AORUS NVMe Gen4 SSDをレビュー:秒速5GBの超高速SSD!

GIGABYTEより、第3世代Ryzenから実装されたPCIe Gen4(Gen3の2倍速い)に対応した超高速NVMe SSD「AORUS NVMe Gen4 SSD」がリリースされました。秒速5 GBの性能と、約90gの銅製ヒートシンクが大きな強みのSSDを徹底検証します。

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AORUS NVMe Gen4 SSDのスペック

GIGABYTE / NAND : 東芝製96層TLC NAND / 容量 : 1 TB / 耐久性 : 1800 TBW / 保証 : 5年

GIGABYTEはマザーボードメーカーで、SSDのメーカーではない。つまり、名前こそGIGABYTEのSSDではあるものの、実際の中身やコンポーネント(部品)は他社から仕入れたモノになります。

スペックAORUS NVMe Gen4 SSD
容量512 GB1 TB2 TB
フォームファクタM.2 2280(両面実装)
インターフェイスPCIe 4.0 x4
コントローラPhison PS5016-E16
NANDフラッシュ東芝製「BiCS4」96層 3D TLC NAND
DRAMキャッシュSK Hynix製 DDR4 SDRAM
512 MB1024 MB2048 MB
読み込みシーケンシャル5000 MB/s
書き込みシーケンシャル2500 MB/s4400 MB/s
読み込みランダムアクセス400000 IOPS750000 IOPS
書き込みランダムアクセス550000 IOPS700000 IOPS
消費電力高負荷時5.9 W6.6 W
消費電力アイドル時13.2 mW18.8 mW21.1 mW
保証5年
TBW書き込み耐性850 TBW1800 TBW3600 TBW
MSRP希望小売価格未定$ 259.99$ 459.99
参考価格Amazon価格33940 円60260 円
GB単価33.1 円29.4 円

公式のスペックシートをスペック表にまとめると、さすがに世界初のPCIe Gen4対応SSDというだけのことはあって、主要コンポーネントの本気度は高いです。順番に説明します。

世界初のPCIe Gen4対応コントローラ「PS5016-E16」

Phisonは世界初のPCIe Gen4対応コントローラを発表(リリース情報

まずSSDの性能に大きな影響力を持つSSDコントローラから。こちらはPhison製「PS5016-E16」を採用しています。PS5016-E16はPhisonが約16.5億円の巨費を投じて開発した、世界で最初のPCIe Gen4対応コントローラです。

「BiCS4」は96層の3D NANDフラッシュメモリ

積層数を96層まで増やした「BiCS4」技術(リリース情報

NANDフラッシュメモリは、東芝メモリが開発した「BiCS4」を採用している。BiCS4を具体的に説明するなら、96層の3D NANDフラッシュメモリです。今回のSSDにはTLC型の96層NANDが搭載されています。

96層にまで積み上げられたため、従来の64層の3D NANDフラッシュメモリよりも、更なる高性能を目指すことが可能です。ただ速いだけでなく、性能が変化しにくいという強みもある。

DRAMキャッシュはSK Hynix製のDDR4メモリを採用。メモリの容量は、SSDの全容量に対して0.1%を確保してあるため、必要十分なDRAMキャッシュが揃っています。

ライバルを大幅に上回る耐久性能

Aorus NVMe Gen4 SSDの耐久性能(TBW)

SSDの耐久性能を示す「TBW(書き込み耐性)」は、他のNVMe SSDを大きく引き離しています。1 TBモデルの場合は600 TBWが主流でしたが、AORUS NVMe Gen4 SSDは約3倍にあたる1800 TBWです。

普通の使い方では、とても生きている間に使い切れる耐久性能ではありません。雷の直撃や太陽フレアなど天変地異を除外すれば、「経年劣化」以外の要因で壊れることはまず無いでしょう。

AORUS NVMe Gen4 SSDを開封レビュー

AORUSロゴで高級感あるパッケージ

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのパッケージング

一面マットブラックな背景に、鷲をイメージしたAORUSロゴと、「AORUS NVMe Gen4 SSD」とだけ印刷されたシンプルなパッケージングです。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのパッケージング

裏面は6ヶ国語で、AORUS NVMe Gen4 SSDの性能やスペックについて、簡単な説明があります。よく見ると日本語がありません。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのパッケージング

横にスライドして引っ張り出す。発泡スチロール製の分厚いスポンジで、SSD本体が保護されていました。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのパッケージング

