ独自の機能「Smart Access Mermory」や、Radeon初のレイトレ性能については。↑こちらのレビュー記事で詳しくデータを解説しています。
熱と消費電力を実測テスト
ゲーミング時の実効GPUクロック
検証タイトル | FF15 | Shadow of the Tomb Raider | Monster Hunter World |
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最大値 | 2236 MHz | 2237 MHz | 2244 MHz |
平均値 | 2218 MHz | 2230 MHz | 2002 MHz |
中央値 | 2222 MHz | 2230 MHz | 2015 MHz |
ブーストクロック | 2190 MHz |
ゲーム中のGPUクロックは、中央値で2015 ~ 2230 MHzです。
ROG STRIX RX 6800 GAMING OCの出荷時のブーストクロック設定は2190 MHzで、実際のGPUクロックは問題なく仕様値を上回っています。
なお、モンスターハンターワールドだけ2015 MHzでGPUクロックが伸び切っていないのは、おそらくRadeon Driverの最適化不足が原因です。
グラボ温度とファンの動作音(騒音)
グラフィックボードの温度(GPUコア温度)は、FF15ベンチマーク(4K)実行中で最大54℃(平均50.4℃)です。
RX 6800の消費電力は4Kゲーミング時に、およそ220 W前後です。新型ROG STRIXは、その220 Wもの熱をわずか50℃前後に抑え込んでいます。控えめに言って凄まじい冷却性能です。
では動作音はどうでしょうか?
グラフィックボードから50 cmの距離で、デジタル騒音ロガーを使って動作音(騒音値)を1秒ずつ測定します。ファン回転数は平均1325 rpmで、騒音値は35 db前後でした。
一瞬38 dBに達するシーンがありますが、ベンチマークを通して35 dB前後で落ち着いており、とても静音性に優れたグラボです。
BIOS切り替えスイッチを「Q MODE(静音モード)」に切り替えてテストすると、ファン回転数は平均866 rpmに低下して、騒音値はなんと33 dB前後に抑えられます。
周辺ノイズが31.4 dB程度ですので、33 dB前後の動作音はほとんど無音に近いです。
Q MODEでは無音に近い動作音と引き換えに、GPU温度は60℃台まで上昇を許容します。60℃台でもまだまだ余裕です。
消費電力を実測してテスト
FF15ベンチマーク(高品質)を実行中に、電源ユニットの消費電力ロガー機能(1秒ずつ)を使って、グラフィックボード単体の消費電力を測定した結果です。
- フルHD:204.3 W
- WQHD:204.3 W
- 4K:219.3 W
ROG STRIX RX 6800 GAMING OCはTDP : 250 W(公称値)です。実際の消費電力はフルHDで約204 Wほど、4Kゲーミング時に約219 WでTDPを大幅に下回る結果に。
道理でよく冷えるわけです。新型ROG STRIXは300 W級を想定したデザインで、今回のRX 6800モデルだと80 W近くも余裕があります。
1時間のストレステストを試す
3DMark TimeSpy StressTest(GPU使用率は常時100%近い状態)を使って、「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」に1時間ほどストレスを掛け続けてみます。
なお、今回は特別に出荷設定ではなく、手動でオーバークロックを設定した状態でストレステストを行います。出荷設定だとあまりにも余裕があり過ぎて、負荷テストにならないからです。
オーバークロックを設定した状態でも、動作の安定性はまったく問題なし。
1時間ずっとGPU使用率100%の負荷で、GPU温度は51℃前後(ホットスポットで最大74℃)です。TimeSpy Stress Testの安定性評価は99.7%で余裕のクリア(※3DMarkによると97%以上で合格)。
GPUクロックも安定した動作です。1時間のグラフだとデータが多すぎて見づらいので、20分間に拡大したグラフをチェック。
20分間のGPUクロックは最大2434 MHz、中央値は2408 MHzです。
