2023年がもうすぐ終わるので、毎年恒例「買ってよかった」モノリスト(2023年版)を書きました。
今年もPCパーツやハードウェアを購入して、時間が許す範囲でレビューしました。本記事ではレビューする暇がなかった製品も含め、筆者やかもちが買ってよかったと思っている製品を10個に絞って紹介します。
(公開:2023/12/30 | 更新:2023/12/30)
2023年:買ってよかったPCパーツとハード【10選】
1.【体験する画質】INNOCN 32M2V
10万円台で買える最高のHDRゲーミングモニター
個人的に、2023年でもっとも好印象なハードウェアが「INNOCN 32M2V」です。
2304個のMini LEDを使った1000ゾーン超えのフルアレイローカル調光(FALD)方式に、量子ドットIPSパネルを組み合わせたDisplay HDR 1000認証ゲーミングモニターがいきなり11~13.5万円に。
32M2V以前なら最低でも30万円近く払わなければ手にできなかったスペックが、突如として10万円台。当時の予想では、すぐにASUSやBenQが追従して同等以上の製品を投入してくるだろうと思っていましたが・・・。
結局1年が経過し、大手メーカーから32M2Vに匹敵するゲーミングモニターは登場しませんでした。未だに筆者の手元に、32M2Vと27M2VがHDRゲーミング用のリファレンス機材として生き残っています。
現時点でレビューしたゲーミングモニターのHDRコントラスト比を比較したグラフです。ベストケースで32M2Vがトップに。
ABL(面積ごとの明るさ変化)も32M2Vが非常に明るく、OLEDモニターを圧倒します。
(※クリックすると画像拡大します)
HDRの暗いシーンであれば、無限のコントラスト比を持つOLEDモニターが優位です。
(※クリックすると画像拡大します)
一方、明るいHDRシーンになると、32M2Vが文句なしに明るいです。ピーク輝度が高く、明るい面積が多いシーンでも明るさを維持しやすいため、32M2Vの方がHDR映像の再現性能に優れます。
ブラック側の階調表現もMini LED FALD型に優位性があり、俗に言う「黒つぶれ」に悩まされずに済みます。
今年プレイしてハマったAAAタイトル「FF16」と「アーマード・コア6」で、没入感あるHDRゲーミング体験を本当に楽しめました。
しかし、32M2VがHDRゲーミングの分野でトップでいられる時間はそれほど残されていないでしょう。
大手メーカーのBenQは「EX321UX」を投入する予定です。詳しい仕様は未だ不明ですが、売れ筋モデル「EX3210U」のMini LED FALD版になると予想しています。
INNOCNの競合にあたるKTCやNubiaも、32M2V以上のスペックを備えたHDRゲーミングモニターを保有しており、日本市場に本格的に参入されると32M2V一強の状況は確実に変化するでしょう。
消費者にとっては競争してくれた方がありがたいので、ぜひ各社バチバチに争ってください。2023年は本当に32M2V(27M2V)が強すぎて、個人的に退屈な年でした。
いつまで「4Kゲーミングモニターのおすすめ」に、32M2V(27M2V)を掲載し続けなければならないのか?あまりにも退屈すぎて、WQHDゲーミングモニター探求の旅に走ってしまったくらいです。
※当ブログでのsRGBは、色域を「sRGB IEC 61966-2」、輝度を「120 cd/m²」、EOTFを「sRGB(Gamma 2.2 Relative)」とします。この領域内において、現状OLEDが最高峰でしょう。ただし、パネル方式に関係なくキャリブレーターを用いたGamma 2.2に対する校正が必須です。出荷時設定でGamma 2.2に一致しているモニターは極めて希少種でした。
2.【最強のSSD】Intel Optane P5810X
今後5年にわたって陳腐化しない最強のSSD
容量400 GBに約13万円・・・、まったくもって正気の沙汰と思えない容量単価ですが、間違いなくOptane P5810Xは最強のSSDです。
昨今流通し始めたPCIe 5.0対応の爆速SSDと比較しても、P5810Xは決して負けない性能を持っています。
ベンチマークソフトのピーク性能こそ、PCIe 5.0対応SSD(最大14000 MB/s)に及ばないかもしれませんが、Optane P5810Xの持つ強みはなんといっても超低遅延(超高ランダムアクセス性能)です。