梱包用のスポンジを引っ張ると、その下に説明書が同封されているのみ。他に付属品は特に無かったです。

重さ90gの分厚い銅製ヒートシンク

AORUS NVMe Gen4 SSDが、他のGen4 SSDと比較して特に力を入れているのが「分厚い銅製のヒートシンク」です。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDの外観デザイン

横から見ると、26箇所に「切り込み」が入ったヒダ状の形状になっていることが分かります。凹凸をつけて表面積を少しでも増やすことで、冷却効率を高める狙いが伺えるデザインです。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDの外観デザイン

斜めにビシッと入った傾斜に「AORUS」のロゴが刻印され、側面には「THERMAL DESIGN FOR GEN 4」の文字もあります。ヒートシンクの固定には小径ネジ(00×50)を6本も使って、両側から固定している。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDの外観デザイン

裏面もヒートシンクで覆われ、両面実装のコンポーネントを冷やす狙いです。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのヒートシンク

側面の隙間から、ヒートシンクとSSD本体の接触を見てみると、上下から熱伝導用のサーマルシートが挟まれているのが分かります。本当によく冷えそうな予感しかしないです。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのヒートシンク

ヒートシンクの付いていないM.2 SSDと高さを比較してみた。AORUS NVMe Gen4 SSDは、普通のM.2 SSDより約4倍近い高さがあります。規格外の大きさなので、マザーボードとの物理的な干渉は注意が必要です。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDの注意点

銅製ヒートシンクが分厚くて閉まらない場合がある。

たとえば、フルアーマー型のM.2ヒートシンクを採用しているマザーボードの場合、このように背が高すぎるSSDだと干渉してしまって上手く閉じられなくなるリスクがあります。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのヒートシンク重量

重量は約97 gです。ヒートシンクの無いSSDだと約7 gになるため、銅製ヒートシンクの重量はおよそ90 gに達することに。銅製で分厚くて重たいヒートシンク…、冷却性能は期待せざるを得ません。

内部コンポーネントを確認

付属ヒートシンクを外す行為について。本製品の国内代理店である「旭エレクトロニクス株式会社」に問い合わせたところ、ヒートシンクを外した時点で保証は無効になる、との回答でした。

Aorus NVMe Gen4 SSDの製品保証

製品保証は「取り外した段階で無効」です。

よってヒートシンクを外す行為は真似をしないように。マザーボード側のヒートシンクを使いたいと思っている人も、保証を無駄にしたくないなら諦めたほうが無難です。

ではヒートシンクを剥がして、採用されているコンポーネントを実際に確認していきましょう(※普通に使っていたら5年以内に壊れる可能性はほぼ無いから保証なんて気にしない)

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDを分解する

両側から締められている小径ネジ(00×50)を6本、外します。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDを分解する

エアガンのシリンダーを外すような動作で、SSD本体から上面のヒートシンクを剥がします。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDを分解する

そして、SSD本体をスライドさせるように引っ張り出せば、下面のヒートシンクからSSD本体を取り外すことが可能です。これで分解は完了です。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDの基板コンポーネント

AORUS NVMe Gen4 SSDは、M.2 2280規格の「両面実装」タイプです。表だけでなく、裏側にも各種コンポーネントが実装されています。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのNANDフラッシュ

NANDフラッシュはパッと見では分かりにくいですが、この外見と刻印の打ち方だと、間違いなく東芝製です。

刻印の「TABBG65AWV」は、他のPCIe Gen4 SSDでも確認されているため、採用されているNANDフラッシュメモリが96層の3D TLC NAND「BiCS4」というのは間違いないですね。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのSSDコントローラ

SSDコントローラはPhison製「PS5016-E16」です。PCI Express Gen4対応の高速SSDコントローラです。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのDRAMキャッシュ

DRAMキャッシュはSK Hynix製のDDR4 SDRAMでした。刻印の「H5AN4G8NBJR」を調べたところ、1.20 Vで動作する容量4Gbのメモリと判明した。4Gbを8で割り算すると0.5になるので、容量は512 MBです。

なお、DRAMキャッシュのすぐそばに実装されているPhisonロゴが入った小さなチップについては、全く情報がありませんでした。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのNANDフラッシュ

裏面もチェック。NANDフラッシュは同じく東芝製の「BiCS4」が2枚実装されています。1枚あたり256 GBを4枚使って、合計で1 TBの容量を実現している。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDのDRAMキャッシュ

DRAMキャッシュも同様にSK Hynix製のDDR4 SDRAMです。容量は512 MBで、表と裏を合わせて合計1 GBのキャッシュ容量になります。

というわけで、AORUS NVMe Gen4 SSDが採用しているコンポーネント(部品)は、どれもスペック通りで嘘偽りはありません。信頼性は高く、安心して選べるSSDです。

AORUS NVMe Gen4 SSDの性能を検証

テスト環境

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDを検証する

ちもろぐ専用ベンチ機(AMD用)でSSDの性能を検証します。CPUは第3世代Ryzen、マザーボードはX570チップセット搭載で、PCIe Gen4をネイティブサポートする環境です。

従来のチップセット(B450など)でもPCIe Gen4を使用することは可能ですが、残念ながら性能を100%引き出せるわけではないので、X570で検証をすることにした。

B450でPCIe Gen4が使える件については「PCI Express Gen4をB450マザーボードで使えるか検証してみた。」をどうぞ。

Crystal Disk Mark 6

日本だけでなく国際的にも定番のSSDベンチマークである「Crystal Disk Mark 6」を用いて、AORUS NVMe Gen4 SSDの基本的な性能をチェックする。

性能に一貫性があるかどうかを確かめるため、標準設定の「1 GB」だけでなく「50 MB」や「16 GB」など、複数のテストサイズを実行して「性能の変化」にも着目します。

テスト結果※クリックで拡大します読み込み書き込み
Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)
  • Seq:4503.7 MB/s
  • 4K:62.6 MB/s
  • Seq:4279.3 MB/s
  • 4K:257.2 MB/s
テストサイズ:50 MB
Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)
  • Seq:4981.1 MB/s
  • 4K:62.52 MB/s
  • Seq:4281.4 MB/s
  • 4K:258.0 MB/s
テストサイズ:1 GB
Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)
  • Seq:5006.1 MB/s
  • 4K:61.86 MB/s
  • Seq:4284.1 MB/s
  • 4K:256.1 MB/s
テストサイズ:4 GB
Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)
  • Seq:5001.8 MB/s
  • 4K:62.05 MB/s
  • Seq:4278.4 MB/s
  • 4K:256.2 MB/s
テストサイズ:16 GB
Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)
  • Seq:4999.8 MB/s
  • 4K:61.13 MB/s
  • Seq:4271.1 MB/s
  • 4K:257.9 MB/s
テストサイズ:32 GB

もっとも小さいテストサイズ「50 MB」では、読み込み速度が5000 MB/sに1割届かない結果になっているが、「1 GB」以上のテストサイズでは全体を通して安定した性能を維持しています。

シーケンシャル速度は高くても、扱うファイルサイズが大きくなると性能が低下するSSDは少なくない中、AORUS NVMe Gen4 SSDは読み書きともにほとんど性能を落とさない。

加えて4KiBランダム書き込み速度にも注目したい。すべてのサイズを通してAORUS NVMe Gen4 SSDは、約260 MB/s前後というOptane SSDにも匹敵する驚きの速度を記録している。

TLC NAND採用のNVMe SSDだと、速くてもせいぜい170 MB/s前後です。しかし今回検証したSSDは170 MB/s前後を約50%近くも上回る、約260 MB/s前後で動作しています。

なぜここまで速い数値を出せるのか。(推測ではありますが…)理由は2つある。

AMD X570Intel Z390
Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

実は2019年8月時点において、SSDをより速く動かせるプラットフォームは「AMD X570」です。CPUが第3世代Ryzenだと更に速くなり、インテル環境を超える速度でSSDを動作させてしまう。

もう一つはPCI Express Gen4であることが影響している可能性が、少なからずありそうだと考えています。

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Crystal Disk Mark 6)

過去の検証データ(NVMe SSDたち)と比較データをまとめました。AORUS NVMe Gen4 SSDは、4KiBランダム読み込み速度を除いたほとんどの項目で過去最高の位置につけている。

AS SSD Benchmark 2.0

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(AS SSD Benchmark)

非圧縮データをテストに用いる「AS SSD Benchmark」で、AORUS NVMe Gen4 SSDの性能をスコア化。

AS SSD Benchmark 2.0

  • AORUS NVMe Gen4 SSD
    7671
  • Optane 900p
    6823
  • XPG SX8200 Pro
    4301
  • Samsung 970 EVO Plus
    4051
  • Samsung 970 EVO
    3263
  • Plextor M9PeG
    3010
  • Intel 760p
    2736
  • Samsung 860 EVO
    1190
  • Colorful SL500
    791