まとめると「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」の冷却性能は、ちもろぐが2020年にテストしたオリファンモデルの中で、最高の冷却性能と静音性を誇ります。
出荷設定の状態(2190 MHz)なら、ほぼ無音動作で60℃台に温度を抑えられます。手動オーバークロックを設定した状態ですら、50℃にまで余裕で温度を抑え込みます。
サーモグラフィカメラで表面温度を撮影
ストレステストを開始して50分あたりで、サーモグラフィカメラを使って「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」の表面温度を撮影しておきました。
バックプレートの温度は47 ~ 50℃前後、とてもよく冷えています。もともとの消費電力が200 ~ 220 Wですし、300 W級のグラボほど熱くならないです。
ファン側から撮影したヒートシンクは33 ~ 35℃前後です。
側面から基板本体の温度を見てみると、58℃前後で推移しています。
補助電源コネクタの接続部は45 ~ 46℃程度。
オーバークロックを検証
手動オーバークロックで2.4 GHz動作を狙う
Radeonの手動オーバークロックはAMD謹製のソフトウェア「Radeon Software」のチューニングから行います。手動モードに切り替え、設定を以下のように変更しました。
手動オーバークロック | 最大周波数:+310 MHz(2500 MHz) VRAMクロック:+150 MHz(17.2 Gbps) 電力制限:+10%(最大) |
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Ryzen CPUの自動OC機能「PBO」と似たようなシステムです。設定した最大周波数(ブーストクロック)と電力制限の範囲内で、自動的にオーバークロックが適用されます。
だから2500 MHzに設定したからと言って、実際に2500 MHzで動作するわけではないし、先に110%の電力制限がオーバークロックのボトルネックになってしまいます。
なお、レビュー時点のRadeonドライバ(20.12.1)では、電力制限は+10%が上限です。VRAMクロックも+150 MHzに制限されています。無茶な設定をしてGPUを壊さないための予防策でしょう。
オーバークロックと性能
定番ベンチマークの3DMarkとVRMarkでは、オーバークロックで6.3~7.5%の性能アップが可能です。
Watch Dogs Legion、Shadow of the Tomb Raider、FF15、Assassin’s Creed Odysseyの4タイトルを4K解像度でベンチマーク。
オーバークロックの伸び幅は最大8.6%です。2190 MHz → 2500 MHzだと、一応は約14%のクロックアップに相当しますが、実際に得られた効果は最大8.6%ほど。
GPUクロック、温度、消費電力
FF15ベンチマーク(高品質)を4K解像度でテスト中に、HWiNFOを使って「GPUクロック」「GPU温度」「消費電力」の変化を記録。GPUコアクロックから見ていきます。
GPUクロック(中央値)はオーバークロック時で平均2374 MHz、出荷設定だと2208 MHzでした。クロックの伸び率は約7.5%で、FF15ベンチで得られた約8.6%の性能差とおおむね一致します。
Radeon Settingsから設定した2500 MHzには程遠いGPUクロックです。やはり電力制限が最大10%しか解除できないのが、クロックが伸び切らない原因でしょう。
同じグラフィックボードの比較ですので、実測ではなくソフト読みで比較します(※注意:Radeonのソフト読みはやや少なめに消費電力を表示します)。
グラボ本体の消費電力は179 W → 190 Wへ、約6.0%増えました。電力制限+10%のはずが、実際には6%しか増えていません。
HWiNFOでGPUのコア電圧を見ると、1.025 mVがズラッと並んでいます。おそらく、消費電力があまり伸びていない原因は、電力制限ではなくコア電圧の制限が大きいです。
Radeon Settings以外のサードパーティ製ソフトでも、コア電圧を1.025 mV以上に引き上げられないため、今のところ確かめる術はありません。
GPU温度は3℃増えて最大57℃(平均50.9℃)です。