CrystalDiskMark調べで、Optane P5810Xが叩き出したランダムアクセスリード性能は約500 MB/sに迫ります。現時点で最速に近いCrucial T700ですら100 MB/s前後が限界なので、P5810Xは約5倍も先をゆく性能です。
他のSSDを遥かに上回る圧倒的な超低遅延に支えられ、あらゆる用途に対して常時最高のパフォーマンスを維持します。
PCMark 10 Professional Editionを用いた検証では、Optane P5810Xがぶっちぎりの最強。
NANDメモリを使っている一般的なNVMe SSDではまったく追いつけず、あのSamsung 990 PRO(空き容量を10%犠牲にするFPMモード有効時)ですら刃が立たないです。
自作PCの世界において、PCパーツの性能は5年も経てばたいてい陳腐化します。しかし、Optane P5810Xの性能はあまりにも既存のNVMe SSDに対して隔絶されすぎていて、5年後もそれほど陳腐化しないでしょう。
そもそも5年前に発売されたOptane 905Pが、未だに現行ハイエンドNVMe SSDに近い性能を出せています。905Pをさらに超える性能を持つ5810XがNAND型に打ち負かされる日が来るのは、まだまだ先の未来です。
3.【最強のGPU】RTX 4090 24GB
4KゲーミングとAI生成性能で猛威を振った最強のGPU
散々な言われようのRTX 4000シリーズで唯一マトモな性能向上を遂げたSKUが「RTX 4090 24GB」です。
従来モデルのRTX 3090から100ドル(約7%)の値上げで、最大4倍の4Kゲーミング性能や、約2倍近いAI生成性能を発揮します。つまり、順当な進化を遂げた最新の90番台モデルです。
RTX 4090以外ならRTX 4070 TiやRTX 4070が良い線ですが、価格の上昇幅と性能の伸び幅がそれほど良くなく、RTX 4090ほどコスパが伸びていません。
ではライバル製品のRX 7000シリーズはどうなのか・・・、残念ながらRTX 4090に競合するフラグシップSKUをそもそも投入しない選択を選んだ様子。それくらいRTX 4090の性能は他を圧倒しています。
あのAMDがマトモに取り合うのをやめてしまう程度に、RTX 4090の性能はモンスター級です。
2023年の大きなトレンドが「生成AI(Generative AI)」のマス層への浸透です。
その中で良くも悪くも話題になった「AIイラスト(Stable Diffusion)」の性能を見ると、RTX 4090はRTX 3090に対して約2.03倍の生成速度です。
たった100ドル(約7%)の値上げで2倍の性能ですから、ふだんから当ブログ「ちもろぐ」を読んでいる方なら明確にコストパフォーマンスが高いと評価できます。
尋常じゃない負荷がかかるパストレーシングモード有効時のサイバーパンク2077(4K解像度)で、従来のDLSS 2有効時でRTX 3090に対して約2倍、DLSS 3 FG有効なら約5倍のフレームレートを叩き出します。
一方で、思うようにフレームレートが伸びない分野もあります。代表例が「VRChat」で、RTX 3090に対して平均10 fps(約20%)の伸びにとどまります。
RTX 4090の性能は確かに強力ですが、VRAMの物理帯域幅があまり伸びてないです。増量したL2キャッシュで補う戦略をとっていても、キャッシュヒット率が悪いゲームだと性能を維持できません。
少ないビット幅で高い転送レートを出せる次世代のVRAM(例:GDDR7など)が必要です。
4.【健康モニタリング】Galaxy Watch 6
最大20枚の壁紙を設定可能な有能スマートウォッチ
去年買って気に入っていた「Xiaomi Mi Band 6」が壊れたので、「Galaxy Watch 6(40 mm)」にアップグレードしました。
ちなみにMi Band 6が壊れた理由は温泉です。付けたままシャワーに入っても壊れないので、温泉でも大丈夫だろうと思って浸かったらアッサリ壊れました。もう二度としません。
Mi Band 6が10台くらい買える金額でしたが、基本的な使い方はMi Band 6とほとんど同じです。
- スマホを使わずに時間を見る
- 推しを壁紙にして癒やしアイテムにする
- 歩数を記録してログデータを取る
- 睡眠時間と状況を記録してログデータを取る
自分でも驚くほどMi Band 6と使い方が変わりません。
しかし、Galaxy Watch 6に乗り換えたからこそ得られるメリットもあります。