トップクラスのシーケンシャル速度が幸いして、AS SSD Benchmarkのスコアは過去最高の水準に達した。

ATTO Disk Benchmark

複数のテストサイズを一括でテストして、SSDの性能の一貫性や性格を分かりやすく示してくれるATTO Disk Benchmarkを検証。

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

速いし、安定性も高いです。ただしこれだけだと視覚的にも分かりづらいので、見やすくグラフに変換して他のSSDと比較をしてみます。

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

結果はやや興味深いです。読み込み速度の場合は、64 KBサイズで他のSSDと同じ水準に追いつき、256 KBサイズでようやくトップスピードに到達しています。

つまり小さいブロックサイズにおいては、PCIe Gen4の優位性は特に発揮されない可能性が高いことを示唆しています。

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(ATTO Disk Benchmark)

書き込み速度も同じような傾向が見られました。32 KBサイズで他のSSDと同じ水準になり、64 KBサイズでトップスピードに到達。その後は一貫して性能を維持しており、安定性は高い。

HD Tune Pro

約3500円するシェアウェアのストレージベンチマークです。ディスク全体に渡って書き込みを実行するテストがあるので、キャッシュの挙動(=下駄の履かされ具合)を確認しやすい。

読み込み速度

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(HD Tune Pro)

TLC NAND採用のSSDとしては、かなり一貫した読み込み性能です。平均で約2550 MB/s前後もの圧倒的なスピードを維持し続けてみせた。アクセスタイムはわずか0.024 ミリ秒でこちらも優秀。

書き込み速度

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(HD Tune Pro)

書き込み速度は開始直後は乱れますが、すぐに立て直して平均で約2450 MB/s前後を維持し続けています。てっきり途中でキャッシュが切れてガクッと落ち込むと予想していたが、全くそのような挙動はない。

おおむね一貫した書き込み速度を維持しています。やはり3D NANDを96層まで積み上げて得られるメリットは非常に大きいです。64層よりも、書き込み性能が更に落ち込みにくくなっている。

SLCキャッシュの有無

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(HD Tune Pro)

実は最初はいつもどおり80 GBのテストサイズで試したのですが、一向に性能が落ち込まないので120 GBまで引き上げて再テストした経緯があります。

それでもなお、読み込みと書き込みの両方で目立った性能低下は確認できなかった。東芝メモリが開発した96層3D TLC NANDの実力に(サムスンの後続とはいえ)驚かされるばかりです。

120 GBの連続書き込みで性能が落ちないなら、ほとんどのユーザーにとっては実用上困ることは無いでしょう。

ゲームのローディング時間

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(FF14のロード時間)
ロード時間AORUS NVMe Gen4 SSDPlextor M9PeGXPG SX8200 ProOptane 900p 280GBIntel 760p 250GB970 EVO Plus 250GB
シーン#11.22 秒1.574 秒1.71 秒1.047 秒1.454 秒1.376 秒
シーン#21.621 秒1.896 秒1.796 秒1.549 秒1.801 秒1.843 秒
シーン#31.347 秒1.549 秒1.539 秒1.232 秒1.491 秒1.546 秒
シーン#41.75 秒2.145 秒1.998 秒1.701 秒2.026 秒2.062 秒
シーン#53.499 秒3.852 秒3.743 秒2.98 秒3.585 秒3.967 秒
シーン#60.728 秒0.835 秒0.916 秒0.676 秒0.803 秒0.881 秒
合計10.165 秒11.854 秒11.703 秒9.185 秒11.16 秒11.676 秒

FF14:紅蓮のリベレーターのベンチマークを使って、各セクションごとにロード時間を計測する。

結果は11秒の大台をついに抜き、10秒台につけた。今までのTLC NAND型SSDは11秒台で停滞していたのですが、AORUS NVMe Gen4 SSDはようやく11秒の壁を打ち破った。

PCMark 8 Storage Test

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(PCMark 8 Storage Test)

PCMark 8のストレージテストは、日常的な使用で想定されるアプリケーション(Adobe系ソフトやOffice系ソフトなどを中心)における実効速度を計測して性能を評価する。