2.4 GHzまで手動オーバークロックを設定しても、冷却性能はまだまだ余裕あり。ただし、ファン回転数は100 rpmほど増え、騒音値は36 ~ 37 dB前後まで上昇します。
まとめ:ほぼ無音で200 Wを冷やす驚異的な空冷
「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」のデメリットと弱点
- 全長32 cm(PCケースに注意)
- 側面デザインは賛否両論
- 分解すると保証無効(封印シールあり)
- とてもとても・・・とても高価
- 国内1年保証
「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」のメリットと強み
- 標準で+4%のオーバークロック
- オーバークロックの余地あり
- 空冷でトップクラスの冷却性能
- 57 mm厚 & 大口径トリプルファン
- 「ほぼ無音」でも十分な冷却性能
- LEDライティング対応
- ファン用ピンヘッダを搭載
- デュアルBIOS仕様
「ROG STRIX RX 6800 GAMING OC」は、なんと言っても無音に近い動作音で200 W台のRX 6800を適切に・・・というか過剰なレベルで冷やせる冷却性能がとにかく驚異的です。
旧型のROG STRIX(RTX 2080 Super = 250 W級)の時点で既に冷却性能は相当なレベルでしたが、ファンの大型化やヒートシンクの厚み化が施された新型ROG STRIXの冷却性能は更に高次元へ突入します。
デフォルトの「P MODE(性能優先)」では、35 dB前後で50℃にまで抑え込み、静音モードの「Q MODE」なら聴覚上はほぼ無音といっていい33 dB前後で60℃台です。
GPUクロックの調整、または電力制限(-5%程度)を組み合わせれば、温度を抑えつつ無音に近い静音性を両立できます(※デフォルト設定の60℃台でも、まだまだ余裕ある温度です)。
一方、新型ROG STRIXのデザインは賛否両論あります。グラボ単体で見ると大した問題は無いように見えますが、他のパーツとの組み合わせが決まりづらいデザインです。
左から右へ斜め方向にスリットが描かれているため、一応はROG STRIXシリーズのマザーボードを意識している感はあるものの・・・旧型の流線美を好むユーザーは少なくなさそう。
以上「ASUS ROG STRIX RX 6800 GAMING OCレビュー:ほぼ無音でめちゃ冷え」でした。
本記事を書いた当時(2021年1月)では、ASUS製グラフィックボードは北米価格が699ドルなら、国内で10万円ギリギリの価格で販売されていました。
しかし、今回のROG STRIX RX 6800 GAMING OCは1割増しの約11.4万円。あまりにも高くてビックリですが、原因は「輸送費の高騰」とのこと。
RX 6800に限らず、発売当初は9.9万円で販売されていた「RTX 3080 TUG GAMING」も10.9万円へ値上げ、その後さらに11.9万円に値上げされています。
一方で、こういった製品を採用するBTOパソコンに値上がりの傾向はまだ見られないため、「輸送費の高騰」が価格に転嫁されているのは間違いないでしょう。
BTOメーカーは大量購入で輸送費を圧縮できます(特にLenovoやHPは桁違いの数です)が、自作PCパーツとなると大量購入は望めません。
本音を言うと普段高いマージンを取っているのだから、頑張ってコストを吸収してほしい・・・とは思います。
ASUSはパーツを20%前後値上げ発表しているので、現状予想価格で出てくるか疑問ですね。値上げされたらもう買えなさそう・・・。
ボード全体で205~220W程度ならば、コアのみの(GPU Chip Power Draw)消費電力では最大でも160~180W台でしょうか。
$699と書かれてますが、今は20%アップの839.99ドルの値札が検索すると出てきました。いつ反映されるのか分かりませんが。
Nitro+のレビューもいつかおねがいします
GeForce
とRadeonの注目の差がコメント数の差?
値段高くなりすぎてアホちゃうかと思ったけどなるほどそういう事情か。
まぁどこいってもグラボ売ってないし値上がり以前の問題になってる気もしますが。
なぜゲームのベンチマーク(fps計測?)でいまだにBO4なのが気になります…