- Felica搭載(Googleウォレットと連携してICOCA決済が可能)
- 最大20枚の画像を文字盤に設定できます
- 画面が大きく文字盤がよく見える
- 全体的にレスポンス(動作感)が速い
以上がMi Band 6から乗り換えて得られたメリットです。
電車で遠出しないライフスタイルなので、Felicaの恩恵はあまり感じていませんが、最大20枚の画像登録やスピーディーなレスポンスはすばらしいの一言・・・。
分かりやすく体感性能が向上しています。
表示領域が大型化して文字盤に設定した推しイラストがよく映えます。最大20枚まで画像を設定でき、起動するたび違う画像が表示されます。
Mi Band 6では画像を1枚しか登録できず、1ヶ月位のペースで勝手に壁紙が初期化されて毎回スマートフォンのアプリから再同期する手間が必要でした。年に1回ならともかく、1ヶ月だとさすがにストレスです。
一方のGalaxy Watch 6は高性能なハードウェアを備えているおかげで、購入から2ヶ月経った今も壁紙の初期化に遭遇していません。抜群の安定性です。
測定センサーも大型化 & 高性能化し、睡眠モニタリングの評価スコアと体感のよく寝た感がかなり一致する印象です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の兆候を示す「いびき」検知も対応します。
運動時の心拍測定もMi Band 6より高性能です。
自転車で山道を登り続けて明らかに心拍数が上がっていても、Mi Band 6は80 bpm(平常)などと言い出しますが、Galaxy Watch 6ならちゃんと100 bpm以上を返します。
今まで以上に信頼できるモニタリングデータを取得でき、なんとなく安心感が改善しました。
もちろん、Galaxy Watch 6(Samsung Healthアプリ)に収集したログデータの取り出しも可能です。.csvと.json形式で取り出せます。
5.【動作検証で活躍】モバイルモニター
16インチ(2560 x 1600)があらゆる検証シーンで大活躍
AliexpressやAmazonで謎の中華メーカーが安く売っている16インチのモバイルモニターです。
自作パソコンの動作検証や、PCモニターのキャリブレーション時に使うサブモニター(校正ソフトのUI表示用)に、取り回しの良い16インチ型モバイルモニターが大活躍。
わざわざ24インチ超えのPCモニターを出してくるのは割りと面倒くさいです。1~2度ならともかく、筆者の場合は回数が多いので16インチの取り回しの良さに救われました。
ヒョイッと持ってきて、Mini HDMIケーブルとUSB Type-Cケーブルでつなげば、動作検証用のサブモニターにピッタリです。
6.【PFCバランス】カップヌードルPRO
「3分で」下手な自炊料理よりもPFCバランスが良いハイテク食品
高タンパクで低糖質をアピールする「カップヌードルPRO」は本当に素晴らしい商品です。
カップ麺と言えば不健康の代名詞だと勝手に思っていますが、カップヌードルPROなら大丈夫。日清食品独自の「謎肉テクノロジー」などを駆使し、高タンパクで低脂質な栄養成分に仕上げられています。
筆者やかもちが一番好きなフレーバー「チリトマト味」の場合、パッケージに記載してある栄養成分表示が以下の通り。
- タンパク質:15.7 g
- 脂質:17.9 g
- 炭水化物:38.8 g(食物繊維:20.2 g)
- 塩分:1.5 g(めん・かやく)
タンパク質(Protein):脂質(Fat):炭水化物(Carbohydrate)の比率(PFCバランス)が、22%:25%:53%です。
厚生労働省が推奨する「タンパク質13~20%」「脂質20~30%」「炭水化物50~65%」に、おおむね一致する成分に調整されていると分かります。
食物繊維がしれっと20グラム(キャベツまるごと1玉分)入っているのもメリットです。食物繊維も厚生労働省が推奨する1日あたり摂取量に一致しています。
自炊料理でPFCバランス、かつ食物繊維まで考えるとかなり面倒くさいですが、カップヌードルPROならお湯を入れて3分待つだけで完成します。
日本人があまりにも摂取しすぎている塩分量に関しても、スープを飲まなければ1.5 gに抑えられます。文句なしのハイテク食品、カップ麺なのに健康的・・・脳がバグります。
少し小腹が空いた時や、ちょっとした夜食に(罪悪感なく)気兼ねなく食べられます。
7.【リファレンスHDR】すずめの戸締まり