PCMark 8 Storage Test / Score

  • Optane 900p
    5128
  • XPG SX8200 Pro
    5088
  • AORUS NVMe Gen4 SSD
    5076
  • Samsung 970 EVO Plus
    5075
  • Plextor M9PeG
    5073
  • Intel 760p
    5058
  • Samsung 860 EVO
    4992
  • CFD CG3VX
    4907

スコアはもちろん5000点を超えて、ライバルのSSDとそれほど変わらないスコアを付けています。多くのNVMe SSDは5000点後半で停滞している傾向です。

PCMark 8 Storage Test / 実効速度

  • Optane 900p
    1409.5 MB/s
  • XPG SX8200 Pro
    683.9 MB/s
  • AORUS NVMe Gen4 SSD
    600.7 MB/s
  • Samsung 970 EVO Plus
    562.0 MB/s
  • Plextor M9PeG
    552.7 MB/s
  • Intel 760p
    474.1 MB/s
  • Samsung 860 EVO
    303.3 MB/s
  • CFD CG3VX
    200.7

一方でPCMark 8を実行中のスループット(転送速度)は、約600 MB/sにとどまり、XPG SX8200 Proにすら追いつけない結果でした。依然として実効速度で最強は「Optane 900p」のままです。

Premiere Proプレビューの「コマ落ち」

Premiere Proの動画プレビューは動画素材を置いているストレージに影響を受けやすく、高ビットレート(=1秒あたりの転送量が多い)な素材であればあるほど「コマ落ち」が発生しやすくなる。

この検証ではコマ落ちの頻度を計測することで、SSDの性能を評価します。コマ落ちの計測にはPremiere Proの標準機能「コマ落ちインジケータ」を使って、総フレーム数に対するコマ落ち比率で比較する。

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(Premiere Proプレビュー)
動画素材AORUS NVMe Gen4 1TBPlextor M9PeGXPG SX8200 ProOptane 900p 280GB860 EVO 500GB970 EVO Plus 250GBIntel 760p 250GB
4K @448MB/s52.83%46.69%41.90%16.36%68.16%36.39%45.81%
3K @251MB/s22.19%12.45%0.00%0.00%43.26%0.00%7.66%
2K @176MB/s0.00%0.00%0.00%0.00%15.56%0.00%0.00%
4K @108MB/s0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%
1080p @99MB/s0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%

約5 GB/sに迫る最強クラスのシーケンシャル速度であっても、思ったほどドロップフレームは抑えられない結果になった。依然としてOptane 900pが一番スムーズにプレビュー出来ている。

ただし、1秒あたり250 MBを超える動画素材を一般ユーザーが扱うことはまずありません。よってほとんどのユーザーにとって、必要十分なプレビュー性能です。

アクセス集中時の応答速度

品質の悪いSSDにたまに見られる現象が「プチフリーズ」。Windows起動時にPCの動作がカクつく、動画ファイルを移動中にゲームをプレイしているとフレームが飛ぶ、などが代表例。

プチフリーズに対する耐性は、SSDの応答速度に比例するため、実際にSSDに対して高ストレスな負荷を掛けて応答速度を計測します。

テスト方法は約28 GB(1253枚)のTIFF画像を一気にBMP画像に変換(エンコード)するだけ。読み書きの両方を使い、画像1枚の処理が終わるたびにタスクが中断されるため非常にストレスが大きい処理です。

本テストのみ、いつもどおり「Intel Z390」環境で実行しました。「AMD X570」環境では出てくる結果が違いすぎて、比較として全く適切ではないためです。
Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(レイテンシを計測)

読み込みレイテンシと、転送レイテンシはテスト終盤まで25ミリ秒以下に抑えられており、なかなか優秀。書き込みレイテンシは終盤で若干鈍化して、25ミリ秒を一瞬ですが超えています。

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(レイテンシを計測)
テスト内容AORUS NVMe Gen4 1TBPlextor M9PeG 512GBXPG SX8200 Pro 512GBOptane 900p 280GB860 EVO 500GB970 EVO Plus 250GBIntel 760p 250GB
平均読込時間6.77 ms17.22 ms5.68 ms7.31 ms32.09 ms11.41 ms51.80 ms
平均待ち時間2.90 ms10.67 ms2.55 ms2.89 ms16.28 ms6.81 ms44.13 ms
平均書込時間9.70 ms8.31 ms1.09 ms1.13 ms9.37 ms4.84 ms39.40 ms
エンコード時間80.8 秒106.4 秒82 秒79 秒116 秒90 秒161 秒