劇場アニメ作品としてもっとも高品質なHDR円盤が登場
2023年5月から導入した、PCモニターのHDR品質を確認するために使うリファレンスソースです。今まで公開された劇場アニメのHDR円盤として、最高のHDR品質です。
「閃光のハサウェイ」など、HDRなのに暗い暗いと非難轟々のひどい作品もある中、「すずめの戸締まり」は頭抜けて高い完成度を誇ります。
全体的に500 cd/m²をターゲットにマスタリングが施され、激しいエフェクト部分(T光など)に1000 cd/m²近いピーク輝度が割り当てられています。
色域はDCI P3領域で作られているため、量子ドットフィルターを使ったゲーミングモニターで問題なく再現できる色です。
そもそも、4K HDRの基準とされるRec.2020色域を100%再現できるパネル技術がまだ存在しないので、DCI P3で制作するほうが理にかなっているそうです。
8.【無線オーディオ】KEF LSX + WiiM Pro
WiiM Proと組み合わせて加速するワイヤレスオーディオ環境
今年はゲーム用のサブ環境に、新しいPCオーディオ環境を整備しました。導入した機材は以下の通り。
- 【スピーカー】KEF LSX Wireless
- 【ウーファー】KEF KC62
- 【ネットワークDAC】WiiM Pro
そのままマザーボードのS/PDIF出力から音出しするシステムでも良かったのですが、これだとパソコン前提のシステムになってしまい、音を鳴らすためにわざわざパソコンを起動する必要があります。
色々考えた結果、Amazonタイムセール時に約1.6万円で買える(比較的)安価なネットワークDAC「WiiM Pro」を組み合わせて、パソコン or スマホで音出しに対応する方向性に。
サブ環境(ゲーミングPC)で遊ぶ時は、WiiM ProをS/PDIF入力に切り替えてマザーボードから音出しして、スマホアプリ(Amazon Musicなど)から音を出す時はWiiM ProをWiFi入力に切り替えて音出します。
パソコンを起動せず、スマホアプリから音楽を再生・停止できる仕組みは筆者の想像以上に満足度が高いです。パソコンの前にわざわざ移動してSpaceバーを押す手間が省けました。
パソコンを起動せずに音を出せるので、静かに音楽だけを聞きたい時も便利です。ゲーミングPCは起動しなければ無音です。
理由は単純、KEF LSX純正アプリがあまりにもポンコツすぎてストレスフルだったからです。WiiM Proアプリの方がはるかに使いやすく、Amazon Musicとの連携も・・・完璧ではないものの、よく出来ています。
肝心の音質はなかなか良いです。
KEF LSX Wirelessの ホワイトペーパー(一例) | |
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kef_awards_hifinews_092019.pdf | LSX_Info_sheet_EN_20181101.pdf |
KEFは数あるスピーカーメーカーの中でも、科学的で測定に基づいた製品開発に重きをおいています。Harman International社と同じく、KEFも測定値の改善によって統計的に高い評価を目指す思想です。
とはいえ、筐体サイズが小さいKEF LSX単品では低音域が不足します。不足する低音域を補うため、密閉型サブウーファーのKC62を追加しています。
おかげで特に難しいセッティングなしに、空間が音で包まれるような音質が展開されます。重低音から高音まで本当によく再現できますが、解像度は期待ほど良くなかったです。
筆者が愛用しているメインシステム「Yamaha NS-1000M」を超えられません。しかし、アクティブ環境とパッシブ環境の比較は公平と言えないでしょう。
今のところそれほど音の解像度を必要としない、ゲームや映像目的で使っているため、満足度がかなり高いサブ環境です。
ゲームをしない時は、WiiM Proスマホアプリ経由でAmazon Musicのプレイリストを流して、レビュー製品の撮影や検証時の作業用BGMに使っています。今まで以上に作業が楽しくなりました。
9.【さよならキャプボ】AVerMedia Ez Recorder
たった1台で画面のスクショも録画もこなす便利ガジェット
キャプチャーボードで有名なAVerMediaが販売している、スタンドアロン型のキャプチャーボード「Ez Recorder ER330G」を買いました。
筆者はElgato社の最大4K対応キャプチャーボードを持っていますが、そちらはPCIeスロット専用でキャプボ用にもう1台パソコンを必要とします。
(ER330Gを経由するだけでOK)
一方、ER330Gはスタンドアロン型。ACアダプターで電力を給電し、目的の映像ソースとPCモニターの間にER330Gを挟むだけで、画面のスクリーンショットや録画が可能です。
キャプチャー用にわざわざパソコンをもう1台用意する手間が省けました。
別にパソコン自体は常に何台か用意できるPCパーツのストックがあるものの、やはりちょっとした録画やスクリーンショットのためにパソコンを用意して毎回出してくる手間は相当なモノです。
必要十分なインターフェイスが揃っていて、USBエンクロージャー型SSDやmicroSDXCカード、果てはLANポートを経由してNAS(ネットワークHDD)に直接保存できます。
- USB 2.0(480 Mbps)
- microSDXCカードスロット
- LANポート(100 Mbps)
各インターフェイスの最大帯域幅が今どきの機器としては非常に低いように思えますが、ER330Gが対応する録画品質(ビットレート)は最大40 Mbpsだから問題ないです。
しいて不満を挙げるなら、USBメモリ非対応くらいです。筆者はUSBエンクロージャー型SSD(いわゆるポータブルSSD)を使っているので大丈夫でした。
本体操作は付属のリモコンで行なえます。リモコンをポチポチと押すだけで、映っている画面のスクリーンショットや録画をコントロールできます。
USBタイプやPCIeタイプのキャプチャーボードが主流ですが、筆者の使い方だとスタンドアロン型が便利すぎて・・・もっと速く買えば良かったと思いました。
たとえば
- マザーボードのUEFI(BIOS)画面のスクリーンショット
- Windowsのインストール画面のスクリーンショット
などで活躍です。
10.【推しイラスト管理】Eagle
利便性抜群のエクスプローラー + フォトビューワー
Windows標準のエクスプローラーとフォトビューワーは無料の割にそこそこ使えますが、画像の枚数が数千~数万になってくると、サムネイル表示すらおぼつかない劇遅ソフトに成り下がります。
フォトビューワー(新旧どちら)も機能的に不満が無いですが、4K~16K解像度の画像だと表示するまでに数秒ほど待たされたり、ズームインの挙動がワンテンポ遅れるなどストレスが溜まります。
一応、Windowsのインストール先に「Intel Optane 905P」を採用しているものの、それでも数万枚単位が相手だとソフトウェア側のボトルネックが顕著です。
というわけで、クリエイター向けで有名な画像管理シェアウェアソフト「Eagle」を導入。
お値段は約30ドル(約4200円)と、画像管理ソフトの割にちょっと高いですが、購入から10ヶ月経った今もゴリゴリに愛用中です。個人的にもう手放せません。
インターネット上の画像をドラッグ & ドロップすると、保存先がポップアップされ選んだフォルダにそのまま保存できます。
Windows標準のUIなら、画像をクリックしてフルサイズを開き、右クリックで名前をつけて画像を保存する手間がなかなか面倒です。
ドラッグ & ドロップして保存された画像には、自動的にダウンロード元のURLが付与され、後で誰のイラストだったかを簡単に確認可能です。
独自のタグ付け、評価によるフィルタリング、イラストに含まれている色の割合なども確認できて便利です。
Eagleを使い始めて10ヶ月が経ち、約33000枚もの画像をEagleに格納しています。てっきり途中で使うのをやめるかと思いましたが、すっかりEagle依存状態に。
3万枚を超える大量の画像を保存した状態ですら、サムネイルがいつでも秒速表示される仕様が気に入っています。GPUアクセラレーション対応のフォトビューワー機能も動作がサクサクで不満なし。
実際に試した限り、8K解像度までなら本当にスピーディーな動作感です。さすがに16K解像度になると、初回表示に数秒の待ち時間が発生しますが、いったん表示されれば拡大・縮小は速いです。
間違いなく、Windows標準のエクスプローラー + フォトビューワーを上回っています。
Eagleは画像ファイルだけでなく
- 動画ファイル(.gif / .mp4など)
- テキストデータ(.txt / .docx / .xlsxなど)
- PDFファイル(.pdf)
- Adobe系プロジェクトファイル(.ai / .psなど)