凄いです。

読み込みと転送レイテンシ(待ち時間)はOptane 900pとそう変わらない結果になった。一方で書き込みレイテンシは大きく引き離されています。

エンコード時間は80.8秒で、Optane 900pで実行した場合と2秒しか変わらない。実用上は十分すぎるほど速いレイテンシと言っていいです。

Aorus NVMe Gen4 SSDをベンチマーク(レイテンシを計測)
エンコード時間AORUS NVMe Gen4 1TBPlextor M9PeG 512GBXPG SX8200 Pro 512GBOptane 900p 280GB
平均読込時間6.22 ms56.05 ms30.58 ms16.25 ms
平均待ち時間2.61 ms29.94 ms17.21 ms7.09 ms
平均書込時間10.01 ms18.88 ms11.86 ms3.30 ms
エンコード時間32.14 秒65.81 秒47.04 秒31.62 秒

更にハードなレイテンシテスト(=CPU使用率100%で実行)に掛けてみたが、AORUS NVMe Gen4 SSDはこの極端なストレステストを相手に耐えています。

読み込みと転送(待ち時間)レイテンシではOptane 900pを下回っており、書き込みレイテンシだけが追いつけない結果となった。エンコード時間は32.1秒で、900pの31.6秒とほぼ同じです。

結論として、普通の使い方ではまず想定されなような極端な負荷が掛かったとしても、AORUS NVMe Gen4 SSDは何の問題もなく動作することが可能です。

ゲーマーからプロのクリエイターまで、幅広くオススメできるのは間違いない。

SSDの動作温度を確認

ベンチマーク時のセンサー温度を計測

Crystal Disk Mark 6の「16 GB」テストを実行中に、HWiNFOを使ってSSDのセンサー温度を計測する。

Aorus NVMe Gen4 SSDの温度を計測

センサーが提供する温度では、最大64℃に抑えられています。負荷がかかってから実際にSSD温度が上昇するまでにかなりのタイムラグが確認でき、付属の銅製ヒートシンクは「温まりにくく冷えづらい」性質です。

サーマルスロットリングなどは特に確認できず、付属のヒートシンクで適切な冷却性能を得られています。

サーモグラフィーで表面温度を確認

サーモグラフィーカメラを使って、SSDの表面温度を直接確認する。

Aorus NVMe Gen4 SSDの表面温度

もっとも温度が出やすいSSDコントローラ周辺を確認すると、温度は49℃前後で安定していました。

Aorus NVMe Gen4 SSDの表面温度

NANDフラッシュの方を見てみると、こちらも48℃前後で推移しており、コントローラ周辺とそれほど変わらない温度です。

ヒートシンクのどこを計測しても、だいたい46~49℃で推移しています。つまり分厚い銅製ヒートシンク全体に、SSDの熱を均一に分散させて効率よく熱を発散する設計です。

AORUS NVMe Gen4 SSDの熱処理は、とても優秀といえます。

ヒートシンクの冷却効果について

付属ヒートシンクを外すだけで保証が無効になるため、あまり意味のない検証かもしれませんが、付属の銅製ヒートシンクがどれほどの冷却効率をもたらすのかを検証しておきます。

Aorus NVMe Gen4 SSDのヒートシンクの効果
  • ヒートシンクなし:最大84℃
  • 付属ヒートシンク:最大64℃
  • マザーボード付属M.2ヒートシンク:最大55℃

ヒートシンクを外した状態では、最大84℃にまで上昇した。ヒートシンクを装着している場合と比較すると、実に20℃も差が開いている。分厚い銅製ヒートシンクは間違いなく機能しています。

次に、検証に使用したマザーボード(X570 Taichi)に付属している、フルアーマー型のM.2ヒートシンクを付けて検証。結果は最大55℃で、付属ヒートシンクより9℃も冷える結果になった。

つまり、M.2ヒートシンクが付属しているマザーボードを使っているなら、マザーボード側のヒートシンクを使うのは選択肢になります。にも関わらず、ヒートシンクの取り外しで保証無効は…惜しいですね。

まとめ:TLC NANDのSSDとして「最強」

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDをレビュー

AORUS NVMe Gen4 SSDは、東芝メモリが開発した「BiCS4」と呼ばれる96層の3D TLC NANDによって、驚異的なストレス耐性を実現しています。