などなど定番のファイル形式も対応しています。PDFファイルや動画ファイルにも爆速でサムネイルが表示され、抜群の利便性です。
インターネットで個人的に気に入ったブログ記事や文献を見つけては、PDFファイルで保存してEagleに放り込んでアーカイブ化しています。
昨今のインターネットはすぐに情報が消えてしまうので、こうしてローカルに保存しないと不安です。
一応ネット上にアーカイブするウェブサイト(Web Archive等)が存在するものの、どう考えても著作権的に黒にしか見えないので、こうしてPDF化して私的保存するようにしています。
まとめ:最強クラスのPCパーツに触れた1年
今年も当ブログ「ちもろぐ」は、SSDやグラフィックボード、ゲーミングモニターを中心にいろいろと自腹で購入して測定検証レビュー記事をアップしました。
各分野の最強クラスを体験できて良い1年になったと個人的に思います。
- ゲーミングモニター:INNOCN 32M2V
- NVMe SSD:Intel Optane P5810X
- グラフィックボード:RTX 4090 24GB
32M2Vは国内で販売されてからほぼ1年間、HDRコンテンツ向けで最高峰のゲーミングモニターです。Optane P5810Xはおそらく今後5年に渡って最強の性能でしょう。
RTX 4090も次の世代が来るまで安泰です。ライバルのAMD社がMCM(マルチ・チップ・モジュール)方式のRX 7950 XTX(仮称)を出してくるなら風向きが変わるかもしれませんが、実際に出てくると思ってません。
では最後に、2024年度に期待している各分野の最強クラスについて少し紹介します。
(https://item.jd.com/100078072798.html より引用)
- ゲーミングモニター:Red Magic GM001S
すでに中国市場で発売されている、HDR向け最強クラスのゲーミングモニターです。
Nubia(Red Magic)はSIMフリースマートフォンで日本市場に進出しているため、同社のゲーミングモニター製品を国内に投入する可能性がゼロだと言い切れません。
もしGM001Sが国内に投入されると、2024年度の「Best of 27″ 4K」がGM001Sが確定してしまうので、できれば出さないで欲しい。ゲームバランスを完全に破壊する価格とスペックです。
- ゲーミングモニター:LG 32GS95UE
2024年に投入が予定されている、最新のLG Display製W-OLEDパネルを使った32インチの4Kゲーミングモニターです。
ついに32インチの4K解像度(3840×2160)でOLEDパネルが登場。ASUSからも、同社のOLEDパネルを使った「ROG Swift PG32UCDP」が投入される予定です。
実際の仕様がまだ非公開なので細かい性能が分かりませんが、次世代W-OLEDパネルに盛り込まれる可能性が高い仕様変更をいくつか挙げます。
- マイクロレンズアレイ(MLA)方式による輝度向上
→ VESA Display HDR True Black 400認証 - ピクセル配列をRWBGからRGWBに変更
→ RGB配列に近づけて文字の明瞭さを改善 - デュアルリフレッシュレート方式の採用
→ 4Kで240 HzとフルHDで480 Hzを切り替え可能
LG G3やMZ2500など、ハイエンドOLED TVで使用されている輝度向上技術「MLA」がPC向けパネルに降りてきました。
白色ドットを使っている都合上、ピクセル配列はどうにもならないですがRGB配列に近いレイアウトに変更して、文字の明瞭さを改善する狙いです。
そしてTV向けでも未だ導入されていなかった、デュアルリフレッシュレート方式が登場。eSportsをするときにフルHD(480 Hz)、RPGやオフゲーを4K(240 Hz)でプレイするなど。
モニター1台で複数の用途に対応しやすい仕様です。
おおむね既存のW-OLEDパネルを改善しています。ただし、MLA方式を使ってもHDR True Black 400認証にとどまっているため、依然としてHDRコンテンツの再現性能に課題が残るでしょう。
HDRに関心がなければ最強の4Kモニターになる可能性が高いですが、(筆者のように)HDRもガッツリ楽しみたいユーザーにとっては、引き続きMini LED vs OLEDで悩ましい状況が続きます。
BenQ Zowieの新しい残像軽減モード「DyAc 2」は、動画を見る限り左右2分割のエッジライト方式で、左右交互に明滅させるシステムみたい
つまり→ 黒挿入の回数がほぼ2倍!
・フリッカーを感じづらくなる
・クッキリ見える効果が上がる
・画面が暗くなりづらいなどが期待できそう(かも) pic.twitter.com/JlNrpHmQ2d
— やかもち@ちもろぐ (@Yacamochi_db) December 14, 2023
- ゲーミングモニター:Zowie XL2586X
eSports競技向けでおそらく最強格になる可能性を秘めているゲーミングモニターが「XL2586X」です。
Fast TNパネルで最大540 Hzに対応。これだけなら、ライバルメーカーから出てくるOLEDパネルの480 Hzに負けてしまいますが、Zowieは左右分割型バックライトを用いた「DyAc 2」で対抗する予定です。
左右分割型バックライトを使って、最大1080 Hzの超高速黒挿入を行います。画面を半分ずつ明滅する仕組み上、画面の明るさを維持しやすく、黒挿入の回数が倍増して残像軽減の効果も高まります。
しかも、1080 Hzの黒挿入であれば実質的にフリッカーフリーに近いです。従来のDyAc(240~360 Hz)より格段に目が疲れるリスクを減らせます。
正直結構驚いています。2024年はOLEDゲーミングモニターが数多く投入され、Zowie XLシリーズの優位性が完全に喪失すると見ていただけに、しぶとく抵抗を続けるBenQに感心しました。
(https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-12143.html より引用)
- グラフィックボード:RTX 4070 Super(仮称)
予算10万円で買えるコスパ最強のグラフィックボードになる可能性が「RTX 4070 Super(仮称)」です。
北森瓦版さんが報じている情報いわく、MSRP据え置き(599~649ドル)でシェーダー数が5888コア → 7168コア(+21.7%)に増加します。
RTX 4070 Tiに迫るシェーダー数で、同価格帯のRX 7800 XTを確実に上回る性能です。既存のRTX 4070はおそらく安くなります。
在庫処分で値下がったRTX 4070を拾うか、RTX 4070 Super(仮称)を約9~10万円で買うのが良さそうです。
- SSD:特になし
残念ながら期待できるSSDは特にないです。NANDメモリ市場そのものが減産に移行してしまい値上がり傾向ですし、個人的に期待しているYMTC社は次世代(300層世代)に追いつけない可能性があります。
MicronがIntelと共同開発した3D Xpoint技術を使った製品を作る可能性はあるものの、おそらくデータセンター向けです。コンシューマ向けの相変化メモリ型SSDはまったく期待できません。
以上「【2023年】ちもろぐ的「買ってよかった」PCパーツやハードウェア【10選】」でした。
おすすめなゲーミングモニター:解説まとめ
4Kゲーミング部門は「32M2V」が個人的ベスト、WQHDゲーミングモニターは「IODATA EX-GDQ271JA」がかなり良かったです。
フルHD部門はまだレビュー数が少なく判断が難しいですが、性能とコスパの観点で「GIGABYTE G24F 2」が現状のトップクラスに近いです。
技術的観点で非常に興味深いサンプルは、やはり「JOLED Glancy」でしょう。過去レビューした中で、もっともPCモニターに適した特性を持つOLEDパネルでした。
おすすめなCPU:レビューまとめ
万人向けおすすめは引き続き「Core i5 13600K」です。ハイエンド部門も変わらず「Ryzen 9 7950X」がいいでしょう。X3D版はゲーム性能を得る代わりに失った性能もあり、上位互換に該当しません。
筆者の考えでは、値段が高いのであれば上位互換であるべきです。そもそもゲーミング目当てなら「Ryzen 7 7800X3D」の方が扱いやすく、かつ高フレームレートです。
低価格モデルは・・・、現在レビューに向けて作業を開始している「Ryzen 5 7500F(BTO専売モデル)」や、先日の自作PC解説に使った「Ryzen 5 7600」がコスパに優れています。
おすすめなグラボ:レビューまとめ
個人的にRTX 4090が最高峰、次点でRTX 4070 Tiが良いです。10万円未満ならRTX 4070ですが、来年出るRTX 4070 Superで価格がどう動くか要注目です。
同様にRX 7800 XTもRTX 4070 Superでどう動くか、さらに下方圧力がかかって8万円を切る展開になると狙い目でしょう。
おすすめなSSD:レビューまとめ
強豪ひしめくハイエンドの世界で、DRAMレス型のNVMe SSDが強い存在感を示しました。
pSLCキャッシュ超過後の書き込み性能こそDRAM付きモデルに劣るものの、実用上の性能面で同等かそれ以上を示し、しかも価格が安くコストパフォーマンスに優れます。
筆者の強いサムスン信仰が完膚無きに打ち砕かれた1年でした。
低価格帯は国産NANDを採用する「EXCERIA G2」または「EXCERIA G2 PLUS」が引き続き優秀です。
おすすめなゲーミングPC:レビューまとめ
BTOパソコン部門は4KならRTX 4070 Ti~4090、WQHDはRTX 4070(またはRX 7800 XT)、フルHDは依然としてRTX 3060 TiやRTX 3060 12GB(安ければRTX 4060)を推奨します。
メーカー別評価はもっぱら「パソコン工房」が個人的なお気に入りです。そこそこの納期、ゲーム用途に十分な中身、セール時の安さが魅力です。
EAGLEは生成AI画像管理ソフトとしても最強だと思いますね
メタデータも同時に保存するExtensionを使えば検索機能も爆速なので後から取り出して流用するのが本当に楽です…
Eagle便利ですよね。
記事中に書くか悩んだのですが、ぼくもAIイラストの記録と管理に使ってます。
今年は円安にも関わらず、PCパーツ(や周辺機器)が割りと安く手に入る年だったように思います。先日、27M2Vを購入しましたが、コレはヤバいですね… 2024年は為替レート次第ではありますが、poco F5(Redmi Note 12 Turbo)を入手したいなどと思います。
今年度の総括ありがとうございます。
個人的にはモニターとスピーカーをそろそろ買い替えを検討していますので、参考になりました。
来年度も貴兄の記事を楽しみにしております。
1年間お疲れ様です
今年は初めてちもろぐに出会ってディスプレイのHDR沼にハマった一年になりました。自分は受験真っ最中の高三で受験が終わったら自作pc環境作ろうと思ってるのですが、ディスプレイにはこだわって今月Acerから出たHDR1000のWQHDモニターにしようと思ってます。
来年もちもろぐの記事楽しみにしてます。
4070superはメモリの帯域も良くなるならなんなら4k環境では4070ti超えたりするのかな?