そしてPhisonが巨費を投じて開発した「PS5016-E16」コントローラで、読み込みは最大5000 MB/s、書き込みは4400 MB/sと従来のSSDとは比較にならないシーケンシャル速度を叩き出す。

シーケンシャル速度は文句なしに最強。性能の一貫性はOptane SSDにはあと一歩及ばないものの、実用上はほとんど気にならないレベルにまで進化しています。

「AORUS NVMe Gen4 SSD」の良いところ

  • 最速のシーケンシャル速度
  • 突出した4KiBランダム書込速度
  • ライバルより2~3倍も高い耐久性
  • 高負荷時でも抜群の安定性
  • 大量書き込みでも速度が低下しない
  • 分厚い銅製ヒートシンクが付属
  • たっぷり5年保証

大きなメリットは2つある。まず第1に、SSD単体としてのシーケンシャル速度は「最速」です。第2に、Optane SSDにあと一歩及ぶレベルの高い「一貫性」です。

間違いなくTLC NANDを採用するNVMe SSDとして、AORUS NVMe Gen4 SSDは「最強のSSD」に上り詰めている。重厚な銅製ヒートシンクも、よく冷えて優秀です。

よって、性能に関して不満は一切ありません。それなりに現実的な予算で、なるべく最高の性能を求めるユーザーにおすすめできるNVMe SSDです。

「AORUS NVMe Gen4 SSD」の微妙なとこ

  • ヒートシンク取り外しで保証無効
  • ヒートシンクとマザーボードの干渉リスク
  • 普通なコストパフォーマンス

性能とは別のところで弱点を抱えています。

ヒートシンクを取り外すと5年間の製品保証は無効になるため、使う予定の人はマザーボードと分厚いヒートシンクが物理的に干渉しないかどうかを、事前にチェックしておきましょう。

特にフルアーマー型のM.2ヒートシンクを採用しているマザーボードとは、高確率で干渉します。干渉トラブルを避けるなら、GIGABYTE製のX570マザーボードを選ぶことを推奨する※。

※「X570 I AORUS PRO WIFI」など。GIGABYTE製でも干渉する場合はあるので、製品画像などをよく見て確認してください。

GIGABYTE Aorus NVMe Gen4 SSDをレビュー

まとめると、AORUS NVMe Gen4 SSDは現時点で最速のTLC NAND型SSDです。その性能をフルに発揮するためにも、PCIe Gen4対応の「X570」マザーボードとセットで使いたいSSDですね。

GIGABYTE / NAND : 東芝製96層TLC NAND / 容量 : 1 TB / 耐久性 : 1800 TBW / 保証 : 5年
GIGABYTE / NAND : 東芝製96層TLC NAND / 容量 : 2 TB / 耐久性 : 3600 TBW / 保証 : 5年

以上「AORUS NVMe Gen4 SSDをレビュー:秒速5GBの超高速SSD!」でした。


筆者がおすすめできるSSDをまとめた記事はこちらからどうぞ。

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11 件のコメント

  • GIGABYTE X570 I AORUS PRO WIFI
    とこれ買ったんだけど
    このSSDのヒートしんく外さないと干渉しちゃって
    糞だったなぁ 同じ会社なのにこんなことありえるんですかね

    • ポータブルSSDからデスクトップに移動した時に、英語用のファイルをコピーするのを忘れていたんです。だから特に深い意味はありません。

  • Taichiでも干渉するということはPhantom Gaming Xでもダメっぽいですね…結構期待してたんだけどな…せめてヒートシンクを「付属」にしとけば良かったのに…w

    • Corsair MP600はヒートシンク外してもOKだと、ASRockの中の人より伺っています。Gen4 SSDをASRock X570マザーボードで使うなら、Corsair MP600で解決かと。

  • 最近のPhisonコン採用のTBWはかなり信憑性がアレなので、ライバル圧倒と言えるかは謎です。
    CFDのMG4VTシリーズも似た傾向を示していますが、おそらくNANDの書き換え可能数か何かを単純に乗じたカタログスペックそのままを載せているものと思われます
    あまりにも常識はずれなTBW値の製品だったため、この話はそこそこ有名です

  • なんだかそのままでも水冷しやすそうなヒートシンクだ!

    もうGen3もGen4普通の用途だと、実際に違いは感じ取れなさそう
    環境が変化しなければ趣味の世界ですかね

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