楽しみなグラボです
レッドマジックの32インチが出たら最高なんだけどなぁ
本当にそう思います。
32インチ版だったら個人輸入してました。
ムチムチの木
Eagleというソフトを初めて知ったが欲しすぎる…
HDDにpixivのイラストが17000枚近くあるが名前もつけてないのが多数…
元々ローカルにあったイラストにもタグ付けしてくれるんですか?
やかもちさんは今後Edifier MR4のレビューをされる予定ありますか?友人に薦めようか考えていて、その判断材料が欲しいです。あとEagleに画像を保存するのって著作権的に大丈夫なんでしょうか?
pfcバランスはカロリーベースです。
1gあたり炭水化物とタンパク質は4kcalですが脂質は9kcalなので
タンパク質は15.7*4/303=21%
脂質の割合は17.9*9/303=53%
炭水化物の割合は100-21-53=26%
高タンパク低糖質であってpfcバランスは悪いですよ。
高タンパクを謳うカップ麺は日清もマルちゃんもスープにコラーゲンペプチド(体内で殆どアミノ酸に分解できず約24時間で代謝される物質)をスープに添加しているので筋肉の栄養としては使えず、しかも塩分を気にしてスープを捨てた場合はそもそもタンパク質全体の摂取量も下がりますね。
ストレージは暫く期待できんみたいね
ここ数年HDDは値上がりだし、SSDはタマ数すら減ってきた
古ノート用にSATA SSD買おうと思ったらこの惨状
スピーカーのリンクLSX IIにになってません?
まあ今から買うならIIのが断然良いでしょうけど…
LSXシリーズはでかい部屋で普通のスピーカー感覚で聴くと流石に限界を感じるんですけどデスクトップで金を投じるならまず選択肢に出ますね
音質だけで言うなら同メーカーのLS50 Wireless IIの方が有利ですけど机上にはデカすぎるし高すぎるし…
ネットワークオーディオプレーヤーも沼ですが再生する側もこれまた沼だったり…
ミュージックサーバ向けのファンレスPC、RAATとかDirettaとか専用伝送プロトコル、ROCKとかGentooとかのLinuxベース専用OS、有線LANをSFPケーブル化して電気的に絶縁(!?)…やろうと思えばいくらでも金を溶ける底なし沼です
さらに(まだ開発中ですが)CUDAコアを使ってリサンプリングの演算を行う技術も進行中で音楽再生にグラボを使う時代が…いややりすぎでしょ…
EX321UXは出ても20万超えになるだろうから、32M2Vと競合はしなさそう
品質的にはBenQのほうが信頼できるので、あとはいかに価格差分の魅力が出せるか
「Web Archive等が存在するものの、どう考えても著作権的に黒」とか言ってる人がStable Diffusion使って版権キャラ生成しまくってるのは高度なギャグですか?
いつもの事ですが、ちもろぐは自分に都合の悪いコメントは徹底的にスルーします。
現行法で黒で無ければモラルが無くても良いと言うことなんだろうなと納得しておきます。
カップ麺を食いながら健康を語るっていうのは新手のジョークですか?
RTX 4070 Super(仮称)のAV1エンコードは1基なんですかね?
RTX 4070 Ti Super(仮称)や RTX 4080 Super(仮称)は2基だと分かるのですが